JP4370466B2 - 応力腐食割れ緩和方法、薬液注入装置、及び、原子力発電プラント - Google Patents

応力腐食割れ緩和方法、薬液注入装置、及び、原子力発電プラント Download PDF

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Description

本発明は、軽水を冷却水として冷却を行う原子炉を備えた原子力発電プラントの予防保全のための応力腐食割れの緩和技術に係り、特に、冷却水に接触する金属材料の応力腐食割れの緩和技術に関する。
軽水を冷却水として冷却を行う原子炉を備えた原子力発電プラントにおいてプラント稼働率の向上の観点から、炉内構造物や圧力境界などを構成する金属製の構造材料、例えばステンレスやニッケル基合金など金属材料の応力腐食割れ(以下、SCCと略称する)を緩和、抑制することが重要な問題となっている。SCCは、材料、応力、環境の3因子が重畳したときに起こる。したがって、3因子の内、少なくとも1因子を緩和することによりSCCを緩和できる。
原子力発電プラントの運転中、原子炉の炉心からのガンマ線及び中性子線により、原子炉を冷却する軽水を用いた冷却水が放射線分解する。その結果、炉内構造物や圧力境界などを構成する金属材料は、放射線分解生成物である酸素及び過酸化水素が数百ppb程度存在する100℃以上の高温、例えば沸騰水型原子力発電プラントの定格出力運転時の冷却水の炉心からの出口温度は288℃、加圧水型原子力発電プラントの定格出力運転時の冷却水の炉心からの出口温度は325℃といったような高温の冷却水に曝されることとなる。
ここで、SCCにおけるき裂進展速度(以下、CGRと略称する)と腐食電位(以下、ECPと略称する)の関係を見ると、図11に示すように、ECPが低下するとCGRが減少する。さらに、酸素及び過酸化水素の濃度と高温水中における304型ステンレス鋼(以下、304SSと略称する)のECPとの関係を測定した結果を見ると、図12に示すように、酸素においても、過酸化水素においても、濃度の減少に伴いECPが小さくなる。したがって、原子炉の冷却水に接触する金属材料のSCCを緩和するためにはECPを低減すること、つまり、原子炉水中に存在する酸素及び過酸化水素の濃度を低減することが有効である。
これに対して、原子力発電プラントにおける高温の水に接触する金属材料のSCCを緩和する方法として、給水系から水素を添加する水素注入という技術がある。水素注入は、注入した水素と水との放射線分解によって生じた酸素及び過酸化水素とを反応させて水に戻すことにより、炉水中の酸素及び過酸化水素の濃度を低減する技術である。さらに、水素注入に加えて、アンモニアやヒドラジンなどの酸化数が負の還元性窒素化合物(以下、還元性窒素化合物と称する)を注入する技術(例えば、特許文献1−3参照)や、メタノールなどのアルコールを注入する技術なども提案されている。これらの技術も、水素注入の場合と同様、水素と水の放射線分解によって生じた酸素及び過酸化水素とを反応させて水に戻す技術である。水素注入を行う場合、水の放射化により生じた放射性窒素16(以下、N−16と称する)が蒸気と共に移行しやすくなり、このN−16がタービン建屋の線量率を上昇させる副作用が生じる。しかし、還元性窒素化合物やアルコールの併用によりその副作用を抑制できることが期待されている。
このような水素注入に関連する技術とは別に、酸化ジルコニウムや酸化チタンなどの中性酸化物を原子炉水に注入して材料表面に付着させて、材料表面で水素と酸素、過酸化水素の反応を促進させる光触媒作用により材料のECPを低減する技術が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
また、沸騰水型原子力発電プラントでは、原子炉で発生した蒸気をタービンに導き凝縮させた後、再び原子炉に戻す循環の過程で、原子炉水中に不純物が生じ、この不純物がSCCの原因となる場合がある。これに対して、原子炉水を浄化するための原子炉浄化系を形成する管路を設け、この管路にイオン交換樹脂用いた浄化装置を設けて不純物を除去することが提案されている(例えば、特許文献5参照)。
特開2002−11465号公報(第3頁、第1図) 特開2000−292589号公報(第6−8頁、第1図) 特開平7−20281号公報(第2−4頁、第1図) 特開2003−139891号公報(第5−10頁、第1−11図) 特開平5−11094号公報(第2頁、第1図)
ここで、本発明者らは、金属材料のSCCを緩和する冷却水に注入する中性化学種や陽イオン性化学種を含む薬液には、陰イオン性化学種が不純物として含まれている可能性があることに着目した。すなわち、薬品生成時に使用された陰イオン性化学種が、薬品生成後にも不純物として残留する可能性があること、さらに、薬液を調整するとき、中性化学種や陽イオン性化学種を水溶液中に溶解させるためなどの目的で陰イオン性の不純物が添加される場合があることに着目した。
例えば、還元性窒素化合物のヒドラジンは、アンモニアと塩素を作用させるRASCHIG法や、アンモニアとケトン、過酸化水素、リン酸塩を作用する方法などにより生成される。そして、生成したヒドラジンは、濃度を高くするために脱塩蒸留され、硫酸や塩酸と反応させて結晶化させる操作が行われる。したがって、ヒドラジンには、生成、濃縮の操作を行うときに、塩化物イオンや硫酸イオン、リン酸などの陰イオン性不純物が混入する可能性がある。また、酸化ジルコニウムや酸化チタンなどの中性酸化物は、塩化物や硫酸化合物の気中酸化や溶液の中和処理により生成される。したがって、これらの中性酸化物溶液には、塩化物イオンや硫酸イオン、硝酸イオンなどの陰イオン性不純物が混入する可能性がある。
このような塩化物イオンや硫酸イオン、リン酸などの不純物となる陰イオン性化学種、つまり、陰イオン性不純物は、導電率を上昇させる作用があり、特に、塩化物イオンなど、耐食性酸化皮膜を破壊する作用もあるため、SCCを引き起こす原因となる。さらに、これらの陰イオン性不純物は、金属材料に生じたき裂内で濃縮し、き裂内のpHを低下させて金属材料の腐食を加速する。このようなことから、本発明者らは、従来の金属材料のSCCを緩和する薬液の注入による応力腐食割れの緩和方法、そのための薬液注入装置、また、そのような薬液注入を行う原子力発電プラントでは、金属材料のSCCを緩和する薬液に陰イオン性不純物が含まれている場合、SCCの緩和能力が低減してしまい、場合によっては、き裂の進展を促進させる可能性すらあり、従来の応力腐食割れの緩和方法や、薬液注入装置の応力腐食割れの緩和能力は向上させる余地があることを見出した。
本発明の課題は、薬液の注入による応力腐食割れの緩和能力を向上させることにある。
なお、中性化学種とは、水に溶解してもイオンにならないアルコールなどの有機化合物や、カーボヒドラジドといったようなヒドラジン化合物、そして、金属や金属酸化物の微粒子などを意味し、陽イオン性化学種とは、ヒドラジンやアンモニアなどの還元性窒素化合物などを意味している。また、不純物となる陰イオン性化学種、つまり、陰イオン性不純物は、応力腐食割れの発生に関係する塩化物イオンや硫酸イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、燐酸イオンなどを意味し、水酸化物イオンなどは除く。
本発明の応力腐食割れの緩和方法は、軽水を冷却水として冷却を行う原子炉を備えた原子力発電プラントの冷却水に接触する金属材料の応力腐食割れの緩和方法であり、中性化学種及び陽イオン性化学種の少なくとも一方を含む薬液を冷却水に注入するとき、陰イオン性不純物を除去する陰イオン除去器を通過させた薬液を前記冷却水に注入することにより上記課題を解決する。これにより、陰イオン性不純物を含まない薬液が冷却水に注入されるため、薬液の注入による応力腐食割れの緩和能力を向上できる。
さらに、薬液を冷却水が通流する経路の原子炉への流入部または流入部近傍で注入すれば、薬液の劣化が生じ難いため、応力腐食割れの緩和能力をより向上できる。
また、本発明の応力腐食割れの緩和方法は、中性化学種を水に溶かしてなる薬液を冷却水に注入するとき、冷却水が通流する経路の、この経路に設けられた陰イオン交換樹脂を含む脱塩装置よりも冷却水の通流方向に対して上流側に薬液を注入することにより上記課題を解決する。これにより、薬液の冷却水への注入前に陰イオン性不純物を陰イオン除去器により除去しなくても、冷却水の通流経路に設けられた脱塩装置により陰イオン性不純物を除去して、薬液の注入による応力腐食割れの緩和能力を向上できる。
また、本発明の薬液注入装置は、中性化学種及び陽イオン性化学種の少なくとも一方を含む薬液を収容するタンクと、このタンク内の薬液を通流させて薬液中の陰イオン性不純物を除去する陰イオン除去器と、軽水を冷却水として冷却を行う原子炉の冷却水が通流する流路に、陰イオン除去器を通流させた薬液を注入する注入流路とを備えた構成とすることにより上記課題を解決する。このような構成とすれば、陰イオン性不純物を含まない薬液が冷却水に注入されるため、薬液の注入による応力腐食割れの緩和能力を向上できる。
さらに、タンクと陰イオン除去器との間に薬液を循環させる薬液循環流路と、この薬液循環流路に設けられて陰イオン性不純物の濃度を検出する陰イオン性不純物濃度検出手段とを備えた構成とする。これにより、より確実に陰イオン性不純物を含まない薬液を冷却水に注入できるため、薬液の注入による応力腐食割れの緩和能力をより確実に向上できる。
また、陰イオン除去器は、陰イオン交換樹脂が充填された陰イオン交換樹脂槽を有する構成とする。さらに、陰イオン除去器は、陽極と陰極となる2つの電極間にイオン交換膜を設置した電解槽を有する構成とする。
また、中性化学種及び陽イオン性化学種の少なくとも一方を含む薬液を収容する第1のタンクと、この第1のタンク内の薬液を通流させて薬液中の陰イオン性不純物を除去する陰イオン除去器と、第1のタンクと陰イオン除去器との間に薬液を循環させる薬液循環流路と、この薬液循環流路に設けられて陰イオン性不純物の濃度を検出する陰イオン性不純物濃度検出手段と、薬液循環流路から分岐した分岐流路に連結されて第1のタンクからの薬液を収容する第2のタンクと、第2のタンク内の薬液を、軽水を冷却水として冷却を行う原子炉の冷却水が通流する流路に注入する注入流路とを備えた構成とする。このような構成とすれば、第1のタンクと陰イオン除去器などを管理区域外に設置でき、陰イオン除去器に用いた陰イオン除去のための陰イオン交換樹脂などを、一般の産業廃棄物として処理できる。
また、本発明の原子力発電プラントは、軽水を冷却水として冷却を行う原子炉を備えた原子力発電プラントであり、冷却水が通流する冷却水流路に中性化学種及び陽イオン性化学種の少なくとも一方を含む薬液を注入する薬液注入装置として、上記のいずれかの構成の薬液注入装置を有する構成とすることにより上記課題を解決する。
さらに、薬液注入装置の注入流路は、冷却水流路の原子炉への流入部または流入部近傍に連結されている構成とする。
また、本発明の原子力発電プラントは、冷却水が通流する冷却水流路に中性化学種を水に溶かしてなる薬液を注入する薬液注入装置の薬液の注入流路が、冷却水流路の、この冷却水流路に設けられた陰イオン交換樹脂を含む脱塩装置よりも冷却水の通流方向に対して上流側に連結されている構成とする。
本発明によれば、薬液の注入による応力腐食割れの緩和能力を向上できる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を適用してなる応力腐食割れの緩和技術の第1の実施形態について図1及び図2を参照して説明する。図1は、本発明を適用してなる薬液注入装置の概略構成を示す図である。図2は、本発明を適用してなる原子力発電プラントの概略構成を示す図である。
本実施形態の薬液注入装置1は、図1に示すように、中性化学種及び陽イオン性化学種の少なくとも一方を含む薬液を収容する第1溶液タンク3、第1薬液タンク3の底部側と上部側に接続されて薬液を第1薬液タンク3の底部側から流出させて再び第1薬液タンク3に戻すための薬液循環管路5を備えている。薬液循環管路5には、薬液の通流方向に第1薬液タンク3側からバルブ7、循環ポンプ9、陰イオン除去器11、陰イオン性不純物濃度測定器13、バルブ15などが順次設けられている。陰イオン除去器11は、陰イオン交換樹脂を充填した陰イオン交換樹脂槽を備えている。
さらに、薬液注入装置1は、薬液循環管路5の陰イオン性不純物濃度測定器13とバルブ15との間の部分で分岐した分岐管路17、分岐管路17に設けられたバルブ19、分岐管路17の他端が上部側に接続された第2薬液タンク21、図1には図示していない原子力発電プラントの冷却水が通流する管路に薬液を注入するため、第2薬液タンク21の底部側に接続された注入管路23を備えている。注入管路23には、第2薬液タンク21側からバルブ25、積算流量計27、注入ポンプ29、流量計31、逆止弁33などが順次設けられている。
また、注入管路23の第2薬液タンク21とバルブ25との間の部分からは、第2薬液タンク21内などの薬液を排出するための排水管路35が分岐しており、排水管路35には、排水バルブ37が設けられている。さらに、注入管路23の第2薬液タンク21と排水管路35の分岐部との間の部分と、第2薬液タンク21の上部側との間には、第2薬液タンク21内の薬液の量を示す水位計39が設けられている。
なお、中性化学種とは、水に溶解してもイオンにならないアルコールなどの有機化合物や、カーボヒドラジドといったようなヒドラジン化合物、そして、金属や金属酸化物の微粒子などを意味し、陽イオン性化学種とは、ヒドラジンやアンモニアなどの還元性窒素化合物などを意味している。また、不純物となる陰イオン性化学種、つまり、陰イオン性不純物は、応力腐食割れの発生に関係する塩化物イオンや硫酸イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、燐酸イオンなどを意味し、水酸化物イオンなどは除く。
ここで、このような構成の薬液注入装置1を設けた原子力発電プラントの構成について説明する。本実施形態の原子力発電プラント41は、図2に示すように、沸騰水型原子力発電プラントつまりBWRであり、核燃料の装荷された原子炉圧力容器42の上部と復水冷却器43とを給水系管路44で接続し、給水系管路44に復水冷却器43側から順に復水ろ過脱塩器45、給水ポンプ47、給水加熱器49が設けられている。さらに、原子炉圧力容器42の上部と復水冷却器43に連結されているタービン51との間には、主蒸気管路53が接続されており、給水系管路44と主蒸気管路53とにより閉ループを形成している。
原子力発電プラント41は、原子炉冷却剤として水を使い、原子炉圧力容器42で水を蒸気にし、この蒸気を使ってタービン51を回転させて図示していない発電機を回転させ、発電を行う。タービン51からの蒸気は、復水冷却器43で水に戻され、復水ろ過脱塩器45で不純物が除去され、給水ポンプ47で給水過熱器49を通して原子炉圧力容器42に戻される。
これとは別に、原子炉圧力容器42の下部と原子炉圧力容器42内のジェットポンプ53への入口部分との間には、原子炉冷却水再循環系管路55が接続されており、原子炉冷却水再循環系管路55には、再循環ポンプ57が設けられており、再循環ポンプ57により炉心に流れる冷却水流量を増加させて熱出力を増加させる仕組みになっている。さらに、原子力発電プラント41の原子炉では、原子炉冷却水再循環系管路55の原子炉圧力容器42と再循環ポンプ57との間の部分から原子炉冷却水浄化系管路59が分岐し、原子炉冷却水浄化系管路59の他端は、給水系管路44の原子炉圧力容器42への流入部に合流している。
原子炉冷却水浄化系管路59には、原子炉冷却水再循環系管路55との分岐部側から順に、浄化系ポンプ61、浄化系熱交換器63、原子炉冷却水ろ過脱塩器65が設けられている。また、原子炉冷却水浄化系管路59は、原子炉冷却水ろ過脱塩器65よりも下流側の部分で、再び浄化系熱交換器63に連結されている。そして、浄化系ポンプ61で原子炉水を、原子炉冷却水ろ過脱塩器65に通水することにより、原子炉水中の不純物を浄化する仕組みになっている。また、原子炉圧力容器42の底部と、原子炉冷却水浄化系管路59の原子炉冷却水再循環系管路55との分岐部と浄化系ポンプ61との間には、ボトムドレン管路67が接続されている。
さらに、原子力発電プラント41には、図示していないが、原子炉圧力容器42の炉心上部に、非常時に炉心を冷却するため、原子炉炉心に冷却水を注入する非常用炉心冷却系や、原子炉の核燃料の核反応を制御する制御棒を駆動させるために冷却水を注入する制御棒駆動水圧系などが設置されている。
また、給水系管路44には、復水ろ過脱塩器45と給水ポンプ47との間の部分、そして、給水過熱器49と原子炉圧力容器42との間の部分に、各々、水質をモニターするための水質モニター69が設けられている。原子炉冷却水浄化系管路59には、浄化系熱交換器63と原子炉冷却水ろ過脱塩器65との間の原子炉冷却水ろ過脱塩器65よりも上流側の部分、そして、原子炉冷却水ろ過脱塩器65と浄化系熱交換器63との間の原子炉冷却水ろ過脱塩器65よりも下流側の部分に、各々、水質を監視するための水質モニター69が設けられている。ボトムドレン管路67にも、水質を監視するための水質モニター69が設けられている。主蒸気管路53の原子炉圧力容器42からの流出部には、線量率をモニターするための主蒸気配管線量率測定器71が設けられている。
このような構成の原子力発電プラント41では、炉内構造物や圧力境界などを構成し、原子炉水に接触する金属製の構造材料、例えばステンレスやニッケル基合金など金属材料の応力腐食割れ(以下、SCCと略称する)を緩和するため、給水系管路44の復水ろ過脱塩器45と給水ポンプ47との間の部分で、水質モニター69よりも上流側の部分に、水素ガス注入量調整バルブ73を設けた水素注入管路75を介して水素ガス発生装置77が連結されている。さらに、原子炉冷却水浄化系管路59の原子炉冷却水ろ過脱塩器65及び浄化系熱交換器63よりも下流側で、給水系管路44との合流部分近傍に、中性化学種及び陽イオン性化学種の少なくとも一方を含む薬液を注入する薬液注入装置1が、注入管路23を介して接続されている。
このような構成の薬液注入装置1などの動作や本発明の特徴部などについて説明する。薬液注入装置1では、中性化学種及び陽イオン性化学種の少なくとも一方を含む薬液が、図1に示すように、第1薬液タンク3に入れられる。そして、第1薬液タンク3内の薬液は、薬液循環管路5のバルブ7、15を開、分岐管路17のバルブ19を閉の状態で循環ポンプ9を駆動することにより、陰イオン除去器11に通流し、第1薬液タンク3と陰イオン除去器11との間を循環する。このとき、陰イオン性不純物濃度測定器13で、陰イオン性不純物が設定したレベル以下になるなど、陰イオン性不純物を除去できていることが検出、確認されたら、分岐管路17のバルブ9を開、薬液循環管路5のバルブ15を閉にし、薬液を、分岐管路17を介して第2薬液タンク21に送る。これにより、薬液が第2薬液タンク21に貯蔵される。
なお、第1薬液タンク3と陰イオン除去器11との間で薬液を循環させても、陰イオン性不純物濃度測定器13で陰イオン性不純物が所定量以上検出される場合は、陰イオン除去器11の陰イオン交換樹脂の性能が低下したと考え、新しい陰イオン交換樹脂と交換する。
ここで、陰イオン除去器11において、陰イオンは次式(1)に従って陰イオン交換樹脂に捕捉されるが、中性化学種や陽イオン性化学種は捕捉されない。

nR−OH + Bn- → (R−)nB + nOH- ・・・(1)

ただし、R:イオン交換基以外の部分、Bn-:陰イオン、n:価数とする。
したがって、陰イオン交換樹脂槽を備えた陰イオン除去器11に通水することにより、選択的に陰イオン性不純物を除去できる。このような陰イオン除去器11による陰イオン性不純物の除去方法では、電気などの外部からのエネルギーを使用することなく陰イオン性不純物を除去できる。また、陰イオン性不純物の除去量は、使用するイオン交換樹脂の量に比例するため、薬液に含まれる陰イオン性不純物濃度を予め測定しておけば、処理できる薬液の量を予め把握でき、その量からイオン交換樹脂の交換時期を予測できる。
第2薬液タンク21に貯蔵された陰イオン性不純物が除去された薬液は、排水管路35のバルブ37が閉、注入管路23のバルブ25が開の状態で注入ポンプ29が駆動することにより、第2薬液タンク21から注入管路23内を送液される。このとき、逆止弁33により、薬液が逆流しないようになっている。また、流量計31または積算流量計27で検出された流量に基づいて注入ポンプ29の送液量が調整され、薬液注入量が調整される。そして、注入管路23を介して、図2に示すように、原子力発電プラント41の原子炉冷却水浄化系管路59の原子炉冷却水ろ過脱塩器65及び浄化系熱交換器63よりも下流側で、給水系管路44との合流部分近傍、つまり、冷却水の流路の原子炉圧力容器42への流入部の近傍で薬液が冷却水に注入される。
これにより、水素と陰イオン性不純物が除去された薬液が冷却水に混入された冷却水、つまり、原子炉水が通流する原子炉圧力容器42内の流路や、原子炉冷却水再循環系管路55、原子炉冷却水浄化系管路59、ボトムドレン管路67などを通流することによって、水素と、薬液注入装置1による陰イオン性不純物が除去された薬液に含まれる中性化学種及び陽イオン性化学種の少なくとも一方との作用によって、SCCが緩和される。
なお、薬液注入装置1では、積算流量計27または水位計39により、第2薬液タンク21内の薬液の残量を確認し、必要に応じて第1薬液タンク3から陰イオン性不純物を除去した薬液を移送する。
このように、本実施形態の応力腐食割れの緩和技術では、陰イオン性不純物を含まない薬液が冷却水に注入されるため、薬液の注入による応力腐食割れの緩和能力を向上できる。
さらに、本実施形態の応力腐食割れの緩和技術では、薬液注入装置1の注入管路23が、原子炉冷却水浄化系管路59の給水系管路44との合流部分の近傍に接続されているため、薬液を、冷却水が通流する流路の原子炉圧力容器42への流入部近傍で注入することになる。また、薬液の注入は、原子炉圧力容器42への流入部に行うこともできる。このように、薬液を原子炉圧力容器42への流入部または流入部近傍に注入することにより、冷却水が高温になる部分に至るまでの間の距離が短くなり、薬液の劣化が生じ難いため、応力腐食割れの緩和能力をより向上できる。
さらに、本実施形態の薬液注入装置1では、第1薬液タンク3、薬液循環管路5、陰イオン除去器11などの薬液から陰イオン性不純物を除去する部分と、第2薬液タンク21、注入管路23などの陰イオン性不純物を除去した薬液を原子炉水に注入する部分とが別個に形成され、分岐管路17で接続された構造となっている。このため、各々の部分を別の場所に設置することができ、第1薬液タンク3、薬液循環管路5、陰イオン除去器11などの薬液から陰イオン性不純物を除去する部分を管理区域外に設置し、そこで陰イオン性不純物を除去する操作を行えば、陰イオン除去器11で生じる陰イオン交換樹脂といった廃棄物を一般の産業廃棄物として処分でき、放射性廃棄物発生量を低減できる。
また、本実施形態では、薬液注入装置1は、原子炉冷却水浄化系管路59に薬液を注入する構成となっているが、給水系管路44や原子炉冷却水再循環系管路55、さらに、図示していない非常用炉心冷却系や制御棒駆動水圧系などの冷却水となる軽水が通流する様々な流路に薬液を注入する構成にできる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を適用してなる応力腐食割れの緩和技術の第2の実施形態について図3及び図4を参照して説明する。図3及び図4は、本発明を適用してなる薬液注入装置の概略構成を示す図である。なお、本実施形態では、第1の実施形態と同一の構成などには同じ符号を付して説明を省略し、第1の実施形態と相違する構成や特徴部などについて説明する。
本実施形態では、原子力発電プラントとしての構成は、第1の実施形態と同じであるが、薬液注入装置の構成が第1の実施形態と相違している。したがって、ここでは、本実施形態の薬液注入装置の構成についてのみ説明する。本実施形態の薬液注入装置79は、図3に示すように、中性化学種及び陽イオン性化学種の少なくとも一方を含む薬液を収容する薬液タンク81、薬液タンク81の底部側と上部側との間で薬液を循環させるための薬液循環管路83、薬液循環管路83から分岐し、図1には図示していない原子力発電プラントの冷却水が通流する管路に薬液を注入する注入管路85を備えている。
薬液循環管路83には、薬液タンク83側から循環ポンプ9、陰イオン除去器11、陰イオン性不純物濃度測定器13、バルブ87、逆止弁89などが順次設けられている。注入管路85は、薬液循環管路83の陰イオン性不純物濃度測定器13とバルブ87との間の部分から分岐しており、この分岐部側からバルブ25、積算流量計27、流量計31、逆止弁33などが順次設けられている。また、薬液循環管路83の薬液タンク81と循環ポンプ9との間の部分からは、薬液タンク81内などの薬液を排出するための排水管路35が分岐しており、排水管路35には、排水バルブ37が設けられている。
さらに、薬液循環管路83の薬液タンク81と排水管路35の分岐部との間の部分と、薬液タンク81の上部側との間には、薬液タンク81内の薬液の量を示す水位計39が設けられている。また、薬液タンク81の上部側には、薬液を薬液タンク81に供給するための薬液供給管路91が接続されており、薬液供給管路91にはバルブ93が設けられている。
供給管路91を介して供給された薬液は、薬液タンク81に貯蔵され、薬液タンク81に貯蔵された薬液は、注入管路85のバルブ25及び排水管路35のバルブ37が閉、薬液循環管路83のバルブ87が開の状態で循環ポンプ9が駆動することにより、陰イオン除去器11に通流し、薬液タンク81と陰イオン除去器11との間を循環する。このとき、陰イオン性不純物濃度測定器13で、陰イオン性不純物が設定したレベル以下になるなど、陰イオン性不純物を除去できていることが検出、確認されたら、注入管路85のバルブ25が開にされると共に注入ポンプ29が駆動され、陰イオン性不純物を除去された薬液が、注入管路85を介して冷却水に注入される。
なお、薬液を注入するとき、第1の実施形態と同様に、積算流量計27または流量計31で検出した流量に基づいて薬液循環管路83のバルブ87や注入管路85のバルブ25の開度を調整したり、注入ポンプ29の薬液吐出量を調整したりすることで、所定の注入流量に調整する。また、薬液タンク81内の薬液の貯蔵量は、積算流量計27または水位計39で確認し、必要に応じて供給管路91から薬液を薬液タンク81に追加する。さらに、陰イオン性不純物濃度測定器13の陰イオン性不純物濃度が所定の濃度以上になると注入ポンプ29、循環ポンプ9を停止し、バルブ25、87を閉止した後、陰イオン除去器11の陰イオン交換樹脂を新しいものに交換する。
このような本実施形態の薬液注入装置79、そして、薬液注入装置79を用いた応力腐食割れの緩和方法や原子力発電プラントとすることでも、第1の実施形態と同様に、陰イオン性不純物を含まない薬液が冷却水に注入されるため、薬液の注入による応力腐食割れの緩和能力を向上できる。さらに、本実施形態では、薬液タンクが一つで済むため、第1の実施形態のような薬液注入装置に比べ、薬液注入装置を小型化できる。加えて、薬品製造後の保管時や輸送時に陰イオン性不純物が混入しても、本実施形態の薬液注入装置79のような構成とすれば、原子炉水つまり冷却水中への陰イオン性不純物の混入を防止できる。
ここで、このような1つの薬液タンクのみによる構成の変形例について説明する。薬液注入装置95では、図4に示すように、薬液注入装置79の薬液循環管路83の薬液タンク81と循環ポンプ9との間の部分にバルブ97を、薬液循環管路83のバルブ87と逆止弁89との間の部分に保圧弁99を設け、薬液注入装置79の注入管路85に設けてあった注入ポンプ29を設けていない構成となっている点以外は、図3に示した構成と同じである。
このような薬液注入装置95では、バルブ97、87が開、バルブ25が閉の状態で、循環ポンプ9を駆動することにより、陰イオン除去器11に薬液タンク81内の薬液が通水され、薬液タンク81と陰イオン除去器11との間で薬液が循環する。陰イオン性不純物濃度測定器13で陰イオン性不純物が設定した濃度以下になっているのが確認された後、バルブ25を開にして薬液を注入管路85から冷却水に注入する。このように、循環ポンプ9が注入ポンプも兼ねている。薬液の注入流量は、積算流量計27または流量計31の値に基づいて、バルブ25またはバルブ87を調整することにより調整される。
陰イオン性不純物濃度測定器13で検出した陰イオン性不純物の濃度が所定の濃度以上になった場合、循環ポンプ9を停止し、バルブ97、25を閉止し、保圧弁99を開放して圧力を逃がした後、陰イオン除去器11の陰イオン交換樹脂を新しいものに交換する。
このように、薬液注入装置95では、図3に示した構成と比較してポンプの数が少なく、装置をより小型にできる。
(第3の実施形態)
以下、本発明を適用してなる応力腐食割れの緩和技術の第3の実施形態について図5及び図6を参照して説明する。図5及び図6は、本発明を適用してなる薬液注入装置のイオン交換膜を用いた陰イオン除去器の概略構成を示す図である。なお、本実施形態では、第1及び第2の実施形態と同一の構成などには同じ符号を付して説明を省略し、第1及び第2の実施形態と相違する構成や特徴部などについて説明する。
本実施形態では、原子力発電プラントとしての構成、そして、薬液注入装置としての構成は、第1及び第2の実施形態と同様の構成にできるが、陰イオン除去器の構成が第1及び第2の実施形態と相違している。したがって、ここでは、本実施形態の薬液注入装置が備える陰イオン除去器の構成についてのみ説明する。本実施形態の薬液注入装置が備える陰イオン除去器が、第1及び第2の実施形態の薬液注入装置が備える陰イオン除去器と相違する点は、陰イオン交換樹脂によって陰イオン性不純物の除去を行わず、イオン交換膜を用いることによって陰イオン性不純物の除去を行うことにある。
すなわち、本実施形態の陰イオン除去器101は、図5に示すように、槽103、槽103内に対向させて設置されたカソード電極105とアノード電極107、カソード電極105とアノード電極107との間に設置され、槽103内をカソード電極105が設置された空間103aとアノード電極107が設置された空間103bとの2つの空間に分割する陰イオン交換膜109などを有している。槽103内の空間103aには、中性化学種及び陽イオン性化学種の少なくとも一方を含む薬液を空間103aに通流させるための薬液循環管路5が、槽103内の空間103bには、電解液を空間103bに通流させるための電解液管路111が接続されている。また、カソード電極105とアノード電極107とには、各々電気配線113が接続されている。
槽103内の空間103aに薬液を通流させ、槽103内の空間103bに電解液、例えば炭酸水や水酸化ナトリウム溶液などを通流させた状態で、カソード電極105とアノード電極107とに通電して電解を行うと、空間103a内の薬液に含まれる陰イオン性不純物は、アノード電極107に引き寄せられ、陰イオン交換膜109を透過して空間103b内へ移動する。一方、薬液に中性化学種が含まれている場合、中性化学種はいずれの電極にも引き寄せられず、空間103a内の薬液中に残る。また、薬液に陽イオン性化学種が含まれている場合、カソード電極105に引き寄せられ、空間103a内の薬液中に残る。これによって陰イオン性不純物を薬液から除去できる。
このとき、カソード電極105では、水素イオンから水素が生成する次式(2)のような水素発生反応が生じ、アノード電極107では、水酸化物イオンから酸素が生成する次式(3)のような酸素発生反応が生じることで電荷バランスが維持される。

+ e → (1/2)H ・・・(2)

OH → (1/2)HO + (1/4)O + e ・・・(3)

これにより、槽103内の空間103aで陰イオン性不純物を除去した薬液を作ることができる。
ところで、図5に示した陰イオン除去器101において、陰イオン交換膜109を、陽イオン交換膜に代えて陰イオン除去器を構成することもできる。この場合、槽103内の空間103aに電解液を通流させ、槽103内の空間103bに薬液を通流させる。この状態で電解すると、陽イオン性化学種は、カソード電極105に引き寄せられ、陽イオン交換膜を透過して空間103bから空間103aに移行するが、陰イオン性不純物は、アノード電極107に引き寄せられ空間103bに残る。これにより、空間103a内に、陰イオン性不純物を含まない陽イオン性化学種を含んだ薬液ができる。なお、カソード電極105では、水素イオンから水素が生成する式(2)の反応が生じ、アノード電極107では、水酸化物イオンから酸素が生成する式(3)の反応が生じることで電荷バランスは維持される。
さらに、電極の間にイオン交換膜を設置して槽を分割し、電場をかけて特定のイオンにイオン交換膜を透過させて分離する電解槽を用いた陰イオン除去器の別の構成について説明する。陰イオン除去器115は、図6に示すように、槽117、槽117内に対向させて設置されたカソード電極105とアノード電極107、カソード電極105とアノード電極107との間に設置され、槽117内をカソード電極105が設置された空間117aと電極が設置されていない空間117b、そして、電極が設置されていない空間117bとアノード電極107が設置された空間117cに分割する2枚の陰イオン交換膜109などを有している。
槽117内の空間117bには、中性化学種及び陽イオン性化学種の少なくとも一方を含む薬液を空間117bに通流させるための薬液循環管路5が、槽117内の空間117a、117cには、各々電解液を空間117a、117cに通流させるための電解液管路111が各々接続されている。また、カソード電極105とアノード電極107とには、各々電気配線113が接続されている。
槽117内の空間117bに薬液を通流させ、槽117内の空間117a、117cに電解液、例えば炭酸水や水酸化ナトリウム溶液などを通流させた状態で、カソード電極105とアノード電極107とに通電して電解を行うと、空間117b内の薬液に含まれる陰イオン性不純物は、アノード電極107に引き寄せられ、陰イオン交換膜109を透過して空間117c内へ移動する。一方、薬液に中性化学種が含まれている場合、中性化学種はいずれの電極にも引き寄せられず、空間117b内の薬液中に残る。また、薬液に陽イオン性化学種が含まれている場合、カソード電極105に引き寄せられるが、空間117aと空間117bとの間の陰イオン交換膜109を透過できないため、空間117b内の薬液中に残る。これによって陰イオン性不純物を薬液から除去できる。
このとき、カソード電極105では、式(2)の水素生成反応が生じ、アノード電極107では、アノード電極107に引き寄せられて陰イオン交換膜109を通って空間117bから空間117cに移行してきた水酸化物イオンにより、式(3)の酸素生成反応が生じ、これにより電荷バランスが維持される。したがって、陰イオン除去器115では、空間107aで薬液とは別に水素を含む溶液が得られることになり、水素を分離して収集し、応力腐食割れの緩和のために注入する水素などとして再利用できる。
このような本実施形態の陰イオン除去器101、115を備えた薬液注入装置、そして、このような薬液注入装置を用いた応力腐食割れの緩和方法や原子力発電プラントとすることでも、第1及び第2の実施形態と同様に、陰イオン性不純物を含まない薬液が冷却水に注入されるため、薬液の注入による応力腐食割れの緩和能力を向上できる。
(第4の実施形態)
以下、本発明を適用してなる応力腐食割れの緩和技術の第4の実施形態について図7を参照して説明する。図7は、本発明を適用してなる原子力発電プラントの概略構成及び動作を示す図である。なお、本実施形態では、第1乃至第3の実施形態と同一の構成などには同じ符号を付して説明を省略し、第1乃至第3の実施形態と相違する構成や特徴部などについて説明する。
本実施形態の原子力発電プラントは、基本的な構成は第1の実施形態で示した原子力発電プラントと同様の構成となっているが、本実施形態が第1乃至第3の実施形態と相違する点は、薬液注入装置として陰イオン除去器を設けるなど、陰イオンを除去するための薬液注入装置の構成を特徴とするものではなく、原子力発電プラントにおける薬液の注入箇所を特徴としていることにある。すなわち、本実施形態の原子力発電プラント119は、図7に示すように、沸騰水型原子力発電プラントつまりBWRであり、基本的な構成は第1の実施形態において図2に示したものと同じである。しかし、原子炉冷却水浄化系管路59の浄化系熱交換器63と原子炉冷却水ろ過脱塩器65との間の原子炉冷却水ろ過脱塩器65よりも上流側の部分で、水質モニター69と原子炉冷却水ろ過脱塩器65との間の部分に薬液注入装置121が接続されている。
薬液注入装置121は、第1乃至第3の実施形態に示したように陰イオン除去器を有するものではなく、図示していない中性化学種及び陽イオン性化学種の少なくとも一方を含む薬液を収容する薬液タンク、薬液タンクに接続された注入管路123、注入管路123に設けられた図示していないバルブ、流量計、逆止弁、そして、注入ポンプ125などのみを有するものである。そして、注入管路123が、原子炉冷却水浄化系管路59の浄化系熱交換器63と原子炉冷却水ろ過脱塩器65との間の原子炉冷却水ろ過脱塩器65よりも上流側の部分で、水質モニター69と原子炉冷却水ろ過脱塩器65との間の部分に合流した状態で、原子炉冷却水浄化系管路59に連結されている。
また、本実施形態の原子炉冷却水ろ過脱塩器65は、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂を混合したイオン交換樹脂を充填した槽を有している。したがって、薬液注入装置121の注入ポンプ125を駆動させて注入管路123から原子炉冷却水浄化系管路59に薬液が注入されると、注入された薬液は、最初に原子炉冷却水ろ過脱塩器65を通ることになる。原子炉冷却水ろ過脱塩器65では、槽に充填されている陰イオン交換樹脂により、第1の実施形態で示した式(1)にしたがって陰イオン性不純物が除去されるため、原子炉冷却水ろ過脱塩器65よりも下流側では、陰イオン性不純物が除去された薬液が原子炉圧力容器内など、冷却水が高温になる部分に流れる。
ただし、原子炉冷却水ろ過脱塩器65には陽イオン交換樹脂も充填されている。このため、陽イオン交換樹脂のイオン交換器が陽イオンによって置き換わるまでは、薬液が陽イオン性化学種を含んでいる場合、薬液中の陽イオン性化学種が陽イオン交換樹脂に捕捉されることになり、SCCの緩和に有効な薬液を注入できない。したがって、薬液の注入開始から陽イオン性化学種を原子炉圧力容器内などに通流させるためには、原子炉冷却水ろ過脱塩器65の陽イオン交換樹脂を、予め注入する薬液が含む陽イオン性化学種によって置換させておく。なお、原子炉冷却水ろ過脱塩器65による陰イオン性不純物の除去性能を検出する場合には、原子炉冷却水ろ過脱塩器65の下流側に設置された水質モニター69に陰イオン性不純物濃度測定器を併設し、陰イオン性不純物の濃度測定を行えるようにする。
このような本実施形態の応力腐食割れの緩和方法や原子力発電プラント119とすることでも、第1乃至第3の実施形態と同様に、薬液の陰イオン性不純物を除去できるため、薬液の注入による応力腐食割れの緩和能力を向上できる。さらに、本実施形態では、原子力発電プラントに既設の原子炉冷却水ろ過脱塩器の陰イオン交換樹脂を利用しており、薬液注入装置に陰イオン交換樹脂を充填した槽を有する陰イオン除去器を設ける必要がないため、薬液注入装置から廃棄物として陰イオン交換樹脂が生じず、放射性廃棄物の発生量を低減できる。
(第5の実施形態)
以下、本発明を適用してなる応力腐食割れの緩和技術の第5の実施形態について図8乃至10を参照して説明する。図8及び図10は、本発明を適用してなる薬液注入装置の概略構成を示すブロック図である。図9は、アンモニア濃度に対するヒドロキシルラジカル生成速度とヒドラジン生成濃度との関係を示す図である。なお、本実施形態では、第1乃至第4の実施形態と同一の構成などには同じ符号を付して説明を省略し、第1乃至第4の実施形態と相違する構成や特徴部などについて説明する。
本実施形態では、原子力発電プラントとしての構成は、第1の実施形態と同じであるが、薬液注入装置の構成が第1乃至第4の実施形態と相違している。したがって、ここでは、本実施形態の薬液注入装置の構成についてのみ説明する。本実施形態の薬液注入装置が第1乃至第4の実施形態と相違する点は、ヒドラジンを含む薬液の場合において、この薬液から陰イオン性不純物を除去するのではなく、陰イオン性不純物をほとんど含まないヒドラジンやヒドラジン化合物を合成して、合成したヒドラジンやヒドラジン化合物を含む薬液を冷却水に注入することにある。
すなわち、本実施形態の薬液注入装置127は、図8に示すように、アンモニア供給部129、過酸化水素供給部131、アンモニア供給部129からのアンモニア供給管路133と過酸化水素供給部131からの過酸化水素供給管路135とが接続され、内部に収容されたアンモニアと過酸化水素との混合溶液に紫外線を照射する紫外線照射器を有し、ヒドラジン生成部となる反応槽137、生成物管路139を介して反応槽137に接続されて反応槽137で生成されたヒドラジンを含む薬液を貯蔵する生成物貯蔵槽141、そして、生成物貯蔵槽141内の薬液を冷却水に注入するための注入管路23などを備えている。なお、注入管路23には、図示していないが、第1及び第2の実施形態と同様に、バルブ、流量計、逆止弁、そして、注入ポンプなどが設けられている。
このような薬液注入装置127では、アンモニア供給部129、ヒドロキシラジカル原料供給部となる過酸化水素供給部131からアンモニア及び過酸化水素を反応槽137に注入する。アンモニア及び過酸化水素が反応装槽137に収容された後、アンモニア及び過酸化水素の混合溶液に紫外線を照射する。このとき、紫外線の照射により、次式(4)(5)のような反応が生じ、アンモニア(NH)とヒドロキシルラジカル(・OH)から、陽イオン性化学種として酸素や過酸化水素と反応し易く、かつ、導電率上昇やpH変化を起し難い水と窒素との反応によりヒドラジン(N)を生成できる。

・OH + NH → ・NH + HO ・・・(4)

2・NH → N ・・・(5)

ここで、G.V. Buxton及びD.A. Lynch著、J. Chem. Soc. Faraday. Trans、94、1998年、p.3271−3274に示されている数式及び反応速度定数を使って計算したアンモニア濃度に対するヒドロキシルラジカル生成速度とヒドラジン生成濃度の関係は、図9に示すようになる。図9におけるk[H]は、・OH生成速度で、紫外線やガンマ線の照射量に依存する。そして、アンモニアとヒドロキシルラジカルを作用させることによりヒドラジンを生成することができ、k[H]/[NH]が大きくなると、ヒドラジン生成量が大きくなることがわかる。なお、ヒドロキシルラジカルは寿命が短いためアンモニア存在下で生成させることが望ましい。
このように生成された陰イオン性不純物を含んでいないヒドラジンを含む薬液は、生成物貯蔵槽141に送られ、そこで貯蔵される。そして、生成物貯蔵槽141から、注入管路23を介して冷却水に注入される。
また、このような陰イオン性不純物を含んでいないヒドラジンを合成する薬液注入装置の構成の変形例について説明する。薬液注入装置143では、図10に示すように、反応槽137と生成物貯蔵槽141との間の生成物管路139にアンモニア分離部145を設置し、アンモニア分離部145とアンモニア供給部129との間にアンモニア分離部145で分離したアンモニアをアンモニア供給部129に戻すアンモニア管路147を設けている。アンモニア分離部145は、イオン交換膜を設置した電解槽などで形成されており、反応槽137からの反応溶液に残留したアンモニアを反応溶液から分離し、アンモニア供給部129に戻す。これにより、ヒドラジンの合成の際に残留したアンモニアを再度ヒドラジンの合成に有効利用できる。
なお、反応槽137では、紫外線照射器に代えてガンマ線照射器を設けてもヒドラジンを合成することができる。また、ヒドロキシラジカル原料供給部となる過酸化水素供給部131に代えてオゾン供給部を設けることもできる。オゾン供給部を設けた場合、反応槽137での紫外線照射により、オゾンからヒドロキシラジカルが生成される。さらに、反応槽137で生成されたヒドラジンは、カーボヒドラジドといったようなヒドラジン化合物として薬液に含ませることもできる。
このような本実施形態の薬液注入装置127、143そして、このような薬液注入装置127、143を用いた応力腐食割れの緩和方法やこのような薬液注入装置127、143を備えた原子力発電プラントとすることでも、第1乃至第3の実施形態と同様に、陰イオン性不純物を含まない薬液を注入できるため、薬液の注入による応力腐食割れの緩和能力を向上できる。さらに、本実施形態では、陰イオン性不純物を除去するためのイオン交換樹脂などを使用しないので、放射性廃棄物発生量を低減できる。
また、第1乃至第5の実施形態では、原子力発電プラントとして沸騰水型原子力発電プラントを示したが、本発明は、軽水を冷却水または原子炉水とする原子力発電プラントであれば、改良型沸騰水型原子力発電プラント(以下、ABWRと略称する)や加圧水型原子力発電プラントなど様々な構成の原子力発電プラントに適用できる。
例えば、ABWRでは、本実施形態で示したBWRの原子炉冷却水再循環管路55はなく、再循環ポンプ57に代えて圧力容器内にインターナルポンプを設置した構造となっている。このようなABWRの場合、原子炉圧力容器上部から原子炉水の一部を引き出し、原子炉冷却水浄化系熱交換器を通して冷却し、原子炉水浄化装置で原子炉水中の不純物を除去し、給水系配管に戻す原子炉冷却水浄化管路が設置されているので、この原子炉冷却水浄化管路などに、各実施形態で示したような構成の薬液注入装置を接続する。
また、第1乃至第5の実施形態では、中性化学種及び陽イオン性化学種の少なくとも一方と水素を冷却水に注入する場合を示したが、本発明は、中性化学種及び陽イオン性化学種の少なくとも一方と、水素及びアルコールとを注入する場合などにも適用できる。
本発明を適用してなる薬液注入装置の第1の実施形態の概略構成を示す図である。 本発明を適用してなる原子力発電プラントの第1の実施形態の概略構成を示す図である。 本発明を適用してなる薬液注入装置の第2の実施形態の概略構成を示す図である。 本発明を適用してなる薬液注入装置の第2の実施形態における変形例の概略構成を示す図である。 本発明を適用してなる薬液注入装置の第3の実施形態におけるイオン交換膜を用いた陰イオン除去器の概略構成を示す図である。 本発明を適用してなる薬液注入装置の第3の実施形態におけるイオン交換膜を用いた陰イオン除去器の変形例の概略構成を示す図である。 本発明を適用してなる原子力発電プラントの第4の実施形態の概略構成及び動作を示す図である。 本発明を適用してなる薬液注入装置の第5の実施形態の概略構成を示すブロック図である。 アンモニア濃度に対するヒドロキシルラジカル生成速度とヒドラジン生成濃度との関係を示す図である。 本発明を適用してなる薬液注入装置の第5の実施形態における変形例の概略構成を示すブロック図である。 288℃の高温水中での304型ステンレス鋼の腐食電位とき裂進展速度の関係を示す図である。 288℃の高温水中に過酸化水素を添加した場合の304型ステンレス鋼の腐食電位と過酸化水素添加濃度依存性を示す図である。
符号の説明
1 薬液注入装置
3 第1薬液タンク
5 薬液循環管路
9 循環ポンプ
11 陰イオン除去器
13 陰イオン性不純物濃度測定器
21 第2薬液タンク
23 注入管路
29 注入ポンプ

Claims (10)

  1. 軽水を冷却水として冷却を行う原子炉を備えた原子力発電プラントの前記冷却水に接触する金属材料の応力腐食割れの緩和方法であり、中性化学種及び陽イオン性化学種の少なくとも一方を含む薬液を前記冷却水に注入するとき、陰イオン性不純物を除去する陰イオン除去器を通過させた前記薬液を前記冷却水に注入することを特徴とする応力腐食割れの緩和方法。
  2. 前記薬液を前記冷却水が通流する経路の前記原子炉への流入部または流入部近傍で注入することを特徴とする請求項1に記載の応力腐食割れの緩和方法。
  3. 軽水を冷却水として冷却を行う原子炉を備えた原子力発電プラントの前記冷却水に接触する金属材料の応力腐食割れの緩和方法であり、中性化学種を水に溶かしてなる薬液を前記冷却水に注入するとき、前記冷却水が通流する経路の、該経路に設けられた陰イオン交換樹脂を含む脱塩装置よりも前記冷却水の通流方向に対して上流側に前記薬液を注入することを特徴とする応力腐食割れの緩和方法。
  4. 中性化学種及び陽イオン性化学種の少なくとも一方を含む薬液を収容するタンクと、該タンク内の薬液を通流させて薬液中の陰イオン性不純物を除去する陰イオン除去器と、軽水を冷却水として冷却を行う原子炉の冷却水が通流する流路に、前記陰イオン除去器を通流させた薬液を注入する注入流路とを備えた薬液注入装置。
  5. 前記タンクと前記陰イオン除去器との間に薬液を循環させる薬液循環流路と、該薬液循環流路に設けられて陰イオン性不純物の濃度を検出する陰イオン性不純物濃度検出手段とを備えたことを特徴とする請求項に記載の薬液注入装置。
  6. 前記陰イオン除去器は、陰イオン交換樹脂が充填された陰イオン交換樹脂槽を有することを特徴とする請求項またはに記載の薬液注入装置。
  7. 前記陰イオン除去器は、陽極と陰極となる2つの電極間にイオン交換膜を設置した電解槽を有することを特徴とする請求項またはに記載の薬液注入装置。
  8. 軽水を冷却水として冷却を行う原子炉を備えた原子力発電プラントであり、前記冷却水が通流する冷却水流路に中性化学種及び陽イオン性化学種の少なくとも一方を含む薬液を注入する薬液注入装置として、請求項乃至のいずれか1項に記載の薬液注入装置を有することを特徴とする原子力発電プラント。
  9. 前記薬液注入装置の注入流路は、前記冷却水流路の前記原子炉への流入部または流入部近傍に連結されていることを特徴とする請求項に記載の原子力発電プラント。
  10. 水を冷却水として冷却を行う原子炉を備えた原子力発電プラントであり、前記冷却水が通流する冷却水流路に中性化学種を水に溶かしてなる薬液を注入する薬液注入装置の前記薬液の注入流路が、前記冷却水流路の、該冷却水流路に設けられた陰イオン交換樹脂を含む脱塩装置よりも前記冷却水の通流方向に対して上流側に連結されていることを特徴とする原子力発電プラント。
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