JP2000171585A - 復水処理システムおよび復水処理方法 - Google Patents
復水処理システムおよび復水処理方法Info
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Abstract
するとともに、海水リーク時等の緊急時には、復水全量
を速やかに復水脱塩塔に通すことができるようにする。 【解決手段】 復水器からの復水を、復水脱塩塔を複数
並設した復水脱塩装置を通して蒸気発生器に戻す復水脱
塩路と、少なくとも一部の復水脱塩塔をバイパスして蒸
気発生器に戻すバイパス路とを備えた加圧水型原子力発
電所における復水処理システムであって、前記復水脱塩
装置に、前記復水脱塩塔全塔に対して最低通水流速を同
時に確保可能な容量を有する循環ラインを設けたことを
特徴とする復水処理システム、および復水処理方法。
Description
電所の2次系における復水処理システムの改良に関す
る。
熱を取り出す1次系と、蒸気を発生させてタービンを回
す2次系とが蒸気発生器を介して分離されている。2次
系においては、蒸気発生器で1次系の高温、高圧水との
熱交換により高圧の蒸気を発生させ、発生した蒸気によ
りタービンを駆動して発電を行った後、蒸気を復水器で
冷却して復水となし、この復水を蒸気発生器に戻すよう
にしている。
の鉄クラッドやイオン不純物を除去する目的で、復水脱
塩装置が設置されている。復水脱塩装置は、通常、イオ
ン交換樹脂を充填した復水脱塩塔を複数並設した構成を
有する。また、蒸気発生器では系内に持ち込まれた塩類
等の不純物および腐食生成物が濃縮されるため、蒸気発
生器内部の腐食の問題や蒸気発生器の伝熱管への腐食生
成物の付着の問題が発生することがある。伝熱管への腐
食生成物の付着は伝熱性能の低下をもたらすばかりでな
く、伝熱管の腐食破損の原因ともなる。そのため、蒸気
発生器内の水を一部ブローダウンし、このブローダウン
水を復水器に導入し、復水と混合されたブローダウン水
を復水脱塩装置に通して脱塩処理し、しかる後、蒸気発
生器に戻すようにしていた。また、蒸気発生器への鉄ク
ラッドの持ち込みを抑制するため、AVT処理、すなわ
ちアンモニアを添加して蒸気発生器への給水のpHを
9.2程度に保ち、更にヒドラジンを添加して還元性雰
囲気に保つことで鉄の溶出を抑制する処理が行われてい
る。
たとえば図8に示すように構成されている。図8に示す
システムにおいては、発電機101を駆動するタービン
102で使用された蒸気は復水器103で冷却され、復
水器103からの復水が復水ポンプ104により復水脱
塩装置105に送られて脱塩処理され、復水脱塩装置1
05出口でアンモニア及びヒドラジンを再び添加し、脱
気器106、給水加熱器107等を通して蒸気発生器1
08に戻される。蒸気発生器108からの蒸気が蒸気供
給ライン109を通してタービン102に送られるとと
もに、ブローダウン水がブローダウン水供給ライン11
0を介して復水器103に導入される。
クラッド濃度を更に低減することが計画されており、鉄
クラッド低減方法として、従来より高濃度のアンモニア
を添加して水質を例えばpH9.8〜10.0程度の高
pHにする運用が計画されている。すなわち、蒸気発生
器の伝熱管に付着する腐食生成物は、2次系の機器およ
び配管内表面から発生し、復水中に微量存在するクラッ
ドが殆どであり、このクラッドとしては大部分が鉄酸化
物(鉄クラッド)であることから、鉄酸化物の発生を防
止するために2次系の水を高pHに調整して運転する方
法である。
して鉄酸化物の生成を抑制する方法では、アンモニアの
気液分配率が1以上であるため液相中のアンモニア濃度
が小さくなることから、アンモニアの添加量を相当上げ
なければ現実に鉄酸化物の生成を抑制することができな
いことが判っており、そのため上述の如くpHを9.8
〜10.0程度に上げることが計画されている。そして
このような高アンモニア濃度による高pH運用では、復
水脱塩装置の入口のイオン濃度が高くなるため、復水の
全量を復水脱塩装置で処理することが困難になる。つま
り、復水脱塩装置のイオン交換樹脂の再生頻度が高くな
りすぎ、現実的な運用が困難になる。また、アンモニア
の代わりに、アンモニアより気液分配率が小さいモノエ
タノールアミン等の代替アミンを添加することによって
液相中のpHを高くし、鉄酸化物の生成を抑制すること
も計画されているが、モノエタノールアミンによる処理
においても、廃液処理の観点から、再生頻度を極力低減
することが望まれ、やはり復水の全量を復水脱塩装置で
処理することは困難である。
を行おうとするプラントにおいては、複数の復水脱塩塔
が並設された復水脱塩装置に対し、復水を全量バイパス
させる方法や、一部の復水のみ復水脱塩装置で処理し残
りをバイパスさせて復水脱塩装置への負荷を小さくする
復水部分処理による方法が計画されている。
未だ出願未公開の段階ではあるが、先に本出願人によ
り、復水を復水脱塩装置を通さずに蒸気発生器に戻すバ
イパス路を設けた復水処理システムが提案されている
(特願平9−218028号)。この提案では、さら
に、蒸気発生器からのブローダウン水を電気式脱イオン
装置等の処理装置で処理することも記載されている。
で含めた、従来計画されている復水処理システムは、た
とえば図9に示すようになる。図9においては、蒸気発
生器111で発生した蒸気により高圧タービン112が
駆動され、使用された蒸気が湿分分離加熱器113を通
して復水器114に送られて冷却される。復水器114
からの復水は、復水ポンプ115により蒸気発生器11
1へと戻されるが、通常運転時には、バイパス弁116
を開き、復水脱塩装置入口弁117、出口弁118を閉
じて、復水脱塩塔119を並設した復水脱塩装置120
をバイパスさせて、たとえば復水ブースターポンプ12
1、低圧給水加熱器122、脱気器123、給水ポンプ
124、高圧給水加熱器125を通して蒸気発生器11
1へ戻される。あるいは、一部の復水脱塩塔119の入
口弁126、出口弁127を開いて、復水部分処理を行
うこともできるようになっている。そして従来からも、
各復水脱塩塔119に対して出口弁128、循環ポンプ
129を備えた循環ライン130が設けられているが、
この従来の循環ライン130は、とくに樹脂再生後の浄
化運転のために設けられているもので、循環ライン13
0および循環ポンプ129の容量は復水脱塩塔119の
1塔分の容量しかない。さらに、蒸気発生器111から
の復水器114へのブローダウン水供給ライン131に
は、ブローダウン水処理装置132(たとえば、電気式
脱イオン装置)を設けることも計画されている。
たようなシステムにおいても、未だ次のような問題が残
されている。
処理を実施する場合にも、復水器の冷却に用いている海
水のリークが発生した場合や、何らかの原因で復水の水
質が低下した場合には、速やかに、バイパスを中止して
復水を全量脱塩処理する必要が生じる。図9に示したよ
うなシステムでは、このような復水全量処理への切替を
速やかに行うことが困難である。
通水するためには、それぞれの塔出口における水質を確
認してから通水する必要がある。通水までの工程の一例
を示すと、塔満水確認→ブロー洗浄→復水器回収ブロー
(脱気)→循環洗浄→通水となる。これをそれぞれの復
水脱塩塔について実施することになるため、復水全量処
理を行うまでに長時間を必要とし、緊急時の対応が困難
である。
パス運転に伴い蒸気発生器のブローダウン水供給ライン
にブローダウン水処理装置を新たに設置する必要があ
り、コストや設置スペースの面で不利になっている。
転時にも各復水脱塩塔を速やかに運転できる状態に待機
させ、海水リーク時や水質低下時にも復水全量脱塩処理
への切替を迅速に行うことができるようにすることにあ
る。
ブローダウン水の処理を、低コストでかつ復水脱塩装置
の再生頻度の増加等を伴うことなく、効率よく円滑に行
うことができるようにすることにある。
に、本発明の復水処理システムは、復水器からの復水
を、復水脱塩塔を複数並設した復水脱塩装置を通して蒸
気発生器に戻す復水脱塩路と、少なくとも一部の復水脱
塩塔をバイパスして蒸気発生器に戻すバイパス路とを備
えた加圧水型原子力発電所における復水処理システムで
あって、前記復水脱塩装置に、前記復水脱塩塔全塔に対
して最低通水流速を同時に確保可能な容量を有する循環
ラインを設けたことを特徴とするものからなる(第1発
明)。
いても、樹脂再生後の浄化運転のため復水脱塩塔1塔分
の容量の循環ラインは設置されていたが、復水脱塩塔の
最低通水流速は再生後の循環洗浄の流速と比べて低流量
であるものの、従来の循環ラインでは全塔を循環運転す
る容量はないため、本発明に係る循環ラインにより全塔
に対して最低通水流速を同時に確保できるようにする。
充填されているイオン交換樹脂等からの溶出物(不純物
イオンや有機物等)等を堆積させることなく、即刻規定
流量への切替を可能に待機させることができる通水流速
のことを言う。
水脱塩塔内のイオン交換樹脂充填部における通水の空塔
線速度として、5m/h以上、好ましくは10m/h以
上、更に好ましくは20m/h以上の速度に設定するこ
とにより達成可能である。したがって、上記循環ライン
としては、復水脱塩塔の全塔に対してこの線速度以上の
通水速度を確保できる容量に設定すればよいことにな
る。
生器のブローダウン水は復水器に供給してもよいし、復
水脱塩装置の入口側に供給してもよい。復水脱塩装置の
入口側に供給する場合には、ブローダウン水供給ライン
は、上記循環ラインもしくは復水脱塩装置入口弁以降の
復水母管に接続すればよい。
式脱イオン装置あるいはフィルタと電気式脱イオン装置
からなるブローダウン水処理装置を設けておくことが好
ましい。
脱塩装置の入口側に供給する場合には、上記循環ライン
を介して循環される循環水の量が増加するので、増加分
に相当する循環水の一部を循環ラインの系外に放出する
ラインが設けられることが好ましい。この放出ライン
は、上記バイパス路へと合流させてもよいし、復水器へ
と接続してもよい。
復水器からの復水を、復水脱塩塔を複数並設した復水脱
塩装置を通して蒸気発生器に戻す復水脱塩路と、少なく
とも一部の復水脱塩塔をバイパスして蒸気発生器に戻す
バイパス路とを備えた加圧水型原子力発電所における復
水処理システムであって、前記蒸気発生器のブローダウ
ン水を前記復水脱塩装置の入口側に供給するラインを設
けたことを特徴とするものからなる(第2発明)。この
復水処理システムにおいても、ブローダウン水供給ライ
ンに電気式脱イオン装置やフィルタと電気式脱イオン装
置からなるブローダウン水処理装置を設けておくことが
好ましい。
水器からの復水を、復水脱塩塔を複数並設した復水脱塩
装置を通して蒸気発生器に戻す復水脱塩路と、少なくと
も一部の復水脱塩塔をバイパスして蒸気発生器に戻すバ
イパス路とに切り替える加圧水型原子力発電所における
復水処理方法であって、復水を前記バイパス路に通すと
ともに、少なくとも2塔以上の復水脱塩塔に対しては循
環通水することを特徴とする方法からなる(第3発
明)。
に復水器からの復水を通水するとともに、復水脱塩塔の
一部(少なくとも一塔)に復水を通水し、残りの復水脱
塩塔(少なくとも二塔以上)に対して循環通水すること
もできるが、本発明による作用、効果をより効率よく奏
するためには、復水器からの復水の全量をバイパス路に
通し、復水脱塩塔の全塔に対して循環通水することが好
ましい。
水脱塩装置の循環通水系に蒸気発生器のブローダウン水
を供給して、その浄水処理に利用することが好ましい。
においては、とくに第1発明に係る復水処理システムに
おいては、復水をバイパス路を通して運転しているとき
にも、復水脱塩塔全塔に対して最低通水流速を同時に確
保した循環運転が可能となり、全塔を、バイパス運転か
ら復水脱塩装置を通す処理への切替が可能な状態に待機
させておくことができるので、緊急時にも速やかに復水
脱塩装置に通水することが可能となる。したがって、海
水リーク時等への対応を極めて迅速に行うことができ
る。
生器のブローダウン水の処理が必要になるが、ブローダ
ウン水を復水脱塩装置の入口側に供給するようにすれ
ば、復水脱塩装置を活用してブローダウン水の脱塩処理
を行うことができるようになり、ブローダウン水処理装
置を新たに設置する必要がなくなる。
気式脱イオン装置を有するブローダウン水処理装置を設
けておけば、復水脱塩装置による処理に先だって電気式
脱イオン装置により大部分のイオンを除去できるので、
復水脱塩装置への負荷を低減して復水脱塩装置における
イオン交換樹脂の薬品再生を不要化でき、非再生運用が
可能となる。
おいては、最低通水流速を同時に確保可能な循環ライン
が無いので緊急時への迅速な対応の課題解決は難しいか
も知れないが、バイパス運転時に、蒸気発生器のブロー
ダウン水を復水脱塩装置を活用して処理することが可能
となるので、少なくとも、高pH運用に伴う復水のバイ
パス運転とともに、蒸気発生器ブローダウン水のより効
率的な処理が可能となる。
いては、とくに上記第1発明に係るシステムをその目的
が達せられるように運転でき、上述したように、復水脱
塩塔の一部あるいは全塔を、バイパス運転から復水脱塩
装置を通す処理への切替が可能な状態に常時待機させて
おくことができ、緊急時にも速やかに復水脱塩装置に通
水することが可能になる。
形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一
実施態様に係る復水処理システムを示している。図1に
おいて、蒸気発生器1で加圧水型原子力発電所の1次系
との間で熱交換が行われて蒸気が発生される。発生した
蒸気により高圧タービン2が駆動され、使用された蒸気
が湿分分離加熱器3を通して復水器4に送られて冷却さ
れる。
り蒸気発生器1へと戻されるが、通常運転時には、バイ
パス弁6を開き、復水脱塩装置入口弁7、復水脱塩装置
出口弁8を閉じて、複数の復水脱塩塔9を並設した復水
脱塩装置10をバイパスされる。このバイパス路11を
通った復水は、復水還流路12に設けられた復水ブース
ターポンプ13、低圧給水加熱器14、脱気器15、給
水ポンプ16、高圧給水加熱器17を通して蒸気発生器
1へと戻される。あるいは、一部の復水脱塩塔9の入口
弁18、出口弁19を開いて、復水の一部を復水脱塩塔
9で脱塩処理する復水部分処理を行うことも可能であ
る。
環ライン20を介して、出口弁21を開き循環ポンプ2
2により、浄化運転のための循環運転を行うことができ
るようになっているが、この循環ポンプ22による循環
容量は、前述の如く復水脱塩塔9の一塔分の容量にすぎ
ない。本実施態様では、さらに循環ライン23と循環ポ
ンプ24が付加され、この循環ポンプ24を加えた循環
運転により、復水脱塩塔9の全塔に対して最低通水流速
を同時に確保可能な循環容量とされている。
25は、本実施態様では復水器4へと接続されている。
ブローダウン水供給ライン25にはブローダウン水処理
装置26が設置されている。ブローダウン水処理装置2
6には、電気式脱イオン装置、またはフィルタと電気式
脱イオン装置が設けられており、電気式脱イオン装置内
に配設されたアニオン交換膜とカチオン交換膜を介して
ブローダウン水の脱イオン処理が施される。
水処理装置26の上流側に冷却器を設置し、比較的高温
のブローダウン水を常温程度に冷却してからブローダウ
ン水処理装置26に供給するとよく、これにより、ブロ
ーダウン水処理装置26の電気式脱イオン装置に使用さ
れているイオン交換膜やイオン交換樹脂が熱により劣化
するのを防止することができる。
ものが使用できる。電気式脱イオン装置は、たとえば次
のように構成されている。すなわち、アニオン交換膜と
カチオン交換膜を交互に配設し、両イオン交換膜間に脱
塩室、その外側に濃縮室を形成し、これら脱塩室、濃縮
室を交互に配置する。なお、前記脱塩室には、通常、イ
オン交換樹脂やイオン交換繊維等のイオン交換体を充填
する。脱塩室と濃縮室の交互配置体の両側に電極を配置
し、所定の直流高電圧を印加することにより、脱塩室に
通水される処理水からアニオン交換膜とカチオン交換膜
の各々を通してアニオンとカチオンを濃縮室の濃縮水側
に移行させる脱イオン処理を施し、処理水を浄化するも
のである。
ローダウン水処理装置26を用いて脱イオン処理の施さ
れた蒸気発生器ブローダウン水が復水器4へと供給さ
れ、復水と混合されてバイパス路11へと送られる。
作用、効果、およびこのシステムを用いた、本発明に係
る復水脱塩方法について説明する。上記復水処理システ
ムにおいては、通常運転時には、復水脱塩装置入口弁7
および復水脱塩装置出口弁8が閉じられ、復水器4から
の復水は、その全量がバイパス路11を通される。そし
て、全復水脱塩塔9の入口弁18および循環ライン20
側への出口弁21が開かれ、循環ポンプ22および循環
ポンプ24が運転されて、全塔に対して最低通水流速以
上の流量で循環される。このような全塔の最低通水流速
以上での循環は、本実施態様では、循環ライン23と循
環ポンプ24の追設のみで可能となる。
流量で循環されていると、海水リーク時等の緊急時にお
いても、復水脱塩装置入口弁7、復水脱塩装置出口弁
8、各復水脱塩塔出口弁19を開き、バイパス弁6を閉
じることにより、速やかに復水器4からの復水を全量復
水脱塩塔9に通すことが可能になり、全量脱塩処理への
切替が極めて迅速にしかも極めて容易に行われる。した
がって、従来長時間を要し、かつ、各種の作業や確認を
行わなければならなかった緊急時への対応が短時間の内
に容易に行われる。
いる復水処理システムに比べ、ごく短尺の循環ライン2
3とあるレベル以上の容量を有する循環ポンプ24を追
加するだけでよいので、本発明を安価に実施できる。
一部の復水脱塩塔9の入口弁18、出口弁19を開い
て、復水の一部を復水脱塩塔9で脱塩処理している場合
には、待機している他の復水脱塩塔9に対して循環運転
を行うことが可能である。
処理システムを示している。本実施態様においては、図
1に示した態様に比べ、追設する循環ライン31を、復
水脱塩装置入口弁7以降の入口側復水母管32と復水脱
塩装置出口弁8以前の出口側復水母管33との間にわた
って設けてある。このように母管32、33間にわたっ
て循環ライン31を設けて全復水脱塩塔9の循環運転を
行うことができるようにすれば、各復水脱塩塔9毎の出
口弁を操作する必要がなくなるので、一層操作性が向上
し、緊急時の立ち上げをより速やかに行うことができ
る。その他の構成、作用は、図1に示した実施態様に準
じるので、図1に付したのと同一の符号を付すことによ
り説明を省略する。
る復水処理システムを示している。本実施態様において
は、図2に示した態様に比べ、蒸気発生器ブローダウン
水の供給ラインを復水脱塩装置10の循環ライン、より
正確には入口側の復水母管32へと接続し、ブローダウ
ン水処理装置を除いた構成としている。本実施態様で
は、蒸気発生器1からのブローダウン水供給ライン25
が途中で分岐され、弁41と弁42により、復水脱塩装
置入口側母管32に接続するブローダウン水供給ライン
43と、復水器4へのブローダウン水供給ライン44と
に切り替え可能となっているが、弁41、42を設けず
に、ブローダウン水供給ライン43のみとすることも可
能である。
を復水脱塩装置10における循環ラインに供給して復水
脱塩塔9に通すことにより、蒸気発生器ブローダウン水
を待機中の復水脱塩塔9を活用して脱塩処理することが
可能になる。したがって、蒸気発生器ブローダウン水の
処理装置26を新たに設置する必要がなくなり、低コス
トでブローダウン水の浄化が可能となる。その他の構
成、作用は図2に示した態様に準じる。なお、本実施態
様においても、復水脱塩塔9内に充填されているイオン
交換樹脂が熱により劣化するのを防止するために、ブロ
ーダウン水供給ライン43の途中に冷却器を設けるとよ
い。
る復水処理システムを示している。本実施態様は、図3
に示した態様に比べ、蒸気発生器1からのブローダウン
水供給ライン25に、電気式脱イオン装置あるいはフィ
ルタと電気式脱イオン装置を備えたブローダウン水処理
装置26を設置したものであり、その他の構成は図3の
態様と実質的に同一である。
している復水脱塩塔9でブローダウン水を浄化する場
合、復水脱塩塔9への負荷によってはその内部に充填さ
れているイオン交換樹脂の再生が必要になることがあ
る。しかし図4に示したように、復水脱塩塔9への供給
に先立って電気式脱イオン装置でブローダウン水を処理
し、大部分のイオンを除去した後に復水脱塩装置循環ラ
インに供給すれば、復水脱塩塔9におけるイオン除去の
ための負荷が大幅に軽減され、復水脱塩塔9のイオン交
換樹脂の薬品再生を行わない、いわゆる非再生運用が可
能となる。また、電気式脱イオン装置単独で処理する場
合に比べ、電気式脱イオン装置と復水脱塩塔9の両方で
ブローダウン水の処理を行うことになるので、電気式脱
イオン装置自身の負荷も軽減され、たとえばその電流値
を低く抑えることができるようになる。その結果、電気
式脱イオン装置自身の寿命も延長され、ランニングコス
トの低いブローダウン水浄化処理が可能となる。その他
の作用は、図2、図3に示した実施態様に準じる。
る復水処理システムを示している。本実施態様では、図
3に示した態様に比べ、復水脱塩装置出口弁8をバイパ
スするように、循環ライン31を循環される循環水の一
部を循環ライン31の系外に放出するライン51と、該
放出ライン51に設けられた弁52とが追加されてい
る。その他の構成は図3に示した実施態様と実質的に同
一である。
発生器ブローダウン水を供給して処理する場合には、ブ
ローダウン水の供給量に見合う量だけ循環ライン31の
系外に放出する必要が生じるが、復水脱塩装置出口弁8
は通常大型のゲート弁であるので、この弁8を微開にし
て放出流量の調整を行うことは困難である。そこで上記
のようにバイパスラインからなる放出ライン51を設
け、このライン51を比較的小口径として流量調整が可
能な弁52を設けるようにしている。放出された循環水
はバイパス路11側に合流される。
から蒸気発生器ブローダウン水の供給量に見合う量だけ
放出するようにすれば、ブローダウン水を連続的に効率
よく浄化処理することが可能になり、蒸気発生器ブロー
ダウン水処理の円滑化も達成される。その他の作用は図
3に示した態様に準じる。
る復水処理システムを示している。本実施態様では、図
5に示した態様に比べ、循環水の一部を循環ライン31
の系外に放出するライン61を復水器4へと接続してあ
る。この放出ライン61も比較的小口径のラインでよ
い。このように復水器4に戻して復水と混合してもよ
く、この構成により図5に示した実施態様同様蒸気発生
器ブローダウン水の円滑な処理が可能となる。その他の
作用は図3に示した態様に準じる。
る復水処理システムを示している。本実施態様において
は、基本的に復水脱塩装置10の循環ラインは設けられ
ておらず、図9に示した従来計画されている態様に比
べ、蒸気発生器ブローダウン水を復水脱塩装置10の入
口側へと供給するブローダウン水供給ライン43が追加
されている。
3を復水脱塩装置10の入口側へ接続して、ブローダウ
ン水を復水器4ではなく復水脱塩装置10へと供給する
ようにすれば、バイパス路11を通した復水のバイパス
運転とともに、待機中の復水脱塩塔9を活用したブロー
ダウン水処理が可能となる。したがって、少なくとも、
高pH運用を復水のバイパス運転により可能ならしめる
と同時に、蒸気発生器ブローダウン水をより効果的に浄
化処理することが可能になる。とくに、ブローダウン水
供給ライン25に電気式脱イオン装置を備えたブローダ
ウン水処理装置26を設けておくことにより、大部分の
イオンを電気式脱イオン装置で除去した後に復水脱塩塔
9を通すことができ、復水脱塩塔9におけるイオン交換
樹脂の非再生運用、電気式脱イオン装置の長寿命化をと
もに達成することも可能となる。
システムによれば、復水脱塩装置に、復水脱塩塔全塔に
対して最低通水流速を同時に確保可能な容量を有する循
環ラインを設けることにより、海水リーク時や水質低下
時等にも、容易にかつ迅速に復水全量の脱塩処理への切
替を行うことができ、緊急時の対応を速やかに行うこと
ができる。また、この循環ラインの追加は、既存のシス
テムあるいは従来計画されているシステムに短いライン
や循環ポンプを加えるだけの僅かな追加で済むことか
ら、安価に実施できる。
塩装置の入口側に供給するラインを設ければ、加えて、
待機中の復水脱塩装置を活用してブローダウン水のより
円滑な浄化処理も可能になる。このブローダウン水供給
ラインに電気式脱イオン装置を備えた処理装置を付加す
れば、復水脱塩装置への負荷を低減して復水脱塩塔内イ
オン交換樹脂の非再生運用を可能とし、同時に電気式脱
イオン装置の長寿命化をはかることも可能となる。
部をバイパス路あるいは復水器へと放出するラインを設
ければ、復水脱塩装置に供給されてくる蒸気発生器ブロ
ーダウン水を連続的により円滑に処理することが可能に
なる。
蒸気発生器のブローダウン水を復水脱塩装置の入口側に
供給するラインのみを付加する構成とすれば、少なくと
も、高pH運用を復水のバイパス運転により可能ならし
めると同時に、蒸気発生器ブローダウン水をより効果的
に浄化処理することが可能になる。このブローダウン水
供給ラインに電気式脱イオン装置を備えたブローダウン
水処理装置を設けておけば、復水脱塩塔のイオン交換樹
脂の非再生運用、電気式脱イオン装置の長寿命化をとも
に達成することも可能となる。
上記のような循環ラインを備えたシステムを用いて、通
常運転時には復水のバイパス運転と復水脱塩塔の循環通
水とを同時に円滑に運転でき、緊急時には、復水の全量
を復水脱塩装置に通水する運転への切替を迅速に行うこ
とができる。
機器系統図である。
の機器系統図である。
ステムの機器系統図である。
ステムの機器系統図である。
ステムの機器系統図である。
ステムの機器系統図である。
ステムの機器系統図である。
示す機器系統図である。
統図である。
量) 21 出口弁 22 従来からある循環ポンプ 23、31 本発明で付加した循環ライン 24 本発明で付加した循環ポンプ 25 ブローダウン水供給ライン 26 電気式脱イオン装置を備えたブローダウン水処理
装置 32 入口側復水母管 33 出口側復水母管 41、42 弁 43 ブローダウン水供給ライン 51 放出ライン 52 弁 61 復水器への放出ライン
Claims (11)
- 【請求項1】 復水器からの復水を、復水脱塩塔を複数
並設した復水脱塩装置を通して蒸気発生器に戻す復水脱
塩路と、少なくとも一部の復水脱塩塔をバイパスして蒸
気発生器に戻すバイパス路とを備えた加圧水型原子力発
電所における復水処理システムであって、前記復水脱塩
装置に、前記復水脱塩塔全塔に対して最低通水流速を同
時に確保可能な容量を有する循環ラインを設けたことを
特徴とする復水処理システム。 - 【請求項2】 前記蒸気発生器のブローダウン水を前記
復水器に供給するラインが設けられている、請求項1の
復水処理システム。 - 【請求項3】 前記蒸気発生器のブローダウン水を前記
復水脱塩装置の入口側に供給するラインが設けられてい
る、請求項1または2の復水処理システム。 - 【請求項4】 前記ブローダウン水供給ラインに電気式
脱イオン装置が設けられている、請求項2または3の復
水処理システム。 - 【請求項5】 前記循環ラインにおける循環水の一部を
循環ラインの系外に放出するラインが設けられている、
請求項3または4の復水処理システム。 - 【請求項6】 前記放出ラインが復水器へと接続されて
いる、請求項5の復水処理システム。 - 【請求項7】 復水器からの復水を、復水脱塩塔を複数
並設した復水脱塩装置を通して蒸気発生器に戻す復水脱
塩路と、少なくとも一部の復水脱塩塔をバイパスして蒸
気発生器に戻すバイパス路とを備えた加圧水型原子力発
電所における復水処理システムであって、前記蒸気発生
器のブローダウン水を前記復水脱塩装置の入口側に供給
するラインを設けたことを特徴とする復水処理システ
ム。 - 【請求項8】 前記ブローダウン水供給ラインに電気式
脱イオン装置が設けられている、請求項7の復水処理シ
ステム。 - 【請求項9】 復水器からの復水を、復水脱塩塔を複数
並設した復水脱塩装置を通して蒸気発生器に戻す復水脱
塩路と、少なくとも一部の復水脱塩塔をバイパスして蒸
気発生器に戻すバイパス路とに切り替える加圧水型原子
力発電所における復水処理方法であって、復水を前記バ
イパス路に通すとともに、少なくとも2塔以上の復水脱
塩塔に対しては循環通水することを特徴とする、復水処
理方法。 - 【請求項10】 復水脱塩塔の全塔に対し循環通水す
る、請求項9の復水処理方法。 - 【請求項11】 蒸気発生器のブローダウン水を復水脱
塩装置の循環通水系に供給する、請求項9または10の
復水処理方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009162514A (ja) * | 2007-12-28 | 2009-07-23 | Japan Organo Co Ltd | 加圧水型原子力発電所の2次系系統水浄化システム |
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JP2009268999A (ja) * | 2008-05-09 | 2009-11-19 | Toshiba Corp | 水処理方法及び水処理装置 |
JP2013052354A (ja) * | 2011-09-05 | 2013-03-21 | Toshiba Corp | プラント水処理装置、電気脱塩装置の制御方法および蒸気タービンプラント |
-
1998
- 1998-12-02 JP JP34313798A patent/JP3707940B2/ja not_active Expired - Fee Related
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