JP2933407B2 - 復水の浄化装置 - Google Patents
復水の浄化装置Info
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- JP2933407B2 JP2933407B2 JP3101642A JP10164291A JP2933407B2 JP 2933407 B2 JP2933407 B2 JP 2933407B2 JP 3101642 A JP3101642 A JP 3101642A JP 10164291 A JP10164291 A JP 10164291A JP 2933407 B2 JP2933407 B2 JP 2933407B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子力発電プラントあ
るいは火力発電プラントにおける復水脱塩系に用いられ
る浄化装置に関するものであり、特には、復水中の有機
物を除去する浄化装置に関するものである。
るいは火力発電プラントにおける復水脱塩系に用いられ
る浄化装置に関するものであり、特には、復水中の有機
物を除去する浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】火力,原子力の発電プラントは、蒸気発
生手段(すなわち、火力発電プラントにおけるボイラ
ー、沸騰粋型原子力発電プラントにおける原子炉、加圧
水型原子力発電プラントにおける蒸気発生器(Stea
m Generator))で発生させた高圧蒸気でタ
ービンを駆動させて発電を行なうものであり、かかる発
電プラントで必要とされる蒸気−復水系統は、例えば図
3に示した沸騰水型原子力発電プラントについてこれを
説明すると、蒸気発生手段としての原子炉5で作られた
蒸気でタービン(高圧タービン,低圧タービン)7を稼
動させ、また必要に応じてタービン駆動後の蒸気の一部
で原子炉5への給水を予熱するように設けられた蒸気系
の部分と、この後、蒸気を復水器1で冷却,凝縮して復
水とした後、原子炉5に再び給水する水系の部分とから
構成される給水循環系と、原子炉5の起動前に上記水系
の部分だけで水を循環させる復水循環系とからなってい
る。
生手段(すなわち、火力発電プラントにおけるボイラ
ー、沸騰粋型原子力発電プラントにおける原子炉、加圧
水型原子力発電プラントにおける蒸気発生器(Stea
m Generator))で発生させた高圧蒸気でタ
ービンを駆動させて発電を行なうものであり、かかる発
電プラントで必要とされる蒸気−復水系統は、例えば図
3に示した沸騰水型原子力発電プラントについてこれを
説明すると、蒸気発生手段としての原子炉5で作られた
蒸気でタービン(高圧タービン,低圧タービン)7を稼
動させ、また必要に応じてタービン駆動後の蒸気の一部
で原子炉5への給水を予熱するように設けられた蒸気系
の部分と、この後、蒸気を復水器1で冷却,凝縮して復
水とした後、原子炉5に再び給水する水系の部分とから
構成される給水循環系と、原子炉5の起動前に上記水系
の部分だけで水を循環させる復水循環系とからなってい
る。
【0003】また給水循環系中には、復水にイオンやク
ラッド等の不純物が混入した場合にこれを含む水をその
まま上記蒸気発生手段(原子炉5等)に給水すると、火
力発電プラントではボイラ伝熱管のスケールとなって熱
効率の低下を招き、著しくなれば管の閉塞という問題を
起こす虞れがあり、また加圧水型原子力発電プラント
(以下PWRという)では上記の不純物が伝熱細管,構
成部材の腐食誘引物質となり、沸騰水型原子力発電プラ
ント(以下BWRという)では不純物が放射性物質とな
って被曝線量の増加源となったり放射性廃棄物が増加す
る。これらのことから給水中の不純物除去のために、こ
の給水循環系中には復水脱塩装置と呼ばれる復水浄化の
ための装置、図3の例では上流側の復水濾過脱塩塔2及
び下流側の復水脱塩塔3が通常設けられる。なお4は復
水器1から上記復水濾過脱塩塔2等に復水を送る低圧復
水ポンプ、10は脱塩浄化された水を原子炉5に給水す
る高圧給水ポンプ、11は復水ライン、12は蒸気ライ
ン、13は復水器に必要に応じて外部から補給水を給水
する補給水ライン、14は復水ライン11の復水を原子
炉5に送らずに復水器1に戻す復水循環ラインであり、
例えば原子炉の起動前に切り換えバルブ15,16の開
閉切り換えにより使用される。
ラッド等の不純物が混入した場合にこれを含む水をその
まま上記蒸気発生手段(原子炉5等)に給水すると、火
力発電プラントではボイラ伝熱管のスケールとなって熱
効率の低下を招き、著しくなれば管の閉塞という問題を
起こす虞れがあり、また加圧水型原子力発電プラント
(以下PWRという)では上記の不純物が伝熱細管,構
成部材の腐食誘引物質となり、沸騰水型原子力発電プラ
ント(以下BWRという)では不純物が放射性物質とな
って被曝線量の増加源となったり放射性廃棄物が増加す
る。これらのことから給水中の不純物除去のために、こ
の給水循環系中には復水脱塩装置と呼ばれる復水浄化の
ための装置、図3の例では上流側の復水濾過脱塩塔2及
び下流側の復水脱塩塔3が通常設けられる。なお4は復
水器1から上記復水濾過脱塩塔2等に復水を送る低圧復
水ポンプ、10は脱塩浄化された水を原子炉5に給水す
る高圧給水ポンプ、11は復水ライン、12は蒸気ライ
ン、13は復水器に必要に応じて外部から補給水を給水
する補給水ライン、14は復水ライン11の復水を原子
炉5に送らずに復水器1に戻す復水循環ラインであり、
例えば原子炉の起動前に切り換えバルブ15,16の開
閉切り換えにより使用される。
【0004】上記復水脱塩装置としては、一般にイオン
交換樹脂を使用した復水脱塩塔や、粉末イオン交換樹
脂,イオン交換繊維等をフィルターエレメントにプリコ
ートした復水濾過脱塩塔等を単独にまたは組み合わせて
使用されるが、該脱塩装置共に中空糸膜濾過塔,電磁濾
過塔等の濾過装置が併用される場合もあり、そのうち上
記イオン交換樹脂を使用した復水脱塩塔は復水中のイオ
ンなどの溶解した不純物を除去することを主目的とし、
粉末イオン交換樹脂等をプリコートした復水濾過脱塩塔
はイオン等の除去と共に酸化鉄等の懸濁性腐食生成物の
濾去を目的とし、中空糸膜濾過塔、電磁濾過塔等は酸化
鉄等の懸濁性腐食生成物の除去を主目的としている。そ
して、詳細な説明は省略するが、これらの復水脱塩塔あ
るいは復水濾過脱塩塔等は、復水中のイオン成分や懸濁
性腐食生成物を除去するために極めて有効に機能してい
る。
交換樹脂を使用した復水脱塩塔や、粉末イオン交換樹
脂,イオン交換繊維等をフィルターエレメントにプリコ
ートした復水濾過脱塩塔等を単独にまたは組み合わせて
使用されるが、該脱塩装置共に中空糸膜濾過塔,電磁濾
過塔等の濾過装置が併用される場合もあり、そのうち上
記イオン交換樹脂を使用した復水脱塩塔は復水中のイオ
ンなどの溶解した不純物を除去することを主目的とし、
粉末イオン交換樹脂等をプリコートした復水濾過脱塩塔
はイオン等の除去と共に酸化鉄等の懸濁性腐食生成物の
濾去を目的とし、中空糸膜濾過塔、電磁濾過塔等は酸化
鉄等の懸濁性腐食生成物の除去を主目的としている。そ
して、詳細な説明は省略するが、これらの復水脱塩塔あ
るいは復水濾過脱塩塔等は、復水中のイオン成分や懸濁
性腐食生成物を除去するために極めて有効に機能してい
る。
【0005】なお本発明が対象とする発電プラントの給
水循環系中の復水に含まれる不純物は、発電プラントの
運転状況に応じてその量が変化することは一般によく知
られており、その運転状況の最も異なるのが通常運転時
と起動前である。
水循環系中の復水に含まれる不純物は、発電プラントの
運転状況に応じてその量が変化することは一般によく知
られており、その運転状況の最も異なるのが通常運転時
と起動前である。
【0006】例えば、沸騰水型原子力発電プラントにお
ける復水中に含まれる不純物は、上記した復水脱塩装置
を通る前の復水において下記表の通りである。
ける復水中に含まれる不純物は、上記した復水脱塩装置
を通る前の復水において下記表の通りである。
【0007】
【表1】
【0008】但し、発電プラントの起動前の復水中に上
述したイオンや酸化鉄等の不純物が存在しても、起動後
にその不純物は復水脱塩装置により除去されるため、理
論的にも現実の運転においても格別の不都合を生ずるこ
とはない。例えば上記の場合において、復水脱塩装置を
通った復水は不純物がかなり除去,浄化されて、一般
に、導電率は0.06μS/cm以下、懸濁性腐食生成物は
1.0μg/l以下となっている。
述したイオンや酸化鉄等の不純物が存在しても、起動後
にその不純物は復水脱塩装置により除去されるため、理
論的にも現実の運転においても格別の不都合を生ずるこ
とはない。例えば上記の場合において、復水脱塩装置を
通った復水は不純物がかなり除去,浄化されて、一般
に、導電率は0.06μS/cm以下、懸濁性腐食生成物は
1.0μg/l以下となっている。
【0009】また起動前の復水中の不純物も、起動に伴
って復水脱塩装置で除去されるため、これが問題とされ
ることは従来なかった。このため上記で説明した復水の
浄化設備に加えて、更に何等かの復水浄化のための設備
等を設けることについては格別提案されていない。
って復水脱塩装置で除去されるため、これが問題とされ
ることは従来なかった。このため上記で説明した復水の
浄化設備に加えて、更に何等かの復水浄化のための設備
等を設けることについては格別提案されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これらの発
電プラントについては従来から一層の耐久性,安全性向
上という観点から様々な提案がされており、水処理技術
について永年研究を重ねまた種々の提案をなしている本
発明者等も、実際プラントの運用等を加味しつつこれら
の発電プラントにおける復水のより優れた水質維持を実
現するために研究、開発を重ねた。
電プラントについては従来から一層の耐久性,安全性向
上という観点から様々な提案がされており、水処理技術
について永年研究を重ねまた種々の提案をなしている本
発明者等も、実際プラントの運用等を加味しつつこれら
の発電プラントにおける復水のより優れた水質維持を実
現するために研究、開発を重ねた。
【0011】そしてこの過程から本発明者は次のことを
知見した。すなわち、発電プラントにおける復水中に
は、上述したイオン状の不純物や懸濁性腐食生成物以外
に、特に起動前の復水において特徴的であるが、有機化
合物が含まれる場合がある。この有機化合物が復水中に
含まれる原因としては、例えば発電プラントにおいて使
用されているガスケット,パッキン等の素材が有機化合
物であることや、回転軸受けに使用されている油、機器
内表面に使用された防錆剤、さらには定期点検時に検査
等に使用する有機系副資材等々の多様なものが考えら
れ、これらが復水に接触することで有機化合物が溶出
し、復水中の有機系不純物となる。また給水循環系に設
けられている上記復水脱塩塔に使用されているイオン交
換樹脂の経年劣化に伴う有機物の溶出も上記原因の一つ
として考えられる。
知見した。すなわち、発電プラントにおける復水中に
は、上述したイオン状の不純物や懸濁性腐食生成物以外
に、特に起動前の復水において特徴的であるが、有機化
合物が含まれる場合がある。この有機化合物が復水中に
含まれる原因としては、例えば発電プラントにおいて使
用されているガスケット,パッキン等の素材が有機化合
物であることや、回転軸受けに使用されている油、機器
内表面に使用された防錆剤、さらには定期点検時に検査
等に使用する有機系副資材等々の多様なものが考えら
れ、これらが復水に接触することで有機化合物が溶出
し、復水中の有機系不純物となる。また給水循環系に設
けられている上記復水脱塩塔に使用されているイオン交
換樹脂の経年劣化に伴う有機物の溶出も上記原因の一つ
として考えられる。
【0012】これら復水に含まれる有機化合物は、通常
はボイラー等の蒸気発生手段において熱分解され、有機
物の主体である炭素−水素は炭酸と水に変化し、炭酸は
蒸気中に炭酸ガスとして同伴排出される。このため発電
プラントの通常の運転時に支障となるような問題は特に
ない。
はボイラー等の蒸気発生手段において熱分解され、有機
物の主体である炭素−水素は炭酸と水に変化し、炭酸は
蒸気中に炭酸ガスとして同伴排出される。このため発電
プラントの通常の運転時に支障となるような問題は特に
ない。
【0013】しかし不純物としてのこれらの有機化合物
の影響を仔細に検討すると、厳密には以下に述べるよう
な改善すべき点のあることが分かった。
の影響を仔細に検討すると、厳密には以下に述べるよう
な改善すべき点のあることが分かった。
【0014】すなわち、発電プラントの通常運転時にお
いては上記の通りであるが、運転状況が大きく異なる起
動前においては、復水は蒸気発生手段に給水されないた
め有機化合物の熱分解がなく、しかも定期点検時に検査
等に使用する有機系副資材等による有機化合物の汚染可
能性が起動後に比べて大きいという状況がある。このた
め、比較的有機化合物を多く含んでいる起動前の復水
が、復水脱塩装置,特に復水脱塩塔や蒸気発生手段に供
給されると、前者については復水脱塩塔に使用されてい
るイオン交換樹脂の有機物汚染という問題を招き、後者
にあっては不純物である有機化合物にナトリウム,イオ
ウ,窒素,塩素等の元素が含まれている場合にこれらが
熱分解により有機物から脱離してNa + ,SO 4 -- ,N
O 3 - , NH 4 + ,Cl - のイオンとなって、原子炉やボイ
ラ等の蒸気発生手段中の復水の導電率上昇等を招いて、
運転管理上の支障となることが明かとなった。
いては上記の通りであるが、運転状況が大きく異なる起
動前においては、復水は蒸気発生手段に給水されないた
め有機化合物の熱分解がなく、しかも定期点検時に検査
等に使用する有機系副資材等による有機化合物の汚染可
能性が起動後に比べて大きいという状況がある。このた
め、比較的有機化合物を多く含んでいる起動前の復水
が、復水脱塩装置,特に復水脱塩塔や蒸気発生手段に供
給されると、前者については復水脱塩塔に使用されてい
るイオン交換樹脂の有機物汚染という問題を招き、後者
にあっては不純物である有機化合物にナトリウム,イオ
ウ,窒素,塩素等の元素が含まれている場合にこれらが
熱分解により有機物から脱離してNa + ,SO 4 -- ,N
O 3 - , NH 4 + ,Cl - のイオンとなって、原子炉やボイ
ラ等の蒸気発生手段中の復水の導電率上昇等を招いて、
運転管理上の支障となることが明かとなった。
【0015】これらのうち、SO 4 -- ,NO 3 - 等に起因す
る復水導電率の上昇は、起動初期の一過性のものではあ
るが、一時的に原子炉水の導電率基準値とされる値(例
えば2.0μS/cm)を越えることもあって、本質的には
問題ないものの運転管理上の支障ともなる。
る復水導電率の上昇は、起動初期の一過性のものではあ
るが、一時的に原子炉水の導電率基準値とされる値(例
えば2.0μS/cm)を越えることもあって、本質的には
問題ないものの運転管理上の支障ともなる。
【0016】他方、有機化合物を多く含んでいる起動前
の復水が復水脱塩塔に供給されることで生ずる上記イオ
ン交換樹脂の有機物汚染の問題は、該復水脱塩塔の性能
劣化や、再生サイクルの時間短縮という問題をもたら
す。
の復水が復水脱塩塔に供給されることで生ずる上記イオ
ン交換樹脂の有機物汚染の問題は、該復水脱塩塔の性能
劣化や、再生サイクルの時間短縮という問題をもたら
す。
【0017】本発明は、以上のような従来指摘されてい
なかった問題、特に、起動前の状況が起動後の運転状況
と異なっているに起因して招致される問題を解決し、給
水循環系に設けられた復水脱塩装置のより効果的な機能
発揮を実現できるように工夫した復水の浄化装置を提供
するためになされたものである。
なかった問題、特に、起動前の状況が起動後の運転状況
と異なっているに起因して招致される問題を解決し、給
水循環系に設けられた復水脱塩装置のより効果的な機能
発揮を実現できるように工夫した復水の浄化装置を提供
するためになされたものである。
【0018】また本発明のより具体的な目的は、発電プ
ラントの起動時に、原子炉やボイラ等に供給される給水
中に含まれることがある有機物を、効果的に除去できる
ようにした装置、具体的には、一般的な復水浄化装置に
更に優れた浄化能力を発揮させることができる浄化装置
を提供することにある。
ラントの起動時に、原子炉やボイラ等に供給される給水
中に含まれることがある有機物を、効果的に除去できる
ようにした装置、具体的には、一般的な復水浄化装置に
更に優れた浄化能力を発揮させることができる浄化装置
を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を実現
する本発明の復水の浄化装置の特徴とするところは、原
子炉やボイラ等の蒸気発生手段で発生させた高圧蒸気を
タービンに導いて発電を行なわせ、タービン駆動後の蒸
気を復水器で復水にした後、脱塩装置を通して再び上記
蒸気発生手段に給水する給水循環系と、この給水循環系
の上記蒸気発生手段の上流位置で分岐されたラインから
上記脱塩装置を通った復水を蒸気発生手段に給水するこ
となく復水器に戻す復水循環系とが切換え可能に設けら
れている発電プラントにおいて、紫外線照射装置を、復
水器内の水を取水した後再び該復水器に戻すようにバイ
パスしたバイパス経路に設けて、このバイパス経路内の
復水に対して紫外線を照射するように設けたところにあ
る。
する本発明の復水の浄化装置の特徴とするところは、原
子炉やボイラ等の蒸気発生手段で発生させた高圧蒸気を
タービンに導いて発電を行なわせ、タービン駆動後の蒸
気を復水器で復水にした後、脱塩装置を通して再び上記
蒸気発生手段に給水する給水循環系と、この給水循環系
の上記蒸気発生手段の上流位置で分岐されたラインから
上記脱塩装置を通った復水を蒸気発生手段に給水するこ
となく復水器に戻す復水循環系とが切換え可能に設けら
れている発電プラントにおいて、紫外線照射装置を、復
水器内の水を取水した後再び該復水器に戻すようにバイ
パスしたバイパス経路に設けて、このバイパス経路内の
復水に対して紫外線を照射するように設けたところにあ
る。
【0020】この復水器に対しバイパスして設けられた
バイパス系の通水及び紫外線の照射は、上記給水循環系
や復水循環系の一方の稼働時あるいはこれらの非稼働時
を適宜選択して行なわせることができるが、特には、蒸
気発生手段起動前の復水循環系の通水に先立って、バイ
パス経路の通水と紫外線照射を行なわせるように運転操
作することが好ましい。これにより、復水循環系の通水
で復水脱塩塔のイオン交換樹脂が有機物で汚染されるこ
とが防止される。
バイパス系の通水及び紫外線の照射は、上記給水循環系
や復水循環系の一方の稼働時あるいはこれらの非稼働時
を適宜選択して行なわせることができるが、特には、蒸
気発生手段起動前の復水循環系の通水に先立って、バイ
パス経路の通水と紫外線照射を行なわせるように運転操
作することが好ましい。これにより、復水循環系の通水
で復水脱塩塔のイオン交換樹脂が有機物で汚染されるこ
とが防止される。
【0021】本発明は、特に限定されるものではない
が、沸騰水型原子力発電プラントに適用した場合に特に
優れた効果を奏する。
が、沸騰水型原子力発電プラントに適用した場合に特に
優れた効果を奏する。
【0022】
【実施例】以下本発明を、沸騰水型原子力発電プラント
の蒸気−復水系統に適用した図面に示す実施例に基づい
て説明する。
の蒸気−復水系統に適用した図面に示す実施例に基づい
て説明する。
【0023】図1において、1は復水器であり、蒸気ラ
イン12から供給された蒸気によりタービン7を駆動し
た後の該蒸気を、熱交換により冷却,凝縮して復水とし
下部のホットウエルに蓄水する缶体構造をなしている。
復水は低圧復水ポンプ4により適宜の水量で例えば中空
円筒状のフィルターエレメントにイオン交換樹脂をプリ
コートした復水濾過脱塩塔2、次いでイオン交換樹脂を
充填した復水脱塩塔3に通水され、高圧給水ポンプ10
により原子炉5に給水される(図3参照)。
イン12から供給された蒸気によりタービン7を駆動し
た後の該蒸気を、熱交換により冷却,凝縮して復水とし
下部のホットウエルに蓄水する缶体構造をなしている。
復水は低圧復水ポンプ4により適宜の水量で例えば中空
円筒状のフィルターエレメントにイオン交換樹脂をプリ
コートした復水濾過脱塩塔2、次いでイオン交換樹脂を
充填した復水脱塩塔3に通水され、高圧給水ポンプ10
により原子炉5に給水される(図3参照)。
【0024】また上記復水器1には、図3で説明した復
水循環系の復水循環ライン14と、補給水ライン13が
接続されている。
水循環系の復水循環ライン14と、補給水ライン13が
接続されている。
【0025】そして本例においては、上記復水器1に対
して更に次のように紫外線照射循環ライン8が接続され
ている。すなわち、復水器1の缶体の下部から蓄水され
ている復水を取水できるように接続された取水管81
が、途中に紫外線照射循環ポンプ9を介設して紫外線照
射装置6に接続されている。またこの紫外線照射装置6
には復水を復水器1に戻す復水戻し管82が接続されて
いる。
して更に次のように紫外線照射循環ライン8が接続され
ている。すなわち、復水器1の缶体の下部から蓄水され
ている復水を取水できるように接続された取水管81
が、途中に紫外線照射循環ポンプ9を介設して紫外線照
射装置6に接続されている。またこの紫外線照射装置6
には復水を復水器1に戻す復水戻し管82が接続されて
いる。
【0026】上記の紫外線照射装置6は、特に限定され
るものではないが、本例においては図2に示す如く復水
の流入口65と流出口66とを有する管状容器61の軸
心位置に石英管を配置して二重管構造とし、該石英管6
3の内部に紫外線を発光するランプ(放電管)62を内
蔵した構成のものとし、また、管状容器61の内部に
は、通水される復水がショートパスするのを防止するた
めに邪魔板64が設けられている。蒸気ランプ62とし
ては、紫外線の中でも特に有機化合物の分解力の強い波
長185nm以下の比較的短波長の紫外線を多く発生す
るいわゆる低圧水銀ランプを使用するのが好ましい。と
いうのは、復水を対象とする本発明の設備においては、
紫外線に加えて過酸化水素等の酸化剤を併用するのは好
ましくなく、紫外線照射のみで有機化合物の分解を行な
わねばならないという制約があるからである。
るものではないが、本例においては図2に示す如く復水
の流入口65と流出口66とを有する管状容器61の軸
心位置に石英管を配置して二重管構造とし、該石英管6
3の内部に紫外線を発光するランプ(放電管)62を内
蔵した構成のものとし、また、管状容器61の内部に
は、通水される復水がショートパスするのを防止するた
めに邪魔板64が設けられている。蒸気ランプ62とし
ては、紫外線の中でも特に有機化合物の分解力の強い波
長185nm以下の比較的短波長の紫外線を多く発生す
るいわゆる低圧水銀ランプを使用するのが好ましい。と
いうのは、復水を対象とする本発明の設備においては、
紫外線に加えて過酸化水素等の酸化剤を併用するのは好
ましくなく、紫外線照射のみで有機化合物の分解を行な
わねばならないという制約があるからである。
【0027】なお、紫外線照射循環ライン8に通水する
流量は、特に制限されず、一般的には復水ライン11の
流量に対して数分の1程度に設定することができる。
流量は、特に制限されず、一般的には復水ライン11の
流量に対して数分の1程度に設定することができる。
【0028】以上のような本発明の蒸気−復水系統にお
ける紫外線の照射処理は、発電プラントの定期点検の作
業に合せて行なわれるが、特に好ましくは、原子炉5等
の蒸気発生手段の起動前に行なわれる復水循環系の通水
に先立って、所定時間の間、復水器1中の復水の全量に
紫外線を照射し、更に必要に応じ復水循環系の通水中に
も継続して紫外線を照射するように処理することがよ
い。これは定検作業等に伴って混入する有機化合物の多
くは復水器に集まると考えられることや、循環系内の水
量の相当部分が復水器に蓄水されることから、この蓄水
に含有された有機化合物の分解を行なうことで、復水脱
塩塔3のイオン交換樹脂の有機物汚染の問題を有効に解
消できることになるからである。
ける紫外線の照射処理は、発電プラントの定期点検の作
業に合せて行なわれるが、特に好ましくは、原子炉5等
の蒸気発生手段の起動前に行なわれる復水循環系の通水
に先立って、所定時間の間、復水器1中の復水の全量に
紫外線を照射し、更に必要に応じ復水循環系の通水中に
も継続して紫外線を照射するように処理することがよ
い。これは定検作業等に伴って混入する有機化合物の多
くは復水器に集まると考えられることや、循環系内の水
量の相当部分が復水器に蓄水されることから、この蓄水
に含有された有機化合物の分解を行なうことで、復水脱
塩塔3のイオン交換樹脂の有機物汚染の問題を有効に解
消できることになるからである。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、発電プラントの給水循
環系を構成している部材等にとって有害なNa + ,Cl - ,
SO 4 -- 等のイオンの発生源となる有機化合物を紫外線
照射装置により分解し、イオンとした後イオン交換樹
脂,イオン交換繊維等を使用した脱塩装置で実質的に完
全に除去できるので、例えば原子炉に持ち込まれた有機
物により給水の導電率が上昇するというトラブルを防止
できると共に、有害なイオンによる機器材料の腐食損傷
防止を達成できるという効果がある。
環系を構成している部材等にとって有害なNa + ,Cl - ,
SO 4 -- 等のイオンの発生源となる有機化合物を紫外線
照射装置により分解し、イオンとした後イオン交換樹
脂,イオン交換繊維等を使用した脱塩装置で実質的に完
全に除去できるので、例えば原子炉に持ち込まれた有機
物により給水の導電率が上昇するというトラブルを防止
できると共に、有害なイオンによる機器材料の腐食損傷
防止を達成できるという効果がある。
【0030】また、復水器にバイパス接続したバイパス
系にポンプや紫外線照射装置を設け、復水循環系の通水
に先立って該復水器内の水を該バイパス系に通すこと
で、含有される有機化合物の分解を行なわせることがで
き、したがってこのバイパス系の独立した通水により紫
外線照射を行なった復水のみを脱塩装置等に通すように
することができ、該脱塩装置としてイオン交換樹脂を用
いた復水脱塩塔を使用する場合にあっては該イオン交換
樹脂の有機物汚染を効果的に防止できる効果がある。
系にポンプや紫外線照射装置を設け、復水循環系の通水
に先立って該復水器内の水を該バイパス系に通すこと
で、含有される有機化合物の分解を行なわせることがで
き、したがってこのバイパス系の独立した通水により紫
外線照射を行なった復水のみを脱塩装置等に通すように
することができ、該脱塩装置としてイオン交換樹脂を用
いた復水脱塩塔を使用する場合にあっては該イオン交換
樹脂の有機物汚染を効果的に防止できる効果がある。
【0031】また更に、復水器にバイパス経路を設ける
上記構成によれば、このバイパス系は給水循環系や復水
循環系の圧力に関係しない別個の構成部分となるため、
このバイパス系に紫外線照射装置を設ける場合の耐圧設
計を緩和できる利点もある。
上記構成によれば、このバイパス系は給水循環系や復水
循環系の圧力に関係しない別個の構成部分となるため、
このバイパス系に紫外線照射装置を設ける場合の耐圧設
計を緩和できる利点もある。
【図1】本発明を沸騰水型原子力発電プラントの蒸気−
復水系統に適用した一実施例の概要フロー図を示す。
復水系統に適用した一実施例の概要フロー図を示す。
【図2】同実施例の紫外線照射装置の構造を示した断面
図である。
図である。
【図3】従来の沸騰水型原子力発電プラントにおける蒸
気−復水系統の概要フロー図を示す。
気−復水系統の概要フロー図を示す。
1…復水器、2…復水濾過脱塩塔、3…復水脱塩塔、4
…低圧復水ポンプ、 5…原子炉、6…紫外線照射装置、7…タービン、 8…紫外線照射循環ライン、9…紫外線照射循環ポン
プ、 10…高圧給水ポンプ、11…復水ライン、12…蒸気
ライン、 13…補給水ライン、14…復水循環ライン、15,1
6…切り換えバルブ。
…低圧復水ポンプ、 5…原子炉、6…紫外線照射装置、7…タービン、 8…紫外線照射循環ライン、9…紫外線照射循環ポン
プ、 10…高圧給水ポンプ、11…復水ライン、12…蒸気
ライン、 13…補給水ライン、14…復水循環ライン、15,1
6…切り換えバルブ。
Claims (3)
- 【請求項1】 原子炉やボイラ等の蒸気発生手段で発生
させた高圧蒸気をタービンに導いて発電を行なわせ、タ
ービン駆動後の蒸気を復水器で復水にした後、脱塩装置
を通して再び上記蒸気発生手段に給水する給水循環系
と、この給水循環系の上記蒸気発生手段の上流位置で分
岐されたラインから上記脱塩装置を通った復水を蒸気発
生手段に給水することなく復水器に戻す復水循環系と、
が切換え可能に設けられている発電プラントにおいて、復水器内の復水を取水した後再び該復水器に戻すように
上記給水循環系に対しバイパスしたバイパス経路を設
け、このバイパス経路内の復水に対して紫外線照射装置
を設けると共に、このバイパス系の通水を行なわせるた
めの通水駆動手段と、上記給水循環系あるいは復水循環
系の稼働時及び/又は非稼働時に、バイパス経路の通水
駆動手段と紫外線照射装置を稼働させるバイパス系稼働
制御手段 を設けたことを特徴とする復水の浄化装置。 - 【請求項2】 請求項1において、バイパス系稼働制御
手段は、少なくとも上記復水循環系の通水に先立って、
上記バイパス経路の通水と紫外線照射装置の稼働を行な
わせるものであることを特徴とする復水の浄化装置。 - 【請求項3】 請求項1又は2において、紫外線照射装
置を設ける発電プラントが沸騰水型原子力発電プラント
であることを特徴とする復水の浄化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3101642A JP2933407B2 (ja) | 1991-05-07 | 1991-05-07 | 復水の浄化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3101642A JP2933407B2 (ja) | 1991-05-07 | 1991-05-07 | 復水の浄化装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04334588A JPH04334588A (ja) | 1992-11-20 |
JP2933407B2 true JP2933407B2 (ja) | 1999-08-16 |
Family
ID=14306032
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3101642A Expired - Fee Related JP2933407B2 (ja) | 1991-05-07 | 1991-05-07 | 復水の浄化装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2933407B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103159343A (zh) * | 2012-11-09 | 2013-06-19 | 唐山科为工控技术有限公司 | 煤气冷凝水处理方法 |
-
1991
- 1991-05-07 JP JP3101642A patent/JP2933407B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04334588A (ja) | 1992-11-20 |
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