JP4404272B2 - 繊維潜り角測定方法及びそのシステム - Google Patents

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Description

本発明は、天然木材の表面における繊維の潜り角を測定する方法及び繊維潜り角を測定するためのシステムに関する。
壁紙や床材等の建材の表面装飾や、家具の表面装飾のために用いる化粧シートにおいては、照りと称される光沢模様を表現するために、万線パターンを直接化粧シートにエンボス加工したり、あるいは透明なシートに万線パターンをエンボス加工してエンボスシートを作成し、そのエンボスシートを木目柄等の模様を印刷した化粧シートに貼り付けて積層構造とすることが広く行われている。
このように、万線パターンをエンボス加工することによって照りが表現できる原理は概略次のようである。
図6は、万線パターンをエンボス加工して万線条溝Gが形成されたシートEの斜視図であり、この例では、幅W1の万線条溝GがW2の間隔で多数形成されている。シートEの全体の厚みD1に対して、万線条溝Gは深さD2の溝を形成しており、多数の万線条溝Gがほぼ平行に配置されている。このような万線条溝Gからなるパターンは、幅W1をもった凹部と幅W2をもった凸部との二段階の段差構造を有している。
このような万線条溝Gが形成されたシートEは、その表面から得られる反射光の強度が位置によって異なることが知られている。つまり、異方性反射を行うのである。そして、このようなシートEを見る視線を連続的に変化させると、強く反射する箇所、即ち輝度が高く、明るく光る箇所が変化していく。これが照りの移動と称されるものである。
さて、上述したような照り、及び照りの移動を表現する万線パターンとしては、エンボス加工を行った場合に、天然の木材が発現するような自然な照り、及び照りの移動を表現できるものが望ましいことは当然である。そこで、天然の木材が照り、及び照りの移動を発現する原理を考えると、それは、木材表面における繊維潜り角に起因していることが知られている。概略説明すると次のようである。
図7は、材木板表面の繊維質の配向性と鏡面反射率との関係を説明する図である。いま、材木板100の表面(切断面J)に、図に繊維方向ベクトルF→(電子出願の制約から、本来符号の上部に付記するベクトル記号“→”を符号右側に付記することにする)として示すような配向性をもって繊維Fが配置されているものとする。このとき、切断面Jと繊維Fとのなす角ξは繊維潜り角と呼ばれている。
そして、材木板100の上方に仮想光源200(面光源)を仮定し、この仮想光源200から材木板100の表面(切断面J)に対して垂直な光線が照射され、この表面からの拡散反射光および鏡面反射光を観察することを考える。この場合、観察される拡散反射光の強度は、材木板100の表面の木目模様の色成分によって左右され、この拡散反射光による画像は、いわゆる着色された模様として認識されることになる。一方、観察される鏡面反射光の強度W(光沢度)は、繊維潜り角ξによって左右され、通常、図8のグラフに示すような関係となる。より正確には、各部における鏡面反射光強度は、光の照射方向と繊維潜り角ξとの双方によって決定される。即ち、図7に示すように、切断面J上の点Pにおいて、光線方向ベクトルL→と繊維方向ベクトルF→とを図のように定義すれば、両ベクトルの交錯角φによって点Pにおける鏡面反射光強度が決定されることになる。上述の例のように、光線方向ベクトルL→が切断面Jに対して垂直であるモデルの場合、ベクトル交錯角φ=90°−ξとなり、図8のグラフに示すように、φ=90°のときに鏡面反射光強度が最高になり、φ= 0°のときに最低となる。
実際の天然木から切り出した材木板の表面に照り模様が見られるのは、切断面上の各部分ごとに異なる繊維潜り角ξが得られるからであり、この部分毎に異なる繊維潜り角ξに基づいて照り模様が現れることになるのである。また、以上のことから、例えば図7において観察位置を変えずに仮想光源200を移動させた場合、あるいは仮想光源200の位置を固定して観察位置を変えた場合には、材木板100の照りが発現する位置が変化することになることは明らかであろう。これが照りの移動である。
そこで、近年では、適宜な手法を用いてコンピュータにより繊維潜り角の2次元分布を求め、その求めた繊維潜り角の2次元分布に基づいて万線パターンを作成し、その万線パターンを用いてエンボス加工することが行われているが、天然の木材の表面が発現するような照り、及び照りの移動を表現することができる繊維潜り角の2次元分布を求めることは非常に難しいのが現実である。
そこで、本発明は、天然の木材の表面が発現するような照り、及び照りの移動を表現することができる繊維潜り角の2次元分布を求めることができる繊維潜り角測定方法及びそのシステムを提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、本発明に係る繊維潜り角測定方法は、天然木材に正対して画像撮影が可能なカメラを固定して配置した状態で、光源を、2軸が当該天然木材の表面上に定められた3次元直交座標系の当該天然木材の表面上の1軸と、当該天然木材の表面に直交する1軸とで構成される平面内を、前記3次元直交座標系の原点からの距離を等しく保ったまま、どの位置でも前記3次元直交座標系の原点に向けて光線を放射するようにして、所定の角度ずつ変えながら前記カメラにより当該天然木材の画像を撮影し、その撮影した画像の各画素位置について、実際の撮影時の光源の角度及び実際に撮影して得られた輝度値に基づいて、前記光源の角度を変更する所定の角度より小さい所定の角度毎の輝度値を補間して求め、それらの全ての輝度値の中で最大輝度を与える光源の角度を求め、その光源の角度の半分の角度をその画素位置における繊維潜り角と定めることを特徴とする。
本発明に係る繊維潜り角測定システムは、天然木材と、天然木材を照明する光源と、天然木材に正対して固定的に配置された画像撮影が可能なカメラと、処理装置とを備え、前記カメラでは、前記光源を、2軸が当該天然木材の表面上に定められた3次元直交座標系の当該天然木材の表面上の1軸と、当該天然木材の表面に直交する1軸とで構成される平面内を、前記3次元直交座標系の原点からの距離を等しく保ったまま、どの位置でも前記3次元直交座標系の原点に向けて光線を放射するようにして、所定の角度ずつ変えながら当該天然木材の画像を撮影し、前記処理装置は、前記カメラで撮影した画像の各画素位置について、実際の撮影時の光源の角度及び実際に撮影して得られた輝度値に基づいて、前記光源の角度を変更する所定の角度より小さい所定の角度毎の輝度値を補間して求め、それらの全ての輝度値の中で最大輝度を与える光源の角度を求め、その光源の角度の半分の角度をその画素位置における繊維潜り角と定める処理を行うことを特徴とする。
本発明の繊維潜り角測定方法及びそのシステムによれば、天然の木材から直接に、当該天然木材の各位置における繊維潜り角を測定することが可能となる。
以下、図面を参照しつつ実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る繊維潜り角測定するためのシステムの第1の実施形態を示す図であり、図中、1は天然木材(以下、単に木材と称す)、2は光源、3はカメラ、4は処理装置を示す。
木材1は繊維潜り角を測定する対象物となるものであり、天然の木材であればどのようなものであってもよい。この木材1は固定して配置される。木材1に正対してカメラ3が配置されている。このカメラ3も固定して配置される。カメラ3は、製版カメラ、TVカメラ、デジタルスチルカメラ等の画像を撮影することができるものであればよい。ここでは理解を容易にするためにデジタルスチルカメラを用いるものとする。なお、ここでは、図に示すようなxyzの直交座標系を定める。また、角度については図1のz軸を 0°として、反時計回りを正とし、時計回りを負とする。
光源2は、できるだけ平行光線を放射するものが望ましい。光線の色は白色光でよい。そして、この光源2は、図示しない適宜な手段によって、図のy−z平面内において、当該座標系の原点からの距離を等しく保ったまま移動可能となされており、どのような位置においても当該座標系の原点に向けて光線を放射するようになされている。つまり、光源2は木材1を照明する角度が可変となされているのである。
以下、図1に示すシステムの動作について、繊維潜り角測定方法と共に説明する。
まず、光源2をある角度θ1 の位置に置いて、カメラ3により木材1を撮影する。このカメラ3で撮影された画像のデジタルデータは処理装置4に取り込まれる。なお、カメラ3として製版フィルムを用いる場合には、撮影したフィルムを現像し、スキャナ入力してデジタル化して処理装置4に渡すようにすればよく、またTVカメラを用いる場合には、TVカメラからの画像信号をデジタル化して処理装置4に渡せばよい。
また、この実施形態では、後述するところから明らかなように、処理装置4において繊維潜り角測定のために用いられるのは輝度のデータのみであるから、例えばカメラ3がR,G,Bの3色の画像データを出力するものである場合には、処理装置4はGの画像データのみを取り込むようにしてもよく、あるいはR,G,Bから輝度を表すデータを生成して、その輝度のデータのみを用いるようにしてもよい。
そして、処理装置4は、当該画像データを角度θ1 における画像データであることを登録する。これによって、光源2が角度θ1 の位置に置かれた場合の画像データが処理装置4に取り込まれることになるが、次に、光源2の角度を△θだけ移動して、カメラ3により木材1を撮影し、そのときの画像データを処理装置4に渡す。以下、同様にして、光源2の角度を△θだけ移動させて木材1を撮影して、そのときの画像データを処理装置4に渡す動作を所定回数繰り返す。
ここで、光源2を図1のz軸を中心としてどのような角度範囲で移動させるか、また△θを何度にするかは任意に定めることができ、しかも△θの値を小さく取る程、カメラ3で撮影した木材1の画像の各画素位置における繊維潜り角を精度良く求めることができるのであるが、例えば、z軸を中心として±50°の範囲を、△θ= 1°として、1 °刻みで撮影するものとすると、光源2を所望の角度に移動してカメラ3で撮影する操作を101 回繰り返さなければならず、作業者の負担が大きく、作業時間も長くなる。
そこで、このシステムでは、まず作業者の負担軽減のために、△θを比較的大きく取るようにする。例えば、△θは 5°〜10°の範囲に定めればよい。これにより、光源2の移動の回数、及びカメラ3による撮影の回数を大幅に減らすことができるので、作業者の負担を軽減することができる。勿論、△θをより大きくすれば作業者の負担をより軽減することができるが、カメラ3による撮影回数を減らすと、それだけ精度が落ちるので、上記のように△θは 5°〜10°の範囲に定めるのがよい。
さて、いま、z軸を中心として±50°の範囲を、△θ=10°として、10°刻みで撮影するものとする。この場合には、光源2の角度を変更してカメラ3で撮影する操作を11回繰り返せばよいことになる。そして、これにより、θ=50°における画像、θ=40°における画像、θ=30°における画像、θ=20°における画像、θ=10°における画像、θ=0 °における画像、θ=−10°における画像、θ=−20°における画像、θ=−30°における画像、θ=−40°における画像、θ=−50°における画像の計11枚の画像が撮影されることになる。
処理装置4は、この11枚の画像の輝度データを取り込み、それぞれの画像が撮影されたときの光源2の角度と対応させて登録する。そして、処理装置4は、撮影された木材1の画像のそれぞれの画素位置における繊維潜り角を求める処理を行うのであるが、その処理は次のようである。
いま、ある画素位置に着目すると、当該画素位置については11個の輝度値のデータがある。いま、これらの11個の輝度値が図2(a)の黒点で示すようであったとする。次に、処理装置4は、これらの実際の照明角度における輝度値の間を滑らかに補間する。補間の手法としては、例えばスプライン関数を用いればよい。スプライン関数によって図2(a)の黒点で示すような離散的に分布する輝度値を補間すれば、図2(b)に示すように、図中黒点で示す実際に撮影して得られた輝度値を通る曲線で補間できるので望ましいものである。
そして、処理装置4は、上記の補間を行う際に、所定の角度刻みで輝度値を求める。このときの刻み角度は小さい方が望ましい。いま、1 °刻みで輝度値を求めるものとすると、この場合には実際に撮影された画像の11個の輝度値と、補間された1 °刻みの角度における90個の輝度値の計 101個の輝度値が得られる。そして、処理装置4は、これらの輝度値の中で最大輝度をとる照明角度を求め、その照明角度の半分の角度を当該画素位置における繊維潜り角ξとし、当該繊維潜り角ξを当該画素位置に登録する。例えば、図2(b)においては、最大輝度LMAX となる照明角度はθLMAXであるので、当該画素位置における繊維潜り角ξはθLMAX/2 となる。
繊維潜り角ξをこのように定めることの妥当性は明らかである。即ち、例えば、いま、図3に示すように、木材1の繊維イの一部が図のAに示す位置で表面に現れているとし、Aの位置における繊維イに対する垂線がロで示すようであるとすると、繊維イの繊維潜り角ξと、光源2からの照明の角度と、カメラ3で撮影される方向が図3に示す関係になるときにAで示す位置の輝度は最大になり、このとき、Aの位置における繊維潜り角ξを角度の符号も含めてθとするのである。
そして、このシステムにおいては、現在着目している画素位置について、実際に撮影された照明角度と輝度値との関係から、補間によって、例えば 1°刻みの照明角度における輝度値を求め、最大輝度となる照明角度の 1/2 を当該画素位置における繊維潜り角とするのである。つまり、例えば、図3のAの位置の画素に着目した場合、図3に示すような位置関係で画像が撮影されることは必ずしも無いが、実際に撮影された照明角度と輝度値との関係から、補間によって図3に示すような照明角度を求め、その照明角度を 1/2 して当該Aの位置における繊維潜り角を求めるのである。
そして、処理装置4は、以上の処理を、撮影した画像の全ての画素位置について行う。これによって、カメラ3で撮影された画像の全ての画素位置について繊維潜り角ξを求めることができ、各画素位置に対して繊維潜り角が登録された2次元のスカラ場を生成することができる。
このようにして得られた、各画素位置に対して繊維潜り角が登録された2次元スカラ場を用いて万線パターンを作成し、その万線パターンを用いてエンボス加工を行えば、天然の木材の表面が発現するような照り、及び照りの移動を表現することができる。なお、各画素位置に対して繊維潜り角が登録された2次元スカラ場から万線パターンを作成する手法については周知であるので説明は省略する。
以上のように、上述した繊維潜り角測定方法及びそのシステムによれば、天然の木材から直接に、当該天然木材の各位置における繊維潜り角を測定することが可能となる。
次に、本発明に係る繊維潜り角測定するためのシステムの第2の実施形態について説明する。
この実施形態におけるシステム構成は図1に示すと同様であるが、この実施形態では、カメラ3としては、カラー製版カメラ、カラーTVカメラ、カラーデジタルスチルカメラ等のカラー画像を撮影することができるものを用いる。ここでは理解を容易にするためにカラーデジタルスチルカメラを用いるものとする。光源2については上述した第1の実施形態と同様であり、ここでも光源2は白色光を発光するものとする。
以下、繊維潜り角測定方法と共に、動作について説明する。
まず、光源2をある角度θ1 の位置に置いて、カメラ3により木材1を撮影する。このカメラ3で撮影された画像のデジタルデータは処理装置4に取り込まれる。なお、カメラ3としてカラー製版フィルムを用いる場合には、撮影したフィルムを現像し、カラースキャナで入力してデジタル化して処理装置4に渡すようにすればよく、またカラーTVカメラを用いる場合には、カラーTVカメラからの画像信号をデジタル化して処理装置4に渡せばよい。ここで、処理装置4が取り込むデジタルカラー画像のデータはどのようなものであってもよいが、ここでは、カメラ3は一つの画像についてR,G,Bの3色の画像データを処理装置4に出力するものとする。
そして、処理装置4は、当該画像データを角度θ1 における画像データであることを登録する。これによって、光源2が角度θ1 の位置に置かれた場合の画像データが処理装置4に取り込まれることになるが、次に、光源2の角度を△θだけ移動して、カメラ3により木材1を撮影し、そのときの画像データを処理装置4に渡す。以下、同様にして、光源2の角度を△θだけ移動させて木材1を撮影して、そのときの画像データを処理装置4に渡す動作を所定回数繰り返す。
ここで、光源2を図1のz軸を中心としてどのような角度範囲で移動させるか、また△θを何度にするかは任意に定めることができ、しかも△θの値を小さく取る程、カメラ3で撮影した木材1の画像の各画素位置における繊維潜り角を精度良く求めることができるのであるが、例えば、z軸を中心として±50°の範囲を、△θ= 1°として、1 °刻みで撮影するものとすると、光源2を所望の角度に移動してカメラ3で撮影する操作を101 回繰り返さなければならず、作業者の負担が大きく、作業時間も長くなる。
そこで、このシステムでは、まず作業者の負担軽減のために、△θを比較的大きく取るようにする。例えば、△θは 5°〜10°の範囲に定めればよい。これにより、光源2の移動の回数、及びカメラ3による撮影の回数を大幅に減らすことができるので、作業者の負担を軽減することができる。勿論、△θをより大きくすれば作業者の負担をより軽減することができるが、カメラ3による撮影回数を減らすと、それだけ精度が落ちるので、上記のように△θは 5°〜10°の範囲に定めるのがよい。
さて、いま、z軸を中心として±50°の範囲を、△θ=10°として、10°刻みで撮影するものとする。この場合には、光源2の角度を変更してカメラ3で撮影する操作を11回繰り返せばよいことになる。そして、これにより、θ=50°における画像、θ=40°における画像、θ=30°における画像、θ=20°における画像、θ=10°における画像、θ=0 °における画像、θ=−10°における画像、θ=−20°における画像、θ=−30°における画像、θ=−40°における画像、θ=−50°における画像の計11枚の画像が撮影されることになる。
処理装置4は、この11枚の画像のR,G,B毎の輝度データを取り込み、それぞれの画像が撮影されたときの光源2の角度と対応させて登録する。そして、処理装置4は、撮影された木材1の画像のそれぞれの画素位置における繊維潜り角を求める処理を行うのであるが、その処理は次のようである。
処理装置4は、一つの画素位置に着目して、撮影した11枚の画像の当該画素位置における色度を求め、それらの色度が、光源2の発光色である白にどれだけ近いか、即ち、画素の色度と光源2の発光色である白との色度差を求める。
この色度差を求める手法としては適宜な手法を採用することができる。例えば、RGB表色系を用いて行う場合には次のような処理を行えばよい。まず、画素の色がRGB表色系においてどのような位置にあるかを求める。ここでは図4のCで示す位置にあるものとすると、白Wの位置からCの位置を通る直線を引き、この直線が当該表色系の3角形の辺と交わる位置をPとする。そして、白Wの位置とPの位置との距離WPに対する、白Wの位置と当該画素の色Cの位置との距離WCの比WC/WPを求める。そうすると、この比WC/WPの値が小さいほど白Wに近いことになり、このWC/WPの値を色度差として用いればよい。
このような処理によって、処理装置4は、当該着目画素位置について11個の色度差データを得る。いま、この11個の色度差データが図5(a)の黒点で示すようであったとする。次に、処理装置4は、これらの11個の色度差値の間を滑らかに補間する。補間の手法としては、例えばスプライン関数を用いればよい。スプライン関数によって図5(a)の黒点で示すような離散的に分布する色度差値を補間すれば、図5(b)に示すように、図中黒点で示す色度差値を通る曲線で補間できるので望ましいものである。
そして、処理装置4は、上記の補間を行う際に、所定の角度刻みで色度差値を求める。このときの刻み角度は小さい方が望ましい。いま、1 °刻みで色度差値を求めるものとすると、この場合には実際に撮影された画像の当該画素位置について求められた11個の色度差値と、補間された1 °刻みの角度における90個の色度差値の計 101個の色度差値が得られる。そして、処理装置4は、これらの色度差値の中で最小の色度差値をとる照明角度を求め、その照明角度の半分の角度を当該画素位置における繊維潜り角ξとし、当該繊維潜り角ξを当該画素位置に登録する。例えば、図5(b)においては、最小輝度値CMIN となる角度はθCMINであるので、当該画素位置における繊維潜り角ξはθCMIN/2 となる。
繊維潜り角ξをこのように定めることの妥当性は明らかである。即ち、例えば、いま、図3に示すように、木材1の繊維イの一部が図のAに示す位置で表面に現れているとし、Aの位置における繊維イに対する垂線がロで示すようであるとすると、繊維イの繊維潜り角ξと、光源2からの照明の角度と、カメラ3で撮影される方向が図3に示す関係になるときにAで示す位置からカメラ3の方向に対する鏡面反射光の強度が最大となり、鏡面反射光強度が最大であるときには、その鏡面反射光に含まれる光源2の発光色である白の成分が最大となる。そして、このとき、Aの位置における繊維潜り角ξを、角度の符号も含めてθとするのである。
そして、このシステムにおいては、現在着目している画素位置について、実際に撮影された照明角度と色度差値との関係から、補間によって、例えば 1°刻みの照明角度における色度差値を求め、最小色度差値をとる照明角度の 1/2 の角度を当該画素位置における繊維潜り角とするのである。つまり、例えば、図3のAの位置の画素に着目した場合、図3に示すような位置関係で画像が撮影されることは必ずしも無いが、実際に撮影された照明角度と色度差値との関係から、補間によって図3に示すような照明角度を求め、その照明角度を 1/2 して当該Aの位置における繊維潜り角を求めるのである。
そして、処理装置4は、以上の処理を、撮影した画像の全ての画素位置について行う。これによって、カメラ3で撮影された画像の全ての画素位置について繊維潜り角ξを求めることができ、各画素位置に対して繊維潜り角が登録された2次元のスカラ場を生成することができる。
このようにして得られた、各画素位置に対して繊維潜り角が登録された2次元スカラ場を用いて万線パターンを作成し、その万線パターンを用いてエンボス加工を行えば、天然の木材の表面が発現するような照り、及び照りの移動を表現することができる。
以上のように、上述した繊維潜り角測定方法及びそのシステムによれば、天然の木材から直接に、当該天然木材の各位置における繊維潜り角を測定することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上述した第2の実施形態において、画素の色が白からどれだけずれているかを判断する手法としては上述した手法に限らず、例えば、RGB表色系からL***表色系に変換して当該画素の色が白からどれだけずれているかを判断するようにしてもよく、その他の表色系を用いてもよいものである。
また、上記の実施形態では、スプライン関数を用いて補間を行うものとしたが、ベジエ関数を用いて補間を行ってもよい。
本発明に係る繊維潜り角測定システムの実施形態を示す図である。 第1の実施形態において繊維潜り角を求めるための処理を説明するための図である。 図2に示す手法により繊維潜り角ξを決定することの妥当性、及び図5に示す手法により繊維潜り角ξを決定することの妥当性を説明するための図である。 ある色度の色度差を求める手法の例を説明するための図である。 第2の実施形態において繊維潜り角を求めるための処理を説明するための図である。 万線パターンがエンドレス加工されたシートの表面に形成された万線条溝Gの構造を示す斜視図である。 一般的な材木板における繊維方向ベクトルF→と光線方向ベクトルL→との関係を示す側断面図である。 一般的な材木板におけるベクトル交錯角φ(繊維潜り角ξ)と鏡面反射光強度Wとの関係を示すグラフである。
符号の説明
1…天然木材、2…光源、3…カメラ、4…処理装置。

Claims (2)

  1. 天然木材に正対して画像撮影が可能なカメラを固定して配置した状態で、
    光源を、2軸が当該天然木材の表面上に定められた3次元直交座標系の当該天然木材の表面上の1軸と、当該天然木材の表面に直交する1軸とで構成される平面内を、前記3次元直交座標系の原点からの距離を等しく保ったまま、どの位置でも前記3次元直交座標系の原点に向けて光線を放射するようにして、所定の角度ずつ変えながら前記カメラにより当該天然木材の画像を撮影し、その撮影した画像の各画素位置について、実際の撮影時の光源の角度及び実際に撮影して得られた輝度値に基づいて、前記光源の角度を変更する所定の角度より小さい所定の角度毎の輝度値を補間して求め、それらの全ての輝度値の中で最大輝度を与える光源の角度を求め、その光源の角度の半分の角度をその画素位置における繊維潜り角と定めることを特徴とする繊維潜り角測定方法。
  2. 天然木材と、
    天然木材を照明する光源と、
    天然木材に正対して固定的に配置された画像撮影が可能なカメラと、
    処理装置と
    を備え、
    前記カメラでは、前記光源を、2軸が当該天然木材の表面上に定められた3次元直交座標系の当該天然木材の表面上の1軸と、当該天然木材の表面に直交する1軸とで構成される平面内を、前記3次元直交座標系の原点からの距離を等しく保ったまま、どの位置でも前記3次元直交座標系の原点に向けて光線を放射するようにして、所定の角度ずつ変えながら当該天然木材の画像を撮影し、
    前記処理装置は、前記カメラで撮影した画像の各画素位置について、実際の撮影時の光源の角度及び実際に撮影して得られた輝度値に基づいて、前記光源の角度を変更する所定の角度より小さい所定の角度毎の輝度値を補間して求め、それらの全ての輝度値の中で最大輝度を与える光源の角度を求め、その光源の角度の半分の角度をその画素位置における繊維潜り角と定める処理を行う
    ことを特徴とする繊維潜り角測定システム。
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