JP2019132774A - 原子力発電プラントにおける復水若しくは廃液の脱塩方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】原子力発電プラントにおいて、復水中に存在する酸化促進物質を分解することで復水若しくは廃液の脱塩装置におけるイオン交換樹脂を長寿命化させ、イオン交換樹脂の交換頻度を減少させる脱塩方法を提供する。【解決手段】原子力発電プラントの復水若しくは廃液の処理において、イオン交換樹脂の粒径分と比重により一義的に決定される終末速度が共に1〜5cm/sの範囲にある強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂との分布を均一とした混床を形成し、一旦形成された混床の強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂とが分離しない状態で、当該混床の表面全体に金属担持樹脂を体積比で2%乃至50%の範囲でオーバーレイしてなるイオン交換樹脂層を充填した復水若しくは廃液の脱塩装置に、復水若しくは廃液を通水することを特徴とする、原子力発電プラントの復水若しくは廃液の脱塩方法。【選択図】なし

Description

本発明は、原子力発電プラントの復水若しくは廃液の脱塩方法に関し、特に、復水中や廃液中に含まれる過酸化水素などの酸化促進物質を分解除去する復水若しくは廃液の脱塩方法に関する。
原子力発電プラントでは、復水を浄化する目的で中空糸膜フィルタを用いた復水ろ過装置や、粒状イオン交換樹脂を用いた脱塩装置が用いられている。この復水脱塩装置は、原子炉構成材料の腐食を抑止し、原子炉水中の放射性物質を除去することにより作業員の被ばく量を低減するなどの目的で設置されている。
また、原子力発電プラントで発生した廃液には放射性物質やイオン性不純物などが含まれており、この廃液についても中空糸膜フィルタや脱塩装置で処理され、再利用されている。
イオン交換樹脂を含む復水脱塩装置や廃液脱塩装置においては、イオン交換樹脂の能力低下時にはイオン交換樹脂を交換することが必要になり、その際には、新しいイオン交換樹脂の費用に加えて、使用済みイオン交換樹脂が放射性廃棄物として発生するため、放射性廃棄物の処理に伴う費用及び場所が必要になる。そのため、イオン交換樹脂の長寿命化を図ることが望まれている。
しかし、沸騰水型原子力発電プラントの原子炉水には、燃料棒から発生する放射線の照射を受けて水が分解されることにより発生する過酸化水素、及び過酸化水素から生成するヒドロペルオキシラジカルやヒドロキシラジカルなどの酸化促進物質(以下「酸化促進物質」という。)が含まれている。また、復水中には、原子炉からタービンや復水器を経由して原子炉内に存在する酸化促進物質が存在している。原子炉水中には通常、過酸化水素が数ppm乃至数100ppmオーダーで含まれている。原子炉水は、その一部が廃液となるため、廃液中にも過酸化水素が含まれることとなる。使用済み燃料を保管する使用済み燃料プールにおいても同様で、プール水中には過酸化水素が含まれることとなる。
加圧水型原子力発電プラントにおいても同様で、蒸気発生器を介して分離されている二次系復水中には原子炉由来の過酸化水素は含まれないものの、一次系統水や使用済み燃料プール水には過酸化水素や酸化促進物質が存在する。
この酸化促進物質は、非常に強力な酸化作用を有するため、イオン交換樹脂のカチオン交換樹脂を酸化し、ポリスチレンスルホン酸(PSS)を溶出させる。溶出したPSSは、アニオン交換樹脂に付着し、アニオン交換樹脂の反応速度を低下させる。さらに、過酸化水素によりカチオン交換樹脂が酸化されて劣化するため、カチオン交換樹脂から硫酸イオン等が溶出し、脱塩装置の出口の導電率を上昇させる。
イオン交換樹脂の劣化の主原因は、水中に含まれる酸化促進物質が接触することによるカチオン交換樹脂の酸化によるものと考えられている。そこで、カチオン交換樹脂と接触する前に、酸化促進物質を含む水をアニオン交換樹脂と接触させてアルカリ分解する方法(特許文献1)、粒状活性炭と接触させて酸化促進物質を除去する方法や白金族系触媒粒子を担持させたイオン交換樹脂と接触させて酸化促進物質を除去する方法(特許文献2)、白金をコーティングした触媒コーティング膜に通水させて酸化促進物質を除去する方法(特許文献3)、活性炭と接触させて酸化促進物質を吸着させて除去する方法(特許文献
4)、マンガンフィルタに通水して酸化促進物質を除去する方法(特許文献5)、パラジウムを担持したイオン交換樹脂を用いて酸化促進物質を除去する方法(特許文献6)、金属を担持したイオン交換樹脂を通常のイオン交換樹脂に混合して酸化促進物質を除去する方法(特許文献7)などが提案されている。しかし、これまでに提案されている方法は、原子力発電プラントの放射性廃液や復水中の過酸化水素分解に関するものであり、樹脂層を形成する具体的な方法は提案されていない。特に、既に設置されている脱塩装置に金属担持樹脂をどのような方法で配置し、復水や廃液に含まれる酸化促進物質を効果的に分解するかについては提案されていない。脱塩装置で使用されているイオン交換樹脂は、様々な粒径分布や比重を有しているため、適切なイオン交換樹脂を選定し、適切な方法で樹脂層を形成しないと、効果は得られないこととなる。
特開2000−002787号公報 特開平10−111387号公報 特開2003−156589号公報 特開2008−232773号公報 特開2014−071004号公報 特開平10−66984号公報 特開2016−191619号公報
本発明は、原子力発電プラントの復水中や廃液中の酸化促進物質を低減させ、復水脱塩装置や廃液脱塩装置におけるイオン交換樹脂を長寿命化させ、イオン交換樹脂の交換頻度を減少させる復水若しくは廃液の脱塩方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、原子力発電プラントの復水若しくは廃液の脱塩装置において、原子炉内で発生した、放射線分解により発生する過酸化水素などの酸化促進物質を含む被処理水をイオン交換樹脂により脱塩処理する際に、特定の金属担持樹脂と接触させて被処理水中の酸化促進物質を低減させ、復水若しくは廃液の脱塩装置で使用しているイオン交換樹脂への負荷を低減させて処理水の水質を高純度に維持すると共に、イオン交換樹脂の寿命を延長し、放射性二次廃棄物となる使用済みイオン交換樹脂の発生量を低減させる、原子力発電プラントにおける復水若しくは廃液の脱塩技術が提供される。
既存の原子力発電プラントでは、復水脱塩装置の前段に、金属担持樹脂を充填した処理装置を新たに設置することは経済的に多額の費用を必要とするだけでなく、設置するスペースにも限りがあり、実用的ではない。
また、原子力発電プラント内に設置されている脱塩装置は、経済性の観点から装置が簡素化されているため、複雑な運転操作をすることが出来ない。一般的な脱塩装置の場合、脱塩塔以外にカチオン交換樹脂再生塔とアニオン交換樹脂再生塔、樹脂貯槽(樹脂混合槽)などの装置が付帯しており、樹脂層の形成を変更することは容易である。しかし、脱塩塔のみの装置で樹脂の混合操作などを行う場合の制約は大きい。
即ち、金属担持樹脂を従来のイオン交換樹脂層の表層部にオーバーレイする場合には以下の手順で実施することとなるが、脱塩装置内で樹脂表層からオーバーフローラインまでのヘッドスペースに余裕がないため、樹脂層を形成することは困難である。
(1)脱塩塔下部より水を抜きながら、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂を水スラリーで脱塩塔内に移送し、
(2)脱塩塔内の水を抜き、
(3)脱塩塔下部より空気を加え、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂を混合し、
(4)混合したカチオン交換樹脂及びアニオン交換樹脂の混床表層にフリーボードまで水をはり、
(5)脱塩塔内に、金属担持樹脂を水スラリーで移送する。
これらの操作を行うと、(5)の工程でフリーボード管から金属担持樹脂が流出する可能性が高い。一方、金属担持樹脂の流出を回避するために、(4)の工程で水をはらない状態で金属担持樹脂を移送すると、樹脂と水のスラリーが混床の表層に直接当たるため、表層部が掘れてしまい、きれいな樹脂層が形成されないこととなる。従って、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂の混合操作を必要とするイオン交換樹脂の組み合わせでは、金属担持樹脂を表層に配することは出来ない。
また通常のイオン交換樹脂と金属担持樹脂を混合して使用する場合、適切な粒径や比重のイオン交換樹脂を選定しないと、脱塩塔内での分布が不均質となるため、効果を十分に発揮することができない。即ち、比重の大きいカチオン交換樹脂は脱塩塔の下部に存在しがちであり、比重の小さいアニオン交換樹脂は脱塩塔の上部に存在しがちとなる。また、粒径の大きいイオン交換樹脂は脱塩塔の下部に、粒径の小さいイオン交換樹脂は脱塩塔の上部に存在しがちとなる。
発明者らは、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂が一旦混合すると分離しない組み合わせを選択することで、金属担持樹脂を適切にカチオン交換樹脂及びアニオン交換樹脂の混床上に配置し、酸化促進物質を分解し、イオン交換樹脂への負荷を軽減できることを見出し、イオン交換樹脂の寿命を延長することが可能であることを見出した。
具体的には、本発明は以下の態様を含む。
[1]原子力発電プラントの復水若しくは廃液の処理において、イオン交換樹脂の粒径分と比重により一義的に決定される終末速度が共に1〜5cm/sの範囲にある強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂との分布を均一とした混床を形成し、一旦形成された混床の強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂とが分離しない状態で、当該混床の表面全体に金属担持樹脂を体積比で2%乃至50%の範囲でオーバーレイしてなるイオン交換樹脂層を充填した復水若しくは廃液の脱塩装置に、復水若しくは廃液を通水することを特徴とする、原子力発電プラントの復水若しくは廃液の脱塩方法。
[2]前記金属担持樹脂に担持されている金属は、パラジウム、白金、マンガン、鉄又はチタンの微粒子から選択されることを特徴とする、前記[1]に記載の原子力発電プラントの復水若しくは廃液の脱塩方法。
[3]前記金属担持樹脂は、パラジウム、白金、マンガン、鉄又はチタンの微粒子から選択される金属を担持してなる強塩基性ゲル型アニオン交換樹脂であることを特徴とする、前記[1]又は[2]に記載の原子力発電プラントの復水若しくは廃液の脱塩方法。
本発明において使用する、カチオン交換樹脂及びアニオン交換樹脂の組み合わせとしては、イオン交換樹脂の粒径と比重により一義的に決定される終末速度が共に1〜5cm/sの範囲にあることが必要である。終末速度が重複することは、流体特性が同等であることを意味する。終末速度の範囲は、内径30mm程度のカラムにイオン交換樹脂を層高50cm程度充填し、カラム下方より水を注入し、徐々に流速(流量)を上げていき、粒径の小さいイオン交換樹脂が初めに動き出す流速(流量)を下限とし、粒径の大きいものを含むすべてのイオン交換樹脂が流動する流速(流量)を上限とする範囲である。従来の脱塩装置に充填されているイオン交換樹脂の場合、使用済みのカチオン交換樹脂とアニオン
交換樹脂とを分離して、カチオン交換樹脂は酸で再生し、アニオン交換樹脂はアルカリで再生する必要があるため、終末速度範囲が重ならないイオン交換樹脂の組合せを用いている。例えば、復水脱塩装置で使用されているカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂との組合せでは、ダウケミカル社のカチオン交換樹脂HCR-W2の終末速度範囲は2〜8cm/sであり、アニオン交換樹脂SBR-PCの終末速度範囲は0.8〜3cm/sであり、重複範囲は狭い。本発明においては、従来方法とは異なり、終末速度範囲が重複するカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂との組合せを用いる点を特徴とする。例えば、いずれも終末速度範囲が1〜5cm/sであるダウケミカル社が販売するカチオン交換樹脂のMS545Cとアニオン交換樹脂のSBR-Cの組み合わせ、ランクセス社が販売するカチオン交換樹脂のレバチットMDS200Hとアニオン交換樹脂のレバチットモノプラスM800KRの組み合わせを好適に挙げることができる。MDS200Hは比重が1.21で平均粒径0.33mm程度の均一係数が1.1程度のいわゆる均一粒径樹脂で、M800KRは比重が1.07で平均粒径が0.64mm程度の均一係数が1.1程度のいわゆる均一粒径樹脂である。これらのイオン交換樹脂の組み合わせは、混合後に逆洗操作を実施してもカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とが分離することはほとんどない。
これらのイオン交換樹脂を用いることで、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂との混床の表層部に金属担持樹脂を効果的に配置することができる。
カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂との混床の表層部に、金属担持樹脂を配置する操作は以下の手順で行うことができる。
(1)脱塩塔下部より水を抜きながら、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂を脱塩塔内に水スラリーで移送し、
(2)引き続き、脱塩塔下部より水を抜きながら、金属担持樹脂を水スラリーで移送する。
本発明の原子力発電プラントの復水若しくは廃液の脱塩方法によれば、原子炉で発生する放射線により、水の放射線分解により生成する過酸化水素などの酸化促進物質を効率よく分解できるので、復水若しくは廃液の脱塩装置に充填されているイオン交換樹脂の酸化劣化を防止し、処理水の水質を高純度に維持できるとともに、イオン交換樹脂の寿命を長くして放射性二次廃棄物となる使用済みイオン交換樹脂の発生量を低減することができる。原子力発電プラントにおける復水処理にとって、放射性二次廃棄物の減容化は重要な課題であり、これらを達成することができる本発明の意義は大きい。
図1は、沸騰水型原子力発電プラントの一次冷却水系のフローを示す概略構成図である。 図2は、実施例1で用いた閉ループ循環装置の概略フローを示す概念図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1に、沸騰水型原子力発電プラントの一次冷却水系のフローを示す。
原子炉1で発生した蒸気は高圧タービン2及び低圧タービン3で発電に使用された後、復水器4で冷却され、復水ろ過装置5や復水脱塩装置6で浄化され、原子炉1に戻される循環路を形成している。
原子炉1にて原子炉水は放射線分解され、過酸化水素、ヒドロキシラジカル、ヒドロキ
シペルオキシラジカルなどの酸化促進物質を発生させる。これらの酸化促進物質は、蒸気と共に上記循環路内を移動するため、復水脱塩装置6のイオン交換樹脂が酸化分解されることとなる。
復水脱塩装置6には、通常、強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂が混合状態(「混床」という。)で充填されている。通常、樹脂層高は800mm乃至2000mmであり、ここに通水線流速で20m/h乃至200m/hの範囲、好ましくは80m/h乃至130m/hの範囲で、復水を通水させて浄化及び脱塩した後、原子炉1に戻している。沸騰水型原子力発電プラントで広く使用されている復水脱塩装置では、樹脂層高は1000mm程度、通水線流速は100m/h程度である。
本発明は、復水脱塩装置6内に充填するイオン交換樹脂混床の表層全体に、金属担持樹脂を体積比で混床の2%乃至50%の範囲でオーバーレイし、復水中に含まれる酸化促進物質を分解することで、イオン交換樹脂への負荷を軽減するものである。また、図1に記載はないが、原子力発電プラント全体から発生する様々な廃液は、廃液脱塩装置で処理され、得られた純水は回収されて再利用される。
金属担持樹脂としては、パラジウム、白金、マンガン、鉄又はチタンの微粒子から選択される金属粒子をポリマー樹脂上に担持させてなる強塩基性ゲルタイプ球形樹脂が好ましい。強塩基性ゲルタイプ球形樹脂としては、レバチット モノプラスM500(LEWATIT(登録商標) MonoPlus M 500)、レバチットASB1(LEWATIT(登録商標)ASB1)、ダイヤイオン(登録商標)SA10A、ダウエックス(登録商標)SBR−Pなどの市販品を好適に用いることができる。金属粒子の担持量は、0.1g/L乃至10g/L、好ましくは0.5g/L乃至5g/Lの範囲が望ましい。
混床への添加率が2vol%未満であると、酸化促進物質の分解を十分に行うことができない。金属担持樹脂の添加率の上限は特に制限はないが、およそ50vol%で十分であり、50vol%を超えても分解効果が大幅に増加することがないので費用対効果を考慮し、適切な添加率を決定することができる。
復水脱塩装置6に混床として充填されているイオン交換樹脂としては、イオン交換樹脂の粒径と比重により一義的に決定される終末速度が共に1〜5cm/sの範囲にある強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂との分布を均一とした混床を形成し、一旦形成された混床の強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂とが分離しない状態であることが必要であり、例えば、ダウケミカル社が販売するカチオン交換樹脂のMS545Cとアニオン交換樹脂のSBR-Cの組み合わせ、ランクセス社が販売するカチオン交換樹脂のレバチットMDS200Hとアニオン交換樹脂のレバチットモノプラスM800KRの組み合わせを好適に挙げることができる。
また、金属担持樹脂層は、混床の表層の全体に均一に配置することが必要である。混床の表層の全体に均一に配置することにより、過酸化水素などの酸化促進物質がアニオン交換樹脂及びカチオン交換樹脂に直接接触することが防止され、これらの酸化劣化を防止することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1]
図2に示す閉ループ試験装置(図中「P」はポンプ、「DO」は溶存酸素計、「FI」は流量計、「TI」は温度計を示す)を用いて、原水タンクにて過酸化水素(H)濃度を5mg/Lとなるように調整した純水を樹脂カラムに循環通水し、イオン交換樹脂
から溶出するTOC(全有機体炭素)を系内で濃縮させ、そのTOC濃度を経時的に測定し、イオン交換樹脂からのTOC溶出速度を評価した。TOC濃度の測定は、全有機体炭素計(島津製作所製TOC−V)にて行った。主な試験条件は以下のとおりである。
・カラム内径:40mmΦ
・通水線流速:40m/h
・被処理水(純水)温度:40℃
・過酸化水素濃度:5mg/L
樹脂カラムとして表1に示す2種類(実施例及び対照)を用いて、300時間程度通水したときのTOC濃度を測定して評価した。樹脂カラムに充填した各イオン交換樹脂は以下のとおりである。
「Pd担持樹脂」:約1g/LのPdを担持させた強塩基性ゲルタイプ球形アニオン交換樹脂(ランクセス社Lewatit(登録商標)K7333)
Figure 2019132774
実施例では、混床の表層部で過酸化水素が分解されるため、300時間を経過してもTOC濃度が1mg/Lを上回ることは無く、TOC濃度の低減効果が著しく高いことが分かる。一方、対照では、通水開始直後よりTOC濃度が上昇し24時間後には3mg/Lに達した。これは、Pd担持樹脂が存在しないカラム周辺部では、混床部分に直接、過酸化水素が触れてしまうため、酸化反応が進行することによると考えられる。
以上のことから、本発明の復水若しくは廃液の脱塩方法によれば、イオン交換樹脂の酸化劣化を防止し、処理水の水質を高純度に維持できるとともに、イオン交換樹脂の寿命を長くして放射性二次廃棄物となる使用済みイオン交換樹脂の発生量を低減することができる。

Claims (3)

  1. 原子力発電プラントの復水若しくは廃液の処理において、イオン交換樹脂の粒径分と比重により一義的に決定される終末速度が共に1〜5cm/sの範囲にある強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂との分布を均一とした混床を形成し、一旦形成された混床の強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂とが分離しない状態で、当該混床の表面全体に金属担持樹脂を体積比で2%乃至50%の範囲でオーバーレイしてなるイオン交換樹脂層を充填した復水若しくは廃液の脱塩装置に、復水若しくは廃液を通水することを特徴とする、原子力発電プラントの復水若しくは廃液の脱塩方法。
  2. 前記金属担持樹脂に担持されている金属は、パラジウム、白金、マンガン、鉄又はチタンの微粒子から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の原子力発電プラントの復水若しくは廃液の脱塩方法。
  3. 前記金属担持樹脂は、パラジウム、白金、マンガン、鉄又はチタンの微粒子から選択される金属を担持してなる強塩基性ゲル型アニオン交換樹脂であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の原子力発電プラントの復水若しくは廃液の脱塩方法。
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