JP6543363B2 - 原子力発電使用済み燃料プール水の浄化法及び装置並びに使用済み燃料プール水の処理方法及び装置 - Google Patents
原子力発電使用済み燃料プール水の浄化法及び装置並びに使用済み燃料プール水の処理方法及び装置 Download PDFInfo
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Description
L程度)を含む使用済み燃料プール水の浄化に用いられた例はない。
[1]イオン交換樹脂の表層に2cm以上の層高で積層させた金属担持樹脂を充填してなる原子力発電使用済み燃料プール水浄化装置に、原子力発電使用済み燃料プール水を通水線流速50m/h以下で通水して、使用済み燃料プール水に含まれている酸化促進物質を分解し、次いで、イオン交換樹脂に接触させることを含む、原子力発電使用済み燃料プール水浄化方法。
[2]前記金属担持樹脂に担持されている金属は、パラジウム、白金、マンガン、鉄又はチタンの微粒子から選択される、[1]に記載の原子力発電使用済み燃料プール水浄化方法。
[3]前記酸化促進物質は、過酸化水素、ヒドロペルオキシラジカル又はヒドロキシラジカルである、[1]又は[2]に記載の原子力発電使用済み燃料プール水浄化方法。
[4]原子力発電使用済み燃料プールからの使用済み燃料プール水を、[1]〜[3]のいずれかに記載の原子力発電使用済み燃料プール水浄化方法により前記原子力発電使用済み燃料プール水浄化装置で浄化した後、再び原子力発電使用済み燃料プールに戻して利用する、原子力発電使用済み燃料プール水処理方法。
[5]イオン交換樹脂の表層に2cm以上の層高で積層させた金属担持樹脂を充填してなる原子力発電使用済み燃料プール水浄化装置。
[6]原子力発電プラント使用済み燃料プールと、
イオン交換樹脂の表層に2cm以上の層高で積層させた金属担持樹脂を充填してなる原子力発電使用済み燃料プール水浄化装置と、
該原子力発電プラント使用済み燃料プールから、該原子力発電使用済み燃料プール水浄化装置へ、原子力発電使用済み燃料プール水を送液する送液ラインと、
該原子力発電使用済み燃料プール水浄化装置にて浄化された使用済み燃料プール水を該原子力発電使用済み燃料プールへ戻す使用済み燃料プール水循環ラインと、
を具備する、原子力発電使用済み燃料プール水処理装置。
図1に、原子力発電プラントの使用済み燃料プール水を処理する場合の本発明の水処理装置の概略フローを示す。使用済み燃料プール1には、原子炉から取り出された使用済み燃料棒を冷却保管するため冷却水(「使用済み燃料プール水」ともいう)が充てんされている。原子炉から取り出された使用済み燃料棒は、燃料プール水中に保管されている間にも放射線を放出し続けるため、使用済み燃料プール水は放射線分解され、過酸化水素、ヒドロキシラジカル、ヒドロキシペルオキシラジカルが発生する。使用済み燃料プール1(被処理水貯留槽)からの使用済み燃料プール水(被処理水)は、移送ポンプ2によって燃料プール浄化装置3に送られる。燃料プール浄化装置3は、イオン交換樹脂が充てんされてなるイオン交換樹脂層3aと、イオン交換樹脂層の表層上に2cm以上、より好ましくは5cm以上の層高で充てんされてなる金属担持樹脂層3bと、を含む。2cm未満であると、酸化促進物質の分解が十分ではない。金属担持樹脂層の層高の上限は特に制限はないが、およそ10cmを超えると流速が遅くなり処理水量が減少するので適切な層高を決定するとよい。使用済み燃料プール水中の酸化促進物質は、金属担持樹脂層を通過する際に分解される。続いてイオン交換樹脂層で不純物イオンが除去される。脱塩処理後の処理水は使用済み燃料プール1に戻され、冷却水として再び使用される。脱塩装置3への被処理水の通水流量は、通水線流速で10〜50m/h程度の範囲とする。10m/h未満では循環水量が少なくなり使用済み燃料棒の冷却効果が低下する。50m/hを超えると、酸化促進物質と金属担持樹脂との接触効率が低下し、分解能が低下する。
[実施例1]
金属担持樹脂を用いて、浸漬試験により過酸化水素の分解能力を確認した。
金属担持樹脂を用いて、カラム通水試験により過酸化水素の分解能力を確認した。
まず、金属担持樹脂として、ランクセス社のPd担持樹脂Lewatit(登録商標)K7333を用い、内径16mmのガラスカラムに1〜10cmの層高で充填した。約2mg/Lに調整した過酸化水素水を通水線速度LV=10〜70m/hで通水することによって金属担持樹脂の過酸化水素除去性能を調べた。結果を表2及び図3に示す。
[実施例3]
過酸化水素によるイオン交換樹脂の劣化への影響を確認した。
mオーダーで燃料プール内に存在する過酸化水素を90%以上分解すればよいと言える。
Claims (6)
- イオン交換樹脂の表層に2cm以上10cm以下の層高で積層させた金属担持樹脂を充填してなる原子力発電使用済み燃料プール水浄化装置に、原子力発電使用済み燃料プール水を通水線流速30m/h以上50m/h以下で通水して、使用済み燃料プール水に含まれている酸化促進物質を分解し、次いで、イオン交換樹脂に接触させることを含む、原子力発電使用済み燃料プール水浄化方法であって、
酸化促進物質が過酸化水素を含み、使用済み燃料プール水中の過酸化水素の分解率が90%以上である、上記方法。 - 前記金属担持樹脂に担持されている金属は、パラジウム、白金、マンガン、鉄又はチタンの微粒子から選択される、請求項1に記載の原子力発電使用済み燃料プール水浄化方法。
- 前記酸化促進物質は、さらにヒドロペルオキシラジカル、ヒドロキシラジカル、またはこれらの組み合せを含む、請求項1又は2に記載の原子力発電使用済み燃料プール水浄化方法。
- 原子力発電使用済み燃料プールからの使用済み燃料プール水を、請求項1〜3のいずれか1項に記載の原子力発電使用済み燃料プール水浄化方法により前記原子力発電使用済み燃料プール水浄化装置で浄化した後、再び原子力発電使用済み燃料プールに戻して利用する、原子力発電使用済み燃料プール水処理方法。
- イオン交換樹脂の表層に2cm以上10cm以下の層高で積層させた金属担持樹脂を充填してなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法に用いるための原子力発電使用済み燃料プール水浄化装置。
- 原子力発電プラント使用済み燃料プールと、
イオン交換樹脂の表層に2cm以上10cm以下の層高で積層させた金属担持樹脂を充填してなる原子力発電使用済み燃料プール水浄化装置と、
該原子力発電プラント使用済み燃料プールから、該原子力発電使用済み燃料プール水浄化装置へ、原子力発電使用済み燃料プール水を送液する送液ラインと、
該原子力発電使用済み燃料プール水浄化装置にて浄化された使用済み燃料プール水を該原子力発電使用済み燃料プールへ戻す使用済み燃料プール水循環ラインと、
を具備する、請求項4に記載の方法に用いるための原子力発電使用済み燃料プール水処理装置。
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