JP2000002787A - 原子力プラントの過酸化水素濃度低減装置 - Google Patents

原子力プラントの過酸化水素濃度低減装置

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JP2000002787A
JP2000002787A JP10168091A JP16809198A JP2000002787A JP 2000002787 A JP2000002787 A JP 2000002787A JP 10168091 A JP10168091 A JP 10168091A JP 16809198 A JP16809198 A JP 16809198A JP 2000002787 A JP2000002787 A JP 2000002787A
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exchange resin
reactor
pipe
water
hydrogen peroxide
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JP10168091A
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Inventor
Katsumi Nagasawa
克己 長沢
Shuji Hoshi
修二 星
Koichi Kinoshita
浩一 木下
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Toshiba Engineering Corp
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Engineering Corp
Toshiba Corp
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Publication date
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    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【課題】沸騰水型原子力発電所において、原子炉水が放
射線分解により過酸化水素が発生するが、この過酸化水
素の濃度を低減する。 【解決手段】原子炉水浄化装置26と主復水器ホットウェ
ル16との間に原子炉冷却水ブロー止め弁25を有する原子
炉ブロー配管24を接続する。この原子炉ブロー配管24の
前記原子炉水浄化装置26と前記ブロー止め弁25との間に
入口配管52を介して強塩基性陰イオン交換樹脂のみを充
填した陰イオン交換樹脂塔51を接続し、この陰イオン交
換樹脂塔51の出口配管54側に戻り配管68を接続し、この
戻り配管68を前記原子炉冷却水ブロー止め弁25と前記主
復水器ホットウェル16との間の前記原子炉ブロー配管24
に接続する。強塩基性陰イオン交換樹脂のアルカリ性に
より過酸化水素の分解を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は原子力プラントの一
次系に設置した原子炉水浄化装置や燃料プール浄化装置
のイオン交換樹脂の性能低下を防止するための原子力プ
ラントの過酸化水素濃度低減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図6により従来の沸騰水型原子力プラン
トの定期検査時の一次系系統水の流路構成を説明する。
図6中、符号1は概略的に示した原子炉圧力容器で、こ
の原子炉圧力容器1内には制御棒駆動装置2と炉心3が
設置されている。制御棒駆動装置2は復水貯蔵槽4との
間に制御棒駆動水ポンプ5を有する制御棒駆動水配管6
により復水貯蔵槽4と接続している。
【0003】原子炉圧力容器1には原子炉再循環配管7
が接続し、再循環配管7は再循環系ポンプ8,原子炉浄
化系ポンプ9,原子炉浄化系再生熱交換器10および戻り
配管11を順次接続して原子炉圧力容器1との間に循環系
を構成している。
【0004】復水貯蔵槽4の上流側は液体廃棄物処理系
12と流路配管13により接続し、液体廃棄物処理系12の上
流側は液体廃棄物処理系ブロー弁14および主復水器ホッ
トウェルブロー弁15を介して原子炉ブロー配管24により
主復水器ホットウェル16に接続している。
【0005】主復水器ホットウェル16の下流側には復水
ポンプ17,復水ろ過装置18および復水脱塩装置19が順次
接続され、復水脱塩装置19の下流側は給水弁20を有する
給水管21により原子炉圧力容器1に接続している。
【0006】復水脱塩装置19と給水弁20との間の給水管
21には分岐して復水器ホットウェル16に接続する戻り弁
22を有する戻り管23が設けられている。液体廃棄物処理
系ブロー弁14と主復水器ホットウェルブロー弁15との間
の原子炉ブロー配管24から分岐して原子炉冷却水ブロー
止め弁25が接続している。
【0007】原子炉冷却水ブロー止め弁25の下流側には
原子炉水浄化装置26,原子炉浄化系非再生熱交換器27が
接続している。原子炉浄化系非再生熱交換器27は原子炉
浄化系再生熱交換器10に接続している。原子炉冷却水ブ
ロー止め弁25と原子炉水浄化装置26との間から分岐して
原子炉浄化装置出口弁28が接続し、この出口弁28は原子
炉浄化系再生熱交換器10に戻り管29により接続してい
る。原子炉浄化系非再生熱交換器27には内部に冷却水を
流通させるための冷却水入口配管30と冷却水出口配管31
が接続している。
【0008】図6に示した沸騰水型原子力発電所の一次
系プラントの定期検査において、原子炉圧力容器1には
制御棒駆動装置2の冷却水として復水貯蔵水が流入して
くる。このため、原子炉水位を一定に保つため、原子炉
水の一部が原子炉水浄化装置26を経て主復水器ホットウ
ェル16または液体廃棄物処理系12に回収する。
【0009】一方、炉心3に照射済燃料が存在する場合
は、照射済燃料からのγ線により原子炉水が放射線分解
して過酸化水素が生成する。このため、主復水器ホット
ウェル16または液体廃棄物処理系12にブローされる水の
過酸化水素濃度は数ppm となる。
【0010】図7は従来の沸騰水型原子力発電所におけ
る定期検査時の燃料交換後の原子炉ウェル水抜きルート
を系統図で示している。図7中、符号32は原子炉ウェ
ル,33は燃料交換装置34に吊り上げまたは吊り下げられ
た照射済燃料,35は燃料プール,36は使用済燃料貯蔵ラ
ック,37は原子炉ウェル32と燃料プール35とを連結する
原子炉ウェル水ブロー配管で、ブロー止め弁38を有して
いる。39は原子炉ウェル水回収配管で、燃料プール水浄
化装置用入口弁40と出口弁41を接続している。
【0011】燃料プール35には燃料プール水浄化系ポン
プ42が接続し、このポンプ42の吐出側と前記入口弁40と
出口弁41との間には熱交換器43と燃料プール水浄化装置
44が接続している。符号45は圧力抑制室で、この圧力抑
制室45は原子炉圧力容器1の下方で原子炉格納容器46内
に設置されている。
【0012】圧力抑制室45と液体廃棄物処理系12との間
には原子炉ウェル水圧力抑制室ブロー弁47と原子炉ウェ
ル液体廃棄物処理系ブロー弁48を有するブロー配管49が
接続している。このブロー配管49には復水貯蔵槽4に接
続する原子炉ウェル復水貯蔵槽ブロー弁50が接続してい
る。原子炉ウェル水回収配管39の出口弁41側は前記各ブ
ロー弁47,50間のブロー配管49に接続している。
【0013】ところで、照射済燃料33は原子炉から燃料
交換装置34を用いて取出された後、脱塩水が水張りされ
た原子炉ウェル32を通過し燃料プール35の使用済燃料貯
蔵ラック36に格納される。
【0014】この際、原子炉ウェル水は照射済燃料33を
保有する炉心3や燃料プール35と直接接することにな
る。このため、原子炉圧力容器1,炉心3や原子炉ウェ
ル32および燃料プール35では、照射済燃料33からのγ線
エネルギーにより原子炉水が放射線分解して、過酸化水
素が生成する。
【0015】燃料交換終了後、原子炉ウェル水は燃料プ
ール浄化系44を経て復水貯蔵槽4や圧力抑制室45に回収
したり、液体廃棄物処理系12にブローし、機器ドレン系
で処理後、復水貯蔵槽4に回収される。
【0016】このため、復水貯蔵槽4や圧力抑制室45へ
の回収水や液体廃棄物処理系12へのブロー水の過酸化水
素濃度は数ppm となる。従来プラントでは特にこの過酸
化水素を低減するための処置は採られていなかった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】定期検査中に原子炉水
位制御のため連続ブローされる原子炉水が主復水器ホッ
トウェルに流入し、このとき、復水脱塩塔を用いて復水
浄化運転を行う場合は、過酸化水素水が復水浄化運転の
ための通水により復水脱塩塔イオン交換樹脂と接触する
ことになり、特に、鉄イオンを吸着した陽イオン交換樹
脂の酸化劣化を促進し、陽イオン交換樹脂からのポリス
チレンスルフォン酸(PSS) の溶出やPSSによる陰
イオン交換樹脂の表面汚染による復水脱塩塔陰イオン交
換樹脂の脱塩率低下を招くことがある。
【0018】また、定期検査中に原子炉水位制御のため
原子炉水を液体廃棄物処理系12にブローし、機器ドレン
脱塩塔を用いて廃液処理を行う場合は、過酸化水素水を
含む廃液が機器ドレン脱塩塔イオン交換樹脂と接触する
ことになり、特に、鉄イオンを吸着した陽イオン交換樹
脂の酸化劣化を促進し、陽イオン交換樹脂からのポリス
チレンスルフォン酸(PSS)の溶出やPSSによる陰
イオン交換樹脂の表面汚染による機器ドレン脱塩塔陰イ
オン交換樹脂の脱塩率低下を招くことが懸念される。
【0019】さらに、定期検査中の燃料交換後、過酸化
水素水を含む原子炉ウェル水が復水貯蔵槽に直接回収さ
れ、この復水貯蔵槽の水を用いて復水脱塩塔のイオン交
換樹脂の化学再生や逆洗といわれる洗浄操作を実施する
場合がある。このような場合、過酸化水素を含む水が化
学再生や逆洗操作時に復水脱塩塔イオン交換樹脂と接触
することになる。
【0020】特に、鉄イオンを吸着した陽イオン交換樹
脂の酸化劣化を促進し、陽イオン交換樹脂からのポリス
チレンスルフォン酸(PSS)の溶出やPSSによる陰
イオン交換樹脂の表面汚染による陰イオン交換樹脂の脱
塩率低下を招くことがあった。このため、定期検査中に
照射済燃料と水が接触することにより生ずる過酸化水素
濃度を低減することは、重要な課題である。
【0021】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、復水貯蔵槽をはじめ一次系や液体廃棄物処理
系等への過酸化水素の拡散を抑制することができる原子
力プラントの過酸化水素濃度低減装置を提供することに
ある。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、原子
炉水浄化装置と主復水器ホットウェルとの間に原子炉冷
却水ブロー止め弁を有する原子炉ブロー配管を接続し、
この原子炉ブロー配管の前記原子炉水浄化装置と前記ブ
ロー止め弁との間に入口配管を介して強塩基性イオン交
換樹脂のみを充填した陰イオン交換樹脂塔を接続し、こ
の陰イオン交換樹脂塔の出口側に戻り配管を接続し、こ
の戻り配管を前記原子炉冷却水ブロー止め弁と前記主復
水器ホットウェルとの間の前記原子炉ブロー配管に接続
してなることを特徴とする。
【0023】請求項1の発明によれば、沸騰水型原子力
発電所において強塩基性陰イオン交換樹脂のみを充填し
た脱塩塔を設置し、この脱塩塔を通水することで、系統
水中の過酸化水素濃度の分解を図ることができる。
【0024】また、沸騰水型原子力発電所における原子
炉水浄化系ブローダウン配管に強塩基性陰イオン交換樹
脂のみを充填した脱塩塔を設置し、この脱塩塔を通水す
ることによりブローダウン水中の過酸化水素濃度の分解
を図ることができる。
【0025】請求項2の発明は、燃料プール水浄化装置
と復水貯蔵槽との間に燃料プール水浄化装置出口弁を有
する原子炉ウェル水回収配管を接続し、この原子炉ウェ
ル水回収配管の前記燃料プール水浄化装置と前記出口弁
との間に入口配管を介して強塩基性イオン交換樹脂のみ
を充填した陰イオン交換樹脂塔を接続し、この陰イオン
交換樹脂塔の出口側に戻り配管を接続し、この戻り配管
を前記燃料プール水浄化装置出口弁と前記復水貯蔵槽と
の間の前記原子炉ウェル水回収配管に接続してなること
を特徴とする。
【0026】請求項2の発明によれば、沸騰水型原子力
発電所における燃料プール水浄化系配管に請求項1の強
塩基性陰イオン交換樹脂のみを充填した脱塩塔を設置
し、この脱塩塔を通水することにより、燃料交換後の原
子炉ウェル水を復水貯蔵槽や圧力抑制室に回収する際の
回収水中過酸化水素濃度の分解を図ることができる。原
子炉水浄化系ブローダウン水および原子炉ウェル水では
数ppm の過酸化水素濃度が測定されており、過酸化水素
濃度の存在が確認されている。
【0027】請求項3の発明は、前記陰イオン交換樹脂
塔は本体胴内を複数に区画する仕切り板を有し、この仕
切り板の両端部を蛇行するように通水流路を設け、前記
本体胴内に陰イオン交換樹脂を充填してなることを特徴
とする。
【0028】請求項3の発明によれば、陰イオン交換樹
脂脱塩塔において脱塩塔内を隔壁により区分けし、樹脂
層高を長くすることを特徴とする。本発明により、過酸
化水素を含んだ水と陰イオン交換樹脂との接触確率を増
加することにより、過酸化水素の分解効率を高める。
【0029】請求項4の発明は、前記本体胴に中空糸脱
気膜を内蔵した脱気保護筒を設け、この脱気保護筒に分
解ガス脱気配管を接続し、この分解ガス脱気配管に真空
ポンプを接続してなることを特徴とする。
【0030】請求項4の発明によれば、陰イオン交換樹
脂脱塩塔に中空糸脱気膜を設置し、脱塩塔外部に設置し
た真空ポンプを用いて脱塩塔内を負圧にすることによ
り、過酸化水素の分解を促進し、かつ過酸化水素分解に
より生成する酸素ガスを除去し、脱塩塔内イオン交換樹
脂の差圧が上昇することを抑制することができる。
【0031】請求項5の発明は、前記陰イオン交換樹脂
塔の下流側に陽イオン交換樹脂塔を接続してなることを
特徴とする。請求項5の発明によれば、陰イオン交換樹
脂脱塩塔下流に陽イオン交換樹脂脱塩塔を設けることに
より、過酸化水素の分解の際、陰イオン交換樹脂塔から
発生してくる陽イオン系有機不純物を除去することがで
きる。
【0032】
【発明の実施の形態】図1および図2により本発明に係
る原子力プラントの過酸化水素濃度低減装置の第1の実
施の形態を説明する。図1中、図6と同一部分について
は同一符号を付して重複する部分の説明は省略する。図
1は本実施の形態の要部を示している。図2は本実施の
形態の作用効果を説明するためのものである。
【0033】図1中、符号51は陰イオン交換樹脂塔で、
この陰イオン交換樹脂塔51は原子炉浄化装置出口弁28と
原子炉冷却水ブロー止め弁25との間の原子炉ブロー管24
に陰イオン交換樹脂塔入口配管52を介して接続してい
る。
【0034】陰イオン交換樹脂塔51の上端部には前記入
口配管52の他に、複数本の新樹脂充填枝配管53,陰イオ
ン交換樹脂塔出口配管54,分解ガス脱気配管55が接続し
ている。新樹脂充填枝配管53は入口弁56を介して新樹脂
充填主配管57に接続している。新樹脂充填主配管57には
新樹脂充填元弁58が接続している。
【0035】陰イオン交換樹脂塔51の下端部には使用済
樹脂廃棄配管59が接続しており、この使用済樹脂廃棄配
管59には廃棄弁60が設けられている。分解ガス脱気配管
55には真空ポンプ61が接続し、真空ポンプ61の吐出側は
空調系ダクト62に接続している。
【0036】陰イオン交換樹脂出口配管54には出口弁63
が接続し、この出口弁63は陽イオン交換樹脂塔64の陽イ
オン交換樹脂充填配管65に接続している。陽イオン交換
樹脂充填配管65は樹脂入口弁66を介して新樹脂充填主配
管57に接続している。
【0037】陽イオン交換樹脂塔64の下端部には使用済
樹脂廃棄配管59に接続する使用済陽イオン交換樹脂廃棄
弁67が接続し、また原子炉ブロー配管24に接続する戻り
配管68が陽イオン交換樹脂塔出口弁69を介して接続して
いる。
【0038】本実施の形態によれば、原子炉圧力容器1
から取出される原子炉水浄化装置26により浄化された原
子炉水の一部を主復水器ホットウェル16または液体廃棄
物処理系12への原子炉ブロー配管24に戻り配管を設け、
強塩基性陰イオン交換樹脂を充填した陰イオン交換樹脂
塔51を設け、再び原子炉水ブロー配管24へ戻る配管を設
けている。
【0039】したがって、沸騰水型原子力発電所におけ
る原子炉浄化系配管に設置され、プラント停止時に原子
炉余剰水を排出する際、排水中に含まれる過酸化水素濃
度を低減することができる。
【0040】図2は強塩基性陰イオン交換樹脂による過
酸化水素水の除去試験結果を示している。試験方法はカ
ラム内に強塩基性陰イオン交換樹脂を10cm高さ充填し、
通水流速を19m/hとした。図2から明らかなようにカ
ラム入口とカラム出口とでは過酸化水素濃度の低減が著
しいことが認められる。
【0041】つぎに図3により本発明の第2の実施の形
態を説明する。図3中、図2および図7と同一部分には
同一符号を付して重複する部分の説明は省略する。本実
施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、原子炉ブロ
ー配管24の代りに原子炉ウェル水回収配管39に陰イオン
交換樹脂脱塩塔51と陽イオン交換樹脂脱塩塔64を接続し
たことにある。
【0042】すなわち、本実施の形態は図7に示した原
子炉ウェル32から原子炉ウェル水ブロー配管37を経て、
燃料プール水浄化装置44により浄化された原子炉ウェル
水の全量を復水貯蔵槽4や圧力抑制室45または液体廃棄
物処理系12への原子炉ウェル水回収配管39に、図2に示
したように、陰イオン交換樹脂塔入口配管52を接続して
強塩基性陰イオン交換樹脂を充填した陰イオン交換樹脂
塔51を設け、再び原子炉ウェル水回収配管39に戻る配管
構成としている。
【0043】本実施の形態によれば、沸騰水型原子力発
電所における燃料プール水浄化系配管に設置され、燃料
交換後、原子炉ウェル水を復水貯蔵槽に回収する前に原
子炉ウェル水中に含まれる過酸化水素濃度を低減するこ
とができる。
【0044】図1および図3において、陰イオン交換樹
脂塔51の下流側に陽イオン交換樹脂塔64を接続すること
により、過酸化水素の分解の際、陰イオン交換樹脂塔51
から発生する陽イオン系有機不純物を除去することがで
きる。
【0045】つぎに図4により図1および図3における
陰イオン交換樹脂塔51の構成の一例を説明する。
【0046】すなわち、陰イオン交換樹脂塔51は本体胴
70内に四室に区画する仕切り板71を有し、この仕切り板
71の両端部を蛇行するように通水流路72を設け、この通
水流路72に陰イオン交換樹脂73を充填する構造になって
いる。本体胴70の上下両端は端板(図示せず)により閉
塞され、上端板には陰イオン交換樹脂塔入口配管52とそ
の出口配管54が接続している。
【0047】すなわち、本体胴70内は仕切り板71により
水平方向に4分割され、上下で90°ずれるように通水流
路72をとっている。入口配管52から流入した処理水は一
旦本体胴70内の下部まで通水した後、本体胴70内の上部
まで蛇行するようにして通水され、この蛇行を2回繰り
返した後、出口配管54から処理水が流出する。
【0048】つぎに図5により陰イオン交換樹脂塔の他
の例を説明する。図5に示した陰イオン交換樹脂塔51a
は本体胴70内には蓋74に取付けられた十字状仕切り板71
が挿入され、この十字状仕切り板71で区画された各区画
内に脱気膜保護筒75が脱気膜出口ヘッダ76に取付けられ
て設けられている。脱気膜保護筒75内には中空糸脱気膜
77が多数本束ねられて取付けられている。脱気膜出口ヘ
ッダ76は連通管78を介して分解ガス脱気配管55に接続し
ている。分解ガス脱気配管55は真空ポンプ61に接続して
いる。中空糸脱気膜77は例えばシリコンゴムを基体とす
るガス分離膜である。
【0049】しかして、陰イオン交換樹脂塔51aの外部
に設置された真空ポンプ61の運転により、中空糸脱気膜
77を介して陰イオン交換樹脂により過酸化水素が分解し
生じる酸素ガスが陰イオン交換樹脂塔51aから廃棄さ
れ、空調系ダクト62に排気される。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、沸騰水型原子力発電所
の定期検査時において、照射済燃料からのγ線による水
の放射線分解により生ずる過酸化水素を、復水貯蔵槽や
主復水器ホットウェル液体廃棄物処理系等に拡散するの
を抑制し、復水脱塩塔や機器ドレン脱塩塔の陽イオン交
換樹脂の酸化劣化や、これに伴い発生してくるポリスチ
レンスルフォン酸(PSS)による陰イオン交換樹脂の
性能低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る原子力プラントの過酸化水素濃度
低減装置の第1の実施の形態を示す系統図。
【図2】本発明の作用効果を説明するための比較棒線
図。
【図3】本発明に係る原子力プラントの過酸化水素濃度
低減装置の第2の実施の形態を示す系統図。
【図4】図2および図3における陰イオン交換樹脂塔を
模式的に示す斜視図。
【図5】図4において陰イオン交換樹脂塔の他の例を示
す縦断面図。
【図6】従来の沸騰水型原子力プラントの定期検査時の
一次系を示す系統図。
【図7】図6と同じく燃料交換後の原子炉ウェル水抜き
ルートを示す系統図。
【符号の説明】
1…原子炉圧力容器、2…制御棒駆動装置、3…炉心、
4…復水貯蔵槽、5…制御棒駆動水ポンプ、6…制御棒
駆動水配管、7…再循環配管、8…再循環ポンプ、9…
原子炉浄化系ポンプ、10…原子炉浄化系再生熱交換器、
11…戻り配管、12…液体廃棄物処理系、13…流路配管、
14…液体廃棄物処理系ブロー弁、15…主復水器ホットウ
ェルブロー弁、16…主復水器ホットウェル、17…復水ポ
ンプ、18…復水ろ過装置、19…復水脱塩装置、20…給水
弁、21…給水管、22…戻り弁、23…戻り管、24…原子炉
ブロー配管、25…原子炉冷却水ブロー止め弁、26…原子
炉水浄化装置、27…原子炉浄化系非再生熱交換機器、28
…原子炉浄化装置出口弁、29…戻り管、30…冷却水入口
配管、31…冷却水出口配管、32…原子炉ウェル、33…使
用済燃料、34…燃料交換装置、35…燃料プール、36…使
用済燃料貯蔵ラック、37…原子炉ウェル水ブロー配管、
38…ブロー止め弁、39…原子炉ウェル水回収配管、40…
入口弁、41…出口弁、42…燃料プール水浄化系ポンプ、
43…熱交換器、44…燃料プール水浄化装置、45…圧力抑
制室、46…原子炉格納容器、47…原子炉ウェル水圧力抑
制室ブロー弁、48…原子炉ウェル液体廃棄物ブロー弁、
49…ブロー配管、50…原子炉ウェル復水貯蔵槽ブロー
弁、51…陰イオン交換樹脂塔、52…陰イオン交換樹脂塔
入口配管、53…新樹脂充填枝配管、54…陰イオン交換樹
脂出口配管、55…分解ガス脱気配管、56…入口弁、57…
新樹脂充填主配管、58…新樹脂充填元弁、59…使用済樹
脂廃棄配管、60…廃棄弁、61…真空ポンプ、62…空調系
ダクト、63…出口弁、64…陽イオン交換樹脂塔、65…陽
イオン交換樹脂充填配管、66…樹脂入口弁、67…陽イオ
ン交換樹脂廃棄弁、68…戻り配管、69…陽イオン交換樹
脂出口弁、70…本体胴、71…仕切り板、72…通水流路、
73…陰イオン交換樹脂、74…蓋、75…脱気保護筒、76…
脱気膜出口ヘッダ、77…中空糸脱気膜、78…連通管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星 修二 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 木下 浩一 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉水浄化装置と主復水器ホットウェ
    ルとの間に原子炉冷却水ブロー止め弁を有する原子炉ブ
    ロー配管を接続し、この原子炉ブロー配管の前記原子炉
    水浄化装置と前記ブロー止め弁との間に入口配管を介し
    て強塩基性イオン交換樹脂のみを充填した陰イオン交換
    樹脂塔を接続し、この陰イオン交換樹脂塔の出口側に戻
    り配管を接続し、この戻り配管を前記原子炉冷却水ブロ
    ー止め弁と前記主復水器ホットウェルとの間の前記原子
    炉ブロー配管に接続してなることを特徴とする原子力プ
    ラントの過酸化水素濃度低減装置。
  2. 【請求項2】 燃料プール水浄化装置と復水貯蔵槽との
    間に燃料プール水浄化装置出口弁を有する原子炉ウェル
    水回収配管を接続し、この原子炉ウェル水回収配管の前
    記燃料プール水浄化装置と前記出口弁との間に入口配管
    を介して強塩基性イオン交換樹脂のみを充填した陰イオ
    ン交換樹脂塔を接続し、この陰イオン交換樹脂塔の出口
    側に戻り配管を接続し、この戻り配管を前記燃料プール
    水浄化装置出口弁と前記復水貯蔵槽との間の前記原子炉
    ウェル水回収配管に接続してなることを特徴とする原子
    力プラントの過酸化水素濃度低減装置。
  3. 【請求項3】 前記陰イオン交換樹脂塔は本体胴内を複
    数に区画する仕切り板を有し、この仕切り板の両端部を
    蛇行するように通水流路を設け、前記本体胴内に陰イオ
    ン交換樹脂を充填してなることを特徴とする請求項1な
    いし2記載の原子力プラントの過酸化水素濃度低減装
    置。
  4. 【請求項4】 前記本体胴に中空糸脱気膜を内蔵した脱
    気保護筒を設け、この脱気保護筒に分解ガス脱気配管を
    接続し、この分解ガス脱気配管に真空ポンプを接続して
    なることを特徴とする請求項3記載の原子力プラントの
    過酸化水素濃度低減装置。
  5. 【請求項5】 前記陰イオン交換樹脂塔の下流側に陽イ
    オン交換樹脂塔を接続してなることを特徴とする請求項
    1ないし2記載の原子力プラントの過酸化水素濃度低減
    装置。
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