JP2002074742A - 情報記録媒体 - Google Patents

情報記録媒体

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JP2002074742A
JP2002074742A JP2000260860A JP2000260860A JP2002074742A JP 2002074742 A JP2002074742 A JP 2002074742A JP 2000260860 A JP2000260860 A JP 2000260860A JP 2000260860 A JP2000260860 A JP 2000260860A JP 2002074742 A JP2002074742 A JP 2002074742A
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Toshimichi Shintani
俊通 新谷
Keikichi Ando
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Yumiko Anzai
由美子 安齋
Motoyasu Terao
元康 寺尾
Norihito Tamura
礼仁 田村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 青色レーザで記録・再生を行う場合に多層情
報記録用媒体が良好な記録・再生特性を持つこと。 【解決手段】 多層情報記録用媒体において、基板と光
の照射によって生じる原子配列変化により情報が記録さ
れるN層の情報面を持ち(Nは2以上の整数)、基板上
にN個の記録膜と、N−1個のスペーサ層を有し、基板
より1からN−1番めの情報面用記録膜が基板またはス
ペーサ層と記録膜の間に設けられた下部保護層、前記記
録膜の基板と反対側に設けられた上部保護層及び透明反
射層を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクに用い
られる情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ光を照射して薄膜(記録膜)に情
報を記録する原理は種々知られているが、そのうちで膜
材料の相変化(相転移とも呼ばれる)やフォトダークニ
ングなど、レーザ光の照射による原子配列変化を利用す
るものは、薄膜の変形をほとんど伴わないため、2枚の
ディスク部材を直接貼り合わせて両面ディスク構造情報
記録媒体、または複数の情報面を有する多層構造情報記
録媒体が得られるという長所を持つ。
【0003】通常の光ディスクでは、波長が660nm
付近の一般に赤色レーザと言われている光源を用いてい
る。これら情報記録媒体は基板上に下部保護層、GeS
bTe系等の記録膜、ZnS−SiO2系上部保護層、
Alなど反射率の大きい反射層を順に積層した構造を有
している。記録容量を上げる方法はいくつかあるが、6
60nm付近の波長より短波長の光源を使用する方法や
多層構造にする方法などが提案されている。ODS/I
SOM‘99予稿集第110頁(文献1)に波長400
nm付近用の2層情報記録媒体が示されている。この媒
体では光入射側に反射層を持たない第1の情報面と光か
ら遠い側にAl合金反射層を持つ第2の情報面を有す
る。しかし、このデータは計算結果のみで記録・再生し
た場合に生じるコントラストが小さい点の改良について
は示されていない。また、同様な波長400nm付近用
の2層情報記録媒体がPCOS’99講演予稿集22頁
(文献2)に開示されているが、この媒体も同様に光入
射側に反射層を持たない第1の情報面をもつ。
【0004】また、特開平10−293942号には、
透明下部保護膜、相変化記録膜、透明上部保護膜、透明
型反射膜または透明干渉膜からなる相変化型記録媒体を
複数層設けることが記載されている。
【0005】なお、波長400nm付近の短波長のレー
ザは一般に、長波長の赤色レーザと対比させて青色、青
緑色、青紫色、緑色レーザなどと呼ばれているが本明細
書中では、まとめて青色レーザと呼ぶ。
【0006】本明細書では、結晶−非晶質間の相変化ば
かりでなく、融解(液相への変化)と再結晶化、結晶状
態−結晶状態間の相変化も含むものとして「相変化」及
び「原子配列変化」という用語を使用する。また、マー
クエッジ記録とは、記録マークのエッジ部分を信号の
“1”に、マーク間およびマーク内を信号の“0”に対
応させた記録方式のことをいう。本明細書において光デ
ィスクとは、光の照射によって再生できる情報が記載さ
れた円板(ディスク)、及び/または光の照射によって
情報の再生を行う装置をいう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の多層情報記録媒
体はいずれも、青色レーザを用いた高密度の書き換え可
能な相変化型の多層情報記録媒体として用いる場合、コ
ントラストが小さいという問題を有している。
【0008】また、特開平10−293942号では、
透明反射層の透過率について思想がない。
【0009】そこで、この発明の目的は、青色レーザで
記録・再生を行った場合のコントラストを改善し、良好
な再生特性を持つ多層情報記録用媒体を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】(1)光が入射する順
に、第1の基板と、第1の記録膜と、スペーサー層と、
第2の記録膜と、第2の基板を有する情報記録媒体であ
って、前記第1の記録膜と前記スペーサー層との間に
は、第1の反射層が設けられ、前記第2の記録膜と前記
第2の基板との間には、第2の反射層が設けられ、前記
第1の反射層の光透過率は、前記第2の反射層の光透過
率よりも大きいことを特徴とする情報記録媒体。
【0011】(2)前記透明反射層は酸化物または窒化
物からなることを特徴とする(1)に記載の情報記録媒
体。
【0012】(3)前記透明反射層は、複数層であるこ
とを特徴とする(1)または(2)に記載の情報記録媒
体。
【0013】(4)基板と、光の照射によって生じる原
子配列変化により情報が記録されるN層の記録膜の情報
面と(Nは2以上の整数)、N−1個のスペーサ層とを
有し、光入射側の情報面から情報面を数え、前記情報面
の透過率が、情報面1>情報面2……情報面N−1>情
報面Nの関係にあることを特徴とする情報記録媒体。
【0014】(5)(4)記載の情報記録媒体におい
て、N=2のとき情報面1の透過率が50%以上である
ことを特徴とする情報記録媒体。
【0015】(6)(4)記載の情報記録媒体におい
て、前記情報面1〜情報面N−1の反射率が非晶質状態
の反射率≧結晶状態の反射率の関係にあることを特徴と
する情報記録媒体。
【0016】(7)(4)から(6)のいずれか1つに
記載の情報記録媒体において、前記基板の厚さが0.5
78mm以上0.592mm以下、かつ前記スペーサ層
の厚さが13μm以上27μm以下であることを特徴と
する情報記録媒体。
【0017】(8)(4)から(6)のいずれか1つに
記載の情報記録媒体において、前記基板の最大厚さと最
小厚さの差が0.014mm以下、かつ前記スペーサ層
の最大厚さと最小厚さの差が14μm以下であることを
特徴とする情報記録媒体。
【0018】(9)(4)から(6)のいずれか1つに
記載の情報記録媒体において、前記基板の厚さが0.0
91mm以上0.097mm以下、かつ前記スペーサ層
の厚さが7μm以上13μm以下であることを特徴とす
る情報記録媒体。
【0019】(10)(4)から(6)のいずれか1つ
に記載の情報記録媒体において、前記基板の最大厚さと
最小厚さの差が厚さが0.006mm以下、かつ前記ス
ペーサ層の最大厚さと最小厚さの差が厚さが6μm以下
であることを特徴とする情報記録媒体。
【0020】(11)(4)から(6)のいずれか1つ
に記載の情報記録媒体において、前記情報面の記録膜膜
厚が、情報面1≦情報面2≦…≦情報面N−1≦情報面
Nの関係にあることを特徴とする情報記録媒体。
【0021】(12)(4)から(6)のいずれか1つ
に記載の情報記録媒体において、基板より1からN−1
番めの情報面用記録膜の合計膜厚が10nm以下である
ことを特徴とする情報記録媒体。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例によって詳
細に説明する。
【0023】〔実施例1〕 (本発明の情報記録媒体の構成、製法)図1は、本発明
の第1実施例のディスク状情報記録媒体の断面構造を示
す模式図である。この媒体は次のようにして製作した。
まず、直径12cm、厚さ0.6mmで表面にトラッキ
ング用の溝を有するポリカーボネイト基板1上に、膜厚
約30nmの(ZnS)80(SiO220膜と膜厚約4
nmのAl40573膜と膜厚約1nmのCr40573
膜を積層してなるL0下部保護層2、膜厚約6nmのGe
5Sb2Te8L0記録膜3、膜厚約1nmのCr23膜と
膜厚約4nmのAl23膜と膜厚約125nmの(Zn
S)80(SiO220膜を積層してなるL0上部保護層
4、膜厚約35nmの(Al23)膜よりなるL0透明反
射層5、膜厚約50nmの(ZnS)80(SiO220
膜からなるL0最上部保護層6を順次形成した。上記のよ
うな層4,5,6多層積層によって生じる光学干渉を用
いて透明な反射層を得る。積層膜の形成はマグネトロン
・スパッタリング装置により行った。こうして第1のデ
ィスク部材を得た。
【0024】他方、同様のスパッタリング方法により、
第1のディスク部材と異なる構成を持つ第2のディスク
部材を得た。第2のディスク部材は、ポリカーボネイト
保護基板12上に、膜厚約80nmのAg98Pd1Cu1
膜からなるL1反射層11上に膜厚約80nmの(Zn
S)80(SiO220膜と膜厚約5nmのCr23を積
層してなるL1上部保護層10、膜厚約18nmのGe
5Sb2Te8L1記録膜9、膜厚約5nmのCr4057
3膜と膜厚約80nmの(ZnS)80(SiO220
を積層してなるL1下部保護層8を順次形成したもので
ある。
【0025】その後、前記第1のディスク部材と第2の
ディスク部材をそれぞれのL0最上部保護層6とL1下
部保護層8をスペーサ層7を介して貼り合わせ、図1に
示す2層情報記録媒体(ディスクA)を得た。
【0026】各情報面は光入射側の構成膜(L0下部保
護層2からL0最上部保護層6まで)をL0、光から遠
い方の構成膜(L1下部保護層8からL1反射層11ま
で)をL1とした。
【0027】(従来型の情報記録媒体の構成、製法)透
明反射層の効果を明らかにするため、透明反射層を持た
ないディスク状情報記録媒体を作製した。図2は、この
媒体の断面構造を示す模式図である。
【0028】この媒体は次のようにして製作した。ま
ず、直径12cm、厚さ0.585mmで表面にトラッ
キング用の溝を有するポリカーボネイト基板1上に、膜
厚約30nmの(ZnS)80(SiO220膜と膜厚約
4nmのAl40573膜と膜厚約1nmのCr4057
3膜からなるL0下部保護層2、膜厚約6nmのGe5
2Te8からなるL0記録膜3、膜厚約1nmのCr23
膜と膜厚約4nmのAl23膜と膜厚約125nmの
(ZnS)80(SiO220膜からなるL0上部保護層4
を順次形成した。積層膜の形成はマグネトロン・スパッ
タリング装置により行った。こうして第1のディスク部
材を得た。
【0029】他方、同様のスパッタリング方法により、
第1のディスク部材と異なる構成を持つ第2のディスク
部材を得た。第2のディスク部材は、ポリカーボネイト
保護基板12上に、膜厚約80nmのAg98Pd1Cu1
膜からなるL1反射層11上に膜厚約80nmの(Zn
S)80(SiO220膜と膜厚約5nmのCr23から
なるL1上部保護層10、膜厚約18nmのGe5Sb2
Te8からなるL1記録膜9、膜厚約5nmのCr40
573膜と膜厚約80nmの(ZnS)80(SiO220
膜からなるL1下部保護層8を順次形成したものであ
る。
【0030】その後、前記第1のディスク部材と第2の
ディスク部材をそれぞれのL0上部保護層4とL1下部
保護層8をスペーサー層7を介して貼り合わせ、図2に
示す情報記録媒体(ディスクB)を得た。
【0031】(初期結晶化)前記のようにして製作した
ディスクAとディスクBのL0記録膜3に、次のように
して初期結晶化を行った。なお、以下ではL0記録膜
3、L1記録膜9についてのみ説明するが、この他の多
層媒体の記録膜についても全く同様である。
【0032】媒体(ディスクA,ディスクB)を記録ト
ラック上の点の線速度が5m/sであるように回転さ
せ、波長約810nmの半導体レーザのレーザパワーを
300mWにしてL1の記録膜にフォーカスした後、レ
ーザパワーを700mWにして、基板1およびL0膜、
スペーサー層を通して記録膜9に媒体の半径方向に長い
長円形のスポット形状で照射した。スポットの移動は、
媒体の1回転につき媒体の半径方向のスポット長の1/
24ずつずらした。こうして、初期結晶化を行った。こ
の初期結晶化は1回でもよいが3回繰り返すと初期結晶
化によるノイズ上昇を少し低減できた。この初期結晶化
は高速で行える利点がある。
【0033】次ぎに波長約810nmの半導体レーザの
レーザパワーを300mWにしてレーザのフォーカス位
置を変えてL0の記録膜にフォーカスした後、レーザパ
ワーを700mWにして、基板1を通して記録膜3に媒
体の半径方向に長い長円形のスポット形状で照射した。
スポットの移動は、媒体の1回転につき媒体の半径方向
のスポット長の1/24ずつずらした。こうして、初期
結晶化を行った。この初期結晶化は1回でもよいが3回
繰り返すと初期結晶化によるノイズ上昇を少し低減でき
た。この初期結晶化は高速で行える利点がある。
【0034】初期化の順序はL1記録膜から行ってもL
0記録膜から行っても、また3層以上の多層情報記録媒
体においてはランダムに行っても良い。
【0035】(記録・消去・再生)前記のようにして製
作し、初期結晶化を行った媒体について、次ぎのように
記録・消去・再生特定の評価を行った。なお、以下では
L1の記録膜9についてのみ説明するが、L0の記録膜
3についても全く同様であり、また3層以上の多層情報
記録媒体においてのそれぞれの情報面の記録膜について
も同様である。
【0036】初期結晶化が完了した記録膜9の記録領域
にトラッキングと自動焦点合わせを行いながら、記録用
レーザ光のパワーを中間パワーレベルPe(3mW)と
高パワーレベルPh(7mW)との間で変化させて情報
の記録を行った。記録トラックの線速度は9m/s、半
導体レーザ波長は405nm、レンズの開口数(NA)
は0.65である。記録用レーザ光により記録領域に形
成される非晶質またはそれに近い部分が記録点となる。
この媒体の反射率は結晶状態の方が高く、記録され非晶
質状態になった領域の反射率が低くなっている。
【0037】記録用レーザ光の高レベルと中間レベルの
パワー比は1:0.3〜1:0.7の範囲が好ましい。
また、この他に短時間ずつ他のパワーレベルにしてもよ
い。図3に示したように、1つの記録マークの形成中に
ウインドウ幅の半分(Tw/2)ずつ中間パワーレベル
Peより低いボトムパワーレベルPbまでパワーを繰り
返し下げ、かつクーリングパワーレベルPcを記録パル
スの最後に持つ波形を生成する手段を持った装置で記録
・再生を行うと、再生信号波形のジッター値およびエラ
ーレートが低減した。クーリングパワーレベルPcは中
間パワーレベルPeより低く、ボトムパワーレベルPb
より高いか同じレベルである。この波形は、第1パルス
幅Tpが記録マークとそのマークの直前に設けられたス
ペースの長さの組み合わせによって変化する特徴とクー
リングパルス幅Tc(記録パルスの最後にPcレベルま
で下げる時間幅)が記録マークとそのマークの後続スペ
ース長の組み合わせにより決まる特徴を持つ。マーク直
前のスペース長が短く、マークが長いほどTpは短くな
り、マーク直前のスペース長が長く、マークが短いほど
Tpは長くなる。ただし、媒体の構造によっては6Tw
マークの記録用記録波形のTpを特に長くした場合、ジ
ッター低減効果が大きかった。また、後続のスペース長
が長く、マークが長いほど、Tcは短くなり、後続のス
ペース長が短く、マークが短いほど、Tcは長くなる。
【0038】図3には3Tw,4Tw,6Tw,11T
wの記録波形しか示していないが、5Twは6Twの記
録波形の一連の高いパワーレベルのパルス列のうち、T
w/2の高いパワーレベルPhと直後のTw/2のボト
ムパワーレベルPbをそれぞれ一つずつ削減したもので
ある。また、7Tw〜10Tw用記録波形は6Tw用記
録波形の最後尾の高いパワーレベルのパルスの直前に、
Tw/2の高いパワーレベルPhとTw/2のボトムパ
ワーレベルPbを、それぞれ1組ずつ追加したものであ
る。したがって、5組追加したものが11Twである。
【0039】ここでは、3Twに対応する最短記録マー
ク長を0.26μmとした。記録すべき部分を通り過ぎ
ると、レーザ光パワーを再生(読み出し)用レーザ光の
低パワーレベルPr(1mW)に下げるようにした。
【0040】このような記録方法では、既に情報が記録
されている部分に対して消去することなく、重ね書きに
よって新たな情報を記録すれば、新たな情報に書き換え
られる。すなわち、単一のほぼ円形の光スポットによる
オーバーライトが可能である。
【0041】しかし、書き換え時の最初のディスク1回
転または複数回転で、前記のパワー変調した記録用レー
ザ光の中間パワーレベル(3mW)またはそれに近いパ
ワーの連続光を照射して、記録されている情報を一たん
消去し、その後、次の1回転でボトムパワーレベル
(0.5mW)と高パワーレベル(7mW)の間で、ま
たは中間パワーレベル(3mW)と高パワーレベル(7
mW)との間で、情報信号に従ってパワー変調したレー
ザ光を照射して記録するようにしてもよい。このよう
に、情報を消去してから記録するようにすれば、前に書
かれていた情報の消え残りが少ない。従って、線速度を
2倍に上げた場合の書き換えも、容易になる。
【0042】(透明反射層の効果)本実施例記載の透明
反射層を持つ図1に記載の情報記録媒体(ディスクA)
および透明反射層を持たない図2に記載の従来の情報記
録媒体(ディスクB)のL0について比較した。初回記
録時の最短記録信号(3Tw)のC/N(搬送波対雑音
比)について比べたところ、ディスクAでは50dBの
C/Nがあったが、ディスクBではC/Nが小さく46
dBであった。ディスクAでC/Nが大きくなったの
は、透明反射層を設けることにより記録膜と透明反射層
との間での干渉を利用することが出来、信号振幅が大き
くなったためである。
【0043】(透明反射層の光学特性)透明反射層5の
光学特性依存性を測定した。光学特性を変化させた複数
の媒体を作成した。最短記録マーク3Twと3Tスペー
スの繰り返し信号を記録した際のC/Nを測定した。結
果を表1に示す。透明反射層の組成が変わると透明反射
層の消衰係数が変化し、反射層での吸収量が多くなるた
め、透過率一定とした時の反射率差が小さくなり、C/
N(dB)が低下した。った。これより、透明反射層の
消衰係数は、小さいことが好ましいことがわかる。実用
レベルでC/Nを確保するには48dB以上必要である
ため、透明反射層の消衰係数0.5以下であることが好
ましい。また、レーザの環境温度変動による劣化を考慮
した場合には、C/Nが49dB以上必要であるため、
透明反射層の消衰係数は0.3 以下であることがより
好ましい。また、透明反射層の反射率は5%以上50%
以下であることが望ましい。
【0044】
【表1】
【0045】次に透明反射層5の屈折率依存性を測定し
た。これを、表2に示す。透明反射層の屈折率nが変わ
ると上部保護層と透明反射層の光干渉量が変わるため、
透過率一定とした時の反射率差がかわる。ここで、反射
率差とは、媒体における、記録膜の結晶状態と非結晶状
態、つまり未記録状態と記録状態との反射率の差をい
う。
【0046】
【表2】
【0047】これより、透明反射層の屈折率は、実用レ
ベルの反射率差を確保するには4%以上必要であるた
め、透明反射層の屈折率2.2以下または2.5以上で
あることが好ましい。また、レーザの環境温度変動によ
る劣化を考慮した場合には、反射率差が5%以上必要で
あるため、透明反射層の屈折率は2.0 以下または
2.6以上であることがより好ましい。
【0048】さらに上部保護層の屈折率(2.35)と
の差が大きい方が好ましいことがわかる。上部保護層の
屈折率と透明反射層の屈折率の差が0.15以上である
ことが好ましい。また、レーザの環境温度変動による劣
化を考慮した場合には、上部保護層の屈折率と透明反射
層の屈折率の差が0.25以上であることがより好まし
い。
【0049】透明反射層膜厚及び上部保護層膜厚及び最
上部保護層膜厚は、反射率差が大きくとれるように決定
することがC/Nが大きくなり好ましい。この膜厚は上
部保護層が80〜160nmが好ましく、100〜14
0nmがより好ましい。透明反射層と最上部保護層膜厚
は、透明反射層と最上部保護層膜厚の合計が50〜13
0nmが好ましく、70〜110nmがより好ましい。
【0050】干渉を利用するためには、透明反射層膜厚
の最低膜厚は5nm以上にすることが好ましく、10n
m以上だとより好ましい。
【0051】透明反射層材料は、SiO2,SiO,T
iO2,Al23,Y23,CeO2,La23,In2
3,GeO,GeO2,PbO,SnO,SnO2,B
eO,Bi23,TeO2,WO2,WO3,Sc23
Ta25,ZrO2,Cu2O,MgOなどの酸化物、T
aN,AlN,BN,CrN,Si34,GeN,Al
−Si−N系材料(例えばAlSiN2)などの窒化物
が好ましい。これら化合物における元素比は、例えば酸
化物や硫化物における金属元素と酸素元素あるいは硫黄
元素の比は、Al23,Y23,La23は2:3、S
iO2,ZrO2,GeO2は1:2、Ta25は2:
5、ZnSは1:1という比をとるかその比に近いこと
が好ましいが、その比から外れていても同様の効果は得
られる。しかし、上記整数比から外れている場合、例え
ばAl−OはAlとOの比率がAl23からAl量で±
10原子%以下、Si−OはSiとOの比率がSiO2
からSi量で±10原子%以下等、金属元素量のずれが
10原子%以下が好ましい。10原子%以上ずれると、
光学特性が変化するため、変調度が10%以上低下し
た。
【0052】この他上記光学特性を持つ材料も使用可能
である。透明反射層材料中の不純物元素が5原子%を超
えると1万回以上の多数回オーバーライト時のジッター
上昇が5%以上になることがわかった。したがって、透
明反射層材料中の不純物元素が透明反射層成分の5原子
%以下が書き換え特性の劣化を少なく出来、好ましい。
2原子%以下であるとさらに好ましい。
【0053】(下部保護層)本実施例では、L1下部保
護層8を(ZnS)80(SiO220とCr40573
の2層構造としている。また、L0下部保護層2を(Z
nS)80(SiO220膜と膜厚約4nmのAl4057
3膜と膜厚約1nmのCr40573膜を積層した3層
構造としている。2層構造をとる下部保護層2、8の
(ZnS)80(SiO220に代わる材料としては、Z
nSとSiO2の混合比を変えたものが好ましい。ま
た、ZnS,Si−N系材料、Si−O−N系材料、S
iO2,SiO,TiO2,Al23,Y23,Ce
2,La23,In23,GeO,GeO2,PbO,
SnO,SnO2,BeO,Bi23,TeO2,W
2,WO3,Sc23,Ta25,ZrO2,Cu2O,
MgOなどの酸化物、TaN,AlN,BN,Si
34,GeN,Al−Si−N系材料(例えばAlSi
2)などの窒化物、ZnS,Sb23,CdS,In2
3,Ga23,GeS,SnS2,PbS,Bi23
どの硫化物、SnSe2,Sb2Se3,CdSe,Zn
Se,In2Se3,Ga2Se3,GeSe,GeS
2,SnSe,PbSe,Bi2Se3などのセレン化
物、CeF3,MgF2,CaF2などの弗化物、あるい
はSi,Ge,TiB2,B4C,B,C,または、上記
の材料に近い組成のものを用いてもよい。また、ZnS
−SiO2,ZnS−Al23など、これらの混合材料
の層やこれらの多重層でもよい。この中で、ZnSはス
パッタレートが大きく、ZnSが60mol%以上を占
めると成膜時間を短くできるため、これを60mol%
以上含む混合物の場合、ZnSのスパッタレートが大き
い点と酸化物や窒化物等の化学安定性の良い点が組み合
わされる。この他の硫化物、セレン化物でもZnSに近
い特性が得られた。
【0054】これら化合物における元素比は、例えば酸
化物や硫化物における金属元素と酸素元素あるいは硫黄
元素の比は、Al23,Y23,La23は2:3、S
iO2,ZrO2,GeO2は1:2、Ta25は2:
5、ZnSは1:1という比をとるかその比に近いこと
が好ましいが、その比から外れていても同様の効果は得
られる。しかし、上記整数比から外れている場合、例え
ばAl−OはAlとOの比率がAl23からAl量で±
10原子%以下、Si−OはSiとOの比率がSiO2
からSi量で±10原子%以下等、金属元素量のずれが
10原子%以下が好ましい。10原子%以上ずれると、
光学特性が変化するため、変調度が10%以上低下し
た。
【0055】上記材料は、下部保護層全原子数の90%
以上であることが好ましい。上記材料以外の不純物が1
0原子%以上になると、書き換え可能回数が1/2以下
になる等、書き換え特性の劣化が見られた。
【0056】本実施例で用いた下部保護層の消衰係数k
については0または0に近いことが好ましい。さらに、
下部保護層材料の80%以上の膜厚において消衰係数k
がk≦0.01であれば、コントラストの低下が2%以
下に抑制でき好ましい。
【0057】下部保護層を2層以上にし、記録膜側の下
部保護層材料をCr23またはCr40573すると、
多数回書き換え時に記録膜へZn,Sの拡散を抑制で
き、書き換え特性が良好であることがわかった。記録膜
側の下部保護層材料のCr23に代わる材料としては、
Cr23にSiO2,Ta25,Al23,ZrO2−Y
23を混合した混合物が好ましい。次いで、CoOまた
はGeO2,NiO、これらとCr23の混合物が好ま
しい。これら酸化物は消衰係数kが小さく、下部界面層
における吸収が非常に小さい。そのため、変調度が大き
く保てるという利点がある。
【0058】また、Cr23またはCr40573の一
部をAl23またはAl40573に変えると、記録膜
以外での吸収が減り透過率が大きくできるため、L0層
でC/Nが大きく出来てこのましい。Al23またはA
40573の代りにSiO2またはSi33634
ど、またこれらの窒素と酸素量の比が異なるものを用い
ても同様な特性が得られた。
【0059】また、AlN,BN,CrN,Cr2N,
GeN,HfN,Si34,Al−Si−N系材料(例
えばAlSiN2)、Si−N系材料、Si−O−N系
材料、TaN,TiN,ZrN,などの窒化物は保存寿
命が大きくなり、外界温度変化に強く、より好ましい。
窒素が含まれた記録膜組成またはそれに近い組成の材料
でも接着力が向上する。
【0060】その他、BeO,Bi23,CeO2,C
2O,CuO,CdO,Dy23,FeO,Fe
23,Fe34,GeO,GeO2,HfO2,In
23,La23,MgO,MnO,MoO2,MoO3
NbO,NbO2,PbO,PdO,SnO,SnO2
Sc23,SrO,ThO2,TiO2,Ti23,Ti
O,TeO2,VO,V23,VO2,WO2,WO3など
の酸化物、C,Cr32,Cr236,Cr73,Fe3
C,Mo2C,WC,W2C,HfC,TaC,CaC2
などの炭化物または、上記の材料に近い組成のものを用
いてもよいし、これらの混合材料でもよい。
【0061】下部保護層の記録膜側に酸化物または窒化
物の層を設けた場合は、Zn,S等の記録膜中への拡散
が防止でき、消え残りが増加するのを抑制できる。さら
に、記録感度を低下させないためには、25nm以下と
することが好ましく、10nm以下ではより好ましかっ
た。均一な膜形成ができるのは約2nm以上であり、5
nm以上がさらに良好であった。これより、記録膜側の
下部保護層膜厚を2〜25nmとすると記録・再生特性
がより良くなり、好ましい。未満の場合、再結晶化のた
めにC/Nが低下した。また、下部保護層膜厚が10n
m未満の場合、記録膜の保護効果がなくなるため、書き
換え可能回数が1桁以上低下した。下部保護層と記載し
たものは、L0下部保護層、L1下部保護層、さらに多
層情報記録媒体の下部保護層を意味する。
【0062】(記録膜)本実施例では、記録膜3、記録
膜9をGe5Sb2Te8により形成している。本記録膜
の再生波長における屈折率は、結晶状態が2.0、非晶
質状態が2.6と、結晶状態の方が小さい。
【0063】Ge5Sb2Te8に代わる記録膜3,9の
材料としては、Ag3Ge30Sb14Te53,Cr3Ge32
Sb13Te52等、Ag−Ge−Sb−Te系、Cr−G
e−Sb−Te系材料で組成比の異なるものが変調度が
大きくなり好ましい。記録膜3および/または記録膜9
中のAg量やCr量が多いと短波長での反射率変化が大
きくなるが、結晶化速度は遅くなる。従って、添加され
るAg量またはCr量が2原子%以上、10原子%以下
が好ましい。しかし、Agの添加されていないGe−S
b−Te系材料でもオーバーライトは可能である。Ag
の代わりに記録膜3,9へ添加する元素としては、C
r,W,Mo,Pt,Co,Ni,Pd,Si,Au,
Cu,V,Mn,Fe,Ti,Biのいずれかのうちの
少なくとも一つで置き換えても、オーバーライト特性が
良好であることがわかった。これらの記録膜3,9材料
は全て、再生波長における屈折率は結晶状態の方が非晶
質状態より小さい。
【0064】本実施例で記録膜9の膜厚を変化させ、1
0回書き換え後および10万回書き換え後のジッター
(σ/Tw)を測定したところ、表3のようになった。
記録膜9の膜厚(nm)に対し、10回書き換え後につ
いては前エッジまたは後エッジのジッターの悪い方の値
(%)を、1万回書き換え後については前エッジのジッ
ター値(%)を示した。
【0065】
【表3】
【0066】これより、記録膜9の膜厚を薄くすると記
録膜流動や偏析による、10回書き換え後のジッターが
増加し、また厚くすると、1万回書き換え後のジッター
が増加することがわかった。これより、記録膜9の膜厚
は4nm以上、25nm以下がジッターを20%以下に
でき好ましく、5nm以上、20nm以下であればジッ
ターを15%以下に出来より好ましい。
【0067】記録膜3の膜厚および、1〜N−1情報面
(レイヤー)における記録膜膜厚については、前記情報
面の記録膜膜厚が 情報面1≦情報面2≦…≦情報面N−1≦情報面N の関係にあると各情報面において記録・再生可能となる
ため好ましい。さらに、光入射側の基板より1からN−
1番めの情報面用記録膜の合計膜厚が10nm以下であ
ると、N番めの情報面のC/Nが48dB以上と大きく
でき好ましい。上記合計膜厚が8nm以下になるとN番
めの情報面のC/Nが49dB以上と大きくできより好
ましい。
【0068】(上部保護層)本実施例では、上部保護層
10をZnS−SiO2とCr4060により形成した。
また、L0上部保護層4を(ZnS)80(SiO220
膜と膜厚約4nmのAl4060膜と膜厚約1nmのCr
4060膜を積層した3層構造としている。
【0069】ZnS−SiO2に代わる上部保護層の材
料としては、Si−N系材料、Si−O−N系材料、Z
nS,SiO2,SiO,TiO2,Al23,Y23
CeO2,La23,In23,GeO,GeO2,Pb
O,SnO,SnO2,BeO,Bi23,TeO2,W
2,WO3,Sc23,Ta25,ZrO2,Cu2O,
MgOなどの酸化物、TaN,AlN,BN,Si
34,GeN,Al−Si−N系材料(例えばAlSi
2)などの窒化物、ZnS,Sb23,CdS,In2
3,Ga23,GeS,SnS2,PbS,Bi23
どの硫化物、SnSe2,Sb2Se3,CdSe,Zn
Se,In2Se3,Ga2Se3,GeSe,GeS
2,SnSe,PbSe,Bi2Se3などのセレン化
物、CeF3,MgF2,CaF2などの弗化物、あるい
はSi,Ge,TiB2,B4C,B,Cまたは、上記の
材料に近い組成のものを用いてもよい。また、ZnS−
SiO2,ZnS−Al23などこれらの混合材料の層
やこれらの多重層でもよい。消衰係数は0または0に近
いことが好ましい。
【0070】これら化合物における元素比は、例えば酸
化物あるいは硫化物における金属元素と酸素元素あるい
は硫黄元素の比は、Al23,Y23,La23は2:
3、SiO2,ZrO2,GeO2は1:2、Ta25
2:5、ZnSは1:1という比をとるかその比に近い
ことが好ましいが、その比から外れていても同様の効果
は得られる。上記整数比から外れている場合、例えばA
l−OはAlとOの比率がAl23からAl量で±10
原子%以下、Si−OはSiとOの比率がSiO2から
Si量で±10原子%以下等、金属元素量のずれが10
原子%以下が好ましい。10原子%以上ずれると、光学
特性が変化するため、変調度が10%以上低下した。
【0071】上記材料は、上部保護層全原子数の90%
以上であることが好ましい。上記材料以外の不純物が1
0原子%以上になると、書き換え可能回数が1/2以下
になる等、書き換え特性の劣化が見られた。
【0072】上部保護層を2層以上にし、記録膜側の上
部保護層材料をCr23にすると、多数回書き換え時に
記録膜へZn,Sの拡散を抑制でき、書き換え特性が良
好になることがわかった。
【0073】さらにその一部をAl23,またはSiO
2に変えるとコントラストが大きく出来て好ましいこと
がわかった。
【0074】上部保護層と記載したものは、L0上部保
護層、L1上部保護層、さらに多層情報記録媒体の上部
保護層を意味する。
【0075】(反射層)本実施例では反射層11にAg
98Pd1Cu1膜を用いた。他の反射層の材料としては、
Ag−Pt,Ag−Au等、Ag合金を主成分とするも
のが好ましい。Agも使用可能である。Ag合金中のA
g以外の元素の含有量を0.5原子%以上4原子%以下
の範囲にすると、多数回書き換え時の特性およびビット
エラーレートが良好になり、1原子%以上2原子%以下
の範囲ではより良好になることがわかった。
【0076】また、Zn98Pd2膜、Zn98Pt2膜、Z
98Cu2膜、Zn98Ni2膜、Zn−Pd膜、Zn−P
t膜、Zn−Cu膜、Zn−Ni膜は、Ag系材料に比
べコストが安いという利点がある。Znも使用可能であ
る。Zn合金中のZn以外の元素の含有量は0.5原子
%以上4原子%以下の範囲にすると、多数回書き換え時
の特性およびビットエラーレートが良好になり、1原子
%以上2原子%以下の範囲ではより良好になることがわ
かった。
【0077】次いで、Au,Al,Cu,Ni,Fe,
Co,Cr,Ti,Pd,Pt,W,Ta,Mo,S
b,Bi,Dy,Cd,Mn,Mg,Vの元素単体、ま
たはAu合金、上記以外のAg合金、Cu合金、Pd合
金、Pt合金などこれらを主成分とする合金、あるいは
これら同志の合金よりなる層を用いてもよい。このよう
に、反射層は、金属元素、半金属元素、これらの合金、
混合物からなる。
【0078】この中で、Ag,Al,Al合金、Ag合
金、等のように、反射率が大きいものは、コントラスト
比が大きくなり書き換え特性が良好である。単体より合
金の方が接着力が大きくなる。この場合の主成分となる
Al,Ag等以外の元素の含有量はAg合金同様に、
0.5原子%以上5原子%以下の範囲にすると、コント
ラスト比が大きく、また接着力も大きくでき良好であっ
た。1原子%以上2原子%以下の範囲ではより良くなっ
た。波長400nm付近における反射率を比較するとA
gまたはAg合金は約95%、Al,Al合金は約92
%と、Ag系の方が大きいが、材料コストも大きい。こ
れらに次ぐ材料としては、Zn,Zn合金が約89%、
Pt,Pt合金が約65%と短波長における反射率が大
きく、コントラストを大きく出来た。
【0079】上記材料は、反射層全原子数の95%以上
であることが好ましい。上記材料以外の不純物が5原子
%以上になると、書き換え可能回数が1/2以下になる
等、書き換え特性の劣化が見られた。
【0080】反射層膜厚が20nmより薄い場合、強度
が弱く、熱拡散が小さく記録膜流動が起きやすいため、
1万回書き換え後のジッターが15%より大きくなる。
30nmでは15%まで低下できる。また、反射層膜厚
が200nmより厚い場合、それぞれの反射層を作製す
る時間が長くなり、2工程以上に分ける、またはスパッ
タリング用の真空室を2室以上設ける等、形成時間が倍
増した。また、反射層の膜厚が5nm以下だと島状に成
膜され、ノイズが大きくなった。これより、反射層の膜
厚はノイズ及びジッター、形成時間より、5nm以上、
200nm以下が好ましい。
【0081】(基板)本実施例では、表面に直接、トラ
ッキング用の溝を有するポリカーボネート基板1を用い
ているが、それに代えてポリオレフィン、エポキシ、ア
クリル樹脂、紫外線硬化樹脂層を表面に形成した化学強
化ガラスなどを用いてもよい。強化ガラスの代わりに石
英やCaFを用いてもよい。
【0082】また、トラッキング用の溝を有する基板と
は、基板表面全てまたは一部に、記録・再生波長をλと
したとき、λ/12n′(n′は基板材料の屈折率)以
上の深さの溝を持つ基板である。溝は一周で連続的に形
成されていても、途中分割されていてもよい。溝深さが
約λ/6n′の時、クロストークが小さくなり好ましい
ことが分かった。さらに溝深さが約λ/3n′より深い
時、基板形成時の歩留まりは悪くなるが、クロスイレー
スが小さくなり好ましいことが分かった。
【0083】また、その溝幅は場所により異なっていて
もよい。溝部の存在しない、サンプルサーボフォーマッ
トの基板、他のトラッキング方式、その他のフォーマッ
トによる基板等でも良い。溝部とランド部の両方に記録
・再生が行えるフォーマットを有する基板でも、どちら
か一方に記録を行うフォーマットの基板でも良い。トラ
ックピッチの大きさが小さいと隣のトラックからの信号
の漏れが検出されノイズとなるため、トラックピッチは
スポット径(光強度が1/e2となる領域)の1/2以
上であることが好ましい。
【0084】ディスクサイズも直径12cmに限らず、
13cm、8cm、3.5インチ、2.5インチ等、他
のサイズでも良い。ディスク厚さも0.6mmに限ら
ず、1.2mm、0.8mm、0.4mm、0.1mm
等、他の厚さでも良い。
【0085】本実施例では、スペーサ層を介して貼り合
わせているが、第2のディスク部材の代わりに別の構成
のディスク部材、または保護用の基板などを用いてもよ
い。貼り合わせに用いるディスク部材または保護用の基
板の図5のように保護基板側から形成して、最後に光入
射側の基板1を形成するか、貼り合わせしてもよい。ま
たこうして作製した2まいのディスクを貼り合わせて両
面ディスクとしてもよい。紫外線波長領域における透過
率が大きい場合、紫外線硬化樹脂によって貼り合わせを
行うこともできる。その他の方法で貼り合わせを行って
もよい。また、第1および第2のディスク部材を貼り合
わせる前に第1および第2のディスク部材の最上層上に
紫外線硬化樹脂を厚さ約10μm塗布し、硬化後に貼り
合わせを行うと、エラーレートをより低減できる。
【0086】(各層の膜厚、材料)各層の膜厚、材料に
ついてはそれぞれ単独の好ましい範囲をとるだけでも記
録・再生特性等が向上するが、それぞれの好ましい範囲
を組み合わせることにより、さらに効果が上がる。
【0087】〔実施例2〕 (情報記録媒体の構成、製法)図1の模式図に示した断
面構造を有し、膜厚のみを相違させ、他は全て同じ条件
とした情報記録媒体を製作した。この媒体は次のように
して製作した。まず、直径12cm、厚さ0.6mmで
表面にトラッキング用の溝を有するポリカーボネイト基
板1上に、膜厚約30nmの(ZnS)80(SiO2
20膜と膜厚約4nmのAl40573膜と膜厚約1nm
のCr40573膜からなるL0下部保護層2、膜厚約6
nmのGe5Sb2Te8からなるL0記録膜3、膜厚約1
nmのCr23膜と膜厚約4nmのAl23膜と膜厚約
125nmの(ZnS)80(SiO220膜からなるL0
上部保護層4、膜厚約35nmの(Al23)膜よりな
るL0透明反射層5、膜厚約50nmの(ZnS)80(S
iO220膜からなるL0最上部保護層6を順次形成し
た。積層膜の形成はマグネトロン・スパッタリング装置
により行った。こうして第1のディスク部材を得た。
【0088】他方、同様のスパッタリング方法により、
第1のディスク部材と異なる構成を持つ第2のディスク
部材を得た。第2のディスク部材は、ポリカーボネイト
保護基板12上に、膜厚約80nmのAg98Pd1Cu1
膜からなるL1反射層11上に膜厚約120nmの(Z
nS)80(SiO220膜と膜厚約5nmのCr23
らなるL1上部保護層10、膜厚約10nmのGe5
2Te8からなるL1記録膜9、膜厚約5nmのCr40
573膜と膜厚約95nmの(ZnS)80(SiO2
20膜からなるL1下部保護層8を順次形成したものであ
る。
【0089】その後、前記第1のディスク部材と第2の
ディスク部材をそれぞれのL0最上部保護層6とL1下
部保護層8をスペーサ層7を介して貼り合わせ、図1に
示す2層情報記録媒体(ディスクA)を得た。
【0090】各情報面は光入射側の構成膜(L0下部保
護層2からL0最上部保護層6まで)をL0、光から遠
い方の構成膜(L1下部保護層8からL1反射層11ま
で)をL1とした。
【0091】これより、L1ディスクの反射率は、結晶
状態の反射率が非晶質状態の反射率より低くなった。ま
た下部保護層、記録膜、上部保護層の膜厚を変えると記
録膜の吸収率比Ac/Aa(Acは結晶状態の記録膜に
おける吸収、Aaは非晶質状態の記録膜における吸収)
を1.3倍に大きく出来実施例1に記載の多層情報記録
媒体のL1に比べ、本実施例のL1はオーバーライト時
のジッターを5%以上小さくできることがわかった。
【0092】L1下部保護層8膜厚の好ましい範囲は7
0nm〜140nm,より好ましい範囲は80nm〜1
30nmである。L1上部保護層10膜厚の好ましい範
囲は95nm〜155nm,より好ましい範囲は105
nm〜145nmである。L1記録膜9膜厚の好ましい
範囲は実施例1に記載の通りである。
【0093】〔実施例3〕 (本発明の情報記録媒体の構成、製法)図4は、本発明
の多層ディスク状情報記録媒体の断面構造を示す模式図
である。2層以上の媒体はこのようにして製作した。一
例として3層媒体を示す。
【0094】まず、直径12cm、厚さ0.6mmで表
面にトラッキング用の溝を有するポリカーボネイト保護
基板30上に、膜厚約80nmのAg98Pd1Cu1膜か
らなるL2反射層29上に膜厚約80nmの(ZnS)
80(SiO220膜と膜厚約5nmのCr23からなる
L2上部保護層28、膜厚約18nmのGe5Sb2Te
8からなるL2記録膜27、膜厚約5nmのCr4057
3膜と膜厚約80nmの(ZnS)80(SiO220
からなるL2下部保護層26を順次形成したものであ
る。
【0095】その後、紫外線硬化樹脂を用いてトラッキ
ング用の溝をスタンパから転写するフォトポリメリゼー
ション法(2P法)によって表面にトラッキング用の溝
を有するL1−L2間スペーサ層25を形成した。 こ
の上に、L1を形成した。L1−L2間スペーサ層25
上に、膜厚約50nmの(ZnS)80(SiO220
からなるL1最上部保護層24、膜厚約35nmの(A
23)膜よりなるL1透明反射層23、膜厚約120
nmの(ZnS)80(SiO220膜と膜厚約4nmの
Al23膜と膜厚約1nmのCr23膜からなるL1上
部保護層22、膜厚約5nmのGe5Sb2Te8からな
るL1記録膜21、膜厚約1nmのCr40573膜と膜
厚約4nmのAl40573膜と膜厚約125nmの
(ZnS)80(SiO220膜からなるL1下部保護層2
0、を順次形成した。
【0096】次に先ほどと同様の2P法によりL0−L
1間スペーサ層19を形成した。
【0097】L0−L1間スペーサ層19上に膜厚約5
0nmの(ZnS)80(SiO220膜からなるL0最上
部保護層18、膜厚約35nmの(Al23)膜よりな
るL0透明反射層17、膜厚約120nmの(ZnS)80
(SiO220膜と膜厚約4nmのAl23膜と膜厚約
1nmのCr23膜からなるL0上部保護層16、膜厚約
4nmのGe5Sb2Te8からなるL0記録膜3、膜厚約
1nmのCr4057膜と膜厚約4nmのAl40
573膜と膜厚約125nmの(ZnS)80(SiO2
20膜からなるL0下部保護層15、膜厚約25nmの(Z
nS)80(SiO220膜からなるL0最上部保護層14
を順次形成した。最後に基板13を貼り併せた。積層膜
の形成はマグネトロン・スパッタリング装置により行っ
た。こうして多層ディスク部材を得た。初期化及び、記
録・再生方法は実施例1と同様である。このように、片
側3層以上にして記録・再生することが可能である。
【0098】〔実施例4〕 (情報記録媒体の構成、製法)実施例1の情報記録媒体
の基板1の板厚0.575〜0.596mmの範囲で板
厚のみ変えた多層情報記録媒体を作製した。(ディスク
E1〜E8) (基板板厚依存性)本実施例の情報記録媒体(ディスク
E1〜E8)の各レイヤーに3Twの記録信号を記録
し、S/N比(シグナル対ノイズ比)を測定した。この
結果を表4に示す。
【0099】
【表4】
【0100】このように、基板の板厚が厚すぎるとフォ
ーカスがずれるためL1のS/Nが下がり、板厚が薄す
ぎるとフォーカスがずれL0のS/Nが下がる。したが
って、NA0.65の光学系で記録・再生した場合、エ
ラーせずに信号が再生できるため多層情報記録媒体の基
板厚は0.578mm以上0.592以下が好ましいこ
とがわかった。さらに環境温度の変動にも適用できるレ
ベルで再生できることから、基板厚さが0.58mm以
上0.59mm以下がより好ましい。また、レーザ波長
が660nmより短いため、板厚許容量が小さくなって
いる。従って、最大厚さと最小厚さの差が0.014m
m以下であることが好ましく、0.01mm以下である
ことがより好ましい。
【0101】本実施例に記載されていない事項について
は、実施例1〜3、実施例5と同様である。
【0102】〔実施例5〕 (情報記録媒体の構成、製法)実施例1の情報記録媒体
のスペーサ層7の厚さを10〜31μmの範囲でスペー
サ層厚のみ変えた多層情報記録媒体を作製した。(ディ
スクF1〜F8) (基板板厚依存性)本実施例の情報記録媒体(ディスク
F1〜F8)の各レイヤーに3Twの記録信号を記録
し、S/N比(シグナル対ノイズ比)を測定した。この
結果を表5に示す。
【0103】
【表5】
【0104】このように、スペーサ層厚が厚すぎるとフ
ォーカスがずれるためL1のS/Nが下がり、スペーサ
層厚が薄すぎるとフォーカスがずれL0のS/Nが下が
る。したがって、NA0.65の光学系で記録・再生し
た場合、エラーせずに信号が再生できるため多層情報記
録媒体のスペーサ層厚は13μm以上27μm以下が好
ましいことがわかった。さらに環境温度の変動にも適用
できるレベルで再生できることから、スペーサ層厚は1
5μm以上25μm以下がより好ましい。また、レーザ
波長が660nmより短いため、スペーサ層厚許容量が
小さくなっている。従って、最大厚さと最小厚さの差が
14μm以下であることが好ましく、10μm以下であ
ることがより好ましい。
【0105】本実施例に記載されていない事項について
は、実施例1〜4と同様である。
【0106】〔実施例6〕 (情報記録媒体の構成、製法)実施例1の情報記録媒体
の基板1の板厚を0.094mm、スペーサ層7の厚さ
を9μmに変えた多層情報記録媒体を作製した。本媒体
の作製方法は、実施例3に記載したように保護基板側か
らL1膜を積層し、次にスペーサ層を2P法にて作製し
た後、L0膜を積層、基板1を形成した。基板1の形成
方法は、スピンコート、2P法のいずれか1つ、これら
の組み合わせ、また別の方法でもよい。板厚が実施例7
の範囲にあることと好ましい。板厚がずれた場合はS/
Nが悪くなるが、記録・再生は可能であった。
【0107】本実施例に記載されていない事項について
は、実施例1〜3、7〜8と同様である。
【0108】〔実施例7〕 (情報記録媒体の構成、製法)実施例1の情報記録媒体
の基板1の板厚を0.091〜0.097mmの範囲で
板厚のみ変えた多層情報記録媒体を作製した。(ディス
クH1〜H8)(基板板厚依存性) 本実施例の情報記録媒体(ディスクH1〜H8)の各レ
イヤーに3Twの記録信号を記録し、S/N比(シグナ
ル対ノイズ比)を測定した。この結果を表6に示す。
【0109】
【表6】
【0110】このように、基板の板厚が厚すぎるとフォ
ーカスがずれるためL1のS/Nが下がり、板厚が薄す
ぎるとフォーカスがずれL0のS/Nが下がる。したが
って、NA0.85の光学系で記録・再生した場合、エ
ラーせずに信号が再生できるため多層情報記録媒体の基
板厚は0.091mm以上0.097mm以下が好まし
いことがわかった。さらに環境温度の変動にも適用でき
るレベルで再生できることから、基板厚さが0.092
mm以上0.096mm以下がより好ましい。また、レ
ーザ波長が660nmより短いため、板厚許容量が小さ
くなっている。従って、最大厚さと最小厚さの差が0.
006mm以下であることが好ましく、0.004mm
以下であることがより好ましい。
【0111】本実施例に記載されていない事項について
は、実施例1〜3、実施例6、8と同様である。
【0112】〔実施例8〕 (情報記録媒体の構成、製法)実施例6の情報記録媒体
のスペーサ層7の厚さを7〜13μmの範囲でスペーサ
層厚のみ変えた多層情報記録媒体を作製した。(ディス
クJ1〜J8) (基板板厚依存性)本実施例の情報記録媒体(ディスク
J1〜J8)の各レイヤーに3Twの記録信号を記録
し、S/N比(シグナル対ノイズ比)を測定した。この
結果を表7に示す。
【0113】
【表7】
【0114】このように、スペーサ層厚が厚すぎるとフ
ォーカスがずれるためL1のS/Nが下がり、スペーサ
層厚が薄すぎるとフォーカスがずれL0のS/Nが下が
る。したがって、NA0.85の光学系で記録・再生し
た場合、エラーせずに信号が再生できるため多層情報記
録媒体のスペーサ層厚は7μm以上13μm以下が好ま
しいことがわかった。さらに環境温度の変動にも適用で
きるレベルで再生できることから、スペーサ層厚は8μ
m以上12μm以下がより好ましい。また、レーザ波長
が660nmより短いため、スペーサ層厚許容量が小さ
くなっている。従って、最大厚さと最小厚さの差が6μ
m以下であることが好ましく、4μm以下であることが
より好ましい。
【0115】本実施例に記載されていない事項について
は、実施例1〜3、6〜7と同様である。
【0116】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると良
好な記録・再生特性を有する情報記録媒体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による情報記録媒体の一例の断面模式
図。
【図2】従来構造の情報記録媒体の断面模式図。
【図3】本発明の情報記録媒体の記録・再生特性評価に
用いた記録波形を示す図。
【図4】本発明による情報記録媒体の他の例を示す断面
模式図。
【図5】本発明による情報記録媒体の他の例を示す断面
模式図。
【符号の説明】
1,1′…基板、2,2′…下部保護層、3,3′…記
録膜、4,4′…上部保護層、5,5′…冷却制御層、
6,6′…反射層、7…貼り合わせ樹脂、8,8′…コ
ントラスト拡大層、14…基板、T…ウインド幅(T
w)、Pc…クーリングパルスパワーレベル、Pe…中
間パワーレベル、Ph…高パワーレベル、Pp…プリヒ
ートパワーレベル、P1…パワーが0のレベル、Tc…
クーリングパルス幅、Tp…第1パルス幅。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新谷 俊通 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 安藤 圭吉 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 安齋 由美子 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 寺尾 元康 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 田村 礼仁 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 5D029 JB05 JB06 JB35 JC02 JC04 KB14 MA15 MA16 MA17

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光が入射する順に、第1の基板と、第1の
    記録膜と、スペーサー層と、第2の記録膜と、第2の基
    板を有する情報記録媒体であって、前記第1の記録膜と
    前記スペーサー層との間には、第1の反射層が設けら
    れ、前記第2の記録膜と前記第2の基板との間には、第
    2の反射層が設けられ、前記第1の反射層の光透過率
    は、前記第2の反射層の光透過率よりも大きいことを特
    徴とする情報記録媒体。
  2. 【請求項2】前記透明反射層は酸化物または窒化物から
    なることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
  3. 【請求項3】前記透明反射層は、複数層であることを特
    徴とする請求項1または2に記載の情報記録媒体。
  4. 【請求項4】基板と、光の照射によって生じる原子配列
    変化により情報が記録されるN層の記録膜の情報面と
    (Nは2以上の整数)、N−1個のスペーサ層とを有
    し、光入射側の情報面から情報面を数え、前記情報面の
    透過率が 情報面1>情報面2……情報面N−1>情報面N の関係にあることを特徴とする情報記録媒体。
  5. 【請求項5】請求項4記載の情報記録媒体において、N
    =2のとき情報面1の透過率が50%以上であることを
    特徴とする情報記録媒体。
  6. 【請求項6】請求項4記載の情報記録媒体において、前
    記情報面1〜情報面N−1の反射率が 非晶質状態の反射率≧結晶状態の反射率 の関係にあることを特徴とする情報記録媒体。
  7. 【請求項7】請求項4から6のいずれか1つに記載の情
    報記録媒体において、前記基板の厚さが0.578mm
    以上0.592mm以下、かつ前記スペーサ層の厚さが
    13μm以上27μm以下であることを特徴とする情報
    記録媒体。
  8. 【請求項8】請求項4から6のいずれか1つに記載の情
    報記録媒体において、前記基板の最大厚さと最小厚さの
    差が0.014mm以下、かつ前記スペーサ層の最大厚
    さと最小厚さの差が14μm以下であることを特徴とす
    る情報記録媒体。
  9. 【請求項9】請求項4から6のいずれか1つに記載の情
    報記録媒体において、前記基板の厚さが0.091mm
    以上0.097mm以下、かつ前記スペーサ層の厚さが
    7μm以上13μm以下であることを特徴とする情報記
    録媒体。
  10. 【請求項10】請求項4から6のいずれか1つに記載の
    情報記録媒体において、前記基板の最大厚さと最小厚さ
    の差が厚さが0.006mm以下、かつ前記スペーサ層
    の最大厚さと最小厚さの差が厚さが6μm以下であるこ
    とを特徴とする情報記録媒体。
  11. 【請求項11】請求項4から6のいずれか1つに記載の
    情報記録媒体において、前記情報面の記録膜膜厚が、情
    報面1≦情報面2≦…≦情報面N−1≦情報面Nの関係
    にあることを特徴とする情報記録媒体。
  12. 【請求項12】請求項4から6のいずれか1つに記載の
    情報記録媒体において、基板より1からN−1番めの情
    報面用記録膜の合計膜厚が10nm以下であることを特
    徴とする情報記録媒体。
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