JP2002078721A - 義歯の固定構造とその製作方法 - Google Patents

義歯の固定構造とその製作方法

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JP2002078721A JP2001190400A JP2001190400A JP2002078721A JP 2002078721 A JP2002078721 A JP 2002078721A JP 2001190400 A JP2001190400 A JP 2001190400A JP 2001190400 A JP2001190400 A JP 2001190400A JP 2002078721 A JP2002078721 A JP 2002078721A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】部分義歯または総義歯の固定構造とその製作方
法に関し、見栄えが悪く、金属アレルギーを引き起こす
金属を用いずに、目立たない透明のプラスチック材を使
用してより確実かつ安定よく固定でき、しかも軽量かつ
嵩張らず、歯肉に与える刺激も軽減可能な義歯の固定構
造とその製作方法を実現する。 【解決手段】口腔内に固定される部分義歯であって、人
工歯を固定している義歯床dに固定された内外一対の挟
持手段7・7を有しており、そのうちの少なくとも外側
の挟持手段7が透明のプラスチックからなり、しかも天
然歯の歯冠部の外側の凸曲面6を包皮するような凹曲面
8となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、部分義歯または総義歯
の固定構造とその製作方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に部分義歯の固定構造は、特開昭
61−185263号公報に記載されているように、金
属線(クラスプ線)又は鋳造クラスプにより製作されて
いる。その為、歯冠部分にのみ使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の固定
構造は、金属製の挟持角(つの)を用いるため、強度は
あるが、金具が外から見えるので、見栄えが悪く、天然
歯に装着するには抵抗感がある。
【0004】また、金属製の挟持角は、歯冠部を外側と
内側から挟む構造なため、歯肉部を挟むと痛くて適用で
きなかった。さらに、部分義歯を着脱するために口腔内
に出し入れする際に、誤って口腔肉や歯肉を刺したりす
る危険があった。
【0005】天然歯の両側に部分義歯が有る場合は、両
方の部分義歯同士を金属製のバー、杆あるいは連結子な
どと呼ばれる連結手段で連結したり、部分義歯を連結手
段で反対側の天然歯に連結固定しているが、挟持角より
もはるかに大きいため、違和感が有ったり、金属アレル
ギーを起こす患者がいる。しかも、CoやNiなどの場
合は、嫌な味を感じる患者もいる。その結果、使用を断
念し、部分義歯を装着できずに不自由を来している患者
もいる。金属は、その研磨に時間がかかり、製品のコス
ト高を招くといった問題もある。
【0006】また、部分義歯、総義歯に限らず、抜歯後
の顎堤の歯肉と接する部分が硬いと痛みや違和感のため
装着を嫌われるので、歯肉に刺激を与えないようなソフ
トな材質が望まれる。
【0007】一般的に義歯床は、アクリル樹脂を加圧重
合したりして製作されているが、厚みを薄く作ると強度
に無理があり、取り扱いが悪ければ変形・破折する欠点
があった。
【0008】本発明の技術的課題は、このような問題を
一挙に解消できる義歯を実現することにある。すなわ
ち、見栄えが悪く、金属アレルギーを引き起こす金属を
用いずに、目立たない透明のプラスチック材を使用して
より確実かつ安定よく固定でき、しかも軽量かつ嵩張ら
ず、歯肉に与える刺激も軽減可能な義歯の固定構造とそ
の製作方法を実現する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の技術的課題は次
のような手段によって解決される。請求項1は、部分義
歯を口腔内に固定する構造であって、人工歯を固定して
いる義歯床に固定された内外一対の挟持角を有してお
り、そのうちの少なくとも外側の挟持角が透明のプラス
チックからなり、しかも天然歯の歯冠部の外側面に当接
するような形状となっている部分義歯の固定構造であ
る。
【0010】このように、義歯床に固定された内外一対
の挟持角のうちの少なくとも外側の挟持角が透明のプラ
スチック製なため、従来の金属製のクラスプの場合と違
って、目立ちにくい。その結果、抵抗無く装着できる。
【0011】また、このプラスチック製の透明挟持角が
天然歯の歯冠部の外側面に当接する形状となっているた
め、天然歯が丈夫である限り、確実に部分義歯を固定で
きる。
【0012】請求項2は、口腔内に固定される部分義歯
であって、人工歯を固定している義歯床に支持された内
外一対の挟持手段を有しており、そのうちの少なくとも
外側の挟持手段が透明のプラスチックからなり、しかも
天然歯の歯冠部の外側の凸曲面を包皮するような凹曲面
となっている部分義歯である。
【0013】歯の外側の側面は太鼓状に膨らんでいる場
合が多いが、請求項2のように、外側の挟持手段が透明
のプラスチックからなり、しかも天然歯の歯冠部の外側
の凸曲面を包皮するような凹曲面となっているため、天
然歯の外側の凸曲面が挟持手段の凹曲面に嵌入する。そ
の結果、天然歯を利用して部分義歯をより確実に安定よ
く固定できる。しかも、天然歯に対し部分義歯が上下方
向に移動するのを阻止する働きもあるので、部分義歯の
沈降防止のためのレストの役目も兼ねることができる。
【0014】請求項3は、部分義歯を口腔内に固定する
構造であって、人工歯を固定している義歯床に固定され
た内外一対の挟持手段を有しており、そのうちの少なく
とも外側の挟持手段が透明のプラスチックからなり、し
かも天然歯の少なくとも歯肉の外側面に当接するような
形状となっている部分義歯の固定構造である。
【0015】このように、義歯床に固定された内外一対
の挟持手段のうちの少なくとも外側の歯肉カバーが透明
のプラスチック製なため、従来の金属製のクラスプの場
合と違って、目立ちにくく、抵抗無く装着できる。
【0016】また、このプラスチック製で透明の歯肉カ
バーが歯肉や天然歯の外側面に当接する形状となってい
るため、天然歯に固定するのが不都合な場合は、歯肉を
利用して確実に部分義歯を固定できる。
【0017】請求項4は、部分義歯を口腔内に固定する
構造であって、人工歯を固定している義歯床が内外一対
の挟持手段を有しており、そのうちの少なくとも外側の
挟持手段が義歯床自体から延長しており、しかも天然歯
の歯肉の外側面に当接する形状となっている部分義歯の
固定構造である。
【0018】このように、外側の歯肉カバーが、義歯床
自体から延長していて、義歯床と同じ材質で同じ色をし
ているため、従来の金属製のクラスプの場合と違って、
目立ちにくく、抵抗無く装着できる。
【0019】しかも、義歯床と同じ材質で同じ色の歯肉
カバーが天然歯の歯肉の外側面に当接する形状となって
いるため、天然歯に固定するのが不都合な場合は、歯肉
を利用して確実に部分義歯を固定できる。
【0020】また、以上のように挟持角や歯肉カバー、
義歯床がプラスチック製であり、弾力に富み、柔軟なた
め、部分義歯を着脱する際に、従来の金属製のクラスプ
のように永久変形することは少なく、長期間、繰り返し
着脱に耐えることができる。しかも、プラスチック製で
軽いので使用者の負担も軽く、金属製のクラスプと違っ
て、口内の肉を刺す危険もない。
【0021】請求項5は、請求項1、請求項2、請求項
3または請求項4に記載の挟持手段が、隣接する複数の
天然歯に跨がる長さになっている部分義歯である。
【0022】このように、挟持角や歯肉カバーなどの挟
持手段が、隣接する複数の天然歯に跨がる長さになって
いるので、部分義歯を2個以上の天然歯を利用して固定
できる。その結果、1個の天然歯に固定する場合より
も、より確実にかつ安定よく固定できる。
【0023】請求項6は、請求項1から請求項5までの
いずれかの項に記載の義歯床には、挟持角や歯肉カバー
などの挟持手段と共に、隣接する天然歯の咬合面に支持
する透明のレストが形成されている部分義歯である。隣
接する天然歯の咬合面に支持するレストを有する構造の
場合には、請求項6のように、義歯床に、挟持角や歯肉
カバーなどの挟持手段と共に透明のレストが形成されて
いる構造にすると、部分義歯の沈降を抑制することもで
き、しかも透明なため目立たない。
【0024】請求項7は、天然歯の両側の部分義歯同士
の連結子が、透明の熱可塑性プラスチックで形成されて
いる部分義歯である。このように、天然歯の両側の部分
義歯同士の連結子が、透明の熱可塑性プラスチックで形
成されていると、金属の場合のように目立たず、しかも
金属を使用しないので、軽いだけでなく、金属アレルギ
ーを引き起こすようなこともない。
【0025】請求項8は、部分義歯の欠損部顎堤の基礎
床が熱可塑性プラスチックで形成されており、しかも挟
持角などの挟持手段またはレストと一体に成型されてい
る部分義歯である。部分義歯の欠損部顎堤の基礎床に挟
持角などの挟持手段を後で一体化すると、その部分が膨
らんだり嵩張ったりして、不自然で違和感も有るが、請
求項8のように、最初から基礎床と一体成型してある
と、天然歯の場合と殆ど同程度の外寸にでき、軽量で使
用感もよい。
【0026】請求項9は、人工歯を固定している義歯床
に固定された内外一対の挟持手段を有しており、そのう
ちの少なくとも外側の挟持手段が透明のプラスチックか
らなり、しかも天然歯の歯冠部や歯肉の外側面に当接す
るような形状となっている部分義歯の固定構造を製作す
る方法であって、前記の義歯床を製作する際に前記の挟
持手段から突出した延長部(インサート部)を埋設して
一体化することを特徴とする部分義歯の固定構造の製作
方法である。
【0027】このように、義歯床を製作する際に、前記
の挟持手段から突出した延長部を義歯床に埋設して一体
化するため、透明でプラスチック製の外側の挟持手段を
容易にかつ堅牢に義歯床と一体化できる。
【0028】請求項10は、人工歯を固定している義歯
床に固定された内外一対の挟持手段を有しており、その
うちの少なくとも外側の挟持手段が透明のプラスチック
からなり、しかも天然歯の歯冠部や歯肉の外側面に当接
するような形状となっている部分義歯の固定構造を製作
する方法であって、先に製作された義歯床に、前記の挟
持手段から突出した延長部を接着または着脱式に一体化
することを特徴とする部分義歯の固定構造の製作方法で
ある。
【0029】このように、先に製作された義歯床に、挟
持手段から突出した延長部を接着して一体化する方法に
よると、延長部を接着することによっても一体化できる
ので、透明でプラスチック製の外側の挟持手段を容易に
かつ堅牢に義歯床と一体化できる。また、着脱式にした
場合は、挟持手段などが損傷した際に、義歯床から分離
して、挟持手段だけを交換したり補修したりもできる。
【0030】請求項11は、上顎または下顎の全部床の
基礎床が、透明で弾性に富んだ熱可塑性プラスチックで
形成されている義歯である。このように、全部床の基礎
床が、透明の熱可塑性プラスチックで形成されているの
で、基礎床の部分が目立たず、抵抗感なく使用できる。
また、弾性に富んだ材質を採用しているため、顎堤の歯
肉を刺激することが少ない。しかも、顎堤の歯肉との密
着度がよく、唾液だけで基礎床が顎堤に吸着固定される
ので、総義歯の義歯床がプラスチック製で軽いことと相
まって、安定良く装着できる。
【0031】請求項12は、請求項11に記載の熱可塑
性プラスチック製の基礎床の顎堤と接する側にソフト材
の層が積層され、基礎床が2層構造となっている義歯で
ある。このように、基礎床が2層構造となっていて、基
礎床の顎堤と接する側がソフト材でできているので、顎
堤の歯肉に与える刺激がより減少し、かつ顎堤との密着
度もより向上する。したがって、総義歯であっても、違
和感なく、安定よく装着できる。
【0032】以上のように、本発明で使用する熱可塑性
プラスチックは、従来使用してきたアクリル系樹脂より
弾性に富み、強度も強く、破折しにくいため、義歯床の
基礎床の部分に使用した場合、肉厚を薄くできる。ま
た、総義歯の場合の口蓋部を削除して床部を小さくでき
るので、嚥下障害や発音障害も軽減できる。また、プラ
スチック製で軽いので、唾液による吸着力だけで安定よ
く顎堤に固定できる。
【0033】また、挟持手段や基礎床の部分が透明なた
め、入れ歯が目立たず、審美的に優れているし、金属の
嫌な味もせず、抵抗無く義歯を使用できる。
【0034】
【発明の実施の形態】次に本発明による義歯の固定構造
とその製作方法が実際上どのように具体化されるか実施
形態を説明する。図1は本発明による部分義歯の固定構
造の第一実施形態であり、外側から見た側面図(頬側面
図)である。図2は、図1におけるA−A平面図(咬合
面図)である。
【0035】図においてn1、n2、n3は天然歯であ
る。f1、f2は人工歯であり、dはその義歯床であ
る。つまり、人工歯f1、f2と義歯床dとで部分義歯
を構成している。
【0036】1、2は挟持角であり、1は外側の挟持
角、2は内側の挟持角である。外側の挟持角1も、内側
の挟持角2も、義歯床dと一体化されており、義歯床d
に保持されている。
【0037】すなわち、外側の挟持角1から延長した延
長部1aと内側の挟持角2から延長した延長部2aが共
に義歯床dと一体化されている。
【0038】義歯床dは通常アクリルレジンからなり、
歯肉3と同様に鮮やかな赤紫色を呈している。これに対
し、挟持角1、2や延長部1a、2aは、透明な合成樹
脂レジン系加工材からなっている。
【0039】挟持角1、2は、従来のクラスプとほぼ同
様に、天然歯n1の根元の内外両側から挟むような形状
に形成されている。しかも、部分義歯を口腔内に装着
し、挟持角1、2で天然歯n1を挟んだ状態において、
挟持角1、2が天然歯n1の根元に圧接する程度の弾力
を有するような形状が適している。
【0040】したがって、部分義歯を口腔内に装着した
状態では、図示のように内外の挟持角1、2で天然歯n
1の根元の細い部分を内外両側から多少の弾力でもって
挟持することによって、部分義歯が天然歯n1に保持固
定される。すなわち、天然歯n1の根元の部分は細いの
で、その上側の膨らんだ部分に阻止されて、上側には離
脱できない。下側には歯茎があるので、下側にも移動で
きない。また、天然歯n1は、中央が膨らんだ形状にな
っているので、内外の挟持角1、2もこの膨らみを包む
ような形状にすることで、義歯床dは水平方向に対して
も固定される。
【0041】挟持角1、2はプラスチック製なため、弾
力に富んでいる。そのため、部分義歯の挟持角1、2を
天然歯n1に対し着脱する際に、挟持角1、2が開いた
りしても、確実に元の状態に復元する。その結果、長年
繰り返し口腔に着脱しても天然歯n1に対する固定力が
低下するのを防止できる。
【0042】なお、挟持角1、2は、透明でなく、色付
きを希望する患者に対応できるように、種々の色付きや
半透明体なども可能である。また、外部から見えにく
い、内側の挟持角2は、従来のような金属製クラスプに
することも可能である。
【0043】図5は天然歯n1の位置における断面図で
あり、(1)図は内外両側の挟持角1、2が共に透明体
の例であり、(2)は外側の挟持角1が透明体で、内側
の挟持角2mが金属製クラスプの例である。
【0044】プラスチックは、弾力の調整が容易なた
め、歯肉に圧接しても痛みを感じないソフトタッチも可
能である。図3は、天然歯ではなく、歯肉を利用して部
分義歯を保持固定する例であり、外側から見た側面図
(頬側面図)である。図4は、そのB−B平面図(咬合
面図)である。
【0045】挟持角1、2に比べて比較的広い面を有す
る歯肉カバー4、5は、弾性に富んだ材質のプラスチッ
クでできており、義歯床d側に延長した部分4a、5a
の部分が義歯床dと一体化されている。
【0046】したがって、この部分義歯を口腔内に装着
した状態では、義歯床dと一体の歯肉カバー4、5が広
い面でもって、人工歯f2と隣接する天然歯n1の歯肉
に圧接する。このように、歯肉カバー4、5の広い面で
ソフトタッチで歯肉に圧接するので、歯肉に痛みを感じ
ることなしに、部分義歯を歯肉に保持固定できる。
【0047】歯肉を利用して保持固定する場合は、歯肉
カバー4、5のソフトな弾力を生かすことが肝要なた
め、挟持角の場合と違って、内側の歯肉カバー5もプラ
スチック製が適している。この場合も、歯肉カバー4、
5を色付きや半透明にできる。
【0048】しかしながら、歯肉に重ねて支持させるた
め、歯肉カバー4、5も義歯床dと同じ色、すなわち歯
肉3と同じ色も好適である。
【0049】以上の実施形態において、挟持角1、2や
歯肉カバー4、5からの延長部1a、2a、4a、5a
を義歯床dと一体化するには、義歯床dを成型する際
に、延長部1a、2a、4a、5aを義歯床dの内部に
インサートモールドする方法と接着する方法とがある。
【0050】インサートモールドするには、義歯床dに
人工歯f1、f2の歯茎の部分をインサートモールドす
る際に、前記延長部1a、2a、4a、5aも同時にイ
ンサートモールドする。
【0051】接着する場合は、予め成型した義歯床dの
接着面を削っておく。すなわち、延長部1a、2a、4
a、5aの部分が突出して、違和感を感じないように、
延長部1a、2a、4a、5aの厚み分と接着代分だけ
削って凹部を形成する。可能であれば、義歯床dの成型
時に形成しておいてもよい。
【0052】こうして形成した凹部に、延長部1a、2
a、4a、5aをはめ込んで接着すると、義歯床dと一
体化され、しかも延長部1a、2a、4a、5aの外面
と義歯床dの外面とを同一面に揃えることができる。
【0053】延長部1a、2a、4a、5aが色付きの
場合は、義歯床dの色との調和を考慮することは当然で
ある。したがって、義歯床dと同じ色の歯肉カバー4、
5を用いる場合は、接着した部分が目立ちにくい。
【0054】図5(3)(4)のように、天然歯n1の
内側は、歯肉カバー5に代えて、挟持角2を用いること
もできる。すなわち、天然歯n1の内側の根元に、図
1、図2における挟持角2を用いる。
【0055】このように歯肉カバーで固定する場合も、
図5(3)のように、外側の歯肉カバー4も、内側の挟
持角2や歯肉カバー5も共に、透明プラスチック製にで
きる。また、図5(4)のように、外側の歯肉カバー4
のみ透明プラスチック製とし、内側の挟持角2mは、従
来と同様な金属クラスプにしてもよい。
【0056】図6は、歯肉カバー4、5が歯肉と歯冠部
にまたがってカバーする実施形態である。(1)図のよ
うに、内外両側の歯肉カバー4、5が共に、歯肉3と天
然歯n1にまたがってカバーしている構造でもよいが、
(2)のように、外側の歯肉カバー4のみ、あるいは
(3)のように、内側の歯肉カバー5のみが歯肉3と天
然歯n1にまたがってカバーする構造でもよい。この場
合も、内側の挟持角2や歯肉カバー5は、金属でもよ
い。
【0057】なお、内外の歯肉カバー4、5が共に同じ
材質の場合は、図4のように、延長部4aと5aとが予
め一体になっていてもよい。
【0058】図7は、義歯床d自体で前記の歯肉カバー
4、5を形成した実施形態である。図3、図4では、義
歯床dに別体の歯肉カバー4、5を一体化しているのに
対し、図7では、義歯床dを天然歯n1の歯肉の上まで
延長させてある。そして、前記歯肉カバー4、5の場合
と同様に、延長した歯肉カバー4d、5dの弾力でもっ
て天然歯n1の歯肉3の上に圧接させる。
【0059】この場合は、義歯床dの材質が問題であ
り、義歯床dとして適しており、しかも歯肉カバー4、
5と同様に歯肉の上にソフトタッチで圧接できる材質を
選定する。例えば、ポリカーボネート系樹脂やビニール
樹脂系加工材などが適している。
【0060】図8は、凹曲面状の挟持手段を用いた実施
形態を示す図である。(1)図に示すように、殆どの天
然歯nの外側面は凸状すなわち太鼓状の曲面6になって
いる。前歯の場合は、内側が窪んでいる場合もあるが、
前歯以外は内側も膨らんでいる。
【0061】したがって、(2)のように、挟持手段7
の形状として、凸曲面6にぴったり被さるような凹曲面
8を有する形状にすると、挟持手段7が天然歯nに対
し、上方向にも下方向にも移動しにくくなる。凸曲面6
が挟持手段7の凹曲面に嵌まり込んでいるため、引っ掛
かりとして作用するからである。
【0062】なお、図示の天然歯nの内側6iのように
窪んでいる場合は、窪み6iに内側の挟持手段7iの挟
持面が嵌まり込むように、凸面8iにするとよい。
【0063】天然歯nの凸曲面6の位置の水平断面図を
(3)に示す。この図からも明らかなように、天然歯n
の水平断面の形状も、中央部が膨らんでいるので、凹曲
面8は、水平方向に対しても凹曲面とすることで、水平
方向に対しても確実に固定できる。
【0064】前記の挟持角1や歯肉カバー4は、隣接す
る1個の天然歯n1だけに固定する構造になっている
が、(3)図の場合は、隣接する2個の天然歯n1、n
2を利用して固定してある。すなわち、内外の挟持手段
7・7を、2個目の天然歯n2まで延長してあり、連続
形状の挟持手段となっている。
【0065】このように、複数の天然歯を利用して固定
するので、部分義歯を安定よく、より強固に固定でき
る。また、(2)のように、天然歯nに対し部分義歯が
上下方向に移動するのを阻止する働きもあるので、部分
義歯の沈降防止のためのレストの役目も兼ねることがで
きる。なお、この場合も、少なくとも外側の挟持手段7
は、目立たないように、透明のプラスチックで形成す
る。
【0066】また、図3、図4の歯肉カバーと同様な原
理で、(4)のように、内外の凹曲面状の挟持手段7、
7を下側に延長して、延長部7a、7aで歯茎の歯肉も
挟持するようにしてもよい。
【0067】なお、凹曲面8を有する挟持手段7や2連
形状の挟持手段7も、図1〜図4の挟持角や歯肉カバー
と同様に、延長部を義歯床に埋め込んだり接着したりす
ることもできる。
【0068】図9は、部分義歯の固定構造の製作方法を
工程順に示す平面図である。(1)は上顎側の歯列の模
型であり、患者から採取した型を基にして成型する。そ
して、n1、n2、n3…は、患者に残っている天然歯
であると仮定すると、いま2本の天然歯n1、n2を挟
持する凹曲面の挟持手段を形成する場合を説明する。こ
の場合、2本の天然歯n1、n2と欠損部顎堤(F1、
F2)の上に渡って、1枚の透明の熱可塑性プラスチッ
クのシート9を載せる。このシート9の厚さは任意であ
る。なお、F1、F2は、欠損部顎堤における天然歯を
抜いた歯の跡である。
【0069】各図(1)…(4)には、天然歯n1のA
−A位置、欠損部顎堤(F1)のB−B位置における断
面図を併記してある。
【0070】次に、前記の模型とシート9を成型装置に
セットし、例えば100150℃程度の熱を加えた状態
で、シート9の上から圧風を当てたり、模型の下側から
真空吸引すると、シート9が熱軟化して、(2)の9a
のように、天然歯n1、n2の上面や側面などの全面に
被着すると共に、模型の欠損部顎堤(F1、F2)の上
面や側面にも被着する。
【0071】この状態で、成型装置から取り出して、余
分の部分をカットして除去すると、(3)のようにな
る。すなわち、内側と外側の凹曲面状の挟持手段7・7
とレスト部10が残ると共に、欠損部顎堤(F1、F
2)の上に基礎床11となる部分が残る。次に、(3)
のように、従来公知の手法で、欠損部顎堤(F1、F
2)上の基礎床11の上に、義歯床すなわち歯茎に相当
する部分dを重ねて形成する。この義歯床は、アクリル
系またはポリカーボネート系などの樹脂を用いて形成す
る。当然、自然の歯茎と同じ色となるようにピンク系に
着色した樹脂を用いる。
【0072】次に、(4)のように、前記義歯床dの上
に、人工歯f1、f2を固定すると、部分義歯が完成す
る。内外の挟持手段7・7と基礎床11とレスト10の
部分は透明である。こうして完成した部分義歯を模型か
ら取り外して、患者の天然歯n1、n2を内外の挟持手
段7・7で挟み、レスト10を患者の天然歯n1の咬合
面に引っ掛けるように装着する。
【0073】この実施形態では、基礎床11が一重であ
るが、2層構造にすることもできる。すなわち、前記の
基礎床11よりも材質的にソフトで、患者の抜歯後の顎
堤歯肉に刺激を与えないような透明シートを用いて、
(1)(2)の手法で挟持手段や基礎床を成型する。こ
うして、ソフトなシートで形成した後、その上に前記の
ような熱可塑性プラスチック製のシート9を被せて、
(1)(2)の手法で挟持手段や基礎床を成型する。
【0074】その後は、(3)(4)のようにして、不
要部を除去すると共に、義歯床dを形成し、その上に人
工歯f1、f2を固定する。このように、部分義歯の基
礎床の部分は、患者の顎堤歯肉と接する部分がソフトな
材質になっているので、患者にとって刺激が少なく、抵
抗無く装着できる。なお、透明で弾性に富んだ熱可塑性
プラスチックと透明でソフトな樹脂が初めから2層構造
になったシートがある場合は、2層構造のシートで成型
すると、(1)(2)の工程が簡素化される。
【0075】基礎床11も義歯床dと同様に歯茎と同じ
色にしたい場合は、半分だけ透明で他の半分は歯茎色に
着色されているシートを用いるとよい。なお、図1〜図
4の挟持角や歯肉カバーも図9の方法で製作することも
できる。
【0076】図9の製作法は、バー構造の部分義歯や総
義歯にも適用できる。図10は、バー構造の部分義歯で
あり、天然歯n1…n6の両側に部分義歯が配置されて
いる。このようなバー構造の場合、従来は、バー12の
部分は金属でできていたが、本発明の場合は、透明の薄
板でできている。
【0077】この熱可塑性プラスチックからなる透明板
のバー12の両端12a、12bを、左右の部分義歯の
義歯床d1、d2中に図1〜図4の場合と同様に埋め込
んでもよいし、両端12a、12bの上に義歯床d1、
d2を重ねて接着してもよい。
【0078】ところが、図9の製作法によると、最初に
熱可塑性プラスチック製のシートで左右の部分義歯の基
礎床を形成する際に、バー部分12も一緒に形成してお
く。すなわち、左右の部分義歯の基礎床とバー部分12
をカバーするような大きなシートを用い、前記のような
加圧または真空吸引して、成型してから、余分の領域を
除去すると、バー部分12や内外の挟持手段7・7、左
右の基礎床11の領域が残る。
【0079】次いで、図9の場合と同様に、左右の基礎
床11、11の上に義歯床d1、d2を形成し、その上
に人工歯f1・f2…を固定すると完成である。基礎床
11を形成する際のバー部分12が、完成した左右の部
分義歯床d1、d2を連結するバーの働きをする。しか
しながら、バー部分12は、患者の要望に応じて実施す
るのであって、図9の製法で左右の義歯床d1、d2を
別々に製作し、別々に装着すれば充分である。なぜなら
ば、それぞれの部分義歯の内外の挟持手段7・7だけで
充分に固定できるからである。
【0080】なお、図10では、基礎床11の全面上に
義歯床dを形成してあるので、基礎床11は殆ど見えな
いが、図8、図9や次の図11では、基礎床11より小
さめに義歯床dを形成したために、基礎床11の外周が
義歯床dの外周から一部露出している。どちらを採用す
るかは自由である。
【0081】本発明の製作法は、総義歯にも適してい
る。すなわち、図11(1)の模型において、全ての天
然歯が欠損した後の全顎堤(F1・2…)の上に、図9
の場合と同様にして、透明で弾性に富んだ熱可塑性プラ
スチック製の大きめのシート9を重ねて、加熱しなが
ら、加圧または真空吸引して、(2)のように基礎床1
1を形成し、不要部を除去した後、基礎床11上に歯茎
と同じ色の義歯床dを形成し、最後に人歯f1、f2…
を基礎床d上に固定すれば、図11(2)のような総義
歯が完成する。この総義歯の基礎床11を、患者の抜歯
後の顎堤に嵌めて装着する。
【0082】図示例は、初めから透明でソフトな樹脂層
91の上に透明で弾性に富んだ熱可塑性プラスチック層
92が積層されている2層構造のシート9を用いている
が、この場合も、図9(1)(2)で説明したように、
ソフト質の樹脂層91で成型してから、その上に熱可塑
性プラスチック層92を積層して成型してもよい。
【0083】すなわち、先に透明でソフト材質のシート
91を天然歯が欠損した後の全顎堤(F1、F2…)の
上に重ねて成型し、その上に透明で弾性に富んだ熱可塑
性プラスチックのシート92を重ねて成型することによ
って2層構造の基礎床11を形成すると、患者の顎堤歯
肉とソフトタッチするため、抵抗無く装着できる。
【0084】本発明の総義歯は、弾力性に富み、ソフト
材質の義歯床あるいは熱可塑性プラスチック製の義歯床
が顎堤歯肉と接するため、総義歯の基礎床を患者の顎堤
に嵌めたとき、顎堤歯肉との密着性がよく、唾液で顎堤
に強固に吸着固定される。したがって、図11(2)の
ように、口蓋部13を大きく削除できる。
【0085】11aは、基礎床11から延長している部
分であり、ソフトな樹脂層あるいは弾性に富んだ熱可塑
性プラスチックであり、この部分も唾液で口蓋に粘着す
るので、面積は小さくてもよい。その結果、口蓋粘膜の
露出面積が拡大されるので、装着時の違和感が無く、患
者の負担が軽減される。結果的に、総義歯の装着を嫌う
患者にも容易に受け入れられる。
【0086】なお、2層構造の場合は、ソフト層の上に
補強用の芯材を重ねてから熱可塑性プラスチックの透明
層を重ねると、挟持手段などが折れたりするのを防止で
きる。また、ソフト層を利用して患者の氏名を刻印した
り記入し、その上から透明の熱可塑性プラスチック層を
積層成型すると、義歯の管理も容易になる。
【0087】2層構造のシートの場合、あるいは一重の
シートでも、中に芯材入りの市販品が有れば、それを使
用してもよい。
【0088】なお、本発明で使用する熱可塑性プラスチ
ックとしては、ポリカーボネートやポリスチレン、ポリ
エチレン、ポリウレタン、塩化ビニールなどが挙げられ
る。
【0089】
【発明の効果】請求項1のように、義歯床に固定された
内外一対の挟持角のうちの少なくとも外側の挟持角が透
明のプラスチック製なため、従来の金属製のクラスプの
場合と違って、目立ちにくい。その結果、抵抗無く装着
できる。
【0090】また、このプラスチック製の透明挟持角が
天然歯の歯冠部の外側面に当接する形状となっているた
め、天然歯が丈夫である限り、確実に部分義歯を固定で
きる。
【0091】歯の外側の側面は太鼓状に膨らんでいる場
合が多いが、請求項2のように、外側の挟持手段が透明
のプラスチックからなり、しかも天然歯の歯冠部の外側
の凸曲面を包皮するような凹曲面となっているため、天
然歯の外側の凸曲面が挟持手段の凹曲面に嵌入する。そ
の結果、天然歯を利用して部分義歯をより確実に安定よ
く固定できる。しかも、天然歯に対し部分義歯が上下方
向に移動するのを阻止する働きもあるので、部分義歯の
沈降防止のためのレストの役目も兼ねることができる。
【0092】請求項3のように、義歯床に固定された内
外一対の挟持手段のうちの少なくとも外側の歯肉カバー
が透明のプラスチック製なため、従来の金属製のクラス
プの場合と違って、目立ちにくく、抵抗無く装着でき
る。
【0093】また、このプラスチック製で透明の歯肉カ
バーが歯肉や天然歯の外側面に当接する形状となってい
るため、天然歯に固定するのが不都合な場合は、歯肉を
利用して確実に部分義歯を固定できる。
【0094】請求項4のように、外側の歯肉カバーが、
義歯床自体から延長していて、義歯床と同じ材質で同じ
色をしているため、従来の金属製のクラスプの場合と違
って、目立ちにくく、抵抗無く装着できる。
【0095】しかも、義歯床と同じ材質で同じ色の歯肉
カバーが天然歯の歯肉の外側面に当接する形状となって
いるため、天然歯に固定するのが不都合な場合は、歯肉
を利用して確実に部分義歯を固定できる。
【0096】また、以上のように挟持角や歯肉カバー、
義歯床がプラスチック製であり、弾力に富み、柔軟なた
め、部分義歯を着脱する際に、従来の金属製のクラスプ
のように永久変形することは少なく、長期間、繰り返し
着脱に耐えることができる。しかも、プラスチック製で
軽いので使用者の負担も軽く、金属製のクラスプと違っ
て、口内の肉を刺す危険もない。
【0097】請求項5のように、挟持角や歯肉カバーな
どの挟持手段が、隣接する複数の天然歯に跨がる長さに
なっているので、部分義歯を2個以上の天然歯を利用し
て固定できる。その結果、1個の天然歯に固定する場合
よりも、より確実にかつ安定よく固定できる。
【0098】隣接する天然歯の咬合面に支持するレスト
を有する構造の場合には、請求項6のように、義歯床
に、挟持角や歯肉カバーなどの挟持手段と共に透明のレ
ストが形成されている構造にすると、部分義歯の沈降を
抑制することもでき、しかも透明なため目立たない。
【0099】請求項7のように、天然歯の両側の部分義
歯同士の連結子が、透明の熱可塑性プラスチックで形成
されていると、金属の場合のように目立たず、しかも金
属を使用しないので、軽いだけでなく、金属アレルギー
を引き起こすようなこともない。
【0100】部分義歯の欠損部顎堤の基礎床に挟持角な
どの挟持手段を後で一体化すると、その部分が膨らんだ
り嵩張ったりして、不自然で違和感も有るが、請求項8
のように、最初から基礎床と一体成型してあると、天然
歯の場合と殆ど同程度の外寸にでき、違和感がなく、軽
量で使用感もよい。
【0101】請求項9のように、義歯床を製作する際
に、前記の挟持手段から突出した延長部を義歯床に埋設
して一体化するため、透明でプラスチック製の外側の挟
持手段を容易にかつ堅牢に義歯床と一体化できる。
【0102】請求項10のように、先に製作された義歯
床に、挟持手段から突出した延長部を接着して一体化す
る方法によると、延長部を接着することによっても一体
化できるので、透明でプラスチック製の外側の挟持手段
を容易にかつ堅牢に義歯床と一体化できる。また、着脱
式にした場合は、挟持手段などが損傷した際に、義歯床
から分離して、挟持手段だけを交換したり補修したりも
できる。
【0103】請求項11のように、全部床の基礎床が、
透明の熱可塑性プラスチックで形成されているので、基
礎床の部分が目立たず、抵抗感なく使用できる。また、
弾性に富んだ材質を採用しているため、顎堤の歯肉を刺
激することが少ない。しかも、顎堤の歯肉との密着度が
よく、唾液だけで基礎床が顎堤に吸着固定されるので、
総義歯の義歯床がプラスチック製で軽いことと相まっ
て、安定良く装着できる。
【0104】請求項12のように、基礎床が2層構造と
なっていて、基礎床の顎堤と接する側がソフト材ででき
ているので、顎堤の歯肉に与える刺激がより減少し、か
つ顎堤との密着度もより向上する。したがって、総義歯
であっても、違和感なく、安定よく装着できる。
【0105】以上のように、本発明で使用する熱可塑性
プラスチックは、従来使用してきたアクリル系樹脂より
弾性に富み、強度も強く、破折しにくいため、義歯床の
基礎床の部分に使用した場合、肉厚を薄くできる。ま
た、総義歯の場合の口蓋部を削除して床部を小さくでき
るので、嚥下障害や発音障害も軽減できる。また、プラ
スチック製で軽いので、唾液による吸着力だけで安定よ
く顎堤に固定できる。
【0106】さらに、挟持手段や基礎床の部分が透明な
ため、入れ歯が目立たず、審美的に優れているし、金属
の嫌な味もせず、抵抗無く義歯を使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による部分義歯の固定構造の第一実施
形態であり、外側から見た側面図である。
【図2】 図1におけるA−A平面図である。
【図3】 歯肉を利用して部分義歯を保持固定する例で
あり、外側から見た側面図である。
【図4】 図3におけるB−B平面図である。
【図5】 天然歯n1の位置における断面図である。
【図6】 歯肉と歯冠部にまたがって歯肉カバーする実
施形態の断面図である。
【図7】 義歯床自体の延長部で歯肉カバーを形成した
実施形態であり、(1)は平面図、(2)は外側から見
た側面図である。
【図8】 凹曲面状の挟持手段を用いた実施形態を示す
図である。
【図9】 部分義歯の固定構造の製作方法を工程順に示
す図である。
【図10】 両側の部分義歯をバーで連結する構造の平
面図である。
【図11】 本発明の製作法で総義歯を製作する実施形
態を示す図である。
【符号の説明】
n1、n2、n3 天然歯 f1、f2 人工歯 d、d1、d2 義歯床 1 外側の挟持角 1a 延長部 2 内側の挟持角 2a 延長部 3 歯肉 4 歯肉カバー 4a 延長部 5 歯肉カバー 5a 延長部 4d、5d 義歯床からの延長部(歯肉カバー) 6 太鼓状の凸曲面 7 挟持手段 8 凹曲面 9 透明の熱可塑性プラスチックのシート 10 レスト部 F1、F2 欠損部顎堤の天然歯の跡 11 基礎床 12 バー 12a、12b バーの両端 13 口蓋部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 口腔内に固定される部分義歯であって、
    人工歯を固定している義歯床に固定された内外一対の挟
    持手段として挟持角を有しており、そのうちの少なくと
    も外側の挟持角が透明のプラスチックからなり、しかも
    天然歯の歯冠部の外側面に当接するような形状となって
    いることを特徴とする部分義歯。
  2. 【請求項2】 口腔内に固定される部分義歯であって、
    人工歯を固定している義歯床に固定された内外一対の挟
    持手段を有しており、そのうちの少なくとも外側の挟持
    手段が透明のプラスチックからなり、しかも天然歯の歯
    冠部の外側の凸曲面を包皮するような凹曲面となってい
    ることを特徴とする部分義歯。
  3. 【請求項3】 口腔内に固定される部分義歯であって、
    人工歯を固定している義歯床に固定された内外一対の挟
    持手段を有しており、そのうちの少なくとも外側の挟持
    手段が透明のプラスチックからなり、しかも天然歯の少
    なくとも歯肉の外側面に当接するような形状となってい
    ることを特徴とする部分義歯。
  4. 【請求項4】 口腔内に固定される部分義歯であって、
    人工歯を固定している義歯床が内外一対の挟持手段を有
    しており、そのうちの少なくとも外側の挟持手段が義歯
    床自体から延長しており、しかも天然歯の歯肉の外側面
    に当接するような形状となっていることを特徴とする部
    分義歯。
  5. 【請求項5】 前記の挟持手段が、隣接する複数の天然
    歯に跨がる長さになっていることを特徴とする請求項
    1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の部分義
    歯。
  6. 【請求項6】 前記の義歯床には、挟持手段と共に、隣
    接する天然歯の咬合面に支持する透明のレストが形成さ
    れていることを特徴とする請求項1から請求項5までの
    いずれかの項に記載の部分義歯。
  7. 【請求項7】 天然歯の両側の部分義歯同士の連結子
    が、透明の熱可塑性プラスチックで形成されていること
    を特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの項
    に記載の部分義歯。
  8. 【請求項8】 部分義歯の欠損部顎堤の基礎床が熱可塑
    性プラスチックで形成されており、しかも前記の挟持角
    などの挟持手段またはレストと一体に成型されているこ
    とを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかの
    項に記載の部分義歯。
  9. 【請求項9】 人工歯を固定している義歯床に固定され
    た内外一対の挟持角や歯肉カバーを有しており、そのう
    ちの少なくとも外側の挟持角や歯肉カバーが透明のプラ
    スチックからなり、しかも天然歯の歯冠部や歯肉の外側
    面に当接するような形状となっている部分義歯の固定構
    造を製作する方法であって、前記の義歯床を製作する際
    に前記の挟持角や歯肉カバーから突出した延長部を埋設
    して一体化することを特徴とする部分義歯の製作方法。
  10. 【請求項10】 人工歯を固定している義歯床に固定さ
    れた内外一対の挟持角や歯肉カバーを有しており、その
    うちの少なくとも外側の挟持角や歯肉カバーが透明のプ
    ラスチックからなり、しかも天然歯の歯冠部や歯肉の外
    側面に当接するような形状となっている部分義歯の固定
    構造を製作する方法であって、先に製作された義歯床
    に、前記の挟持角や歯肉カバーから突出した延長部を接
    着式または着脱式に一体化することを特徴とする部分義
    歯の製作方法。
  11. 【請求項11】 上顎または下顎の全部床の基礎床が、
    透明で弾性に富んだ熱可塑性プラスチックで形成されて
    いることを特徴とする義歯。
  12. 【請求項12】 前記の熱可塑性プラスチック製の基礎
    床の顎堤と接する側にソフト材の層が積層され、基礎床
    が2層構造となっていることを特徴とする請求項11に
    記載の義歯。
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