JP5441380B2 - ホルムアルデヒド酸化触媒およびその製造方法 - Google Patents

ホルムアルデヒド酸化触媒およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、オフィスや住居の室内の空気中に存在するホルムアルデヒド等の有害物質を比較的低温で酸化分解するホルムアルデヒド酸化触媒に関するものである。ホルムアルデヒドは本触媒により完全酸化されて二酸化炭素と水になり無害化される。
オフィスや住居の気密性の向上により、壁材、床材等の内装材から発生するホルムアルデヒド、トルエン、キシレン等の有害物質の除去に対する関心が高まっている。特にホルムアルデヒドは長期吸入により慢性呼吸系疾病にかかるおそれがあり、世界保健機関(WHO)によって発ガン性物質および催奇形性物質に指定されているほか、突然変異性が強い物質として、もっとも危険な化学物質のリストに入れられています。そこでシックハウス対策として材料メーカ、住宅メーカでは、ホルムアルデヒドを発生しない材料を用いて施工したり、施工後施主に引き渡す前に、住宅内をエージングしたりしてホルムアルデヒド濃度を低減する等の対策が実施されています。しかしながらホルムアルデヒドの発生源は建材以外にも家具、カーテン、カーペットや喫煙と多岐に亘り、室内の低濃度の有害ガスを効率的かつ経済的に処理する技術がもとめられている。
ホルムアルデヒドの除去法に関しては、活性炭、ゼオライト、モレキュラシープ、多孔質粘土、活性アルミナおよびシリカゲルなどの吸着剤が用いられているが、これら吸着剤は寿命があり、所定量のホルムアルデヒドを吸着すると飽和して吸着性能が低下する。したがって、定期的に、例えば数ヶ月毎に吸着剤を交換する必要があり、その性能を維持するのに過大な労力や費用を要する。
触媒技術によりホルムアルデヒド等の室内の有害物質や臭気物質を無臭無害な物質に分解する方法は、通常200℃以上の温度に昇温する必要があり、一般に貴金属系触媒を使用して処理する方法が知られている。また貴金属を使用しない触媒として例えば2種以上の遷移金属を共沈法により作成したMn/Cu複合酸化物等の脱臭触媒(特許文献1)や、クロム、鉄、コバルトおよび銅のいずれかとマンガンよりなる複合酸化物を含有する脱臭用触媒組成物(特許文献2)のようなマンガン複合酸化物系触媒が提案されている。マンガン系等の複合酸化物を作成するには共沈等の複雑な装置や製造工程の管理が必要とされる。
また最近では、ホルムアルデヒドを常温で効率的に酸化分解する触媒として還元処理で酸素欠陥を有するセリウム酸化物に貴金属を担持した触媒(特許文献3)や、酸化セリウム−酸化ジルコニウム複合酸化物等に10nm以下の金を担持した触媒(特許文献4)が開示されている。常温で酸化処理する方法はガスを昇温するためのエネルギー費が不要となるが、、ガス中の不純物の影響や副生成物の蓄積等により処理性能低下が生じたりする可能性があった。また還元処理や複合酸化物の作成等で製造方法が複雑であること及び高価な貴金属を多量に担持するため触媒費用が高くなるという問題があった。
また、その他の方法として、酸化チタンに紫外線を照射する光触媒法や放電を用いてオゾンを発生させるオゾン酸化法があるが、処理効率の低さやオゾンの人体に与える影響などから有効な技術とはいえない。
特開平8 −243396号公報 特開平10−180108号公報 特開2001−187343号公報 特開2004−74069号公報
本発明は、上述のような問題点を解決するためになされたものであり、室内の低濃度ホルムアルデヒドを比較的低温度でホルムアルデヒドを効率良く酸化し、二酸化炭素と水に完全酸化して除去する触媒及びそれを用いた空気清浄化方法を提供することである。また本触媒の製造方法は簡単であり、複雑な製造設備を必要としない。
上記課題を解決するために、本発明のホルムアルデヒド酸化触媒は、触媒A成分としてマンガン−セリウムの均密混合酸化物と触媒B成分として周期律表8〜11族に属する元素の中から選ばれた少なくとも一種以上の金属元素を含有しており、前記触媒A成分は二酸化セリウムの蛍石型構造に対応するX線回折ピークを主ピークとするものであり、かつマンガンを二酸化マンガン換算で10〜60質量%含有するマンガン−セリウム均密混合酸化物であることを特徴とするものである。
本発明のホルムアルデヒド酸化触媒は触媒A成分であるマンガン−セリウム均密混合酸化物を30質量%以上、触媒B成分の金属元素を0.05〜20質量%含有していることが好ましい。
触媒B成分の金属元素としては鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀および金から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、その含有量はホルムアルデヒド酸化触媒に対して1〜20質量%とすることができる。
またホルムアルデデヒド酸化触媒は触媒A成分と触媒B成分に加えて、さらに触媒C成分として酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、ゼオライトおよびチタン系複合酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の耐火性無機酸化物を含有することができる。
本発明のホルムアルデヒド酸化触媒の製造方法において、触媒A成分として酸化セリウムまたは酸化セリウムの前駆体にマンガン塩溶液を混合し乾燥後に空気中300〜900℃で焼成してマンガン−セリウム均密混合酸化物を調製する工程を有していることを特徴とする。この際、マンガン塩1モルに対して0.1〜2モルの有機酸をマンガン塩溶液に添加することが好ましい。
本発明のホルムアルデヒド酸化触媒に用いる触媒A成分であるマンガン−セリウム均密混合酸化物は安価な原料、簡便な製造設備や製造方法で製造可能であり、触媒B成分と組み合わせることにより比較的低温でホルムアルデヒドを完全酸化して室内空気を清浄化することができる。
本発明のホルムアルデヒド酸化触媒は触媒A成分としてマンガン−セリウム均密混合酸化物と触媒B成分として周期律表8〜11族に属する元素の中から選ばれた少なくとも一種以上の金属元素を含有するものであって、前記触媒A成分はX線回折測定した時に検出される結晶ピークが二酸化セリウムの蛍石型構造に対応する位置に主ピークを有しており、かつマンガンを二酸化マンガン換算で10〜60質量%含有するマンガンーセリウム均密混合酸化物であることを特徴とする。
触媒B成分の周期律表8〜11族に属する金属元素としては、8族の鉄、ルテニウム、9族のコバルト、ロジウム、10族のニッケル、パラジウム、白金および11族の銅、銀、金などが使用可能である。
本発明の触媒A成分のマンガン−セリウム均密混合酸化物とは、X線回折にて測定した際に、酸化マンガンに由来する回折ピークはほとんど見られず、二酸化セリウムの結晶ピークを主ピークとして得られるものを表している。粉末試料の結晶構造は格子面間隔(d値)を測定することにより確認することが可能である。X線回折の測定条件は、CuKα線源、電圧45KV、電流40mA、走査範囲10〜90°、走査速度0.198°/minで実施した。本願発明により得られたマンガン−セリウム均密混合酸化物のX線回折の測定結果において主ピークのd値は3.07〜3.15の範囲にあり、JCPDS(Joint Committee of Powder Diffraction Standarts)カード記載の二酸化セリウムの蛍石型構造のd値である3.12とほぼ一致する。またカードに記載されている二酸化セリウムのd値は相対強度が高い順に、3.12、1.91、1.63、2.71等であり、主ピーク以外もほぼ一致した位置に結晶ピークが検出され、マンガン−セリウム均密混合酸化物の結晶構造は二酸化セリウム蛍石型構造にほぼ類似していると考えられる。
触媒A成分であるマンガン−セリウム均密混合酸化物はマンガンを二酸化マンガン換算で10〜60質量%、好ましくは15〜50質量%、より好ましくは20〜40質量%の範囲で含有する。このように高い含有率でマンガンを含有するにも係らず、酸化マンガンに由来する回折ピークがほとんど見られないことから酸化マンガンはアモルファスな状態で酸化セリウム上に高分散されていると推定される。
マンガン−セリウム均密混合酸化物における二酸化マンガン換算の含有率が10質量%未満である場合は、ホルムアルデヒドの酸化速度が不十分となり効率的な触媒処理ができなくなり、60質量%を超える場合はマンガンの安定化が不十分となり耐熱性や耐被毒性の低下を招くので好ましくない。
一般に酸化マンガンの結晶構造としてはMnO、MnO、Mn、Mnなどの形態があり、特にMnOは活性二酸化マンガンと呼ばれ強い酸化力を有していることが知られている。しかしながらMnOは熱処理により相変化しやすいため触媒燃焼法に使用することは困難であった。本願の製造方法により得られるマンガン−セリウム均密混合酸化物は900℃の高温で熱処理してもX線回折測定において、ほとんど二酸化セリウムの蛍石型の結晶ピークが検出されるのみであり耐熱性に関しても大幅な改善効果が得られることが判っている。具体的には700℃以下の熱処理ではほぼ二酸化セリウムの結晶ピークしか検出されないが700℃を超えると若干の酸化マンガン由来の結晶ピークが検出されるようになる。また酸化マンガンは反応性が高く処理ガス中に硫黄化合物が存在すると硫化マンガンや硫酸マンガンに変質して性能低下を招きやすいことが判っているが、本発明のマンガン−セリウム均密混合酸化物は酸化マンガンが安定化されており耐硫黄被毒性に対しても改善効果が得られる。
尚、本発明のマンガン−セリウム均密混合酸化物を900℃で5時間熱処理した場合には若干の酸化マンガン(γMn)の結晶ピークが出現する。γMnの主ピークはd値が2.48〜2.49の位置に検出されるが3.12近辺のセリウムの主ピークの強度を100とした場合のマンガン由来の相対強度は30以下であることが好ましく、より好ましくは20以下であることが好ましい。
マンガン−セリウム均密混合酸化物は固相混合法、固液混合法、液相共沈法、アルコキシドを用いたゾルゲル法等により製造することができる。特に安価な原料を用いて簡便な製造装置用いて高活性な均密混合酸化物を製造することができる固液混合法が好ましい製造方法として挙げられる。固液混合法として酸化セリウムまたは炭酸セリウム等の酸化セリウムの前駆体に硝酸マンガン等のマンガン塩水溶液を含浸して、乾燥、焼成することが挙げられる。空気中で300〜900℃で焼成することで、20〜100m/gの比表面積を有したマンガン−セリウム均密混合酸化物を調製することができる。
本発明のホルムアルデヒド酸化触媒は前記触媒A成分としてマンガン−セリウム均密混合酸化物を30質量%以上、触媒B成分として周期律表8〜11族の金属元素を0.05〜20質量%含有していることが好ましい。マンガン−セリウム均密混合酸化物が30質量%未満である場合はホルムアルデヒド酸化速度が遅くなり高い処理効率が得られ難く、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。また周期律表8〜11族の金属元素が0.05質量%より低い場合は低温での酸化性能が不十分となり、20質量%を超えても性能向上効果はほとんど得られず分散性が低下して粒子成長する可能性があるので好ましくない。尚、触媒B成分は各元素の金属または金属酸化物として含有されることが好ましい。
また触媒B成分の周期律表8〜11族の金属元素として鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀および金から選ばれる少なくとも1種を使用することが好ましく、その含有量は1〜20質量%とすることができる。特に白金族金属と比較して安価である銀を触媒B成分として使用する場合は著しくホルムアルデヒドの低温酸化活性を向上するため好ましい。
本発明のホルムアルデヒド酸化触媒は触媒A成分のマンガン−セリウム均密混合酸化物および触媒B成分の周期律表8〜11族の金属元素に加えて、さらに酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、ゼオライトおよびチタン系複合酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の耐火性無機酸化物を触媒C成分として含有することができる。耐火性無機酸化物は0〜70質量%含有することが好ましい。耐火性無機酸化物を添加することによりホルムアルデヒド等の有害ガスの吸着特性や触媒の機械的強度の向上が得られる。耐火性無機酸化物が70質量%を超える場合は触媒A成分および触媒B成分の含有量が少なくなり、十分な触媒活性が得られなくなるので好ましくない。
前記耐火性無機酸化物はチタン系複合酸化物を使用することが好ましい。チタン系複合酸化物が優れている理由は明らかではないが、顕著な固体酸性を有していることでホルムアルデヒドの酸化が促進する効果が得られていると考えられる。チタン系複合酸化物としてはTi−Si複合酸化物、Ti−Zr複合酸化物およびTi−Si−Zr複合酸化物から選ばれる1種を使用することが好ましい。特にTi−Si複合酸化物は高比表面積を有しており化学的および熱的に安定であり、マンガン−セリウム均密混合酸化物と組み合わせることにより優れた耐久性を有したホルムアルデヒド酸化触媒を構成することができる。特に低温での酸化処理で問題となる硫黄系化合物を含有するガスを処理するのに好適である。室内の低濃度のホルムアルデヒドを処理するに際してチタン系複合酸化物の比表面積は100m/g以上、好ましくは150m/g以上であることが好ましい。またチタン系複合酸化物はpKa≦+3.3の酸強度を有する固体酸量が0.3mmol/g以上であることが好ましい。
次にホルムアルデヒド酸化触媒の製造方法について記載する。前述のように触媒A成分であるマンガン−セリウム均密混合酸化物は液相共沈法やゾルゲル法によっても製造することができるが、簡便な固液混合法で製造することが好ましい。固液混合法とはマンガンまたはセリウムとどちらかを固体原料を用いて、もう一方を溶液として混合して調製するものであり、好ましくはセリウム源を固体としてマンガン源を溶液で使用することが好ましい。具体的にはアモルファスな酸化セリウムまたは炭酸セリウム、水酸化セリウム等の酸化セリウムの前駆体を硝酸マンガン、塩化マンガン、酢酸マンガン等のマンガン塩水溶液を混合して、乾燥、焼成して本発明のマンガン−セリウム均密混合酸化を調製することができる。焼成は空気中300〜900℃、好ましくは500〜700℃で実施することができる。特に多孔質で高比表面積な均密混合酸化物を得ることができる炭酸セリウムをセリウム源として用いることが好ましい。
またより高活性で微細構造を有したマンガン−セリウム均密混合酸化物を得る方法として上記マンガン塩水溶液に酢酸、クエン酸、マレイン酸、リンゴ酸、コハク酸等の有機酸を添加することが好ましい。有機酸の添加量としてはマンガン塩1モルに対して0.1〜2モル、好ましくは0.3〜1.5モル、より好ましくは0.5〜1モル添加して含浸することができる。添加量が0.1モルより少ない場合は有機酸の添加効果は得られず、2モルを超える場合は焼成時に還元雰囲気となり均密混合酸化物の性状に悪影響を与える可能性があるため好ましくない。
触媒B成分は上記マンガン−セリウム均密混合酸化物上に周期律表8〜11族の金属元素の硝酸塩、硫酸塩や酢酸塩等の水溶液を噴霧や浸漬して乾燥焼成して担持することができる。また触媒B成分はマンガン−セリウム均密混合酸化物の調製時に同時に添加しても良い。
本発明のホルムアルデヒド酸化触媒は上記のようにして得られた触媒A成分であるマンガン−セリウム均密混合酸化物および触媒B成分である周期律表8〜11族の金属元素を含有する触媒組成物を押出成形して所望の形状に成形し、乾燥焼成して完成触媒となすることができる。触媒の焼成温度としては300〜900℃、好ましくは400〜600℃で空気中で焼成することが好ましい。ホルムアルデヒド酸化触媒は顆粒状、ペレット状、ハニカム状等の形状とすることができる。また触媒A成分であるマンガン−セリウム均密混合酸化物を含有する触媒組成物を成形してから周期律表8〜11族の金属元素を含有する溶液に含浸して触媒B成分を担持しても良い。
触媒組成物としては触媒A成分であるマンガン−セリウム均密混合酸化物および触媒B成分である周期律表8〜11族の金属元素以外に、触媒C成分として酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、ゼオライトまたはチタン系複合酸化物等の耐火性無機酸化物を添加することができる。また必要により成形助剤として澱粉等の有機バインダー、シリカゾルやアルミナゾル等の無機バインダーやガラス繊維等のセラミック繊維を添加することができる。成形助剤は触媒組成物の15%以下、好ましくは10%以下で添加することが好ましい。
本発明の空気清浄化方法はホルムアルデヒド酸化触媒をホルムアルデヒドを含有する空気と常温〜150℃にて接触させて、ホルムアルデヒドを二酸化炭素と水に完全酸化することによって達成される。処理温度は低温度であるほど好ましくは常温〜150℃、より好ましくは常温〜100℃である。触媒の空間速度は1000〜1000000hr−1で処理可能であり、好ましくは10000〜200000hr−1の範囲で処理することが好ましい。本発明のホルムアルデヒド酸化触媒により室内空気中のホルムアルデヒド以外にも一酸化炭素、VOC、硫黄系化合物や窒素系化合物等の有害物質や臭気物質を酸化分解処理することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1〜4)
固液混合法により触媒A成分であるマンガン−セリウム均密混合酸化物を以下の方法で調製した。粉末状の炭酸セリウムおよび硝酸マンガンの水溶液を計量して、マンガン−セリウム均密混合酸化物中の酸化マンガンの含有率がMnO換算で50質量%となるように混合して、得れたスラリー状物を150℃で一晩乾燥して500℃で5時間焼成して、ハンマ−ミルで粉砕してマンガン−セリウム均密混合酸化物MC−1粉体を得た。得られたマンガン−セリウム均密混合酸化物をCuKα線源、電圧45KV、電流40mA、走査範囲10〜90°、走査速度0.198°/minでX線回折の測定した結果、二酸化セリウムの蛍石型結晶構造を示す位置に主ピークが検出されマンガン由来の結晶ピークは観察されなかった。またBET法で測定した比表面積は48m/gであった。
上記で得られたMC−1粉体94.4質量部、ガラス繊維5.6質量部と澱粉3質量部に適当量の水を添加してニーダーで混合し押出成形機にて5mmΦ長さ7mmの円柱状ペレットに成形し、乾燥後に500℃で5時間空気中にて焼成してペレット成形体を得た。
このようにして得られたペレット成形体に触媒B成分元素の硝酸塩水溶液を噴霧してロータリーエバポレータで100℃に加熱しながら攪拌し、十分に乾燥してから空気中で500℃2時間焼成して表1に示す組成の実施例1〜4の完成触媒を得た。
(比較例1)
実施例1〜4において触媒B成分を担持する前のマンガン−セリウム均密混合酸化物MC−1の成形体ペレットを比較触媒とした。
(実施例5〜6)
実施例1〜4のマンガン−セリウム均密混合酸化物の調製において硝酸マンガン水溶液にクエン酸をマンガン1モルに対して1.0モル添加した以外は実施例1〜4と同様にして酸化マンガンの含有率が50質量%のマンガン−セリウム均密混合酸化物MC−2を得た。得られたMC−2粉体はX線回折測定において二酸化セリウムの蛍石型結晶構造を示す位置に主ピークが検出されマンガン由来の結晶ピークは観察されなかった。またBET法で測定したMC−2粉体の比表面積は55m/gであった。
以下、実施例1〜4と同様にして表1に示す組成の実施例5〜6の完成触媒を得た。
(実施例7〜8)
まず触媒C成分となるTi−Si複合酸化物(Ti/Siモル比=85/15)を以下の方法で調製した。10重量%アンモニア水700リットルにスノーテックス−20(日産化学(株)製シリカゾル、約20重量%のSiO含有)21.3kgを加え、攪拌、混合した後、硫酸チタニルの硫酸溶液(TiOとして125g/リットル、硫酸濃度550g/リットル)340リットルを攪拌しながら徐々に滴下した。得られたゲルを3時間放置した後、ろ過、水洗し、続いて150℃で10時間乾燥した。これを500℃で焼成し、更にハンマーミルを用いて粉砕してTi−Si複合酸化物粉体TS−1を得た。
TS−1粉体の比表面積が162m/gであり、X線回折測定ではTiOやSiOの明らかな固有ピークは認められず、ブロードな回折ピークによって非晶質な微細構造を有するTi−Si複合酸化物が形成されていることが確認された。またp−ジメチルアミノアゾベンゼンを指示薬として用いてn−ブチルアミン滴定法によりTS−1の固体酸量を測定した結果、pKa≦+3.3の酸強度の固体酸量は0.48mmol/gであった。
次に実施例5〜6にて得られた触媒A成分であるマンガン−セリウム均密混合酸化物MC−2粉体に触媒B成分として硝酸銀水溶液を含浸して乾燥し空気中500℃で2時間焼成して表1に示す比率で触媒A成分に触媒B成分を担持した粉体を得た。以下、表1に示す組成で触媒A成分、触媒B成分、触媒C成分およびガラス繊維よりなる触媒組成物をニーダーで混練して押出成形機にてペレット形状に成形し、乾燥して、500℃にて5時間空気中で焼成して実施例7〜8の完成触媒を得た。
(実施例9)
固液混合法によりマンガン−セリウム−銀の均密混合酸化物を以下の方法で調製した。マンガン−セリウム−銀の均密混合酸化物のマンガンの含有率がMnOとして30質量%、銀の含有率がAgOとして20質量%となるように硝酸マンガン及び硝酸銀を計量して水に溶解した混合水溶液を粉末状の炭酸セリウムに投入し、得れたスラリー状物を150℃で一晩乾燥して500℃で5時間焼成して、ハンマ−ミルで粉砕してマンガン−セリウム−銀均密混合酸化物MCS−1粉体を得た。得られたMCS−1粉体をX線回折測定した結果、二酸化セリウムの蛍石型結晶構造を示す位置に主ピークが検出され、マンガンおよび銀に由来する結晶ピークは観察されなかった。またBET法で測定した比表面積は50m/gであった。
上記で得られたMCS−1粉体、TS−1粉体およびガラス繊維を表1に示す組成で混錬しペレット状に押し出し成形し、乾燥して、500℃にて5時間空気中で焼成して実施例9の完成触媒を得た。
(比較例2)
市販のアルミナペレット(比表面積90m/g)にジニトロジアミン白金硝酸水溶液を噴霧し、ロータリーエバポレータで回転させながら100℃で加熱して乾燥させて取り出し、空気中で400℃で2時間焼成して白金が0.1質量%担持された白金触媒を得た。
Figure 0005441380
(ホルムアルデヒド分解試験)
実施例1〜9および比較例1〜2で得られた各触媒を用いて、以下の手順でホルムアルデヒド分解試験を実施した。
ペレット触媒75ccを内径25mmのガラス管の充填し、ホルムアルデヒドが1000ppm、水分2.5%を含有する空気を空間速度5000hr−1で通ガスし出口の二酸化炭素濃度を測定して二酸化炭素転化率によりホルムアルデヒド酸化性能をもとめた。反応温度40〜80℃の各温度で測定した性能試験結果を表1に示した。
以上の結果より本発明のホルムアルデヒド酸化触媒により、高価な貴金属を使用しなくても比較的緩和な条件で室内空気の清浄化が行える。
本発明は、オフィスや住居の室内の空気中に存在するホルムアルデヒド等の有害物質を酸化分解する技術に関するものであり、空気清浄化方法に用いることができる。

Claims (6)

  1. 触媒A成分としてマンガン−セリウム均密混合酸化物および触媒B成分として周期律表8〜11族に属する元素の中から選ばれた少なくとも一種以上の金属元素を含有するホルムアルデヒド酸化触媒であって、前記触媒A成分が二酸化セリウムの蛍石型構造に対応するX線回折ピークを主ピークとするものであり、かつマンガンを二酸化マンガン換算で10〜60質量%含有しているマンガンーセリウム均密混合酸化物であることを特徴とするホルムアルデヒド酸化触媒。
  2. ホルムアルデヒド酸化触媒は触媒A成分であるマンガン−セリウム均密混合酸化物を30質量%以上、触媒B成分の金属元素を0.05〜20質量%含有している請求項1記載のホルムアルデヒド酸化触媒。
  3. 触媒B成分の金属元素が鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀および金から選ばれる少なくとも1種であり、その含有量が1〜20質量%である請求項2記載のホルムアルデヒド酸化触媒。
  4. 触媒C成分として酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、ゼオライトおよびチタン系複合酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の耐火性無機酸化物をさらに含有するものである請求項1〜3のいずれかに記載のホルムアルデヒド酸化触媒。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のホルムアルデヒド酸化触媒の製造方法であって、触媒A成分として酸化セリウムまたは酸化セリウムの前駆体にマンガン塩溶液を混合し乾燥後に空気中300〜900℃で焼成してマンガン−セリウム均密混合酸化物を調製する工程を有していることを特徴とするホルムアルデヒド酸化触媒の製造方法。
  6. 請求項5の製造方法においてマンガン塩1モルに対して0.1〜2モルの有機酸をマンガン塩溶液に添加する請求項5記載のホルムアルデヒド酸化触媒の製造方法。
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