JP2002076545A - フッ素樹脂プリント基板及びその製造方法 - Google Patents

フッ素樹脂プリント基板及びその製造方法

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JP2002076545A
JP2002076545A JP2000257434A JP2000257434A JP2002076545A JP 2002076545 A JP2002076545 A JP 2002076545A JP 2000257434 A JP2000257434 A JP 2000257434A JP 2000257434 A JP2000257434 A JP 2000257434A JP 2002076545 A JP2002076545 A JP 2002076545A
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fluororesin
short fibers
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Hitoshi Kanzaki
仁 神崎
Satoru Hashimoto
哲 橋本
Toshimitsu Tanii
利光 谷井
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Nippon Pillar Packing Co Ltd
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Nippon Pillar Packing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スルーホールの信頼性に優れ、誘電特性(誘
電率及び誘電正接)のばらつきを抑えたフッ素樹脂プリ
ント基板を提供する。 【解決手段】 フッ素樹脂短繊維1aと無機短繊維1b
とを抄造により縦横2方向にランダム配向させた混成不
織布1を形成し、熱処理によってフッ素樹脂短繊維同士
を融着させる。これを絶縁層としてその上に銅箔2を熱
圧着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素樹脂プリン
ト基板に関し、特に、情報通信機器等における高周波帯
で用いられるアンテナ部品や、ICパッケージ等の半導
体基板として用いられるフッ素樹脂プリント基板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図3は、例えば特開平7−323501
号公報に掲載された従来のフッ素樹脂プリント基板の断
面図である。図において、当該フッ素樹脂プリント基板
は、ガラスクロス51にPTFE(ポリテトラフルオロ
エチレン)52を含浸コートして熱処理したフッ素樹脂
プリプレグ50の両面に、銅箔53を熱圧着したもので
ある。ガラスクロス51は、図4に示すように、ガラス
繊維からなる経糸51a及び緯糸51bを適当な密度で
織ったものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のフ
ッ素樹脂プリント基板は、基板の縦方向、横方向及び厚
さ方向をそれぞれX方向、Y方向及びZ方向とすると、
ガラスクロス51の存在によってX方向及びY方向には
熱膨張が抑制され、熱膨張係数が小さくなる。ところ
が、その代わりに、Z方向の熱膨張係数が大きくなる。
このため、温度変化の大きい環境下ではZ方向への基板
の熱伸縮が大きくなる。基板にスルーホールが設けられ
ている場合には、このような熱伸縮によりスルーホール
の導電部も伸縮し、損傷を生じる場合がある。従って、
従来のフッ素樹脂プリント基板は、スルーホールの信頼
性に欠けるという問題点がある。
【0004】一方、上記のような従来のフッ素樹脂プリ
ント基板の誘電率及び誘電正接は、ガラスクロス51の
存在によって、PTFE52固有の値より高くなる。誘
電率及び誘電正接が高くなると、高周波信号が銅箔53
上を伝搬する際、信号エネルギーのうち熱として失われ
る量が多くなるため、信号伝搬の損失が大きくなるとと
もに伝搬速度も遅くなるという問題点がある。また、図
4に示すように、ガラスクロス51は網目構造になって
いるため、誘電率及び誘電正接が不均一である。すなわ
ち、基板上の回路から見て、その真下が、網目(目開
き)Mの部分であるか、経糸51a又は緯糸51bであ
るか、あるいは、それらの交差部であるか、によって誘
電特性(誘電率及び誘電正接)にばらつきを生じる。こ
のため、基板上に設けられた高周波フィルタ等の特性が
安定しないという問題点がある。
【0005】上記のような従来の問題点に鑑み、本発明
は、スルーホールの信頼性に優れ、誘電特性(誘電率及
び誘電正接)のばらつきを抑えたフッ素樹脂プリント基
板を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のフッ素樹脂プリ
ント基板は、フッ素樹脂短繊維と無機短繊維とが縦横2
方向にランダム配向し、かつ、前記フッ素樹脂短繊維同
士が融着してなる少なくとも1層の混成不織布によって
構成された絶縁層と、前記絶縁層の少なくとも片面に熱
圧着された所望パターンの導電体層とを備えたものであ
る(請求項1)。上記のように構成されたフッ素樹脂プ
リント基板においては、フッ素樹脂短繊維及び無機短繊
維が縦横2方向にランダム配向されているので、誘電特
性(誘電率、誘電正接)が基板全体で均一化される。ま
た、無機短繊維の低い熱膨張係数に起因して、厚さ方向
への熱膨張係数も低減される。
【0007】また、上記フッ素樹脂プリント基板(請求
項1)において、混成不織布は、フッ素樹脂短繊維及び
無機短繊維を湿式円網式抄造法により抄紙したものであ
ってもよい(請求項2)。この場合、フッ素樹脂短繊維
及び無機短繊維が、よりランダムに配向し易い。
【0008】また、上記フッ素樹脂プリント基板(請求
項1)において、無機短繊維の熱膨張係数は2〜10×
10−6/℃の範囲にあることが好ましい(請求項
3)。この場合、厚さ方向への熱膨張係数が最も低減さ
れる。
【0009】また、上記フッ素樹脂プリント基板(請求
項1)において、無機短繊維の配合量は、25〜60vo
l%であることが好ましい(請求項4)。この場合、無
機短繊維の配合量が適量となり、無機短繊維の存在によ
り厚さ方向への熱膨張係数が低減されるとともに、フッ
素樹脂短繊維に基づく作用効果を確保することができ
る。すなわち、熱圧着によって、導電体層の裏面の微小
な突起の周りにフッ素樹脂が十分に回り込んで強固なア
ンカー効果が発揮される。
【0010】また、上記フッ素樹脂プリント基板(請求
項1)において、絶縁層と導電体層との間に、縦横2方
向へランダム配向したフッ素樹脂短繊維が互いに融着し
てなる不織布によって構成した接着層を設けてもよい
(請求項5)。この場合、導電体層と直接接触するのは
当該接着層である。従って、絶縁層に無機短繊維を多量
に配合したとしても、接着層のフッ素樹脂短繊維に基づ
く作用効果を確保することができる。すなわち、熱圧着
によって、導電体層の裏面の微小な突起の周りにフッ素
樹脂が十分に回り込んで強固なアンカー効果が発揮され
る。
【0011】また、本発明のフッ素樹脂プリント基板の
製造方法は、フッ素樹脂短繊維及び無機短繊維を水中に
分散させ、湿式抄造法により、フッ素樹脂短繊維及び無
機短繊維が縦横2方向にランダム配向した混成不織布を
形成し、前記混成不織布をフッ素樹脂の融点以上の温度
で熱処理することによりフッ素樹脂短繊維同士を融着さ
せ、前記混成不織布を絶縁層とし、その少なくとも片面
に導電体層を重ねて、フッ素樹脂の融点以上の温度で熱
圧着し、熱圧着された導電体層に導電路のパターンを形
成するものである(請求項6)。上記のようなフッ素樹
脂プリント基板の製造方法においては、湿式抄造法によ
り、フッ素樹脂短繊維及び無機短繊維が縦横2方向にラ
ンダム配向された混成不織布が得られ、この混成不織布
からなる絶縁層の誘電特性(誘電率、誘電正接)が基板
全体で均一化される。また、無機短繊維の低い熱膨張係
数に起因して、厚さ方向への熱膨張係数も低減される。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態によ
るフッ素樹脂プリント基板の断面図である。図におい
て、当該フッ素樹脂プリント基板は、抄造法によりフッ
素樹脂短繊維1a及び無機短繊維1bを抄紙してなる混
成不織布1の絶縁層と、混成不織布1の上下両面に設け
られた銅箔2の導電体層とを備えている。このようなフ
ッ素樹脂プリント基板は、以下のようにして製造され
る。
【0013】まず、フッ素樹脂短繊維は、熱可塑性フッ
素樹脂からなるものであり、代表的なものはPTFE短
繊維である。これは、PTFEの微粒子を高分子電解質
水溶液又はビスコースからなるマトリックス物質中に分
散混合し、その混合液を凝固浴中に吐出して凝固させた
後、脱酸処理等を行うことにより得られる。なお、PT
FEに代えて、テトラフルオロエチレン・パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフ
ルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重
合体(PFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフル
オロプロピレン共重合体(FEP)、又は、テトラフル
オロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)を用いて
もよい。
【0014】一方、無機短繊維は、基板の熱膨張率を小
さくすることを目的として添加されるものであり、その
熱膨張率が2〜10×10−6/℃のものが好適であ
る。熱膨張率が10×10−6/℃を超えると、基板の
熱膨張率を小さくする効果が少ないため、好ましくな
い。また、熱膨張率が2×10−6/℃より小さい無機
短繊維は現存しない。具体的には、溶融シリカ繊維、E
ガラス繊維、Dガラス繊維、Tガラス繊維、アルミナ繊
維、二酸化チタン繊維、チタン酸バリウム系繊維、チタ
ン酸鉛繊維、チタン酸ストロンチウム繊維、ジルコン酸
鉛繊維等が適する。
【0015】上記のようなフッ素樹脂短繊維及び無機短
繊維を用いて、湿式抄造法により混成不織布を作る。す
なわち、水中にフッ素樹脂短繊維及び無機短繊維を分散
させ、必要なバインダ等を加えて、これを抄紙処理する
ことにより、フッ素樹脂短繊維及び無機短繊維の混成不
織布を得る。フッ素樹脂短繊維及び無機短繊維は、繊維
長が20mm以下のものを用いるものとし、特に、10
mm以下が好ましい。繊維長が20mmを超えると、水
中での繊維の分散性が悪くなり、地合の良い不織布が得
られない。
【0016】上記のような湿式抄造法においては、水を
媒体とするため、短繊維(フッ素樹脂短繊維及び無機短
繊維)の分散及び混合が容易である。また、界面活性剤
や粘着材等の添加剤を加えることによって短繊維の分散
性を加減することが可能である。従って、混成不織布の
縦及び横方向をそれぞれX方向及びY方向とするとき、
短繊維がX,Y2方向(以下、XY方向という。)にラ
ンダム配向した、均一な地合の混成不織布を得ることが
できる。湿式抄造法には、長網式、円網式等があり、い
ずれも適用可能であるが、円網式は、長網式に比べて、
より短繊維がXY方向にランダム配向し易いので好適で
ある。なお、出来上がった混成不織布は、フッ素樹脂短
繊維及び無機短繊維の他、上記マトリックス物質や、抄
造過程で添加されたバインダや添加剤等の助剤を含んで
いる。
【0017】次に、混成不織布を、フッ素樹脂の融点
(PTFEの場合は327℃)以上の温度(最高500
℃)で熱処理し、フッ素樹脂短繊維同士を融着させる。
この熱処理により、フッ素樹脂短繊維及び無機短繊維以
外の物質はすべて炭化し、さらに空気酸化して除去され
る。こうして、フッ素樹脂短繊維と無機短繊維とがXY
方向にランダム配向し、かつ、フッ素樹脂短繊維同士が
融着してなる混成不織布が得られる。なお、この段階の
混成不織布においては、フッ素樹脂短繊維間に微小な隙
間が残存している。
【0018】次に、図1に示すように、混成不織布1の
上下両面(用途によっては片面でもよい。)に、厚さ1
8μmの銅箔2を重ねて、フッ素樹脂の融点以上の温度
で熱圧着する。なお、銅箔2の裏面(混成不織布1と接
する方)には、多数の微小な突起が設けられており、こ
れらが、混成不織布1の短繊維間に残存している空隙に
入り込んだ状態で熱圧着される。こうして、銅箔2が混
成不織布1に付着し、絶縁層としての混成不織布1と、
導電体層としての銅箔2とを備えたフッ素樹脂プリント
基板が得られる。
【0019】その後、導電路のパターン形成等の後工程
を施し、所望のパターンの導電路を設けたフッ素樹脂プ
リント基板を得ることができる。パターン形成は、剥離
現像型ホトレジスト、溶解現像型ホトレジスト等を用い
て行われる。例えば、銅箔2の表面にアルカリ現像型ホ
トレジスト膜を形成し、その上からホトマスクを介して
パターン状に露光する。そして、銅箔の露出部をエッチ
ング等により除去し、さらに、ホトレジストの露光部を
溶解除去すれば、ホトレジストの露光パターンに対応す
る回路パターンを有するフッ素樹脂プリント基板を得る
ことができる。
【0020】なお、上記の例は絶縁層が1枚の混成不織
布からなる構成を示したが、混成不織布1を複数枚積層
して熱圧着し、積層間でフッ素樹脂短繊維同士を融着さ
せることにより、任意の厚さの絶縁層を得ることができ
る。
【0021】このようにしてできたフッ素樹脂プリント
基板においては、フッ素樹脂短繊維及び無機短繊維がX
Y方向にランダム配向されているので、誘電特性(誘電
率、誘電正接)が基板全体で均一化されるとともに、絶
縁層の物理的な強度も均一かつ十分なものとなる。ま
た、フッ素樹脂短繊維の熱膨張係数の異方性と無機短繊
維の低い熱膨張係数とに起因して、ガラスクロスを使用
しないにもかかわらず、XY方向への熱膨張係数を、ガ
ラスクロスを用いた場合と同等程度にまで低減すること
ができる。従って、優れた寸法安定性を得ることができ
る。なお、この異方性は、径方向の熱膨張係数より長手
方向の熱膨張係数が若干小さいことと、長手方向には延
伸処理が施されていることとに基づいている。また、無
機短繊維の低い熱膨張係数に起因して、Z方向(厚さ方
向)への熱膨張係数も低減される。従って、当該フッ素
樹脂プリント基板は、スルーホール信頼性に優れてい
る。
【0022】また、熱圧着においてZ方向に加圧された
とき、フッ素樹脂短繊維がXY方向にランダム配向され
ていることにより、加圧の後の、短繊維面積(短繊維が
押し拡がって占める面積)を十分に確保することができ
る。また、熱圧着によって、銅箔2の裏面の微小な突起
の周りにフッ素樹脂が十分に回り込んで強固なアンカー
効果が発揮される。従って、混成不織布1に対する銅箔
2のピール強度を著しく向上させることができる。この
ようなフッ素樹脂短繊維に基づく作用効果は、無機短繊
維の配合量を過不足なく適量(後述の25〜60%)に
することにより確保することができる。また、絶縁層
(混成不織布1)と導電体層(銅箔2)との間に、X,
Y2方向へランダム配向したフッ素樹脂短繊維(のみ)
が互いに融着してなる不織布によって構成した接着層を
設けてもよい。この場合には、導電体層と直接接触する
のは接着層である。従って、絶縁層に無機短繊維を多量
に配合したとしても、フッ素樹脂短繊維の上記作用効果
により、接着層に対する導電体層の良好なピール強度を
得ることができる。
【0023】上記の製造方法における無機短繊維の配合
量(体積割合)の相異なる4つの実施例(接着層の有無
も含む。)において、製造されるフッ素樹脂プリント基
板のスルーホール信頼性(ホットオイル試験サイクル
(数値が高いほど信頼性大))、XY方向の熱膨張係
数、Z方向の熱膨張係数及びピール強度について検証し
た。また、比較のために、基板の厚さが本実施形態と同
一で、Eガラスクロスにフッ素樹脂を含浸コートした従
来品(比較例1)や、無機短繊維の配合量がかなり少な
いもの(比較例2、20vol%)及びかなり多いもの
(比較例3、80vol%)についても検証したところ、
以下の表1に示すデータが得られた。
【0024】
【表1】
【0025】表1において、比較例1及び2は、Z方向
(厚さ方向)への熱膨張係数が大きく、従ってスルーホ
ール信頼性が悪い。一方、本実施形態の実施例1〜4の
フッ素樹脂プリント基板は、Z方向への熱膨張係数が比
較例1及び2に比べて低い値となっており、これによ
り、スルーホール信頼性が改善されている。また、比較
例3は、ピール強度が低い。一方、本実施形態の実施例
1〜4のフッ素樹脂プリント基板は、いずれもピール強
度が2[kg/cm]以上の高い数値を示している。このよう
に、無機短繊維の配合量が25%〜60%の範囲にある
フッ素樹脂プリント基板は、スルーホールの信頼性に優
れ、ピール強度も優れている。
【0026】なお、上記実施形態において必須の工程で
はないが、抄紙処理後すぐに、混成不織布1に対して
0.5mm〜1mm間隔でニードルパンチの工程を付与
することにより、無機短繊維1bをある程度起こすこと
ができる(図2参照)。これにより、基板の厚さ方向へ
の熱膨張が一層抑制されるので、スルーホール信頼性を
さらに向上させることができる。
【0027】なお、上記実施形態では湿式抄造法により
得られた混成不織布を用いたが、乾式抄造法により得ら
れた混成不織布を用いることも可能である。また、エマ
ルジョン紡糸で得たフッ素樹脂短繊維と無機短繊維と結
着剤との水分散液を抄紙し、この抄紙をフッ素樹脂の融
点以下の温度にて熱処理して紡糸時のビスコース及び結
着剤を熱分解させて除去すると共に、繊維の交点を融着
させ、さらにフッ素樹脂の融点以上であって無機短繊維
の融点以下の温度にて残存カーボンを酸化除去したもの
を使用することもできる。
【0028】
【発明の効果】以上のように構成された本発明は以下の
効果を奏する。請求項1のフッ素樹脂プリント基板によ
れば、フッ素樹脂短繊維及び無機短繊維が縦横2方向に
ランダム配向されているので、誘電特性(誘電率、誘電
正接)が基板全体で均一化される。従って、誘電特性の
ばらつきが抑えられる。また、無機短繊維の低い熱膨張
係数に起因して、厚さ方向への熱膨張係数も低減される
ので、スルーホール信頼性に優れている。
【0029】請求項2のフッ素樹脂プリント基板によれ
ば、フッ素樹脂短繊維及び無機短繊維が、よりランダム
に配向し易いので、誘電特性のばらつきを抑える効果が
向上する。
【0030】請求項3のフッ素樹脂プリント基板によれ
ば、厚さ方向への熱膨張係数が最も低減されるので、ス
ルーホール信頼性が特に優れたものとなる。
【0031】請求項4のフッ素樹脂プリント基板によれ
ば、無機短繊維の配合量が適量となり、無機短繊維の存
在により厚さ方向への熱膨張係数が低減されるととも
に、フッ素樹脂短繊維に基づく作用効果を確保すること
ができる。すなわち、熱圧着によって、導電体層の裏面
の微小な突起の周りにフッ素樹脂が十分に回り込んで強
固なアンカー効果が発揮されるので、絶縁層に対する導
電体層の十分なピール強度を確保することができる。
【0032】請求項5のフッ素樹脂プリント基板によれ
ば、導電体層と直接接触するのは当該接着層であるの
で、絶縁層に無機短繊維を多量に配合したとしても、接
着層のフッ素樹脂短繊維に基づく作用効果を確保するこ
とができる。すなわち、熱圧着によって、導電体層の裏
面の微小な突起の周りにフッ素樹脂が十分に回り込んで
強固なアンカー効果が発揮されるので、接着層に対する
導電体層の十分なピール強度を確保することができる。
【0033】請求項6のフッ素樹脂プリント基板の製造
方法によれば、湿式抄造法により、フッ素樹脂短繊維及
び無機短繊維が縦横2方向にランダム配向された混成不
織布が得られ、この混成不織布からなる絶縁層の誘電特
性(誘電率、誘電正接)が基板全体で均一化されるの
で、誘電特性のばらつきが抑えられる。また、無機短繊
維の低い熱膨張係数に起因して、厚さ方向への熱膨張係
数も低減されるので、スルーホール信頼性に優れたフッ
素樹脂プリント基板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるフッ素樹脂プリント
基板の断面図である。
【図2】上記フッ素樹脂プリント基板の混成不織布に対
してニードルパンチの工程を付与して、無機短繊維を起
こした状態を示す断面図である。
【図3】従来のフッ素樹脂プリント基板の断面図であ
る。
【図4】図3におけるガラスクロスの平面図である。
【符号の説明】
1 混成不織布 1a フッ素樹脂短繊維 1b 無機短繊維 2 銅箔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/30 B32B 27/30 D C08L 27/12 C08L 27/12 D21H 13/12 D21H 13/12 13/46 13/46 27/12 27/12 H05K 3/00 H05K 3/00 R (72)発明者 谷井 利光 兵庫県三田市下内神字打場541番地の1 日本ピラー工業株式会社三田工場内 Fターム(参考) 4F072 AA01 AA02 AB04 AB08 AB27 AB29 AB33 AL13 4F100 AA00A AB17B AB17C AK17A AR00B AR00C BA03 BA06 BA10B BA10C BA11 DG03A DG15A EC03 EH41 GB43 JA02 JA02A JG01B JG01C JG05 JJ03 JK06 JL04 YY00A 4J002 BD121 BD151 BD161 DE136 DE146 DE186 DJ016 DL006 FA041 FA046 4L055 AF01 AF04 AF05 AF25 EA19 EA32 FA11 FA13 FA18 GA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ素樹脂短繊維と無機短繊維とが縦横2
    方向にランダム配向し、かつ、前記フッ素樹脂短繊維同
    士が融着してなる少なくとも1層の混成不織布によって
    構成された絶縁層と、 前記絶縁層の少なくとも片面に熱圧着された所望パター
    ンの導電体層とを備えたことを特徴とするフッ素樹脂プ
    リント基板。
  2. 【請求項2】前記混成不織布は、フッ素樹脂短繊維及び
    無機短繊維を湿式円網式抄造法により抄紙したものであ
    る請求項1記載のフッ素樹脂プリント基板。
  3. 【請求項3】前記無機短繊維の熱膨張係数は2〜10×
    10−6/℃の範囲にある請求項1記載のフッ素樹脂プ
    リント基板。
  4. 【請求項4】前記無機短繊維の配合量は、25〜60vo
    l%である請求項1記載のフッ素樹脂プリント基板。
  5. 【請求項5】前記絶縁層と前記導電体層との間に、縦横
    2方向へランダム配向したフッ素樹脂短繊維が互いに融
    着してなる不織布によって構成した接着層を設けた請求
    項1記載のフッ素樹脂プリント基板。
  6. 【請求項6】フッ素樹脂短繊維及び無機短繊維を水中に
    分散させ、湿式抄造法により、フッ素樹脂短繊維及び無
    機短繊維が縦横2方向にランダム配向した混成不織布を
    形成し、 前記混成不織布をフッ素樹脂の融点以上の温度で熱処理
    することによりフッ素樹脂短繊維同士を融着させ、 前記混成不織布を絶縁層とし、その少なくとも片面に導
    電体層を重ねて、フッ素樹脂の融点以上の温度で熱圧着
    し、 熱圧着された導電体層に導電路のパターンを形成するこ
    とを特徴とするフッ素樹脂プリント基板の製造方法。
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