JPH07181296A - 原子力発電設備における液体廃棄物処理方法及び装置 - Google Patents

原子力発電設備における液体廃棄物処理方法及び装置

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JPH07181296A
JPH07181296A JP5328532A JP32853293A JPH07181296A JP H07181296 A JPH07181296 A JP H07181296A JP 5328532 A JP5328532 A JP 5328532A JP 32853293 A JP32853293 A JP 32853293A JP H07181296 A JPH07181296 A JP H07181296A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 BWR型原子力発電設備の液体廃棄物処理系
統あるいは給・復水系統の脱塩装置が、非定常的かつ突
然に性能低下する問題を解決する。 【構成】 BWR水型原子力発電設備の液体廃棄物処理
系統に流入される排水中に含まれる過酸化水素を、該排
水が通水される通水系統中の脱塩装置の上流で光照射に
より分解させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子力発電所における
復水等の用水中に含まれる不純物をイオン交換樹脂で除
去するための脱塩装置に関連し、詳しくは、沸騰水型原
子炉(BWR)あるいは新型転換炉(ATR)における
液体廃棄物処理系統等で不純物除去のために用いられて
いる脱塩装置のイオン交換樹脂の早期劣化を防止する方
法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電のための設備については従来
から安定・安全な発電操作を継続するのに有益な種々の
工夫がされてきているが、発電方式の代表的な一つであ
るPWR(加圧水型原子炉)と、上記したBWR(沸騰
水型原子炉)とでは、原子力発電という共通的な側面が
あるものの設備構成や運転方式は大きく異なり、特に、
熱媒体である用水の用い方は大きく異なっている。以下
本発明が対象の一つとするBWRにおける用水の処理等
について述べる。
【0003】本発明が対象とするBWRにおいては、用
水は原子炉−タービンの間で給・復水系統により水(蒸
気)が循環される。すなわち原子炉で発生した蒸気はタ
−ビンを駆動させ、復水器で復水に戻った後ポンプで加
圧されて復水浄化系で浄化された後再び原子炉に戻され
る。そしてこの系中を循環する用水としては不純物を除
去した高純度の用水が求められるため上記復水浄化系が
必須とされ、一般にろ過装置と復水脱塩装置とから該復
水浄化系が構成されている。なお同浄化系が復水脱塩装
置のみで構成される場合もある。
【0004】上記復水脱塩装置は、イオン交換樹脂とし
て、陽イオンを除去する陽イオン交換樹脂と陰イオンを
除去する陰イオン交換樹脂とが混合して用いられ、この
混合イオン交換樹脂を充填して通水する上記復水浄化系
中の脱塩塔と、通水後のイオン交換樹脂を洗浄したり再
生したりする系外の再生設備とから構成されるのが普通
である。
【0005】なお、上記の給・復水系統における復水脱
塩装置には、発電運転中に通水される他に、発電を停止
して行う定検中において、次の発電のための起動に備え
て行われる給・復水系統の再循環運転時にも通水され
る。
【0006】また、上述のような給・復水系統とは別
に、該給・復水系統からの排出水や、原子炉浄化水系
統,燃料プール冷却水系統からの排出水を処理する系統
を一般に液体廃棄物処理系統と称し、例えば、上記復水
脱塩装置の洗浄水や系統のドレン水等は、これに所定の
浄化処理をした後、復水貯蔵タンクに回収して発電所内
の用水として再使用されている。
【0007】この液体廃棄物処理系統の処理方法には、
ろ過方式や蒸発方式等の処理方法があり、水の導電率
等、水の性状や発電所によっても処理方法が異なるが、
通常は、これが発電所内用水として再使用されることか
ら復水貯蔵タンク内の水質基準が定められているため、
復水貯蔵タンクに回収する前に脱塩処理される。そして
この際の脱塩処理には、上記の給・復水系統の復水脱塩
装置と同様に陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂を混
合充填した脱塩装置が使用される。
【0008】以上のような、BWR型の原子力発電所に
おいてのイオン交換樹脂を用いた用水処理を継続して行
う場合、所定の処理水質が得られなくなったり、所定の
イオン交換量が得られなくなるというイオン交換性能の
低下は避けられないから、種々の方法や装置を用いて脱
塩装置のイオン交換性能を監視しながら、あるいは所定
の期間毎に、給・復水系統の復水脱塩装置や液体廃棄物
処理系統の脱塩装置のイオン交換樹脂の再生を行なって
脱塩装置の所定の性能が確保される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな原子力発電所の用水をイオン交換樹脂で処理する操
作を継続した場合に、上記液体廃棄物処理系統あるいは
給・復水系統の脱塩装置においてイオン交換性能が低下
し処理水の水質が悪化するという現象が、非定常的に突
然発生することが知見される。
【0010】この現象は、特に液体廃棄物処理系統の脱
塩装置において顕著にのみ認められるが、発電運転中に
おいて重要な用水処理を行う給・復水系統の脱塩装置に
おいてもみられる場合あり、非定常的に突然発生するも
のであって、事態の事前予想が困難、という問題がある
ため発電所の発電,定検作業の運用に大きな影響を与え
る不具合がある。
【0011】このような問題に対する対策としては、例
えば、液体廃棄物処理系統の脱塩装置のイオン交換樹脂
を早期に交換して常に新しい状態に維持することが考え
られるが、この対策では運転コストの増大を招くと共
に、使用済みイオン交換樹脂量すなわち放射性廃棄物量
が増大して放射性廃棄物の貯蔵スペースを圧迫するとい
う別の問題を招くため、より改善された対策が求められ
る。
【0012】本発明は以上のような従来技術の背景の下
になされたものであり、従来その理由が必ずしも明らか
でなかった液体廃棄物処理系統あるいは給・復水系統の
脱塩装置におけるイオン交換樹脂が非定常的かつ突然に
性能低下する現象を鋭意研究し、BWR型原子力発電設
備においての用水処理に用いられるイオン交換樹脂の性
能低下、特に非定常的に発生するイオン交換樹脂の性能
低下を解消できる新規な方法、及び装置を提供すること
を目的としてなされたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用】上記の目的を達
成するためになされた本発明方法の特徴は、沸騰水型原
子力発電設備の液体廃棄物処理系統に流入された排水中
に含まれる過酸化水素を、該排水が通水される通水系統
の途中に配置されている脱塩装置よりも上流において光
照射により分解させるところにある。
【0014】本発明の方法(以下に述べる装置も同じ)
は、上記の沸騰水型原子力発電設備の液体廃棄物処理系
統において採用される他、新型転換炉型原子力発電設備
の液体廃棄物処理系統についても同様に適用することが
できる。また液体廃棄物処理系統に流入される排水は、
原子力発電設備から排出され浄化処理後、再利用する排
水をいい、原子炉運転停止時または起動時の該原子炉か
らの排水、燃料プールの冷却系からの排水、原子炉浄化
系からの排水等、比較的低温で過酸化水素の熱分解が起
こらないものであれば対象となる。
【0015】また本発明装置の特徴の一つは、上記原子
力発電設備から排出され浄化処理後、再利用する排水
を、脱塩装置に通した後復水貯蔵タンクに貯水させる液
体廃棄物処理系統において、上記脱塩装置への通水の前
段に、排水中に含まれる過酸化水素を分解させる光照射
装置を設けたところにある。
【0016】また更に、本発明装置の他の特徴の一つ
は、上記液体廃棄物処理系統に流入する排水を、脱塩装
置を用いて浄化処理を行なった後、復水貯蔵タンク内に
貯水し、原子力発電設備の給・復水系統に戻す液体廃棄
物処理系統において、該復水貯蔵タンク内の用水を上記
給・復水系統の復水脱塩装置の上流に戻す経路の途中
に、該用水中に含まれる過酸化水素を分解させる光照射
装置を設けるようにしたところにある。
【0017】このような構成が採用されるのは次ぎの理
由による。すなわち、液体廃棄物処理系統に流入する排
水の処理に際しては、上述の如く、液体廃棄物処理系統
に設けられる脱塩装置の前段に光線照射装置を設置する
のが最善であるが、既設の発電プラント等においては設
置スペースの問題から該脱塩装置の前段に設置するのが
困難な場合がある。
【0018】その場合、排水中に含まれる過酸化水素
は、該排水が上記脱塩装置で処理される際に、その一部
が分解されるものの、他部は未分解のまま処理水中に残
留する。この残留過酸化水素を含む処理水は、その後復
水貯蔵タンクを経て、給・復水系統に戻され、該給・復
水系統に設置されている復水脱塩装置に流入し、その結
果、復水脱塩装置のイオン交換樹脂を劣化させることと
なる。該復水脱塩装置は発電プラントにとって極めて重
要な役目を果たす装置であるから、該復水脱塩装置のイ
オン交換樹脂を劣化させるようなことは絶対に避けなけ
ればならず、そのため、液体廃棄物処理系統の脱塩装置
の前段で排水中の過酸化水素を分解することが出来ない
場合には次善の対策として、上述の如く復水貯蔵タンク
内の用水を給・復水系統の復水脱塩装置にの上流に戻す
経路の途中に過酸化水素を分解させる光照射装置を設置
し、給・復水系統に設置されている復水脱塩装置のイオ
ン交換樹脂の劣化を確実に防止することがよいのであ
る。
【0019】また、上記原子力発電設備の定検後起動時
に、給・復水系統に用水を循環する際には、この用水が
比較的低温であることから、通常の発電時には全く問題
にならない過酸化水素を含む用水が給・復水系統の復水
脱塩装置に通水される可能性がある。そこで、給・復水
系統の用水循環経路の途中の復水脱塩装置の上流に、定
検後起動時にのみ稼動される過酸化水素分解用の光照射
装置を設けることも原子力発電設備における有効な用水
処理を実現することになる。
【0020】本発明者が上記特許請求の範囲の各請求項
に記載した本発明をなすに至ったのは次ぎのことによ
る。すなわち、本発明者は、前述した目的を達成するた
めに種々の調査、研究を重ねた結果、上記した液体廃棄
物処理系統あるいは給・復水系統の脱塩装置のイオン交
換樹脂の性能低下の主原因が陽イオン交換樹脂の劣化が
原因であって、これがBWR型発電設備における液体廃
棄物処理系統における用水と密接な関係にあることを見
い出した。
【0021】すなわち、一般にスルホン酸基をイオン交
換基とする陽イオン交換樹脂は、劣化するとスルホン酸
基を含む高分子分解物を放出して陰イオン交換樹脂のイ
オン交換性能を低下させたり処理水中に分解物が混入し
て処理水質を悪化させる要因となる。そこでこの陽イオ
ン交換樹脂の劣化が、高分子化合物の一般的劣化パター
ンと同様の酸化劣化によると考えて、上記液体廃棄物処
理系統給・復水系統の脱塩装置への入口水に含まれ得る
酸化性物質の存在を検討した。
【0022】かかる場合、原子力発電所の用水中に含ま
れる酸化性物質としては大気中の酸素が溶け込んだ溶存
酸素が考えられ、金属酸化物は酸化劣化を進める因子
(触媒)となるが、これらの物質による陽イオン交換樹
脂の劣化は緩慢であるため、陽イオン交換樹脂を急速に
劣化させて急速な性能低下を起こす因子とはなり難く、
イオン交換樹脂の長期的な使用経過からイオン交換樹脂
の性能低下の事前予想は可能であるため、発電所等の運
転に与える影響は顕著ではない。
【0023】一方、沸騰水型原子力発電所の原子炉内
等、強い放射線が発生する環境においては一次冷却水や
減速材(以下では「炉水等」とする)は放射線分解によ
り過酸化水素が生成し、炉水等が原子炉外にブローされ
た場合には過酸化水素がこれらのドレン水中に含まれ、
炉水等を含む水がイオン交換樹脂に混入すると陽イオン
交換樹脂の劣化要因になることが考えられる。
【0024】このような推定の下に検討を重ねて、上記
過酸化水素の混入を確認したのである。
【0025】特に定検時等の停止時には、炉水等の温度
は低いため、ブロー水中の過酸化水素の熱分解が起りに
くくなり、ブロー水中の過酸化水素は容易には消滅しな
いため、陽イオン交換樹脂劣化ヘの影響は大きい。
【0026】一方、イオン交換基としてスルホン酸基を
有する陽イオン交換樹脂は過酸化水素により非常に劣化
し易い特性があり、しかも、陽イオン交換樹脂に金属、
特に2価酸化レベルの鉄イオンが吸着している場合に
は、これが酸化触媒となり微量の過酸化水素によっても
比較的容易に劣化する特性を有している。
【0027】つまり、沸騰水型原子力発電所等の炉水等
のブロー水には陽イオン交換樹脂を急速に劣化させる過
酸化水素が含まれ、しかもこれらブロー水が非定常的に
イオン交換樹脂に混入する可能性があるため、所定の処
理水質が得られなくなったり、所定のイオン交換量が得
られなくなる等のイオン交換性能低下が非定常的に突然
発生して発電所等の運転に大きな影響を与えることを本
発明者は見出したのであり、従って、イオン交換樹脂の
性能低下を抑制するためには一次冷却水中のブロー水に
含まれる過酸化水素を分解して無害化するという上記本
発明を完成したのである。
【0028】なお、水中の過酸化水素を分解する方法と
しては、蒸発法や還元剤を使用する方法等が考えられる
が、以下の点で適当でない。すなわち、蒸発法は炉水等
のブロー水を短時間に処理するためには設備が大掛かり
となつて大きな設置スペースを要したり、加熱蒸気等の
大きなユーティリティー設備を要したり、運転が複雑で
あったりして不経済であると共に、運転性が悪いため、
既に建設されているプラントヘの適用は不可能である。
還元剤を使用する方法は対象水に水素や亜硫酸ソータ等
の還元剤を注入して還元剤と過酸化水素を反応させて過
酸化水素を分解する方法であり、蒸発法よりは設備的に
簡略化するものの、水素は爆発し易すいため危険性があ
り取扱が困難であったり、薬品を注入することにより新
たな不純物を発生することになって後段のイオン交換樹
脂を汚染したりイオン交換容量を消費したりして有効な
手段とはならない。
【0029】上記において、液体廃棄物処理系統に流入
する排水等に照射する光線は、過酸化水素を効率よく分
解するものであればよく、特に波長が254nm前後の
紫外線は過酸化水素の分解に有効である。
【0030】本発明における液体廃棄物処理装置の実施
態様1としては、例えば、原子炉運転停止時または起動
時の該原子炉からの排水(原子炉水)、燃料プールの冷
却系からの排水、あるいは原子炉浄化系からのいずれか
の排水を、ポンプで脱塩装置に通水させる経路途中の該
脱塩装置上流に紫外線照射装置(UV装置)を配置し、
脱塩装置を通水した用水を復水貯蔵タンクに貯水し、そ
の後、適時ポンプで原子炉の給・復水系統の復水ポンプ
上流位置に戻す構成のものを挙げることができる。上記
脱塩装置の上流には更にろ過装置等を介設するなど、既
存の液体廃棄物処理系において採用されている構成を付
加してもよいことは当然である。
【0031】また、他の実施態様2としては、上記のい
ずれかの排水を、従来のようにポンプで脱塩装置を通し
た後復水貯蔵タンクに貯水し、その後、適時ポンプで原
子炉の給・復水系統の復水ポンプ上流位置に戻す経路の
途中に、UV装置を配置し、給・復水系統の復水脱塩装
置で該用水の脱塩処理を行うようにすることも可能であ
る。
【0032】更に他の実施態様3としては、液体廃棄物
処理系とは別に、原子炉運転停止時または起動時に給・
復水系統の全部あるいは一部において用水を循環させる
操作を行う場合に、この用水中に含まれている虞のある
過酸化水素によって復水脱塩装置のイオン交換樹脂が劣
化することを防止するために、該非発電時の用水循環時
にのみ該用水に対して過酸化水素分解用の紫外線を照射
するUV装置を設けたものを挙げることができる。UV
装置は、通常の給・復水の循環経路に設けることもでき
るし、上記非発電時の用水循環のために設けたバイパス
路に設けることもできる。
【0033】
【実施例】
参考例 BWR型原子力発電設備における液体廃棄物処理系に流
入する排水をサンプルとして、過マンガン酸カリ滴定法
により過酸化物水素の有無を調べた。
【0034】その結果該排水中には、3ppmの過酸化
水素が含有されていることが確認された。
【0035】実施例 上記の結果に基づき、以下の比較試験を行った。
【0036】すなわち、BWR発電設備の液体廃棄物処
理系に設けられた脱塩装置に使用されている強酸性陽イ
オン交換樹脂を用い、図1に示す試験装置を準備した。
【0037】図1において、1,2は、上記強酸性陽イ
オン交換樹脂を充填したイオン交換樹脂カラム(以下単
に「カラム」という)、3はカラム1への通水経路11
の途中に配置したUV装置(紫外線照射装置)であり、
カラム2への通水路21にはこのUV装置は配置されて
いない。なお上記の強酸性陽イオン交換樹脂には、実際
の使用条件を模擬すべく、鉄を10g/l−R負荷し
た。
【0038】4は、過酸化水素を5ppm(導電率約1
μS/cm)となるように添加した模擬原子炉水を貯水
した原水貯槽であり、この模擬原子炉水は、ポンプ5を
介して上記通水路11,21に分岐して通水されるよう
になっている。なお以上の構成中のUV装置3を配置し
た通水経路11を有する系は、上述した実施態様1にお
ける原子炉水をポンプで復水貯蔵タンクに送る途中の構
成に相当する。
【0039】以上の装置を用いて各カラム1,2に模擬
原子炉水を流速50m/hで通水し、各カラム出口水の
導電率およびTOC濃度を測定した。なおUV装置3の
紫外線照射は千代田工販(株)製紫外線照射装置SX−
1/2で行った。
【0040】結果を、通水時間と出口導電率の関係とし
て図2に示すと共に、通水時間と出口TOC濃度の関係
として図3に示した。
【0041】これらの結果から分かるように、紫外線照
射装置を経由したカラム1の出口水の水質は、導電率及
びTOCともに低い値で推移しているのに対し、過酸化
水素を含む模擬原水を直接通水したカラム2の出口水の
水質は、数倍〜数十倍の高い値を示した。
【0042】このカラム2出口水の水質低下は、過酸化
水素を含む模擬原子炉水の通水によりカラム2内の強酸
性陽イオン交換樹脂が劣化されたためであり、本発明の
有効性が確認された。
【0043】
【効果】以上述べたように、本発明によれば、原子炉水
等の過酸化水素を含む水をイオン交換樹脂に通水するに
先立って水に光線を照射する方法をとることにより、液
体廃棄物処理系等の脱塩装置におけるイオン交換樹脂の
性能劣化の原因である過酸化水素を確実に分解でき、イ
オン交換樹脂の性能低下を防いで処理水質の水質悪化を
防止できるという効果がある。
【0044】また、この性能劣化の防止により、上記脱
塩装置のイオン交換樹脂を長期に渡って使用することが
できるので、イオン交換樹脂の使用量低減、したがって
放射性廃棄物量の低減を図ることができるという効果が
得られる。
【0045】また更に、上記脱塩装置が非定常的に突然
に性能劣化するという問題が解消されるため、発電所の
安定した運転が確保でき、発電所設備の運用が容易とな
る効果が得られる。
【0046】更にまた、BWR型原子力発電所では特に
定検末期のプラント起動前に用水中の有機物分解や除去
の必要性が高まっているが、有機物は過酸化水素の存在
により紫外線分解の効率が高まるため、過酸化水素を含
有する原子炉排水水等に有機物含有水を混合し、廃棄物
処理系で紫外線照射することにより過酸化水素を分解さ
せると同時に有機物の分解を促進させるという従来全く
予想しなかった効果も期待できる。
【0047】また別に、本発明によれば、水素等の危険
物や還元剤等の薬品を使用する必要がなく、ユーティリ
ティとしては通常の電源を光線照射装置に供給するだけ
というコンパクトな処理が可能であり、既に建設されて
いる設備内に追設したり、移動式として機動的な運用が
できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の効果を確認するための実施例
において用いた試験装置の構成をフローで示した図であ
る。
【図2】図2は、上記実施例におけるカラム出口水の通
水時間と出口導電率の関係を示した図である。
【図3】図3は、上記実施例におけるカラム出口水の通
水時間とTOC濃度の関係を示した図である。
【符号の説明】
1,2:カラム(イオン交換樹脂カラム)、3:UV装
置(紫外線照射装置)、4:原水貯槽、5:ポンプ、1
1,21:通水経路。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 沸騰水型原子力発電設備または新型転換
    炉型原子力発電設備の液体廃棄物処理系統に流入される
    排水中に含まれる過酸化水素を、該排水が通水される通
    水系統中に配置された脱塩装置の上流で光照射により分
    解させることを特徴とする原子力発電設備における液体
    廃棄物処理方法。
  2. 【請求項2】 沸騰水型原子力発電設備または新型転換
    炉型原子力発電設備から排出され浄化処理後、再利用す
    る排水を、脱塩装置に通した後復水貯蔵タンクに貯水さ
    せる液体廃棄物処理系統において、上記脱塩装置への通
    水の前段に、排水中に含まれる過酸化水素を分解させる
    光照射装置を設けたことを特徴とする原子力発電設備に
    おける液体廃棄物処理装置。
  3. 【請求項3】 沸騰水型原子力発電設備または新型転換
    炉型原子力発電設備から排出され浄化処理後、再利用す
    る排水を、復水貯蔵タンク内に貯水した後原子力発電設
    備の給・復水系統に戻す液体廃棄物処理系統において、
    該復水貯蔵タンク内の用水を上記給・復水系統の復水脱
    塩装置の上流に戻す経路の途中に、該用水中に含まれる
    過酸化水素を分解させる光照射装置を設けたことを特徴
    とする原子力発電設備における液体廃棄物処理装置。
  4. 【請求項4】 沸騰水型原子力発電設備または新型転換
    炉型原子力発電設備において、非発電状態で給・復水系
    統に用水を循環する定検後起動時の通水系路の復水脱塩
    装置の上流に、該用水中に含まれる過酸化水素を分解さ
    せる光照射装置を設けたことを特徴とする原子力発電設
    備における用水処理装置。
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