JP2005291815A - 炭素鋼の腐食減肉防止方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 原子力プラントの流水配管系に還元性窒素化合物を注入するにあたって、その配管系を構成する炭素鋼の流動助長腐食を抑制する。
【解決手段】 原子炉の炉心128等の構造材料の応力腐食割れを抑制するために、炭素鋼配管106、110内の流水中にヒドラジン122などの還元性窒素化合物を注入すると、炭素鋼の流動助長腐食を抑制するために元々注入された酸素126等の酸化剤がヒドラジン等によって消費されて流動助長腐食が発生するため、ヒドラジンなどの還元性窒素化合物の注入量に応じた量の酸化剤127を配管に注入して、その配管内の酸素等の濃度を所定値に保持して炭素鋼の流動助長腐食を抑制する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、炭素鋼の腐食減肉防止方法に係り、例えば、原子炉冷却水の給水系統または浄化系統等に用いられる炭素鋼の腐食減肉を緩和する方法に関する。
原子炉の構造部材を構成するステンレス鋼またはニッケル基合金等の材料に発生する応力腐食割れ(以下、SCCという)を防止する技術は、材料等の改善によって実用化初期に比べてはるかに抑制されており、今日における原子炉の安全性および信頼性は格段に向上している。しかし、更なる安全性の向上をめざして、今以上に、SCCの発生及び進展を抑制するため、絶えず技術革新が行われている。
例えば、沸騰水型原子炉(Boiling Water Reactor:BWR)の場合、炉内構造物や圧力境界を構成する構造材料(例えば、304ステンレス鋼、316Lステンレス鋼、ニッケル基合金等)のSCCを抑制することは、プラント稼働率を向上させる観点からも重要な課題である。ここで、SCCは、材料、応力、環境の3因子が重畳したときに起こると考えられていることから、3因子の内の少なくとも1因子を改善することにより、SCCを抑制することができる。
環境についてみると、原子力プラントの運転中に炉心の強いガンマ線及び中性子線により炉心の冷却水が分解し、その放射線分解により生成される酸素及び過酸化水素が炉心冷却水中に数百ppb程度存在する。特に、原子炉内の冷却水の温度は、例えば100℃以上の高温であり、定格出力運転時の炉心出口温度は例えば288℃になるから、酸素及び過酸化水素の存在によって、炉内構造物や圧力境界を構成する構造材料のSCCが進行することが知られている。例えば、図2に、SUS304を試験片として、SCCにおけるき裂進展速度(以下「Crack Growth Rate, CGR」という)と腐食電位(Electrochemical corrosion potential, ECP)の関係を表す。同図の実験条件は、炉心出口温度:288℃、炉水の導電率:0.1〜0.3μS/cm、電気化学的再活性化率EPR:15C/cm、応力拡大係数K:28MPa√mである。図示のように、ECPが低下するとCGRが減少することがわかる。また、図3に、酸素及び過酸化水素の濃度と、高温水中における304型ステンレス鋼(以下「Type 304 stainless steel, 304SS、SUS304」という)のECPとの関係を測定した結果を示す。酸素も過酸化水素も濃度の減少に伴いECPが小さくなる。したがって、原子炉冷却水に曝された構造材料のSCCを緩和するためにはECPを低減すること、つまり、原子炉水中に存在する酸素及び過酸化水素の濃度を低減することが有効であることがわかる。
このことから、従来、例えばBWRでは給水に水素を加圧注入して、炉水中に存在する酸素及び過酸化水素の濃度を低減することが行われている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4)。これによれば、水素が注入された給水が原子炉に流入されると、炉心を取囲むダウンカマ部で水素が酸素及び過酸化水素と再結合して水になり、炉水中の酸素及び過酸化水素の濃度が低下する。この再結合反応は、放射線照射の作用により生成するOH等の反応性に富むラジカル種が、触媒のように作用して速やかに進行する。これにより、原子炉構造材料の腐食電位(ECP)が低下して、炉心構造材材料のSCCが緩和される。
特開平10−319181号公報 PCT/JP97/03502 特開平7−198893号公報 特開平7−209487号公報
しかし、炉水に高濃度の水素注入を行うと、水分子を構成する酸素が中性子と核反応して放射性窒素16(N−16)が生成され、蒸気中に移行して高エネルギーのγ線を放出することから、タービン建屋の線量率を上昇させるという副作用がある。そのために、従来は、水素の注入量が制限され、炉水中の酸素及び過酸化水素の低減にも限界があった。
そこで、水素注入に加えて、水素よりも還元力の強いヒドラジンなどの還元性窒素化合物を注入することにより、さらに炉水中の酸素及び過酸化水素の濃度を下げることが考えられる。この場合、炉水にヒドラジンを注入する位置は、給水スパージャによる攪拌混合効果を考慮すると給水系統が好ましい。つまり、給水系に注入すると、原子炉圧力容器内に設けられた給水スパージャを通じて勢いよく吹き出した給水が、炉水と効率良く、かつ均一に混合し、炉水中の酸素や過酸化水素の消費が均一で、かつ広範囲に生じるからである。
ところが、給水配管の系統は、一般に、炭素鋼を用いて構成されることから、ヒドラジンを注入することによって注入位置から炉心に至る給水中の酸素濃度が低下して流動助長腐食(Flow Assisted Corrosion、FAC)の問題が発生する。すなわち、BWR等の原子力発電プラントの復水系統を含む給水系統の多くには炭素鋼が使用されており、炭素鋼は150℃付近の温度で流動助長腐食のピークを有し、配管の肉厚が減少することが知られている。その対策として、例えばBWRでは、30〜50ppb程度の酸素を給水に注入することが行われている。
したがって、給水系統にヒドラジンを注入すると、炉心構造材料の腐食を低減できる反面、ヒドラジンは水素に比べると還元性が強いことから、ヒドラジンの注入位置から炉心に至る給水配管中の酸素が消費されてしまうことが考えられ、流動助長腐食による炭素鋼の腐食が進行する懸念がある。この点について、例えば、加圧水型原子炉(Pressurized water reactor, PWR)では、2次系の給水にヒドラジンを添加しているプラントがあるが、酸素濃度がほとんどない状態での炭素鋼の減肉が、ヒドラジン濃度の増加に伴って促進されることが、O. de Bouvier et al., ”Redox Conditions Effect on Flow Accelerated Corrosion: Influence of Hydarazine and Oxygen”, Water Chemistry in Nuclear Reactor Systems, 22-26 April 2002,Avignon Franceに記載されている。このような問題は、CANDU(カナダ型重水減速炉)のような形式の炉においても生ずることが知られている。
なお、ヒドラジン注入に伴う炭素鋼腐食の問題を、BWRの給水系を例にとって説明したが、これに限られるものではない。つまり、酸素を注入して炭素鋼の腐食を抑制している配管系統にヒドラジンを注入することによって、酸素が消費されて炭素鋼の流動助長腐食の抑制効果が減少する問題は、BWRの炉水の浄化系およびPWRの2次冷却水系など、炭素鋼を用いた種々の配管系統に共通の問題である。
本発明は、原子力プラントの流水配管系に還元性窒素化合物を注入するにあたって、その配管系を構成する炭素鋼の流動助長腐食を抑制することを課題とする。
また、それらの炭素鋼配管系の流動助長腐食を抑制するに好適な酸素または過酸化水素の濃度についての基準を確立することを他の課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するため、本発明の炭素鋼の腐食減肉防止方法は、炭素鋼を用いて形成された配管内の流水に還元性窒素化合物を注入するにあたって、前記還元性窒素化合物の注入量に応じた量の酸化剤を前記配管に注入することを特徴とする。
すなわち、例えば、本来、原子炉の炉心構造材料のSCCを抑制するために、炭素鋼配管内の通流水中にヒドラジンなどの還元性窒素化合物を注入すると、流動助長腐食を抑制するために元々注入された酸素等の酸化剤がヒドラジン等によって消費されることになる。しかし、本発明によれば、ヒドラジン等が注入された炭素鋼配管に、酸化剤を別途に注入することにより、元々の酸化剤の消費を補って炭素鋼の流動助長腐食を抑制することができる。その結果、炭素鋼の減肉を抑制することができる。
この場合において、次の技術要素を併用することが好ましい。
(1)酸化剤は、還元性窒素化合物の注入位置の近傍、好ましくは上流に注入することが好ましい。これにより、還元性窒素化合物により酸素等の濃度が低下する領域を極小化して、流動助長腐食の発生領域を極小化できる。
(2)還元性窒素化合物の注入位置の近傍に注入する酸化剤は、酸素または過酸化水素から少なくとも一つを選択することができる。
(3)酸化剤の注入濃度は、炭素鋼の腐食電位が、実測または解析に基づいて−500mVvsSHE(versus Standard Hydrogen Electrode、標準水素電極基準)以上となるように決めるのが好ましい。炭素鋼の腐食電位を制御して腐食減肉を抑制することについては、例えば、特許第2766435号に記載されている。
(4)酸化剤として酸素または過酸化水素を用いる場合、その酸化剤の注入濃度は、ヒドラジンに対して酸素または過酸化水素のモル比が1/30以上となるように決めるのが好ましい。これによって、腐食電位を−500mVvsSHE以上に保持できる適正な注入量に制御できる。
特に、本発明の炭素鋼の腐食減肉防止方法は、沸騰水型原子炉(BWR)の炭素鋼配管に好適である。つまり、沸騰水型原子炉に炭素鋼を用いて形成された配管を介して供給される給水に還元性窒素化合物を注入するにあたって、前記還元性窒素化合物の注入量に応じた量の酸化剤を前記配管に注入して炭素鋼の腐食を抑制する。BWRのSCC対策として還元性窒素化合物の一つであるヒドラジンを炉水に注入する場合、BWRは給・復水系および炉水浄化系に炭素鋼を使用しているので腐食減肉を伴う可能性があるが、本発明によれば、その腐食減肉を抑制できる。
また、給水または復水配管に酸素を注入する場合、その注入点における酸素の濃度を60ppb以上100ppb以下とすることが好ましい。好ましくは、還元性窒素化合物のヒドラジンを0.9ppm注入する注入点における酸素の濃度を、60ppb以上100ppb以下とする。BWRでは炭素鋼の減肉を抑制するために給水に酸素注入をしている。しかし、還元性窒素化合物の一つであるヒドラジンを注入することによってその酸素が消費され、炉に到達する前に濃度が低下し、腐食電位が低下することが懸念される。一方、酸素が多過ぎると給水ヒータのステンレスからクロムが溶出するので、100ppb以下に酸素を制限することが必要である。このように、還元性窒素化合物によって消費される酸素を見込んで適正に酸素濃度を増加した上で注入することにより、炭素鋼の減肉を給水が炉に到達するまでの範囲で抑制することができる。
また、上述と同様に、給水配管または炉水浄化系の配管に還元性窒素化合物を注入するとき、注入点から原子炉入口に至る炭素鋼配管内の通流水の酸素または過酸化水素の濃度が、ヒドラジン濃度に対してモル比で1/30以上に保持されるように、酸素または過酸化水素の注入量を制御することが好ましい。
また、給水または炉浄化配管を介してヒドラジンを注入する時に、注入点での過酸化水素の濃度をヒドラジン濃度に対してモル比で1/30以上とすることが好ましい。さらに、配管の出口における過酸化水素の濃度をヒドラジン濃度に対してモル比で1/30以上とすることが好ましい。特に、過酸化水素はヒドラジンとの反応が遅く、かつ少量でも高い腐食電位を示すから、その特性を利用して、炭素鋼表面に発現する腐食電位が、保護性の有る酸化被膜を生成するのに十分な値に制御することができる。
このようにして、本発明によれば、原子炉構造材料のSCCを緩和するめに、ヒドラジンを炉水に注入する際に懸念される炭素鋼配管のFACによる減肉を防ぐことができる。特に、酸素または過酸化水素は、原子炉の炉水中に元々存在する化学種であり、保護性を有した酸化被膜を炭素鋼配管の内面に形成されるのを促すことができる。
本発明によれば、原子力プラントの流水配管系に還元性窒素化合物を注入するにあたって、その配管系を構成する炭素鋼の流動助長腐食を抑制することができる。
また、それらの炭素鋼配管系の流動助長腐食を抑制するに好適な酸素量についての基準を確立することができる。
以下、本発明の炭素鋼の腐食減肉防止方法により、炭素鋼の腐食を抑制できることについて説明する。
まず、水素注入に加えて、ヒドラジンを注入したことによる炉内構造材料のSCCの改善について説明する。図4に、水素を0.4ppm注入すると共に、ヒドラジンを合わせて注入したときの原子炉底部の腐食電位を解析した結果を示す。ヒドラジンを注入しないときには、解析対象の原子炉プラントの腐食電位は、100mVvsSHEを超えており、SCCにとって未だに厳しい条件となっている。しかし、ヒドラジンを給水に0.8ppm程度添加すると、腐食電位は−0.1Vにまで低下した。さらに、ヒドラジンの注入量を増やすと、−400mVvsSHE以上に低下することが判明した。したがって、水素注入とヒドラジンの添加を組み合わせることにより、SCCからBWRの炉内構造材料を守ることができることができる。
しかしながら、ヒドラジンを注入する位置が、給水系などの炭素鋼配管の場合は、炭素鋼の流動助長腐食を軽減するために給水中に元々注入していた酸素等がヒドラジンに消費されて、炭素鋼の減肉が生ずるおそれがある。
ここで、炭素鋼の流動助長腐食について説明する。一般に、炭素鋼の場合、流水中の酸素濃度が高いと、酸素のカソード反応に伴って腐食が進行する。しかし、酸素の濃度がある範囲の場合には、炭素鋼の配管表面に腐食の進行とともに、緻密で密着性のよい酸化皮膜が形成される。この酸化被膜は、炭素鋼の表面が腐食したときに鉄イオンが水中に拡散する障壁として作用し、鉄イオンは水中の酸素によって酸化されて、炭素鋼表面に沈殿析出する。これを繰り返すことで、酸化被膜は炭素鋼表面を、ある密度を持って被覆し、腐食の進行を抑制することになる。そのため、図6に示すように、酸素濃度が10〜1000ppbの範囲において、腐食減肉速度が小さくなっている(例えば、泉谷および丹野、防食腐蝕討論会予稿集、p44、1977)。一方、その範囲よりも酸素濃度が低くなると、形成される酸化皮膜は不安定で多孔質の状態になるため、炭素鋼の腐食よって生成した鉄イオンは酸化皮膜に捕捉されることなく水中へ流れ出ることになる。この状態が継続することによって、炭素鋼は腐食減肉されることになる。このような流水に対し不安定な酸化皮膜は、エロージョン・コロージョンも生じやすい。
そこで、発明者らは、腐食電位を測定して得られた実験結果から、次のように考察した。図7に、ステンレス鋼(SUS304)で測定した酸素とヒドラジンの系での腐食電位、および過酸化水素とヒドラジンの系での腐食電位のデータから得た回帰式をそれぞれについて示す。図示のように、酸素とヒドラジンの系および過酸化水素とヒドラジンの系では、どちらも腐食電位は、酸素あるいは過酸化水素とヒドラジンのモル比で整理することができた。すなわち、同図から、ヒドラジンのモル数が酸素あるいは過酸化水素のモル数に対し30程度より小さな場合、つまり、酸素あるいは過酸化水素のモル数がヒドラジンのモル数に対して1/30程度よりも大きい場合は、腐食電位が酸素または過酸化水素とヒドラジンの濃度比で決まり、ステンレス鋼の材料の影響は小さいことを示している。
一方、ヒドラジンのモル数が、酸素あるいは過酸化水素のモル数に対し30以上のときには、つまり酸素あるいは過酸化水素のモル数が、ヒドラジンのモル数に対して1/30程度より小さな場合には、腐食電位ECPが−500mVvsSHE程度の一定値に漸近している。これは、ステンレス鋼の脱気時の電位に近いことから、ステンレス鋼の材料の影響が見られる。
これらのことから、酸素または過酸化水素とヒドラジンのモル比で腐食電位が決まり、特に酸素あるいは過酸化水素のモル数がヒドラジンのモル数に対し1/30程度を超えると腐食電位が高くなり、これは炭素鋼にも当てはまると考えられる。この考え方を検証するために、炭素鋼を使って行った腐食減肉の実験結果を、図8に示す。同図において、横軸は浸漬時間、縦軸は腐食によって減少した単位面積あたりの重量である。黒丸(●)印は酸素60ppbで、ヒドラジンを1500ppbに設定した場合の実測値である。つまり、酸素はヒドラジンに対してモル比が1/25であり、先に減肉が生じにくいと考えた1/30以上としている。一方、白丸(○)は、酸素10ppb以下で、ヒドラジンを1500ppbに設定した場合である。つまり、酸素はヒドラジンに対してモル比が1/150以下であり、先に減肉が生じにくいと考えた1/30よりはるかに小さい値となっている。
図8からわかるように、酸素がヒドラジンに対してモル比が1/25である●印の場合には、腐食減肉は生じていない。このことから、酸素あるいは過酸化水素のモル数がヒドラジンのモル数に対し1/30より大きくすれば、腐食電位を−500mVvsSHEより高く制御でき、減肉が抑制できることがわかった。
一方で、炉心の給水に注入できる酸素や過酸化水素の濃度には上限がある。つまり、復水系から注入する場合には、給水ヒータに使用しているステンレス鋼からのクロムの溶出が懸念される。クロムは腐食電位が0mVvsSHE付近を越えると急速に溶解度が上昇する。図3からステンレスの腐食電位が0mVvsSHEとなる酸素濃度は100ppbであるので、復水での酸素注入の上限は100ppbにすることが妥当である。
また、酸素および過酸化水素と、ヒドラジンとの反応速度を実験により測定した。PWRや火力プラントなどでは、アンモニアによってpH調整をしてヒドラジンの反応を速めている。しかし、pH調整をせずにヒドラジンを注入するBWRの条件下では、その反応速度が比較的遅いことがわかった。したがって、実機で炭素鋼配管の系統を流れている時間内では、ヒドラジンと酸素またはヒドラジンと過酸化水素との反応の進行は遅く、濃度を適切に制御すれば炭素鋼配管系の出口近傍で酸素が消費尽くされるのを避けることができることが判明した。
例えば、図9はBWRにおいて、復水系に酸素を注入し、ヒドラジンを炉水浄化系を介して給水に注入したときの原子炉入り口における酸素濃度を、ヒドラジン濃度に対して計算してプロットしたものである。原点は、炉水浄化系と給水系の接続点である。また、110万kWeクラスのBWR5型のプラントをモデルケースとして検討した。酸素の注入濃度を現状の30ppbとし、例えばヒドラジンの注入濃度を900ppbとした場合、原子炉入り口での酸素濃度は10ppb程度に低下することがわかった。そこで、原子炉入り口でも、現状の酸素濃度と同じ30ppbを確保しようとすると、60ppbに酸素注入量を増加すればよいことになる。このとき、ヒドラジンに対する酸素のモル比はヒドラジンの混合点で1/15であり、原子炉入り口の配管系出口部で1/30であるから、腐食電位も原子炉入り口まで、−500mVvsSHE以上となっていることが推察できる。この場合、給水ヒータのクロム溶出から決めた上限も満たしており、技術的に成立することがわかる。
このような考え方に基づいて、ヒドラジンを注入する場合の酸素および過酸化水素の注入量を決定すれば、炭素鋼の減肉を押さえることができる。なお、給水に添加する酸素や過酸化水素を60ppbにした場合でも、原子炉に流れ込んだ時点で、給水と炉水の流量比から10ppb以下に希釈される。給水が炉水に混合される点での過酸化水素の濃度は図10から300ppb程度あることが計算から得られているので、炉内の構造物に対しての影響はほとんど無視できる。
このような制御は、PWRやCANDUあるいは火力プラントにおいても同様に適用できる。すなわち、炭素鋼配管での酸素や過酸化水素の消費を考慮して、ヒドラジンが注入された給水系および復水系に酸素や過酸化水素を添加し、かつSCCを避けたい部位における酸素や過酸化水素の濃度および腐食電位が低くなるように注入量を制御することにより達成できる。
上記の実施形態では、還元性窒素化合物としてヒドラジンを例に説明したが、本発明はヒドラジン(N)に限られるものではなく、例えば(NCO、ヒドロキシルアミン(NHOH)等の還元性窒素化合物を用いることができる。
ところで、特開2002−236191号公報に、炉水の残留熱除去系の保管水に腐食抑制剤としてヒドラジンを注入し、保管水中の酸素を消費尽くすことによって、炭素鋼部材の腐食を抑制する技術が記載されている。ここで、保管水とは、原子炉の運転中は停止している残留熱除去系の配管内に満たされた水であるから、基本的に炭素鋼は静止水に接している。これに対して、本発明の炭素鋼に腐食減肉防止は、例えば150℃以上の給水あるいは炉水の速い水流に曝されたとき、炭素鋼が流動助長腐食(FAC)するのを抑制する技術である点で相違する。そのために、それら流水中の酸素がヒドラジン注入によって消費尽くされないように、酸素または過酸化水素を注入して、濃度を所定値に保持している点で技術が相違する。
なお、残留熱除去系にヒドラジンを注入するにあたって、静止している保管水にヒドラジンを行き渡らせるために、流れのある領域にヒドラジンを注入することが考えられる。しかし、残留熱除去系は、図5に示す原子炉の運転サイクルに示すように、停止運転時よりも後の工程で起動される系統である。あるいは、運転モードを停止モードに切り替えた以降の原子炉停止時に行われる化学除染の後に実施される系統である。したがって、炭素鋼がFACの原因となる高流速で酸素の少ない150℃以上の水にさらされる期間は短い。この点、本発明は、図5に示す一つの運転サイクル、つまり起動モードへの切り替えから停止モードへの切り替えまでの殆どの期間を占める起動運転、定格運転、あるいは停止運転中において、長い時間にわたって150℃以上の流水にヒドラジンが注入されている系統を対象とする点で相違する。
以下に、本発明の炭素鋼の腐食減肉防止方法をBWRプラントに適用した好適な実施例を示す。
(実施例1)
図1に、本発明の炭素鋼の腐食減肉防止方法をBWRプラントに適用した一実施の形態の系統構成図を示す。BWRの原子炉圧力容器101には、復水ろ過脱塩器103で高純度にした水が、復水ポンプ123bで給水ヒータ105aに送り加熱し、さらに給水ポンプ104で昇圧した後、給水ヒータ105bで約220℃まで昇温して給水される。原子炉圧力容器101に流入された給水は、給水スパージャ125を通して炉水に混合される。原子炉圧力容器101を流れ降りた炉水は、原子炉冷却水の再循環系配管116a、bに吸引され、再循環ポンプ117a、bによって昇圧されてジェットポンプ115a、bの作動流体となって炉水を巻き込みながら、原子炉圧力容器101の下部に流れ込むようになっている。さらに、炉水は炉心128に入り、核燃料によって加熱されて蒸気が生成される。蒸気は主蒸気配管114を通ってタービン102に導かれる。タービン102に導かれた蒸気はタービン102を回転駆動し、これによってエネルギーを失った蒸気は復水冷却器113によって凝縮されて復水となる。復水にならない一部の非凝縮性の成分は、オフガス系121で処理される。復水は復水ポンプ123aで復水ろ過脱塩器103に送水され、再びタービン102を駆動するための蒸気を作る給水として原子炉圧力容器101に供給される。
BWRの運転中の炉水は、冷却水浄化系ポンプ109によって、冷却水浄化系配管110に設置された冷却水ろ過脱塩器112に供給して浄化される。ここで、冷却水ろ過脱塩器112は、樹脂を用いて形成されているため、炉水は冷却水浄化系熱交換器111a、bによって温度が下げられるようになっている。浄化された炉水は、給水系配管106に送られて原子炉圧力容器101内に戻される。
給水系配管106を通流する給水の水質は、水質モニタ117aで測定される。また、原子炉圧力容器101の下部の炉水の水質は、ボトムドレン配管108を通してサンプリングされ、水質モニタ117cで測定される。また、冷却水浄化系配管110の水質は、水質モニタ117bで測定される。これらの水質モニタ117a,b,cは、溶存酸素計、溶存水素計、導電率計、pH計から構成される。
復水・給水系に酸素を注入する酸素注入装置126は、復水・給水配管の復水ポンプ123bよりも上流側の圧力が低いところに接続されている。この酸素注入装置126は、給水中の酸素濃度が30〜50ppbになるように運転されている。同様に、また、復水・給水系に水素を注入する水素注入装置119は、通常、復水ポンプ123bよりも上流側の圧力が低いところに接続されている。これにより、比較的低圧で系統を構成できるメリットがある。通常、水素の注入量は、給水流量に追従させて水素流量調節弁120の開度を制御し、給水への水素流量を一定に保つようにしている。水素注入時の給水中の水素濃度は水質モニタ117aにより、また炉水の水質は水質モニタ117b、cにより監視する。さらに、原子炉圧力容器101のボトムドレン配管108に腐食電位センサ124aを設置することにより、腐食電位が目標まで低下することを確認できる。腐食電位センサ124aは、冷却水再循環系配管116a、bにフランジなどを用いて設置してもよいし、炉心128や原子炉圧力容器101の下部に中性子計装管を用いて設置してもよい。また、本実施例では、水素注入装置119により給水系に注入する水素の量は、主蒸気系の線量率が増加し始める直前の0.4ppmに設定している。そして、主蒸気系の線量率は、主蒸気配管に設けた線量率モニタ118で監視する。
本実施例では、還元性窒素化合物としてヒドラジンを選択し、ヒドラジン注入装置122を冷却水浄化系熱交換器111aと給水系配管106の間の冷却水浄化系配管110に接続して設けている。ヒドラジン注入装置122が接続された冷却水浄化系配管110の接続点より下流に位置する炭素鋼配管内の流水は、温度が220℃程度であり、流速も数m/sで速いことから、酸素濃度低下による流動助長腐食により減肉が発生する可能性がある。そこで、本実施例では、過酸化水素注入装置127をヒドラジン注入装置122の近傍に設置し、過酸化水素注入点をヒドラジン注入点の上流側に位置させている。このような位置関係にする理由は、過酸化水素をヒドラジンの注入位置よりも下流側に注入すると、過酸化水素が流水に混合されるまでの期間に、冷却水浄化系配管110において減肉が発生する可能性があるからである。ただし、ヒドラジンと過酸化水素の原液同士の濃度が高い場合は、直接混合することのないように多量の水に混合した状態で注入することが好ましい。この条件が満足されれば、流速がある程度速いので、必ずしも過酸化水素を上流側に注入する必要はない。
例えば、冷却水浄化系の流量が120t/hであった場合、一水和物のヒドラジンを60%溶液として10L/h程度で注入する場合、冷却水浄化系でのヒドラジン濃度は40ppmとなり、給水系では0.7ppmとなる。したがって、過酸化水素の濃度がヒドラジンの1/30以上のモル比となるように添加する場合、冷却水浄化系における過酸化水素濃度は1.3ppm以上になるように注入すればよい。また、給水系では25ppb以上となるように注入すればよい。25ppbの過酸化水素が原子炉圧力容器101に入っても、炉水と混合された場合には、およそ3〜4ppbになる。通常、給水スパージャ125近傍での過酸化水素の濃度が300ppb程度であるから、1%程度増になる程度であり無視できる。
本実施例の場合、過酸化水素を冷却水浄化系配管110に注入しているから、給・復水系配管に設けられた給水ヒータ105a、bなどのステンレス部材に触れることがないので、ステンレス部材のSCCが生じることはない。また、過酸化水素を冷却水浄化系を利用して注入しているため、酸素の注入系が接続されている給・復水系配管が作動する定格運転条件でない場合、つまり起動運転時や停止運転時の過渡運転状態の場合であっても、冷却水浄化系配管110および冷却水浄化系配管110が接続された給水系配管106の位置から原子炉圧力容器101の入口部までの炭素鋼配管を保護できる。また、過酸化水素注入装置127の代わりに、酸素を注入する装置を使用してもよいことは言うまでもない。
ここで、図11に、ヒドラジン注入装置122または過酸化水素注入装置127の実施例の構成を示す。ヒドラジンと過酸化水素の両薬品は、共に液体であるから図11の構成が共通に適用できる。ヒドラジンあるいは過酸化水素の薬液は薬液タンク205aに貯蔵される。薬液タンク内の残量が少なくなったときは、予め準備してあった薬液タンク205bに切り替える。切り替えは、バルブ204aを閉じ、バルブ204bを開くことで行う。薬液の注入流量を流量計203でモニタしながら、注入ポンプ202によって、冷却水浄化系配管110に注入する。注入ポンプ202と冷却水浄化系配管110の間には、逆止弁201a、 bを二重に設置すると共に、バルブ200を設けて、万が一にも注入装置の不具合による炉水の漏洩を防止している。薬液タンク205a、bは気密構造とし、薬液タンク内部から外部への高濃度のヒドラジンや過酸化水素が気化して漏洩しないように設計されている。また、内部が負圧になったときには外部から大気が入るように弁206a、bを設置している。
このように構成されることから、本実施例によれば、原子炉圧力容器101に戻される冷却水浄化系配管110内の流水に、還元性窒素化合物であるヒドラジンを注入していることから、原子炉圧力容器101の炉水中の水素濃度を高くしなくても、炉水中の酸素等の濃度を低減することができ、炉心構造材料のSCCを抑制することができる。また、主蒸気中の放射性窒素による線量率の上昇を抑えることができる。
さらに、炭素鋼を用いて形成された冷却水浄化系配管110と、冷却水浄化系配管110が接続された給水系配管106の原子炉圧力容器101との連結部に至る炭素鋼配管内の酸素または過酸化水素が、注入されたヒドラジンによって消費尽くされるのを抑制することができる。特に、炭素鋼配管内の流水中の酸素または過酸化水素の濃度を流動助長腐食を抑制できる濃度に保持することができることから、炭素鋼の減肉を抑制することができる。
その結果、ヒドラジンを注入して炉心構造材料の腐食を低減しようとすると、ヒドラジンの注入位置から炉心に至る炭素鋼配管中の酸素等が消費されて流動助長腐食が進行するおそれがあるという、相反する腐食の問題を解消することができる。
なお、本実施例では、一般のBWRプラントと同様に、給水に水素注入をする一方で、給水に酸素を注入している。これは、水素と酸素は高温であっても混合しただけでは反応しないこと、また水素が炭素鋼の腐食電位を直接下げる力は弱く、酸素の効果を喪失させることがないためである。したがって、従来は、水素注入時の給水系の炭素鋼の腐食減肉は考慮されていない。
(実施例2)
図12に、本発明の炭素鋼の腐食減肉防止方法をBWRプラントに適用した他の実施の形態の系統構成図を示す。BWRの基本構造、およびヒドラジンを使用することは実施例1と同じである。
本実施例の場合も、ヒドラジン注入装置122を冷却水浄化系熱交換器111aと給水系配管106の間の冷却水浄化系配管110に接続している。本実施例が実施例1と相違する点は、腐食電位センサ124bをヒドラジン注入装置122下流の冷却水浄化系配管110に設置したことにある。腐食電位センサ124bの設置位置は、冷却水浄化系配管110内の流速や温度および注入したヒドラジンや酸化剤の濃度分布から、もっとも減肉が大きくなると懸念される部位に設置することが望ましい。
このように構成することにより、腐食電位センサ124bの実測値が、目標の腐食電位である−500mVvsSHEを超えるように、過酸化水素の注入量を制御することができる。腐食電位センサ124bは、冷却水浄化系配管110が給水系配管106に合流する部位の下流側の配管に設置してもよい。また、過酸化水素注入装置127の代わりに酸素を注入する装置を使用してもよい。
本実施例によれば、実施例1の効果に加えて、腐食電位を−500mVvsSHEを超えるように制御できるから、確実に炭素鋼の減肉を抑制することができる。
(実施例3)
図13に、本発明の炭素鋼の腐食減肉防止方法をBWRプラントに適用したさらに他の実施の形態の系統構成図を示す。BWRの基本構造、水素注入量、およびヒドラジン注入量は実施例1と同じである。
本実施例が実施例1と相違する点は、ヒドラジン注入装置122が設置された冷却水浄化系配管110に、過酸化水素注入装置127を設置していないことにある。つまり、本実施例は、給水系配管106を保護する目的で設置されている酸素注入装置126の酸素注入量を、ヒドラジンの注入量に応じて増加させることにより、給水系配管106の炭素鋼の腐食減肉を抑制するようにしている。この場合、給水系配管106を通流する給水の酸素濃度を60〜100ppbの範囲に設定すると共に、制御するようにする。
本実施例によれば、ヒドラジン注入装置122が設置された冷却水浄化系配管110についてみると、給水系配管106に合流する位置までの冷却水浄化系配管110に流れる流水の酸素等の濃度が低下して、炭素鋼の流動助長腐食が進行するおそれがある。しかし、ヒドラジンの注入点と給水系配管106に合流する位置までの距離が短い場合は、前述したようにヒドラジンと酸素等との反応が遅いことから、炭素鋼の流動助長腐食を問題とすることはない。
(実施例4)
図14に、本発明の炭素鋼の腐食減肉防止方法をBWRプラントに適用したさらに他の実施の形態の系統構成図を示す。BWRの基本構造、水素注入量、およびヒドラジン注入量は実施例1と同じである。
本実施例が実施例3と相違する点は、ヒドラジン注入装置122を給水ヒータ105aの下流側の給水系配管106であって、水質モニタ117aのサンプリング点の下流側に接続していることにある。本実施例によれば、実施例3と同様に、給水系配管106を保護する目的で設置されている酸素注入装置126の酸素注入量を、ヒドラジンの注入量に応じて増加させることにより、給水系配管106の炭素鋼の腐食減肉を抑制するようにしている。この場合、ヒドラジンと混合される前の給水系配管106を通流する給水中の酸素濃度を60〜100ppbの範囲に設定すると共に、制御するようにする。本実施例によれば、実施例3と異なり、ヒドラジン注入に起因する炭素鋼の冷却水浄化系配管110の流動助長腐食の問題を回避できる。
本発明の炭素鋼の腐食減肉防止方法をBWRプラントに適用した一実施例の系統構成図である。 高温水中における304型ステンレス鋼の腐食電位とき裂進展速度の関係を示す線図である。 高温水中に酸素または過酸化水素を添加した場合の304型ステンレス鋼の腐食電位と酸素または過酸化水素の濃度との関係を示す線図である。 水素注入とヒドラジン注入を併用したときの腐食電位の効果の解析結果を示す線図である。 BWRプラントの運転期間および運転サイクルを説明する図である。 炭素鋼配管の流水中の酸素濃度と腐食減肉速度の関係を示す線図である。 ステンレス鋼における酸素または過酸化水素とヒドラジンのモル比に対する腐食電位の関係を示す線図である。 ヒドラジン存在下における炭素鋼の腐食減少量に及ぼす酸素濃度の影響を示す線図である。 炭素鋼の給水配管内のヒドラジン濃度と酸素の注入濃度に対するBWR圧力容器入口における酸素濃度の減少の解析結果を示す線図である。 BWR炉内の腐食環境の解析結果を示す図である。 ヒドラジンまたは過酸化水素の注入装置の一実施例の構成図である。 本発明の炭素鋼の腐食減肉防止方法をBWRプラントに適用した他の実施例の系統構成図である。 本発明の炭素鋼の腐食減肉防止方法をBWRプラントに適用したさらに他の実施例の系統構成図である。 本発明の炭素鋼の腐食減肉防止方法をBWRプラントに適用したさらに他の実施例の系統構成図である。
符号の説明
101 原子炉圧力容器
102 タービン
103 復水ろ過脱塩器
104 給水ポンプ
105a、b 給水ヒータ
106 給水系配管
107a、b 冷却水再循環ポンプ
108 ボトムドレン配管
109 冷却水浄化系ポンプ
110 冷却水浄化系配管
111a、b 冷却水浄化系熱交換器
112 冷却水ろ過脱塩器
113 復水冷却器
114 主蒸気配管
115a、b ジェットポンプ
116a、b 冷却水再循環系配管
117a、b、c 水質モニタ
118 主蒸気配管線量率モニタ
119 水素注入装置
120 水素流量調整弁
122 ヒドラジン注入装置
123a、b 復水ポンプ
124a、b 腐食電位センサ
125 給水スパージャ
126 酸素注入装置
127 過酸化水素注入装置
128 炉心

Claims (10)

  1. 炭素鋼を用いて形成された配管内の流水に還元性窒素化合物を注入するにあたって、前記還元性窒素化合物の注入量に応じた量の酸化剤を前記配管に注入して前記炭素鋼の腐食を抑制する炭素鋼の腐食減肉防止方法。
  2. 前記酸化剤は、前記還元性窒素化合物の注入位置の近傍、好ましくは上流に注入することを特徴とする請求項1に記載の炭素鋼の腐食減肉防止方法。
  3. 前記酸化剤は、酸素または過酸化水素から選ばれた少なくとも一つであることを特徴とする請求項1または2に記載の炭素鋼の腐食減肉防止方法。
  4. 前記炭素鋼の腐食を抑制する範囲における前記炭素鋼の腐食電位が、実測または解析に基づいて−500mV(標準水素電極基準)以上となるように、前記酸化剤の注入量を決めることを特徴とする請求項1に記載の炭素鋼の腐食減肉防止方法。
  5. 前記炭素鋼の腐食を抑制する範囲における前記ヒドラジンに対する前記酸素または前記過酸化水素のモル比が1/30以上となるように、前記酸化剤の注入量を決めることを特徴とする請求項1に記載の炭素鋼の腐食減肉防止方法。
  6. 沸騰水型原子炉に炭素鋼を用いて形成された配管を介して供給される給水に還元性窒素化合物を注入するにあたって、前記還元性窒素化合物の注入量に応じた量の酸化剤を前記配管に注入して前記炭素鋼の腐食を抑制する炭素鋼の腐食減肉防止方法。
  7. 前記配管は、沸騰水型原子炉の炉水を供給する給水配管、復水配管、炉水浄化系の配管の一つであることを特徴とする請求項6に記載の炭素鋼の腐食減肉防止方法。
  8. 前記給水配管に前記還元性窒素化合物としてヒドラジンを注入する場合、前記ヒドラジンの注入点における酸化剤の濃度が60ppb以上100ppb以下となるように前記給水配管または前記復水配管に前記酸化剤を注入することを特徴とする請求項7に記載の炭素鋼の腐食減肉防止方法。
  9. 前記給水配管または炉水浄化系の配管に前記還元性窒素化合物としてヒドラジンを注入するとき、前記炭素鋼の腐食を抑制する範囲における前記給水の酸化剤濃度をヒドラジン濃度に対するモル比が1/30以上にすることを特徴とする請求項7に記載の炭素鋼の腐食減肉防止方法。
  10. 前記還元性窒素化合物としてヒドラジンを注入するとき、前記沸騰水型原子炉の入口における酸化剤濃度をヒドラジン濃度に対してモル比で1/30以上とすることを特徴とする請求項6に記載の炭素鋼の腐食減肉防止方法。
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