JP2000320391A - 内燃機関の吸入空気流量検出装置 - Google Patents

内燃機関の吸入空気流量検出装置

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JP2000320391A
JP2000320391A JP11128640A JP12864099A JP2000320391A JP 2000320391 A JP2000320391 A JP 2000320391A JP 11128640 A JP11128640 A JP 11128640A JP 12864099 A JP12864099 A JP 12864099A JP 2000320391 A JP2000320391 A JP 2000320391A
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flow
intake air
air flow
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Satoru Furukawa
悟 古川
Hideki Suzuki
英樹 鈴木
Shingo Kawasaki
新五 川▲崎▼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱式エアフローメータの出力から応答遅れと
逆流成分を補正して吸入空気流量を精度良く検出できる
ようにする。 【解決手段】 バイパス式の熱式エアフローメータの応
答遅れを補償する応答遅れ補償モデルを用いて、熱式エ
アフローメータの出力VG の応答遅れを補償して真のバ
イパス流量を算出する。この後、バイパス流量と主流流
量との関係を模擬した流体運動モデルを用いて、前記真
のバイパス流量を演算処理して主流流量を算出する。こ
の主流流量の脈動波形には、順流の山と逆流の山が別々
に現れる。そこで、所定時間毎に最新の所定クランク角
度範囲の主流流量の脈動波形の極大値と極小値を検出し
て山と谷を判別し、複数の山のうち、極大値が最も大き
い山を順流成分と判定し、順流成分の両側の山を逆流成
分と判定する。この後、主流流量から逆流成分を補正し
て真の吸入空気流量を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸気通路を流れる
吸入空気の一部をバイパス通路に分流させ、そのバイパ
ス流量を熱式流量計で検出することで、吸入空気流量を
検出する内燃機関の吸入空気流量検出装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の吸入空気流量を検出する熱式
流量計は、一般に、熱式エアフローメータと呼ばれ、現
在の車両に広く用いられている。この熱式エアフローメ
ータは、吸入空気の流れの中に熱線(ヒータ)と吸入空
気温度検出用の温度センサを配置し、熱線と吸入空気と
の温度差を一定に保つように熱線への供給電流を制御す
ることで、その供給電流(熱線の放熱量)から吸入空気
流量を検出するようになっている。この熱式エアフロー
メータでは、熱線の耐久性を向上させるために、熱線を
ガラスでコーティングしたものがあるが、この構成で
は、ガラスコーティング層によって熱線から吸入空気へ
の放熱が遅れるため、熱式エアフローメータの出力信号
(吸入空気流量の検出値)に応答遅れが生じる。このた
め、吸入空気流量の脈動の振幅が大きくなると、熱式エ
アフローメータの出力が応答遅れによって実際の吸入空
気流量よりもリーン側の値となってしまう。
【0003】このような応答遅れを補正するため、バイ
パス方式(分流方式)の熱式エアフローメータが実用化
されている。このバイパス方式は、吸気通路に設けたバ
イパス通路に熱線と温度センサを配置し、バイパス流量
を熱線の放熱量で検出する際に、バイパス通路による流
体慣性を利用してバイパス空気の流速を加速側に補正す
ることで、熱線の放熱の遅れによる応答遅れを補償し
て、吸入空気流量の検出精度を向上させるようにしてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、吸気通路内
の空気の流れの方向は、常に順方向とは限らず、例えば
スロットル弁全開時のように、吸入空気の吹き返し現象
によって逆流が発生することがある。しかし、熱式エア
フローメータは、空気の流れの方向を検出できないた
め、逆流が発生しても、熱式エアフローメータの出力信
号は、順流と同じく、流速の絶対値に対応した正の信号
となり、吸入空気流量の検出値が真の吸入空気流量より
も大きくなってしまう欠点がある。
【0005】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、熱式流量計(熱式エ
アフローメータ)の出力から応答遅れと逆流成分を補正
して吸入空気流量を精度良く検出することができる内燃
機関の吸入空気流量検出装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の内燃機関の吸入空気流量検出装
置は、熱式流量計の応答遅れを補償する応答遅れ補償モ
デルを用いて、バイパス流量算出手段により熱式流量計
の出力信号の応答遅れを補償して真のバイパス流量を算
出する。この後、バイパス流量と主流流量との関係を模
擬した流体運動モデルを用いて、主流流量算出手段によ
り前記真のバイパス流量を演算処理して主流流量を算出
する。このようにして算出された主流流量の脈動を表す
波形は、応答遅れが補償され、実際の主流流量の脈動に
追従した波形となるため、算出された主流流量の脈動波
形に順流の山と逆流の山が別々に現れ、順流と逆流の判
別が可能である。そこで、逆流検出手段によって主流流
量の脈動波形から逆流の有無を判定し、逆流有りと判定
した時に、逆流補正手段により主流流量から逆流成分を
補正して真の吸入空気流量を求める。これにより、熱式
流量計の出力から応答遅れと逆流成分を補正して吸入空
気流量を精度良く検出することができる。
【0007】この場合、請求項2のように、応答遅れ補
償モデルは、熱式流量計の応答遅れを一次遅れで模擬し
た一次遅れモデルを逆変換して求めた逆モデルを用いれ
ば良い。つまり、熱式流量計の応答遅れ(熱線の放熱の
遅れ)は一次遅れで近似できるため、この一次遅れモデ
ルを逆変換して求めた逆モデルを用いれば、熱式流量計
の出力信号の応答遅れを精度良く補償することができ
る。
【0008】また、請求項3のように、流体運動モデル
は、バイパス通路の空気の流れの運動方程式と、主流通
路の空気の流れの運動方程式とを両通路の圧力差が同じ
として解いて求めた下記の流体運動方程式を用いると良
い。
【0009】
【数2】
【0010】ここで、損失係数比CS /CB は、定常時
の主流とバイパス流の流速比の2乗で与えられ、予め、
例えば流量と損失係数比CS /CB との関係をマップ化
して記憶しておき、このマップから現在の流量に応じた
S /CB を求めれば良い。また、バイパス通路の損失
係数CB と損失係数の補正係数kC は、予め、例えばエ
ンジン回転数とスロットル開度をパラメータとするマッ
プとして記憶しておき、このマップから現在のエンジン
回転数とスロットル開度に応じたCB とkC を求めれば
良い。上記流体運動方程式を用いれば、バイパス流量か
ら主流流量を精度良く算出することができる。
【0011】また、請求項4のように、所定時間毎に最
新の所定クランク角度範囲の主流流量の脈動波形の山と
谷を検出し、その検出結果に基づいて主流流量の脈動波
形の順流成分と逆流成分を判別すると良い。つまり、主
流流量の脈動波形には、順流成分と逆流成分が別々の山
として現れるため、山の大きさや位置等から順流成分と
逆流成分を判別することができる。しかも、所定時間毎
に順流、逆流を判別するため、順流、逆流の判別タイミ
ングがエンジン回転数によらず一定となり、エンジン回
転数が低い時でも、順流、逆流の判別が遅れることがな
く、吸入空気流量の算出が遅れることがない。
【0012】この場合、請求項5のように、主流流量の
脈動波形の極大値と極小値を検出して山と谷を判別し、
複数の山のうち、極大値が最も大きい山を順流成分と判
定し、順流成分の両側の山を逆流成分と判定すると良
い。つまり、順流の山と逆流の山は交互に現れ、また、
順流の山は逆流の山よりも大きいため、極大値が最も大
きい山は順流成分であり、順流成分の両側の山は逆流成
分となる。このような判別基準を用いれば、順流成分と
逆流成分を簡単に判別することができる。
【0013】ところで、主流流量の脈動波形にノイズが
重畳すると、そのノイズにより小さな山と谷ができるた
め、逆流、順流を誤判定するおそれがある。
【0014】この対策として、請求項6のように、主流
流量の脈動波形の極小値を検出し、この極小値をノイズ
判定値と比較してノイズと谷とを判別すると良い。つま
り、逆流による極小値は脈動波形の最小値に近くなるた
め、極小値がノイズ判定値以上であれば、その極小値を
ノイズと判定することができ、ノイズによる逆流、順流
の誤判定を防止できる。
【0015】また、請求項7のように、所定時間毎に最
新の所定クランク角度範囲の流量を積算する際に、順流
と判定された流量をプラス値、逆流と判定された流量を
マイナス値で積算し、この積算値を前記所定クランク角
度範囲のサンプリング回数で除算して所定クランク角度
範囲の平均吸入空気流量を求めるようにすると良い。こ
れにより、所定時間毎に平均吸入空気流量を簡単且つ高
精度に算出することができる。
【0016】また、請求項8のように、所定クランク角
度範囲を720/気筒数[℃A]とすると良い。このよ
うにすれば、所定クランク角度範囲が吸気行程の長さと
同じになるため、所定クランク角度範囲の主流流量の脈
動波形に順流の山が1個分含まれるようになり、順流と
逆流の判別が容易になる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0018】まず、図1に基づいてエンジン制御システ
ム全体の概略構成を説明する。内燃機関であるエンジン
11の吸気管12(吸気通路)の最上流部には、エアク
リーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側
には、吸入空気量を検出する熱式エアフローメータ14
(熱式流量計)が設けられている。この熱式エアフロー
メータ14の下流側には、スロットルバルブ15とスロ
ットル開度を検出するスロットル開度センサ16とが設
けられている。スロットルバルブ15を通過した吸入空
気は、サージタンク17から各気筒の吸気マニホールド
19を通って各気筒に吸入される。各気筒の吸気ポート
近傍には、燃料を噴射する燃料噴射弁20が取り付けら
れている。
【0019】一方、エンジン11の排気管21の途中に
は、排ガス中の有害成分(CO,HC,NOx等)を低
減させる三元触媒等の触媒22が設置されている。この
触媒22の上流側には、排ガスの空燃比のリッチ/リー
ンを検出する酸素センサ23が設けられている。また、
エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出
する冷却水温センサ24や、エンジン回転数を検出する
クランク角センサ25が取り付けられている。
【0020】これら各種のセンサ出力は、エンジン制御
回路(以下「ECU」と表記する)26に入力される。
このECU26は、マイクロコンピュータを主体として
構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された
エンジン制御プログラムを実行することで、各種センサ
で検出したエンジン運転状態に応じて、燃料噴射弁20
の燃料噴射量や噴射時期を制御すると共に、点火プラグ
28の点火時期を制御する。
【0021】次に、図2に基づいて熱式エアフローメー
タ14の構成を説明する。この熱式エアフローメータ1
4は、吸気管12内を流れる吸入空気を主流通路31と
U字状のバイパス通路32とに分流させるバイパス方式
の熱式エアフローメータであり、バイパス通路32内
に、白金線等の熱線33と吸入空気温度検出用の温度セ
ンサ34が配置されている。熱線33は、セラミックス
ボビン(図示せず)に巻回され、その外周にガラスがコ
ーティングされている。この熱式エアフローメータ14
は、電流制御回路35によって熱線33の温度と温度セ
ンサ34の温度(吸入空気温度)との温度差を一定に保
つように熱線33への供給電流を制御することで、その
供給電流(熱線33の放熱量)から後述する方法で吸入
空気流量を検出するようになっている。
【0022】この熱式エアフローメータ14は、熱線3
3にコーティングされたガラス層によって熱線33から
吸入空気への放熱が遅れるため、熱式エアフローメータ
14の出力信号(流量の検出値)に応答遅れが生じる。
この応答遅れは、次の一次遅れで表される。
【0023】G(s)=1/(1+τs) τ=k・G-m ここで、Gは流量、τは時定数、k、mは定数である。
【0024】熱式エアフローメータ14の出力VG から
吸入空気流量を算出する場合には、図3に示すように、
まず、熱式エアフローメータ14の出力VG の応答遅れ
を応答遅れ補償モデルにより補償して真のバイパス流量
を算出する。この応答遅れ補償モデルは、上記した一次
遅れモデルを逆変換して求めた逆モデルを用いる。本実
施形態では、一次遅れモデルとして、次の(1)式で表
される連続系の一次遅れ式を用いる。
【0025】
【数3】
【0026】ここで、ωは、熱式エアフローメータ14
の出力VG から換算した熱線33の放熱量(以下「補償
前の放熱量」という)、Wは一次遅れを補償した放熱量
(以下「完全放熱量」という)である。
【0027】上記(1)式で表される連続系の一次遅れ
式を離散系で解くために、三角ホールド法で近似する
と、次の(2)式で表される離散系の一次遅れ式が得ら
れる。 ω(i) =a・ω(i-1) +b・W(i) +c・W(i-1) +d ……(2) ω(i) 、W(i) :今回値 ω(i-1) 、W(i-1) :前回値 a=e-T/τ、b=適合値、c=1−a−b、d=適合
値 τ=k・G-m k:定数(例えばk=0.143) m:定数(例えばm=0.75) G:流量 T:サンプリング時間
【0028】この(2)式を、完全放熱量W(i) につい
て解くと、次の(3)式で表される逆モデル式が得られ
る。 W(i) ={ω(i) −a・ω(i-1) −c・W(i-1) −d}/b ……(3) 本実施形態では、例えば、c=0.08、d=0を用い
る。
【0029】この(3)式で表される応答遅れ補償モデ
ル(逆モデル)を用いて、図4のバイパス流量算出プロ
グラムによって熱式エアフローメータ14の出力VG
ら真のバイパス流量GB を算出する。本プログラムは、
ECU26により熱式エアフローメータ14の出力VG
のサンプリング時間T毎(例えば1msec毎)に起動
され、特許請求の範囲でいうバイパス流量算出手段とし
て機能する。本プログラムが起動されると、まず、熱式
エアフローメータ14の出力VG をサンプリングする毎
に、その出力VG をA/D変換する(ステップ10
1)。この後、熱式エアフローメータ14の出力VG
デジタル値(熱線33への供給電流)からマップ又は数
式により補償前の放熱量ω(i) を算出する(ステップ1
02)。
【0030】次に、補償前の放熱量ω(i) からマップ又
は数式により補償前の流量Gを算出し(ステップ10
3)、この補償前の流量Gを用いて時定数τ=k・G-m
を算出する(ステップ104)。この後、前記(3)式
を用いて、完全放熱量W(i) を算出する(ステップ10
5)。この際、前回値ω(i-1) 、W(i-1) は、前回のサ
ンプリング時に算出したω(i) 、W(i) を用いる(ステ
ップ107参照)。
【0031】完全放熱量W(i) の算出後、この完全放熱
量W(i) からマップ又は数式により真のバイパス流量G
B を算出する(ステップ106)。この後、今回値ω
(i) 、W(i) をそれぞれω(i-1) 、W(i-1) として記憶
し、次回のサンプリング時に前回値として用いる(ステ
ップ107)。尚、ステップ102,103,106で
用いるマップ又は数式は、熱式エアフローメータ14の
特性に基づいて予め実験やシミュレーション等によって
設定すれば良い。
【0032】以上のようにして真のバイパス流量GB
算出される毎に、図5の主流流量算出プログラムが起動
され、バイパス流量GB と主流流量GS との関係を模擬
した流体運動モデル(流体運動方程式)を用いて主流流
量GS が算出される。この主流流量算出プログラムは、
特許請求の範囲でいう主流流量算出手段としての役割を
果たす。
【0033】ここで、流体運動モデルについて説明す
る。主流通路31とバイパス通路32の流体運動方程式
は、次のように表される。
【0034】
【数4】
【0035】2つの通路31,32の流体運動方程式
(4),(5)をΔPS =ΔPB として解くと、バイパ
ス流量GB と主流流量GS との関係を表す次式の流体運
動方程式が得られる。
【0036】
【数5】
【0037】この流体運動方程式を用いて、図5の主流
流量算出プログラムにより主流流量GS が次のようにし
て算出される。まず、損失係数比CS /CB を算出する
(ステップ111)。この損失係数比CS /CB は、定
常時の主流とバイパス流の流速比の2乗で与えられ、予
め、例えば流量と損失係数比CS /CB との関係をマッ
プ化して記憶しておき、このマップから現在の流量に応
じたCS /CB を求めれば良い。この後、損失係数の補
正係数kC とバイパス通路の損失係数CB を算出する
(ステップ112)。この損失係数の補正係数kC とバ
イパス通路の損失係数CB は、予め、例えばエンジン回
転数とスロットル開度をパラメータとするマップとして
記憶しておき、このマップから現在のエンジン回転数と
スロットル開度に応じたkC とCB を求めれば良い。
【0038】この後、上記[数5]の流体運動方程式を
用いて主流流量GS を算出し(ステップ113)、更
に、この主流流量GS をECU26のRAM等のメモリ
に時系列的に記憶する(ステップ114)。この主流流
量GS の時系列データ(図6参照)から主流流量GS
脈動波形を認識できるようになっている。
【0039】このようにして求められた主流流量GS
脈動波形には、逆流成分も含まれるため、図6及び図7
に示す逆流検出補正ロジックによって主流流量GS の脈
動波形から逆流成分を検出して補正する。以下、この逆
流検出補正ロジックを説明する。前述したように、図5
の主流流量算出プログラムにより主流流量GS がサンプ
リング時間T毎(例えば1msec毎)に算出され、主
流流量GS の時系列データGS (i) がメモリに記憶され
る。そして、例えば8msec毎に、図7に示す逆流検
出補正プログラムが起動される。この逆流検出補正プロ
グラムが特許請求の範囲でいう逆流検出手段と逆流補正
手段としての役割を果たす。
【0040】この逆流検出補正プログラムでは、まず、
最新の所定クランク角度範囲のサンプリング回数Nを算
出する(ステップ121)。ここで、所定クランク角度
範囲は、吸気行程の長さと同じになるように、720/
気筒数[℃A]に設定される。以下、4気筒エンジンを
例にして、所定クランク角度範囲を180℃Aとして説
明する。
【0041】最新の180℃A間のサンプリング回数N
を算出した後、最新の180℃A間の主流流量GS の脈
動波形の極大値と極小値を検出する(ステップ12
2)。この後、極大値の最大値Gmax を検出し(ステッ
プ123)、更に、脈動波形の最小値Gmin を検出する
(ステップ124)。
【0042】この後、極小値をノイズ判定値と比較して
ノイズと谷とを判別する(ステップ125)。この際、
ノイズ判定値は、極大値の最大値Gmax と脈動波形の最
小値Gmin との差に基づいて次式により算出される。 ノイズ判定値=(Gmax −Gmin )×kj+Gmin ここで、kjは定数で、例えば、kj=0.05とすれ
ば良い。もし、極小値がノイズ判定値以上であれば、ノ
イズと判定し、極小値がノイズ判定値よりも小さけれ
ば、谷と判定する。
【0043】この後、180℃A間の極大値と谷の位置
から山を判別し(ステップ126)、複数の山のうち、
極大値が最も大きい山を順流成分と判定すると共に、順
流成分の両側の山を逆流成分と判定する(ステップ12
7)。図6の例では、180℃A間に3つの山を判別
し、極大値が最も大きい中央の山を順流成分と判定し、
その左右両側の山を逆流成分と判定する。
【0044】この後、順流と判定された主流流量GS
データをプラス値、逆流と判定された主流流量GS のデ
ータをマイナス値として積算し、180℃A間の主流流
量積算値ΣGS を求める(ステップ128)。
【0045】
【数6】
【0046】図6の例では、主流流量GS の時系列デー
タの最新値がGS (1) 、180℃A間の最古値がG
S (N) であり、時系列データGS (i) は、i が大きくな
るほど、古いデータとなっている。
【0047】主流流量積算値ΣGS を算出する場合に
は、まず、主流流量GS の時系列データの最新値G
S (1) が順流か逆流かを判別し、順流の場合は、最新値
S (1) の符号S(1) =+1とし、逆流の場合は、最新
値GS (1) の符号をS(1) =−1とする。これと同じ処
理を、時系列データGS (i) を1個ずつ古いデータに溯
って繰り返し、180℃A間の最新値GS (1) から最古
値GS (N) まで積算する。これにより、180℃A間の
主流流量の時系列データGS (i) を逆流成分を補正しな
がら積算する。
【0048】図6の例では、最新値GS (1) から1個目
の谷を通過するまでは、逆流成分であるので、マイナス
値で積算し、1個目の谷を通過した後は、順流成分であ
るので、プラス値で積算し、2個目の谷を通過した後
は、逆流成分であるので、マイナス値で積算する。
【0049】このようにして、180℃A間の最新値G
S (1) から最古値GS (N) まで、順流、逆流で符号を反
転させて積算した後、この主流流量積算値ΣGS を18
0℃A間のサンプリング回数Nで除算して、180℃A
間の平均吸入空気流量GSAVを求める。このようにして
求められた平均吸入空気流量GSAV は、熱式エアフロー
メータ14の応答遅れと逆流成分が補正されており、従
来と比べて精度の良い平均吸入空気流量GSAV が求めら
れる。
【0050】ところで、逆流成分を検出する方法は、例
えば、主流流量GS の脈動波形の極大値と極小値を検出
し、脈動の振幅比が所定値以上の時に、逆流成分と判別
することが考えられるが、この判定方法は、吸気脈動の
1周期毎でしか判定できないため、低回転域では、判定
が遅れるという問題がある。
【0051】これに対し、本実施形態では、所定時間毎
に最新の所定クランク角度範囲の主流流量の脈動波形の
山と谷を検出し、その検出結果に基づいて主流流量の脈
動波形の順流成分と逆流成分を判別するようにしたの
で、順流、逆流の判別タイミングがエンジン回転数によ
らず一定となり、低回転域でも、順流、逆流の判別が遅
れることがなく、吸入空気流量の算出が遅れることがな
い。
【0052】しかも、本実施形態では、主流流量の脈動
波形の極小値をノイズ判定値と比較してノイズと谷とを
判別するようにしたので、ノイズによる逆流、順流の誤
判定を防止でき、逆流の検出補正の信頼性を向上でき
る。
【0053】尚、本発明は、上述した実施形態に限定さ
れず、熱式エアフローメータ14の構成を適宜変更した
り、応答遅れ補償モデルや流体運動モデルの式を変更し
ても良い等、種々変更して実施できることは言うまでも
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すエンジン制御システ
ムの構成図
【図2】熱式エアフローメータの構成を示す縦断面図
【図3】熱式エアフローメータ14の出力VG から真の
流量を算出するまでの処理方法を説明するブロック図
【図4】バイパス流量算出プログラムの処理の流れを示
すフローチャート
【図5】主流流量算出プログラムの処理の流れを示すフ
ローチャート
【図6】逆流検出補正ロジックの処理内容を説明する図
【図7】逆流検出補正プログラムの処理の流れを示すフ
ローチャート
【符号の説明】
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、14…熱
式エアフローメータ(熱式流量計)、26…ECU(バ
イパス流量算出手段,主流流量算出手段,逆流検出手
段,逆流補正手段)、31…主流通路、32…バイパス
通路、33…熱線、34…温度センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川▲崎▼ 新五 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 2F035 AA02 EA03 EA04 EA07 EA09 3G084 DA05 EA01 EA05 EB13 EB25 EC04 FA08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気通路を流れる吸入空気を主流通路と
    バイパス通路とに分流させ、該バイパス通路を流れるバ
    イパス流量を熱式流量計で検出することで、前記吸気通
    路を流れる吸入空気流量を検出する内燃機関の吸入空気
    流量検出装置において、 前記熱式流量計の応答遅れを補償する応答遅れ補償モデ
    ルを用いて前記熱式流量計の出力信号の応答遅れを補償
    して真のバイパス流量を算出するバイパス流量算出手段
    と、 バイパス流量と主流流量との関係を模擬した流体運動モ
    デルを用いて前記真のバイパス流量を演算処理して主流
    流量を算出する主流流量算出手段と、 前記主流流量算出手段で算出した主流流量の脈動波形か
    ら逆流の有無を判定する逆流検出手段と、 前記逆流検出手段で逆流有りと判定された時に前記主流
    流量算出手段で算出した主流流量から逆流成分を補正し
    て真の吸入空気流量を求める逆流補正手段とを備えてい
    ることを特徴とする内燃機関の吸入空気流量検出装置。
  2. 【請求項2】 前記応答遅れ補償モデルは、前記熱式流
    量計の応答遅れを一次遅れで模擬した一次遅れモデルを
    逆変換して求めた逆モデルを用いることを特徴とする請
    求項1に記載の内燃機関の吸入空気流量検出装置。
  3. 【請求項3】 前記流体運動モデルは、前記バイパス通
    路の空気の流れの運動方程式と、前記主流通路の空気の
    流れの運動方程式とを両通路の圧力差が同じとして解い
    て求めた下記の流体運動方程式を用いることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の内燃機関の吸入空気流量検出
    装置。 【数1】
  4. 【請求項4】 前記逆流検出手段は、所定時間毎に最新
    の所定クランク角度範囲の主流流量の脈動波形の山と谷
    を検出し、その検出結果に基づいて主流流量の脈動波形
    の順流成分と逆流成分を判別することを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の吸入空気流量
    検出装置。
  5. 【請求項5】 前記逆流検出手段は、主流流量の脈動波
    形の極大値と極小値を検出して山と谷を判別し、複数の
    山のうち、極大値が最も大きい山を順流成分と判定し、
    順流成分の両側の山を逆流成分と判定することを特徴と
    する請求項4に記載の内燃機関の吸入空気流量検出装
    置。
  6. 【請求項6】 前記逆流検出手段は、主流流量の脈動波
    形の極小値を検出し、この極小値をノイズ判定値と比較
    してノイズと谷とを判別することを特徴とする請求項4
    又は5に記載の内燃機関の吸入空気流量検出装置。
  7. 【請求項7】 前記逆流補正手段は、所定時間毎に最新
    の所定クランク角度範囲の流量を積算する際に、順流と
    判定された流量をプラス値、逆流と判定された流量をマ
    イナス値で積算し、この積算値を前記所定クランク角度
    範囲のサンプリング回数で除算して前記所定クランク角
    度範囲の平均吸入空気流量を求めることを特徴とする請
    求項4乃至6のいずれかに記載の内燃機関の吸入空気流
    量検出装置。
  8. 【請求項8】 前記所定クランク角度範囲は、720/
    気筒数[℃A]であることを特徴とする請求項4乃至7
    のいずれかに記載の内燃機関の吸入空気流量検出装置。
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