JP2003136094A - ボイラ補給水処理方法及び装置 - Google Patents

ボイラ補給水処理方法及び装置

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JP2003136094A
JP2003136094A JP2001336275A JP2001336275A JP2003136094A JP 2003136094 A JP2003136094 A JP 2003136094A JP 2001336275 A JP2001336275 A JP 2001336275A JP 2001336275 A JP2001336275 A JP 2001336275A JP 2003136094 A JP2003136094 A JP 2003136094A
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water
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heating
makeup water
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Motoroku Nakao
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経済的に安価な方法で、しかも新たな腐食問
題を引き起こすことなく効果的な防食手段を提供するこ
と。 【解決手段】 水平配置の蒸発器や過熱器を構成する伝
熱管内壁における水質問題が原因の内面腐食は、下記の
補給水を用いることにより防止できる。1)沈降槽、濾
過槽、吸着槽等を有する前処理装置14、逆浸透膜法、
イオン交換法等を利用した脱イオン装置からなるボイラ
用補給水の高純度化装置15において、補給水を前処理
した後、150℃以上の温度で加熱処理し、その後冷却
して脱イオン化するボイラ補給水。2)補給水を前処理
し脱イオン化した後、150℃以上の温度で加熱処理
し、その後冷却して脱イオン化するボイラ補給水。3)
当該加熱酸化装置17をボイラの火炉内又は排熱回収ボ
イラの排ガスダクト内に設置するボイラ補給水。4)当
該加熱酸化装置17の加熱源として、ボイラから発生さ
せた水蒸気の一部を用いるボイラ補給水。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は火力発電や蒸気発生
システムに関わり、特に蒸発器を構成する伝熱管や過熱
器を構成する伝熱管の内面で生じる補給水中の有機物や
有機性炭素が原因の酸性りん酸塩腐食を効果的に防止し
得るボイラ補給水の高純度化処理方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】蒸発器管や過熱器管を水平に配置した堅
型ボイラや堅型排熱回収ボイラ(HRSG)は、設置面
積を狭くできる特徴があることから、狭隘地や都市部で
多数設置されている。
【0003】図8に代表的な堅型HRSGの断面構造図
を示す。堅型HRSGは、給水加熱器(又は節炭器)
3、汽水分離ドラム4、蒸発器5、6、過熱器7及び関
連設備より構成されており、ガスタービンからの排ガス
を含む各種排ガス2の排熱を効率的に回収し、得られた
高温高圧過熱蒸気を蒸気タービンに供給して発電に利用
し、また熱源として有効利用する設備である。堅型HR
SGは高温排ガス2を下方からケーシング11内に導入
し、過熱器7、蒸発器5、脱硝装置10、蒸発器6及び
給水加熱器(又は節炭器)3に順次接触して熱交換がさ
れる。HRSG1には給水が入口管寄8から給水加熱器
(又は節炭器)3に導入されて加熱された後、その出口
管寄9から汽水分離ドラム4に送られる。汽水分離ドラ
ム4には蒸発器6の出口管寄9からも汽水混合物が送ら
れる。汽水分離ドラム4で分離された加熱水は蒸発器5
と蒸発器6に順に送られて加熱され再び汽水分離ドラム
4に戻る。汽水分離ドラム4で分離された蒸気は過熱器
7に送られ、過熱器7で過熱された蒸気は管寄9を経由
して蒸気使用先に供給される。また汽水分離ドラム4に
は、随時清缶剤注入装置12から清缶剤が注入される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記火力発電や蒸気発
生システムでは、補給水を供給すると、特に蒸発器5、
6を構成する伝熱管や過熱器7を構成する伝熱管の内壁
で補給水中の有機物や有機性炭素が原因となる酸性りん
酸塩腐食やスケーリングが発生することがある。
【0005】図8に示す蒸発器5、6や過熱器7で使用
する伝熱管の腐食やスケーリングを防止するため、JI
S B8223−1999で最高使用圧力別に給水及び
ボイラ水(缶水)の水質が規格化されている。水質基準
を遵守すれば蒸発器5、6や過熱器7に使用する伝熱管
の腐食は一般的には防止できるものの、予想外の物質混
入によるpH低下で前記伝熱管に著しい腐食が生じるこ
とがある。
【0006】大型火力発電用ボイラの補給水は、沈殿
槽、濾過槽及び活性炭吸着槽等からなる第一段処理法、
逆浸透膜(RO)法や多段イオン交換樹脂等による脱イ
オン化処理法及び多段微細孔特殊メンブレンフィルタに
よる非イオン化物質の除去法などにより純水化処理され
ており、大型且つ高価な設備や多額の運転費用をかけて
処理されている。このような高コスト処理により、イオ
ン化物質、有機物、コロイダルシリカのような非イオン
化物質を所定値以下の濃度に低減でき(通常トータルで
0.1mg/L以下)、清缶剤の注入量に応じたpH上
昇や溶存酸素濃度低減処理ができれば腐食の問題はな
く、このような処理方法を採用した多くの実績もある。
【0007】しかし、設備及び運転コストの観点から補
給水処理に多額の経費がかけられないプラントでは、前
述の多段微細孔特殊メンブレンフィルタによる非イオン
化物質の除去法を簡略化した簡易型のイオン交換樹脂を
主に用いる純水器による処理法を採用することがある。
【0008】このようなプラントでは水平配置の蒸発器
管を有するHRSGやその他のボイラ及び各種過熱器管
入口部でスケールの付着生成を伴った激しい局部腐食が
発生することがある。
【0009】図9は、水平配置の蒸発器管(以下、水平
蒸発管と言うことがある。)を有するHRSG1の管内
腐食状況とそのメカニズムを示す。水平蒸発管の上部蒸
気相に接する部分と過熱器管下部でスケールの付着析出
を伴う腐食が起こる現象であり、本発明者らの調査解析
の結果、その原因は補給水への有機物の混入が発端とな
り、酸性りん酸塩が生成されるためであることを確認し
ている。
【0010】簡易型のイオン交換樹脂を主として用いる
純水器を採用した場合、Cl-、Na+等のイオン化した
不純物は除去できるが、有機物のような不純物はイオン
交換樹脂を通過し、除去できない。
【0011】有機物がボイラの補給水中に混入し、節炭
器3や蒸発器5、6を構成する伝熱管内で加熱される
と、酸化して有機酸が生成したり、CO2になって凝縮
水中に溶解して炭酸溶液になると、缶水のpHが低下す
る。
【0012】HRSG1の殆どは汽水分離ドラム4を有
する自然循環ボイラであり、缶水処理は低りん酸塩処理
が施されており、腐食速度を最小にするためNa/PO
4のモル比が、2.6〜2.8のりん酸ナトリウムを清
缶剤にして缶水のpHを上昇させている。
【0013】図10にPO4濃度とpHの関係線図を示
す。図中の各曲線はNa/PO4のモル比に対応した値
を示す。補給水が純水で不純物を含まない場合、Na/
PO4のモル比=2.6〜2.8の清缶剤を添加すると
缶水のpHは理論上、図10の網掛けの範囲に収まる
が、酸性化物質が存在すると缶水のpHは低下すること
になる。酸性化物質の混入を予め考慮して、高モル比
(Na/PO4が3.5以上)の清缶剤の使用も考えら
れるが、酸性化物質が混入してこないとpHが上昇しす
ぎ、アルカリ腐食が生じることになる。
【0014】図11は、本発明者らの実験結果で、30
0℃、1モル/Lのりん酸ナトリウム溶液中での炭素鋼
の腐食速度に及ぼすNa/PO4モル比の影響を示す。
これから腐食速度は前記モル比が2.6〜2.8で最小
となり、前記モル比がこれより低下(酸性化)しても、
上昇(アルカリ性化)しても腐食速度が増加しており、
単純に清缶剤の前記モル比を上昇させても有効でないと
いえる。
【0015】缶水の酸性化又はアルカリ性化を予測し
て、高耐食性のステンレス鋼や高Ni合金を使用するこ
とも考えられるが、オーステナイト系ステンレス鋼を伝
熱管に使用すると微量塩化物の濃縮により応力腐食割れ
が生じることがあり、高Ni合金の採用は高価でコスト
的に使用し難い。
【0016】清缶剤の注入量に応じたpH値になるよう
にするには、補給水中の有機物などの酸性化物質濃度を
ほぼゼロ(欧米の基準では0.2mg/L以下)にすれ
ばよいが、前述したように、この値を達成するために
は、補給水の高度な純水化処理と高コストの運転費用が
必要でコスト的に引き合わないことになる。
【0017】本発明の課題は、水平配置の蒸発器や過熱
器を構成する伝熱管内壁における水質問題が原因となる
内面腐食を経済的に安価な方法で、しかも新たな腐食を
引き起こすことなしに効果的に防止し得るボイラ補給水
の高純度化処理方法と装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は次の
構成により解決される。 (1)補給水を沈降、濾過及び吸着の操作を含む工程に
より前処理し、前記前処理した補給水を150℃以上で
加熱処理し、この加熱処理した補給水を冷却し、冷却後
の補給水を逆浸透膜法又はイオン交換法を含む操作によ
り脱イオン化するボイラ補給水処理方法。
【0019】(2)補給水を沈降、濾過及び吸着の操作
を含む工程により前処理し、前記前処理した補給水を逆
浸透膜法又はイオン交換法を含む操作により脱イオン化
し、この脱イオン化した補給水を150℃以上で加熱処
理し、加熱処理した補給水を冷却し、冷却後の補給水を
逆浸透膜法又はイオン交換法を含む操作により脱イオン
化するボイラ補給水処理方法。
【0020】(3)補給水流路に設けられる沈降槽、濾
過槽及び吸着槽を有する前処理装置と、前記前処理装置
出口の補給水流路に設けられる加熱処理装置と、前記加
熱処理装置出口の補給水流路に設けられる冷却装置と、
前記冷却装置出口の補給水流路に設けられる脱イオン化
装置とを有するボイラ補給水処理装置。
【0021】また、前記加熱処理装置はボイラ火炉又は
排熱回収ボイラの排ガスダクト内に設置され、前記火炉
内ガス又は前記排ガスダクト内の排ガスとボイラ補給水
を熱交換する加熱酸化装置と、加熱前のボイラ補給水と
加熱後のボイラ補給水とを熱交換する熱交換器とを備え
た構成にしても良い。
【0022】さらに、前記加熱処理装置は、ボイラ又は
排熱回収ボイラで発生した蒸気とボイラ補給水とを熱交
換する加熱酸化装置と、加熱前のボイラ補給水と加熱後
のボイラ補給水とを熱交換する熱交換器を備えた構成に
しても良い。
【0023】(4)補給水流路後流側に設けられる沈降
槽、濾過槽及び吸着槽を有する前処理装置と、前記前処
理装置出口の補給水流路に設けられる第1の脱イオン化
装置と、前記第1の脱イオン化装置出口の補給水流路に
設けられる加熱処理装置と、前記加熱処理装置の補給水
流路後流側に設けられる冷却装置と、前記冷却装置出口
の補給水流路に設けられる第2の脱イオン化装置とを有
するボイラ補給水処理装置。
【0024】また、前記加熱処理装置はボイラ火炉内又
は排熱回収ボイラの排ガスダクト内に設置され、前記火
炉内ガス又は前記排ガスダクト内の排ガスとボイラ補給
水を熱交換する加熱酸化装置と、加熱前のボイラ補給水
と加熱後のボイラ補給水とを熱交換する熱交換器を備え
た構成にしても良い。
【0025】さらに前記加熱処理装置は、ボイラ又は排
熱回収ボイラで発生した蒸気とボイラ補給水とを熱交換
する加熱酸化装置と、加熱前のボイラ補給水と加熱後の
ボイラ補給水とを熱交換する熱交換器を備えた構成にし
ても良い。
【0026】
【作用】ボイラやHRSG用補給水中の有機物濃度を
0.1mg/L以下に低減しようとすれば、前述したよ
うに沈降槽、濾過槽、吸着槽等を有する前処理装置及び
逆浸透膜法、イオン交換法等を利用した脱イオン装置に
加えて、従来技術では設備費及び運転費が高価な多段微
細孔特殊メンブレムフィルタ等による非イオン化物質の
除去装置を用いる必要がある。これは、有機物等の非イ
オン化不純物が経済的なイオン交換型純水器では除去で
きないことによるものである。有機物等の非イオン化不
純物をイオン化できれば容易に除去できることになる。
【0027】本発明者らの研究の結果、補給水中に混入
溶解している有機物は、150℃以上に加熱すると酸化
分解し、イオン化するため、その後のイオン交換型純水
器で容易に除去できることが明らかとなった。
【0028】図7は、10mg/L(ppm)の有機炭
素化物(澱粉)を含む水溶液を50〜300℃の温度範
囲で6〜24分加熱処理し、その後冷却してイオン交換
型純水器で処理した液の有機炭素量を加熱処理温度でプ
ロットしたものである。これから溶解性有機物は6分の
短時間では200℃以上、24分では150℃以上で初
期の有機炭素量の1/10の量まで顕著に低減でき、加
熱及びその後のイオン交換型純水化が有効な有機物除去
方法であることが確認できた。
【0029】こうした処理により有機物が除去できるこ
とは、草木や生物の溶解物、砂糖等の炭水化物、細菌や
酵母等の微生物でも確認しており、溶解性の有機物は総
じて150℃以上で酸化分解されることによるものであ
る。
【0030】図7に示したように、溶解有機物は150
℃以上の温度であれば、より高温で、より長時間加熱す
るほど、分解されやすく、超臨界圧状態では、更に短時
間且つ低濃度まで分解できる。本発明は、150℃以上
で加熱するとしているが、その後の冷却を含めたエネル
ギ効率や装置仕様を考慮すると高温高圧化することは必
ずしも得策でなく、工業的には上限温度は250℃前後
と考えられる。
【0031】なお、前記処理後の補給水中の有機炭素量
(濃度)は、蒸発量に対する補給水量の割合で表される
補給水率を考慮して、ボイラ水を所定の有機炭素量(濃
度)以下に抑えるために必要と考えられる限度以下にな
るようにする。この限度となる処理後の補給水中の有機
炭素量(濃度)と処理前の補給水中の有機炭素量(濃
度)に基づいて加熱時間、温度を決めれば良い。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
をもって説明する。
【0033】(実施例1)図1は、本実施の形態になる
ボイラ補給水の処理方法である。市水などの原水13を
先ず沈殿槽、濾過槽、活性炭吸着槽等からなる前処理装
置14で固形物や浮遊物を除去した後、熱交換器16を
介して加熱酸化槽17に供給し、150℃以上の温度で
加熱処理し、溶解有機物を酸化分解してイオン化した
後、熱交換器16と冷却器18で冷却した後、イオン交
換型純水器15で脱イオン化することで純水化してボイ
ラ補給水に用いるものである。
【0034】本実施例の特徴は、有機物水溶液を150
℃以上の温度で加熱分解して、イオン化した後、イオン
交換型純水器15で純水化することを特徴としており、
前処理装置14の内容はどのようなものでも良い。ま
た、本実施例は熱交換器16の有無で影響されるのでも
ないが、イオン交換型純水器15のイオン交換樹脂やイ
オン交換膜は一般に耐熱性がなく、100℃以下で使用
されるので、熱交換器16や冷却器18を設け、エネル
ギロスを最小限にすることが望ましい。
【0035】イオン交換型純水器15としては、アニオ
ン及びカチオンをそれぞれ置換するイオン交換樹脂を混
合したイオン交換型純水器15を複数段積み重ねたもの
が一般的であるが、本発明においては前記積層形式のイ
オン交換型純水器15を使用しても良く、またその他の
形式のイオン交換型純水器15を使用しても良く、その
形式に限定はない。逆浸透膜(RO)を用いたイオン交
換型純水器15も本発明の範囲内のものである。
【0036】本実施例では、150℃以上で加熱すると
しているが、その後の冷却を含めたエネルギ効率や装置
仕様を考慮すると上限温度は250℃前後とする。
【0037】また、処理後の補給水中の有機炭素量(濃
度)は、蒸発量に対する補給水量の割合で表される補給
水率を考慮して、ボイラ水を所定の有機炭素量(濃度)
以下に抑えるために必要と考えられる限度以下になるよ
うにする。この限度となる処理後の補給水中の有機炭素
量(濃度)と処理前の補給水中の有機炭素量(濃度)に
基づいて加熱時間、温度を決めれば良い。
【0038】堅型HRSGは、蒸発量が100〜200
3/hのクラスのものが多く、補給水率を2.5〜5
%とすると約5m3/hも補給水が必要となる。従来技
術である多段微細孔特殊メンブレムフィルタ等による非
イオン化物質の除去装置を用いる場合と本実施例の経済
効果について、蒸発量100〜200m3/hの堅型H
RSGを用いて、5m3/hの補給水量及び20年の運
転で試算した結果を表1と表2に示す。ここで、任意単
位とは、「沈殿濾過+活性炭フィルタ」の設備費を
「3」とした時の相対値である。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】この表1、2から、従来技術に比べて本発
明法を用いることにより、設備コストと運転コストの合
計を約70%に低減できることが分かる。
【0042】なお、本発明法での熱交換器や冷却器の運
転費には、機器のメンテナンス費の他に加熱エネルギ費
や冷却水費も含んでいる。
【0043】(実施例2)図2は、本実施例のボイラ補
給水処理方法のフローである。図1に示す実施例1に比
較して、溶解有機物を加熱分解処理する前にイオン交換
型純水器15でイオン化した不純物を予め除去し、有機
物等、非イオン化不純物のみを溶解した液を加熱処理し
ようとするものである。本実施例では、イオン交換型純
水器15が複数台必要であり、システムもやや複雑にな
るが、加熱酸化槽17に供給される補給水中に、Cl、
SO4、酸、アルカリ等の腐食性イオンが溶解していな
いため、熱交換器16や加熱酸化槽17の構成材料とし
て一般的なステンレス鋼を使用することができるように
なる。Cl、SO4、酸、アルカリ等の腐食性イオンを
含む溶液の加熱装置用材料としては、塩化物、酸、アル
カリへの耐食性や耐応力腐食割れ性を考慮し、商品名イ
ンコネル625やハステロイC−276で代表される高
Cr(15%以上)高Mo(6%以上)含有率のNi基
合金やステンレス鋼SUS329J4Lで代表される二
相ステンレス鋼の仕様が必要となる。前者の合金は前述
したように高価であり、後者の合金は溶接部や熱処理部
で脆化しやすい問題点を抱えており、設備材料問題を考
慮すると本実施例が有効である。
【0044】本実施例においても、ボイラ補給水が含有
する有機物の濃度によっては、酸化分解すると酸性化
し、pH値も低下することがある。酸化分解した溶液の
pHが4以下に酸性化する場合には、加熱酸化槽17や
熱交換器16の構成材料としてSUS304LやSUS
316Lといった一般的なステンレス鋼を使用すべきで
ある。
【0045】(実施例3)図3はボイラ補給水処理方法
の実施例である。有機物分解用加熱酸化装置17をHR
SG(又はボイラ)炉内に設置し、HRSGや燃焼ボイ
ラの熱を有効利用する補給水処理方法である。
【0046】図3では補給水処理システムフローとし
て、実施例2の補給水処理法を使用しているが、実施例
1の補給水処理法を使用しても良い。
【0047】本実施例では、実施例2の補給水処理法を
そのまま使用し、その中の有機物分解用加熱酸化装置1
7として使用するHRSG1は図3に示すように高温排
ガス2を下方からケーシング11内に導入し、過熱器
7、蒸発器5、脱硝装置10、蒸発器6、給水加熱器
(又は節炭器)3及び有機物分解用加熱酸化装置17に
順次接触して熱交換がされる。HRSG1には実施例2
の補給水処理法により処理され、イオン交換型純水器1
5からの純水が入口管寄8から給水加熱器(又は節炭
器)3に導入されて加熱された後、その出口管寄9から
汽水分離ドラム4に送られる。汽水分離ドラム4には蒸
発器6の出口管寄9からも汽水混合物が送られる。汽水
分離ドラム4で分離された加熱水は蒸発器5と蒸発器6
に順に送られて加熱され再び汽水分離ドラム4に戻る。
汽水分離ドラム4で分離された蒸気は過熱器7に送ら
れ、過熱器7で過熱された蒸気は管寄9を経由して蒸気
使用先に供給される。また汽水分離ドラム4には、随時
清缶剤注入装置12から清缶剤が注入される。
【0048】本実施例を採用することにより、エネルギ
効率が優れ、簡易的且つ経済的な高純度ボイラ補給水を
提供できる。
【0049】図4及び図5には、図1、図2あるいは図
3に示した熱交換器16及び冷却器18に用いる構造の
一例をそれぞれ示す。図4に示す熱交換器16は多数の
パイプが水平方向に配置され、該パイプ内を前処理後の
イオン交換水の入口19と出口20を結ぶ流路とし、そ
の各パイプの周囲に加熱処理水入口21から出口22に
向けて加熱処理高温水を流す。
【0050】図5に示す冷却器18は前記図4に示す熱
交換器16と同様の構造からなり、多数のパイプが水平
方向に配置され、該パイプ内を加熱処理水の入口23と
出口24を結ぶ流路とし、その各パイプの周囲に冷却水
入口25から出口26に向けて冷却水を流す。
【0051】ボイラ補給水の加熱処理にあたり、熱交換
器16や冷却器18を設置することにより、エネルギロ
スを少なくし、適正なイオン交換のための温度条件が設
定できるようになる。図3中に記載した補給水の温度は
一つの目安温度である。
【0052】(実施例4)図6は、ボイラ補給水処理方
法の第二の実施例である。市水などの原水13を先ず沈
殿槽、濾過槽、活性炭吸着槽等からなる前処理装置14
で固形物や浮遊物を除去した後、イオン交換型純水器1
5で脱イオン化した後、熱交換器16を介して加熱装置
27で150℃以上に加熱処理した後、冷却器18で冷
却し、冷却処理水をイオン交換型純水器15で脱イオン
化することで純水化してボイラ補給水に用いるものであ
る。
【0053】本実施例の特徴は、有機物水溶液を150
℃以上の温度で加熱分解して有機物を酸化分解する補給
水の加熱装置27において、加熱源としてボイラで発生
させた蒸気の一部(余剰蒸気)28を用いるもので、余
剰蒸気のあるボイラにおいて、熱効率向上、エネルギロ
スの低下が図れるものである。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、簡易的且つ経済的な高
純度ボイラ補給水が供給できるので、水平配置の蒸発器
管や過熱器管の内壁で生じる、補給水中の有機物を含む
不純物が原因となる酸性りん酸塩腐食を防止でき、安定
したプラント運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明になるボイラ補給水の処理フロー及び
実施例である。
【図2】 本発明になるボイラ補給水の処理フロー及び
実施例である。
【図3】 本発明になるボイラ補給水の処理フロー及び
実施例である。
【図4】 本発明になるボイラ補給水の処理フロー及び
実施例である。熱交換器及び冷却器の構造例である。
【図5】 本発明になるボイラ補給水の処理フロー及び
実施例である。熱交換器及び冷却器の構造例である。
【図6】 本発明になるボイラ補給水の処理フロー及び
実施例である。
【図7】 本発明のベース例となる発明者らの研究結果
である。
【図8】 従来技術になる課題及び損傷を説明する図で
ある。
【図9】 従来技術になる課題及び損傷を説明する図で
ある。
【図10】 従来技術になる課題及び損傷を説明する図
である。
【図11】 従来技術になる課題及び損傷を説明する図
である。
【符号の説明】
1 堅型排熱回収蒸気発生器(HRSG)ボイラ 2 高温排ガス 3 給水加熱器又は節炭器 4 汽水分
離ドラム 5 蒸発器 6 蒸発器
7 過熱器 8 入口管
寄 9 出口管寄 10 脱硝
装置(触媒) 11 ケーシング 12 清缶
剤注入装置 13 市水等原水 14 前処
理装置 15 イオン交換型純水器 16 熱交
換器 17 加熱酸化装置 18 冷却
器 19 低温水(前処理+イオン交換水)入口 20 高温水(前処理+イオン交換水)出口 21 高温水(加熱処理水)入口 22 高温水(加熱処理水)出口 23 低温水(加熱処理水)入口 24 低温水(加熱処理水)出口 25 冷却水入口 26 冷却
水出口 27 加熱装置 28 余剰
蒸気
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 9/00 C02F 9/00 502P 503 503A 504 504B B01D 61/04 B01D 61/04 C02F 1/02 C02F 1/02 B 1/28 1/28 A 1/42 1/42 B 1/44 1/44 D 1/52 1/52 Z F22D 11/00 F22D 11/00 D // C02F 1/00 C02F 1/00 L Fターム(参考) 4D006 GA03 KA01 KB12 KB13 KB14 KB30 PB02 PC31 4D015 BA19 BB01 CA20 FA02 FA15 FA17 FA22 FA29 4D024 AA01 BA02 DB03 DB05 DB06 DB19 DB21 4D025 AA01 AA07 BA08 BA13 DA03 DA10 4D034 AA00 BA08 CA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 補給水を沈降、濾過及び吸着の操作を含
    む工程により前処理し、 前記前処理した補給水を150℃以上で加熱処理し、 この加熱処理した補給水を冷却し、 冷却後の補給水を逆浸透膜法又はイオン交換法を含む操
    作により脱イオン化することを特徴とするボイラ補給水
    処理方法。
  2. 【請求項2】 補給水を沈降、濾過及び吸着の操作を含
    む工程により前処理し、 前記前処理した補給水を逆浸透膜法又はイオン交換法を
    含む操作により脱イオン化し、 この脱イオン化した補給水を150℃以上で加熱処理
    し、 加熱処理した補給水を冷却し、 冷却後の補給水を逆浸透膜法又はイオン交換法を含む操
    作により脱イオン化することを特徴とするボイラ補給水
    処理方法。
  3. 【請求項3】 補給水流路に設けられる沈降槽、濾過槽
    及び吸着槽を有する前処理装置と、 前記前処理装置出口の補給水流路に設けられる加熱処理
    装置と、 前記加熱処理装置出口の補給水流路に設けられる冷却装
    置と、 前記冷却装置出口の補給水流路に設けられる脱イオン化
    装置と、 を備えたことを特徴とするボイラ補給水処理装置。
  4. 【請求項4】 前記加熱処理装置は、ボイラ火炉又は排
    熱回収ボイラの排ガスダクト内に設置され、前記火炉内
    ガス又は前記排ガスダクト内の排ガスとボイラ補給水を
    熱交換する加熱酸化装置と、加熱前のボイラ補給水と加
    熱後のボイラ補給水とを熱交換する熱交換器とを備えた
    ことを特徴とする請求項3記載のボイラ補給水処理装
    置。
  5. 【請求項5】 前記加熱処理装置は、ボイラ又は排熱回
    収ボイラで発生した蒸気とボイラ補給水とを熱交換する
    加熱酸化装置と、加熱前のボイラ補給水と加熱後のボイ
    ラ補給水とを熱交換する熱交換器とを備えたことを特徴
    とする請求項3記載のボイラ補給水処理装置。
  6. 【請求項6】 補給水流路に設けられる沈降槽、濾過槽
    及び吸着槽を有する前処理装置と、 前記前処理装置出口の補給水流路に設けられる第1の脱
    イオン化装置と、 前記第1の脱イオン化装置出口の補給水流路に設けられ
    る加熱処理装置と、 前記加熱処理装置出口の補給水流路に設けられる冷却装
    置と、 前記冷却装置出口の補給水流路に設けられる第2の脱イ
    オン化装置と、を備えたことを特徴とするボイラ補給水
    処理装置。
  7. 【請求項7】 前記加熱処理装置はボイラ火炉内又は排
    熱回収ボイラの排ガスダクト内に設置され、前記火炉内
    ガス又は前記排ガスダクト内の排ガスとボイラ補給水を
    熱交換する加熱酸化装置と、 加熱前のボイラ補給水と加熱後のボイラ補給水とを熱交
    換する熱交換器と、を備えたことを特徴とする請求項6
    記載のボイラ補給水処理装置。
  8. 【請求項8】 前記加熱処理装置はボイラ又は排熱回収
    ボイラで発生した蒸気とボイラ補給水とを熱交換する加
    熱酸化装置と、 加熱前のボイラ補給水と加熱後のボイラ補給水とを熱交
    換する熱交換器と、を備えたことを特徴とする請求項6
    記載のボイラ補給水処理装置。
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