JP2004065814A - 歯科矯正装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】体裁を良好に保持できる歯科矯正装置、及びこの歯科矯正装置を簡単且つ短時間に製造できる製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の歯科矯正装置1は、前歯2a及び臼歯2bを押さえて矯正力を加える押さえ部材10と、この押さえ部材10を所定の位置に保持すべく押さえ部材10に連結され口腔内に配置される樹脂床(保持部材)11と、押さえ部材10若しくは樹脂床11の補強用、又は押さえ部材10と樹脂床11との連結用のワイヤー部材12とを備えている。そして、押さえ部材10のうち少なくとも前歯2aを押さえる部分10aが透明樹脂によって成形されると共に、前歯2aを押さえる部分10aにはワイヤー部材12が含まれていない。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の歯科矯正装置1は、前歯2a及び臼歯2bを押さえて矯正力を加える押さえ部材10と、この押さえ部材10を所定の位置に保持すべく押さえ部材10に連結され口腔内に配置される樹脂床(保持部材)11と、押さえ部材10若しくは樹脂床11の補強用、又は押さえ部材10と樹脂床11との連結用のワイヤー部材12とを備えている。そして、押さえ部材10のうち少なくとも前歯2aを押さえる部分10aが透明樹脂によって成形されると共に、前歯2aを押さえる部分10aにはワイヤー部材12が含まれていない。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可撤式の歯科矯正装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、歯の不正咬合を矯正する歯科矯正装置は、歯に矯正力を加えるべく歯に着脱自在に取り付けられるワイヤー部材と、このワイヤー部材を保持するべく口腔内に挿入されるレジン床(保持部材)とで構成されていた。ワイヤー部材としては主にステンレス鋼又はコバルト・クロム合金が使用され、レジン床にはメチルメタアクリレート(MMA)が用いられていた。
【0003】
また、従来の歯科矯正装置は、次の方法で製造されていた。すなわち、まず口腔内で採取した歯の印象に基づいて石膏模型を形成し、この石膏模型の所定の位置にワイヤーを取り付ける。
【0004】
次に、石膏模型上にMMA製のモノマーとポリマーとを交互に滴下して重合材料を生成し、この重合材料の端縁部を所定形状に削ってレジン床を製造する。この段階では、レジン床の厚さを最終的な仕上がり厚さより厚めにしておく。
【0005】
この後、レジン床の表面を研磨して余分な肉厚を除去することにより、表面を滑らかに仕上げていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の歯科矯正装置は、歯に矯正力を加えるために前歯の前面側にワイヤーを使用していたので、歯科矯正装置を装着した人が口唇を開いたときに、ワイヤーが露出されて外部から見えてしまうため、体裁が悪く違和感があるという問題があった。
【0007】
また、従来の歯科矯正装置の製造方法は、石膏模型上で重合材料を生成する作業と、生成された重合材料の端縁部を削って所定形状に形成する作業と、重合材料の表面を研磨する作業とが必要になるため、手間がかかると共に、完成まで長時間を要するという問題があった。
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、歯科矯正装置を装着した人が口唇を開いたときにワイヤー部材が露出されることなく体裁を良好に保持できる歯科矯正装置、及びこの歯科矯正装置を簡単且つ短時間に製造できる歯科矯正装置の製造方法を提供することを技術的課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は歯科矯正装置及びその製造方法であり、上記技術的課題を解決するため以下のように構成されている。
【0010】
すなわち、本発明は、歯の不正咬合を矯正すべく前歯及び臼歯に着脱自在に取り付けられる歯科矯正装置において、前記前歯及び臼歯を押さえて矯正力を加える押さえ部材と、前記押さえ部材を所定の位置に保持すべく前記押さえ部材に連結され口腔内に配置される保持部材と、前記押さえ部材若しくは前記保持部材の補強用、又は前記押さえ部材と前記保持部材との連結用のワイヤー部材とを備え、前記押さえ部材のうち少なくとも前記前歯を押さえる部分が透明樹脂によって成型されると共に、前記前歯を押さえる部分には前記ワイヤー部材が含まれていないことを特徴とする。
【0011】
上記押さえ部材及び保持部材は、熱可塑性樹脂、例えばポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ブタル酸ジオプチルとセルロースアセテートの合成樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂(EVA樹脂)等を用いることができる。また、ワイヤー部材としてはステンレス鋼又はコバルト・クロム合金を例示できる。
【0012】
本発明の歯科矯正装置によれば、押さえ部材のうち少なくとも前歯を押さえる部分が透明樹脂で成形されると共に、前歯を押さえる部分にワイヤー部材が含まれていないので、歯科矯正装置を装着した人が口唇を開いたときに、前歯を押さえる部分からその下側の歯が見えるため、自然な雰囲気を出して違和感をなくすことができる。
【0013】
また、前記押さえ部材を硬質樹脂と軟質樹脂によって二層に構成し、前記軟質樹脂が前記歯に当接する側に配置することができ、この場合は、歯に当接している軟質樹脂がある程度変形するので、歯が矯正方向に移動しやすくなる。
【0014】
また、前記保持部材を硬質樹脂と軟質樹脂によって二層に構成し、前記軟質樹脂を口蓋に当接する側に配置することができ、この場合は、口蓋における粘膜面に軟質樹脂が接するため、歯牙や歯肉のアンダーカットに無理なく適合し、保持部材自体の装着時における維持力を増加させる。
【0015】
上記軟質樹脂としては、エチレン酢酸ビニル樹脂を例示でき、硬質樹脂としてはブタルサンジオプチルとセルロースアセテートの合成樹脂を例示できる。
【0016】
本発明は、上記歯科矯正装置を製造する方法であって、前記軟質樹脂を加熱して前記歯の成形型に圧接させることにより所定形状に成形し、前記成形された軟質樹脂の前記硬質樹脂との貼り合わせ面に接着剤を塗布すると共に、前記ワイヤー部材を前記軟質樹脂の所定の位置に取り付け、前記軟質樹脂の接着剤塗布面に前記硬質樹脂を貼り合わせて仮接着し、前記軟質樹脂及び前記硬質樹脂を加熱しながら前記成形型に圧接させて所定形状に成形することを特徴とする。
【0017】
本発明の歯科矯正装置の製造方法によれば、軟質樹脂及び硬質樹脂を加熱した状態で成形型に圧接させることにより成形するので、一般的に用いられている加熱式真空成型機又は加熱式加圧成型機を用いることができ、簡単且つ短時間に歯科矯正装置を製造でき、更に二層のうちの表面側を構成する硬質樹脂の表面側が滑らかなので、研磨作業が不要になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る歯科矯正装置及びその製造方法の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明に係る歯科矯正装置1を示す斜視図である。この歯科矯正装置1は、片顎で使用する可撤式床矯正装置といわれるものであり、本実施形態では上顎に装着する場合について説明するが、下顎に装着する場合も同様である。なお、図1は、上顎の模型に歯科矯正装置1を装着した状態を示し、理解を容易にするため上下を反対にして示した。
【0020】
この歯科矯正装置1は、矯正すべき歯2a及び臼歯2bを前面側から押さえて矯正力を加える押さえ部材10と、この押さえ部材10を所定の位置に保持すべく押さえ部材10の両端部に連結部13を介して連結され、口腔内に配置される保持部材としての樹脂床11と、押さえ部材10及び樹脂床11を補強するワイヤー部材12とを備えている。
【0021】
次に、上記各構成要素について説明する。押さえ部材10及び樹脂床11は、熱可塑性樹脂、例えばポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ブタル酸ジオプチルとセルロースアセテートの合成樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂(EVA樹脂)等を用いて成形される。
【0022】
また、押さえ部材10は、前歯2aの前面側を一体的に押さえる前記押さえ部10aと、臼歯2bの前面側を一体的に押さえる臼歯押さえ部10bとを有している。
【0023】
このうち、前歯押さえ部10は透明樹脂で帯状に成形され、且つ前歯2aの並び方に応じて湾曲状に成形されており、ここにはワイヤー部材12が一切含まれていない。また、本実施形態では、臼歯押さえ部10bも透明樹脂で帯状に成形されているが、この臼歯押さえ部10bは例えば肌色などの不透明樹脂で成形することもできる。
【0024】
また、樹脂床11は、図2に示すように、比較的広い幅で略逆U字状に成形されている。この樹脂床11は、全体的に口蓋に押し付けられ、その前端部が前歯2a及び臼歯2bの裏側に当接するようになっている。
【0025】
上記ワイヤー部材12は、略U字状に形成され、樹脂床11の中程から連結部13を介して、臼歯押さえ部10bと前歯押さえ部10aとの境界付近まで延びている。このワイヤー部材12は例えばステンレス鋼又はコバルト・クロム合金が用いられる。
【0026】
更に、上記押さえ部10の臼歯押さえ部10b及び樹脂床11は、図3に示すように、軟質樹脂15と硬質樹脂16とによって二層に構成されている(図2に破線で示す部分)。
【0027】
臼歯押さえ部10bの軟質樹脂15は、臼歯2bに当接する側に配置されている。また、樹脂床11の軟質樹脂15は、口蓋に当接する側に配置されている。
【0028】
この歯科矯正装置1を上顎に装着する場合には、図1に示すように、樹脂床11の前端部と押さえ部材10間の隙間を、歯2a,2bに嵌め込み、連結部13を一番奥の臼歯2bに嵌め入れる。そして、樹脂床11を口蓋に押し当てるようにする。
【0029】
これによって、押さえ部材10が一定の張力を保持した状態で、前歯2a及び臼歯2bの前面側に配置され、これらの歯2a,2bが内側に押さえられて矯正力が加えられる。
【0030】
このように、本発明の歯科矯正装置1は、押さえ部10のうち、少なくとも前歯2aの前面側に配置される前歯押さえ部10aが透明樹脂で成形され、しかもこの前歯押さえ部10aにワイヤー部材12が一切含まれていないので、この歯科矯正装置1を装着した人が口唇を開いたときに、ワイヤー部材12が露出されることがなく、体裁を良好に保持できる。
【0031】
また、押さえ部材10aを通してその下の前歯2aが外部から見えるため、自然な雰囲気を出すことができ、違和感をなくすことができる。
【0032】
また、押さえ部材10の臼歯押さえ部10bが軟質樹脂15及び硬質樹脂16で二層に構成され、このうち軟質樹脂15が歯2に当接する側に配置されているため、歯2に矯正力が加わると軟質樹脂15が変形し、歯2がある程度移動可能となる。従って、歯2の矯正を確実に行うことができる。
【0033】
また、樹脂床11も軟質樹脂15及び硬質樹脂16によって二層に構成され、軟質樹脂15が口蓋に当接する側に配置されているので、口蓋における粘膜面に軟質樹脂が接するため、歯牙や視肉のアンダーカットに無理なく適合し、樹脂床11自体の装着時の維持力を増加させる。従って、口蓋に対する適合性、装着感、及び維持力が向上する。
【0034】
更に、臼歯押さえ部10b及び樹脂床11の表面側に硬質樹脂16が配置されているので、傷が付きにくく、外観を長期間に亘って良好に保持できる。
(第2実施形態)
図4は、本発明に係る第2実施形態の歯科矯正装置3を示す。なお、図1と同一の部分には同一の符号を付けて詳細な説明を省略する。
【0035】
この歯科矯正装置3は両顎に装着するものであり、上顎の前歯2aと、上顎及び下顎の臼歯2b,4bとを前面側から押さえることにより、前歯2a及び臼歯2b,4bに矯正力を加える押さえ部材30を有している。
【0036】
また、この歯科矯正装置3は、図5及び図6に示すように、保持部材である樹脂床31と、この樹脂床31と上記押さえ部材30とを連結するワイヤー部材32とを有している。
【0037】
次に、上記各構成要素について説明する。押さえ部材30は、図4に示すように、上顎における前歯2aの前面側を一体的に押さえる帯状の前歯押さえ部30aと、この前歯押さえ部30aの両側に配置され、上顎及び下顎の臼歯2b,4bの前面側を一体的のさえる臼歯押さえ部30bとを有している。
【0038】
これらの前歯押さえ部30a及び臼歯押さえ部30bは、透明樹脂で成形されている。また、前歯押さえ部30aには、ワイヤー部材32が一切含まれていない。
【0039】
臼歯押さえ部30bは、透明樹脂で比較的多き案略4角形に成形され、上下の臼歯2b,4bを一体的に押さえるようになっている。なお、この臼歯押さえ部30bは、例えば肌色など有色の樹脂を用いることもできる。
【0040】
樹脂床31は、図5及び図6に示すように、口腔内に挿入可能な大きさで略U字形の容器状に形成され、押さえ部材30の内側に配置されている。この樹脂床31の両辺部31aは、補強のためのワイヤー部材32によって連結されている。また、樹脂床31の先端には、図5に示すように、この歯科矯正装置3を装着する人の口に合わせて横長の開口31bが設けられている。
【0041】
この樹脂床31は、図6に示すように、その前部側が押さえ部材30の臼歯押さえ部30bにワイヤー部材32によって連結されている。なお、ワイヤー部材32は、その使用目的及び使用場所に応じて、適宜な太さのものが使用されると共に、適宜な形状に曲げられている。
【0042】
更に、図6中に破線で示すように、臼歯押さえ部30b及び樹脂床31は、軟質樹脂15及び硬質樹脂16(図3参照)によって二層に構成され、そのうち軟質樹脂15が歯2又は口蓋に当接する側に配置され、硬質樹脂16が表面側に配置されている。
【0043】
この第2実施形態の歯科矯正装置3においても、上記歯科矯正装置1と同様に、ワイヤー部材32が露出されることがないので、体裁を良好に保持できると共に、不自然さを抑えて違和感をなくすことができ、更に上下顎の臼歯2b,4bの矯正を確実に行うことができる。
【0044】
なお、本実施形態では、上顎の前歯2aを矯正する場合について説明したが、下顎の前歯4aを矯正することもでき、この場合には下顎の前歯4aを押さえる押さえ部材を設ければよい。
(第3実施形態)
図7は、本発明に係る歯科矯正装置の製造方法を示すフローチャートである。この歯科矯正装置の製造方法は、例えば上記歯科矯正装置1,3を製造する場合に適用される。ここでは、片顎用の歯科矯正装置1(図1参照)を製造する場合について説明する。
【0045】
この場合には、先ず口腔内の印象から成形型を制作する(ステップ41)。次にこの成形型にシート状の軟質樹脂15(図3参照)を被せて、軟質樹脂15を加熱しながら成形型と軟質樹脂15間の空気を抜き、軟質樹脂15を成形型に圧接させて所定形状に成形する(ステップ42)。
【0046】
この軟質樹脂15の成形は、一般的に使用されている加熱式真空成型機又は加熱式加圧成型機によって行うことができるので、その詳細については説明を省略する。
【0047】
次に、成形された軟質樹脂15を冷却後、軟質樹脂15に予め記入されていた外形線に沿って切断し、所定の形状に仕上げる(ステップ43)。続いて、軟質樹脂15の所定の位置にワイヤー部材12を取り付けると共に、軟質樹脂15の硬質樹脂16との貼り合わせ面に接着剤を塗布する(ステップ44)。
【0048】
次に、軟質樹脂15を成形型に取り付けた状態で、軟質樹脂15の貼り合わせ面に硬質樹脂16を被せて仮接着する(ステップ45)。次に、接着した軟質樹脂15及び硬質樹脂16を成形型に被せて、加熱しながら圧接させることにより所定形状に成形する(ステップ46)。この成形作業も、加熱式真空成型機又は加熱式加圧成型機を使用できる。
【0049】
この後、硬質樹脂16を冷却し、硬質樹脂16に予め記入しておいた外形線に沿って切断する(ステップ47)。これにより、歯科矯正装置1の製造が完了する。
【0050】
このように、本発明に係る歯科矯正装置の製造方法によれば、軟質樹脂15及び硬質樹脂16を加熱しながら、成形型に圧接させるだけで成形できるので、一般的に使用されている加熱式真空成型機や加熱式加圧成型機を使用でき、しかも表面側となる硬質樹脂16の表面が滑らかであり、研磨する必要がないので、歯科矯正装置1を簡単且つ短時間に製造できる。
【0051】
なお、上記歯科矯正装置1,3及びしか矯正装置の製造方法は、歯科矯正治療により所定の位置に移動した歯を、その位置に保持し、周囲環境との適応をはかるための保定装置にも適用できる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の歯科矯正装置によれば、歯を押さえる押さえ部材のうち少なくとも前歯を押さえる部分が透明樹脂で成形されると共に、この前歯を押さえる部分にワイヤー部材が含まれていないので、歯科矯正装置を装着した人が口唇を開いたときに、ワイヤー部材が露出されることがなく、体裁を良好の保持できる。
【0053】
また、前歯を押さえる部分からその下側の歯が見えるため、自然な雰囲気を出すことができ、違和感をなくすことができる。
【0054】
本発明の歯科矯正装置の製造方法によれば、軟質樹脂及び硬質樹脂を加熱しながら成形型に圧接させることにより成形するので、一般的に用いられている加熱式真空成型機又は加熱式加圧成型機を用いることができ、簡単且つ短時間に歯科矯正装置を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の片顎用の歯科矯正装置を示す斜視図である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】本発明に係る第1実施形態の押さえ部材を示す断面図である。
【図4】本発明に係る第2実施形態の両顎用の歯科矯正装置を示す斜視図である。
【図5】図4のB矢視図である。
【図6】図5のC矢視図である。
【図7】本発明に係る第3実施形態の歯科矯正装置の製造方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1,3 歯科矯正装置
2a,4a 前歯
2b,4b 臼歯
10,30 押さえ部材
10a,30a 前歯押さえ部
10b,30b 臼歯押さえ部
11,31 樹脂床(保持部材)
12,32 ワイヤー部材
15 軟質樹脂
16 硬質樹脂
【発明の属する技術分野】
本発明は、可撤式の歯科矯正装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、歯の不正咬合を矯正する歯科矯正装置は、歯に矯正力を加えるべく歯に着脱自在に取り付けられるワイヤー部材と、このワイヤー部材を保持するべく口腔内に挿入されるレジン床(保持部材)とで構成されていた。ワイヤー部材としては主にステンレス鋼又はコバルト・クロム合金が使用され、レジン床にはメチルメタアクリレート(MMA)が用いられていた。
【0003】
また、従来の歯科矯正装置は、次の方法で製造されていた。すなわち、まず口腔内で採取した歯の印象に基づいて石膏模型を形成し、この石膏模型の所定の位置にワイヤーを取り付ける。
【0004】
次に、石膏模型上にMMA製のモノマーとポリマーとを交互に滴下して重合材料を生成し、この重合材料の端縁部を所定形状に削ってレジン床を製造する。この段階では、レジン床の厚さを最終的な仕上がり厚さより厚めにしておく。
【0005】
この後、レジン床の表面を研磨して余分な肉厚を除去することにより、表面を滑らかに仕上げていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の歯科矯正装置は、歯に矯正力を加えるために前歯の前面側にワイヤーを使用していたので、歯科矯正装置を装着した人が口唇を開いたときに、ワイヤーが露出されて外部から見えてしまうため、体裁が悪く違和感があるという問題があった。
【0007】
また、従来の歯科矯正装置の製造方法は、石膏模型上で重合材料を生成する作業と、生成された重合材料の端縁部を削って所定形状に形成する作業と、重合材料の表面を研磨する作業とが必要になるため、手間がかかると共に、完成まで長時間を要するという問題があった。
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、歯科矯正装置を装着した人が口唇を開いたときにワイヤー部材が露出されることなく体裁を良好に保持できる歯科矯正装置、及びこの歯科矯正装置を簡単且つ短時間に製造できる歯科矯正装置の製造方法を提供することを技術的課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は歯科矯正装置及びその製造方法であり、上記技術的課題を解決するため以下のように構成されている。
【0010】
すなわち、本発明は、歯の不正咬合を矯正すべく前歯及び臼歯に着脱自在に取り付けられる歯科矯正装置において、前記前歯及び臼歯を押さえて矯正力を加える押さえ部材と、前記押さえ部材を所定の位置に保持すべく前記押さえ部材に連結され口腔内に配置される保持部材と、前記押さえ部材若しくは前記保持部材の補強用、又は前記押さえ部材と前記保持部材との連結用のワイヤー部材とを備え、前記押さえ部材のうち少なくとも前記前歯を押さえる部分が透明樹脂によって成型されると共に、前記前歯を押さえる部分には前記ワイヤー部材が含まれていないことを特徴とする。
【0011】
上記押さえ部材及び保持部材は、熱可塑性樹脂、例えばポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ブタル酸ジオプチルとセルロースアセテートの合成樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂(EVA樹脂)等を用いることができる。また、ワイヤー部材としてはステンレス鋼又はコバルト・クロム合金を例示できる。
【0012】
本発明の歯科矯正装置によれば、押さえ部材のうち少なくとも前歯を押さえる部分が透明樹脂で成形されると共に、前歯を押さえる部分にワイヤー部材が含まれていないので、歯科矯正装置を装着した人が口唇を開いたときに、前歯を押さえる部分からその下側の歯が見えるため、自然な雰囲気を出して違和感をなくすことができる。
【0013】
また、前記押さえ部材を硬質樹脂と軟質樹脂によって二層に構成し、前記軟質樹脂が前記歯に当接する側に配置することができ、この場合は、歯に当接している軟質樹脂がある程度変形するので、歯が矯正方向に移動しやすくなる。
【0014】
また、前記保持部材を硬質樹脂と軟質樹脂によって二層に構成し、前記軟質樹脂を口蓋に当接する側に配置することができ、この場合は、口蓋における粘膜面に軟質樹脂が接するため、歯牙や歯肉のアンダーカットに無理なく適合し、保持部材自体の装着時における維持力を増加させる。
【0015】
上記軟質樹脂としては、エチレン酢酸ビニル樹脂を例示でき、硬質樹脂としてはブタルサンジオプチルとセルロースアセテートの合成樹脂を例示できる。
【0016】
本発明は、上記歯科矯正装置を製造する方法であって、前記軟質樹脂を加熱して前記歯の成形型に圧接させることにより所定形状に成形し、前記成形された軟質樹脂の前記硬質樹脂との貼り合わせ面に接着剤を塗布すると共に、前記ワイヤー部材を前記軟質樹脂の所定の位置に取り付け、前記軟質樹脂の接着剤塗布面に前記硬質樹脂を貼り合わせて仮接着し、前記軟質樹脂及び前記硬質樹脂を加熱しながら前記成形型に圧接させて所定形状に成形することを特徴とする。
【0017】
本発明の歯科矯正装置の製造方法によれば、軟質樹脂及び硬質樹脂を加熱した状態で成形型に圧接させることにより成形するので、一般的に用いられている加熱式真空成型機又は加熱式加圧成型機を用いることができ、簡単且つ短時間に歯科矯正装置を製造でき、更に二層のうちの表面側を構成する硬質樹脂の表面側が滑らかなので、研磨作業が不要になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る歯科矯正装置及びその製造方法の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明に係る歯科矯正装置1を示す斜視図である。この歯科矯正装置1は、片顎で使用する可撤式床矯正装置といわれるものであり、本実施形態では上顎に装着する場合について説明するが、下顎に装着する場合も同様である。なお、図1は、上顎の模型に歯科矯正装置1を装着した状態を示し、理解を容易にするため上下を反対にして示した。
【0020】
この歯科矯正装置1は、矯正すべき歯2a及び臼歯2bを前面側から押さえて矯正力を加える押さえ部材10と、この押さえ部材10を所定の位置に保持すべく押さえ部材10の両端部に連結部13を介して連結され、口腔内に配置される保持部材としての樹脂床11と、押さえ部材10及び樹脂床11を補強するワイヤー部材12とを備えている。
【0021】
次に、上記各構成要素について説明する。押さえ部材10及び樹脂床11は、熱可塑性樹脂、例えばポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ブタル酸ジオプチルとセルロースアセテートの合成樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂(EVA樹脂)等を用いて成形される。
【0022】
また、押さえ部材10は、前歯2aの前面側を一体的に押さえる前記押さえ部10aと、臼歯2bの前面側を一体的に押さえる臼歯押さえ部10bとを有している。
【0023】
このうち、前歯押さえ部10は透明樹脂で帯状に成形され、且つ前歯2aの並び方に応じて湾曲状に成形されており、ここにはワイヤー部材12が一切含まれていない。また、本実施形態では、臼歯押さえ部10bも透明樹脂で帯状に成形されているが、この臼歯押さえ部10bは例えば肌色などの不透明樹脂で成形することもできる。
【0024】
また、樹脂床11は、図2に示すように、比較的広い幅で略逆U字状に成形されている。この樹脂床11は、全体的に口蓋に押し付けられ、その前端部が前歯2a及び臼歯2bの裏側に当接するようになっている。
【0025】
上記ワイヤー部材12は、略U字状に形成され、樹脂床11の中程から連結部13を介して、臼歯押さえ部10bと前歯押さえ部10aとの境界付近まで延びている。このワイヤー部材12は例えばステンレス鋼又はコバルト・クロム合金が用いられる。
【0026】
更に、上記押さえ部10の臼歯押さえ部10b及び樹脂床11は、図3に示すように、軟質樹脂15と硬質樹脂16とによって二層に構成されている(図2に破線で示す部分)。
【0027】
臼歯押さえ部10bの軟質樹脂15は、臼歯2bに当接する側に配置されている。また、樹脂床11の軟質樹脂15は、口蓋に当接する側に配置されている。
【0028】
この歯科矯正装置1を上顎に装着する場合には、図1に示すように、樹脂床11の前端部と押さえ部材10間の隙間を、歯2a,2bに嵌め込み、連結部13を一番奥の臼歯2bに嵌め入れる。そして、樹脂床11を口蓋に押し当てるようにする。
【0029】
これによって、押さえ部材10が一定の張力を保持した状態で、前歯2a及び臼歯2bの前面側に配置され、これらの歯2a,2bが内側に押さえられて矯正力が加えられる。
【0030】
このように、本発明の歯科矯正装置1は、押さえ部10のうち、少なくとも前歯2aの前面側に配置される前歯押さえ部10aが透明樹脂で成形され、しかもこの前歯押さえ部10aにワイヤー部材12が一切含まれていないので、この歯科矯正装置1を装着した人が口唇を開いたときに、ワイヤー部材12が露出されることがなく、体裁を良好に保持できる。
【0031】
また、押さえ部材10aを通してその下の前歯2aが外部から見えるため、自然な雰囲気を出すことができ、違和感をなくすことができる。
【0032】
また、押さえ部材10の臼歯押さえ部10bが軟質樹脂15及び硬質樹脂16で二層に構成され、このうち軟質樹脂15が歯2に当接する側に配置されているため、歯2に矯正力が加わると軟質樹脂15が変形し、歯2がある程度移動可能となる。従って、歯2の矯正を確実に行うことができる。
【0033】
また、樹脂床11も軟質樹脂15及び硬質樹脂16によって二層に構成され、軟質樹脂15が口蓋に当接する側に配置されているので、口蓋における粘膜面に軟質樹脂が接するため、歯牙や視肉のアンダーカットに無理なく適合し、樹脂床11自体の装着時の維持力を増加させる。従って、口蓋に対する適合性、装着感、及び維持力が向上する。
【0034】
更に、臼歯押さえ部10b及び樹脂床11の表面側に硬質樹脂16が配置されているので、傷が付きにくく、外観を長期間に亘って良好に保持できる。
(第2実施形態)
図4は、本発明に係る第2実施形態の歯科矯正装置3を示す。なお、図1と同一の部分には同一の符号を付けて詳細な説明を省略する。
【0035】
この歯科矯正装置3は両顎に装着するものであり、上顎の前歯2aと、上顎及び下顎の臼歯2b,4bとを前面側から押さえることにより、前歯2a及び臼歯2b,4bに矯正力を加える押さえ部材30を有している。
【0036】
また、この歯科矯正装置3は、図5及び図6に示すように、保持部材である樹脂床31と、この樹脂床31と上記押さえ部材30とを連結するワイヤー部材32とを有している。
【0037】
次に、上記各構成要素について説明する。押さえ部材30は、図4に示すように、上顎における前歯2aの前面側を一体的に押さえる帯状の前歯押さえ部30aと、この前歯押さえ部30aの両側に配置され、上顎及び下顎の臼歯2b,4bの前面側を一体的のさえる臼歯押さえ部30bとを有している。
【0038】
これらの前歯押さえ部30a及び臼歯押さえ部30bは、透明樹脂で成形されている。また、前歯押さえ部30aには、ワイヤー部材32が一切含まれていない。
【0039】
臼歯押さえ部30bは、透明樹脂で比較的多き案略4角形に成形され、上下の臼歯2b,4bを一体的に押さえるようになっている。なお、この臼歯押さえ部30bは、例えば肌色など有色の樹脂を用いることもできる。
【0040】
樹脂床31は、図5及び図6に示すように、口腔内に挿入可能な大きさで略U字形の容器状に形成され、押さえ部材30の内側に配置されている。この樹脂床31の両辺部31aは、補強のためのワイヤー部材32によって連結されている。また、樹脂床31の先端には、図5に示すように、この歯科矯正装置3を装着する人の口に合わせて横長の開口31bが設けられている。
【0041】
この樹脂床31は、図6に示すように、その前部側が押さえ部材30の臼歯押さえ部30bにワイヤー部材32によって連結されている。なお、ワイヤー部材32は、その使用目的及び使用場所に応じて、適宜な太さのものが使用されると共に、適宜な形状に曲げられている。
【0042】
更に、図6中に破線で示すように、臼歯押さえ部30b及び樹脂床31は、軟質樹脂15及び硬質樹脂16(図3参照)によって二層に構成され、そのうち軟質樹脂15が歯2又は口蓋に当接する側に配置され、硬質樹脂16が表面側に配置されている。
【0043】
この第2実施形態の歯科矯正装置3においても、上記歯科矯正装置1と同様に、ワイヤー部材32が露出されることがないので、体裁を良好に保持できると共に、不自然さを抑えて違和感をなくすことができ、更に上下顎の臼歯2b,4bの矯正を確実に行うことができる。
【0044】
なお、本実施形態では、上顎の前歯2aを矯正する場合について説明したが、下顎の前歯4aを矯正することもでき、この場合には下顎の前歯4aを押さえる押さえ部材を設ければよい。
(第3実施形態)
図7は、本発明に係る歯科矯正装置の製造方法を示すフローチャートである。この歯科矯正装置の製造方法は、例えば上記歯科矯正装置1,3を製造する場合に適用される。ここでは、片顎用の歯科矯正装置1(図1参照)を製造する場合について説明する。
【0045】
この場合には、先ず口腔内の印象から成形型を制作する(ステップ41)。次にこの成形型にシート状の軟質樹脂15(図3参照)を被せて、軟質樹脂15を加熱しながら成形型と軟質樹脂15間の空気を抜き、軟質樹脂15を成形型に圧接させて所定形状に成形する(ステップ42)。
【0046】
この軟質樹脂15の成形は、一般的に使用されている加熱式真空成型機又は加熱式加圧成型機によって行うことができるので、その詳細については説明を省略する。
【0047】
次に、成形された軟質樹脂15を冷却後、軟質樹脂15に予め記入されていた外形線に沿って切断し、所定の形状に仕上げる(ステップ43)。続いて、軟質樹脂15の所定の位置にワイヤー部材12を取り付けると共に、軟質樹脂15の硬質樹脂16との貼り合わせ面に接着剤を塗布する(ステップ44)。
【0048】
次に、軟質樹脂15を成形型に取り付けた状態で、軟質樹脂15の貼り合わせ面に硬質樹脂16を被せて仮接着する(ステップ45)。次に、接着した軟質樹脂15及び硬質樹脂16を成形型に被せて、加熱しながら圧接させることにより所定形状に成形する(ステップ46)。この成形作業も、加熱式真空成型機又は加熱式加圧成型機を使用できる。
【0049】
この後、硬質樹脂16を冷却し、硬質樹脂16に予め記入しておいた外形線に沿って切断する(ステップ47)。これにより、歯科矯正装置1の製造が完了する。
【0050】
このように、本発明に係る歯科矯正装置の製造方法によれば、軟質樹脂15及び硬質樹脂16を加熱しながら、成形型に圧接させるだけで成形できるので、一般的に使用されている加熱式真空成型機や加熱式加圧成型機を使用でき、しかも表面側となる硬質樹脂16の表面が滑らかであり、研磨する必要がないので、歯科矯正装置1を簡単且つ短時間に製造できる。
【0051】
なお、上記歯科矯正装置1,3及びしか矯正装置の製造方法は、歯科矯正治療により所定の位置に移動した歯を、その位置に保持し、周囲環境との適応をはかるための保定装置にも適用できる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の歯科矯正装置によれば、歯を押さえる押さえ部材のうち少なくとも前歯を押さえる部分が透明樹脂で成形されると共に、この前歯を押さえる部分にワイヤー部材が含まれていないので、歯科矯正装置を装着した人が口唇を開いたときに、ワイヤー部材が露出されることがなく、体裁を良好の保持できる。
【0053】
また、前歯を押さえる部分からその下側の歯が見えるため、自然な雰囲気を出すことができ、違和感をなくすことができる。
【0054】
本発明の歯科矯正装置の製造方法によれば、軟質樹脂及び硬質樹脂を加熱しながら成形型に圧接させることにより成形するので、一般的に用いられている加熱式真空成型機又は加熱式加圧成型機を用いることができ、簡単且つ短時間に歯科矯正装置を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の片顎用の歯科矯正装置を示す斜視図である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】本発明に係る第1実施形態の押さえ部材を示す断面図である。
【図4】本発明に係る第2実施形態の両顎用の歯科矯正装置を示す斜視図である。
【図5】図4のB矢視図である。
【図6】図5のC矢視図である。
【図7】本発明に係る第3実施形態の歯科矯正装置の製造方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1,3 歯科矯正装置
2a,4a 前歯
2b,4b 臼歯
10,30 押さえ部材
10a,30a 前歯押さえ部
10b,30b 臼歯押さえ部
11,31 樹脂床(保持部材)
12,32 ワイヤー部材
15 軟質樹脂
16 硬質樹脂
Claims (4)
- 歯の不正咬合を矯正すべく前歯及び臼歯に着脱自在に取り付けられる歯科矯正装置において、
前記前歯及び臼歯を押さえて矯正力を加える押さえ部材と、
前記押さえ部材を所定の位置に保持すべく前記押さえ部材に連結され口腔内に配置される保持部材と、
前記押さえ部材若しくは前記保持部材の補強用、又は前記押さえ部材と前記保持部材との連結用のワイヤー部材とを備え、
前記押さえ部材のうち少なくとも前記前歯を押さえる部分が透明樹脂によって成型されると共に、前記前歯を押さえる部分には前記ワイヤー部材が含まれていないことを特徴とする歯科矯正装置。 - 前記押さえ部材が硬質樹脂と軟質樹脂によって二層に構成され、
前記軟質樹脂が前記歯に当接する側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の歯科矯正装置。 - 前記保持部材が硬質樹脂と軟質樹脂によって二層に構成され、
前記軟質樹脂が口蓋に当接する側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の歯科矯正装置。 - 請求項2又は3に記載の歯科矯正装置を製造する方法であって、
前記軟質樹脂を加熱して前記歯の成形型に圧接させることにより所定形状に成形し、
前記成形された軟質樹脂の前記硬質樹脂との貼り合わせ面に接着剤を塗布すると共に、前記ワイヤー部材を前記軟質樹脂の所定の位置に取り付け、
前記軟質樹脂の接着剤塗布面に前記硬質樹脂を貼り合わせて仮接着し、
前記軟質樹脂及び前記硬質樹脂を加熱しながら前記成形型に圧接させて所定形状に成形することを特徴とする歯科矯正装置の製造方法。
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- 2002-08-09 JP JP2002232395A patent/JP2004065814A/ja active Pending
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