JP2008002833A - 吸気流量補正装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】例えば熱線式エアフローメータ等のような内燃機関に備わる吸気流量計測装置によって計測された吸気流量を、より簡易に補正する。
【解決手段】吸気流量補正装置は、内燃機関の燃焼室へと向かって吸気が吸気管内を流れる量として、吸気流量計測装置(212)によって計測された吸気流量に対し、補正を施すための吸気流量補正装置である。この装置は、計測された吸気流量に対し、時間について2階微分する微分手段(110)と、2階微分された吸気流量に基づいて、燃焼室とは逆向きに吸気が逆流する期間としての逆流期間を判定する判定手段(120)と、逆流期間に計測された吸気流量に基づいて、計測された吸気流量に対し、補正を施す補正手段(130)とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】吸気流量補正装置は、内燃機関の燃焼室へと向かって吸気が吸気管内を流れる量として、吸気流量計測装置(212)によって計測された吸気流量に対し、補正を施すための吸気流量補正装置である。この装置は、計測された吸気流量に対し、時間について2階微分する微分手段(110)と、2階微分された吸気流量に基づいて、燃焼室とは逆向きに吸気が逆流する期間としての逆流期間を判定する判定手段(120)と、逆流期間に計測された吸気流量に基づいて、計測された吸気流量に対し、補正を施す補正手段(130)とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば熱線式エアフローメータ等のような内燃機関に備わる吸気流量計測装置によって計測された、吸気流量(即ち、吸入された空気流量)を補正する吸気流量補正装置に関する。
この種の熱線式エアフローメータの計測誤差の一つに、吸気流量の逆流成分検出によるものがある。熱線式エアフローメータは、その構成上、吸気の順流(即ち、外部から燃焼室へ向かって吸気が流れる方向)と逆流とを区別することができないためである。この傾向は特に、スロットル開度が大きく、ピストンの上下運動に起因する脈動が大きい場合に顕著である。
このような不具合に対処するため、例えば以下の特許文献1から2のように、逆流を検出して吸気流量を補正する技術が提案されている。
具体的に例えば、瞬間的な吸気流量を測定する手段と、吸気流量信号を微分して最大値及び最小値を検出し、最小値から最大値への変化として、逆流を検出して吸気流量を補正する技術が提案されている(特許文献1参照)。
或いは、吸気流量に対応する電気信号の隣り合う3つの極大値及び極小値及び前記3つの極大値に挟まれる2つの極小値を検出し、逆流信号を演算することで、吸気流量を補正する技術が提案されている(特許文献2参照)
特公平5−10612号公報
特許第2861310号公報
しかしながら、例えば前述の特許文献1から2に開示されている技術には、以下のような問題が生じ得る。即ち、特許文献1に係る最大値及び最小値、特許文献2に係る極大値及び極小値は、逆流の程度が軽い或いは無くとも存在し得る物理量であるため、特定が困難である。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、例えば熱線式エアフローメータ等のような内燃機関に備わる吸気流量計測装置によって計測された吸気流量を、より簡易に補正するための吸気流量補正装置を提供することを課題とする。
本発明に係る吸気流量補正装置は上記課題を解決するために、内燃機関の燃焼室へと向かって吸気が吸気管内を流れる量として、吸気流量計測装置によって計測された吸気流量に対し、補正を施すための吸気流量補正装置であって、前記計測された吸気流量に対し、時間について2階微分する微分手段と、前記2階微分された吸気流量に基づいて、前記燃焼室とは逆向きに前記吸気が逆流する期間としての逆流期間を判定する判定手段と、前記逆流期間に計測された前記吸気流量に基づいて、前記計測された吸気流量に対し、前記補正を施す補正手段とを備える。
本発明に係る吸気流量補正装置によれば、吸気流量計測装置によって、例えば自動車のエンジンである内燃機関の燃焼室へと向かって(以下、この方向を「順流」、順流と反対方向を「逆流」ともいう)吸気が吸気管内を流れる量が、吸気流量として計測される。
一般的に、燃焼室でピストンが周期的に上下運動する際、吸気管内の吸気は、逆流を含む脈動流となる。このような条件下で、吸気流量計測装置は、順流の吸気流量と逆流の吸気流量とを区別せずに吸気流量を計測する。故に、逆流する吸気を順流する吸気と同様に積算してしまい、実際の吸気流量との間に差が生じ得る。
然るに、本発明に係る吸気流量補正装置によると、吸気流量計測装置によって計測された吸気流量に対し、以下のように補正が施される。
具体的には、例えば微分回路、CPU、メモリ等からなる微分手段によって、上述の吸気流量計測装置によって計測された吸気流量に対し、時間について2階微分される。ここで、微分の対象となる「吸気流量」は、吸気流量と1対1に対応付けられた或いは吸気流量と比較的強い相関関係を有する所定の物理量であれば、必ずしも吸気流量そのものである必要はない。言い換えれば、吸気流量と略同様な経時変化をする物理量であり、逆流が波形に表れていればよい趣旨である。例えば、吸気流量とマップで1対1に対応付けられ、比較的強い正の相関関係を有する吸気流量計測装置の出力電圧を2階微分の対象としてもよい。このような物理量に対し、時間について2階微分されれば、いずれにせよ、逆流に起因する兆候が確認される。なお、ここでいう「2階微分」の「2階」は、典型的には、「2階」そのものであるが、「3階」以上を除外する趣旨ではない。
この2階微分された吸気流量に基づいて、例えばCPU、メモリ等からなる判定手段によって、燃焼室とは逆向きに吸気が逆流する期間としての逆流期間が、2階微分により得られた逆流に起因する兆候によって、判定される。具体的な判定方法については後述する。
そして、この逆流期間に計測された吸気流量に基づいて、例えばCPU、メモリ等からなる補正手段によって、計測された吸気流量に対し、補正が施される。例えば、逆流期間に計測された吸気流量が、計測された吸気流量から減算される。
従って、例えば熱線式エアフローメータ等のような内燃機関に備わる吸気流量計測装置によって計測された吸気流量を簡易に補正することができ、実践上非常に有利である。
本発明に係る吸気流量補正装置の一態様では、吸気流量計測装置は、熱線式である。
この態様によれば、フラップ式等に比べて逆流の影響を受けやすい、即ち、順流と逆流とを区別できない、熱線式の吸気流量計測装置を用いている場合に、本発明に係る補正が選択的に施される。
本発明に係る吸気流量補正装置の他の態様では、前記判定手段は、前記2階微分された吸気流量が所定吸気流量閾値を超える複数のタイミングのうち、隣接して対をなすタイミングで規定される複数の期間に基づいて、前記逆流期間を判定する。
この態様によれば、逆流期間が、判定手段によって、2階微分された吸気流量が所定吸気流量閾値を超える複数のタイミングのうち、隣接して対をなすタイミングで規定される複数の期間に基づいて、判定される。ここに、「所定吸気流量閾値」は、2階微分された吸気流量を示す信号に含まれるノイズよりも大きく、且つ2階微分された吸気流量を示す信号のピーク値よりも小さい値として、実験或いはシミュレーションにより予め定められればよく、事後的に変更されてもよい。上記ノイズは、一般的な吸気流量補正装置において除去された後の残りのノイズであるので、上記ピーク値に比べて大きい値であるので、上述のように所定吸気流量閾値が定められる。「複数のタイミング」とは、逆流が生じる場合に、上述の条件を満たすタイミングが複数存在することを示す。例えば、逆流が1回生じる場合に、逆流の始まりと終わりとに対応するように、上述の条件を満たすタイミングが2つ存在する。この逆流の始まりと終わりとを示す2つのタイミングを、「隣接して対をなすタイミングで規定される複数の期間」のうちの一期間として捉えることで、逆流期間を判定できる。ただし、「複数の期間」には、逆流期間のみならず順流期間(即ち、吸気が順流する期間)も含まれる。逆流期間と順流期間とは、その性質上、相違点がいくつかあるので、後述するように例えば各期間の長さ、吸気流量等に基づいて、両期間を区別することができる。
この態様では、前記燃焼室へと向かって前記吸気が順流する期間を順流期間とし、前記判定手段は、前記複数の期間のうち、一の期間が前記逆流期間であり且つ前記一の期間に隣接する他の期間が順流期間であると仮定した場合における前記吸気流量の積算値が、前記一の期間が前記順流期間であり且つ前記他の期間が前記順流期間であると仮定した場合における前記吸気流量の積算値に比べて多い場合、前記一の期間が前記逆流期間であると判定する。
この態様によれば、上述した複数のタイミングによって区切られた、複数の期間の中から、逆流期間が好適に判定される。一般的に、順流期間に順流する吸気流量は、全体として吸気管を介しての吸気が行われている以上、逆流期間に逆流する吸気流量に比べて多いため、期間の順逆を実際と同様に仮定すれば、順逆を実際と反対に仮定してしまう場合に比べて、吸気流量の積算値が、多くなるからである。
なお、「吸気流量の積算値」に代えて、「吸気流量の時間平均値」を用いても、同様な仮定に基づいて逆流期間を判定できる。
或いは、この複数の期間に基づいて、前記逆流期間を判定する態様では、前記判定手段は、前記一の期間に計測された前記吸気流量の積算値が、前記他の期間に計測された前記吸気流量の積算値に比べて少ない場合、前記一の期間が前記逆流期間であると判定してもよい。
この態様によれば、上述した複数のタイミングによって区切られた、長さの異なる複数の期間の中から、逆流期間が好適に判定される。一般に、全体として吸気管を介しての吸気が行われている限りにおいて、逆流は順流に比べて一時的な現象であり、逆流期間の吸気流量の積算値は、順流期間のそれよりも少ないからである。
或いは、この複数の期間に基づいて、前記逆流期間を判定する態様では、前記判定手段は、前記対をなすタイミングで規定される期間が、所定期間閾値を下回る場合には、前記逆流期間を判定してもよい。
この態様によれば、上述した複数のタイミングによって区切られた、長さの異なる複数の期間の中から、一層容易に、逆流期間が判定される。一般に、全体として吸気管を介しての吸気が行われている限りにおいて、逆流期間は順流期間に比べて短いからである。ここに、所定期間閾値は、実際の逆流期間よりも長く、順流期間よりも短い期間の長さとして、実験或いはシミュレーションにより予め定められた値であり、事後的に変更されてもよい。
本発明に係る吸気流量補正装置の他の態様では、前記吸気流量を絞るスロットルの開度が所定開度閾値を超える場合に、前記補正が施される。
この態様によれば、スロットルの開度が所定開度閾値を超える場合に、補正が選択的に施される。逆に、スロットルの開度が所定開度閾値を超えない場合には補正の手間が軽減される。ここに、「所定開度閾値」は、逆流による吸入空気量の計測誤差が、内燃機関に求められている精度の観点から無視し得ない場合に相当する閾値として、実験或いはシミュレーションにより予め定められた値であり、事後的に変更されてもよい。かかる閾値は、例えば、スロットル全開のように、吸気管圧力が大気圧と略同等となるような値である。このような状況下で、吸気が大きく脈動し、計測誤差が比較的大きいと推測される場合にも、本発明に係る補正を施すことで、簡易に計測誤差を解消でき、実践上非常に有利である。
本発明の作用及び他の利得は、次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされよう。
以下、発明を実施するための最良の形態として本発明の実施形態を、図面に基いて詳細に説明する。
(1)第1実施形態
第1実施形態に係る吸気流量補正装置の構成及び動作処理を、図面に基いて詳細に説明する。
第1実施形態に係る吸気流量補正装置の構成及び動作処理を、図面に基いて詳細に説明する。
(1−1)構成
先ず、本実施形態に係る吸気流量補正装置の構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここに、図1は、本発明の第1実施形態に係る吸気流量補正装置を備えた内燃機関の模式的な平面図である。図2は、第1実施形態に係る熱線式エアフローメータの電気的構成図である。
先ず、本実施形態に係る吸気流量補正装置の構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここに、図1は、本発明の第1実施形態に係る吸気流量補正装置を備えた内燃機関の模式的な平面図である。図2は、第1実施形態に係る熱線式エアフローメータの電気的構成図である。
図1において、例えば自動車のエンジンである、内燃機関200は、燃焼室201内における燃焼に際し、吸気管206を通じて外部から吸入された空気(即ち、吸入空気)とインジェクタ211から噴射された燃料とから成る混合気を、吸気バルブ203を介して吸入させ、点火プラグ202による着火爆発(即ち、燃焼)させる。そして、この爆発に応じて生じるピストン205の往復運動を、クランクシャフト205の回転運動に変換し、動力を発生可能に構成されている。
吸気管206は、外部から吸入される空気を浄化するクリーナ211、燃焼室201内部への吸入空気量を調節するスロットルバルブ214、スロットルバルブ214の開度を検出するスロットルポジションセンサ215、スロットルバルブ214を開閉駆動するスロットルバルブモータ217、各気筒へ分配される空気の圧力変動を抑制するサージタンク111を備える。
熱線式エアフローメータ212は、本発明に係る「吸気流量計測装置」の一例であり、吸気管206に吸入された空気の質量流量(すなわち、本発明に係る「吸気流量」の一例)を測定して制御手段100へと伝達する。ここで、熱線式エアフローメータ212の電気的構成について図2を用いて説明を加える。図2において、感熱抵抗体12と温度補償用抵抗体13と抵抗体14,15,16を用いてブリッジ回路が形成されている。このブリッジ回路における接続点aには電源電圧Vccが印加され、接続点bはアースされている。そして、ブリッジ回路における接続点cと接続点dとの間の不平衡電圧Vbが零になるように電源電圧Vccが調整される。従って、電流加熱した感熱抵抗体12と温度補償用抵抗体13とを吸気間206内の空気の流れに置き、空気流量によって抵抗体温度が変化する場合、両者の温度を一定に保つように電流が流れ、流れた電流を電源電圧Vccとして定期或いは不定期に計測され、制御装置100のメモリに格納される。
再び図1に戻り、アクセルポジションセンサ216は、アクセルペダル226の踏み込み量を検出する。検出された踏み込み量に基いて、スロットルバルブ214の開度が定められる。
排気管210は、燃焼室201内部での燃焼に伴い発生する排気ガスを、排気バルブ204を介して排気する。空燃比センサ221は、例えば排気管210における三元触媒装置222の上流側に配設され、排気ガスの空燃比を検出する。
可変動弁機構10は、例えばVVT-iであり、吸気弁203及び排気弁204の動弁特性を変更可能に構成されている。
制御装置100は、本発明に係る「微分手段」の一例である微分部110、本発明に係る「判定手段」の一例である判定部120、本発明に係る「補正手段」の一例である補正部130等を備え、好適には、周知の電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU)、中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)、制御プログラムを格納した読み出し専用メモリ(Read Only Memory:ROM)及び各種データを格納する随時書き込み読み出しメモリ(Random Access Memory:RAM)等を中心とした論理演算回路として構成されている。そして、熱線式エアフローメータ212等の各種センサから入力信号を受ける入力ポートから、吸気流量を示す電気信号を受け取り、この信号に対し、微分部110が時間について2階微分し、判定部120が2階微分された信号に基づいて逆流期間を判定し、補正部130が、逆流期間に計測された吸気流量に基づいて、計測された吸気流量に対し、補正を施すことができる。加えて、補正した吸気流量等に基づいて算出されたスロットル開度にするように、スロットルバルブモータ217等の各種アクチュエータに制御信号を送る出力ポートとに、バスを介して接続されている。
以上説明した構成によれば、本実施形態に係る吸気流量補正装置は、熱線式エアフローメータ212及び制御装置100(微分部110、判定部120、補正部130)を備えるので、例えば、例えば内燃機関に備わる熱線式エアフローメータによって計測された、吸気流量(即ち、吸入された空気流量)を補正可能となるのである。
(1−2)動作処理
上述の如く構成された本実施形態に係る吸気流量補正装置の動作処理について、図1及び図2に加えて、図3から図6を用いて説明する。ここに、図3は、第1実施形態に係る吸気流量補正装置の動作処理を示すフローチャートである。図4は、第1実施形態に係る計測電圧の経時変化から吸気流量を補正する様子を示す特性図である。図5は、第1実施形態に係る計測電圧−吸気流量マップを示す特性図である。図6は、第1実施形態に係る、補正前後の吸気流量を示す特性図である。
上述の如く構成された本実施形態に係る吸気流量補正装置の動作処理について、図1及び図2に加えて、図3から図6を用いて説明する。ここに、図3は、第1実施形態に係る吸気流量補正装置の動作処理を示すフローチャートである。図4は、第1実施形態に係る計測電圧の経時変化から吸気流量を補正する様子を示す特性図である。図5は、第1実施形態に係る計測電圧−吸気流量マップを示す特性図である。図6は、第1実施形態に係る、補正前後の吸気流量を示す特性図である。
図3において先ず、定期或いは不定期に、熱線式エアフローメータ211による出力電圧を計測し、制御装置100のメモリへ格納する(ステップS1)。計測された出力電圧の波形の一例を、図4(a)に示す。図4(a)の横軸は経過する時間[ms]を、縦軸は計測された出力電圧[V]を夫々示す。尚、メータの種類によっては、出力は電圧に限らず、電流や電力であってもよい。
制御装置100では、格納された出力電圧に対して逆流成分を考慮した補正を施すための補正処理が行われる。具体的には、微分部110によって、格納された出力電圧に対して2回微分DataA=d2V/dt2が算出される(ステップS21)。ここで1回微分dV/dtの波形、及び2回微分DataA=d2V/dt2の波形の一例を、図4(b)及び図4(c)に夫々示す。1回微分のみならず、2回微分を行うのは、図4(b)よりも図4(c)において逆流成分が鋭く表れるからである。そして、判定部120によって、補正対象となる期間内に、DataAが所定閾値(例えば、図4(b)では0.1)を超えるタイミングがあるか否かが判定される(ステップS22)。ここで、このようにDataAが所定閾値を超えるタイミングがない場合(ステップS22:No)、逆流成分はないとして、本補正処理を終える。他方で、このようにDataAが所定閾値を超えるタイミングが複数ある場合(ステップS22:Yes)、各タイミング間の期間のうち、例えば所定期間よりも短い期間、或いは隣接する期間よりも短い期間を、逆流期間と判定し、或いは積算吸気流量若しくはその平均値が所定積算吸気流量よりも少ない期間を、逆流期間と判定し、その期間に計測された出力電圧は、逆流成分であると判定する(ステップS23)。例えば、図4(c)において、期間T1が、所定期間閾値或いは期間T2を下回る場合には、期間T1を逆流期間と判定し、その期間に計測された出力電圧は、逆流成分と判定する。この判定結果に基づき、補正部130によって、計測された出力電圧の波形が補正される(ステップS24)。具体的には、逆流成分は、順流成分にとってマイナスの要因であるので、期間T1の出力電圧の符号を反転する。この様子を図4(d)に示す。図4(d)において、破線が補正前、実線が補正後の出力電圧の波形を夫々示す。
上述のようにして得られた補正後の出力電圧に対して、平均化処理を施す(ステップS3)。言い換えれば、補正後の出力電圧の時間平均値を求める。
これら補正後の出力電圧及びその時間平均を、例えば図5に示す電圧−吸気流量マップによって変換し、吸気流量[g/s]を算出する(ステップS4)。このようにして得られた補正後の吸気流量の経時変化を示す波形、及び時間平均値を図6に示す。図6に示すように、補正後の吸気流量の時間平均値は、補正前のそれと比べて減少している。この減少分が、逆流成分に相当する。故に、この図6に示す補正後の吸気流量が、補正前のそれと比べて一層実体に即しているといえる。かかる吸気流量に基づけば、空燃比制御等の吸気流量に関わる制御を一層正確に行うことが可能となる。
以上説明した実施形態によれば、例えば熱線式エアフローメータ等のような内燃機関に備わる吸気流量計測装置によって計測された吸気流量を、比較的簡易な処理によって補正することができ、実践上非常に有利である。
(2)第2実施形態
次に、第2実施形態に係る吸気流量補正装置の動作処理を、図3に代えて、図7を用いて説明する。ここに、図7は、第3実施形態に係る吸気流量補正装置の動作処理を示すフローチャートである。
次に、第2実施形態に係る吸気流量補正装置の動作処理を、図3に代えて、図7を用いて説明する。ここに、図7は、第3実施形態に係る吸気流量補正装置の動作処理を示すフローチャートである。
本実施形態は、第1実施形態と比べて特に、逆流期間の判定の仕方をより具体的に示すものである。構成等は第1実施形態と同様でよく、その説明は適宜省略する。
図7において先ず、定期或いは不定期に、熱線式エアフローメータ211による出力電圧を計測し、制御装置100のメモリへ格納する(ステップS1)。制御装置100では、微分部110によって、格納された出力電圧に対して2回微分DataA=d2V/dt2が算出される(ステップS21)。そして、判定部120によって、DataAが所定閾値を超えるタイミングがあるか否かが判定される(ステップS22)。このようにDataAが所定閾値を超えるタイミングが複数ある場合(ステップS22:Yes)、上述のように格納された出力電圧に対して、以下のように平均化処理を施す(ステップS3)。
本実施形態では特に、平均化処理において、期間T1が逆流期間であり且つ期間T2が順流期間であると仮定した時の出力電圧(或いは吸気流量)の時間平均値と、逆に期間T1が順流期間であり且つ期間T2が逆流期間であると仮定した時の出力電圧(或いは吸気流量)の時間平均値とが共に算出される。そして、両時間平均値のうち、いずれか大きい方に係る仮定を採用し、採用された仮定で逆流期間とされている期間を、逆流期間であると判定する(ステップS232)。一般的に、順流期間に順流する吸気流量は、逆流期間に逆流する吸気流量に比べて多いため、期間の順逆を実際と同様に仮定すれば、仮に順逆を実際とは反対に仮定してしまう場合に比べて、出力電圧の時間平均値が、大きくなるはずだからである。例えば、期間T1が逆流期間、期間T2が順流期間であると仮定した方が、出力電圧の時間平均値が大きい場合には、期間T1が逆流期間であると判定する。
この判定結果に基づき、補正部130によって、計測された出力電圧の波形が補正される(ステップS24)。例えば、逆流期間であると判定された期間T1の波形を反転する。そして、補正後の出力電圧の波形及びその時間平均値を、例えば図5に示す電圧−吸気流量マップによって変換し、吸気流量[g/s]の波形及びその時間平均値を算出する(ステップS4)。
以上説明した実施形態によれば、複数のタイミングによって区切られた、長さの異なる複数の期間の中から、比較的容易に逆流期間が判定されるので、実践上非常に有利である。
(3)第3実施形態
次に、第3実施形態に係る吸気流量補正装置の動作処理を、図3に代えて、図8を用いて説明する。ここに、図8は、第3実施形態に係る吸気流量補正装置の動作処理を示すフローチャートである。
次に、第3実施形態に係る吸気流量補正装置の動作処理を、図3に代えて、図8を用いて説明する。ここに、図8は、第3実施形態に係る吸気流量補正装置の動作処理を示すフローチャートである。
本実施形態は、第1実施形態と比べて特に、逆流期間の判定の仕方をより具体的に示すものである。構成等は第1実施形態と同様でよく、その説明は適宜省略する。
図8において先ず、定期或いは不定期に、熱線式エアフローメータ211による出力電圧を計測し、制御装置100のメモリへ格納する(ステップS1)格納された出力電圧に対して、平均化処理を施し、時間平均値を求める(ステップS3)。この出力電圧の波形及びその時間平均値を、例えば図5に示す電圧−吸気流量マップによって変換し、吸気流量[g/s]の波形及びその時間平均値を算出する(ステップS4)。
本実施形態では特に、微分部110によって、格納された出力電圧に対して2回微分DataA=d2V/dt2が算出され(ステップS21)、DataAが所定閾値を超えるタイミングが複数ある場合(ステップS22:Yes)、以下のように逆流期間が判定される。具体的には、図6に示すように期間T1における吸気流量の積算値をS1、期間T2における吸気流量の積算値をS2とすると、判定部120は、S1とS2のうちいずれか小さい方に係る期間を逆流期間と判定する(ステップS233)。例えば、S1<S2である場合には、判定部120は、期間T1を逆流期間と判定する。
この判定結果に基づき、補正部130によって、吸気流量[g/s]の波形及びその時間平均値が補正される(ステップS243)。例えば、図6に示す吸気流量[g/s]の波形のうち、逆流期間に該当する部分を時間軸に対して反転させ、時間平均値を再度算出する。
以上説明した実施形態によれば、複数のタイミングによって区切られた、長さの異なる複数の期間の中から、比較的容易に逆流期間が判定されるので、実践上非常に有利である。
(4)第4実施形態
次に、第4実施形態に係る吸気流量補正装置の動作処理を、図3に代えて、図9を用いて説明する。ここに、図9は、第4実施形態に係る吸気流量補正装置の動作処理を示すフローチャートである。
次に、第4実施形態に係る吸気流量補正装置の動作処理を、図3に代えて、図9を用いて説明する。ここに、図9は、第4実施形態に係る吸気流量補正装置の動作処理を示すフローチャートである。
本実施形態は、他の実施形態と比べて特に、補正を行う条件が制限されている点が異なる。構成等は第1実施形態と同様でよく、その説明は適宜省略する。
図8において先ず、定期或いは不定期に、熱線式エアフローメータ211による出力電圧を計測し、制御装置100のメモリへ格納する(ステップS1)。
本実施形態では特に、格納された出力電圧に対して2回微分するに先立ち、スロットルポジションセンサ215によって検出されたスロットルバルブ214の開度が所定開度閾値以上であるか否かが判定される(ステップS12)。ここで、スロットルバルブ214の開度が所定開度閾値よりも小さい場合(ステップS12:No)、逆流による吸入空気量の計測誤差が、内燃機関200に求められている精度等の観点から無視し得るとし、格納された出力電圧に対して2回微分に続く計測電圧の補正をしない。他方で、スロットルバルブ214の開度が所定開度閾値以上の場合(ステップS12:Yes)、逆流による吸入空気量の計測誤差が、内燃機関200に求められている精度等の観点から無視し得ない。従って、格納された出力電圧に対して2回微分DataA=d2V/dt2が算出され(ステップS21)DataAが所定閾値を超えるタイミングがいくつかある場合(ステップS22:Yes)、逆流期間を判定し(ステップS23)、この判定結果に基づき、補正部130によって、計測された出力電圧の波形が補正される(ステップS24)。このように選択的に補正された出力電圧に対して、平均化処理が施され、時間平均値が算出される(ステップS3)。この出力電圧の波形及び時間平均値を、例えば図5に示す電圧−吸気流量マップによって変換し、吸気流量[g/s]の波形及びその時間平均値が算出される(ステップS4)。
以上説明した実施形態によれば、必要に応じて簡易に計測誤差を解消でき、実践上非常に有利である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う吸気流量補正装置も又、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
200…内燃機関、201…燃焼室、206…吸気管、211…インジェクタ、203…吸気バルブ、202…点火プラグ、205…ピストン、205…クランクシャフト、206…吸気管、211…クリーナ、214…スロットルバルブ、215…スロットルポジションセンサ、217…スロットルバルブモータ、111…サージタンク、212…熱線式エアフローメータ、100…制御手段、12…感熱抵抗体、13…温度補償用抵抗体、14,15,16…抵抗体、216…アクセルポジションセンサ、226…アクセルペダル、210…排気管、204…排気バルブ、221…空燃比センサ、10…可変動弁機構、100…制御装置、110…微分部、120…判定部、130…補正部
Claims (7)
- 内燃機関の燃焼室へと向かって吸気が吸気管内を流れる量として、吸気流量計測装置によって計測された吸気流量に対し、補正を施すための吸気流量補正装置であって、
前記計測された吸気流量に対し、時間について2階微分する微分手段と、
前記2階微分された吸気流量に基づいて、前記燃焼室とは逆向きに前記吸気が逆流する期間としての逆流期間を判定する判定手段と、
前記逆流期間に計測された前記吸気流量に基づいて、前記計測された吸気流量に対し、前記補正を施す補正手段と
を備えることを特徴とする吸気流量補正装置。 - 前記吸気流量計測装置は、熱線式である
ことを特徴とする請求項1に記載の吸気流量補正装置。 - 前記判定手段は、前記2階微分された吸気流量が所定吸気流量閾値を超える複数のタイミングのうち、隣接して対をなすタイミングで規定される複数の期間に基づいて、前記逆流期間を判定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の吸気流量補正装置。 - 前記燃焼室へと向かって前記吸気が順流する期間を順流期間とし、
前記判定手段は、前記複数の期間のうち、一の期間が前記逆流期間であり且つ前記一の期間に隣接する他の期間が順流期間であると仮定した場合における前記吸気流量の積算値が、前記一の期間が前記順流期間であり且つ前記他の期間が前記順流期間であると仮定した場合における前記吸気流量の積算値に比べて多い場合、前記一の期間が前記逆流期間であると判定する
ことを特徴とする請求項3に記載の吸気流量補正装置。 - 前記判定手段は、前記一の期間に計測された前記吸気流量の積算値が、前記他の期間に計測された前記吸気流量の積算値に比べて少ない場合、前記一の期間が前記逆流期間であると判定する
ことを特徴とする請求項3に記載の吸気流量補正装置。 - 前記判定手段は、前記対をなすタイミングで規定される期間が、所定期間閾値を下回る場合には、前記逆流期間を判定する
ことを特徴とする請求項3に記載の吸気流量補正装置。 - 前記吸気流量を絞るスロットルの開度が所定開度閾値を超える場合に、前記補正が施される
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の吸気流量補正装置。
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- 2006-06-20 JP JP2006170088A patent/JP2008002833A/ja active Pending
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