JP5075633B2 - 透明な機能部付き人工歯 - Google Patents
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Description
通常、市販されている人工歯は解剖学的形態または非解剖学的形態である機械的形態のいずれかに着目して製造されていることが多い。
また、特定の目的に対応するために解剖学的形態の再現よりも必要な機能を持たせることを特徴とした機械的人工歯は、機能性が優れているものの、解剖学的形態の再現性は必ずしも優れているとはいえなかった。
金属咬頭歯は、咬頭部を金属製として、食物を切断する機能を重視し、解剖学的形態を断念したような形状である。一部の歯科医には受け入れられているが、審美性に関する問題が大きく残され受け入れられない歯科医や患者も多い。
解剖学的形態を有する人工歯は、天然歯に近似した表現をするあまり、表面の発育葉や裂溝等の凹凸によって着色やプラークの付着が起こりやすく、清掃し難くなる傾向にある。
この方法では短期的、一時的、擬似的に歯列を再現することが可能な場合があるが、機能的な要求を満たすことができない。
この発明は連結歯の作製にあたり、連結部分を光重合型未重合レジンペ−ストで作製するものであるため、解剖学的形態の再現や機械的形態の形成を目的とするものでない。
この発明も人工歯の解剖学的形態の再現や機械的形態の形成を目的とするものでない。
本願での最大の課題は解剖学的形態と機械的形態の特徴を同時に満たす人工歯を作製することにある。
今までに人工歯の開発者は、これら2つの要求に答える為に、数々の人工歯を研究開発してきたが、これらの2つの要求を同時に高いレベルで満たす人工歯はなく、更に進んだ要求がある場合にそれらを共存させる解決方法は提案されていない。
更に、解剖学的形態を再現した人工歯を開発するにあたり、様々な形態の種類を作製する場合は、まったく別のものを作製する場合と同じ工程が必要となり、共通形態を利用して様々な形態の種類の人工歯を作製することは難しかった。本発明を用いると一部形態修正をすることによって様々な形態の種類を得ることができる。
人工歯の排列が容易に行えるもので、解剖学的形態の再現を維持しつつ機械的形態の形成を目的とする人工歯はなかった。
更に、解剖学的形態を再現できる連結歯は作製されておらず、容易に満足のいく義歯を作製できなかった。特に前歯の連結歯で解剖学的形態の再現を維持しつつ機械的形態の形成を目的とする人工歯はなかった。
連結歯や排列が容易な人工歯で審美性に優れた義歯が作製できるものはなかった。
削合時にリアルな人工歯の咬頭形態をそのまま維持できる人工歯はなかった。
人工歯の清掃が容易な解剖学的形態と機械的形態とを兼ね備えた義歯はなかった。
(1)天然歯の解剖学的形態を有するリアル人工歯部および機能部を含む人工歯であって、該機能部が、該リアル人工歯部と比較して可視光透過性が高い材料で形成されてなる該人工歯、
(2)該機能部が、
1)該リアル人工歯部の咬合面上に設けられ、該リアル人工歯部の咬合面の形態および/または角度と異なる形状に整形した整形咬合面部、
2)該リアル人工歯部を厚み1μm〜5000μmで部分的にまたは全体的に覆う覆層部、
3)該リアル人工歯部の近心または遠心、あるいは両方に隣接歯と面接触するガイド形状をしたガイド部、
4)2以上のリアル人工歯部が歯列を形成する位置関係である場合に、該リアル人工歯に隣接するリアル人工歯を接合させる接合部、または
5)該リアル人工歯部の歯頚部付近に設けられ、義歯作製時に歯肉辺縁と人工歯部分との境の目安となる辺縁ガイド部あるいは
それらの組合せを有する(1)記載の人工歯、
(3)該機能部が、該リアル人工歯部の咬合面上に設けられ、該リアル人工歯部の咬合面の形態および/または角度と異なる形状に整形した整形咬合面部である(2)記載の人工歯、
(4)該機能部が、該リアル人工歯部を厚み1μm〜5000μmで部分的にまたは全体的に覆う覆層部である(2)記載の人工歯、
(5)該機能部が、該リアル人工歯部の近心または遠心、あるいは両方に隣接歯と面接触するガイド形状をしたガイド部である(2)記載の人工歯、
(6)該機能部が、2以上のリアル人工歯部が歯列を形成する位置関係である場合に、該リアル人工歯に隣接するリアル人工歯を接合させる接合部である(2)記載の人工歯、
(7)該機能部が、該リアル人工歯部の歯頚部付近に設けられ、義歯作製時に歯肉辺縁と人工歯部分との境の目安となる辺縁ガイド部である(2)記載の人工歯、および
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載の少なくとも1つの人工歯を含む義歯。
まず、製造過程において、バリ処理時にリアル部分を維持でき、天然歯にない形状の機能を付すことができ、また、人工歯形態の共通使用により、多種の人工歯を作製することができる。
また、義歯使用時においては、清掃が容易な義歯となり、視覚的リアル感が維持でき、咬合面の機能的な形態が自由に得られ、良く噛める義歯を作製することができる。
そして、本発明の人工歯は歯刷子摩耗等による形態変形にも強く、咀嚼関係を維持でき、視覚的リアル感が維持できる。
2 整形咬合面部
3 覆層部
4 ガイド部
5 接合部
6 辺縁ガイド部
特に人工歯の色彩に調色をしていることが特徴であり、本発明の人工歯を作製した場合、エナメルの色彩に着色されているところまでが、本発明でのリアル人工歯部である。
義歯とは、主に人工歯と床の材料からなるものである。
通常、義歯とは、無歯顎もしくは欠損部に補綴物を作製および装着することによって、歯牙の喪失によって失われた機能を回復させるためのものである。人工歯部は歯牙としての機能を担い、床部分は人工歯の安定のための機能や歯肉部分との密着や歯肉部分を補綴するための機能部を担う。
さらに、リアル人工歯部は、これらのレジン歯材料および陶歯材料を組み合わせて作製してもよい。
また、該人工歯部は、天然歯の色彩を有するように、エナメル色、デンチン色などの色素または染料により着色される。
リアル人工歯部の基底面とは、人工歯を義歯として用いたときに床部分に接するかまたは埋没してしまう部分をいう。
リアル人工歯部の基底面以外の部分とは、人工歯を義歯にしたときに床部分から露出している部分である。
リアル人工歯部の基底面以外の部分とは、臼歯である場合は頬面、舌面、近心面、遠心面、咬合面をいい、前歯である場合は唇面、舌面、近心面、遠心面のことである。
機能部は、リアル人工歯部に比べ可視光透過性が高い材料で形成されたことを特徴とする。好ましくは、リアル人工歯の中でも高透過性の部分に比べて、2倍以上の透過性を有し、更に好ましくは、10倍以上の透過性を有する。
透過性の比較は、同一厚みの試験片を数種作成し、その試験片を重ね合わせることによって、測定する。10倍以上の透過性とは同一厚みの試験片1枚よりも10枚重ねた方が透過量が多い場合をいう。
本発明の機能部のコントラスト比は0〜0.25が好ましく、より好ましくは0〜0.1、更に好ましくは0〜0.05である。
コントラスト比の算出方法は、1mm厚の試験片を作成し、サンプルを標準白板および黒板の上に置いて、それぞれ測色した結果を、
コントラスト比=(黒板の上に置いた時)/(白板の上に置いた時)にて計算する。
完全に不透明な場合、コントラスト比は1になり、透明になるほどコントラスト比が0に近づく。測定機器はミノルタ分光測色計CM-2002を用い、測定条件は 視野2度、光源C、SCI方式、にて測定した。
本発明の一つの態様として、機能部が、リアル人工歯部の咬合面に設けられ、リアル人工歯部の咬合面の形態および/または角度と異なる形状に整形した整形咬合面部であることを特徴とする。
リアル人工歯部の咬合面は自由な形態とすることができる。例えば、前方咬合小面や後方咬合小面、平衡咬合小面を持たないなど、自由な形態とすることができる。
また、更に整形咬合面部の形態として食物流動溝を形成していることが好ましい。
また、整形咬合面部を上下顎の自由な形態に加工したとしても、リアル人工歯部は残るため、自由な設計とすることができる。
すなわち、リアル人工歯部に整形咬合面部を有することによって、人工歯咬頭部分に上下顎の関係や咀嚼、擂り潰し、切る、潰すなどの効果を有する部分を解剖学的形態を保持しながら、自由に形成することができる。
リアル人工歯部の咬合面の角度と異なる形状に整形とは、咬頭傾斜角の角度と異なる形状に整形するこという。具体的には窩と溝を整形咬合面部で埋めることよって、咬合面の咬頭傾斜角を変えることができる。
リアル人工歯の咬頭傾斜角が30度以上であり、整形咬合面部により、30度以下の角度となることが好ましい。またはリアル人工歯の咬頭傾斜角が10度以上であり、整形咬合面部により、0度の角度となることが、好ましい。
ここで連結歯の態様として、2歯の連結歯や4歯の連結歯として表現しているが、これは人工歯の歯冠幅の特徴であり、口腔内に装着した時の通常の人工歯や天然歯が占める近・遠心間の幅のことである。
次に、本発明の一つの態様として、該機能部が、覆層部を有する人工歯の形態について、以下に説明する。
機能部の形態としては、機能部がリアル人工歯部を厚み1μm〜5000μmで覆う覆層部であることを特徴とする。更に、リアル人工歯部の基底面以外の部分および/または型成型の割線以外の一部の部分に機能部を設け、機能部がリアル人工歯部を厚み1μm〜5000μmで覆う覆層部であることを特徴とする。
覆層部の厚みは好ましくは10μm〜1000μmであり、より好ましくは300μm〜500μmである。
リアル人工歯部の基底面の部分は人工歯の床部分と接着させる部分であり、特に機能をもたせる必要が無い。
好ましい覆層部で覆う部分は、頬側面または唇側面である。特に、頬面溝、遠心頬面溝、近心頬面溝の近傍付近に覆層部を設けることが好ましい。頬面隆線間と頬面歯頚隆線を覆い滑らかな面とすることが好ましい。また、食物流動口を咬頭間に設けることは好ましい。
覆層部の好ましい形態は、表面を滑らかに覆うことが好ましい。更には、段差を無くす様に形成することが好ましい。
次に、本発明の一つの態様として、機能部がガイド形状をしたガイド部を有する人工歯の形態について、以下に説明する。
機能部の形態としては、リアル人工歯部の近心または遠心、あるいは両方に隣接歯と面接触するガイド形状をしたガイド部であることを特徴とする。更に、リアル人工歯部の近・遠心方向に機能部を設け、機能部が近・遠心方向に有する隣接歯と面接触するガイド部であることを特徴とするガイド機能人工歯であることを特徴とする。
リアル人工歯部の近心または遠心、あるいは両方とは、隣り合うリアル人工歯部の間であれば良く、それがリアル人工歯部が3歯並んだ場合などの真中のリアル人工歯部では、近心および遠心となる。
リアル人工歯部の近・遠心方向とは、人工歯の歯間のことである。人工歯は通常不定形であり、人工歯間の接触は点で行われる。接触点のみの接触では排列が困難を要する。そこで、面接触できるように検討が行われたが、人工歯の形態が歪となり、特に審美的な面で不具合を生じていた。
更に好ましくは、面接触する面が平面であることを特徴とすることである。
更に、リアル人工歯からの曲面が滑らかに移行することが好ましい。更には、段差を有しない様に形成することが好ましい。
隣接歯との接触面積は、前歯においては2〜15平方ミリメートル、好ましくは4〜8平方ミリメートルである。臼歯においては2〜100平方ミリメートル、好ましくは9〜40平方ミリメートルである。
次に、本発明のさらなる態様として、機能部が該リアル人工歯に隣接するリアル人工歯を接合させる接合部を有する人工歯の形態について、以下に説明する。
本発明の接合部を有する人工歯の態様としては、2以上のリアル人工歯部が歯列を形成する位置関係にあり、機能部がリアル人工歯に隣接するリアル人工歯を接合させる接合部であることを特徴とする。
本発明の連結人工歯の態様としては、リアル人工歯部と隣り合うもう一つのリアル人工歯部との間に機能部を設け、機能部がリアル人工歯部と隣合うもう一つのリアル人工歯部とを接合させる接合部であることを特徴とする連結人工歯である。
2以上のリアル人工歯部が歯列を形成する位置関係とは、連結歯に見られるような、口腔内で装着した時に両歯の位置関係が解剖学的位置関係である歯列の関係になっていることをいう。
従って、歯列形成しているリアル人工歯は、直接接触していなくても、隣り合う歯列を形成していれば良い。
リアル人工歯部と隣り合うもう一つのリアル人工歯部との間とは、歯間部分であり、リアル人工歯部間の接触している近心または遠心部である。
更に好ましくは、リアル人工歯からの曲面が滑らかに移行することが好ましい。更には、段差を有しない様に形成することが好ましい。
臼歯においては、頬側からみて第1小臼歯、第2小臼歯、第1大臼歯、第2大臼歯とつながる歯列が整っていることが特徴である。特に前歯においては、唇側からみて右側切歯、右中切歯、左中切歯、左側切歯とつながる形態が崩れていないことが特徴である。
好ましい隣接歯との接合面積は、前歯においては2〜15平方ミリメートル、好ましくは4〜8平方ミリメートルである。臼歯においては2〜100平方ミリメートル、好ましくは9〜40平方ミリメートルである。
次に、本発明のさらにもう一つの態様として、該機能部が辺縁ガイド部を有する人工歯の形態について、以下に説明する。
本発明のかかる態様としては、リアル人工歯部の歯頚部付近に機能部を設け、機能部が義歯作製時に歯肉辺縁と人工歯部分との境の目安となる辺縁ガイド部であることを特徴とする辺縁ガイド機能を有する人工歯である。
機能部が歯肉辺縁の型を形成していることが好ましい。
かかる態様におけるリアル人工歯部は、通常の前歯および臼歯双方に使用することができ、好ましくは前歯に活用でき、更に、頬側および唇側に用いることができる。また、好ましくは連結歯に用いることができる。
辺縁ガイド部が歯肉辺縁の型を形成するとは、辺縁ガイド部に合わせて床を形成することにより、歯肉辺縁が形成できることをいう。好ましくは歯肉辺縁の先端部分を最も出っ張らせた辺縁ガイド部であり、更に好ましくは、歯肉辺縁の先端部分を最も出っ張らせ、かつ角を設けた辺縁ガイド部である。
歯頚部から歯肉辺縁端部にかけて、辺縁ガイド部を形成することが好ましい。
歯肉縁を形成した場合に、人工歯から歯肉辺縁にかけて滑らかに移行することができるように機能部を設けることが好ましい。
辺縁ガイド部について、以下に詳しく説明する。
辺縁ガイド部の形状は歯肉辺縁の型を形成しているが、最も好ましい形状は歯肉辺縁の先端部分に角を設けた形状である。即ち、義歯作製後の歯肉辺縁が形成されたときに歯肉辺縁の先端となる部分に沿って、辺縁ガイド部を設ける。辺縁ガイド部が歯肉辺縁の先端となる部分で角となるように段差を設ける。歯肉辺縁と辺縁ガイド部が接する面は、歯肉辺縁の形状をしていても良いが、リアル人工歯の面方向に切り取った形状であっても良い。
その結果、歯肉形成時に辺縁ガイド部まで歯肉形成用のワックスを盛ることで容易に歯肉形成することができる。
人工歯の切端または咬頭方向への辺縁ガイド部の形状は、歯肉辺縁の形状を歯肉辺縁の段差のなく滑らかな面として移行することが好ましい。
透明のMMAとPMMAと10ミクロンのガラス粉末を2:1:3の比で混合し、過酸化ベンゾイル(BPO)1%投入後さらに混合して粘性材料を作製した。この粘性材料を各種人工歯の表面に任意の形状に築成し、加熱により硬化させ機能部とした。
エンデュラ歯30度(松風社製)咬合面上に粘性材料を築成し各種咬頭を設け、熱硬化により整形咬合面部を設け、咬合面の形態を20度となるように咬合面の形態を調製し20度臼歯を作製した。
この20度臼歯を用いて上下顎フルデンチャーを作製した。咬合面機能人工歯以外の義歯材料は、通常使用される材料で作製した。
30度臼歯形態をした20度臼歯機能の義歯が作製された。
義歯作製後、試験者の口腔内試適を行った。作製された義歯は、人工歯が審美性を有することに加えて、咀嚼率、清掃性、嚥下のし易さおよび口腔内安定性が良好であった。
実施例1と同様に試料を調製した。
(咬合面機能人工歯の作製)
バイオエースレジン歯20度(臼歯)(松風社製)の咬合面上に粘性材料を築成し各種窩を設け、熱硬化により整形咬合面部を設け、咬合面の形態を0度となるように咬合面の形態を調整し0度臼歯を作製した。
この0度臼歯を用いて上下顎フルデンチャーを作製した。咬合面機能人工歯以外の義歯材料は、通常使用される材料で作製した。
20度臼歯形態をした0度臼歯機能の義歯が作製された。
義歯作製後、試験者の口腔内試適を行った。作製された義歯は、人工歯が審美性を有することに加えて、咀嚼率、清掃性、嚥下のし易さおよび口腔内安定性が良好であった。
実施例1と同様に試料を調製した。
(覆層機能人工歯の作製)
エンデュラアンテリオ(前歯)(松風社製)唇面側の唇面溝を覆い、凹凸がないように10μm〜100μm程度の厚みで粘性材料を築成し、熱硬化により覆層部を設け、覆層機能人工歯を作製した。
エンデュラアンテリオ(前歯)と実施例3で作製した覆層機能人工歯の頬側面を歯刷子摩耗試験にて試験した結果、実施例3で作製した覆層機能人工歯の頬側面溝の残存率がはるかに高かった。
実施例1と同様に試料を調製した。
(ガイド機能人工歯の作製)
バイオエースレジン歯20度(臼歯)(松風社製)の舌側方向に粘性材料を築成し、近接歯と平面で接触できるように突起部を設け、熱硬化によりガイド部を設けた。微調整を切削・研磨にて行い、ガイド機能人工歯を作製した。
ガイド機能人工歯を、咬合器プロアーチII(松風社製)上で、上下顎フルデンチャーを作製した。ガイド機能人工歯以外の義歯材料は、通常使用される材料で作製した。
義歯作製後、試験者の口腔内試適を行った。作製された義歯は、人工歯が審美性を有することに加えて、並べ易く、早く技工操作を終えることができ、正しく並べられた。結果として、咀嚼率、清掃性、嚥下のし易さおよび口腔内安定性が良好であった。
実施例1と同様に試料を調製した。
(連結人工歯の作製)
バイオエースレジン歯20度(臼歯)(松風社製)の舌側面部に粘性材料を築成し、臼歯4歯を接合させ熱硬化により接合部を設けた。4歯連結することにより連結人工歯を作製した。
連結人工歯を用いて、咬合器上で、上下顎フルデンチャーを作製した。ガイド機能人工歯以外の義歯材料は、通常使用される材料で作製した。
義歯作製後、試験者の口腔内試適を行った。作製された義歯は、人工歯が審美性を有することに加えて、並べ易く、早く技工操作を終えることができ、正しく並べられた。結果として、咀嚼率、清掃性、嚥下のし易さおよび口腔内安定性が良好であった。
実施例1と同様に試料を調製した。
(辺縁ガイド機能人工歯の作製)
バイオエースレジン歯20度(臼歯)(松風社製)の歯頚部付近に粘性材料を築成し、歯肉辺縁と人工歯部分との境の目安となる辺縁ガイドと成るように整形し熱硬化により辺縁ガイド部を設けた。微調整を切削・研磨にて行い、辺縁ガイド機能人工歯を作製した。
辺縁ガイド機能人工歯を用いて、咬合器上で、上下顎フルデンチャーを作製した。ガイド機能人工歯以外の義歯材料は、通常使用される材料で作製した。
義歯作製後、試験者の口腔内試適を行った。作製された義歯は、人工歯が審美性を有することに加えて、咀嚼率、清掃性、嚥下のし易さおよび口腔内安定性が良好であった。
Claims (6)
- 天然歯の解剖学的形態を有するリアル人工歯部および機能部を含む人工歯であって、該機能部が、該リアル人工歯部と比較して2倍以上の透過性を有する可視光透過性が高い材料で形成され、該機能部として、該リアル人工歯部を厚み1μm〜5000μmで部分的にまたは全体的に覆う覆層部と、
1)該リアル人工歯部の咬合面上に設けられ、該リアル人工歯部の咬合面の形態および/または角度と異なる形状に整形した整形咬合面部、
2)該リアル人工歯部の近心または遠心、あるいは両方に隣接歯と面接触するガイド形状をしたガイド部、
3)2以上のリアル人工歯部が歯列を形成する位置関係である場合に、該リアル人工歯に隣接するリアル人工歯を接合させる接合部、または
4)該リアル人工歯部の歯頚部付近に設けられ、義歯作製時に歯肉辺縁と人工歯部分との境の目安となる辺縁ガイド部、あるいは前記1)〜4)のいずれかの組合せ
とを有する該人工歯。 - 該機能部として、該リアル人工歯部を厚み1μm〜5000μmで部分的にまたは全体的に覆う覆層部と、該リアル人工歯部の咬合面上に設けられ、該リアル人工歯部の咬合面の形態および/または角度と異なる形状に整形した整形咬合面部とを有する請求項1記載の人工歯。
- 該機能部として、該リアル人工歯部を厚み1μm〜5000μmで部分的にまたは全体的に覆う覆層部と、該リアル人工歯部の近心または遠心、あるいは両方に隣接歯と面接触するガイド形状をしたガイド部とを有する請求項1記載の人工歯。
- 該機能部として、該リアル人工歯部を厚み1μm〜5000μmで部分的にまたは全体的に覆う覆層部と、2以上のリアル人工歯部が歯列を形成する位置関係である場合に、該リアル人工歯に隣接するリアル人工歯を接合させる接合部とを有する請求項1記載の人工歯。
- 該機能部として、該リアル人工歯部を厚み1μm〜5000μmで部分的にまたは全体的に覆う覆層部と、該リアル人工歯部の歯頚部付近に設けられ、義歯作製時に歯肉辺縁と人工歯部分との境の目安となる辺縁ガイド部とを有する請求項1記載の人工歯。
- 請求項1〜5いずれか1記載の少なくとも1つの人工歯を含む義歯。
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