JP2002075363A - 正極活物質及び非水電解質電池 - Google Patents

正極活物質及び非水電解質電池

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JP2002075363A
JP2002075363A JP2000261275A JP2000261275A JP2002075363A JP 2002075363 A JP2002075363 A JP 2002075363A JP 2000261275 A JP2000261275 A JP 2000261275A JP 2000261275 A JP2000261275 A JP 2000261275A JP 2002075363 A JP2002075363 A JP 2002075363A
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active material
electrode active
negative electrode
electrolyte battery
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JP2000261275A
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Kiyoshi Yamaura
潔 山浦
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 充放電時の構造変化やMnイオンの溶出を抑
えた正極活物質、及び当該正極活物質をもちいることに
よりサイクル特性を向上させる。 【解決手段】 正極活物質を有する正極と、負極活物質
を有する負極と、正極と負極との間に介在される非水電
解質とを備え、上記正極活物質は、一般式LiMnO2
で表される第1の化合物と、一般式Li1-zMgz
(1+z)/2(0.8≦z<1.0)で表される第2の化合
物とが混合されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウムマンガン
複合酸化物を用いた正極活物質及び非水電解質電池に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、種々の電子機器の飛躍的進歩とと
もに、長時間便利に、かつ経済的に使用できる電源とし
て再充電可能な二次電池の研究が進められている。代表
的な二次電池としては、鉛蓄電池、アルカリ蓄電池、リ
チウム二次電池等が知られている。特に、リチウム二次
電池は、高出力、高エネルギー密度などの利点を有して
いる。上記のリチウム二次電池は、リチウムイオンを可
逆的に脱挿入可能な正極と負極と非水電解液とから構成
される。
【0003】一般に、負極活物質としては、金属リチウ
ム、リチウム合金、リチウムがドープされた導電性高分
子、層状化合物(炭素材料や金属酸化物など)またはリ
チウムを含む化合物と共存させた導電性高分子、層状化
合物(炭素材料や金属酸化物など)が用いられている。
【0004】一方、正極活物質には、金属酸化物、金属
硫化物、あるいはポリマーなどが用いられ、例えば、T
iS2,MoS2,NbSe2,V25などの非含リチウ
ム化合物やLiMO2(M=Co,Ni,Mn,Feな
ど)のような既にリチウムを含んでいる複合酸化物が提
案されている。また、上記の化合物を複数混合して用い
ても構わない。
【0005】電解液としては、プロピレンカーボネート
のような非プロトン性有機溶媒にりチウム塩を溶解させ
た溶液が用いられている。
【0006】さらに、セパレータとしてはポリプロピレ
ンなどのような高分子フィルムが用いられるが、この場
合リチウムイオン伝導度とエネルギー密度の点から可能
な限り薄くしなければならない。通常50μm以下のセ
パレータが実用と考えられる。
【0007】以上のような正極、負極、そして両者の間
に介在したセパレータと電解液から構成された電池は充
放電可能な二次電池として使用できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】リチウム二次電池の市
場は高容量化が求められつつある。一方、コストダウン
のための材料探索も盛んに行われている。正極に従来用
いられてきたコバルト酸化物は他のニッケルやマンガ
ン、鉄などの酸化物より高価であり、相対的に安価な金
属酸化物に代替する事が望まれていた。特に最も安価な
遷移金属のひとつであるマンガン酸化物を正極に使用す
ることが望まれていた。このようなマンガン酸化物とし
て、スピネル型化合物LiMn24を始めLiMnO2
が盛んに研究されていた。後者としては高温型LiMn
2、低温型LiMnO2の報告がされている。このLi
MnO2は従来のスピネル構造のものより理論容量が大
きいが、充放電時の構造変化、及びMnイオンの溶出の
ため、サイクル特性に問題があった。
【0009】本発明は上述したような従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、充放電時の構造変化やMnイ
オンの溶出を抑えた正極活物質、及び当該正極活物質を
もちいることによりサイクル特性を向上させた非水電解
質電池を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る正極活物質
は、一般式LiMnO2で表される第1の化合物と、一
般式Li1-zMgz(1+z)/2(0.8≦z<1.0)で
表される第2の化合物とが混合されてなることを特徴と
する。
【0011】上述したような本発明に係る正極活物質で
は、LiMnO2に加えてMg酸化物が存在しているの
で、安定なMg−Mn−O複合酸化物が生成し、Mn−
Oの結合が相対的に強固になる。
【0012】また、本発明の非水電解質電池は、正極活
物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、上記
正極と上記負極との間に介在される非水電解質とを備
え、上記正極活物質は、一般式LiMnO2で表される
第1の化合物と、一般式Li1-zMgz(1+z)/2(0.
8≦z<1.0)で表される第2の化合物とが混合され
てなることを特徴とする。
【0013】上述したような本発明に係る非水電解質電
池では、正極活物質中にLiMnO 2に加えてMg酸化
物が存在しているので、安定なMg−Mn−O複合酸化
物が生成し、Mn−Oの結合が相対的に強固になる。そ
の結果、この非水電解質電池では、Mnの非水電解質中
への溶出が抑えられる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明を適用した非水電解液電池
の一構成例を図1に示す。この非水電解液電池1は、負
極2と、負極2を収容する負極缶3と、正極4と、正極
4を収容する正極缶5と、正極4と負極2との間に配さ
れたセパレータ6と、絶縁ガスケット7とを備え、負極
缶3及び正極缶5内に非水電解液が充填されてなる。
【0015】負極2は、負極活物質となる例えば金属リ
チウム箔からなる。また、負極活物質として、リチウム
をドープ、脱ドープ可能な材料を用いる場合には、負極
2は、負極集電体上に、上記負極活物質を含有する負極
活物質層が形成されてなる。負極集電体としては、例え
ばニッケル箔等が用いられる。
【0016】リチウムをドープ、脱ドープ可能な負極活
物質としては、金属リチウム、リチウム合金、リチウム
がドープされた導電性高分子、層状化合物(炭素材料や
金属酸化物など)が用いられている。
【0017】負極活物質層に含有される結合剤として
は、この種の非水電解液電池の負極活物質層の結合剤と
して通常用いられている公知の樹脂材料等を用いること
ができる。
【0018】負極缶3は、負極2を収容するものであ
り、また、非水電解液電池1の外部負極となる。
【0019】正極4は、正極集電体上に、正極活物質を
含有する正極活物質層が形成されてなる。正極集電体と
しては、例えばアルミニウム箔等が用いられる。
【0020】ここで、本発明では、正極活物質として、
一般式LiMnO2で表される第1の化合物と、一般式
Li1-zMgz(1+z)/2(0.8≦z<1.0)で表さ
れる第2の化合物とが混合されてなるものを用いてい
る。
【0021】本発明者は、鋭意検討の結果、一般式Li
MnO2で表される第1の化合物と、一般式Li1-zMg
z(1+z)/2(0.8≦z<1.0)で表される第2の化
合物とを混合することによって、充放電サイクル特性の
向上が可能になることを見出した。
【0022】一般式LiMnO2で表される第1の化合
物と、一般式Li1-zMgz(1+z)/2(0.8≦z<
1.0)で表される第2の化合物とを混合することで、
正極活物質中にMg酸化物が存在することになり、安定
なMg−Mn−O複合酸化物が生成し、Mn−Oの結合
が相対的に強固になる。この結果、Mnの電解液中への
溶出が少なくなり、充放電時のサイクル劣化が抑制され
る。しかし、Mgの濃度が高くなると、第1の化合物L
iMnO2のLiイオンの拡散が阻害され、充放電負荷
特性が低下してしまう。この理由は、MgとLiのイオ
ン半径が同程度であるため、MgがLiの拡散パス上に
存在してしまうからである。しかし、第1の化合物と混
合するMg酸化物にLiを混在させてLi1-zMgz
(1+z)/2とすれば、MgがLiの拡散パス上を邪魔する
ことは少ない。
【0023】したがって、一般式LiMnO2で表され
る第1の化合物と、一般式Li1-zMgz
(1+z)/2(0.8≦z<1.0)で表される第2の化合
物とを混合することで、負荷特性を損なわずにマンガン
の溶出の抑制とサイクル特性の向上とを実現することが
できる。
【0024】ここで、上記第2の化合物Li1-zMgz
(1+z)/2において、zの値は0.8≦z<1.0の範囲
であることが必要である。zの値が0.8よりも小さい
とき、すなわち化合物中に含まれるMgの量が少ない
と、上述したような、Mg−Mn−O複合酸化物生成に
よるMgの安定化作用が十分に得られない。また、z=
1.0の場合は第2の化合物中にLiが含まれないこと
となり、Liの拡散パスが確保されなくなるおそれがあ
る。したがって、zの値を0.8≦z<1.0の範囲と
することで、Liの拡散パスを確保しつつ、Mg−Mn
−O複合酸化物生成によってMgを安定化させ、Mnの
電解液中への溶出を抑えて、非水電解質電池1の充放電
サイクル特性を向上することができる。
【0025】また、上記第1の化合物の重量をM1と
し、上記第2の化合物の重量をM2とした場合に、当該
M1とM2とは、 0.96<M1/(M1+M2)<1.00 の関係を満たすことが好ましい。M1/(M1+M2)
が0.96以下の場合、これは正極活物質全体に占める
第2の化合物の重量M2が大きいことを表し、すなわち
Mgの濃度が高いことになる。上述したように、Mgの
濃度が高くなると、Liイオンの拡散が阻害され、充放
電負荷特性が低下してしまう。
【0026】第2の化合物の重量M2を、M1/(M1
+M2)が0.96よりも大きくなる程度に抑えること
で、MgがLiイオンの拡散を阻害することなく、非水
電解質電池1の充放電負荷特性を良好にすることができ
る。
【0027】正極活物質層に含有される結合剤として
は、この種の非水電解液電池の正極活物質層の結合剤と
して通常用いられている公知の樹脂材料等を用いること
ができる。
【0028】正極缶5は、正極4を収容するものであ
り、また、非水電解液電池1の外部正極となる。
【0029】セパレータ6は、正極4と、負極2とを離
間させるものであり、この種の非水電解液電池のセパレ
ータとして通常用いられている公知の材料を用いること
ができ、例えばポリプロピレンなどの高分子フィルムが
用いられる。また、リチウムイオン伝導度とエネルギー
密度との関係から、セパレータの厚みはできるだけ薄い
ことが必要である。具体的には、セパレータの厚みは例
えば50μm以下が適当である。
【0030】絶縁ガスケット7は、負極缶3に組み込ま
れ一体化されている。この絶縁ガスケット7は、負極缶
3及び正極缶5内に充填された非水電解液の漏出を防止
するためのものである。
【0031】非水電解液としては、非プロトン性非水溶
媒に電解質を溶解させた溶液が用いられる。
【0032】非水溶媒としては、例えばプロピレンカー
ボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネー
ト、ビニレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、スル
ホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキ
シエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル
1,3−ジオキソラン、プロピオン酸メチル、酪酸メチ
ル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ
プロピルカーボネート等を使用することができる。特
に、電圧安定性の点からは、プロピレンカーボネート、
ビニレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチ
ルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカ
ーボネート等の鎖状カーボネート類を使用することが好
ましい。また、このような非水溶媒は、1種類を単独で
用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0033】また、非水溶媒に溶解させる電解質として
は、例えば、LiPF6、LiClO4、LiAsF6
LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22
のリチウム塩を使用することができる。これらのリチウ
ム塩の中でも、LiPF6、LiBF4を使用することが
好ましい。
【0034】このように、本発明に係る非水電解質電池
では、一般式LiMnO2で表される第1の化合物と、
一般式Li1-zMgz(1+z)/2(0.8≦z<1.0)
で表される第2の化合物とが混合されてなる正極活物質
を用いているので、Mnの電解液中への溶出が少なくな
り、充放電時のサイクル劣化が抑制された、充放電特性
に優れた非水電解質電池となる。
【0035】そして、このような非水電解液電池1は例
えばつぎのようにして製造される。
【0036】負極2としては、まず、負極活物質と結着
剤とを溶媒中に分散させてスラリーの負極合剤を調製す
る。次に、得られた負極合剤を負極集電体上に均一に塗
布、乾燥して負極活物質層を形成することにより負極2
が作製される。上記負極合剤の結着剤としては、公知の
結着剤を用いることができるほか、上記負極合剤に公知
の添加剤等を添加することができる。また、負極活物質
となる金属リチウムをそのまま負極2として用いること
もできる。
【0037】正極4としては、まず、正極活物質とと結
着剤とを溶媒中に分散させてスラリーの正極合剤を調製
する。次に、得られた正極合剤を正極集電体上に均一に
塗布、乾燥して正極活物質層を形成することにより正極
4が作製される。上記正極合剤の結着剤としては、公知
の結着剤を用いることができるほか、上記正極合剤に公
知の添加剤等を添加することができる。
【0038】非水電解液は、電解質塩を非水溶媒中に溶
解することにより調製される。
【0039】そして、負極2を負極缶3に収容し、正極
4を正極缶5に収容し、負極2と正極4との間に、ポリ
プロピレン製多孔質膜等からなるセパレータ6を配す
る。負極缶3及び正極缶5内に非水電解液を注入し、絶
縁ガスケット7を介して負極缶3と正極缶5とをかしめ
て固定することにより、非水電解液電池1が完成する。
【0040】なお、上述した実施の形態では、非水電解
質電池として非水電解液を用いた非水電解液電池1を例
に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、導電性高分子化合物の単体あるいは混合物を含
有する高分子固体電解質を用いた固体電解質電池や、膨
潤溶媒を含有するゲル状の固体電解質を用いたゲル状電
解質電池についても適用可能である。
【0041】上記の高分子固体電解質やゲル状電解質に
含有される導電性高分子化合物として具体的には、シリ
コン、アクリル、アクリロニトリル、ポリフォスファゼ
ン変性ポリマ、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレ
ンオキサイド、フッ素系ポリマ又はこれらの化合物の複
合ポリマや架橋ポリマ、変性ポリマ等が挙げられる。上
記フッ素系ポリマとしては、ポリ(ビニリデンフルオラ
イド)、ポリ(ビニリデンフルオライド−co−ヘキサ
フルオロプロピレン)、ポリ(ビニリデンフルオライド
−co−テトラフルオロエチレン)、ポリ(ビニリデン
フルオライド−co−トリフルオリエチレン)等が挙げ
られる。
【0042】また、上述した実施の形態では、二次電池
を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、一次電池についても適用可能である。ま
た、本発明の電池は、円筒型、角型、コイン型、ボタン
型等、その形状については特に限定されることはなく、
また、薄型、大型等の種々の大きさにすることができ
る。
【0043】
【実施例】つぎに、本発明の効果を確認すべく行った、
実施例及び比較例について説明する。なお、以下の実施
例では、具体的な数値を挙げて説明しているが、本発明
はこれに限定されるものではないことは言うまでもな
い。
【0044】まず、以下に示す実施例1〜実施例5及び
比較例1〜比較例4では、正極活物質中に含まれる第2
の化合物Li1-zMgz(1+z)/2におけるzの値につい
ての検討を行った。
【0045】〈実施例1〉まず、つぎのようにして本発
明に係る正極活物質を合成した。
【0046】Li2OとMgOとをLi:Mg=0.0
5:0.95となるように秤量し、600℃、大気中で
7時間反応させてLi0.05Mg0.950.975(z=0.
95)を得た。生成粉末をLiMnO2に混合(LiM
nO2:98重量%)し,乾燥大気中、20分間、攬挫
した。攪拌後、紛体を採取して正極活物質を得た。
【0047】つぎに、上述のようにして得られた正極活
物質を用いてコイン型非水電解質電池を作製した。
【0048】得られた正極活物質を乾燥重量で80重量
%と、導電剤としてグラファイト(平均粒径5μmから
20μm:商品名KS−15ロンザ)を15重量%と、
結着剤としてポリフッ化ビニリデン(アルドリッチ#1
300)とをジメチルフルオライドを用いて混練して正
極ペーストとした。
【0049】次に、この正極ぺーストを正極集電体とな
るアルミメッシュ上に塗布し、アルミメッシュと共にペ
レット化して、乾燥アルゴン気流中、100℃で1時間
の乾燥を行ない、正極を得た。なお、この正極には1個
あたり60mgの正極活物質が担持されている。
【0050】また、リチウム金属を上記正極と略同径に
打ち抜くことにより負極とした。
【0051】また、プロピレンカーボネートとジメチル
カーボネートとの等容量混合溶媒にLiPF6を1mo
l/lの濃度で溶解させて非水電解液を調製した。
【0052】そして、以上のようにして得られた負極を
負極缶に収容し、正極を正極缶に収容し、負極と正極と
の間に、ポリプロピレン製多孔質膜等からなるセパレー
タを配した。負極缶及び正極缶内に非水電解液を注入
し、絶縁ガスケットを介して負極缶と正極缶とをかしめ
て固定することにより、2025コイン型の非水電解液
電池を完成した。
【0053】〈実施例2〉Li2OとMgOとをLi:
Mg=0.10:0.90となるように秤量し、600
℃、大気中で7時間反応させてLi0.1Mg0.9
0.95(z=0.90)を得た。生成粉末をLiMnO2
に混合(LiMnO2:98重量%)し,乾燥大気中、
20分間、攪拌した。攪拌後、紛体を採取して正極活物
質を得た。
【0054】そして、得られた正極活物質を用いて、実
施例1と同様にしてコイン型非水電解液電池を作成し
た。
【0055】〈実施例3〉Li2OとMgOとをLi:
Mg=0.15:0.85となるように秤量し、600
℃、大気中で7時間反応させてLi0.15Mg0.85
0.925(z=0.85)を得た。生成粉末をLiMnO2
に混合(LiMnO2:98重量%)し,乾燥大気中、
20分間、攪拌した。攪拌後、紛体を採取して正極活物
質を得た。
【0056】そして、得られた正極活物質を用いて、実
施例1と同様にしてコイン型非水電解液電池を作成し
た。
【0057】〈実施例4〉Li2OとMgOとをLi:
Mg=0.18:0.82となるように秤量し、600
℃、大気中で7時間反応させてLi0.18Mg0.820.91
(z=0.82)を得た。生成粉末をLiMnO2に混
合(LiMnO2:98重量%)し,乾燥大気中、20
分間、攪拌した。攪拌後、紛体を採取して正極活物質を
得た、そして、得られた正極活物質を用いて、実施例1
と同様にしてコイン型非水電解液電池を作成した。
【0058】〈実施例5〉Li2OとMgOとをLi:
Mg=0.20:0.80となるように秤量し、600
℃、大気中で7時間反応させてLi0.20Mg0.800.90
(z=0.80)を得た。生成粉末をLiMnO2に混
合(LiMnO2:98重量%)し,乾燥大気中、20
分間、攪拌した。攪拌後、紛体を採取して正極活物質と
した。
【0059】そして、得られた正極活物質を用いて、実
施例1と同様にしてコイン型非水電解液電池を作成し
た。
【0060】〈比較例1〉Li2OとMgOとをLi:
Mg=0.0:1.0となるように秤量し、600℃、
大気中で7時間反応させてMgO(z=1.0)を得
た。生成粉末をLiMnO2に混合(LiMnO2:98
重量%)し,乾燥大気中、20分間、攪拌した。攪拌
後、紛体を採取して正極活物質を得た。
【0061】そして、得られた正極活物質を用いて、実
施例1と同様にしてコイン型非水電解液電池を作成し
た。
【0062】〈比較例2〉Li2OとMgOとをLi:
Mg=0.22:0.78となるように秤量し、600
℃、大気中で7時間反応させてLi0.22Mg0.780.89
(z=0.78)を得た。生成粉末をLiMnO2に混
合(LiMnO2:98重量%)し,乾燥大気中、20
分間、攪拌した。攪拌後、紛体を採取して正極活物質を
得た。
【0063】そして、得られた正極活物質を用いて、実
施例1と同様にしてコイン型非水電解液電池を作成し
た。
【0064】〈比較例3〉Li2OとMgOとをLi:
Mg=0.30:0.70となるように秤量し、600
℃、大気中で7時間反応させてLi0.30Mg0.700.85
(z=0.70)を得た。生成粉末をLiMnO2に混
合し,乾燥大気中、20分間、攪拌した。攪拌後、紛体
を採取して正極活物質を得た。
【0065】そして、得られた正極活物質を用いて、実
施例1と同様にしてコイン型非水電解液電池を作成し
た。
【0066】〈比較例4〉Li1-zMgz(1+z)/2を使
わずにLiMnO2のみを正極活物質として用いて、実
施例1と同様にしてコイン型非水電解液電池を作成し
た。
【0067】以上のようにして作製された非水電解液電
池に対して、サイクル特性測定を行った。初期充電は、
開回路電圧(OCV)が4.5V士0.05Vに達する
まで、電流密度500uA/セルで行い、また、放電は
閉回路電圧(CCV)が2.0Vに達するまで、電流密
度500uA/セルで行なった。以上の工程を1サイク
ルとし、充放電を20サイクル行った。
【0068】そして、20サイクル目における放電容量
の、初回放電容量に対する割合(%)を容量維持率とし
て求めた。
【0069】図2に、実施例1〜実施例5及び比較例1
〜比較例4の電池について、第2の化合物Li1-zMgz
(1+z)/2におけるzの値と、容量維持率との関係を示
す。なお、図2中の横点線は、第2の化合物を添加しな
かった比較例4の電池についての容量維持率を示してい
る。
【0070】図2から明らかなように、第2の化合物L
1-zMgz(1+z)/2におけるzの値が0.80よりも
小さい比較例2及び比較例3の電池では、第2の化合物
を添加しなかった比較例4の電池よりも容量維持率が低
くなってしまっており、本発明の目的とする効果が得ら
れていない。また、z=1.0である比較例1の電池に
ついても、比較例4の電池よりも容量維持率が低く、本
発明の目的とする効果が得られていない。
【0071】一方、zの値を0.8≦z<1.0の範囲
とした実施例1〜実施例5の電池では、容量維持率が比
較例4の電池よりも向上しており、本発明の目的とする
効果が十分に得られている。したがって、zの値を0.
8≦z<1.0の範囲とすることで、Liの拡散パスを
確保しつつ、Mg−Mn−O複合酸化物生成によってM
gを安定化させ、Mnの電解液中への溶出を抑えて、非
水電解質電池の充放電サイクル特性を向上することがで
きることがわかった。
【0072】つぎに、以下に示す実施例6〜実施例10
では、正極活物質中に含まれる第1の化合物と、第2の
化合物との割合(M1/(M1+M2))についての検
討を行った。
【0073】〈実施例6〉まず、つぎのようにして本発
明に係る正極活物質を合成した。
【0074】Li2OとMgOとをLi:Mg=0.1
0:0.90となるように秤量し、600℃、大気中で
7時間反応させてLi0.1Mg0.900.95(z=0.9
0)を得た。得られたLi0.1Mg0.90.95とLiMn
2とを混合(LiMnO2:90重量%)し,乾燥大気
中、20分間、攬挫した。攪拌後、紛体を採取して正極
活物質を得た。このときの、M1/(M1+M2)の値
は0.90である。
【0075】そして、得られた正極活物質を用いて、実
施例1と同様にしてコイン型非水電解液電池を作成し
た。
【0076】〈実施例7〉得られたLi0.05Mg0.95
0.975とLiMnO2とを混合(LiMnO2:95重量
%)し,乾燥大気中、20分間、攬挫した。攪拌後、紛
体を採取して正極活物質を得た。このときの、M1/
(M1+M2)の値は0.95である。
【0077】そして、得られた正極活物質を用いて、実
施例1と同様にしてコイン型非水電解液電池を作成し
た。
【0078】〈実施例8〉得られたLi0.05Mg0.95
0.975とLiMnO2とを混合(LiMnO2:96重量
%)し,乾燥大気中、20分間、攬挫した。攪拌後、紛
体を採取して正極活物質を得た。このときの、M1/
(M1+M2)の値は0.96である。
【0079】そして、得られた正極活物質を用いて、実
施例1と同様にしてコイン型非水電解液電池を作成し
た。
【0080】〈実施例9〉得られたLi0.05Mg0.95
0.975とLiMnO2とを混合(LiMnO2:97重量
%)し,乾燥大気中、20分間、攬挫した。攪拌後、紛
体を採取して正極活物質を得た。このときの、M1/
(M1+M2)の値は0.97である。
【0081】そして、得られた正極活物質を用いて、実
施例1と同様にしてコイン型非水電解液電池を作成し
た。
【0082】〈実施例10〉得られたLi0.05Mg0.95
0.975とLiMnO2とを混合(LiMnO2:99重
量%)し,乾燥大気中、20分間、攬挫した。攪拌後、
紛体を採取して正極活物質を得た。このときの、M1/
(M1+M2)の値は0.99である。
【0083】そして、得られた正極活物質を用いて、実
施例1と同様にしてコイン型非水電解液電池を作成し
た。
【0084】以上のようにして作製された非水電解液電
池に対して、サイクル特性測定を上述の方法により行っ
た。図3に、実施例6〜実施例10の電池について、M
1/(M1+M2)の値と、容量維持率との関係を実施
例1の電池と併せて示す。なお、図3中の横点線は、第
2の化合物を添加しなかった上記比較例4の電池につい
ての容量維持率を示している。
【0085】図3から明らかなように、M1/(M1+
M2)の値が0.96よりも小さい実施例6及び実施例
7の電池では、第2の化合物を添加しなかった比較例4
の電池よりも容量維持率が低くなってしまっており、本
発明の目的とする効果が十分に得られていない。
【0086】一方、M1/(M1+M2)の値を0.9
6以上の範囲とした実施例1及び実施例8〜実施例10
の電池では、容量維持率が比較例4の電池よりも向上し
ており、本発明の目的とする効果が十分に得られてい
る。したがって、第1の化合物の重量(M1)と、第2
の化合物の重量(M2)とを、0.96<M1/(M1
+M2)<1.00の関係を満たす範囲とすることで、
MgがLiイオンの拡散を阻害することなく、充放電サ
イクル特性を良好にすることができることがわかった。
【0087】
【発明の効果】本発明では、一般式LiMnO2で表さ
れる第1の化合物と、一般式Li1-zMgz
(1+z)/2(0.8≦z<1.0)で表される第2の化合
物とが混合されてなる正極活物質を用いているので、M
nの電解液中への溶出を少なくして、充放電時のサイク
ル劣化が抑制された、充放電特性に優れた非水電解質電
池を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非水電解質電池の一構成例を示す
断面図である。
【図2】実施例で作成した電池について、第2の化合物
Li1-zMgz(1+z)/2におけるzの値と、容量維持率
との関係を示した図である。
【図3】実施例で作成した電池について、第1の化合物
と第2の化合物との重量比(M1/(M1+M2))の
値と、容量維持率との関係を示した図である
【符号の説明】
1 非水電解液電池、 2 負極、 3 負極缶、 4
正極、 5 正極缶、6 セパレータ、 7 絶縁ガ
スケット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式LiMnO2で表される第1の化
    合物と、一般式Li1-zMgz(1+z)/2(0.8≦z<
    1.0)で表される第2の化合物とが混合されてなるこ
    とを特徴とする正極活物質。
  2. 【請求項2】 上記第1の化合物の重量をM1とし、上
    記第2の化合物の重量をM2とした場合に、当該M1と
    M2とは、 0.96<M1/(M1+M2)<1.00 の関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の正極活
    物質。
  3. 【請求項3】 正極活物質を有する正極と、 負極活物質を有する負極と、 上記正極と上記負極との間に介在される非水電解質とを
    備え、 上記正極活物質は、一般式LiMnO2で表される第1
    の化合物と、一般式Li1-zMgz(1+z)/2(0.8≦
    z<1.0)で表される第2の化合物とが混合されてな
    ることを特徴とする非水電解質電池。
  4. 【請求項4】 上記第1の化合物の重量をM1とし、上
    記第2の化合物の重量をM2とした場合に、当該M1と
    M2とは、 0.96<M1/(M1+M2)<1.00 の関係を満たすことを特徴とする請求項3記載の非水電
    解質電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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