JP2002070633A - 内燃機関の筒内充填空気量推定装置 - Google Patents

内燃機関の筒内充填空気量推定装置

Info

Publication number
JP2002070633A
JP2002070633A JP2000268361A JP2000268361A JP2002070633A JP 2002070633 A JP2002070633 A JP 2002070633A JP 2000268361 A JP2000268361 A JP 2000268361A JP 2000268361 A JP2000268361 A JP 2000268361A JP 2002070633 A JP2002070633 A JP 2002070633A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intake
amount
air
air flow
intake pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000268361A
Other languages
English (en)
Inventor
Masateru Nishiyama
征輝 西山
Katsuhiko Kawai
勝彦 川合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2000268361A priority Critical patent/JP2002070633A/ja
Publication of JP2002070633A publication Critical patent/JP2002070633A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 充填効率を用いずに筒内充填空気量を精度良
く推定できるようにする。 【解決手段】 筒内充填空気量Me を算出する吸気系モ
デルは、スロットルバルブ15からエンジン11の吸気
口までの吸気通路を流れる吸入空気に対し、質量保存の
法則と気体の状態方程式を適用して導き出したものであ
る。 吸気系モデル式:Me =Mth−V/RT・dP/dt ここで、Me は筒内充填空気量、Vはスロットルバルブ
15下流側の吸気通路の内容積、Rは気体定数、Tは吸
気温度、dP/dtは吸気圧力変化量である。吸気圧力
センサ18の検出値に重畳するノイズ(吸気脈動波形)
の影響を排除するために、吸気圧力変化量(dP/d
t)として、吸気圧力センサ18の検出値とその検出値
のなまし値との偏差(つまり疑似微分値)を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸入空気流量と吸
気圧力の両方を検出して筒内充填空気量を推定する内燃
機関の筒内充填空気量推定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、筒内充填空気量を推定する方法
は、吸入空気流量をエアフロメータで検出して、その検
出値から筒内充填空気量を推定する方式(以下「吸入空
気流量検出方式」という)と、吸気圧力を吸気圧力セン
サで検出して、その検出値から筒内充填空気量を推定す
る方式(以下「吸気圧力検出方式」という)とに大別さ
れる。吸入空気流量検出方式は、定常時に吸入空気流量
=筒内充填空気量となるため、定常時の筒内充填空気量
の推定精度が良いという利点があるが、過度時には筒内
充填空気量の変化が吸気管の上流部に設置されたエアフ
ロメータの出力の変化として現れるまでに暫く時間がか
かり、過渡時の応答性が悪いという欠点がある。これに
対し、吸気圧力検出方式は、吸入空気流量検出方式と比
較して過渡時の応答性が良いという特長がある。筒内充
填空気量の変化に伴う圧力変化が吸気圧力センサ付近
(サージタンク)まで伝搬する時間は、筒内充填空気量
の変化が吸気管上流部のエアフロメータ付近の吸入空気
流量を変化させるまでの時間と比較してかなり短いため
である。
【0003】そこで、近年、吸入空気流量検出方式と吸
気圧力検出方式の両方式の長所を併せ持つ2センサ併用
方式が開発されている。この2センサ併用方式は、エア
フロメータと吸気圧力センサの両方を設置して、定常時
には、エアフロメータで検出した吸入空気流量から筒内
充填空気量を推定し、過渡時には、吸気圧力センサで検
出した吸気圧力から次式により筒内充填空気量を演算す
るようにしている。
【0004】Me =η・Ne・V・P/(2・R・T) ここで、Me :筒内充填空気量 η:充填効率 Ne:エンジン回転速度 V:吸気マニホールド内容積 P:吸気圧力(吸気圧力センサの検出値) R:気体定数 T:吸入空気の温度 この場合、充填効率ηは、エンジン回転速度Neと吸気
圧力Pとをパラメータとする二次元マップにより算出さ
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の2
センサ併用方式では、過渡時の筒内充填空気量Me を算
出する式に充填効率ηが含まれているため、充填効率η
をエンジン回転速度Neと吸気圧力Pとをパラメータと
する二次元マップにより算出する必要がある。このた
め、充填効率ηを精度良く算出しようとすると、二次元
マップ作成のための適合工数が増加したり、この二次元
マップを記憶するためにメモリ容量を拡張する必要あ
る。特に、吸気側/排気側の両方に可変バルブタイミン
グシステムを搭載したエンジンでは、充填効率ηが吸気
/排気バルブタイミングによっても変化するため、充填
効率ηをエンジン回転速度Neと吸気圧力Pと吸気/排
気バルブタイミングとをパラメータとする4次元マップ
により算出する必要があり、4次元マップ作成のための
適合工数やメモリ容量が非常に膨大になり、かなりのコ
ストアップになるという欠点がある。
【0006】しかも、上記従来の2センサ併用方式で
は、定常時と過渡時で吸入空気流量検出方式と吸気圧力
検出方式とを切り換えるため、定常時と過渡時との境界
で筒内充填空気量の演算値が不連続となるおそれがあ
り、それ故に、筒内充填空気量の演算値が不連続となら
ないように調整する必要がある。
【0007】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、充填効率を用いずに
筒内充填空気量を精度良く推定することができ、適合工
数やメモリ容量を大幅に少なくしながら筒内充填空気量
の推定精度を向上でき、しかも、定常時と過渡時との境
界で筒内充填空気量の演算値を確実に連続させることが
できる内燃機関の筒内充填空気量推定装置を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の内燃機関の筒内充填空気量推定
装置は、内燃機関の吸気通路を流れる吸入空気の流量を
検出する吸入空気流量検出手段と、吸気圧力を検出する
吸気圧力検出手段とを備えたものにおいて、スロットル
バルブを通過した吸入空気が筒内に流入するまでの吸入
空気の挙動を模擬した吸気系モデルを用い、吸入空気流
量検出手段で検出した吸入空気流量に基づいて吸気系モ
デル内に流入する空気流量を求めると共に、吸気圧力検
出手段で検出した吸気圧力の変化量に基づいて該吸気系
モデル内の空気質量の変化量を演算し、該吸気系モデル
内に流入する空気流量と該吸気系モデル内の空気質量の
変化量とから筒内に流入する筒内充填空気量を演算す
る。これにより、充填効率を用いずに筒内充填空気量を
推定することが可能となり、適合工数やメモリ容量を大
幅に少なくすることができる。
【0009】この場合、吸気圧力の変化量に基づいて吸
気系モデル内の空気質量の変化量を演算する際に、該吸
気圧力の変化量として、吸気圧力検出手段の検出値の時
間微分値を用いることが考えられるが、吸気圧力検出手
段の検出値にはノイズとなる吸気脈動波形が重畳してい
るため、吸気圧力検出手段の検出値の時間微分値を用い
ると、ノイズ波形(吸気脈動波形)の時間微分値を用い
ることになってしまい、吸気圧力の変化量の演算精度が
悪化する。
【0010】そこで、請求項1では、吸気圧力の変化量
に基づいて吸気系モデル内の空気質量の変化量を演算す
る際に、該吸気圧力の変化量として、吸気圧力検出手段
の検出値とその検出値のなまし値との偏差(つまり疑似
微分値)を用いる。この疑似微分により、ノイズ成分
(吸気脈動波形)の影響をほとんど受けることなく、吸
気圧力の変化量を精度良く演算することができ、その結
果、筒内充填空気量を精度良く推定することができる。
しかも、定常時と過渡時で同じ吸気系モデルを用いて筒
内充填空気量を演算するため、定常時と過渡時との境界
で筒内充填空気量の演算値を確実に連続させることがで
きる。
【0011】この場合、請求項2のように、吸入空気流
量検出手段として、熱式エアフロメータを用いると良
い。熱式エアフロメータは、吸入空気の質量流量に対応
した出力を得ることができるので、ベーン式やカルマン
渦式のエアフロメータに比べて空気の密度(温度、圧
力)による影響がなく、空気の密度による補正が不要で
あると共に、可動部分が無く、小型(低圧力損失)、低
コストである等の利点を有する。
【0012】しかし、熱式エアフロメータは、吸入空気
で冷やされる熱線等の放熱量に応じて出力が変化する構
造であるため、吸入空気流量の変化が熱線等の放熱量の
変化を引き起こしてそれが出力変化として現れるまでに
応答遅れが発生し、この熱式エアフロメータの応答遅れ
が吸気圧力検出手段の応答遅れよりもかなり大きいた
め、両者の応答遅れの差が大きくなり、これが筒内充填
空気量の演算精度を低下させる原因となる。
【0013】そこで、請求項3のように、吸気系モデル
には、吸入空気流量検出手段と吸気圧力検出手段との応
答性の差を補正する調整定数として、吸入空気流量検出
手段の時定数と吸気圧力検出手段の時定数とを組み込む
ようにすると良い。このようにすれば、吸入空気流量検
出手段と吸気圧力検出手段との応答性の差を補正するこ
とができ、応答性とノイズ除去とを両立させた精度の良
い筒内充填空気量の演算が可能となる。
【0014】この場合、請求項4のように、吸気系モデ
ルとして次式を用いれば良い。
【0015】
【数2】
【0016】この式は、後述するように、質量保存の法
則と気体の状態方程式から導き出されたものである。こ
こで、吸気系モデル内に流入する空気流量Mthは、スロ
ットルバルブを通過する吸入空気の流量であり、吸入空
気流量検出手段は、スロットルバルブよりも上流側で吸
入空気流量を検出するため、吸気系モデル内に流入する
空気流量Mthは、吸入空気流量検出手段の検出値を位相
進み処理することで求められる。上式は、吸気系モデル
内に流入する空気流量Mthを吸気圧力検出手段の時定数
(1/α1 )でなまし処理(一次遅れ処理)すると共
に、吸気圧力検出手段の検出値Pを吸入空気流量検出手
段の時定数(1/α2 )でなまし処理することで、吸入
空気流量検出手段と吸気圧力検出手段との応答性の差を
補正するものである。これにより、充填効率を用いず
に、応答性とノイズ除去とを両立させた精度の良い筒内
充填空気量Me の演算が可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を吸気/排気可変バ
ルブタイミングシステム付きのエンジンに適用した一実
施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】まず、図1に基づいてエンジン制御システ
ム全体の概略構成を説明する。内燃機関であるエンジン
11の吸気管12(吸気通路)の最上流部には、エアク
リーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側
には、吸入空気量を検出する熱式エアフロメータ14
(吸入空気流量検出手段)が設けられている。この熱式
エアフロメータ14は、吸入空気の流れの中に配置され
る熱線(図示せず)と吸気温度センサ(図示せず)が内
蔵され、吸入空気で冷やされる熱線の温度と吸気温度と
の温度差を一定に保つように熱線への供給電流が制御さ
れる。これにより、吸入空気流量に応じて変化する熱線
の放熱量に応じて熱線への供給電流が変化し、この供給
電流に応じた電圧信号が吸入空気流量信号として出力さ
れる。この熱式エアフロメータ14の下流側には、スロ
ットルバルブ15とスロットル開度を検出するスロット
ル開度センサ16とが設けられている。
【0019】更に、スロットルバルブ15の下流側に
は、サージタンク17が設けられ、このサージタンク1
7に、吸気圧力Pを検出する吸気圧力センサ18(吸気
圧力検出手段)が設けられている。また、サージタンク
17には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気
マニホールド19が設けられ、各気筒の吸気マニホール
ド19の吸気ポート近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃
料噴射弁20が取り付けられている。エンジン11の吸
気バルブ25と排気バルブ26は、それぞれ可変バルブ
タイミング装置28,29によって駆動され、エンジン
運転状態に応じて吸気/排気バルブタイミングが調整さ
れる。尚、可変バルブタイミング装置28,29は、油
圧駆動式、電磁駆動式のいずれの方式であっても良い。
【0020】一方、エンジン11の排気管21の途中に
は、排出ガスを浄化する三元触媒等の触媒22が設置さ
れている。この触媒22の上流側には、排出ガスの空燃
比(又は酸素濃度)を検出する空燃比センサ(又は酸素
センサ)23が設けられている。また、エンジン11の
シリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温セ
ンサ24や、エンジン回転速度を検出するクランク角セ
ンサ25が取り付けられている。
【0021】これら各種のセンサ出力は、エンジン制御
回路(以下「ECU」と表記する)30に入力される。
このECU30は、マイクロコンピュータを主体として
構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された
図2の筒内充填空気量演算プログラムを実行すること
で、吸気系モデル式により筒内充填空気量を演算する演
算手段としての役割を果たす。
【0022】この吸気系モデルは、スロットルバルブ1
5からエンジン11の吸気口までの吸気通路(以下「ス
ロットル下流吸気通路」という)を流れる吸入空気の挙
動をモデル化したものであり、質量保存の法則と気体の
状態方程式から次のようにして導き出される。スロット
ル下流吸気通路の吸入空気の流れに質量保存の法則を適
用すると、次の(1)式で表される関係が得られる。 ΔMin=Mth−Me ……(1)
【0023】ここで、ΔMinはスロットル下流吸気通路
内の空気質量の変化量(吸気系モデル内の空気質量の変
化量)、Mthはスロットルバルブ通過空気量(吸気系モ
デル内に流入する空気流量)、Me は筒内充填空気量で
ある。ΔMin、Mth、Me はいずれも単位時間当たり
(又はサンプリング間隔)の値である。
【0024】また、スロットル下流吸気通路に気体の状
態方程式を適用すると、次の(2)式で表される関係が
得られる。 ΔMin=V/RT・dP/dt ……(2) ここで、Vはスロットル下流吸気通路の内容積(吸気系
モデルの内容積)、Rは気体定数、Tは吸入空気の温度
(吸気温度)、dP/dtは単位時間当たり(又はサン
プリング間隔)の吸気圧力Pの変化量である。
【0025】上記(1)式と(2)式から次の(3)式
が得られる。 V/RT・dP/dt=Mth−Me ……(3) 従って、筒内充填空気量Me は、上記(3)式を整理し
て求めた次の(4)式によって算出される。 Me =Mth−V/RT・dP/dt ……(4)
【0026】ところで、吸気圧力センサ18で検出する
吸気圧力Pには、ノイズとなる吸気脈動波形が重畳して
いるため、吸気圧力変化量(dP/dt)として、吸気
圧力センサ18の検出値の時間微分値を用いると、ノイ
ズ波形(吸気脈動波形)の時間微分値を用いることにな
ってしまい、吸気圧力変化量(dP/dt)の精度が悪
化する。
【0027】そこで、本実施形態では、吸気圧力変化量
(dP/dt)として、吸気圧力センサ18の検出値と
その検出値のなまし値との偏差(つまり疑似微分値)を
用いる。
【0028】吸気圧力変化量(dP/dt)=吸気圧力
センサ検出値−検出値のなまし値この疑似微分により、
ノイズ成分(吸気脈動波形)の影響をほとんど受けるこ
となく、吸気圧力変化量(dP/dt)を精度良く演算
することが可能となる。
【0029】また、熱式エアフロメータ14は、吸入空
気で冷やされる熱線の放熱量に応じて出力が変化する構
造であるため、吸入空気流量の変化が熱線の放熱量の変
化を引き起こしてそれが出力変化として現れるまでに応
答遅れが発生し、この熱式エアフロメータ14の応答遅
れが吸気圧力センサ18の応答遅れよりもかなり大きい
ため、両者の応答遅れの差が大きくなり、これが筒内充
填空気量Me の演算精度を低下させる原因となる。
【0030】そこで、吸気系モデル式には、熱式エアフ
ロメータ14と吸気圧力センサ18との応答性の差を補
正する調整定数として、熱式エアフロメータ14の時定
数(1/α2 )と吸気圧力センサ18の時定数(1/α
1 )とを組み込む。これにより、次式で表される吸気系
モデル式が得られる。
【0031】
【数3】
【0032】ここで、スロットルバルブ通過空気量Mth
は、スロットルバルブ15を通過する吸入空気の流量で
あり、熱式エアフロメータ14は、スロットルバルブ1
5よりも上流側で吸入空気流量を検出するため、スロッ
トルバルブ通過空気量Mthは、熱式エアフロメータ14
の検出値を位相進み処理することで求められる。上式
は、スロットルバルブ通過空気量Mthを吸気圧力センサ
18の時定数(1/α1)でなまし処理(一次遅れ処
理)すると共に、吸気圧力センサ18の検出値Pを熱式
エアフロメータ14の時定数(1/α2 )でなまし処理
することで、熱式エアフロメータ14と吸気圧力センサ
18との応答性の差を補正するものである。これによ
り、充填効率を用いずに、応答性とノイズ除去とを両立
させた精度の良い筒内充填空気量Me の演算が可能とな
る。
【0033】以上説明した吸気系モデル式を用いて筒内
充填空気量を算出する図2の筒内充填空気量演算プログ
ラムは、所定クランク角毎に繰り返し実行される。本プ
ログラムが起動されると、まずステップ101で、熱式
エアフロメータ14で検出した吸入空気流量、吸気圧力
センサ18で検出した吸気圧力P、熱式エアフロメータ
14内の吸気温度センサで検出した吸気温度Tを読み込
む。この後、ステップ102に進み、熱式エアフロメー
タ14の検出値(吸入空気流量)を位相進み処理するこ
とで、スロットルバルブ通過空気量Mthを求めた後、ス
テップ103に進み、前記吸気系モデル式にスロットル
バルブ通過空気量Mth、吸気温度T、吸気圧力Pを代入
して、筒内充填空気量Me を算出する。
【0034】ECU30は、このようにして算出した筒
内充填空気量Me とエンジン回転速度に応じてマップ等
により基本噴射量を算出し、この基本噴射量に空燃比フ
ィードバック補正係数、水温補正係数等の各種の補正係
数を乗算して最終的な燃料噴射量を求める。
【0035】図3は、吸気バルブタイミングの進角値が
変化した時(過渡時)の筒内充填空気量の演算値の挙動
を示している。従来仕様は、充填効率ηを用いて筒内充
填空気量を演算する際に、充填効率ηをエンジン回転速
度Neと吸気圧力Pとをパラメータとする二次元マップ
により算出するため、吸気バルブタイミング進角値の変
化による充填効率ηの変化が全く考慮されず、過渡時の
筒内充填空気量の演算値が真の値から大きくずれる。従
って、従来仕様で筒内充填空気量の演算精度を高めよう
とすると、充填効率ηをエンジン回転速度Neと吸気圧
力Pと吸気バルブタイミング(と排気バルブタイミン
グ)をパラメータとする3次元マップ(4次元マップ)
により算出する必要があり、そのマップ作成のための適
合工数やメモリ容量が非常に膨大になり、かなりのコス
トアップになるという欠点がある。
【0036】これに対し、本実施形態では、吸気系モデ
ル式で筒内充填空気量を演算することで、充填効率ηを
用いずに筒内充填空気量を演算する。しかも、吸気系モ
デル式の変数となる吸気圧力変化量(dP/dt)とし
て、吸気圧力センサ18の検出値とその検出値のなまし
値との偏差(つまり疑似微分値)を用い、更に、スロッ
トルバルブ通過空気量Mthを吸気圧力センサ18の時定
数(1/α1 )でなまし処理(一次遅れ処理)すると共
に、吸気圧力センサ18の検出値Pを熱式エアフロメー
タ14の時定数(1/α2 )でなまし処理することで、
熱式エアフロメータ14と吸気圧力センサ18との応答
性の差を補正する。これにより、本実施形態では、過渡
時の筒内充填空気量の演算値と真の値とのずれが極めて
小さくなり、過渡時でも、応答性とノイズ除去とを両立
させた精度の良い筒内充填空気量の演算が可能となる。
しかも、充填効率ηを用いないため、適合工数やメモリ
容量を大幅に少なくすることができ、低コスト化の要求
も十分に満たすことができる。
【0037】尚、本発明の適用範囲は、吸気/排気可変
バルブタイミングシステム付きのエンジンに限定され
ず、吸気側(又は排気側)のみを可変バルブタイミング
としたエンジンや、可変バルブタイミングシステムを全
く搭載しないエンジンにも適用でき、また、吸気ポート
噴射エンジンに限定されず、筒内噴射エンジンにも適用
できる。また、エアフロメータ(吸入空気流量検出手
段)も熱式エアフロメータに限定されず、例えば、ベー
ン式やカルマン渦式のエアフロメータを用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すエンジン制御システ
ム全体の概略構成図
【図2】筒内充填空気量演算プログラムの処理の流れを
示すフローチャート
【図3】過渡時の筒内充填空気量の演算値の挙動を説明
するタイムチャート
【符号の説明】
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管(吸気通
路)、14…熱式エアフローメータ(吸入空気流量検出
手段)、15…スロットルバルブ、17…サージタンク
(吸気通路)、18…吸気圧力センサ(吸気圧力検出手
段)、19…吸気マニホールド(吸気通路)、20…燃
料噴射弁、21…排気管、28,29…可変バルブタイ
ミング装置、30…ECU(演算手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 45/00 370 F02D 45/00 370B Fターム(参考) 3G084 BA23 DA25 EA01 EA04 EA11 EB08 EB25 EC04 FA02 FA08 FA09 FA10 FA11 FA20 FA29 FA33 FA38

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の吸気通路を流れる吸入空気の
    流量を検出する吸入空気流量検出手段と、 前記吸気通路内の吸気圧力を検出する吸気圧力検出手段
    と、 スロットルバルブを通過した吸入空気が筒内に流入する
    までの吸入空気の挙動を模擬した吸気系モデルを用い、
    前記吸入空気流量検出手段で検出した吸入空気流量に基
    づいて前記吸気系モデル内に流入する空気流量を求める
    と共に、前記吸気圧力検出手段で検出した吸気圧力の変
    化量に基づいて該吸気系モデル内の空気質量の変化量を
    演算し、該吸気系モデル内に流入する空気流量と該吸気
    系モデル内の空気質量の変化量とから筒内に流入する筒
    内充填空気量を演算する演算手段とを備え、 前記演算手段は、前記吸気圧力の変化量に基づいて前記
    吸気系モデル内の空気質量の変化量を演算する際に、該
    吸気圧力の変化量として、前記吸気圧力検出手段の検出
    値とその検出値のなまし値との偏差を用いることを特徴
    とする内燃機関の筒内充填空気量推定装置。
  2. 【請求項2】 前記吸入空気流量検出手段は、熱式エア
    フロメータであることを特徴とする請求項1に記載の内
    燃機関の筒内充填空気量推定装置。
  3. 【請求項3】 前記吸気系モデルは、前記吸入空気流量
    検出手段と前記吸気圧力検出手段との応答性の差を補正
    する調整定数として、前記吸入空気流量検出手段の時定
    数と前記吸気圧力検出手段の時定数とが組み込まれてい
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の
    筒内充填空気量推定装置。
  4. 【請求項4】 前記吸気系モデルの式は、 【数1】 であることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の筒
    内充填空気量推定装置。
JP2000268361A 2000-08-31 2000-08-31 内燃機関の筒内充填空気量推定装置 Pending JP2002070633A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000268361A JP2002070633A (ja) 2000-08-31 2000-08-31 内燃機関の筒内充填空気量推定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000268361A JP2002070633A (ja) 2000-08-31 2000-08-31 内燃機関の筒内充填空気量推定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002070633A true JP2002070633A (ja) 2002-03-08

Family

ID=18755149

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000268361A Pending JP2002070633A (ja) 2000-08-31 2000-08-31 内燃機関の筒内充填空気量推定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002070633A (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1413730A1 (en) * 2002-10-23 2004-04-28 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Apparatus and method for estimating intake air flow amount of internal combustion engine
WO2005005812A1 (ja) * 2003-07-10 2005-01-20 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha 内燃機関の吸入空気量推定装置
US7003390B2 (en) 2003-09-19 2006-02-21 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device of internal combustion engine
WO2006075788A1 (ja) * 2005-01-13 2006-07-20 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha 内燃機関の制御装置
US7089106B2 (en) 2004-03-05 2006-08-08 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha In-cylinder air amount estimation apparatus for an internal combustion engine and estimation method thereof
WO2006082943A1 (en) * 2005-02-03 2006-08-10 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device for internal combustion engine
JP2006257989A (ja) * 2005-03-17 2006-09-28 Toyota Motor Corp 多気筒内燃機関の制御装置
EP1431546A3 (en) * 2002-12-17 2006-10-04 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Pressure/temperature calculation apparatus
JP2007064119A (ja) * 2005-08-31 2007-03-15 Honda Motor Co Ltd 2次空気を考慮した吸入空気量算出装置
US7270095B2 (en) 2004-12-17 2007-09-18 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Apparatus and method for controlling internal combustion engine
CN100404831C (zh) * 2004-02-18 2008-07-23 日产自动车株式会社 气缸进气量确定装置
CN100465422C (zh) * 2005-01-13 2009-03-04 丰田自动车株式会社 内燃机的控制装置
CN102797579A (zh) * 2011-05-27 2012-11-28 三菱电机株式会社 内燃机的燃料控制装置
KR20190031685A (ko) * 2017-09-18 2019-03-27 현대자동차주식회사 흡기 맥동 보정 방법 및 보정 장치
CN112814795A (zh) * 2019-11-18 2021-05-18 丰田自动车株式会社 发动机控制器和发动机控制方法

Cited By (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6789414B2 (en) 2002-10-23 2004-09-14 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Estimation apparatus of air intake flow for internal combustion engine and estimation method thereof
CN100346067C (zh) * 2002-10-23 2007-10-31 丰田自动车株式会社 内燃机进气量推定装置及其推定方法
EP1413730A1 (en) * 2002-10-23 2004-04-28 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Apparatus and method for estimating intake air flow amount of internal combustion engine
EP1431546A3 (en) * 2002-12-17 2006-10-04 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Pressure/temperature calculation apparatus
JP4577380B2 (ja) * 2003-07-10 2010-11-10 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の吸入空気量推定装置
WO2005005812A1 (ja) * 2003-07-10 2005-01-20 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha 内燃機関の吸入空気量推定装置
JP2008151145A (ja) * 2003-07-10 2008-07-03 Toyota Motor Corp 内燃機関の吸入空気量推定装置
US7003390B2 (en) 2003-09-19 2006-02-21 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device of internal combustion engine
CN100404831C (zh) * 2004-02-18 2008-07-23 日产自动车株式会社 气缸进气量确定装置
US7089106B2 (en) 2004-03-05 2006-08-08 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha In-cylinder air amount estimation apparatus for an internal combustion engine and estimation method thereof
US7270095B2 (en) 2004-12-17 2007-09-18 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Apparatus and method for controlling internal combustion engine
CN100465422C (zh) * 2005-01-13 2009-03-04 丰田自动车株式会社 内燃机的控制装置
WO2006075788A1 (ja) * 2005-01-13 2006-07-20 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha 内燃機関の制御装置
US7373238B2 (en) 2005-01-13 2008-05-13 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control system of internal combustion engine
WO2006082943A1 (en) * 2005-02-03 2006-08-10 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device for internal combustion engine
US7359794B2 (en) 2005-02-03 2008-04-15 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device for internal combustion engine
JP2006257989A (ja) * 2005-03-17 2006-09-28 Toyota Motor Corp 多気筒内燃機関の制御装置
JP4696617B2 (ja) * 2005-03-17 2011-06-08 トヨタ自動車株式会社 多気筒内燃機関の制御装置
JP2007064119A (ja) * 2005-08-31 2007-03-15 Honda Motor Co Ltd 2次空気を考慮した吸入空気量算出装置
JP4489665B2 (ja) * 2005-08-31 2010-06-23 本田技研工業株式会社 2次空気を考慮した吸入空気量算出装置
CN102797579A (zh) * 2011-05-27 2012-11-28 三菱电机株式会社 内燃机的燃料控制装置
JP2012246833A (ja) * 2011-05-27 2012-12-13 Mitsubishi Electric Corp 内燃機関の燃料制御装置
KR20190031685A (ko) * 2017-09-18 2019-03-27 현대자동차주식회사 흡기 맥동 보정 방법 및 보정 장치
KR102274101B1 (ko) 2017-09-18 2021-07-07 현대자동차주식회사 흡기 맥동 보정 방법 및 보정 장치
CN112814795A (zh) * 2019-11-18 2021-05-18 丰田自动车株式会社 发动机控制器和发动机控制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6662640B2 (en) Air amount detector for internal combustion engine
KR100632744B1 (ko) 내연 기관의 흡입 공기량 추정 장치
JP5328967B1 (ja) 内燃機関のシリンダ吸入空気量推定装置
JP5888709B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2002070633A (ja) 内燃機関の筒内充填空気量推定装置
JP2004143994A (ja) 内燃機関の吸気量推定装置
JP2901613B2 (ja) 自動車用エンジンの燃料噴射制御装置
JP3551675B2 (ja) 内燃機関のegr制御装置
JP4174821B2 (ja) 車両用制御装置
JP2001234798A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置および気筒毎流入吸気量推定方法
JP4072860B2 (ja) 内燃機関の吸入空気量検出装置
JP2000320391A (ja) 内燃機関の吸入空気流量検出装置
JP3901068B2 (ja) 内燃機関の筒内吸入空気量推定装置
JP2002309990A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2003314347A (ja) 内燃機関の筒内充填空気量検出装置
CN111316074B (zh) 进气量测量装置和方法
JP2008002833A (ja) 吸気流量補正装置
JP2006125246A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2006138236A (ja) 内燃機関のバルブ開口面積算出装置
JP2009197711A (ja) 内燃機関の空気量推定装置
JP2006090843A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4736403B2 (ja) 内燃機関の流量算出装置
JP2004278359A (ja) 内燃機関の吸入空気量推定装置
JPH0742893B2 (ja) 燃料系の空気量推定制御方法
JP3807366B2 (ja) 内燃機関の排気ガス再循環ガス量推定装置