JPH11269789A - 繊維配向計の信号正規化装置 - Google Patents

繊維配向計の信号正規化装置

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JPH11269789A
JPH11269789A JP10071745A JP7174598A JPH11269789A JP H11269789 A JPH11269789 A JP H11269789A JP 10071745 A JP10071745 A JP 10071745A JP 7174598 A JP7174598 A JP 7174598A JP H11269789 A JPH11269789 A JP H11269789A
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和彦 福岡
Akio Hatano
昭夫 畑野
Seiichi Endo
誠一 遠藤
Yuji Abe
裕司 阿部
Kenji Isozaki
健二 磯崎
Tetsuhito Nikami
鉄人 仁神
Yoshihiko Ohigata
祐彦 大日方
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 受光素子の特性にバラツキがあっても、これ
を補償して正確な配向方向の得られる繊維配向計の信号
正規化装置を提供すること。 【解決手段】 被測定対象となる紙に対してほぼ鉛直に
設置されたLEDやレーザー等の光源10と、この光源
を中心として同一角度反射面に複数個設けられた受光素
子20とを具備し、この光源から照射された光が紙に散
乱反射されて当該受光素子に検出され、この受光素子で
測定された反射光の強度分布の方向性から紙の配向方向
を定める繊維配向計において、黒色と白色の標準板30
を用いて前記受光素子の特性のバラツキを調べ、この特
性のバラツキを補償する正規化演算を行って、試料に対
する配向方向の演算をすることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙の繊維配向を光
学的に非接触測定する繊維配向計に関し、特に紙からの
反射光を受光する受光素子の器差を補償する改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】繊維配向計は、例えば特開平4−579
83号公報に開示されているように、紙の繊維方向が紙
の流れ方向MD及び紙幅方向CDに対してどの程度傾斜
しているか測定する装置である。図8は、紙やウェブ上
での光スポットの説明図で、縦軸は紙の流れ方向MD、
横軸は紙幅方向CDとなっている。断面円形のレーザー
光が紙やウェブに照射され、楕円状の反射光が現れる。
これは、レーザー光をスリットを用いて帯光とし、測定
光の強度との相関関係から、紙による反射の際の繊維方
向と光軸方向が直交となった時が最も反射率が低く、平
行する時が最も反射率が高くなる為である。従って、反
射率が最も高くなる方向が繊維の配向方向となってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図9は、元信号と出力
信号との関係を説明する対比図である。元信号は配向の
ある反射強度を模したもので、EW方向に配向強度が存
在している。これに対して、受光素子の特性のバラツキ
の影響を受ける出力信号は歪みが大きく、例えば個々の
受光素子の感度補正をしない場合には、20度程度配向
角度が傾いて測定されるという課題があった。
【0004】そこで、元信号の分布を反映させるために
電気回路を用いて補償を行うことができるが、受光素子
間のバラツキを精度良くなくすのは大変である。また、
例え精度良く合わせたとしても、受光素子を含めた電気
回路の経時変化等により再調整を行わなければならず、
大変面倒になるという課題があった。
【0005】本発明は上述の課題を解決したもので、受
光素子の特性にバラツキがあっても、これを補償して正
確な配向方向の得られる繊維配向計の信号正規化装置を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する請
求項1記載の繊維配向計の信号正規化装置は、被測定対
象となる紙に対してほぼ鉛直に設置されたLEDやレー
ザー等の光源10と、この光源を中心として同一角度反
射面に複数個設けられた受光素子20とを具備し、この
光源から照射された光が紙に散乱反射されて当該受光素
子に検出され、この受光素子で測定された反射光の強度
分布の方向性から紙の配向方向を定める繊維配向計にお
いて、黒色と白色の標準板30を用いて前記受光素子の
特性のバラツキを調べ、この特性のバラツキを補償する
正規化演算を行って、試料に対する配向方向の演算をす
ることを特徴としている。
【0007】本発明の請求項1記載の構成によれば、黒
色と白色の標準板30を用いて受光素子の特性のバラツ
キを調べ、この特性のバラツキを補償する正規化演算を
行っているので、試料に対する配向方向に受光素子の特
性のバラツキの影響が現れない。そこで、正しい配向方
向が得られるという効果がある。
【0008】請求項2のように、正規化演算は、あるチ
ャンネル(i)の受光素子における白色標準板測定時の
出力値(Bi)と黒色標準板測定時の出力値(Di)と
を用いて、試料に対する当該チャンネルの受光素子の出
力値(Vi)を、 V'i=(Vi−Di)x(Bα−Dα)/(Bi−D
i) (ここで、αは基準となるチャンネル、Bαは基準チャ
ンネルの白色標準板測定時の出力値、Dαは基準チャン
ネルの黒色標準板測定時の出力値)によって正規化出力
値(V'i)にするとよい。これにより、受光素子の特性
のバラツキを除去する具体的な式が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下図面を用いて、本発明を説明
する。図1は本発明の一実施例を示す構成斜視図であ
る。図において、光源10は、被測定対象となる紙に対
してほぼ鉛直に設置されたLEDやレーザー等で、図示
しないレンズを用いて光源10から放射される光を紙や
標準板の位置に集光する。
【0010】受光素子20は、光源10を中心として例
えば8〜12個の複数個設けられた受光ダイオードで、
紙や標準板からの反射光を受光する。尚、レーザー10
とレンズの構成に代えて、LEDを複数設置すると共に
散乱板を用いても、この受光素子20に適する照射光と
なる。
【0011】標準板30は、白色や黒色のもので、配向
性のない光学研磨された平坦なものである。白色標準板
は、紙とほぼ同光量の反射強度を有しており、黒色標準
板は反射光がゼロであり、データ収集部40の回路上の
電気的オフセット相当の反射強度を有している。データ
収集部40は、受光素子20の出力信号を各チャンネル
毎に収集する。
【0012】このように構成された装置の正規化演算に
ついて説明する。図2は、正規化演算の手順を示す流れ
図である。まず、白色標準板に対する受光素子のデータ
を各チャンネル毎に取得する(S2)。次に、黒色標準
板に対する受光素子のデータを各チャンネル毎に取得す
る(S4)。そして、本来の測定対象であるターゲット
サンプルに対する受光素子のデータを各チャンネル毎に
取得する(S6)。そして、白黒標準板による正規化演
算を行う(S8)。そして、ターゲットサンプルに対す
る配向演算を行う(S10)。最後に、配向角、配向指
数の表示を行う(S12)。
【0013】図3は、繊維配向計の受光素子の配置と特
性を説明する図で、第1欄は素子の番号、第2欄はゼ
ロ、第3欄はスパン、第4欄は放射軸に対する角度、第
5欄は元信号、第6欄は出力信号、第7欄は黒色標準
板、第8欄は白色標準板信号、第9欄は正規化した値で
ある。ここでは受光素子としてNo.1〜No.8の8個が
存在し、放射軸に対して45度の間隔で配置されてい
る。
【0014】受光素子の特性は、ゼロ点に対する出力信
号であるゼロと、出力信号の比例定数を示すスパンで表
される。元信号は配向のある反射強度を模したもので、
受光素子の出力信号との関係が次式で表される。 [黒色標準板の出力信号]=[元信号+素子ゼロ]x[素子スパン] (1)
【0015】黒色標準板は、受光素子に入射する反射光
をゼロとするもので、受光素子の出力信号との関係が次
式で表される。 [出力信号]=[素子ゼロ]x[素子スパン] (2) 白色標準板は、受光素子に入射する反射光が元信号に相
当するもので、受光素子の出力信号との関係が次式で表
される。 [白色標準板の出力信号]=[元信号平均値+素子ゼロ]x[素子スパン] (3)
【0016】元信号平均値とは、1〜8chの元信号を
平均したものである。正規化値は、次に説明する正規化
の式を用いて、出力信号を修正したものである。基準c
hにはNo.1を使用している。各受光素子の特性のば
らつきにも拘らず、元信号に相似の図形が得られてお
り、配向方向も元信号とほぼ等しい。
【0017】図4は正規化演算の結果を説明する対比図
である。出力信号は、白色標準板の信号とほぼ相似であ
り、各受光素子の特性のバラツキの影響が現れている。
これに対して、正規化信号では、元信号に相似の図形が
得られており、配向方向も元信号とほぼ等しい。
【0018】次に、正規化演算の内容について説明す
る。第iチャンネルの受光素子における白色標準板測定
時の出力値Biと黒色標準板測定時の出力値Diとを予
め測定し、試料に対する第iチャンネルの受光素子の出
力値Viに対する正規化出力値V'iを次の式により演算
する。 V'i=(Vi−Di)x(Bα−Dα)/(Bi−Di) (4) ここで、αは基準となるチャンネル、Bαは基準チャン
ネルの白色標準板測定時の出力値、Dαは基準チャンネ
ルの黒色標準板測定時の出力値である。
【0019】或いは、式(4)を次のように変形すること
もできる。 V'i=ai+bi*Vi (5) ここで、aiは正規化係数で、基準チャンネルαについ
ては−Dαとし、その他のチャンネルiについては−D
i*biとする。biも正規化係数で、基準チャンネルαに
ついては1とし、その他のチャンネルiについては次に
よる。 bi=(Bα−Dα)/(Bi−Di) (6) 尚、総チャンネル数は受光素子の数と同じ8個や12個
に定める。
【0020】続いて、白色標準板と黒色標準板の材質に
ついて説明する。もし標準板の表面に方向性がある無数
の細かい傷の様なものがあると、精度良く各受光素子の
特性のバラツキの影響を除去できない。そこで、無配向
の標準板の材質として適切なものを選択する必要があ
る。
【0021】図5は、標準板における反射特性の説明図
で、(A)は表側、(B)は裏側になっている。サンプ
ル角度を0−360度とすると、光軸に対して試料が傾
いて取り付けられた場合には、360度の正弦波が現れ
る。これに対して、180度の正弦波が現れるときは、
試料に存在する配向の影響を表したものである。表側で
は、光学研磨の結果配向を表す180度の成分は殆ど現
れていない。裏側では、配向の影響が現れているもの
の、反射に用いるものではないから差し支えない。ここ
では、標準板の材質がアルミナ白板で、スポット径とし
て10mmΦ、反射角として50度の場合を測定してい
る。
【0022】図6は、オパール硝子における反射特性の
説明図で、(A)は表側、(B)は裏側になっている。
表側では、光学研磨の結果配向を表す180度の成分は
殆ど現れていないと共に、反射光強度の均一性が良好で
ある。裏側では、光軸に対して試料が傾いて取り付けら
れた影響と配向の影響が重畳して現れているものの、反
射に用いるものではないから差し支えない。従って、標
準板の材質として最も好ましい。オパール硝子は、ビト
ロライト板や白ピトロとも呼ばれている。ここでは、ス
ポット径として10mmΦ、反射角として50度の場合
を示している。
【0023】図7は、焼結セラミックにおける反射特性
の説明図で、(A)は表側、(B)は裏側になってい
る。表側では、光学研磨をしたものの配向を表す180
度の成分が現れていると共に、反射光強度のバラツキが
大きい。裏側では、光軸の傾きの影響が現れているもの
の、反射に用いるものではないから差し支えない。従っ
て、オパール硝子に対する比較例となっている。ここで
は、スポット径として10mmΦ、反射角として50度
の場合を示している。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の繊維
配向計によれば、黒色と白色の標準板30を用いて受光
素子の特性のバラツキを調べ、この特性のバラツキを補
償する正規化演算を行っているので、試料に対する配向
方向に受光素子の特性のバラツキの影響が現れない。そ
こで、正しい配向方向が得られるという効果がある。
【0025】請求項2記載の繊維配向計によれば、正規
化演算は、あるチャンネルiの受光素子における白色標
準板測定時の出力値Biと黒色標準板測定時の出力値D
iとを用いて、試料に対する当該チャンネルの受光素子
の出力値Viを所定の演算によって正規化出力値V'iと
しているので、具体的な演算内容が把握できる。請求項
3のように、標準板の材質として反射光強度の均一性が
高い、オパール硝子を選択するとよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成斜視図である。
【図2】正規化演算の手順を示す流れ図である。
【図3】繊維配向計の受光素子の配置と特性を説明する
図である。
【図4】正規化演算の結果を説明する対比図である。
【図5】標準板における反射特性の説明図である。
【図6】オパール硝子における反射特性の説明図であ
る。
【図7】焼結セラミックにおける反射特性の説明図であ
る。
【図8】紙やウェブ上での光スポットの説明図である。
【図9】元信号と出力信号との関係を説明する対比図で
ある。
【符号の説明】
10 光源 20 受光素子 30 標準板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 誠一 北海道旭川市パルプ町505番地の1 日本 製紙株式会社旭川工場内 (72)発明者 阿部 裕司 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社中央研究所内 (72)発明者 磯崎 健二 東京都武蔵野市中町2丁目9番32号 横河 電機株式会社内 (72)発明者 仁神 鉄人 東京都武蔵野市中町2丁目9番32号 横河 電機株式会社内 (72)発明者 大日方 祐彦 東京都武蔵野市中町2丁目9番32号 横河 電機株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定対象となる紙に対してほぼ鉛直に設
    置されたLEDやレーザー等の光源(10)と、この光
    源を中心として同一角度反射面に複数個設けられた受光
    素子(20)とを具備し、この光源から照射された光が
    紙に散乱反射されて当該受光素子に検出され、この受光
    素子で測定された反射光の強度分布の方向性から紙の配
    向方向を定める繊維配向計において、 黒色と白色の標準板(30)を用いて前記受光素子の特
    性のバラツキを調べ、この特性のバラツキを補償する正
    規化演算を行って、試料に対する配向方向の演算をする
    ことを特徴とする繊維配向計の信号正規化装置。
  2. 【請求項2】前記正規化演算は、あるチャンネル(i)
    の受光素子における白色標準板測定時の出力値(Bi)
    と黒色標準板測定時の出力値(Di)とを用いて、試料
    に対する当該チャンネルの受光素子の出力値(Vi)
    を、 V'i=(Vi−Di)x(Bα−Dα)/(Bi−D
    i) (ここで、αは基準となるチャンネル、Bαは基準チャ
    ンネルの白色標準板測定時の出力値、Dαは基準チャン
    ネルの黒色標準板測定時の出力値)によって正規化出力
    値(V'i)にすることを特徴とする請求項1記載の繊維
    配向計の信号正規化装置。
  3. 【請求項3】前記黒色と白色の標準板は、オパールガラ
    ス製であって、表面を光学研磨して無配向性としたこと
    を特徴とする請求項1記載の繊維配向計の信号正規化装
    置。
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