JP2020036963A - 歯列装具 - Google Patents
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Abstract
【課題】装具の噛み込みを防止した快適な使用性と、高い矯正力及び安定性とを両立した歯列装具を提供する。【解決手段】歯列装具1は、装着する人体の歯列の唇側部分の一部又は全部を覆う唇側部21と舌側部分の一部又は全部を覆う舌側部22とを有し、平面視で略U字形状に形成された装具本体2と、前記唇側部と前記舌側部とを接続するワイヤー3とを備える。装具本体における咬合面に対応する部位が切除されており、該切除により前記唇側部と前記舌側部との間にギャップGが形成される。ワイヤーは、装具本体2の舌側部を通る舌側部分と、舌側部と唇側部の間を接続する接続部分と、唇側部を通る唇側部分とを有することが好ましい。【選択図】図1A
Description
本発明は、歯列に装着するための、歯列装具に関する。
現代社会において、歯並びに悩む人が増加している。歯列の並びを矯正するため、あるいは、矯正した歯列が元に戻らないように歯列に装着する装具として、様々な技術が提案されている。
例えば、特許文献1に記載の技術では、樹脂製材料の塊であるレジンに金属製のワイヤーが固定されており、ワイヤーの弾性力によって歯列を固定可能である。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ワイヤーによって歯列を固定するために、ワイヤー自体が太くなりがちである。そのため、歯列装具の装着者から、会話の際に口を閉じるとき、安静時に口を閉じるとき、又は、何らかの拍子に口を閉じて咬合するとき等にワイヤーごと噛み込んでしまい、好ましい感触ではないという要請がある。また、ワイヤーを歯列全体に巻き込んで固定するため、会話の際等口を開けた際に他者がワイヤーを視認できてしまい、歯列装具の装着者の心理的な負担を生じ、審美性に欠けるという要請もある。
上記公報のようなワイヤーを使用した歯列装具の問題を解決するものとして、特許文献2に示されるような、いわゆるマウスピース型の歯列装具が提案されている。
特許文献2の技術によると、透明な樹脂で形成されたカバーで歯列の一部または全部を覆い、樹脂の持つ弾性力によって歯列を固定する。透明な樹脂製のカバーを使用するため、見た目の印象が良くないというワイヤー製の装具が有する欠点をカバーすることができる。
しかしながら、歯列を覆う樹脂製のカバーによって歯列を固定するために、会話時、安静時等に咬合する際にカバーごと噛むことになる。そのため、ワイヤー製の装具同様、装着する際の感触向上にはなおいっそうの改良の余地がある。また、樹脂製のカバーのみで歯列の矯正や固定を行うため、歯列に印加される力が弱く、着用中にずれが生じ得る。そこで、安定性の向上という点でも改良の余地がある。
本発明は、これらの課題に鑑み、優れた審美性と、高い矯正力及び安定性とを両立した有する歯列装具を提供することを目的とする。なお、本願発明において、矯正力なる語が表す意味は、実際に歯列を動かすための力だけでなく、矯正された歯列が元に戻るのを防止するための力も含まれる。
本発明者らは、歯列の唇側部分の一部または全部を覆う唇側部と舌側部分の一部または全部を覆う舌側部とを有する装具本体により歯列を固定するとともに、装具本体の咬合面に対応する部位を切除し、唇側部と舌側部とをワイヤーで接続することで、快適な使用性と、高い矯正力及び安定性との相反する要請に応えられることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は以下を提供する。
第1の特徴に係る発明は、装着する人体の歯列の唇側部分の一部又は全部を覆う唇側部と舌側部分の一部又は全部を覆う舌側部とを有し、平面視で略U字形状に形成された装具本体と、前記唇側部と前記舌側部とを接続するワイヤーとを備え、前記装具本体における咬合面に対応する部位が切除されており、該切除により前記唇側部と前記舌側部との間にギャップが形成される、歯列装具を提供する。
この歯列装具によれば、装具本体における咬合面に対応する部位が切除されているため、咬合の際に装具本体を一緒に噛み込むことがなくなり、違和感のない快適な使用性を得ることが可能な歯列装具を提供することができる。また、咬合面に対応する部位を切除することにより形成されるギャップにより、唇側部と舌側部とで歯列を挟み込むことにより矯正力を付与することができる。さらに、ワイヤーにより装具本体の唇側部と舌側部とが接続されているため、着用中に装具本体のずれが生じることを防止することができる。
この歯列装具によれば、装具本体における咬合面に対応する部位が切除されているため、咬合の際に装具本体を一緒に噛み込むことがなくなり、違和感のない快適な使用性を得ることが可能な歯列装具を提供することができる。また、咬合面に対応する部位を切除することにより形成されるギャップにより、唇側部と舌側部とで歯列を挟み込むことにより矯正力を付与することができる。さらに、ワイヤーにより装具本体の唇側部と舌側部とが接続されているため、着用中に装具本体のずれが生じることを防止することができる。
また、第2の特徴に係る発明は、弾性を有する実質的に透明又は半透明の材料によって構成され、装着する人体の歯列の一部又は全部を覆う平面視で略U字形状に形成された装具本体を備え、前記装具本体は、歯列の唇側部分を覆う唇側部と、歯列の舌側部分を覆う舌側部とを有し、前記装具本体は、中切歯、側切歯、犬歯、第一小臼歯、第二小臼歯及び第一大臼歯を覆うよう形成されており、前記装具本体の唇側部の高さは、犬歯、第一小臼歯、第二小臼歯及び第一大臼歯に対応する部位においては、歯冠部及び歯肉部まで覆うように設定されており、中切歯及び側切歯に対応する部位においては、歯冠部を覆い歯肉部には達しないよう設定されている、歯列装具を提供する。
第2の特徴に係る発明によれば、歯列の一部または全部を覆う透明又は半透明の装具本体により歯列を固定するため、審美性に優れた歯列装具を提供することができる。また、装具本体は、唇側部と舌側部とを有し、唇側と舌側から挟み込むように歯列を覆うため、矯正力の強い歯列装具を提供することができる。さらに、装具本体における唇側部の高さは、犬歯、第一小臼歯、第二小臼歯及び第一大臼歯に対応する部位においては、歯冠部及び歯肉部まで覆うように設定されているため、強固な矯正力を保持することが可能であり、かつ、中切歯及び側切歯に対応する部位においては、咬合面を除く歯冠部を覆い歯肉部には達しないように設定されているため、口を開ける際に装具本体が邪魔になることがなく快適な使用感を得ることができる歯列装具を提供することができる。
第2の特徴に係る発明によれば、歯列の一部または全部を覆う透明又は半透明の装具本体により歯列を固定するため、審美性に優れた歯列装具を提供することができる。また、装具本体は、唇側部と舌側部とを有し、唇側と舌側から挟み込むように歯列を覆うため、矯正力の強い歯列装具を提供することができる。さらに、装具本体における唇側部の高さは、犬歯、第一小臼歯、第二小臼歯及び第一大臼歯に対応する部位においては、歯冠部及び歯肉部まで覆うように設定されているため、強固な矯正力を保持することが可能であり、かつ、中切歯及び側切歯に対応する部位においては、咬合面を除く歯冠部を覆い歯肉部には達しないように設定されているため、口を開ける際に装具本体が邪魔になることがなく快適な使用感を得ることができる歯列装具を提供することができる。
本発明によれば、優れた審美性と、高い矯正力及び安定性との両方の利点をもった歯列装具を提供することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
<歯列装具1>
〔全体構成〕
図1は、本発明の好適な実施形態である、歯列に適用される歯列装具1の全体構成を示す図である。そのうち、図1Aは下方から見上げた図を、図1Bは斜め下方から見上げた図を示す。本発明においては、上顎に適用される装具と下顎に適用される装具とで大きな相違はないため、上顎に適用される歯列装具1のみについて記述する。
〔全体構成〕
図1は、本発明の好適な実施形態である、歯列に適用される歯列装具1の全体構成を示す図である。そのうち、図1Aは下方から見上げた図を、図1Bは斜め下方から見上げた図を示す。本発明においては、上顎に適用される装具と下顎に適用される装具とで大きな相違はないため、上顎に適用される歯列装具1のみについて記述する。
歯列装具1は、歯列の一部または全部を覆うように、平面視で略U字形状に形成された装具本体2と、装具本体2に埋め込まれた金属製のワイヤー3とを備える。
装具本体2を形成する材料としては、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)や、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)と熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)との層状体が好適である。これらの材料は適度な硬さと適度な弾性を有し、歯列に装着した際に、その弾性力により歯列を矯正する方向に力を印加する。装具本体2は、後述するように、材料を溶解し、装着者の歯列を形どった模型に被せて固めることで、歯列の形状に適合する溝が形成された所望の形状に形成する。
ワイヤー3は、ステンレスやチタン等の金属製の線材であり、装具本体2に埋め込まれている。ワイヤー3が装具本体2に対し、歯列を矯正する方向に弾性力を付与しており、装具本体2の矯正力が補強され、歯列装具1が適切な位置で支持されるよう固定する。
〔装具本体2〕
装具本体2は、一本一本の歯を固定して支持し、綺麗な歯列の並びを取り戻すために設けられている。他者から視認されにくく、審美性に優れることから、装具本体2の色は、透明又は半透明であり、無色透明であることが好ましい。
装具本体2は、一本一本の歯を固定して支持し、綺麗な歯列の並びを取り戻すために設けられている。他者から視認されにくく、審美性に優れることから、装具本体2の色は、透明又は半透明であり、無色透明であることが好ましい。
本実施形態においては、装具本体2は、歯列の唇側部分(歯列装具1の装着者の歯列を第三者が正面から視たときの手前側の部分)を覆う平面視で略U字シート状の唇側部21と、舌側部分(歯列装具1の装着者の歯列を第三者が正面から視たときの奥側の部分)を覆う平面視で略U字形状のシート状の舌側部22とを有する。
唇側部21には、装着者の歯列の唇側部分の形状に適合する溝21TL1〜21TL6,21TR1〜21TR6が設けられており、舌側部22には、装着者の歯列の舌側部分の形状に適合する溝22L1〜22L6,22R1〜22R6が設けられている。そして、装具本体2の唇側部21と舌側部22とが協働して歯列を前後から挟み込むことにより、歯列の位置が保持されるよう矯正力が働くようになっている。
唇側部21と舌側部22とは別体となっており、これら唇側部21と舌側部22とは、ワイヤー3によって接続されている。唇側部21と舌側部22との間をワイヤー3で接続することによって、唇側部21と舌側部22との間にギャップG(間隙)を設けても歯列装具1を全体として一体にしつつ、上顎の歯列と下顎の歯列とが接触する咬合面を露出させることができる。そして、咬合面が露出するように唇側部21と舌側部22との間にギャップGを形成し、装具本体2における咬合面に対応する部位が切除された構成にすることで、会話時、安静時や咬合する際、装着者が装具本体2を噛みこむことがなくなり、違和感のない使用性を得ることができる。
図2は、本実施形態における歯列装具1をヒトの上顎歯列に装着した様子を示す図である。そのうち、図2Aは、歯列装具1をヒトの上顎歯列に装着して上顎下方から上顎上方に向けて視認したときの様子を示す図である。図2Bは、歯列装具1をヒトの上顎歯列に装着して、歯列の右斜め下方から左斜め上方に向けて視認したときの様子を示す図である。図2Cは、歯列装具1をヒトの上顎歯列に装着して、歯列の正面から背面に向けて視認したときの様子を示す図である。
本実施形態において、装具本体2は、中切歯TR1,TL1、側切歯TR2,TL2、犬歯TR3,TL3、第一小臼歯TR4,TL4、第二小臼歯TR5,TL5及び第一大臼歯TR6,TL6を覆うよう形成されている。
図2B及び図2Cに示すように、装具本体2の唇側部21は、その上端部である唇側上端21Uと、下端部である唇側下端21Lとにより規定される。他方、図2A及び図2Bに示すように、装具本体2の舌側部22は、すべての部位において、歯冠部だけでなく歯肉部まで覆うよう形成されている。
以下、唇側部の唇側上端21U及び唇側下端21Lについて詳細に説明する。本実施形態における装具本体2の唇側部21は、犬歯TR3,TL3、第一小臼歯TR4,TL4、第二小臼歯TR5,TL5及び第一大臼歯TR6,TL6に対応する部位においては、咬合面を除く歯冠部(歯肉から上の口を開けたときに歯として視認できる部分)と、歯肉部(歯肉から下の口を開けたときに歯として視認できない部分)とを覆うように、唇側部21の唇側上端21U及び唇側下端21Lが設定されている。当該部位においては、唇側部21が歯肉部まで覆うため、歯列装具1の矯正力を強固に保持することができる。
具体的には、犬歯TR3,TL3、第一小臼歯TR4,TL4、第二小臼歯TR5,TL5及び第一大臼歯TR6,TL6に対応する部位における唇側上端21Uを、口の奥側に向かって上方に傾斜するよう設定することで、当該部位において唇側部21が歯肉部まで覆うよう形成している。
一方で、中切歯TR1,TL1及び側切歯TR2,TL2に対応する部位においては、唇側部21は、咬合面を除く歯冠部のみを覆い、唇側部21が歯肉部には達しないよう、唇側部21の唇側上端21U及び唇側下端21Lが設定されている。そのため、会話や咀嚼等口を開ける際に装具本体2が邪魔になることが防止され、快適な使用感を得ることができる。
具体的には、中切歯TR1,TL1及び側切歯TR2,TL2に対応する部位における唇側上端21Uを、略水平に設定することで、当該部において唇側部21が歯冠部のみを覆うよう形成している。
なお、本実施形態においては、犬歯TR3,TL3に対応する部位においては、唇側部21が歯肉部まで覆うよう、唇側上端21U及び唇側下端21Lを設定したが、歯冠部のみ覆うように設定しても構わない。
〔ワイヤー3〕
図1に戻る。ワイヤー3は、ステンレスやチタン等の金属製の線材であり、後述する方法によって樹脂製の装具本体2に埋め込まれている。ワイヤー3は、いわゆる前歯をサポートする位置に設けられる第一ワイヤー部材31と、いわゆる奥歯をサポートする位置に設けられる第二ワイヤー部材32とを含んで構成され、略U字形状のシートで形成された装具本体2に沿って埋め込まれている。ワイヤー3を構成する湾曲した金属の線材が持つ弾性力により、装具本体2を歯列を矯正する方向に付勢することで、樹脂製の装具本体2の矯正力が補強される。また、本実施形態におけるワイヤー3は、唇側部21と舌側部22を接続する役割を有する。
図1に戻る。ワイヤー3は、ステンレスやチタン等の金属製の線材であり、後述する方法によって樹脂製の装具本体2に埋め込まれている。ワイヤー3は、いわゆる前歯をサポートする位置に設けられる第一ワイヤー部材31と、いわゆる奥歯をサポートする位置に設けられる第二ワイヤー部材32とを含んで構成され、略U字形状のシートで形成された装具本体2に沿って埋め込まれている。ワイヤー3を構成する湾曲した金属の線材が持つ弾性力により、装具本体2を歯列を矯正する方向に付勢することで、樹脂製の装具本体2の矯正力が補強される。また、本実施形態におけるワイヤー3は、唇側部21と舌側部22を接続する役割を有する。
第一ワイヤー部材31は、装具本体2の唇側部21を通る第一唇側部分31Aと、舌側部22を通る第一舌側部分31Bと、唇側部21と舌側部22との間を接続する第一接続部分31Cとを有する。また、第二ワイヤー部材32は、装具本体2の唇側部21を通る第二唇側部分32Aと、舌側部22を通る第二舌側部分32Bと、唇側部21と舌側部22との間を接続する第二接続部分32Cとを有する。
このように、ワイヤー3を、装具本体2の唇側部21を通る唇側部分と、舌側部22を通る舌側部分と、唇側部21と舌側部22との間を接続する接続部分とによって構成することにより、樹脂製の装具本体2の矯正力を確実に補強しつつ、強度を保持することができる。
さらに、上述の通り、本実施形態においては、装具本体2の唇側部21と舌側部22とが別体となっている。唇側部21と舌側部22との間をワイヤー3で接続することによって、唇側部21と舌側部22との間にギャップG(間隙)を設けても歯列装具1を全体として一体にしつつ、上顎の歯列と下顎の歯列とが接触する咬合面を露出させることができる。
図2A〜図2Cに示すように、本実施形態においては、第一ワイヤー部材31の第一舌側部分31Bは、舌側部22の中切歯TR1,TL1、側切歯TR2,TL2及び犬歯TR3,TL3に対応する部位を通る。また、第一接続部分31Cは、犬歯TR3,TL3と第一小臼歯TR4,TL4との間を通り、唇側部21と舌側部22との間をワイヤー3で接続させる機能を発揮する。そして、第一唇側部分31Aは、唇側部21の第一小臼歯TR4,TL4に対応する部位を通るよう、設定されている。
また、第二ワイヤー部材32の第二舌側部分32Bは、舌側部22の第一小臼歯TR4,TL4、第二小臼歯TR5,TL5及び第一大臼歯TR6,TL6に対応する部位を通る。また、第二接続部分32Cは、第一大臼歯TR6,TL6と第二大臼歯TR7,TL7との間を通り、唇側部21と舌側部22との間をワイヤー3で接続させる機能を発揮する。そして、第二唇側部分32Aは、唇側部21の第一大臼歯TR6,TL6に対応する部位を通るよう、設定されている。
上記のようにワイヤー3を取り回すことにより、中切歯TR1,TL1、側切歯TR2,TL2及び犬歯TR3,TL3に対応する部位においては、ワイヤー3が唇側部21を通らないため、会話をする際や笑う際等に口を開けたときであっても、ワイヤー3が他者から視認されにくく、装着者の心理的な負担を軽減することができる。しかも、中切歯TR1,TL1、側切歯TR2,TL2、犬歯TR3,TL3、第一小臼歯TR4,TL4、第二小臼歯TR5,TL5及び第一大臼歯TR6,TL6に対応する部位においては、ワイヤー3の第一舌側部分31B及び第二舌側部分32Bが舌側部22を通っているため、ワイヤー3による装具本体2の矯正力の補強の効果を失うことはない。つまり、中切歯TR1,TL1、側切歯TR2,TL2及び犬歯TR3,TL3に対応する部位においては、ワイヤー3は、唇側部21を通らず舌側部22を通ることにより、装着者の心理的負担を軽減する効果、及び、ワイヤー3による補強の効果を同時に得ることができる。
また、第一小臼歯TR4,TL4及び第一大臼歯TR6,TL6に対応する部位においては、唇側部21と舌側部22の両方にワイヤー3が通る構成となっているため、唇側部21の前方においてワイヤー3がないことによる補強力の低下を防止することができる。つまり、中切歯TR1,TL1、側切歯TR2,TL2及び犬歯TR3,TL3に対応する部位においては、唇側部21にワイヤー3は通らないものの、第一小臼歯TR4,TL4及び第一大臼歯TR6,TL6に対応する部位においては、唇側部21と舌側部22の両方にワイヤー3が通る構成となっているため、装具本体2の矯正力を確実に補強することができる。
さらに、唇側部21と舌側部22との間を接続する二か所の接続部分(第一接続部分31C、第二接続部分32C)の存在により、装具本体2の唇側部21と舌側部22との間に作用する矯正力を確実に補強することができる。
また、唇側部21と舌側部22とが別体となっているから、歯列装具1を歯列に装着する際に前後から歯列に押し付ける力は、これら第一接続部分31C及び第二接続部分32Cによってもたらされるものである。すなわち、本実施形態におけるワイヤー3は、樹脂製の装具本体2の矯正力を補強する効果、装具本体2の唇側部21と舌側部22とを接続する効果と、歯列装具1を歯列に押し付ける方向に付勢する効果との両方を同時に奏するものである。
そして、本実施形態に示す歯列装具1のワイヤー3においては、装具本体2における舌側部22の中切歯TR1,TL1、側切歯TR2,TL2及び犬歯TR3,TL3に対応する部位を通る第一舌側部分31Bが、犬歯TR3,TL3と第一小臼歯TR4,TL4との間における第一接続部分31Cを介して、唇側部21の第一小臼歯TR4,TL4に対応する部位を通る第一唇側部分31Aに移行するよう構成されているため、他者から視認されやすい中切歯TR1,TL1、側切歯TR2,TL2及び犬歯TR3,TL3に対応する部位においては、唇側にワイヤー3は存在しない。一方で、他者から視認されない舌側において、ワイヤー3によりしっかりと補強を行う。そのため、装着者が口を開けたときにワイヤー3が他者から視認されにくく、かつ、他者から視認されにくい部位においてしっかりと補強する、という効果を奏する。
また、装具本体2における舌側部22の第一小臼歯TR4,TL4、第二小臼歯TR5,TL5及び第一大臼歯TR6,TL6に対応する部位を通る第二舌側部分32Bが、第一大臼歯TR6,TL6と第二大臼歯TR7,TL7との間における第二接続部分32Cを介して、唇側部21の第一大臼歯TR6,TL6に対応する部位を通る第二唇側部分32Aに移行するよう構成されているため、歯列装具1を歯列に対してしっかりと固定するという効果を奏する。つまり、第二ワイヤー部材32の第二接続部分32Cは、ワイヤー3の部位において、口内の最も奥側に位置する部分であるから、単に唇側部21と舌側部22との間を移行させる機能だけではなく、歯列装具1全体を歯列に固定する機能をも有する。そして、装着者によっては、第二大臼歯TR7,TL7や、第三大臼歯(図示せず)がそもそも存在しなかったり、虫歯等の理由によって抜けていたり、存在していたとしても部分的に欠損していることがあるため、第二接続部分32Cを第二大臼歯TR7,TL7の外側や、第三大臼歯(図示せず)の外側にかけるように構成すると、歯列装具1の歯列への固定が不安定になることがある。本実施形態においては、第二接続部分32Cを第二大臼歯TR7,TL7と第一大臼歯TR6,TL6との間を通し、第一大臼歯TR6,TL6にかけるように構成することで、歯列装具1を歯列にしっかりと固定することができる。
そして、本実施形態においては、ワイヤー3は、レジンを使用した通常のワイヤーよりも細径のブラケット用のワイヤーを使用している。そのため、犬歯TR3,TL3と第一小臼歯TR4,TL4との間、及び、第一大臼歯TR6,TL6と第二大臼歯TR7,TL7との間といった、歯と歯の間の間隔が広くない部位においても、歯と歯の間に入り込むようにワイヤーを配置することができ、その結果、咬合位や安静位においても、ワイヤーを噛み込んでしまうことがなく、不快感を感じることなく使用を継続することができる。
なお、本実施形態においては、ワイヤ―300を第一ワイヤー部材31及び第二ワイヤー部材32の二つのワイヤー部材により構成したが、これに限ったものではなく、一つのワイヤー部材によって構成しても構わない。例えば、中切歯TR1,TL1、側切歯TR2,TL2及び犬歯TR3,TL3に対応する部位の舌側部22を通る舌側部分、犬歯TR3,TL3と第一小臼歯TR4,TL4との間に設けられ、舌側部22と唇側部21との間を接続する第一移行部分、第一小臼歯TR4,TL4、第二小臼歯TR5,TL5及び第一大臼歯TR6,TL6に対応する部位の唇側部21を通る唇側部分、第一大臼歯TR6,TL6と第二大臼歯TR7,TL7との間を移行する第二移行部分、及び、第一大臼歯TR6,TL6、第二小臼歯TR5,TL5及び第一小臼歯TR4,TL4に対応する部位の舌側部22を通る舌側部分を接続した一つのワイヤー部材として構成してもよい。
また、ワイヤ―300の接続部分を、犬歯TR3,TL3と第一小臼歯TR4,TL4との間に配置する第一接続部分31Cと、第一大臼歯TR6,TL6と第二大臼歯TR7,TL7との間を接続する第二接続部分32Cとにより構成したが、これに限ったものではない。例えば、第一接続部分31Cが第一小臼歯TR4,TL4と第二小臼歯TR5,TL5との間に配置される構成であってもよいし、第二接続部分32Cが第二小臼歯TR5,TL5と第一大臼歯TR6,TL6との間に配置される構成、又は、第二接続部分32Cが第二大臼歯TR7,TL7と第三大臼歯TR8,TL8との間に配置される構成であってもよい。
〔使用方法〕
本実施形態における歯列装具1の使用方法について説明する。
本実施形態における歯列装具1の使用方法について説明する。
上記のように形成された歯列装具1を着用するには、まず、装着者が口を開けた状態で、歯列装具1に形成されたそれぞれの溝21TL1〜21TL6,21TR1〜21TR6,22L1〜22L6,22R1〜22R6とそれぞれの歯との位置がおおよそ適合する位置に歯列装具1を位置させ、歯列装具1を歯列に挿入する。
次に、第一接続部分31Cを犬歯TR3,TL3と第一小臼歯TR4,TL4との間に通し、第二接続部分32Cを第二大臼歯TR7,TL7と第一大臼歯TR6,TL6との間を通すことで、位置合わせを行い、歯列装具1を歯列に着用する。このとき、装具本体2には、それぞれの歯の形状に適合する溝21TL1〜21TL6,21TR1〜21TR6,22L1〜22L6,22R1〜22R6が形成されているため、より正確に位置合わせが行われる。
装具本体2の唇側部21と舌側部22とは、ギャップGを介してそれぞれ別体に形成されているが、ワイヤー3の第一接続部分31C及び第二接続部分32Cによって接続されている。そして、第一接続部分31C及び第二接続部分32Cの存在によって、唇側部21及び舌側部22には前後から歯列に押し付ける力が加わるため、着用中にもずれることなく、安定した着用が可能となる。
〔製造方法〕
本実施形態における歯列装具1の製造方法について説明する。
本実施形態における歯列装具1の製造方法について説明する。
まず、装着者の歯列の形状を模した石膏型等の模型を用意し、模型に形成された歯列の上から、装具本体2を形成する第一の材料となる平板状のシートを被せるように置き、第一の材料を加熱して溶解させる。このとき、歯列の形状に適合する第一の材料の層が、模型の表面に形成される。
次に、上述のような唇側部分、接続部分及び舌側部分を含み、所望の形状に形成したワイヤー3の材料となる金属製の線材を、溶解された第一の材料における適切な位置に乗せ、さらに、装具本体2を形成する第二の材料となる平板状のシートを置き、加熱して溶解させ、歯列装具1を形成する。
このように、装具本体2を形成する材料を歯列の模型に被せるように溶解させ固めることで、装着者の歯列の形状に適合する溝を有する装具本体2を形成することができる。また、第一の材料と第二の材料の間にワイヤー3を挟み込むように配置することで、ワイヤー3を装具本体2にしっかりと固定させることができる。
そして、装具本体2における咬合面に相当する部位を切除することでギャップGを形成し、装具本体2を唇側部21と舌側部22に分離させる。このようにして、歯列装具1を形成する。
このとき、第二の材料として、第一の材料を形成する材質と同じ平板に、より硬質な平板を重ね合わせた層状体を用意し、より硬質な平板が外側、つまり歯列とは反対側になるようにして溶解させることが好ましい。このようにすることで、第一の材料を形成する材質と同じ材料同士でワイヤー3を埋め込むことになるため、ワイヤー3を装具本体2に対して安定して埋め込むことができるとともに、外側に硬質な材料を使用しているため、全体として適度な剛性と安定性をもった歯列装具1を提供することができる。
上記第一の材料として、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)で構成される平板を使用し、第二の材料として、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)と熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)との層状体で構成される平板を使用することができる。これにより、ワイヤーを同質の材料で挟み込んで埋め込むことになるため、樹脂製材料に安定してワイヤーを固定することができるとともに、硬質さと柔軟性を併せ持った装具本体とすることができるため、矯正力を有し、かつ、装着者の歯列にフィットしやすく、着用中にずれのない歯列装具を提供することができる。そして、第一及び第二の材料を透明又は半透明、好ましくは無色透明とすることで、他者から視認されにくく審美性の高い歯列装具を提供することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
<付記1>
付記1の歯列装具1は以下の通りである。
付記1の歯列装具1は以下の通りである。
〔技術分野〕
本発明は、歯列を矯正するため、あるいは、矯正した歯列が元に戻らないように、所定期間歯列に装着するための、歯列装具に関する。
本発明は、歯列を矯正するため、あるいは、矯正した歯列が元に戻らないように、所定期間歯列に装着するための、歯列装具に関する。
〔背景技術〕
現代社会において、歯並びに悩む人が増加している。これまで、歯列の並びを矯正するため、あるいは、矯正した歯列が元に戻らないように歯列に装着する装具として、様々な技術が提案されている。
現代社会において、歯並びに悩む人が増加している。これまで、歯列の並びを矯正するため、あるいは、矯正した歯列が元に戻らないように歯列に装着する装具として、様々な技術が提案されている。
例えば、特開2004−000719号公報に記載の技術では、樹脂製材料の塊であるレジンに金属製のワイヤーが固定されており、ワイヤーの弾性力によって歯列を固定可能である。
しかしながら、上記公報に記載の技術では、ワイヤーによって歯列を固定するために、ワイヤー自体が太くなりがちである。そのため、歯列装具の装着者から、会話の際に口を閉じるとき、安静時に口を閉じるとき、又は、何らかの拍子に口を閉じて咬合するとき等にワイヤーごと噛み込んでしまい、好ましい感触ではないという要請がある。また、ワイヤーを歯列全体に巻き込んで固定するため、会話の際等口を開けた際に他者がワイヤーを視認できてしまい、歯列装具の装着者の心理的な負担を生じ、審美性に欠けるという要請もある。
上記公報のようなワイヤーを使用した歯列装具の問題を解決するものとして、特開2009−050723号公報に示されるような、いわゆるマウスピース型の歯列装具が提案されている。
上記公報の技術によると、透明な樹脂で形成されたカバーで歯列の一部または全部を覆い、樹脂の持つ弾性力によって歯列を固定する。透明な樹脂製のカバーを使用するため、見た目の印象が良くないというワイヤー製の装具が有する欠点をカバーすることができる。
〔発明の概要〕
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、歯列を覆う樹脂製のカバーによって歯列を固定するために、会話時、安静時等に咬合する際にカバーごと噛むことになる。そのため、ワイヤー製の装具同様、装着する際の感触向上にはなおいっそうの改良の余地がある。また、樹脂製のカバーのみで歯列の固定を行うため、歯列に印加される力が弱く、着用中にずれが生じ得る。そこで、安定性の向上という点でも改良の余地がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、歯列を覆う樹脂製のカバーによって歯列を固定するために、会話時、安静時等に咬合する際にカバーごと噛むことになる。そのため、ワイヤー製の装具同様、装着する際の感触向上にはなおいっそうの改良の余地がある。また、樹脂製のカバーのみで歯列の固定を行うため、歯列に印加される力が弱く、着用中にずれが生じ得る。そこで、安定性の向上という点でも改良の余地がある。
本発明は、これらの課題に鑑み、優れた審美性と、高い矯正力及び安定性とを両立した歯列装具を提供することを目的とする。なお、本願発明において、矯正力なる語が表す意味は、実際に歯列を動かすための力だけでなく、矯正された歯列が元に戻るのを防止するための力も含まれる。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、歯列の一部または全部を覆う透明又は半透明の装具本体により歯列を固定するとともに、ワイヤーを装具本体に埋め込み、そのワイヤーによって歯列を矯正する方向に弾性力を付勢することで、審美性と、高い矯正力及び安定性との相反する要請に応えられることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は以下を提供する。
本発明者らは、歯列の一部または全部を覆う透明又は半透明の装具本体により歯列を固定するとともに、ワイヤーを装具本体に埋め込み、そのワイヤーによって歯列を矯正する方向に弾性力を付勢することで、審美性と、高い矯正力及び安定性との相反する要請に応えられることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は以下を提供する。
本発明に係る歯列装具は、弾性を有する実質的に透明又は半透明の材料によって構成され、装着する人体の歯列の一部又は全部を覆う平面視で略U字形状に形成された装具本体を備え、前記装具本体には、金属製ワイヤーが埋め込まれており、前記ワイヤーが歯列を矯正する方向に弾性力を付勢する。
この歯列装具によれば、歯列の一部または全部を覆う透明又は半透明の装具本体により歯列を固定するとともに、ワイヤーによって歯列を矯正する方向に弾性力を付勢するため、装具本体の矯正力を補強することができる。また、ワイヤーは装具本体に埋め込まれているため、ワイヤーが他者から視認されず、審美性に優れる。
また、上記の歯列装具において、前記ワイヤーがブラケット用のワイヤーであることが好ましい。
この歯列装具によれば、レジンと共に使用されるワイヤーよりも細い、ブラケット用のワイヤーを使用する。そのため、咬合の際にワイヤーの噛み込みが生じにくく、使用感に優れ、さらに、ワイヤーが他者から視認されるのを防止できる。
また、上記の歯列装具において、前記装具本体は、歯列の唇側部分を覆う唇側部と、歯列の舌側部分を覆う舌側部とを有し、前記ワイヤーは、前記装具本体の前記舌側部を通る舌側部分と、前記舌側部と前記唇側部の間を接続する接続部分と、前記唇側部を通る唇側部分とを有することが好ましい。
この歯列装具によれば、ワイヤーが、装具本体の舌側部を通る舌側部分と、装具本体の唇側部を通る唇側部分と、唇側部と舌側部との間を接続する接続部分とを有するため、装具本体の矯正力を確実に補強しつつ、強度を保持することが可能である。
また、上記の歯列装具において、前記ワイヤーにおける前記唇側部分は、中切歯、側切歯及び犬歯に対応する部位には配置されないことが好ましい。
この歯列装具によれば、口を開けた際に他者から視認されやすい中切歯、側切歯及び犬歯に対応する部位の唇側部分にワイヤーが配置されていないため、会話の際等、装着者が口を開けるときに、装着者の心理的な負担を軽減することができ、より一層審美性に優れる。
また、上記の歯列装具において、前記ワイヤーにおける前記舌側部分は、前記装具本体における前記舌側部の中切歯、側切歯、犬歯、第一小臼歯、第二小臼歯及び第一大臼歯に対応する部位を通り、前記接続部分は、犬歯と第一小臼歯との間を通り前記ワイヤーを前記装具本体の前記舌側部と前記唇側部との間に配置させる第一接続部分と、第一大臼歯と第二大臼歯との間を通り前記ワイヤーを前記装具本体の前記唇側部と前記舌側部との間に配置させる第二接続部分とを含み、前記ワイヤーにおける前記唇側部分は、前記装具本体における前記唇側部の第一小臼歯及び第一大臼歯に対応する部位を通ることが好ましい。
この歯列装具によれば、装着者が口を開けた際に他者から視認されやすい部分にはワイヤーを配置せず、他者から視認されにくい部分にワイヤーを配置して、装具本体の矯正力をしっかり補強するため、より一層審美性に優れ、高い矯正力と安定性とを有する。加えて、口内の最も奥側に位置する第二移行部分を第一大臼歯にかけるように構成することになるため、歯列装具全体をしっかりと歯列に固定することが可能である。
1 歯列装具
2 装具本体
21 唇側部
22 舌側部
3 ワイヤー
31 第一ワイヤー部材
32 第二ワイヤー部材
G ギャップ
2 装具本体
21 唇側部
22 舌側部
3 ワイヤー
31 第一ワイヤー部材
32 第二ワイヤー部材
G ギャップ
Claims (1)
- 装着する人体の歯列の唇側部分の一部又は全部を覆う唇側部と舌側部分の一部又は全部を覆う舌側部とを有し、平面視で略U字形状に形成された装具本体と、
前記唇側部と前記舌側部とを接続するワイヤーとを備え、
前記装具本体における咬合面に対応する部位が切除されており、該切除により前記唇側部と前記舌側部との間にギャップが形成される、歯列装具。
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JP2019211003A JP2020036963A (ja) | 2019-11-22 | 2019-11-22 | 歯列装具 |
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Cited By (1)
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CN114052954A (zh) * | 2021-12-21 | 2022-02-18 | 山东大学 | 一种增强隐形矫治移动牙效能和支抗牙稳定的装置及应用 |
-
2019
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CN114052954A (zh) * | 2021-12-21 | 2022-02-18 | 山东大学 | 一种增强隐形矫治移动牙效能和支抗牙稳定的装置及应用 |
CN114052954B (zh) * | 2021-12-21 | 2022-07-15 | 山东大学 | 一种增强隐形矫治移动牙效能和支抗牙稳定的装置及应用 |
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