JP2002071329A - 繊維潜り角測定方法およびシステム - Google Patents

繊維潜り角測定方法およびシステム

Info

Publication number
JP2002071329A
JP2002071329A JP2000265077A JP2000265077A JP2002071329A JP 2002071329 A JP2002071329 A JP 2002071329A JP 2000265077 A JP2000265077 A JP 2000265077A JP 2000265077 A JP2000265077 A JP 2000265077A JP 2002071329 A JP2002071329 A JP 2002071329A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
angle
wood
light source
image
luminance value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000265077A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Kawai
直樹 河合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2000265077A priority Critical patent/JP2002071329A/ja
Publication of JP2002071329A publication Critical patent/JP2002071329A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)
  • Image Processing (AREA)
  • Image Analysis (AREA)
  • Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 指向性のある配光特性を有する点光源を利用
して、木材の撮影を行った場合であっても、その撮影画
像から忠実に天然の木材の表面が発現するような照り、
および照りの移動を表現することができる繊維潜り角の
2次元分布を求めることが可能な繊維潜り角測定方法お
よびシステムを提供する。 【解決手段】 天然木材1に正対してカメラ3が配置さ
れる。光源2は天然木材1の表面を照明可能な位置に複
数配置されている。この状態で天然木材を撮影して木材
画像を得る。また、天然木材1の代わりに無地平板9を
設置し、同様に撮影して無地画像を得る。照明角度算出
部5は、天然木材1上の各画素行(x軸方向の画素の並
び)位置に対する光源2の照明角度θ=atan(dy
/dz)を求め、補正輝度値算出部6は無地画像を用い
て木材画像の各画素における輝度値を補正する。繊維潜
り角決定部8は、輝度値が最大となる照明角度を求め、
その照明角度に基づいて繊維潜り角を定める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然木材の表面におけ
る繊維の潜り角を測定する方法及び繊維潜り角を測定す
るためのシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】壁紙や床材等の建材の表面装飾や、家具
の表面装飾のために用いる化粧シートにおいては、「照
り」と称される光沢を表現するために、万線パターンを
直接化粧シートにエンボス加工したり、あるいは透明な
シートに万線パターンをエンボス加工してエンボスシー
トを作成し、そのエンボスシートを木目柄等の模様を印
刷した化粧シートに貼り付けて積層構造とすることが広
く行われている。
【0003】万線パターンをエンボス加工することによ
り「照り」が表現できる原理について以下に説明する。
図5は万線パターンをエンボス加工することにより万線
条溝Gが形成されたシートEの斜視図である。シートE
には幅W1の万線条溝GがW2の間隔で多数形成されて
いる。シートEの全体の厚みD1に対して、万線条溝G
は深さD2の溝を形成しており、多数の万線条溝Gが平
行に配置されている。このような万線条溝Gからなるパ
ターンは、幅W1の凹部と幅W2の凸部との二段階の段
差構造を有している。
【0004】このような万線条溝Gが形成されたシート
Eは、その表面から得られる反射光の強度が位置によっ
て異なることが知られている。これが異方性反射であ
る。場所によって万線条溝Gの方向が連続的に変化する
シートEに対して見る視線を連続的に変化させると、強
く反射する箇所、すなわち輝度が高く、明るく光る箇所
が変化していく。これが「照りの移動」と称されるもの
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した「照り」およ
び「照りの移動」を表現する万線パターンとしては、エ
ンボス加工を行った場合に、天然の木材が発現するよう
な自然な「照り」および「照りの移動」を発現できるも
のが望ましい。そこで、天然の木材が「照り」および
「照りの移動」を発現できる原理を考えてみると、木材
表面における繊維潜り角に起因していることが知られて
いる。この原理について、以下に説明する。
【0006】図6は、視点を真上に固定した状態での材
木板表面の繊維質の配向性と鏡面反射率との関係を示す
図である。材木板100の表面(切断面J)に、図に繊
維方向ベクトルFとして示すような配向性をもって繊維
Fが配置されているものとする。このとき、切断面Jと
繊維Fがなす角ξは繊維潜り角と呼ばれている。
【0007】そして、材木板100の上方に仮想光源2
00(面光源)を仮定し、この仮想光源200から材木
板100の表面に対して垂直な光線が照射され、この表
面からの拡散反射光および鏡面反射光を観察することを
考える。この場合、観察される拡散反射光の強度は、材
木板100の表面の木目模様の色成分によって左右さ
れ、この拡散反射光による画像は、いわゆる着色された
模様として認識されることになる。一方、観察される鏡
面反射光の強度W(光沢度)は、繊維潜り角ξによって
左右され、通常、図7のグラフに示すような関係とな
る。より正確には、各部における鏡面反射光強度は、光
の照射方向と繊維潜り角ξとの双方によって決定され
る。すなわち図6に示すように、切断面J上の点Pにお
いて、光線方向ベクトルLと繊維方向ベクトルFとを図
のように定義すれば、両ベクトルの交錯角φによって点
Pにおける鏡面反射光強度が決定されることになる。上
述の例のように、光線方向ベクトルLが切断面Jに対し
て垂直であるモデルの場合、ベクトル交錯角φ=90°−
ξとなり、図7のグラフに示すように、φ=90°のとき
に鏡面反射光強度が最高になり、φ=0°のときに最低
となる。
【0008】実際の天然木から切り出した材木板の表面
に照り模様が見られるのは、切断面上の各部分ごとに異
なる繊維潜り角ξが得られるからであり、この部分毎に
異なる繊維潜り角ξに基づいて照り模様が現れることに
なるのである。また、以上のことから、例えば図6にお
いて観察位置を変えずに仮想光源200を移動させた場
合、あるいは仮想光源200の位置を固定して観察位置
を変えた場合には、材木板100の照りが発現する位置
が変化することになることは明らかであろう。これが照
りの移動である。
【0009】そこで、近年では、適宜な手法を用いてコ
ンピュータにより繊維潜り角の2次元分布を求め、その
求めた繊維潜り角の2次元分布に基づいて万線パターン
を作成し、その万線パターンを用いてエンボス加工する
ことが行われているが、天然の木材の表面が発現するよ
うな照り、および照りの移動を表現することができる繊
維潜り角の2次元分布を求めることは非常に難しいのが
現実である。
【0010】これに対して、本出願人は、木材を異なる
角度から照明して撮影し、得られた輝度値に基づいて、
輝度値が最大となる光源の角度を求め、その角度に基づ
いて各画素位置における繊維潜り角を求める方法を、特
願平10-220238において提案している。しかし、この出
願における発明では、理想的な平行光による照明が必要
であるが、実際には、光源としては点光源が使われるた
め、撮影される木材の部位により、入射光量が一定でな
く、忠実な測定が困難であった。
【0011】そこで、点光源を用いて木材を撮影する際
に、点光源と木材上の各位置との距離を考慮することに
より、撮影により得られる各画素の輝度値を補正する手
法なども提案されているが、これも光源の配光特性など
を考慮していないため、必ずしも満足する結果が得られ
ていない。
【0012】上記のような点に鑑み、本発明は、指向性
のある配光特性を有する点光源を利用して、木材の撮影
を行った場合であっても、その撮影画像から忠実に天然
の木材の表面が発現するような照り、および照りの移動
を表現することができる繊維潜り角の2次元分布を求め
ることが可能な繊維潜り角測定方法およびシステムを提
供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1、3に記載の発明では、天然木材を複数の
異なる角度から照明して撮影することにより複数の木材
画像を得て、無地平板を複数の異なる角度から照明して
撮影することにより複数の無地画像を得て、無地画像を
構成する各画素が有する輝度値を用いて木材画像を構成
する各画素が有する輝度値を補正することにより補正輝
度値を求め、撮影した各画像の各画素行について、各画
素行が光源からどの程度の照明角度で撮影されたかを求
め、これらの補正輝度値のうち、最大輝度を与える光源
の照明角度を求め、得られた最大輝度を与える光源の照
明角度に基づいて各画素位置における繊維潜り角を定め
るようにしたことを特徴とする。請求項1、3に記載の
発明では、特に、撮影した木材画像、無地画像の各画素
行ごとに照明角度を求めると共に、木材画像の各画素の
輝度値を、無地画像の各画素の輝度値を用いて補正し、
求められた照明角度、補正輝度値に基づいて、繊維潜り
角を求めるようにしたので、撮影される木材の各部位に
おける入射光量が光源の配光特性により異なっていたと
しても、精度良く、潜り角の測定を行うことが可能にな
る。
【0014】請求項2、4に記載の発明では、天然木材
を複数の異なる角度から照明して撮影することにより複
数の木材画像を得て、無地平板を複数の異なる角度から
照明して撮影することにより複数の無地画像を得て、無
地画像を構成する各画素が有する輝度値を用いて木材画
像を構成する各画素が有する輝度値を補正することによ
り補正輝度値を求め、撮影した画像の各画素行につい
て、各画素行が光源からどの程度の照明角度で撮影され
たかを求め、各照明角度間より小さい所定の角度毎の補
間輝度値を補正輝度値を補間して求め、補間輝度値、補
正輝度値のうち、最大輝度を与える光源の照明角度を求
め、得られた最大輝度を与える光源の照明角度に基づい
て各画素位置における繊維潜り角を定めるようにしたこ
とを特徴とする。請求項2、4に記載の発明では、請求
項1,3の発明に加えて、さらに、各照明角度間より小
さい所定の角度毎の補間輝度値を補正輝度値を補間して
求め、補間輝度値、補正輝度値のうち、最大輝度を与え
る光源の照明角度を求めるようにしたので、少数の配置
光源だけで、撮影の負荷をかけずに、最大輝度値を与え
る照明角度を求めることが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態につい
て、図面を用いて詳細に説明する。 (装置構成)図1は本発明による繊維潜り角測定システ
ムの実施形態の構成を示すブロック図である。図1は、
本座標系をx軸負の方向から見た状態であり、図中、1
は天然木材(以下、単に木材という)、2は光源、3は
カメラ、4は処理装置を示す。
【0016】木材1は繊維潜り角を測定する対象物とな
るものであり、天然の木材であればどのようなものでも
よい。この木材1は固定して配置される。木材1に正対
してカメラ3が配置されている。このカメラ3も固定し
て配置される。カメラ3は、製版カメラ、TVカメラ、
デジタルスチルカメラ等の画像を撮影することができる
ものであればよい。ここでは理解を容易にするためにデ
ジタルスチルカメラを用いるものとする。なお、ここで
は、図に示すようなxyzの直交座標系を定める。ま
た、角度については図1のz軸を0°として、反時計回
りを正とし、時計回りを負とする。
【0017】光源2は、できるだけ平行光線を放射する
ものが望ましい。光線の色は白色光でよい。光源2は複
数個(例えば11個)、y軸に平行でz軸を通る線上に
配置されている。各光源2a〜2k(図示せず)の当該
座標系における座標値は処理装置4に登録されており、
各光源の点灯、消灯の制御も処理装置4で可能になって
いる。
【0018】処理装置4は、パーソナルコンピュータで
実現可能であり、光源2、カメラ3を制御する機能の
他、照明角度算出部5、補正輝度値算出部6、補間輝度
値算出部7、繊維潜り角決定部8を有する。これらの各
部は現実には、処理装置4に搭載した専用のプログラム
により機能する。
【0019】(天然木材の撮影)以下、図1に示すシス
テムの動作について、繊維潜り角測定方法と共に説明す
る。まず、処理装置4により光源2aを点灯させ、他の
光源2b〜2kは消灯しておく。この状態でカメラ3に
より木材1を撮影する。このカメラ3で撮影された画像
のデジタルデータは、光源2aの当該座標系における座
標値と共に処理装置4に登録される。なお、カメラ3と
して製版カメラを用いる場合には、撮影したフィルムを
現像し、スキャナ入力してデジタル化して処理装置4に
渡すようにすれば良く、またTVカメラを用いる場合に
は、TVカメラからの画像信号をデジタル化して処理装
置4に渡せば良い。
【0020】また、本実施形態では、後述するところか
ら明らかなように、処理装置4において繊維潜り角測定
のために用いられるのは輝度のデータのみであるから、
例えばカメラ3がR、G、Bの3色の画像データを出力
するものである場合には、処理装置4はGの画像データ
のみを取り込むようにしても良く、あるいはR、G、B
から輝度を表すデータを生成して、その輝度のデータの
みを用いるようにしても良い。
【0021】そして、処理装置4は、当該画像データを
光源2aにおける画像データであることを登録する。こ
れによって、光源2aが点灯された場合の画像データが
処理装置4に取り込まれることになる。次に、光源2a
を消灯し、光源2bを点灯して、カメラ3により木材1
を撮影し、そのときの画像データを処理装置4に渡す。
以下、同様にして、光源2c〜2kを1つずつ点灯させ
て木材1を撮影して、そのときの画像データを処理装置
4に渡す動作を繰り返す。処理装置4は、この11枚の
画像の輝度データを取り込み、それぞれの画像がどの光
源に対して撮影されたかを対応させて登録する。
【0022】ここで、各光源2をどの位置にどの位の間
隔で配置するかは、任意に定めることができる。多く配
置すればする程、カメラ3で撮影した木材1の画像の各
画素位置における繊維潜り角を精度良く求めることがで
きる。例えば、z軸を中心として±50°の範囲に1°間
隔で配置しようとしたとする。この場合、配置する光源
が101個必要となり、それに伴って撮影回数も増える
ため、費用がかかると共に、作業者の負担も大きくな
る。そこで、このシステムでは、作業者の負担軽減のた
めに、配置する間隔を比較的大きく取るようにする。例
えば、配置する光源を10個程度として適当な間隔に並
べれば良い。本実施形態のように11個の光源を用いた
場合、11枚の木材画像が撮影されることになる。
【0023】(無地平板の撮影)次に本繊維潜り角測定
システムを用いて、無地平板の撮影を行う。無地平板と
は、無地すなわち面全体に渡って色が均一であり、平板
状の物体である。この無地平板を撮影することにより得
られる画像データは、光源の配光特性による不均一性を
除去することを目的として、材木を撮影することにより
得られる画像データを補正するために用いられる。その
ため、無地平板の平面は、完全拡散反射面すなわち入射
した光が均一に分散するようなものである必要がある。
また、色については、必ずしも限定されるものではない
が、白が好ましい。特に試料としてよく用いられる酸化
マグネシウムの板を用いることにより理想的な白色が得
られる。ここで平板とは平面状であれば良く、厚みを持
った板であっても、非常に薄い紙であっても良い。ま
た、無地平板は、xy平面において、繊維潜り角を測定
する木材1上の範囲を全て含むように木材1と同等もし
くは大きめのものを用意する。ここで、繊維潜り角測定
システムを用いて、無地平板9の撮影を行う際の様子を
図2に示す。図2は、木材1の代わりに無地平板9が設
置されていることを除いて、図1に示したシステムと同
一構成である。無地平板9についても、木材1の撮影と
同様に照射する光源を切り替えて順次撮影し、本実施形
態では11枚の無地画像が得られる。
【0024】(照明角度の算出)木材1、無地平板9の
全光源に対しての撮影が終わったら、次に、撮影された
各画素と各光源との照明角度をx軸に平行な各画素行ご
とに求める。ここで、画素行とは画素の並びのことを言
う。これは、使用する光源が点光源であるため、同一光
源により撮影されたものであっても、画素位置により照
明角度が異なるためである。また、このときx軸方向の
照明角度の差は考慮しない。なぜなら、木材には木目方
向と木目に垂直な方向があり、木目に垂直な方向は、鏡
面反射方向の変化が少ないため、繊維潜り角を求めるに
当たって影響が少ないからである。そのため、木材を撮
影する際には、木目方向が、y軸方向になるように置く
必要がある。ここでの照明角度は、木材画像、無地画像
の各画素行が各光源からどの位の各度で照射されたかを
示すものであるので、実際には画素行に対応する木材
1、無地平板9上のx軸に平行な線との角度を求めるこ
とにより得られる。具体的には、照明角度は、照明角度
算出部5により、各画素行に対応するx軸に平行な線ご
とに以下の式(1)により計算される。
【0025】 θ=atan(dy/dz) ・・・(1)
【0026】上記式(1)において、dy、dzはそれ
ぞれ、着目画素行に対応するx軸平行線と光源とのy座
標、z座標の差である。例えば、y=0のx軸平行線
(すなわちx軸)と光源2の角度θを求める場合のd
y、dzは、図1に示すようになる。光源は、木材を表
面から照明可能な位置に配置されているため、θは−9
0°<θ<90°となる。
【0027】(輝度値の補正)そして、次に撮影された
11枚の木材画像の各画素の輝度値を、11枚の無地画
像を用いて補正する。撮影された木材画像における画素
の輝度値は、木材1における当該画素の対応する位置の
明るさに影響され、この明るさは、光源の配光特性のた
め、各画素により異なる。一方、無地画像は全体に渡っ
て色の変化がない無地平板9を撮影した画像であるた
め、各画素における輝度値は、光源の配光特性そのもの
を表現したものとなる。そのため、木材画像における画
素の輝度値を、無地画像における画素の輝度値を用いて
補正するのである。具体的には、座標(x,y)における画
素の輝度値の補正は、補正輝度値算出部6により以下の
式(2)を用いて行われる。
【0028】 L(x,y)=Ls(x,y)/Lm(x,y) ・・・(2)
【0029】ここで、L(x,y)は補正された輝度値、Ls
(x,y)は撮影された木材画像における輝度値、Lm(x,y)
は撮影された無地画像における輝度値である。全ての画
素に対する補正輝度値L(x,y)が算出されたら、処理装
置4は、撮影された木材1の画像のそれぞれの画素位置
における繊維潜り角を求める処理を行う。
【0030】(補間輝度値の算出)ここで、ある画素位
置に着目すると、当該画素位置については11個の補正
輝度値のデータがある。これらの11個の輝度値が図3
(a)の黒点で示すようであったとする。図3は横軸が
照明角度、縦軸が輝度値を示している。照明角度θは式
(1)で求めたものである。本実施形態では、光源を適
当な位置に配置して、各画素行ごとに照明角度を算出す
るので、実際には、図3に示すように照明角度がちょう
ど10°間隔になることは滅多にないが、説明の便宜
上、10°単位とした。次に、補間輝度値算出部7は、
図3(a)に示す輝度値の間を滑らかに補間する。補間
の手法としては、例えばスプライン関数を用いれば良
い。スプライン関数によって図3(a)の黒点で示すよ
うな離散的に分布する輝度値を補間すれば、図3(b)
に示すように、図中黒点で示す輝度値を通る曲線で補間
できるので望ましいものである。
【0031】(繊維潜り角の決定)そして、補間輝度値
算出部7は、上記の補間を行う際に、所定の角度刻みで
輝度値を求める。このときの刻み角度は小さい方が望ま
しい。例えば、1°刻みで輝度値を求めるものとする
と、この場合には補正輝度値11個と補間輝度値90個
の輝度値の計101個が得られる。そして、繊維潜り角
決定部8は、これらの輝度値の中で最大輝度値をとる照
明角度を求め、その照明角度の半分の角度を当該画素位
置における繊維潜り角ξとし、当該繊維潜り角ξを当該
画素位置に登録する。例えば図3(b)においては、最
大輝度LMAXとなる照明角度はθLMAXであるので、当該
画素位置における繊維潜り角ξはθLMAX/2となる。
【0032】繊維潜り角ξをこのように定めることの妥
当性は明らかである。すなわち、例えば、図4に示すよ
うに木材1の繊維イの一部が図のAに示す位置で表面に
現れているとし、Aの位置における繊維イに対する垂線
がロで示すようであるとすると、繊維イの繊維潜り角ξ
と、光源2からの照明の角度と、カメラ3で撮影される
方向が図4に示す関係になるときにAで示す位置の輝度
は最大になり、このとき、Aの位置における繊維潜り角
ξをθとするのである。
【0033】そして、このシステムにおいては、現在着
目している画素位置について、照明角度と補正輝度値と
の関係から、補間によって、例えば、1°刻みの照明角
度における輝度値を求め、最大輝度となる照明角度の1
/2を当該画素位置における繊維潜り角とするのであ
る。つまり、図4のAの位置の画素に着目した場合、図
4に示すような位置関係で画像が撮影されることは必ず
しも無いが、照明角度と補正輝度値との関係から、補間
によって図4に示すような照明角度を求め、その照明角
度を1/2にして当該Aの位置における繊維潜り角を求
めるのである。
【0034】そして、処理装置4は、以上の処理を、撮
影した画像の全ての画素位置について行う。これによっ
て、カメラ3で撮影された画像の全ての画素位置につい
て繊維潜り角ξを求めることができ、各画素位置に対し
て繊維潜り角が登録された2次元のスカラー場を生成す
ることができる。
【0035】このようにして得られた、各画素位置に対
して繊維潜り角が登録された2次元スカラー場を用いて
万線パターンを作成し、その万線パターンを用いてエン
ボス加工を行えば、天然の木材の表面が発現するような
照り、および照りの移動を表現することができる。な
お、各画素位置に対して繊維潜り角が登録された2次元
スカラー場から万線パターンを作成する手法については
周知であるので説明は省略する。
【0036】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく種
々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、ス
プライン関数を用いて補間を行ったが、ベジェ関数等の
他の関数を用いて補間を行っても良い。また、光源の配
置位置も木材を表面から照明可能な位置であれば、すな
わち、図1におけるθが−90°<θ<90°を満たせ
ば、どこでも良い。
【0037】また、上記実施形態においては、天然木材
の撮影、無地平板の撮影、照明角度の算出の順に説明し
たが、これらの順序は必ずしも説明した通りでなくても
良い。要は、輝度値を補正する前に木材画像とそれを補
正するために用いられる無地画像が得られていれば良
い。そのため、照明角度の算出についても、輝度値の補
正後であっても補間輝度値の算出の前に行なわれていれ
ば良い。また、照明角度の算出は、木材画像、無地画像
それぞれに対して行っても良いが、木材画像、無地画像
が同サイズ(すなわちx軸方向、y軸方向の画素数が同
一)で、各画素の位置の整合性がとれていれば、どちら
か一方に対して行うだけでも良い。
【0038】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
天然木材を複数の異なる角度から照明して撮影すること
により複数の木材画像を得て、無地平板を複数の異なる
角度から照明して撮影することにより複数の無地画像を
得て、無地画像を構成する各画素が有する輝度値を用い
て木材画像を構成する各画素が有する輝度値を補正する
ことにより補正輝度値を求め、撮影した各画像の各画素
行について、各画素行が光源からどの程度の照明角度で
撮影されたかを求め、これらの補正輝度値のうち、最大
輝度を与える光源の照明角度を求め、得られた最大輝度
を与える光源の照明角度に基づいて各画素位置における
繊維潜り角を定めるようにしたので、撮影される木材の
各部位における入射光量が光源の配光特性により異なっ
ていたとしても、精度良く、潜り角の測定を行うことが
可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繊維潜り角測定システムの一実施形態
を示す構成図である。
【図2】本発明の繊維潜り角測定システムを用いて無地
平板を撮影する様子を示す図である。
【図3】繊維潜り角を求めるための輝度値の補間に関す
る説明図である。
【図4】図3の手法により繊維潜り角を決定することの
妥当性を説明するための図である。
【図5】万線パターンがエンドレス加工されたシートの
表面に形成された万線条溝Gの構造を示す斜視図であ
る。
【図6】一般的な材木版における繊維方向ベクトルFと
光線ベクトルLとの関係を示す側断面図である。
【図7】一般的な材木板におけるベクトル交錯角φ(繊
維潜り角ξ)と鏡面反射光強度Wとの関係を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1・・・天然木材 2・・・光源 3・・・カメラ 4・・・処理装置 5・・・照明角度算出部 6・・・補正輝度値算出部 7・・・補間輝度値算出部 8・・・繊維潜り角決定部 9・・・無地平板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B230 AA23 BA04 EB24 EC21 2F065 AA31 BB01 CC00 EE04 FF42 FF61 FF65 GG24 HH03 HH12 HH14 JJ03 JJ09 JJ19 JJ26 NN02 QQ03 QQ17 QQ24 QQ29 QQ32 2G051 AA90 BA01 CA04 CA06 EA12 5B057 AA01 BA02 BA15 BA19 CA08 CA12 CA16 CE11 DA11 DB02 DB09 DC08 DC19 DC36 5L096 AA06 BA20 CA04 CA17 DA02 EA12 FA35 FA67

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然木材を複数の異なる角度から照明して
    撮影することにより複数の木材画像を得る工程と、無地
    平板を複数の異なる角度から照明して撮影することによ
    り複数の無地画像を得る工程と、前記無地画像を構成す
    る各画素が有する輝度値を用いて前記木材画像を構成す
    る各画素が有する輝度値を補正することにより補正輝度
    値を求める工程と、撮影した各画像の各画素行につい
    て、各画素行が光源からどの程度の照明角度で撮影され
    たかを求める工程と、前記補正輝度値のうち、最大輝度
    を与える光源の照明角度を求める工程と、得られた最大
    輝度を与える光源の照明角度に基づいて各画素位置にお
    ける繊維潜り角を定める工程と、を有することを特徴と
    する繊維潜り角測定方法。
  2. 【請求項2】天然木材を複数の異なる角度から照明して
    撮影することにより複数の木材画像を得る工程と、無地
    平板を複数の異なる角度から照明して撮影することによ
    り複数の無地画像を得る工程と、前記無地画像を構成す
    る各画素が有する輝度値を用いて前記木材画像を構成す
    る各画素が有する輝度値を補正することにより補正輝度
    値を求める工程と、撮影した画像の各画素行について、
    各画素行が光源からどの程度の照明角度で撮影されたか
    を求める工程と、前記各照明角度間より小さい所定の角
    度毎の補間輝度値を前記補正輝度値を補間して求める工
    程と、前記補間輝度値、前記補正輝度値のうち、最大輝
    度を与える光源の照明角度を求める工程と、得られた最
    大輝度を与える光源の照明角度に基づいて各画素位置に
    おける繊維潜り角を定める工程と、を有することを特徴
    とする繊維潜り角測定方法。
  3. 【請求項3】天然木材および無地平板を照明する光源
    と、天然木材および無地平板を撮影するカメラと、複数
    の異なる角度から照明して撮影することにより得られた
    各木材画像、無地画像の各画素行位置について、光源の
    各画素行位置に対する照明角度を求める照明角度算出部
    と、前記無地画像を構成する各画素が有する輝度値を用
    いて前記木材画像を構成する各画素が有する輝度値を補
    正して補正輝度値を求める補正輝度値算出部と、前記補
    正輝度値のうち、最大輝度を与える光源の照明角度を求
    め、得られた最大輝度を与える光源の照明角度に基づい
    て各画素位置における繊維潜り角を定める繊維潜り角決
    定部と、を有することを特徴とする繊維潜り角測定シス
    テム。
  4. 【請求項4】天然木材および無地平板を照明する光源
    と、天然木材および無地平板を撮影するカメラと、複数
    の異なる角度から照明して撮影することにより得られた
    各木材画像、無地画像の各画素行位置について、光源の
    各画素行位置に対する照明角度を求める照明角度算出部
    と、前記無地画像を構成する各画素が有する輝度値を用
    いて前記木材画像を構成する各画素が有する輝度値を補
    正して補正輝度値を求める補正輝度値算出部と、前記各
    照明角度間より小さい所定の角度毎の補間輝度値を前記
    補正輝度値を補間して求める補間輝度値算出部と、前記
    補間輝度値、前記補正輝度値のうち、最大輝度を与える
    光源の照明角度を求め、得られた最大輝度を与える光源
    の照明角度に基づいて各画素位置における繊維潜り角を
    定める繊維潜り角決定部と、を有することを特徴とする
    繊維潜り角測定システム。
JP2000265077A 2000-09-01 2000-09-01 繊維潜り角測定方法およびシステム Pending JP2002071329A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000265077A JP2002071329A (ja) 2000-09-01 2000-09-01 繊維潜り角測定方法およびシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000265077A JP2002071329A (ja) 2000-09-01 2000-09-01 繊維潜り角測定方法およびシステム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002071329A true JP2002071329A (ja) 2002-03-08

Family

ID=18752398

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000265077A Pending JP2002071329A (ja) 2000-09-01 2000-09-01 繊維潜り角測定方法およびシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002071329A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005319586A (ja) * 2004-05-06 2005-11-17 Nissha Printing Co Ltd 木目模様柄印刷版の製造方法、木目模様化粧材および木目模様成形品の製造方法
JP2007219715A (ja) * 2006-02-15 2007-08-30 Dainippon Printing Co Ltd 物体の反射特性データの作成方法および作成装置
CN109472738A (zh) * 2018-10-26 2019-03-15 深圳市商汤科技有限公司 图像光照校正方法及装置、电子设备和存储介质

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62500684A (ja) * 1984-10-29 1987-03-19 ウェヤ−ハウザ−・カンパニ− 立体形繊維状物体における局部的繊維角度の測定方法
JPS62128666A (ja) * 1985-11-29 1987-06-10 Fujitsu Ltd 画像入力装置
JPH06105145A (ja) * 1992-09-18 1994-04-15 Hitachi Ltd 画像入力装置
JPH07218443A (ja) * 1994-01-27 1995-08-18 Suzuki Motor Corp 円筒物検査方法
JPH07294221A (ja) * 1994-04-21 1995-11-10 Nec Corp 膜厚測定装置
JPH11269789A (ja) * 1998-03-20 1999-10-05 Nippon Paper Industries Co Ltd 繊維配向計の信号正規化装置
JP2000230817A (ja) * 1999-02-10 2000-08-22 Dainippon Printing Co Ltd 繊維潜り角測定方法およびシステム

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62500684A (ja) * 1984-10-29 1987-03-19 ウェヤ−ハウザ−・カンパニ− 立体形繊維状物体における局部的繊維角度の測定方法
JPS62128666A (ja) * 1985-11-29 1987-06-10 Fujitsu Ltd 画像入力装置
JPH06105145A (ja) * 1992-09-18 1994-04-15 Hitachi Ltd 画像入力装置
JPH07218443A (ja) * 1994-01-27 1995-08-18 Suzuki Motor Corp 円筒物検査方法
JPH07294221A (ja) * 1994-04-21 1995-11-10 Nec Corp 膜厚測定装置
JPH11269789A (ja) * 1998-03-20 1999-10-05 Nippon Paper Industries Co Ltd 繊維配向計の信号正規化装置
JP2000230817A (ja) * 1999-02-10 2000-08-22 Dainippon Printing Co Ltd 繊維潜り角測定方法およびシステム

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005319586A (ja) * 2004-05-06 2005-11-17 Nissha Printing Co Ltd 木目模様柄印刷版の製造方法、木目模様化粧材および木目模様成形品の製造方法
JP2007219715A (ja) * 2006-02-15 2007-08-30 Dainippon Printing Co Ltd 物体の反射特性データの作成方法および作成装置
CN109472738A (zh) * 2018-10-26 2019-03-15 深圳市商汤科技有限公司 图像光照校正方法及装置、电子设备和存储介质
CN109472738B (zh) * 2018-10-26 2024-03-08 深圳市商汤科技有限公司 图像光照校正方法及装置、电子设备和存储介质

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103759638B (zh) 一种零件检测方法
JP5443303B2 (ja) 外観検査装置及び外観検査方法
JP6519265B2 (ja) 画像処理方法
JP7371443B2 (ja) 三次元計測装置
JP2006285763A (ja) 被写体についての陰影のない画像を生成する方法および装置、並びにそれに用いる白色板
WO2018037604A1 (ja) 画像処理システム及び画像処理方法
JP2005249764A (ja) 物体色測定方式
JP4028118B2 (ja) 繊維潜り角測定方法およびシステム
JP2002071329A (ja) 繊維潜り角測定方法およびシステム
US10197809B2 (en) Display system based on hologram and hologram display method using the same
US20080279458A1 (en) Imaging system for shape measurement of partially-specular object and method thereof
CN111105365A (zh) 一种纹理影像的色彩校正方法、介质、终端和装置
JP4201147B2 (ja) 繊維潜り角測定方法及びそのシステム
JP4404272B2 (ja) 繊維潜り角測定方法及びそのシステム
JP3918970B2 (ja) 繊維潜り角測定方法及びそのシステム
WO1998027744A1 (fr) Systeme d'imagerie
JP4319738B2 (ja) 繊維潜り角算出方法およびシステム
JP4416058B2 (ja) エンボスシートの作成方法および装置
JP6527725B2 (ja) 三次元形状測定装置
JP6745936B2 (ja) 測定装置およびその制御方法
JP7198816B2 (ja) 多角的な照明を備えたイメージスキャナ
JP7409014B2 (ja) 表示装置
JP4305884B2 (ja) ヘアラインデータの作成方法及び装置
Amano Manipulation of material perception with light-field projection
JP4698229B2 (ja) 木目の異方性反射面を表現したエンボスシートの製造方法および製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070713

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091016

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091027

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100302

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100415

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100622