JP2005003598A - 加圧水型原子力発電プラントにおける混床式脱塩塔およびその運転方法 - Google Patents
加圧水型原子力発電プラントにおける混床式脱塩塔およびその運転方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】加圧水型原子力発電プラントの一次冷却水の浄化処理において、混床式脱塩装置の運転サイクルが延伸され、その結果、使用済みのイオン交換樹脂の量を減量化することが出来る加圧水型原子力発電プラントにおける混床式脱塩塔を提供する。
【解決手段】運転と定期点検とが交互に繰返される加圧水型原子力発電プラントの化学体積制御系とホウ酸回収系と使用済み燃料ピット系とに夫々配置され且つ強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とが充填された一次冷却水浄化用の混床式脱塩塔およびその運転方法であって、混床式脱塩塔における強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂の混合比がイオン交換容量比で2:1〜6:1叉はイオン交換樹脂体積比で1:1〜4:1である加圧水型原子力発電プラントにおける混床式脱塩塔。
【選択図】 なし
【解決手段】運転と定期点検とが交互に繰返される加圧水型原子力発電プラントの化学体積制御系とホウ酸回収系と使用済み燃料ピット系とに夫々配置され且つ強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とが充填された一次冷却水浄化用の混床式脱塩塔およびその運転方法であって、混床式脱塩塔における強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂の混合比がイオン交換容量比で2:1〜6:1叉はイオン交換樹脂体積比で1:1〜4:1である加圧水型原子力発電プラントにおける混床式脱塩塔。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加圧水型原子力発電プラントにおける混床式脱塩塔およびその運転方法に関し、詳しくは、加圧水型原子力発電プラントの一次冷却水系の混床式脱塩塔において、充填されているイオン交換樹脂の交換期間を延伸して、使用済みのイオン交換樹脂の量を減量化する加圧水型原子力発電プラントにおける混床式脱塩塔およびその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
加圧水型原子力発電プラントの冷却水が流れる系統としては、一次冷却水系と二次冷却水系がある。そして、一次冷却水系において、原子炉冷却水に含まれる無機イオン及び陽イオン放射性核種を除去するために、一次冷却水の一部を原子炉格納容器の外部に導き出して、化学体積制御系及びホウ酸回収系の強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とを混合充填した混床式脱塩塔および強酸性陽イオン交換樹脂を充填した単床式脱塩塔によって浄化処理している。また、使用済み燃料ピット系においても、冷却水に含まれる無機イオン及び陽イオン放射性核種を混床式脱塩塔によって除去している。
【0003】
化学体積制御系、ホウ酸回収系および使用済み燃料ピット系の一次冷却水の浄化処理において使用される混床式脱塩塔として、Li型の陽イオン交換樹脂とOH型の陰イオン交換樹脂が交換容量比1:1で混合充填されている混床式脱塩塔が記載されている(非特許文献1参照)。イオン交換容量比1:1の混床式脱塩塔の使用は、一次冷却水の浄化処理において、吸着される不純物の混合床への負荷が陽イオン性物質と陰イオン性物質とで同等程度と見込まれているためである。
【0004】
【非特許文献1】
日野裕一、他3名、「原子力発電所(PWR)の水質管理」、火力原子力発電p1322―1338、Oct.1992
【0005】
図1は、加圧水型原子力発電プラントの一次冷却水の浄化システムを示す概略図である。上記の加圧水型原子力発電プラントの一次冷却水の浄化システムを図1を参照して説明する。
【0006】
一次冷却水は、原子炉(12)を冷却して高温、高圧(例えば、温度322℃、圧力15.4MPa)になっている。その様な高温、高圧の一次冷却水は、ポンプ(13p)によって一次冷却水循環ライン(13)を矢印で示す方向に循環しており、当該循環ライン(13)に設けられている蒸気発生器(14)で、二次冷却水との熱交換により発電用二次冷却水の蒸気を発生させる。
【0007】
一次冷却水を化学的に浄化すると共にその体積を一定に維持するための化学体積制御系において、循環する一次冷却水の一部は、一次冷却水抽出ライン(30)を経由して再生熱交換器(32)で冷却した後、原子炉格納容器の外部に取出される。次いで、取出された一次冷却水は、化学体積制御ライン(31)を経由して強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とを混合充填した混床式脱塩塔(33)及び強酸性陽イオン交換樹脂を充填した単床式脱塩塔(34)に供給されて含有する無機イオン及び陽イオン放射性核種が除去される。無機イオン及び陽イオン放射性核種が除去された一次冷却水は、化学体積制御ライン(31)を経由して体積制御タンク(35)に供給された後、ポンプ(31p)によって再生熱交換器(32)を経由して一次冷却水循環ライン(13)へ戻される。
【0008】
原子炉に供給される冷却材中のホウ酸濃度を維持するためのホウ酸回収系において、無機イオン及び陽イオン放射性核種が除去された一次冷却水は、体積制御タンク(35)に供給される前に、その一部をホウ酸回収ライン(41)を経由してホールドアップタンク(42)に間欠的に供給される。次いで、ホールドアップタンク(42)の一次冷却水は、強酸性陽イオン交換樹脂を充填した単床式脱塩塔(43)及び強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とを混合充填した混床式脱塩塔(44)で浄化処理された後、ホウ酸濃縮装置(45)で濃縮され、ホウ酸濃縮タンク(46)に供給される。ホウ酸濃縮タンク(46)のホウ酸濃縮溶液は、燃料棒燃焼制御の必要に応じて、ホウ酸・純水注入ライン(47)を経由した後、ポンプ(31p)によって再生熱交換器(32)を経由して一次冷却水循環ライン(13)に供給される。また、ホウ酸濃縮装置(45)で発生した蒸気は、熱交換器(52)で復水となった後、復水ライン(51)を経由して強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とを混合充填した混床式脱塩塔(53)に供給されて浄化処理し、次いで、純水タンク(54)に供給される。純水タンク(54)の純水は、ホウ酸濃度が高い場合、希釈水として、ホウ酸・純水注入ライン(47)を経由した後、ポンプ(31p)によって再生熱交換器(32)を経由して一次冷却水循環ライン(13)に供給される。
【0009】
また、原子炉で使用された使用済み燃料棒を浸漬する使用済み燃料ピット系においては、使用済みの燃料棒は、放射線レベルが低下する間、燃料ピット内に貯められた冷却水中に保管される。そして、この冷却水は、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とを混合充填した混床式脱塩塔に循環通液して浄化処理される。
【0010】
しかしながら、上述の加圧水型原子力発電プラントの一次冷却水の浄化処理において、混床式脱塩塔のイオン交換樹脂に吸着している無機イオン量および陽イオン放射性核種量について、そして当該イオン交換樹脂の使用限界については、殆ど評価がなされていない。
【0011】
加圧水型原子力発電プラントにおける一次冷却水の浄化処理は、浄化処理開始から定期点検のための浄化処理停止までを1サイクルとして、通常2サイクル運転されている。一次冷却水系混床式脱塩塔には、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とのイオン交換容量比1:1の割合で、2サイクル運転が出来る量のイオン交換樹脂を充填している。そして、一次冷却水系脱塩塔に使用されるイオン交換樹脂は、使用限界に達していなくても、2サイクル運転ごとに新品のイオン交換樹脂と交換されて、系外に取り出され、放射性廃棄物として、敷地内の貯蔵施設に保管される。近年、その貯蔵施設の容量狭隘化が問題化しており、そのため、使用済みのイオン交換樹脂の減量化が求められている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、加圧水型原子力発電プラントの一次冷却水の浄化処理において、混床式脱塩装置の運転サイクルが延伸され、その結果、使用済みのイオン交換樹脂の量を減量化することが出来る加圧水型原子力発電プラントにおける混床式脱塩塔およびその運転方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記実情に鑑み種々検討した結果、次の事実を得た。
(イ)加圧水型原子力発電プラントでは、クローズ系で運転が行われるが、その定期点検時には開放されて、大気中の酸素が一次冷却水中に溶解する。
(ロ)運転再開後に一次冷却水中の溶存酸素により、配管材などが酸化され、主としてニッケルイオンから成る陽イオン性不純物が溶出する。
(ハ)溶出する陰イオン性不純物量は陽イオン性不純物量に比べて極めて少なく、混床式脱塩装置に充填されている強塩基性陰イオン交換樹脂の交換容量には余裕がある。
【0014】
本発明者らは、上記の事実に基づき、更に検討を重ねた結果、以下の知見を得た。
(1)混床式脱塩装置に充填されている強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混合イオン交換樹脂から成る混合床のイオン交換容量比またはイオン交換樹脂体積比を強酸性陽イオン交換樹脂の割合リッチに変更することにより、混床式脱塩装置の運転サイクルが延伸される。
(2)陽イオン性不純物としてのニッケルイオン量の増加に伴って、混床式脱塩塔中の強酸性陽イオン交換樹脂のイオン交換容量が減少し、そのイオン交換容量の減少割合とニッケルイオン量とが一定の関係にあり、ニッケルイオン量から強酸性陽イオン交換樹脂の残存するイオン交換容量を予測することが出来る。
【0015】
本発明は、上記の(1)及び(2)の知見に基づき完成されたものであり、その第一の要旨は、運転と定期点検とが交互に繰返される加圧水型原子力発電プラントの化学体積制御系とホウ酸回収系と使用済み燃料ピット系とに夫々配置され且つ強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とが充填された一次冷却水浄化用の混床式脱塩塔であって、当該混床式脱塩塔における強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂の混合比がイオン交換容量比で2:1〜6:1であることを特徴とする加圧水型原子力発電プラントにおける混床式脱塩塔に存する。
【0016】
第二の要旨は、運転と定期点検とが交互に繰返される加圧水型原子力発電プラントの化学体積制御系とホウ酸回収系と使用済み燃料ピット系とに夫々配置され且つ強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とが充填された一次冷却水浄化用の混床式脱塩塔であって、当該混床式脱塩塔における強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂の混合比がイオン交換樹脂体積比で1:1〜4:1であることを特徴とする加圧水型原子力発電プラントにおける混床式脱塩塔に存する。
【0017】
第三の要旨は、第一または第二の要旨の加圧水型原子力発電プラントにおける混床式脱塩塔の運転方法であって、定期点検時に一次冷却水中に溶存する陽イオン性不純物としてのニッケルイオン量を測定し、強酸性陽イオン交換樹脂の残存するイオン交換容量を予測し、その予測に基づいて残余のイオン交換容量の50〜100%が消費されるまで、一次冷却水を混床式脱塩塔に通水した後、混床式脱塩塔に充填されたイオン交換樹脂を交換することを特徴とする加圧水型原子力発電プラントにおける混床式脱塩塔の運転方法に存する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を説明する。本発明の運転方法は、運転と定期点検とが交互に繰返される加圧水型原子力発電プラントの化学体積制御系とホウ酸回収系と使用済み燃料ピット系とに夫々配置され且つ強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とが充填された一次冷却水浄化用の混床式脱塩塔に適用できる。
【0019】
本発明で使用される混床式脱塩塔に充填される強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂の混合比は、イオン交換容量比で通常2:1〜6:1、または、イオン交換樹脂体積比で通常1:1〜4:1である。混床式脱塩塔の安定運転の見地から、混床式脱塩塔に充填される強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂の混合比は、イオン交換容量比で好ましくは2:1〜5:1、または、イオン交換樹脂体積比で好ましくは1:1〜3:1である。
【0020】
強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂の混合比がイオン交換容量比で2:1未満の場合は、または、イオン交換樹脂体積比で1:1未満の場合は、浄化運転サイクル中にニッケルイオンなどの陽イオン性不純物を吸着するための強酸性陽イオン交換樹脂の充填量が不足して、混床式脱塩装置の浄化運転サイクルを延伸することが困難となる。他方、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂の混合比がイオン交換容量比で6:1を超えた場合は、または、イオン交換樹脂体積比で4:1を超えた場合は、浄化運転サイクル中に陰イオン性不純物を吸着するための強塩基性陰イオン交換樹脂の充填量が不足して、混床式脱塩装置の浄化運転サイクルを延長することが困難となる。
【0021】
本発明の混合床を構成する強酸性陽イオン交換樹脂としては、酸化の影響を受けることが少ない高架橋度のゲル型強酸性陽イオン交換樹脂が使用でき、例えば、三菱化学(株)製、ダイヤイオンSKN1(商品名)、ダイヤイオンSK110(商品名)、ダイヤイオンSK112(商品名)、ダイヤイオンSK116(商品名)などが挙げられる。強塩基性陰イオン交換樹脂としては、、ゲル型またはMR 型の任意の公知のものが使用でき、例えば、三菱化学(株)製、ダイヤイオンSAN1(商品名)、ダイヤイオンPA312(商品名)、ダイヤイオンPA316(商品名)、ダイヤイオンSA10A(商品名)、ダイヤイオンSA11A(商品名)、ダイヤイオンSA12A(商品名)などが挙げられる。
【0022】
本発明の強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とが充填された混床式脱塩塔が設けられている加圧水型原子力発電プラントの一次冷却水の浄化システムの運転方法において、一次冷却水中の溶存した陽イオン性不純物としてのニッケルイオン量の測定は、定期的に、例えば、週1回行う。そして、定期的に測定された一次冷却水中の陽イオン性不純物としてのニッケルイオン量に基づき、混床式脱塩塔に使用されている強酸性陽イオン交換樹脂の定期点検時に残存するイオン交換容量を予測する。そして、その予測に基づいて残余のイオン交換容量の通常50〜100%が消費されるまで一次冷却水を混床式脱塩塔に通水し、定期点検時にまたは残余のイオン交換容量が零となった時点で、混床式脱塩塔に充填されたイオン交換樹脂を交換することが出来る。
【0023】
本発明によれば、従来の混床式脱塩塔に充填されている強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂の混合比を変更すること、及び、混床式脱塩塔で吸着された陽イオン性不純物としてのニッケルイオン量を定期的に測定して、混床式脱塩塔に使用されている強酸性陽イオン交換樹脂の定期点検時に残存するイオン交換容量を予測することによって、加圧水型原子力発電プラントの一次冷却水の浄化用混床式脱塩装置の運転サイクルが延伸され、その結果、使用済みのイオン交換樹脂を減量化することが出来る。
【0024】
【実施例】
以下、混床式脱塩塔におけるニッケルイオン及び塩素イオンの漏洩開始時間の測定により、本発明で使用する強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とから成る混合床の効果を明らかにする。ニッケルイオン及び塩化物イオンの漏洩量の測定は、次の方法で行った。
【0025】
<ニッケルイオンの漏洩の測定>
カラム出口水を継時的に50mlずつサンプリングした。得られた試料水を原子吸光光度計を使用して、表1に示す条件でニッケルイオンの漏洩する量を測定した。
【0026】
【表1】
測定装置:島津製AA−680(島津製作所製)
燃焼ガス:アセチレン 1.7リットル/分
助燃ガス:空気 12リットル/分
測定波長:232nm
【0027】
<塩化物イオンの漏洩の測定>
カラム出口水を継時的に50mlずつサンプリングした。得られた試料水をイオンクロマト分析計を使用して、表2に示す条件で塩化物イオンの漏洩する量を測定した。
【0028】
【表2】
測定装置:DIONEX DX−100(DIONEX corporation製)
溶離液 :2.7mM Na2CO3/0.3mM NaHCO3 溶液
流量 :1.5ml/分
カラム :DIONEX Ion Pac AS−12A
温度 :室温(25℃)
【0029】
試験例1(強酸性陽イオン交換樹脂(C)/強塩基性陰イオン交換樹脂(A)イオン交換容量比=2/1)
水スラリー化した強酸性陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)「ダイヤイオンSKN1」)162mlと強塩基性陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)「ダイヤイオンSAN1」)138mlとを十分に混合した。混合した樹脂を攪拌しながら、直径20mmφのガラスカラムに充填した後、塩化物イオン0.5ppm、ホウ酸2000ppm(Bとして)、Li+2ppmおよびNi2+3ppmを含有する水溶液をSV30の流量でガラスカラムに通液した。通液中、ガラスカラム出口水のニッケルイオンおよび塩化物イオンを測定し、ガラスカラム出口水のニッケルイオンが0.3ppmまたは塩化物イオンが0.05ppm以上の濃度となる時を漏洩開始時間とした。結果を表3に示す。
【0030】
試験例2〜6、比較試験例1
試験例1において、表3に示す様に強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混合割合(イオン交換容量比)を変更した以外は、充填するイオン交換樹脂量を変更せずに、試験例1と同様の方法により、ニッケルイオン叉は塩化物イオンの漏洩開始時間を求めた。結果を表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】
上述の表3から、イオン交換容量比において、強酸性陽イオン交換樹脂(C)と強塩基性陰イオン交換樹脂(A)との割合が2:1〜6:1の範囲では、ニッケルイオン叉は塩化物イオンの漏洩開始時間が長くなり、長期間浄化処理することが出来ることが判る。
【0033】
試験例7(強酸性陽イオン交換樹脂(C)/強塩基性陰イオン交換樹脂(A)体積比=1/1)
水スラリー化した強酸性陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)「ダイヤイオンSKN1」)150mlと強塩基性陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)「ダイヤイオンSAN1」)150mlとを十分に混合した。混合した樹脂を攪拌しながら、直径20mmφのガラスカラムに充填した後、塩化物イオン0.5ppm、ホウ酸2000ppm(Bとして)、Li+2ppm及びNi2+3ppmを含有する水溶液をSV30の流量でガラスカラムに通液した。通液中、ガラスカラム出口水のニッケルイオンおよび塩化物イオンを測定し、ガラスカラム出口水のニッケルイオンが0.3ppmまたは塩化物イオンが0.05ppm以上の濃度となる時を漏洩開始時間とした。結果を表4に示す。
【0034】
試験例8〜11、比較試験例2
試験例7において、表4に示す様に強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混合割合(イオン交換樹脂体積比)を変更した以外は、充填するイオン交換樹脂量を変更せずに、試験例7と同様の方法により、ニッケルイオン叉は塩素イオンの漏洩開始時間を求めた。結果を表4に示す。
【0035】
【表4】
【0036】
上述の表4から、イオン交換樹脂体積比において、強酸性陽イオン交換樹脂(C)と強塩基性陰イオン交換樹脂(A)との割合が1:1〜4:1の範囲では、ニッケルイオン叉は塩化物イオンの漏洩開始時間が長くなり、長期間浄化処理することが出来ることが判る。
【0037】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、加圧水型原子力発電プラントの一次冷却水系の混床式脱塩塔において、充填されている強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混合樹脂から成る混合床のイオン交換容量比またはイオン交換樹脂体積比を変更することにより、混床式脱塩装置の運転サイクルを延伸することが出来、その結果、使用済みのイオン交換樹脂の量を減量化することが出来る加圧水型原子力発電プラントにおける混床式脱塩塔の運転方法が提供され、本発明の工業的な価値は顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】加圧水型原子力発電プラントの一次冷却水の浄化ラインを示す概略図
【符号の説明】
12:原子炉
13:一次冷却水循環ライン
14:蒸気発生器
30:一次冷却水抽出ライン
31:化学体積制御ライン
32:再生熱交換器
33:混床式脱塩塔
34:単床式脱塩塔
35:体積制御タンク
41:ホウ酸回収ライン
43:単床式脱塩塔
44:混床式脱塩塔
45:ホウ酸濃縮装置
46:ホウ酸濃縮タンク
47:ホウ酸・純水注入ライン
51:復水ライン
53:混床式脱塩塔
54:純水タンク
【発明の属する技術分野】
本発明は、加圧水型原子力発電プラントにおける混床式脱塩塔およびその運転方法に関し、詳しくは、加圧水型原子力発電プラントの一次冷却水系の混床式脱塩塔において、充填されているイオン交換樹脂の交換期間を延伸して、使用済みのイオン交換樹脂の量を減量化する加圧水型原子力発電プラントにおける混床式脱塩塔およびその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
加圧水型原子力発電プラントの冷却水が流れる系統としては、一次冷却水系と二次冷却水系がある。そして、一次冷却水系において、原子炉冷却水に含まれる無機イオン及び陽イオン放射性核種を除去するために、一次冷却水の一部を原子炉格納容器の外部に導き出して、化学体積制御系及びホウ酸回収系の強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とを混合充填した混床式脱塩塔および強酸性陽イオン交換樹脂を充填した単床式脱塩塔によって浄化処理している。また、使用済み燃料ピット系においても、冷却水に含まれる無機イオン及び陽イオン放射性核種を混床式脱塩塔によって除去している。
【0003】
化学体積制御系、ホウ酸回収系および使用済み燃料ピット系の一次冷却水の浄化処理において使用される混床式脱塩塔として、Li型の陽イオン交換樹脂とOH型の陰イオン交換樹脂が交換容量比1:1で混合充填されている混床式脱塩塔が記載されている(非特許文献1参照)。イオン交換容量比1:1の混床式脱塩塔の使用は、一次冷却水の浄化処理において、吸着される不純物の混合床への負荷が陽イオン性物質と陰イオン性物質とで同等程度と見込まれているためである。
【0004】
【非特許文献1】
日野裕一、他3名、「原子力発電所(PWR)の水質管理」、火力原子力発電p1322―1338、Oct.1992
【0005】
図1は、加圧水型原子力発電プラントの一次冷却水の浄化システムを示す概略図である。上記の加圧水型原子力発電プラントの一次冷却水の浄化システムを図1を参照して説明する。
【0006】
一次冷却水は、原子炉(12)を冷却して高温、高圧(例えば、温度322℃、圧力15.4MPa)になっている。その様な高温、高圧の一次冷却水は、ポンプ(13p)によって一次冷却水循環ライン(13)を矢印で示す方向に循環しており、当該循環ライン(13)に設けられている蒸気発生器(14)で、二次冷却水との熱交換により発電用二次冷却水の蒸気を発生させる。
【0007】
一次冷却水を化学的に浄化すると共にその体積を一定に維持するための化学体積制御系において、循環する一次冷却水の一部は、一次冷却水抽出ライン(30)を経由して再生熱交換器(32)で冷却した後、原子炉格納容器の外部に取出される。次いで、取出された一次冷却水は、化学体積制御ライン(31)を経由して強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とを混合充填した混床式脱塩塔(33)及び強酸性陽イオン交換樹脂を充填した単床式脱塩塔(34)に供給されて含有する無機イオン及び陽イオン放射性核種が除去される。無機イオン及び陽イオン放射性核種が除去された一次冷却水は、化学体積制御ライン(31)を経由して体積制御タンク(35)に供給された後、ポンプ(31p)によって再生熱交換器(32)を経由して一次冷却水循環ライン(13)へ戻される。
【0008】
原子炉に供給される冷却材中のホウ酸濃度を維持するためのホウ酸回収系において、無機イオン及び陽イオン放射性核種が除去された一次冷却水は、体積制御タンク(35)に供給される前に、その一部をホウ酸回収ライン(41)を経由してホールドアップタンク(42)に間欠的に供給される。次いで、ホールドアップタンク(42)の一次冷却水は、強酸性陽イオン交換樹脂を充填した単床式脱塩塔(43)及び強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とを混合充填した混床式脱塩塔(44)で浄化処理された後、ホウ酸濃縮装置(45)で濃縮され、ホウ酸濃縮タンク(46)に供給される。ホウ酸濃縮タンク(46)のホウ酸濃縮溶液は、燃料棒燃焼制御の必要に応じて、ホウ酸・純水注入ライン(47)を経由した後、ポンプ(31p)によって再生熱交換器(32)を経由して一次冷却水循環ライン(13)に供給される。また、ホウ酸濃縮装置(45)で発生した蒸気は、熱交換器(52)で復水となった後、復水ライン(51)を経由して強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とを混合充填した混床式脱塩塔(53)に供給されて浄化処理し、次いで、純水タンク(54)に供給される。純水タンク(54)の純水は、ホウ酸濃度が高い場合、希釈水として、ホウ酸・純水注入ライン(47)を経由した後、ポンプ(31p)によって再生熱交換器(32)を経由して一次冷却水循環ライン(13)に供給される。
【0009】
また、原子炉で使用された使用済み燃料棒を浸漬する使用済み燃料ピット系においては、使用済みの燃料棒は、放射線レベルが低下する間、燃料ピット内に貯められた冷却水中に保管される。そして、この冷却水は、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とを混合充填した混床式脱塩塔に循環通液して浄化処理される。
【0010】
しかしながら、上述の加圧水型原子力発電プラントの一次冷却水の浄化処理において、混床式脱塩塔のイオン交換樹脂に吸着している無機イオン量および陽イオン放射性核種量について、そして当該イオン交換樹脂の使用限界については、殆ど評価がなされていない。
【0011】
加圧水型原子力発電プラントにおける一次冷却水の浄化処理は、浄化処理開始から定期点検のための浄化処理停止までを1サイクルとして、通常2サイクル運転されている。一次冷却水系混床式脱塩塔には、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とのイオン交換容量比1:1の割合で、2サイクル運転が出来る量のイオン交換樹脂を充填している。そして、一次冷却水系脱塩塔に使用されるイオン交換樹脂は、使用限界に達していなくても、2サイクル運転ごとに新品のイオン交換樹脂と交換されて、系外に取り出され、放射性廃棄物として、敷地内の貯蔵施設に保管される。近年、その貯蔵施設の容量狭隘化が問題化しており、そのため、使用済みのイオン交換樹脂の減量化が求められている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、加圧水型原子力発電プラントの一次冷却水の浄化処理において、混床式脱塩装置の運転サイクルが延伸され、その結果、使用済みのイオン交換樹脂の量を減量化することが出来る加圧水型原子力発電プラントにおける混床式脱塩塔およびその運転方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記実情に鑑み種々検討した結果、次の事実を得た。
(イ)加圧水型原子力発電プラントでは、クローズ系で運転が行われるが、その定期点検時には開放されて、大気中の酸素が一次冷却水中に溶解する。
(ロ)運転再開後に一次冷却水中の溶存酸素により、配管材などが酸化され、主としてニッケルイオンから成る陽イオン性不純物が溶出する。
(ハ)溶出する陰イオン性不純物量は陽イオン性不純物量に比べて極めて少なく、混床式脱塩装置に充填されている強塩基性陰イオン交換樹脂の交換容量には余裕がある。
【0014】
本発明者らは、上記の事実に基づき、更に検討を重ねた結果、以下の知見を得た。
(1)混床式脱塩装置に充填されている強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混合イオン交換樹脂から成る混合床のイオン交換容量比またはイオン交換樹脂体積比を強酸性陽イオン交換樹脂の割合リッチに変更することにより、混床式脱塩装置の運転サイクルが延伸される。
(2)陽イオン性不純物としてのニッケルイオン量の増加に伴って、混床式脱塩塔中の強酸性陽イオン交換樹脂のイオン交換容量が減少し、そのイオン交換容量の減少割合とニッケルイオン量とが一定の関係にあり、ニッケルイオン量から強酸性陽イオン交換樹脂の残存するイオン交換容量を予測することが出来る。
【0015】
本発明は、上記の(1)及び(2)の知見に基づき完成されたものであり、その第一の要旨は、運転と定期点検とが交互に繰返される加圧水型原子力発電プラントの化学体積制御系とホウ酸回収系と使用済み燃料ピット系とに夫々配置され且つ強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とが充填された一次冷却水浄化用の混床式脱塩塔であって、当該混床式脱塩塔における強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂の混合比がイオン交換容量比で2:1〜6:1であることを特徴とする加圧水型原子力発電プラントにおける混床式脱塩塔に存する。
【0016】
第二の要旨は、運転と定期点検とが交互に繰返される加圧水型原子力発電プラントの化学体積制御系とホウ酸回収系と使用済み燃料ピット系とに夫々配置され且つ強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とが充填された一次冷却水浄化用の混床式脱塩塔であって、当該混床式脱塩塔における強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂の混合比がイオン交換樹脂体積比で1:1〜4:1であることを特徴とする加圧水型原子力発電プラントにおける混床式脱塩塔に存する。
【0017】
第三の要旨は、第一または第二の要旨の加圧水型原子力発電プラントにおける混床式脱塩塔の運転方法であって、定期点検時に一次冷却水中に溶存する陽イオン性不純物としてのニッケルイオン量を測定し、強酸性陽イオン交換樹脂の残存するイオン交換容量を予測し、その予測に基づいて残余のイオン交換容量の50〜100%が消費されるまで、一次冷却水を混床式脱塩塔に通水した後、混床式脱塩塔に充填されたイオン交換樹脂を交換することを特徴とする加圧水型原子力発電プラントにおける混床式脱塩塔の運転方法に存する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を説明する。本発明の運転方法は、運転と定期点検とが交互に繰返される加圧水型原子力発電プラントの化学体積制御系とホウ酸回収系と使用済み燃料ピット系とに夫々配置され且つ強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とが充填された一次冷却水浄化用の混床式脱塩塔に適用できる。
【0019】
本発明で使用される混床式脱塩塔に充填される強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂の混合比は、イオン交換容量比で通常2:1〜6:1、または、イオン交換樹脂体積比で通常1:1〜4:1である。混床式脱塩塔の安定運転の見地から、混床式脱塩塔に充填される強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂の混合比は、イオン交換容量比で好ましくは2:1〜5:1、または、イオン交換樹脂体積比で好ましくは1:1〜3:1である。
【0020】
強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂の混合比がイオン交換容量比で2:1未満の場合は、または、イオン交換樹脂体積比で1:1未満の場合は、浄化運転サイクル中にニッケルイオンなどの陽イオン性不純物を吸着するための強酸性陽イオン交換樹脂の充填量が不足して、混床式脱塩装置の浄化運転サイクルを延伸することが困難となる。他方、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂の混合比がイオン交換容量比で6:1を超えた場合は、または、イオン交換樹脂体積比で4:1を超えた場合は、浄化運転サイクル中に陰イオン性不純物を吸着するための強塩基性陰イオン交換樹脂の充填量が不足して、混床式脱塩装置の浄化運転サイクルを延長することが困難となる。
【0021】
本発明の混合床を構成する強酸性陽イオン交換樹脂としては、酸化の影響を受けることが少ない高架橋度のゲル型強酸性陽イオン交換樹脂が使用でき、例えば、三菱化学(株)製、ダイヤイオンSKN1(商品名)、ダイヤイオンSK110(商品名)、ダイヤイオンSK112(商品名)、ダイヤイオンSK116(商品名)などが挙げられる。強塩基性陰イオン交換樹脂としては、、ゲル型またはMR 型の任意の公知のものが使用でき、例えば、三菱化学(株)製、ダイヤイオンSAN1(商品名)、ダイヤイオンPA312(商品名)、ダイヤイオンPA316(商品名)、ダイヤイオンSA10A(商品名)、ダイヤイオンSA11A(商品名)、ダイヤイオンSA12A(商品名)などが挙げられる。
【0022】
本発明の強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とが充填された混床式脱塩塔が設けられている加圧水型原子力発電プラントの一次冷却水の浄化システムの運転方法において、一次冷却水中の溶存した陽イオン性不純物としてのニッケルイオン量の測定は、定期的に、例えば、週1回行う。そして、定期的に測定された一次冷却水中の陽イオン性不純物としてのニッケルイオン量に基づき、混床式脱塩塔に使用されている強酸性陽イオン交換樹脂の定期点検時に残存するイオン交換容量を予測する。そして、その予測に基づいて残余のイオン交換容量の通常50〜100%が消費されるまで一次冷却水を混床式脱塩塔に通水し、定期点検時にまたは残余のイオン交換容量が零となった時点で、混床式脱塩塔に充填されたイオン交換樹脂を交換することが出来る。
【0023】
本発明によれば、従来の混床式脱塩塔に充填されている強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂の混合比を変更すること、及び、混床式脱塩塔で吸着された陽イオン性不純物としてのニッケルイオン量を定期的に測定して、混床式脱塩塔に使用されている強酸性陽イオン交換樹脂の定期点検時に残存するイオン交換容量を予測することによって、加圧水型原子力発電プラントの一次冷却水の浄化用混床式脱塩装置の運転サイクルが延伸され、その結果、使用済みのイオン交換樹脂を減量化することが出来る。
【0024】
【実施例】
以下、混床式脱塩塔におけるニッケルイオン及び塩素イオンの漏洩開始時間の測定により、本発明で使用する強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とから成る混合床の効果を明らかにする。ニッケルイオン及び塩化物イオンの漏洩量の測定は、次の方法で行った。
【0025】
<ニッケルイオンの漏洩の測定>
カラム出口水を継時的に50mlずつサンプリングした。得られた試料水を原子吸光光度計を使用して、表1に示す条件でニッケルイオンの漏洩する量を測定した。
【0026】
【表1】
測定装置:島津製AA−680(島津製作所製)
燃焼ガス:アセチレン 1.7リットル/分
助燃ガス:空気 12リットル/分
測定波長:232nm
【0027】
<塩化物イオンの漏洩の測定>
カラム出口水を継時的に50mlずつサンプリングした。得られた試料水をイオンクロマト分析計を使用して、表2に示す条件で塩化物イオンの漏洩する量を測定した。
【0028】
【表2】
測定装置:DIONEX DX−100(DIONEX corporation製)
溶離液 :2.7mM Na2CO3/0.3mM NaHCO3 溶液
流量 :1.5ml/分
カラム :DIONEX Ion Pac AS−12A
温度 :室温(25℃)
【0029】
試験例1(強酸性陽イオン交換樹脂(C)/強塩基性陰イオン交換樹脂(A)イオン交換容量比=2/1)
水スラリー化した強酸性陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)「ダイヤイオンSKN1」)162mlと強塩基性陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)「ダイヤイオンSAN1」)138mlとを十分に混合した。混合した樹脂を攪拌しながら、直径20mmφのガラスカラムに充填した後、塩化物イオン0.5ppm、ホウ酸2000ppm(Bとして)、Li+2ppmおよびNi2+3ppmを含有する水溶液をSV30の流量でガラスカラムに通液した。通液中、ガラスカラム出口水のニッケルイオンおよび塩化物イオンを測定し、ガラスカラム出口水のニッケルイオンが0.3ppmまたは塩化物イオンが0.05ppm以上の濃度となる時を漏洩開始時間とした。結果を表3に示す。
【0030】
試験例2〜6、比較試験例1
試験例1において、表3に示す様に強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混合割合(イオン交換容量比)を変更した以外は、充填するイオン交換樹脂量を変更せずに、試験例1と同様の方法により、ニッケルイオン叉は塩化物イオンの漏洩開始時間を求めた。結果を表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】
上述の表3から、イオン交換容量比において、強酸性陽イオン交換樹脂(C)と強塩基性陰イオン交換樹脂(A)との割合が2:1〜6:1の範囲では、ニッケルイオン叉は塩化物イオンの漏洩開始時間が長くなり、長期間浄化処理することが出来ることが判る。
【0033】
試験例7(強酸性陽イオン交換樹脂(C)/強塩基性陰イオン交換樹脂(A)体積比=1/1)
水スラリー化した強酸性陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)「ダイヤイオンSKN1」)150mlと強塩基性陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)「ダイヤイオンSAN1」)150mlとを十分に混合した。混合した樹脂を攪拌しながら、直径20mmφのガラスカラムに充填した後、塩化物イオン0.5ppm、ホウ酸2000ppm(Bとして)、Li+2ppm及びNi2+3ppmを含有する水溶液をSV30の流量でガラスカラムに通液した。通液中、ガラスカラム出口水のニッケルイオンおよび塩化物イオンを測定し、ガラスカラム出口水のニッケルイオンが0.3ppmまたは塩化物イオンが0.05ppm以上の濃度となる時を漏洩開始時間とした。結果を表4に示す。
【0034】
試験例8〜11、比較試験例2
試験例7において、表4に示す様に強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混合割合(イオン交換樹脂体積比)を変更した以外は、充填するイオン交換樹脂量を変更せずに、試験例7と同様の方法により、ニッケルイオン叉は塩素イオンの漏洩開始時間を求めた。結果を表4に示す。
【0035】
【表4】
【0036】
上述の表4から、イオン交換樹脂体積比において、強酸性陽イオン交換樹脂(C)と強塩基性陰イオン交換樹脂(A)との割合が1:1〜4:1の範囲では、ニッケルイオン叉は塩化物イオンの漏洩開始時間が長くなり、長期間浄化処理することが出来ることが判る。
【0037】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、加圧水型原子力発電プラントの一次冷却水系の混床式脱塩塔において、充填されている強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂との混合樹脂から成る混合床のイオン交換容量比またはイオン交換樹脂体積比を変更することにより、混床式脱塩装置の運転サイクルを延伸することが出来、その結果、使用済みのイオン交換樹脂の量を減量化することが出来る加圧水型原子力発電プラントにおける混床式脱塩塔の運転方法が提供され、本発明の工業的な価値は顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】加圧水型原子力発電プラントの一次冷却水の浄化ラインを示す概略図
【符号の説明】
12:原子炉
13:一次冷却水循環ライン
14:蒸気発生器
30:一次冷却水抽出ライン
31:化学体積制御ライン
32:再生熱交換器
33:混床式脱塩塔
34:単床式脱塩塔
35:体積制御タンク
41:ホウ酸回収ライン
43:単床式脱塩塔
44:混床式脱塩塔
45:ホウ酸濃縮装置
46:ホウ酸濃縮タンク
47:ホウ酸・純水注入ライン
51:復水ライン
53:混床式脱塩塔
54:純水タンク
Claims (3)
- 運転と定期点検とが交互に繰返される加圧水型原子力発電プラントの化学体積制御系とホウ酸回収系と使用済み燃料ピット系とに夫々配置され且つ強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とが充填された一次冷却水浄化用の混床式脱塩塔であって、当該混床式脱塩塔における強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂の混合比がイオン交換容量比で2:1〜6:1であることを特徴とする加圧水型原子力発電プラントにおける混床式脱塩塔。
- 運転と定期点検とが交互に繰返される加圧水型原子力発電プラントの化学体積制御系とホウ酸回収系と使用済み燃料ピット系とに夫々配置され且つ強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とが充填された一次冷却水浄化用の混床式脱塩塔であって、当該混床式脱塩塔における強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂の混合比がイオン交換樹脂体積比で1:1〜4:1であることを特徴とする加圧水型原子力発電プラントにおける混床式脱塩塔。
- 請求項1叉は2に記載の加圧水型原子力発電プラントにおける混床式脱塩塔の運転方法であって、定期点検時に一次冷却水中に溶存する陽イオン性不純物としてのニッケルイオン量を測定し、強酸性陽イオン交換樹脂の残存するイオン交換容量を予測し、その予測に基づいて残余のイオン交換容量の50〜100%が消費されるまで、一次冷却水を混床式脱塩塔に通水した後、混床式脱塩塔に充填されたイオン交換樹脂を交換することを特徴とする加圧水型原子力発電プラントにおける混床式脱塩塔の運転方法。
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