JP2002071880A - 原子力発電プラント - Google Patents

原子力発電プラント

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JP2002071880A
JP2002071880A JP2000262426A JP2000262426A JP2002071880A JP 2002071880 A JP2002071880 A JP 2002071880A JP 2000262426 A JP2000262426 A JP 2000262426A JP 2000262426 A JP2000262426 A JP 2000262426A JP 2002071880 A JP2002071880 A JP 2002071880A
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water
reactor
condensate
nuclear power
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Kentaro Hirabayashi
健太郎 平林
Yoshihiro Shiozawa
義博 塩沢
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Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原子力発電プラントの復水脱塩装置のイオン
交換樹脂が、過酸化水素により、脱塩性能低下を起こす
ことを防止する。 【解決手段】 復水器4と復水脱塩装置15の間に過酸
化水素分解装置を設けるのではなく、過酸化水素の発生
源から排出される炉水あるいはプール水を復水器4、ま
たは復水貯蔵タンク(槽)40へ移送する移送管路27
aに過酸化水素分解装置50を設け、かつ、設置する過
酸化水素分解装置を、紫外線を用いて過酸化水素を分解
するもの、もしくは金属触媒を用いて過酸化水素を分解
するものとして、復水器4、または復水貯蔵タンク
(槽)40へ流入する前に過酸化水素を分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電所の復
水中のイオン成分を除去浄化する復水脱塩装置に装荷さ
れているイオン交換樹脂の酸化劣化防止に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所では、原子炉で蒸気を生成
し、この蒸気でタービンを回して発電機を駆動する。タ
ービンを回した後の蒸気は、復水器で凝縮液化されて復
水となり、復水浄化装置で浄化されたあと、給水として
再び原子炉へ戻される。復水器の下流に設置された復水
浄化装置の復水脱塩装置では、イオン交換樹脂(カチオ
ン樹脂とアニオン樹脂)により復水中の陽イオン、陰イ
オンを除去し、原子炉へ供給される給水の水質を規定さ
れた水質に維持している。復水脱塩装置の前記イオン交
換樹脂は、復水中に酸化剤が含まれていると、カチオン
樹脂の酸化劣化を生じる。この酸化劣化に伴って樹脂か
ら溶出した全有機炭素(TOC)によりアニオン樹脂の
脱塩性能低下を起こすため、復水脱塩装置への酸化剤の
流入を抑える必要がある。
【0003】復水中に含まれる酸化剤としては、水の放
射線分解により生成される過酸化水素が考えられ、燃料
プール冷却浄化系(FPC系)から排出される原子炉ウ
ェル水、原子炉冷却材浄化系(CUW系)から排出され
る炉水等に含まれる過酸化水素が要因として考えられ
る。この過酸化水素が、CUW系、FPC系等の原子炉
と接続している系統から排出され、復水器、復水貯蔵設
備を経由し復水補給水系統から復水脱塩装置へ入り、脱
塩塔内のイオン交換樹脂を酸化劣化させる。
【0004】この酸化劣化による樹脂劣化を防止する技
術として特開平8−5779号公報記載の復水浄化系の
イオン交換樹脂劣化防止装置があり、復水器下流にバイ
パスラインを設け、そのバイパスラインに過酸化水素分
解装置を設ける技術がある。
【0005】しかし、復水脱塩装置への復水の流入経路
は、復水器からだけでなく復水貯蔵設備を水源とする復
水補給水系からの流入もあるため、上記技術では過酸化
水素の復水脱塩装置への流入を完全には抑えられないこ
とと、通常原子力発電所の起動時の復水流量は、800
t/h〜1500t/hであり、起動時には復水流量全
量を過酸化水素分解装置により処理するため、前記バイ
パスラインの過酸化水素分解装置は、800t/h〜1
500t/hを処理する大容量の設備が必要であるとい
う問題があった。
【0006】また、他の技術として、特開2000−2
787号公報記載の「過酸化水素分解装置」があり、こ
れは強塩基性のイオン交換樹脂塔を接続し、装荷されて
いる強塩基性イオン樹脂のアルカリ性により過酸化水素
の分解を行うものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開2000−2787号公報記載の技術では、陰イオン
交換樹脂が酸化劣化を受けることにより、陰イオン交換
樹脂から陽イオン系有機不純物が溶出する。この陽イオ
ン系不純物が分解すると、硝酸イオン(NO )が生
成されるため、原子炉構成材料への影響が懸念される。
また、この陽イオン系不純物除去のために陽イオン交換
樹脂塔を設けることもできるが、この場合には100%
過酸化水素が分解しないことによる残留過酸化水素によ
る陽イオン交換樹脂の酸化劣化による有機不純物の溶出
が考えられ、この陽イオン交換樹脂からの溶出有機不純
物は、分解すると硫酸イオンが生成されるため材料への
影響が懸念される。
【0008】本発明の目的は、原子炉での放射性分解に
よる過酸化水素が、復水脱塩装置のイオン交換樹脂(カ
チオン樹脂)を酸化劣化させ、この酸化劣化に伴う樹脂
からの溶出TOCによりアニオン樹脂の脱塩性能低下を
起こすことを防止することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】従来技術では、復水器下
流にバイパスラインを設けそこに過酸化水素分解装置を
設ける技術があるが、前述の通り復水脱塩装置への過酸
化水素の流入を完全に抑えることができないので、樹脂
劣化の可能性があることと、装置自体が大きくなる問
題、生成物による材料への影響について問題があった。
【0010】本発明は、上記目的を達成する手段とし
て、過酸化水素の発生源から炉水が復水器、または復水
貯蔵設備へ排出される移送管路に過酸化水素分解装置を
設け、復水器、または復水貯蔵設備へ流入する前に過酸
化水素を分解し、かつ過酸化水素分解装置自体から生成
される不純物による材料への影響が生じないように、不
純物の発生がない過酸化水素分解装置を用いるものであ
る。
【0011】前述したように、過酸化水素は水の放射線
分解により発生し、発生源は原子炉および燃料プール、
原子炉ウェルである。発明者等は、これらの発生源から
復水器、または復水貯蔵設備に炉水あるいはプール水を
移送する管路に過酸化水素分解装置を設けた。これによ
り復水脱塩装置の樹脂の劣化要因となる過酸化水素を含
む復水貯蔵設備の水が復水脱塩装置に導入されるまえ
に、過酸化水素を処理することが可能となり、復水脱塩
装置のイオン交換樹脂の劣化を防止することが出来る。
また、移送される水量が系統容量以下である、復水器ま
たは復水貯蔵設備に炉水あるいはプール水を移送する管
路に過酸化水素分解装置を設けることで、過酸化水素分
解装置の処理水量は、例えば発電容量が100万kwの
プラントの場合、約200m3/hとなり、運用によ
り、さらに少ない処理流量とすることが可能となる。
【0012】前記不純物の発生がない過酸化水素分解装
置としては、金属触媒を用いて過酸化水素を分解する金
属触媒装置または紫外線(UV)を用いて過酸化水素を
分解する紫外線分解装置などを用いる。これにより、過
酸化水素分解による不純物の発生がなく、復水脱塩そう
ちなどの下流系統への影響をなくせる。
【0013】さらに、過酸化水素分解装置の出側と入り
側を弁を介して接続するバイパス管路と、前記過酸化水
素分解装置入り側の流体の過酸化水素濃度を検知する過
酸化水素測定装置と、を設け、前記弁は前記過酸化水素
測定装置の出力に基づいて開閉制御されるようにする。
この構成により、処理対象の炉水あるいはプール水の過
酸化水素濃度があらかじめ設定した濃度値より高いとき
にだけ、過酸化水素分解装置を稼動させて過酸化水素分
解を行なわせることが可能になり、運転コストを低減で
きる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1に、本発明の第1の実施の形
態である原子力発電プラントを示す。図示の原子力発電
プラントは、原子炉1、主蒸気循環系100、原子炉冷
却材浄化系200、燃料プール冷却浄化系300、復水
補給水系400、および廃棄物処理設備500を含んで
構成されている。
【0015】主蒸気循環系100は、原子炉に接続さ
れ、原子炉で生成された主蒸気を取出して搬送する主蒸
気配管2、主蒸気配管2に接続され発電機を駆動するタ
ービン3、タービン3に付設され蒸気を冷却、凝縮して
復水にする復水器4、復水器4に接続された復水配管
5、復水配管5に介装された復水ポンプ6、復水配管5
に接続され復水の脱塩処理する復水脱塩装置7、復水脱
塩装置7に接続された給水配管10、給水配管10に介
装された給水ヒータ8及び給水ポンプ9、を含んで構成
されている。
【0016】原子炉冷却材浄化系200は、図示されて
いない原子炉再循環系配管に分岐して設けられた原子炉
冷却材浄化系入口配管11a、原子炉冷却材浄化系入口
配管11aに順に介装された再生熱交換器12、非再生
熱交換器13及び原子炉冷却材浄化系ポンプ14、原子
炉冷却材浄化系入口配管11aの下流端に接続された原
子炉冷却材浄化系ろ過脱塩装置15、原子炉冷却材浄化
系ろ過脱塩装置15出側と前記給水ポンプ10より下流
側の給水配管10を前記再生熱交換器12を介して接続
する原子炉冷却材浄化系戻り配管11b、を含んで構成
されている。原子炉冷却材浄化系ろ過脱塩装置15入口
の原子炉冷却材浄化系入口配管11aと、原子炉冷却材
浄化系ろ過脱塩装置15出口の原子炉冷却材浄化系戻り
配管11bは、弁を介装したバイパス管で接続されてい
る。
【0017】復水補給水系400は、前記給水ヒータ8
上流側の給水配管10に復水取出し配管60を介して接
続された復水貯蔵設備である復水貯蔵タンク40と、こ
の復水貯蔵タンクと前記復水脱塩装置7入り側を接続す
る補給水ライン42と、復水貯蔵タンク40側を吸い込
み側として補給水ライン42に介装された復水補給水ポ
ンプ41と、を含んで構成されている。なお、復水補給
水ポンプ41下流側の補給水ライン42に分岐して、復
水補給水系の負荷44に復水を供給する配管が設けられ
ている。
【0018】燃料プール冷却浄化系300は、燃料プー
ル21接続して設けられたスキマーサージタンク22
と、スキマーサージタンク22の底部に接続された燃料
プール冷却浄化系入り側配管26aと、燃料プール冷却
浄化系入り側配管26aに吸い込み側をスキマーサージ
タンク22側にして介装された燃料プール冷却浄化系ポ
ンプ23と、燃料プール冷却浄化系入り側配管26aの
下流端に接続された燃料プール冷却浄化系ろ過脱塩装置
24と、燃料プール冷却浄化系ろ過脱塩装置24の出側
と燃料プール21を接続する燃料プール冷却浄化系戻り
配管26bと、燃料プール冷却浄化系戻り配管26bに
介装された燃料プール冷却浄化系熱交換器25と、を含
んで構成されている。燃料プール冷却浄化系熱交換器2
5下流側の燃料プール冷却浄化系戻り配管26bには、
さらに、プール水移送管路である燃料プール冷却浄化系
ブローライン27aを介して過酸化水素分解装置50が
接続され、過酸化水素分解装置50の出側と前記復水貯
蔵タンク40が、燃料プール冷却浄化系ブローライン2
7bで接続されている。なお、過酸化水素分解装置50
の入り側と出側には、電磁弁59(図示せず)が設けら
れている。
【0019】燃料プール冷却浄化系は、水通常運転中
は、燃料プール冷却浄化系ポンプ23により、燃料プー
ル水(以下、プール水という)を加圧して、燃料プール
21、スキマーサージタンク22、、燃料プール冷却材
浄化系ろ過脱塩装置24、熱交換器25の順に、プール
水を循環させ、プール水を浄化している。
【0020】廃棄物処理設備500は、前記燃料プール
冷却浄化系ブローライン27bに排出ライン29を介し
て接続されたラド設備28を含んで構成されている。そ
して、前記原子炉冷却材浄化系ろ過脱塩装置15出口近
傍の原子炉冷却材浄化系戻り配管11bに分岐して炉水
移送管路である原子炉冷却材浄化系ブローライン16が
設けられ、原子炉冷却材浄化系ブローライン16は、弁
を介して排出ライン17によりラド設備28に接続され
ている。原子炉冷却材浄化系ブローライン16はまた、
弁を介して排出ライン18により復水器4に接続されて
いる。
【0021】燃料プール冷却浄化系は、通常運転中は、
燃料プール冷却浄化系ポンプ23により、燃料プール水
(以下、プール水という)を加圧して、燃料プール2
1、スキマーサージタンク22、、燃料プール冷却材浄
化系ろ過脱塩装置24、熱交換器25の順に、プール水
を循環させ、プール水を浄化している。
【0022】定期検査では、復水補給水系から図示され
ていない配管を介して原子炉ウェル20へ水を供給して
水を満たし、燃料プールゲートを開放する。燃料プール
ゲートを開放したのち、炉心から使用済み燃料を取り出
して燃料プールへ移動し、炉心に新燃料を装荷する。燃
料交換が完了すると、燃料プールゲートが閉鎖され、原
子炉ウェル20の水は、燃料プール冷却材浄化系(FP
C系)、燃料プール冷却浄化系ブローライン27aを経
て過酸化水素分解装置50へ導入される。過酸化水素分
解装置50へ導入された原子炉ウェル20の水は、その
中に含んでいる過酸化水素が分解され、燃料プール冷却
浄化系ブローライン27bを経て復水貯蔵タンク(槽)
40へ排出されて貯蔵されるか、あるいは排出ライン2
9を経てラド設備28へ排出され、貯蔵、処理される。
原子炉ウェル20の水の排出が終了したら、原子炉1の
上蓋が取りつけられる。
【0023】復水貯蔵タンク(槽)40へ貯蔵された水
は、その後、補給水ライン42、復水浄化装置の復水脱
塩装置7、給水配管10を経て、原子炉1へ供給され
る。この原子炉ウェル水には、放射線分解により生成さ
れる過酸化水素が含まれており、そのまま復水脱塩装置
7に供給されると、過酸化水素により復水脱塩装置のカ
チオン樹脂が酸化劣化し、カチオン樹脂の酸化劣化に伴
う樹脂からの溶出TOCによりアニオン樹脂の脱塩性能
低下を起こす可能性がある。本実施の形態では、燃料プ
ール冷却浄化系ブローライン27に、不純物の発生がな
い紫外線による過酸化水素分解装置50を設け、ブロー
水中に含まれる過酸化水素を分解した後復水貯蔵タンク
(槽)40へ排出するか、LCW(ラド設備)28へ排
出するようにしている。
【0024】これにより復水脱塩装置の樹脂の劣化要因
となる過酸化水素を、復水脱塩装置に導入されるまえに
処理することが可能となり、復水脱塩装置のイオン交換
樹脂の劣化を防止することが出来る。また、過酸化水素
分解装置50の処理流量は、系統容量(復水ポンプを通
過する流量)と関係なく、FPC系の容量以下に設定で
きるから、過酸化水素分解装置50の処理流量は、発電
容量100万kWの場合、例えば約200m3/hとす
ることができ、運用によっては、さらに少ない流量とす
ることが可能となる。
【0025】また、紫外線による過酸化水素分解装置5
0を設けたので、過酸化水素の分解に伴なう不純物の発
生がなく、下流系統への該不純物の影響をなくすことが
可能になる。さらに、本実施の形態によれば、ブロー水
が復水貯蔵タンク40に流入する前の段階で該ブロー水
の過酸化水素を分解するので、復水貯蔵タンク40内の
水には、過酸化水素は含まれていない。したがって、復
水貯蔵タンク40の貯水を復水補給水系の各種負荷に供
給しても、過酸化水素による材料への悪影響が生ずるこ
とがなくなる。
【0026】なお、上記実施の形態では、紫外線を用い
て過酸化水素を分解する過酸化水素分解装置を設けた
が、金属触媒を用いて過酸化水素を分解する過酸化水素
分解装置を設けても、過酸化水素分解に伴なう不純物の
発生がなく、上記実施の形態と同様の効果が得られる。
紫外線を用いて過酸化水素を分解する装置や金属触媒を
用いて過酸化水素を分解する装置はいずれも従来知られ
た装置であり、紫外線を用いて過酸化水素を分解する装
置については、例えば、「Surface control &洗浄設
計」(近代編集社刊)1994年秋季号(別刷)の「紫
外線による有機物分解・殺菌」(山越裕司)に記載され
ている。
【0027】本発明の第2の実施の形態を、図2を参照
して説明する。本実施の形態が前記第1の実施の形態と
異なるのは、燃料プール冷却浄化系ブローライン27に
紫外線による過酸化水素分解装置50を設ける代わり
に、原子炉冷却材浄化系ブローライン16に、紫外線に
よる過酸化水素分解装置51を設けた点である。他の構
成は前記第1の実施の形態と同じであるので、同一の符
号を付して説明を省略する。過酸化水素分解装置51の
入り側と出側の原子炉冷却材浄化系ブローライン16に
には、前記第1の実施の形態と同様、電磁弁59が設け
られている。
【0028】上記構成の原子力発電プラントにおいて
は、通常運転中、原子炉水は、原子炉冷却材浄化系(C
UW系)で以下の運転により浄化される。炉水は、原子
炉1から再循環配管に分岐して設けられた原子炉冷却材
浄化系入口配管11にその一部が取出される。取出され
た炉水は、原子炉冷却材浄化系入口配管11に介装され
た再生熱交換器12、非再生熱交換器13を通り、所定
の温度に冷却されたのち原子炉冷却材浄化系ポンプ14
により昇圧される。昇圧された炉水は、原子炉冷却材浄
化系ろ過脱塩装置15に導かれ、炉水中のクラッド、イ
オンを除去された後非再生熱交換器13、再生熱交換器
12、原子炉冷却材浄化系戻り配管11bを経て原子炉
1へ戻される。
【0029】一方、定期検査後の原子炉立上げにおいて
は、原子炉の昇温、昇圧に伴い通常水位をオーバする炉
水の水位を調整するため、原子炉水の一部を、原子炉1
から、再循環配管に分岐して設けられた原子炉冷却材浄
化系入口配管11に取出す。原子炉冷却材浄化系入口配
管11に取出された炉水は、再生熱交換器12、非再生
熱交換器13を通って所定の温度に冷却されたのち原子
炉冷却材浄化系ポンプ14により昇圧される。昇圧され
た炉水は、原子炉冷却材浄化系ろ過脱塩装置15を通
り、原子炉冷却材浄化系ブローライン16に導かれる。
原子炉冷却材浄化系ブローライン16に導かれた炉水
(原子炉冷却材浄化系ブロー水)は、復水器4に導かれ
る場合は、原子炉冷却材浄化系から復水器への排出ライ
ン18へ、ラド設備28へ導く場合は、ラド設備28へ
の排出ライン17へ、それぞれ導入される。
【0030】原子炉冷却材浄化系ブロー水は、復水器4
へ導かれた場合、復水器4、復水配管5、復水ポンプ6
を通り、復水脱塩装置7へ供給される。原子炉冷却材浄
化系ブロー水には、放射線分解により生成される過酸化
水素が含まれており、過酸化水素により復水脱塩装置の
カチオン樹脂が酸化劣化し、カチオン樹脂の酸化劣化に
伴う樹脂からの溶出TOCによりアニオン樹脂の脱塩性
能低下を起こす可能性がある。
【0031】本実施の形態では、原子炉冷却材浄化系ブ
ローライン16に、過酸化水素の分解に伴なう不純物の
発生がない、紫外線を用いた過酸化水素分解装置51を
設け、ブロー水中に含まれる過酸化水素を分解した後復
水器4へ排出するか、ラド設備28へ排出するようにし
ている。
【0032】これにより復水脱塩装置の樹脂の劣化要因
となる過酸化水素を、復水脱塩装置に流入するまえに処
理することが可能となり、前記第1の実施の形態と同様
に、復水脱塩装置の樹脂劣化を防止することができる。
また、過酸化水素分解装置51の処理流量は、系統容量
(復水ポンプを通過する流量)と関係なく、CUW系の
容量以下に設定されるから、発電容量100万kWの原
子力発電プラントの場合、例えば約200m3/hとす
ることができ、運用によっては、さらに少ない流量とす
ることが可能となる。また、紫外線による過酸化水素分
解装置50を設けたので、過酸化水素の分解に伴なう不
純物の発生がなく、下流系統への該不純物の影響をなく
すことが可能になる。
【0033】なお、上記実施の形態では、紫外線を用い
て過酸化水素を分解する過酸化水素分解装置を設けた
が、金属触媒を用いて過酸化水素を分解する過酸化水素
分解装置を設けても、過酸化水素分解に伴なう不純物の
発生がなく、上記実施の形態と同様の効果が得られる。
【0034】本発明の第3の実施の形態を、図3を参照
して説明する。図3に示す実施の形態が前記第1の実施
の形態と異なるのは、過酸化水素分解装置50の入り側
と出側を電磁弁53を介して連通するバイパスライン5
4を設置し、過酸化水素分解装置50の入り側に過酸化
水素濃度を検知する過酸化水素測定装置55を設け、測
定装置55の出力に基づいて前記電磁弁53及び電磁弁
59を開閉するようにした点である。他の構成は前記第
1の実施の形態と同じなので、同一の符号を付して説明
を省略する。
【0035】通常運転中、復水貯蔵タンク(槽)40へ
は、直接炉水が流入することはないが、定期検査中には
FPC系のブロー水が復水貯蔵タンク(槽)40へ排出
されるため原子炉で放射線分解により生成される過酸化
水素が含まれている可能性がある。
【0036】従って、復水貯蔵タンク(槽)40へ流入
するブロー水の過酸化水素濃度を測定装置55で検知
し、検出された過酸化水素濃度が予め設定された数値を
超えていないときは、過酸化水素分解装置50の前後の
電磁弁59を閉じバイパスライン54の電磁弁53を開
いて過酸化水素分解装置50をバイパスしてブロー水を
復水貯蔵タンク(槽)40へ導く。検出された過酸化水
素濃度が予め設定された数値を超えているときは、過酸
化水素分解装置50の前後の電磁弁59を開きバイパス
ライン54の電磁弁53を閉じてブロー水を過酸化水素
分解装置50に導き、過酸化水素を分解したのち、復水
貯蔵タンク(槽)40へ送り込む。
【0037】これにより復水脱塩装置の樹脂の劣化要因
となる過酸化水素を、樹脂洗浄用に供給される前に処理
することが可能となり樹脂劣化を防止することが出来る
とともに、過酸化水素分解装置50を無駄に稼動させる
必要がなくなる。
【0038】本発明の第4の実施の形態を、図4を参照
して説明する。図4に示す実施の形態が前記第2の実施
の形態と異なるのは、過酸化水素分解装置51の入り側
と出側を電磁弁56を介して連通するバイパスライン5
7を設置し、過酸化水素分解装置51の入り側に過酸化
水素濃度を検知する測定装置58を設け、測定装置58
の出力に基づいて前記電磁弁56及び電磁弁59を開閉
するようにした点である。他の構成は前記第2の実施の
形態と同じなので、同一の符号を付して説明を省略す
る。
【0039】先に述べたように、図2に示す第2の実施
の形態においては、炉水を原子炉冷却材浄化系から復水
器4あるいはラド設備28へ導く際、過酸化水素分解装
置51で炉水に含まれる過酸化水素を分解した上で復水
器4あるいはラド設備28へ導くようになっている。本
実施の形態は、過酸化水素分解装置51の入口で炉水中
の過酸化水素濃度を検出し、検出された過酸化水素濃度
があらかじめ設定された数値を超えていないときは、過
酸化水素分解装置51の前後の電磁弁59を閉じバイパ
スライン57の電磁弁56を開いて過酸化水素分解装置
51をバイパスして炉水を復水器4あるいはラド設備2
8へ導く。検出された過酸化水素濃度が予め設定された
数値を超えているときは、過酸化水素分解装置51の前
後の電磁弁59を開きバイパスライン57の電磁弁56
を閉じて炉水を過酸化水素分解装置51へ導き、過酸化
水素を分解したのち、復水器4あるいはラド設備28へ
炉水を送り込む。
【0040】これにより復水脱塩装置の樹脂の劣化要因
となる過酸化水素を、樹脂洗浄用に供給される前に処理
することが可能となり樹脂劣化を防止することが出来る
とともに、過酸化水素濃度が予め設定した数値、例えば
通常の水の過酸化水素濃度値以下のときは、過酸化水素
分解装置51を稼動させる必要がなくなる。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、炉水に含まれる、原子
炉での放射性分解による過酸化水素が、復水脱塩装置の
カチオン樹脂を酸化劣化させることに伴う該カチオン樹
脂からの溶出TOCによりアニオン樹脂の脱塩性能低下
を起こすことが防止される。また、過酸化水素が復水系
統に流出する前に、原子炉冷却材浄化系あるいは燃料プ
ール冷却浄化系のブローラインで、過酸化水素を分解処
理するため、過酸化水素分解装置の容量を小さくするこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す系統図であ
る。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示す系統図であ
る。
【図3】本発明の第3の実施の形態を示す系統図であ
る。
【図4】本発明の第4の実施の形態を示す系統図であ
る。
【符号の説明】
1 原子炉 2 主蒸気配管 3 タービン 4 復水器 5 復水配管 6 復水ポンプ 7 復水脱塩装置 8 給水ヒータ 9 給水ポンプ 10 給水配管 11a 原子炉冷却材浄化系入口配管 11b 原子炉冷却材浄化系戻り配管 12 再生熱交換器 13 非再生熱交換器 14 原子炉冷却材浄化系ポンプ 15 原子炉冷却材浄化系ろ過脱塩装置、 16 原子炉冷却材浄化系ブローライン 17 排出ライン 18 排出ライン 20 原子炉ウェル 21 燃料プール 22 スキマーサージタンク 23 燃料プール冷却浄化系ポンプ 24 燃料プール冷却材浄化系ろ過脱塩装置 25 熱交換器 26a 燃料プール冷却浄化系入り側配管 26b 燃料プール冷却浄化系戻り配管 27 燃料プール冷却浄化系ブローライン 28 ラド設備 29 排出ライン 40 復水貯蔵タンク(槽) 41 復水補給水ポンプ 42 脱塩装置への補給水ライン 43 再生塔(洗浄塔) 44 復水補給水系の負荷 50 過酸化水素分解装置(FPC系) 51 過酸化水素分解装置(CUW系) 53 電磁弁 54 バイパスライン 55 過酸化水素測定装置 56 電磁弁 57 バイパスライン 58 過酸化水素測定装置 59 電磁弁 60 復水取出しライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩沢 義博 茨城県日立市幸町三丁目2番1号 日立エ ンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 4D037 AA08 AB11 BA18 BB02 CA09 CA15 4D050 AA09 AB33 BC06 BD08 CA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発電タービンを駆動する蒸気を生成する
    原子炉と、前記蒸気を冷却、凝縮して復水とする復水器
    と、前記復水を貯蔵する復水貯蔵設備と、核燃料を貯蔵
    する燃料プールの水を冷却浄化処理する燃料プール冷却
    浄化系と、前記燃料プール冷却浄化系から前記復水貯蔵
    設備にプール水を移送するプール水移送管路と、を備え
    た原子力発電プラントにおいて、前記プール水移送管路
    に、移送されるプール水中の過酸化水素を分解する過酸
    化水素分解装置が設置されていることを特徴とする原子
    力発電プラント。
  2. 【請求項2】 発電タービンを駆動する蒸気を生成する
    原子炉と、前記蒸気を冷却、凝縮して復水とする復水器
    と、前記復水を貯蔵する復水貯蔵設備と、前記原子炉の
    炉水を浄化した後原子炉へ戻す原子炉冷却材浄化系と、
    前記原子炉冷却材浄化系から前記復水貯蔵設備に炉水を
    移送する炉水移送管路と、を備えた原子力発電プラント
    において、前記炉水移送管路に、移送される炉水中の過
    酸化水素を分解する過酸化水素分解装置が設置されてい
    ることを特徴とする原子力発電プラント。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の原子力発電プラ
    ントにおいて、前記過酸化水素分解装置が、金属触媒も
    しくは紫外線を利用して過酸化水素を分解する過酸化水
    素分解装置であることを特徴とする原子力発電プラン
    ト。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のうちのいずれか1項に
    記載の原子力発電プラントにおいて、過酸化水素分解装
    置の出側と入り側を弁を介して接続するバイパス管路
    と、前記過酸化水素分解装置入り側の流体の過酸化水素
    濃度を検知する過酸化水素測定装置と、を設け、前記弁
    は前記過酸化水素測定装置の出力に基づいて開閉制御さ
    れるものであることを特徴とする原子力発電プラント。
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