JP3707940B2 - 復水処理システムおよび復水処理方法 - Google Patents

復水処理システムおよび復水処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加圧水型原子力発電所の2次系における復水処理システムの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
加圧水型原子力発電所では、原子炉から熱を取り出す1次系と、蒸気を発生させてタービンを回す2次系とが蒸気発生器を介して分離されている。2次系においては、蒸気発生器で1次系の高温、高圧水との熱交換により高圧の蒸気を発生させ、発生した蒸気によりタービンを駆動して発電を行った後、蒸気を復水器で冷却して復水となし、この復水を蒸気発生器に戻すようにしている。
【0003】
このような復水還流系においては、復水中の鉄クラッドやイオン不純物を除去する目的で、復水脱塩装置が設置されている。復水脱塩装置は、通常、イオン交換樹脂を充填した復水脱塩塔を複数並設した構成を有する。また、蒸気発生器では系内に持ち込まれた塩類等の不純物および腐食生成物が濃縮されるため、蒸気発生器内部の腐食の問題や蒸気発生器の伝熱管への腐食生成物の付着の問題が発生することがある。伝熱管への腐食生成物の付着は伝熱性能の低下をもたらすばかりでなく、伝熱管の腐食破損の原因ともなる。そのため、蒸気発生器内の水を一部ブローダウンし、このブローダウン水を復水器に導入し、復水と混合されたブローダウン水を復水脱塩装置に通して脱塩処理し、しかる後、蒸気発生器に戻すようにしていた。また、蒸気発生器への鉄クラッドの持ち込みを抑制するため、AVT処理、すなわちアンモニアを添加して蒸気発生器への給水のpHを9.2程度に保ち、更にヒドラジンを添加して還元性雰囲気に保つことで鉄の溶出を抑制する処理が行われている。
【0004】
したがって従来の復水処理系は、一般に、たとえば図に示すように構成されている。図に示すシステムにおいては、発電機101を駆動するタービン102で使用された蒸気は復水器103で冷却され、復水器103からの復水が復水ポンプ104により復水脱塩装置105に送られて脱塩処理され、復水脱塩装置105出口でアンモニア及びヒドラジンを再び添加し、脱気器106、給水加熱器107等を通して蒸気発生器108に戻される。蒸気発生器108からの蒸気が蒸気供給ライン109を通してタービン102に送られるとともに、ブローダウン水がブローダウン水供給ライン110を介して復水器103に導入される。
【0005】
近年、加圧水型原子力発電所の2次系の鉄クラッド濃度を更に低減することが計画されており、鉄クラッド低減方法として、従来より高濃度のアンモニアを添加して水質を例えばpH9.8〜10.0程度の高pHにする運用が計画されている。すなわち、蒸気発生器の伝熱管に付着する腐食生成物は、2次系の機器および配管内表面から発生し、復水中に微量存在するクラッドが殆どであり、このクラッドとしては大部分が鉄酸化物(鉄クラッド)であることから、鉄酸化物の発生を防止するために2次系の水を高pHに調整して運転する方法である。
【0006】
これを更に説明すると、アンモニアを添加して鉄酸化物の生成を抑制する方法では、アンモニアの気液分配率が1以上であるため液相中のアンモニア濃度が小さくなることから、アンモニアの添加量を相当上げなければ現実に鉄酸化物の生成を抑制することができないことが判っており、そのため上述の如くpHを9.8〜10.0程度に上げることが計画されている。そしてこのような高アンモニア濃度による高pH運用では、復水脱塩装置の入口のイオン濃度が高くなるため、復水の全量を復水脱塩装置で処理することが困難になる。つまり、復水脱塩装置のイオン交換樹脂の再生頻度が高くなりすぎ、現実的な運用が困難になる。また、アンモニアの代わりに、アンモニアより気液分配率が小さいモノエタノールアミン等の代替アミンを添加することによって液相中のpHを高くし、鉄酸化物の生成を抑制することも計画されているが、モノエタノールアミンによる処理においても、廃液処理の観点から、再生頻度を極力低減することが望まれ、やはり復水の全量を復水脱塩装置で処理することは困難である。
【0007】
このような実情に鑑み、とくに高pH運用を行おうとするプラントにおいては、複数の復水脱塩塔が並設された復水脱塩装置に対し、復水を全量バイパスさせる方法や、一部の復水のみ復水脱塩装置で処理し残りをバイパスさせて復水脱塩装置への負荷を小さくする復水部分処理による方法が計画されている。
【0008】
このような計画に見合うシステムとして、未だ出願未公開の段階ではあるが、先に本出願人により、復水を復水脱塩装置を通さずに蒸気発生器に戻すバイパス路を設けた復水処理システムが提案されている(特願平9−218028号)。この提案では、さらに、蒸気発生器からのブローダウン水を電気式脱イオン装置等の処理装置で処理することも記載されている。
【0009】
したがって、上記出願未公開の提案技術まで含めた、従来計画されている復水処理システムは、たとえば図に示すようになる。図においては、蒸気発生器111で発生した蒸気により高圧タービン112が駆動され、使用された蒸気が湿分分離加熱器113を通して復水器114に送られて冷却される。復水器114からの復水は、復水ポンプ115により蒸気発生器111へと戻されるが、通常運転時には、バイパス弁116を開き、復水脱塩装置入口弁117、出口弁118を閉じて、復水脱塩塔119を並設した復水脱塩装置120をバイパスさせて、たとえば復水ブースターポンプ121、低圧給水加熱器122、脱気器123、給水ポンプ124、高圧給水加熱器125を通して蒸気発生器111へ戻される。あるいは、一部の復水脱塩塔119の入口弁126、出口弁127を開いて、復水部分処理を行うこともできるようになっている。そして従来からも、各復水脱塩塔119に対して出口弁128、循環ポンプ129を備えた循環ライン130が設けられているが、この従来の循環ライン130は、とくに樹脂再生後の浄化運転のために設けられているもので、循環ライン130および循環ポンプ129の容量は復水脱塩塔119の1塔分の容量しかない。さらに、蒸気発生器111からの復水器114へのブローダウン水供給ライン131には、ブローダウン水処理装置132(たとえば、電気式脱イオン装置)を設けることも計画されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図に示したようなシステムにおいても、未だ次のような問題が残されている。
【0011】
復水の全量バイパス運転または復水の部分処理を実施する場合にも、復水器の冷却に用いている海水のリークが発生した場合や、何らかの原因で復水の水質が低下した場合には、速やかに、バイパスを中止して復水を全量脱塩処理する必要が生じる。図に示したようなシステムでは、このような復水全量処理への切替を速やかに行うことが困難である。
【0012】
すなわち、停止している復水脱塩塔に全量通水するためには、それぞれの塔出口における水質を確認してから通水する必要がある。通水までの工程の一例を示すと、塔満水確認→ブロー洗浄→復水器回収ブロー(脱気)→循環洗浄→通水となる。これをそれぞれの復水脱塩塔について実施することになるため、復水全量処理を行うまでに長時間を必要とし、緊急時の対応が困難である。
【0013】
また、通常運転時においては、復水のバイパス運転に伴い蒸気発生器のブローダウン水供給ラインにブローダウン水処理装置を新たに設置する必要があり、コストや設置スペースの面で不利になっている。
【0014】
そこで本発明の課題は、復水のバイパス運転時にも各復水脱塩塔を速やかに運転できる状態に待機させ、海水リーク時や水質低下時にも復水全量脱塩処理への切替を迅速に行うことができるようにすることにある。
【0015】
また併せて、本発明の別の課題は、蒸気発生器のブローダウン水の処理を、低コストでかつ復水脱塩装置の再生頻度の増加等を伴うことなく、効率よく円滑に行うことができるようにすることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の復水処理システムは、復水器からの復水を、復水脱塩塔を複数並設した復水脱塩装置を通して蒸気発生器に戻す復水脱塩路と、少なくとも一部の復水脱塩塔をバイパスして蒸気発生器に戻すバイパス路とを備えた加圧水型原子力発電所における高pH運用に対する復水処理システムであって、前記復水脱塩装置に、前記バイパス路に復水を全量通している際の循環運転容量として前記復水脱塩塔全塔に対して最低通水流速を同時に確保可能な容量を有し、かつ、復水を前記バイパス路に通している際においては常時循環水を循環させることが可能な循環ラインを設けるとともに、前記蒸気発生器のブローダウン水を前記復水脱塩装置の入口側に供給するブローダウン水供給ラインを介して蒸気発生器のブローダウン水を前記循環ラインに供給するラインを設け、さらに、前記循環ラインにおける循環水の一部を前記循環ラインの系外に放出する放出ラインを設けたことを特徴とするものからなる。
【0017】
すなわち、前述の如く従来のシステムにおいても、樹脂再生後の浄化運転のため復水脱塩塔1塔分の容量の循環ラインは設置されていたが、復水脱塩塔の最低通水流速は再生後の循環洗浄の流速と比べて低流量であるものの、従来の循環ラインでは全塔を循環運転する容量はないため、本発明に係る循環ラインにより、バイパス路に復水を全量通している際に全塔に対して最低通水流速を同時に確保できるようにする。
【0018】
ここで最低通水流速とは、復水脱塩塔内に充填されているイオン交換樹脂等からの溶出物(不純物イオンや有機物等)等を堆積させることなく、即刻規定流量への切替を可能に待機させることができる通水流速のことを言う。
【0019】
より具体的には、この最低通水流速は、復水脱塩塔内のイオン交換樹脂充填部における通水の空塔線速度として、5m/h以上、好ましくは10m/h以上、更に好ましくは20m/h以上の速度に設定することにより達成可能である。したがって、上記循環ラインとしては、復水脱塩塔の全塔に対してこの線速度以上の通水速度を確保できる容量に設定すればよいことになる。
【0020】
上記復水処理システムにおいては、蒸気発生器のブローダウン水は復水脱塩装置の入口側に供給されるが、復水器にも供給することができる。復水脱塩装置の入口側に供給する場合には、ブローダウン水供給ラインは、上記循環ラインもしくは復水脱塩装置入口弁以降の復水母管に接続すればよい。
【0021】
このブローダウン水供給ラインには、電気式脱イオン装置あるいはフィルタと電気式脱イオン装置からなるブローダウン水処理装置を設けておくことが好ましい。
【0022】
また、蒸気発生器のブローダウン水を復水脱塩装置の入口側に供給すると、上記循環ラインを介して循環される循環水の量が増加するので、増加分に相当する循環水の一部を循環ラインの系外に放出するラインが設けられる。この放出ラインは、上記バイパス路へと合流させてもよいし、復水器へと接続してもよい。
【0023】
さらに、本発明に係る復水処理方法は、復水器からの復水を、復水脱塩塔を複数並設した復水脱塩装置を通して蒸気発生器に戻す復水脱塩路と、少なくとも一部の復水脱塩塔をバイパスして蒸気発生器に戻すバイパス路とに切り替える加圧水型原子力発電所における高pH運用に対する復水処理方法であって、前記復水脱塩装置に対し、前記バイパス路に復水を全量通している際の循環運転容量として前記復水脱塩塔全塔に対して最低通水流速を同時に確保可能な容量を有し、かつ、復水を前記バイパス路に通している際においては常時循環水を循環させることが可能な循環通水系を構成しておき、復水を前記バイパス路に通すとともに、復水を前記バイパス路に通している際には常時、前記循環通水系を介して復水脱塩塔の全塔に対して循環通水するとともに、前記蒸気発生器のブローダウン水を前記復水脱塩装置の入口側に供給するラインを介して蒸気発生器のブローダウン水を復水脱塩装置の循環通水系に供給し、該循環通水系における循環水の一部を該循環通水系の系外に放出することを特徴とする方法からなる。
【0025】
そして、この復水処理方法においても、復水脱塩装置の循環通水系に蒸気発生器のブローダウン水を供給して、その浄水処理に利用される。
【0026】
このような本発明に係る復水処理システムにおいては、復水をバイパス路を通して運転しているときにも、復水脱塩塔全塔に対して最低通水流速を同時に確保した循環運転が可能となり、全塔を、バイパス運転から復水脱塩装置を通す処理への切替が可能な状態に待機させておくことができるので、緊急時にも速やかに復水脱塩装置に通水することが可能となる。したがって、海水リーク時等への対応を極めて迅速に行うことができる。
【0027】
また、復水全量バイパス運用時には蒸気発生器のブローダウン水の処理が必要になるが、ブローダウン水を復水脱塩装置の入口側に供給するので、復水脱塩装置を活用してブローダウン水の脱塩処理を行うことができるようになり、ブローダウン水処理装置を新たに設置する必要がなくなる。
【0028】
ただしこのブローダウン水供給ラインに電気式脱イオン装置を有するブローダウン水処理装置を設けておけば、復水脱塩装置による処理に先だって電気式脱イオン装置により大部分のイオンを除去できるので、復水脱塩装置への負荷を低減して復水脱塩装置におけるイオン交換樹脂の薬品再生を不要化でき、非再生運用が可能となる。
【0029】
さらに、本発明に係る復水処理方法においては、とくに上記の復水処理システムをその目的が達せられるように運転でき、上述したように、復水脱塩塔の全塔を、バイパス運転から復水脱塩装置を通す処理への切替が可能な状態に常時待機させておくことができ、緊急時にも速やかに復水脱塩装置に通水することが可能になる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る復水処理システムを示している。図1において、蒸気発生器1で加圧水型原子力発電所の1次系との間で熱交換が行われて蒸気が発生される。発生した蒸気により高圧タービン2が駆動され、使用された蒸気が湿分分離加熱器3を通して復水器4に送られて冷却される。
【0031】
復水器4からの復水は、復水ポンプ5により蒸気発生器1へと戻されるが、通常運転時には、バイパス弁6を開き、復水脱塩装置入口弁7、復水脱塩装置出口弁8を閉じて、複数の復水脱塩塔9を並設した復水脱塩装置10をバイパスされる。このバイパス路11を通った復水は、復水還流路12に設けられた復水ブースターポンプ13、低圧給水加熱器14、脱気器15、給水ポンプ16、高圧給水加熱器17を通して蒸気発生器1へと戻される
【0032】
各復水脱塩塔9に対しては、従来から、循環ライン20を介して、出口弁21を開き循環ポンプ22により、浄化運転のための循環運転を行うことができるようになっているが、この循環ポンプ22による循環容量は、前述の如く復水脱塩塔9の一塔分の容量にすぎない。本実施態様では、さらに循環ライン31と循環ポンプ24が付加され、この循環ポンプ24を加えた循環運転により、復水脱塩塔9の全塔に対して最低通水流速を同時に確保可能な循環容量とされている。循環ライン31は、復水脱塩装置入口弁7以降の入口側復水母管32と復水脱塩装置出口弁8以前の出口側復水母管33との間にわたって設けてある。このように母管32、33間にわたって循環ライン31を設けて全復水脱塩塔9の循環運転を行うことができるようにすれば、各復水脱塩塔9毎の出口弁を操作する必要がなくなるので、操作性が向上し、緊急時の立ち上げをより速やかに行うことができる。
【0033】
蒸気発生器1のブローダウン水供給ライン25は、本実施態様では復水器4へと接続されているとともに、復水脱塩装置10の循環ライン、より正確には入口側の復水母管32へと接続されている。本実施態様では、蒸気発生器1からのブローダウン水供給ライン25が途中で分岐され、弁41と弁42により、復水脱塩装置入口側母管32に接続するブローダウン水供給ライン43と、復水器4へのブローダウン水供給ライン44とに切り替え可能となっているが、弁41、42を設けずに、ブローダウン水供給ライン43のみとすることも可能である。
【0034】
また、本実施態様では、蒸気発生器1からのブローダウン水供給ライン25に、ブローダウン水処理装置26が設置されている。ブローダウン水処理装置26には、電気式脱イオン装置、またはフィルタと電気式脱イオン装置が設けられており、電気式脱イオン装置内に配設されたアニオン交換膜とカチオン交換膜を介してブローダウン水の脱イオン処理が施される。
【0035】
なお、図示してはいないが、ブローダウン水処理装置26の上流側に冷却器を設置し、比較的高温のブローダウン水を常温程度に冷却してからブローダウン水処理装置26に供給するとよく、これにより、ブローダウン水処理装置26の電気式脱イオン装置に使用されているイオン交換膜やイオン交換樹脂が熱により劣化するのを防止することができる。
【0036】
この電気式脱イオン装置としては、周知のものが使用できる。電気式脱イオン装置は、たとえば次のように構成されている。すなわち、アニオン交換膜とカチオン交換膜を交互に配設し、両イオン交換膜間に脱塩室、その外側に濃縮室を形成し、これら脱塩室、濃縮室を交互に配置する。なお、前記脱塩室には、通常、イオン交換樹脂やイオン交換繊維等のイオン交換体を充填する。脱塩室と濃縮室の交互配置体の両側に電極を配置し、所定の直流高電圧を印加することにより、脱塩室に通水される処理水からアニオン交換膜とカチオン交換膜の各々を通してアニオンとカチオンを濃縮室の濃縮水側に移行させる脱イオン処理を施し、処理水を浄化するものである。
【0037】
このような電気式脱イオン装置を有するブローダウン水処理装置26を用いて脱イオン処理の施された蒸気発生器ブローダウン水が復水脱塩装置10へと送られる。
【0038】
また本実施態様では、復水脱塩装置出口弁8をバイパスするように、循環ライン31を循環される循環水の一部を循環ライン31の系外に放出するライン51と、該放出ライン51に設けられた弁52とが追加されている。
【0039】
このように構成された復水処理システムの作用、効果、およびこのシステムを用いた、本発明に係る復水脱塩方法について説明する。上記復水処理システムにおいては、通常運転時には、復水脱塩装置入口弁7および復水脱塩装置出口弁8が閉じられ、復水器4からの復水は、その全量がバイパス路11を通される。そして、全復水脱塩塔9の入口弁18および循環ライン20側への出口弁21が開かれ、循環ポンプ22および循環ポンプ24が運転されて、全塔に対して最低通水流速以上の流量で循環される。このような全塔の最低通水流速以上での循環は、本実施態様では、循環ライン31と循環ポンプ24の追設で可能となる。
【0040】
復水脱塩塔9の全塔が最低通水流速以上の流量で循環されていると、海水リーク時等の緊急時においても、復水脱塩装置入口弁7、復水脱塩装置出口弁8、各復水脱塩塔出口弁19を開き、バイパス弁6を閉じることにより、速やかに復水器4からの復水を全量復水脱塩塔9に通すことが可能になり、全量脱塩処理への切替が極めて迅速にしかも極めて容易に行われる。したがって、従来長時間を要し、かつ、各種の作業や確認を行わなければならなかった緊急時への対応が短時間の内に容易に行われる。
【0041】
また、図4に示したような従来計画されている復水処理システムに比べ、短尺の循環ライン31とあるレベル以上の容量を有する循環ポンプ24を追加すればよいので、本発明を安価に実施できる。
【0042】
そして、復水脱塩装置入口側母管32に接続するブローダウン水供給ライン43を介して、蒸気発生器1のブローダウン水を復水脱塩装置10における循環ラインに供給して復水脱塩塔9に通すことにより、蒸気発生器ブローダウン水を待機中の復水脱塩塔9を活用して脱塩処理することが可能になる。したがって、蒸気発生器ブローダウン水の処理装置等を新たに設置する必要がなくなり、低コストでブローダウン水の浄化が可能となる。なお、復水脱塩塔9内に充填されているイオン交換樹脂が熱により劣化するのを防止するために、ブローダウン水供給ライン43の途中に冷却器を設けるとよい。
【0043】
環運転している復水脱塩塔9でブローダウン水を浄化する場合、復水脱塩塔9への負荷によってはその内部に充填されているイオン交換樹脂の再生が必要になることがある。しかし本実施態様のように、復水脱塩塔9への供給に先立って電気式脱イオン装置でブローダウン水を処理し、大部分のイオンを除去した後に復水脱塩装置循環ラインに供給すれば、復水脱塩塔9におけるイオン除去のための負荷が大幅に軽減され、復水脱塩塔9のイオン交換樹脂の薬品再生を行わない、いわゆる非再生運用が可能となる。また、電気式脱イオン装置単独で処理する場合に比べ、電気式脱イオン装置と復水脱塩塔9の両方でブローダウン水の処理を行うことになるので、電気式脱イオン装置自身の負荷も軽減され、たとえばその電流値を低く抑えることができるようになる。その結果、電気式脱イオン装置自身の寿命も延長され、ランニングコストの低いブローダウン水浄化処理が可能となる。
【0044】
実施態様では、水脱塩装置出口弁8をバイパスするように、循環ライン31を循環される循環水の一部を循環ライン31の系外に放出するライン51と、該放出ライン51に設けられた弁52とが追加されている。
【0045】
循環運転している復水脱塩装置10に蒸気発生器ブローダウン水を供給して処理する場合には、ブローダウン水の供給量に見合う量だけ循環ライン31の系外に放出する必要が生じるので、本発明ではこのための放出ラインが設けられる。復水脱塩装置出口弁8は通常大型のゲート弁であるので、この弁8を微開にして放出流量の調整を行うこと困難である場合がある。そこで本実施態様では上記のようにバイパスラインからなる放出ライン51を設け、このライン51を比較的小口径として流量調整が可能な弁52を設けるようにしている。放出された循環水はバイパス路11側に合流される。
【0046】
このように復水脱塩装置10の循環ラインから蒸気発生器ブローダウン水の供給量に見合う量だけ放出することにより、ブローダウン水を連続的に効率よく浄化処理することが可能になり、蒸気発生器ブローダウン水処理の円滑化も達成される。
【0047】
は、本発明のの実施態様に係る復水処理システムを示している。本実施態様では、図に示した態様に比べ、循環水の一部を循環ライン31の系外に放出するライン61を復水器4へと接続してある。この放出ライン61も比較的小口径のラインでよい。このように復水器4に戻して復水と混合してもよく、この構成により図3に示した実施態様同様蒸気発生器ブローダウン水の円滑な処理が可能となる。その他の作用は図1に示した態様に準じる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の復水処理システムによれば、復水脱塩装置に、復水脱塩塔全塔に対して最低通水流速を同時に確保可能な容量を有する循環ラインを設けることにより、海水リーク時や水質低下時等にも、容易にかつ迅速に復水全量の脱塩処理への切替を行うことができ、緊急時の対応を速やかに行うことができる。また、この循環ラインの追加は、既存のシステムあるいは従来計画されているシステムに短いラインや循環ポンプを加えるだけの僅かな追加で済むことから、安価に実施できる。
【0051】
また、蒸気発生器ブローダウン水を復水脱塩装置の入口側に供給するラインを設けるようにしたので、上記に加えて、待機中の復水脱塩装置を活用してブローダウン水のより円滑な浄化処理も可能になる。このブローダウン水供給ラインに電気式脱イオン装置を備えた処理装置を付加すれば、復水脱塩装置への負荷を低減して復水脱塩塔内イオン交換樹脂の非再生運用を可能とし、同時に電気式脱イオン装置の長寿命化をはかることも可能となる。
【0052】
また、上記循環ラインにおける循環水の一部をバイパス路あるいは復水器へと放出するラインを設ければ、復水脱塩装置に供給されてくる蒸気発生器ブローダウン水を連続的により円滑に処理することが可能になる。
【0053】
さらに、本発明の復水処理方法によれば、上記のような循環ラインを備えたシステムを用いて、通常運転時には復水のバイパス運転と復水脱塩塔の循環通水とを同時に円滑に運転でき、緊急時には、復水の全量を復水脱塩装置に通水する運転への切替を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施態様に係る復水処理システムの機器系統図である。
【図2】 本発明の別の実施態様に係る復水処理システムの機器系統図である。
【図3】 従来の一般的な復水処理システムの基本構成を示す機器系統図である。
【図4】 従来計画されている復水処理システムの機器系統図である。

Claims (5)

  1. 復水器からの復水を、復水脱塩塔を複数並設した復水脱塩装置を通して蒸気発生器に戻す復水脱塩路と、少なくとも一部の復水脱塩塔をバイパスして蒸気発生器に戻すバイパス路とを備えた加圧水型原子力発電所における高pH運用に対する復水処理システムであって、前記復水脱塩装置に、前記バイパス路に復水を全量通している際の循環運転容量として前記復水脱塩塔全塔に対して最低通水流速を同時に確保可能な容量を有し、かつ、復水を前記バイパス路に通している際においては常時循環水を循環させることが可能な循環ラインを設けるとともに、前記蒸気発生器のブローダウン水を前記復水脱塩装置の入口側に供給するブローダウン水供給ラインを介して蒸気発生器のブローダウン水を前記循環ラインに供給するラインを設け、さらに、前記循環ラインにおける循環水の一部を前記循環ラインの系外に放出する放出ラインを設けたことを特徴とする復水処理システム。
  2. 前記蒸気発生器のブローダウン水を前記復水器に供給するラインも設けられている、請求項1の復水処理システム。
  3. 前記ブローダウン水供給ラインに電気式脱イオン装置が設けられている、請求項1または2の復水処理システム。
  4. 前記放出ラインが復水器へと接続されている、請求項1〜3のいずれかに記載の復水処理システム。
  5. 復水器からの復水を、復水脱塩塔を複数並設した復水脱塩装置を通して蒸気発生器に戻す復水脱塩路と、少なくとも一部の復水脱塩塔をバイパスして蒸気発生器に戻すバイパス路とに切り替える加圧水型原子力発電所における高pH運用に対する復水処理方法であって、前記復水脱塩装置に対し、前記バイパス路に復水を全量通している際の循環運転容量として前記復水脱塩塔全塔に対して最低通水流速を同時に確保可能な容量を有し、かつ、復水を前記バイパス路に通している際においては常時循環水を循環させることが可能な循環通水系を構成しておき、復水を前記バイパス路に通すとともに、復水を前記バイパス路に通している際には常時、前記循環通水系を介して復水脱塩塔の全塔に対して循環通水するとともに、前記蒸気発生器のブローダウン水を前記復水脱塩装置の入口側に供給するラインを介して蒸気発生器のブローダウン水を復水脱塩装置の循環通水系に供給し、該循環通水系における循環水の一部を該循環通水系の系外に放出することを特徴とする、復水処理方法。
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