JP2008045455A - 温度推定装置、及びエンジンの制御システム - Google Patents

温度推定装置、及びエンジンの制御システム Download PDF

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JP2008045455A JP2006220154A JP2006220154A JP2008045455A JP 2008045455 A JP2008045455 A JP 2008045455A JP 2006220154 A JP2006220154 A JP 2006220154A JP 2006220154 A JP2006220154 A JP 2006220154A JP 2008045455 A JP2008045455 A JP 2008045455A
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Abstract

【課題】外気温検出のための専用の温度センサを用いなくても外気温を推定することが可能な温度推定装置を提供する。
【解決手段】エンジン10には吸気管11が設けられており、吸気管11にはスロットルバルブ12を備えたスロットルアクチュエータ13が設けられている。また吸気管11には、吸気量(質量流量)を検出するエアフロメータ21(熱式空気量センサ)や、吸気温を検出する吸気温センサ22等が設けられている。そして、ECU30は、エアフロメータ21及び吸気温センサ22の検出値(吸気量及び吸気温)からサンプリング平均値を異なる2つのタイミングで取得し、取得した2組のサンプリング平均値を用いて外気温を推定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、温度推定装置、及びエンジンの制御システムに関するものである。
車両等においては、外気温情報が種々の制御に用いられる。例えば、エアコンの必要吹出温度や風量等の制御を好適に行うため、外気温がパラメータの一つとして用いられる。一般に、外気温を検出するためには専用のセンサを要する。かかる場合、車両等では低コスト化に対する要求があるが、それに反して部品点数の増加、及びこれに伴うコストアップが生じてしまう。
この点、特許文献1では、エンジンの吸気温と車速情報とに基づいて外気温を推定する技術が提案されている。この技術は、車両が所定の車速以上で、且つ、所定時間走行したときに、吸気温と外気温とが一定の差に収束することを利用している。しかしながら、車両が前記の運転状態ではない場合には、外気温を精度良く推定することが不可能であった。
特許第3627566号公報
本発明の目的は、外気温検出のための専用の温度センサを用いなくても好適に外気温を推定することが可能な温度推定装置を提供することにある。
エンジンの吸気管においてその最上流部から離れた位置に吸気量センサ及び吸気温センサが取り付けられた構成では、吸気管最上流部から取り込まれた空気は、上記各センサの取り付け位置に達するまでの間に、吸気管からその内部に放出される熱量によって加熱される。一方で、その放出熱量は、外気温(吸気管最上流部から取り込まれる空気の温度)と吸気温(吸気温センサの検出値)との差分に比例したものとなる。
ここで、請求項1に記載の発明では、吸気管において前記各センサよりも上流側で吸気管内部に放出される熱量(放出熱量Q1)と、吸気管最上流部から前記各センサの取り付け部までの部位での外気温に対する温度上昇分に相当する熱量(上昇熱量Q2)とが一致する関係を実質的に用いて外気温を推定することとしている。かかる場合、公知のとおり、前者の熱量(放出熱量Q1)は、吸気温、外気温、及び吸気管壁温をパラメータとして求めることができ、後者の熱量(上昇熱量Q2)は、吸気温、外気温、及び吸気量をパラメータとして求めることができる(後述の(2),(3)式参照)。
このとき、Q1=Q2とする関係において、吸気温と吸気量はセンサ検出によって取得することが可能なデータ(取得可能データ)であるのに対し、吸気管壁温と外気温はセンサ検出によって取得できないデータ(取得不可データ)である(外気温は推定対象)。この場合、上記関係式の解として外気温を導き出すには、少なくとも2組の吸気量と吸気温とを要する。
この点、本発明では、各センサにより検出された吸気量及び吸気温を複数のタイミングで取得し、取得した吸気量及び吸気温に基づいて外気温を推定することとする。この場合、エンジンにおいてはその運転状態が逐次変化するため、複数のタイミングにて異なる吸気量及び吸気温が取得でき、それらにより外気温を導き出すことができる。その結果、外気温検出のための専用の温度センサを用いなくても、好適に外気温を推定することが可能となる。
請求項2に記載の発明では、吸気温をTin、吸気管壁温をTw、外気温をTo、吸気量をGaとした場合にこれら各数の関係を表した次の関係式、
Tw−To=(Tw−Tin)×f(Ga) …(1)
を実質的に用いて外気温を推定することとしている。上記(1)式において、吸気量Gaと吸気温Tinは取得可能データであるのに対し、吸気管壁温Twと外気温Toは取得不可データである(外気温Toは推定対象)。この場合、上記(1)式の解として外気温Toを導き出すには、少なくとも2組の吸気量Gaと吸気温Tinとを要する。
この点、本発明では、各センサにより検出された吸気量Ga及び吸気温Tinを複数のタイミングで取得し、取得した吸気量Ga及び吸気温Tinに基づいて外気温を推定することとする。これにより、上記(1)式から少なくとも2つの式からなる連立方程式が成立し、該連立方程式の解として外気温Toを導き出すことができる。その結果、外気温検出のための専用の温度センサを用いなくても、好適に外気温を推定することが可能となる。
ここで、上記(1)式が成立する理由について説明する。
吸気管において前記各センサよりも上流側で吸気管内部に放出される熱量である放出熱量Q1は、
Q1=Hm×S×(Tin−To)/ln{(Tw−To)/(Tw−Tin)} …(2)
となる。なお、Hmは吸入空気の熱伝達関数、Sは吸気管の受熱面積である。
吸気管最上流部から前記各センサの取り付け部までの部位での外気温に対する温度上昇分に相当する熱量である上昇熱量Q2は、
Q2=Ga×Cp×(Tin−To) …(3)
となる。なお、Gaは吸気量(質量流量)、Cpは吸入空気の熱容量である。
ここで、Q1=Q2であることから、上記(2),(3)式を用いて以下の関係が導き出せる。
Tw−To=(Tw−Tin)×exp{(Hm×S)/(Ga×Cp)} …(4)
上記(4)式において、吸入空気の熱伝達関数Hm、吸入空気の熱容量Cp,吸気管の受熱面積Sが不変であるとすれば、演算項「exp{(Hm×S)/(Ga×Cp)}」は吸気量Gaのみが変数となるが故に、f(Ga)=exp{(Hm×S)/(Ga×Cp)}と表すことができ、上記(1)式が成立する。
ここで、請求項3に記載の発明では、あらかじめ定めた所定時間内における複数のタイミングで、各センサにより検出された吸気量Ga及び吸気温Tinを取得する。すなわち、吸気量Ga及び吸気温Tinの取得に際し、最初の取得タイミングから最後の取得タイミングまでの時間差に対して制限を設ける。このようにすれば、外気温が一定である環境下で吸気温Tin及び吸気量Gaを取得できるので、外気温を精度良く推定することが可能となる。ここで、上記の所定時間は、例えば外気温と吸気管壁温とが変化しない又はその変化が微小であると見なされる時間に基づいて規定されると良い。
本発明の外気温推定は、放出熱量Q1と上昇熱量Q2とが一致することを前提としたものであるが、前者の放出熱量Q1は吸気管からその内部への熱伝達率(上記の熱伝達関数Hmに相当)に応じて変化する。この熱伝達率は、吸気管内を流れる空気の流速に応じて変化する。この点を考慮すると、請求項4に記載したように、空気流速又はそれに相関するパラメータを補正パラメータとして用いて前記外気温推定を行うと良い。こうすれば、吸気管における都度の熱伝達率を反映して精度良く外気温を推定することができる。
ここで、上記の空気流速は、吸入空気の体積流量に比例する。従って、空気流速に相関するパラメータとして、請求項5に記載したように、吸気量センサの検出信号により算出した吸入空気の体積流量を用いると良い。また一方、上記の空気流速は吸入空気の質量流量及び吸気温に比例する。従って、空気流速に相関するパラメータとして、請求項6に記載したように、吸気量センサの検出信号により算出した吸入空気の質量流量と吸気温との積を用いると良い。これら請求項5,6に記載した発明により、外気温の推定に際し、センサ類の追加が無くとも都度の熱伝達率を反映させることが可能となる。
更に、上記の空気流速は大気圧に反比例する。従って、空気流速に相関するパラメータとして、請求項7に記載したように、質量流量と吸気温との積を大気圧センサで検出した大気圧で割った値を用いると良い。これにより、例えば高地を走行する場合など大気圧が変化する場合においても、大気圧センサの都度の検出値を熱伝達率に反映できるので、外気温の推定精度が一層向上する。
また熱伝達率は、吸気管内を流れる空気の密度に応じて変化する。この点を考慮すると、請求項8に記載したように、空気密度又はそれに相関するパラメータを補正パラメータとして用いて前記外気温推定を行うと良い。こうすれば、吸気管における都度の熱伝達率を反映して精度良く外気温を推定することができる。ここで、上記の空気密度は、大気圧に比例し吸気温に反比例する。従って、空気密度に相関するパラメータとして、請求項9に記載したように、大気圧を吸気温で割った値を用いると良い。これにより、外気温の推定に際し、センサ類の追加が無くとも空気密度を反映させることが可能となる。
請求項10に記載の発明では、外気温センサにより検出された外気温検出値と、請求項1乃至9のいずれかに記載の温度推定装置により推定した外気温推定値との比較に基づき、外気温センサが故障しているか否かを判定する。例えば、外気温検出値に対する外気温推定値の差分が過剰に大きくなる場合には、外気温センサに何らかの故障が発生している蓋然性が高いので、外気温センサの故障を判定することが可能となる。
請求項11に記載の発明では、請求項1〜9に記載した温度推定装置の推定手法を用いて、外気温に代えて又はこれに加えて吸気管壁温を推定する。具体的には、複数のタイミングで取得された吸気量及び吸気温を上記(1)式に代入することにより、吸気管壁温を推定する。そして請求項12に記載の発明では、この吸気管壁温が所定温以上の場合にエンジンを冷却するための処理を実行する。この吸気管壁温は、エンジン発熱量の増減に応じて追従性良く変化する。従って、吸気管壁温を基準にエンジン冷却処理を実行すれば、エンジンシステムの雰囲気温度の上昇にいち早く対処できる。これにより、特に吸気系統を構成する部品の熱による劣化が抑制され、部品寿命の延長を図ることができる。
[第1の実施の形態]
以下、本発明にかかる温度推定装置を車両用エンジンの制御システムに具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明する。先ずは本装置の概略構成を図1により説明する。なお、図1において、エンジンの構成については周知の通りであるため、図1ではエンジンの詳細な構成について図示を省略している。
図1において、エンジン10には吸気管11が設けられており、吸気管11には、DCモータ等により開度調節されるスロットルバルブ12を備えたスロットルアクチュエータ13が設けられている。スロットルアクチュエータ13には、スロットル開度を検出するためのスロットル開度センサが内蔵されている。また、吸気管11において、スロットルアクチュエータ13よりも下流側には燃料噴射弁14が設けられている。
また、本システムでは、エンジンや車両の状態を検出するための各種センサ等が設けられている。具体的には、吸気量を検出するエアフロメータ21、吸気温を検出する吸気温センサ22、エンジン回転速度を検出する回転速度センサ23、大気圧を検出する大気圧センサ24等が設けられている。エアフロメータ21は熱式空気量センサであり、該エアフロメータ21によって吸気管11内を流れる空気の質量流量が計測される。また、本システムでは、エアフロメータ21及び吸気温センサ22は一体に取り付けられている。
ECU(電子制御ユニット)30は、周知の通りCPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータを主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、その都度のエンジン運転状態に応じてエンジン10の各種制御を実行する。すなわち、ECU30には、前述した各種センサから各々検出信号が入力される。そして、ECU30は、随時入力される各種の検出信号に基づいて燃料噴射量や点火時期等を演算し、燃料噴射弁14や点火プラグ等の駆動を制御する。
次に、図2を用いて吸気管11に取り込まれる吸気の熱の授受について詳述する。吸気管11は、その一端が空気取り込み口として開放され、他端がスロットルアクチュエータ13を経由してエンジン10の吸気ポートと接続している。また、吸気管11の空気取り込み口から下流側に離れた位置には、エアフロメータ21及び吸気温センサ22が取り付けられている。
吸気管11の空気取り込み口から取り込まれた吸気(外気)は、エアフロメータ21及び吸気温センサ22の取り付け位置に達するまでの間に、吸気管11からその内部に放出される熱量によって加熱される。また一方で、その放出熱量は、加熱による温度上昇分に比例した熱量に一致する。より具体的には、吸気の温度は、空気取り込み口では外気温Toに等しいが、エアフロメータ21及び吸気温センサ22の取り付け部ではTinに上昇する。故に、放出熱量は温度上昇分ΔT(=Tin−To)に比例した熱量に一致する。
そこで本実施の形態では、吸気管11からその内部に放出される熱量を上記(2)式に示したとおり放出熱量Q1と規定し、温度上昇分ΔTに相当する熱量を上記(3)式に示したとおり上昇熱量Q2と規定する。そして、放出熱量Q1と上昇熱量Q2とが一致する関係を用いて外気温を推定する。この「Q1=Q2」である関係において、吸気量Ga及び吸気温Tinはエアフロメータ21及び吸気温センサ22により検出される取得可能データであり、外気温Toは取得不可データである。そして、吸気量Ga及び吸気温Tinを異なる2つのタイミングで取得することにより、2組の吸気量Ga及び吸気温Tinを取得する。ここで、1組目の取得値を(GAz,TAz)、2組目の取得値を(GA,TA)とする。2組の吸気量Ga及び吸気温Tinの取得が外気温(及び吸気管壁温)が変化しない又はその変化が微小である環境下でなされた場合、(GAz,TAz)及び(GA,TA)を上記(4)式に代入することにより、次の(5a),(5b)式からなる連立方程式が成立する。
Tw−To=(Tw−Y1)×X1 …(5a)
Tw−To=(Tw−Y2)×X2 …(5b)
ただし、X1=exp{(Hm×S)/(GA×Cp)}
Y1=TA
X2=exp{(Hm×S)/(GAz×Cp)}
Y2=TAz である。
従って、上記(5a),(5b)式からなる連立方程式の解として外気温Toを導き出すことができる。
次に、この外気温推定に関する処理を図3に示す。図3に示す処理は、ECU30によって所定の時間周期で繰り返し実行される。
ステップS10では、吸気量が所定量A以上か否かを判定する。吸気量が所定量A以上である場合にはステップS12の処理に移り、所定量Aを下回る場合には本処理を終了する。ステップS12では、当該処理の実行時における吸気量の変動量が所定量B以下であるか否かを判定する。変動量が所定量B以下である場合にはステップS14の処理に移り、変動量が所定量Bを上回る場合には本処理を終了する。ステップS10,S12の処理により、外気温推定に関する処理を実行する条件である「エンジンに空気が吸入されており、且つ、その吸気量が大きな変動状態にない」が満たされるか否かが判定される。
ステップS14では、エアフロメータ21及び吸気温センサ22により検出された吸気量及び吸気温についてM回(M≧2)のサンプリング平均値を算出して、該算出値をレジスタ#1に記憶する。以降の説明において、レジスタ#1に記憶された吸気量のサンプリング平均値(今回値)をGA、吸気温のサンプリング平均値(今回値)をTAとする。
ステップS16では、記憶済みフラグが「1」であるか「0」であるかを判定する。この記憶済みフラグは、前回の処理における吸気量及び吸気温のサンプリング平均値がレジスタ#2に記憶されているか否かを示すフラグであり、記憶されている場合には「1」となる。以降の説明において、レジスタ#2に記憶された吸気量のサンプリング平均値(前回値)をGAz、吸気温のサンプリング平均値(前回値)をTAzとする。
レジスタ#2に前回値(GAz,TAz)が記憶されていない場合(記憶済みフラグ=0)、ステップS30の処理に移り、記憶済みフラグを「1」にした後ステップS24の処理に移る。そして、ステップS24では、今回値(GA,TA)をレジスタ#2にコピーし、そのまま本処理を終了する。一方、レジスタ#2に前回値(GAz,TAz)が記憶されている場合(記憶済みフラグ=1)、ステップS18の処理に移る。
ところで、上記(4)式に代入される2組の吸気温Tin及び吸気量Gaの差が大きいほど、外気温Toの算出精度が高まる。そこで、ステップS18では、レジスタ#1,#2に記憶された前回値(GAz,TAz)と今回値(GA,TA)とを比較する。具体的には、|GA−GAz|が下限値C1以上であり、且つ、|TA−TAz|が下限値C2以上であるかどうかを判定する。この判定条件を満たす場合にはステップS20の処理に移り、判定条件を満たさない場合には本処理を終了する。
ステップS20では、レジスタ#2に前回値(GAz,TAz)が記憶されたタイミングからレジスタ#1に今回値(GA,TA)が記憶されるまでのタイミングが所定時間内か否かを判定する。この所定時間は、外気温(及び吸気管壁温)が変化しない又はその変化が微小であると見なされる時間に基づいて規定されている。これにより、上記(5a),(5b)式の成立条件である「外気温(及び吸気管壁温)が変化しない又はその変化が微小である環境下で(GAz,TAz)と(GA,TA)とを取得する」が満たされるか否かが判定される。この判定条件が満たされる場合にはステップS22の処理に移り、この判定条件が満たされない場合にはステップS32の処理に移る。ステップS32では、レジスタ#1,2の記憶値をリセットし、本処理を終了する。ステップS18,S20の処理により、レジスタ#1,2に記憶された吸気量Ga及び吸気温Tinを用いて外気温Toを算出することが可能か否かが判定される。
続くステップS22では、上記(5a),(5b)式からなる連立方程式の解として外気温Toを算出する。そしてステップS24では、今回値(GA,TA)をレジスタ#2にコピーして、本処理を終了する。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
エアフロメータ21及び吸気温センサ22の検出値(吸気量及び吸気温)から、サンプリング平均値を異なる2つのタイミングで取得した。取得した2組のサンプリング平均値を上記(4)式に代入することで得られた連立方程式である上記(5a),(5b)式により外気温Toを算出した。これにより、外気温検出のための専用の温度センサを用いなくても、一般の車両に設けられているエアフロメータ21及び吸気温センサ22を用いることで好適に外気温を推定することが可能となる。
また吸気量及び吸気温に基づいて外気温の推定を行うことから、車速情報を用いて外気温を推定する従来技術とは異なり、車両の走行状態に関係なく外気温を推定できる。例えば、車速が頻繁に変化したり、又は、エンジンがアイドリング状態であったりして「車両が所定の車速以上であり、且つ、当該車速で所定時間以上走行する」という条件が満たせない場合でも、2組以上の異なるサンプリング平均値(吸気量及び吸気温)を取得すれば、外気温の推定が可能である。
上記2組のサンプリング平均値の取得に際し、1組目の取得がなされてから2組目の取得がなされるまでの時間が所定時間内である場合に限り、外気温の推定を行った。これにより、「外気温(及び吸気管壁温)が変化しない又はその変化が微小である」という条件を満たしたサンプリング平均値を用いることができるので、外気温を精度良く推定することが可能となる。
上記2組の吸気量及び吸気温のサンプリング平均値の取得に際し、取得された吸気量のサンプリング平均値の差(|GA−GAz|)、及び吸気温のサンプリング平均値の差(|TA−TAz|)が所定値以上である場合に限り、外気温を算出した。これにより、外気温の推定精度を高めることができる。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態では、第1の実施の形態で示した温度推定装置を用い、外気温センサの故障判定装置が構成されている。
本装置の概略構成を図4により説明する。図1に説明した構成との違いは、外気温を検出する外気温センサ25が付加されていることである。
次に、外気温センサ25の故障判定に関する処理を図5に示す。図5に示す処理は、ECU30によって所定の時間周期で繰り返し実行される。
ステップS40では、外気温センサ25の故障履歴を表すフラグFDIAGを読み込む。そして、故障無し(FDIAG=0)の場合には次のステップS42の処理に移り、故障あり(FDIAG=1)の場合には本処理を終了する。ステップS42では、外気温センサ25による外気温の検出値Tomを読み込む。そしてステップS44では、図3のフローチャートで示した外気温推定に関する処理により算出した外気温(推定値)Toを読み込む。
ここで、外気温センサ25に何らかの故障が発生すると、検出値Tomと推定値Toとの差分が過剰に大きくなる場合がある。この点、ステップS46では、検出値Tomに対する推定値Toの差分が所定値K以上であるか否かを判定する。この差分が所定値K以上である場合には故障ありと判定されステップS48の処理に移り、差分が所定値K未満である場合には故障無しと判定され本処理を終了する。
ステップS48では、FDIAGを1に設定するとともに、本処理を終了する。
以上詳述した第2の実施の形態によれば、エアフロメータ21及び吸気温センサ22の検出値(吸気量及び吸気温)を用いて算出した外気温(推定値)Toと、外気温センサ25による外気温の検出値Tomとの比較により外気温センサの故障を判定することができる。
ここで、外気温センサの異常検出方法として、外気温のセンサ検出値の変化をモニタして同検出値が変化しなければ異常とするものがあるが、この場合、センサ検出値を長時間モニタしなければ異常を検出できない。この点、第2の実施の形態によれば、都度の外気温推定値によりリアルタイムにて外気温センサ25の異常が検出できる。
なお、本発明は上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施しても良い。
上記第1の実施の形態では、異なる2つのタイミングで吸気量Ga及び吸気温Tinのサンプリング平均値を取得したが、異なる3つ以上のタイミングで同平均値を取得しても良い。例えば3組以上の吸気量Ga及び吸気温Tinのサンプリング平均値と上記(4)式とから、最小二乗法近似等を用いることで外気温Toを算出することが可能である。特に、外気温(及び吸気管壁温)が一定である環境下で、より多くの吸気量Ga及び吸気温Tinのサンプリング平均値を取得すれば、外気温Toの推定精度をより一層向上させることが可能である。
上記第1の実施の形態では、熱伝達関数Hm(熱伝達率)が不変であるという前提で外気温Toを算出したが、この熱伝達関数Hmは吸気管11内を流れる空気の流速Vに応じて変化する。そして流速Vは、都度の運転状態(エンジン回転速度やスロットル開度等)に応じて変化する。従って、流速Vを補正パラメータとして用いて外気温Toを算出しても良い。こうすれば、都度の熱伝達関数Hmを反映して精度良く外気温Toを推定することができる。ここで流速Vは、例えば次の(6)式又は(7)式を用いることにより算出される。この流速Vは、K1を定数とすれば、
流速V=K1×Ga×(1/Tin) …(6)
となる。従ってK1を予め求めておけば、エアフロメータ21及び吸気温センサ22の都度の検出値から算出される吸気量Ga及び吸気温Tinを上記(6)式に代入することにより流速Vを算出することができる。また、例えば高地を走行する場合など大気圧が変化する場合を想定すると、流速Vは都度の大気圧により変化する。この場合の流速Vは、K2を定数とすれば、
流速V=K2×Ga×(1/Tin)×(1/P) …(7)
となる。従ってK2を予め求めておけば、エアフロメータ21、吸気温センサ22、及び大気圧センサ24の都度の検出値から算出される吸気量Ga、吸気温Tin、及び大気圧Pを上記(7)式に代入することにより流速Vを算出することができる。ちなみに流速Vを算出する際、上記(6)式又は上記(7)式を用いて算出するのに代えて、吸気量Ga、吸気温Tin、及び大気圧Pと流速Vとを対応付けたマップを用いて算出しても良い。なお、算出された都度の流速Vを用いて熱伝達関数Hmを算出するには、例えば図6に示す流速Vと熱伝達関数Hmとの相関を示すマップを用いれば良い。
また、熱伝達関数Hmは、吸気管11内を流れる空気の密度ρに応じて変化する。そして、空気密度ρは都度の大気圧Pや吸気温Tin等に応じて変化する。従って、空気密度ρを補正パラメータとして用いて外気温Toを算出しても良い。こうすれば、都度の熱伝達関数Hmを反映して精度良く外気温Toを推定することができる。ここで空気密度ρは、例えば次の(8)式を用いることにより算出される。空気密度ρは大気圧Pに比例し吸気温Tinに反比例することから、K3を定数とすれば、
空気密度ρ=K3×(P/Tin) …(8)
となる。従ってK3を予め求めておけば、吸気温センサ22及び大気圧センサ24の都度の検出値から算出される吸気温Tin及び大気圧Pを上記(8)式に代入することにより、空気密度ρを算出することができる。ちなみに空気密度ρを算出する際、上記(8)式を用いて算出するのに代えて、吸気温Tin及び大気圧Pと空気密度ρとを対応付けたマップを用いて算出しても良い。なお、算出された都度の空気密度ρを用いて熱伝達関数Hmを算出するには、例えば図7に示す空気密度ρと熱伝達関数Hmとの相関を示すマップを用いれば良い。
上記第1の実施の形態では、エアフロメータ21により吸気量として質量流量を検出する構成であったが、これに代えて、例えばカルマン渦式センサのように体積流量を検出する構成にしても良い。検出された体積流量と空気密度ρとから質量流量を算出することができるため、この構成によっても外気温Toを推定することが可能である。また、流速Vと体積流量とが比例関係にあることから、熱伝達関数Hmの補正を流速Vに代えて体積流量を用いて行っても良い。
上記(4)式を用い、外気温Toに代えて又はこれに加えて吸気管壁温Twを推定しても良い。そして推定した吸気管壁温Twが所定温以上の場合に、エンジン10を冷却するための処理を実行しても良い。吸気管壁温Twは、その主要な熱源であるエンジン10の発熱量の増減に応じて追従性良く変化するので、吸気管壁温Twを基準にエンジン10の冷却処理を実行すればエンジンシステムの雰囲気温度の上昇にいち早く対処できる。これにより、吸気系統を構成する部品(例えば、合成樹脂製の吸気管11やスロットルアクチュエータ13)の熱による劣化が抑制され、ひいては当該部品の寿命の延長を図ることが可能である。ここでエンジン10の冷却処理としては、例えばエンジン出力を低下させるための制御(燃料噴射量や点火時期等の調整)を行っても良いし、図示しない冷却ファンの冷却量を高めても良い。
発明の実施の形態におけるエンジン構成の概略を示す図。 吸気管内を流れる空気の熱の授受を示す図。 外気温推定に関する処理を示すフローチャート。 第2の実施の形態におけるエンジン構成の概略を示す図。 外気温センサの故障判定に関する処理を示すフローチャート。 流速と熱伝達関数との相関を示す図。 空気密度と熱伝達関数との相関を示す図。
符号の説明
10…エンジン、11…吸気管、21…エアフロメータ、22…吸気温センサ、24…大気圧センサ、30…ECU。

Claims (12)

  1. エンジンの吸気管においてその最上流部から離れた位置に取り付けられ、同吸気管を通じて吸入される空気の量である吸気量を検出する吸気量センサと、
    前記吸気量センサに一体に又は同センサ近傍に取り付けられ、前記吸気管を通じて吸入される空気の温度である吸気温を検出する吸気温センサと、
    複数のタイミングで、前記各センサにより検出された吸気量及び吸気温を取得する取得手段と、
    前記吸気管において前記各センサよりも上流側で吸気管内部に放出される熱量と、吸気管最上流部から前記各センサの取り付け部までの部位での外気温に対する温度上昇分に相当する熱量とが一致する関係を実質的に用い、前記取得手段により取得された複数のタイミングでの前記各センサにより検出された吸気量及び吸気温に基づいて外気温を推定する推定手段とを備えたことを特徴とする温度推定装置。
  2. エンジンの吸気管においてその最上流部から離れた位置に取り付けられ、同吸気管を通じて吸入される空気の量である吸気量を検出する吸気量センサと、
    前記吸気量センサに一体に又は同センサ近傍に取り付けられ、前記吸気管を通じて吸入される空気の温度である吸気温を検出する吸気温センサと、
    複数のタイミングで、前記各センサにより検出された吸気量及び吸気温を取得する取得手段と、
    吸気温をTin、吸気管壁温をTw、外気温をTo、吸気量をGaとした場合にこれら各数の関係を表した次の関係式、
    Tw−To=(Tw−Tin)×f(Ga)
    を実質的に用い、前記取得手段により取得された複数のタイミングでの前記各センサにより検出された吸気量及び吸気温に基づいて外気温を推定する推定手段とを備えたことを特徴とする温度推定装置。
  3. 前記取得手段は、あらかじめ定めた所定時間内における複数のタイミングで、前記各センサにより検出された吸気量及び吸気温を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の温度推定装置。
  4. 前記吸気管内を流れる空気の流速又はそれに相関するパラメータを取得する手段をさらに備え、
    前記推定手段は、前記空気流速又はそれに相関するパラメータを補正パラメータとして用いて前記外気温推定を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の温度推定装置。
  5. 前記空気流速に相関するパラメータとして、前記吸気量センサの検出信号により算出した空気の体積流量を用いることを特徴とする請求項4に記載の温度推定装置。
  6. 前記空気流速に相関するパラメータとして、前記吸気量センサの検出信号により算出した空気の質量流量と前記吸気温との積を用いることを特徴とする請求項4に記載の温度推定装置。
  7. 大気圧を検出する大気圧検出手段をさらに備え、
    前記空気流速に相関するパラメータとして、前記質量流量と前記吸気温との積を前記大気圧検出手段により検出した大気圧で割った値を用いることを特徴とする請求項6に記載の温度推定装置。
  8. 前記吸気管内を流れる空気の密度又はそれに相関するパラメータを取得する手段をさらに備え、
    前記推定手段は、前記空気密度又はそれに相関するパラメータを補正パラメータとして用いて前記外気温推定を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の温度推定装置。
  9. 大気圧を検出する大気圧検出手段をさらに備え、
    前記空気密度に相関するパラメータとして、前記大気圧検出手段により検出した大気圧を前記吸気温で割った値を用いることを特徴とする請求項8に記載の温度推定装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の温度推定装置と、
    外気温を検出する外気温センサとを備えたエンジンの制御システムにおいて、
    前記外気温センサにより検出した外気温検出値と前記温度推定装置により推定した外気温推定値との比較に基づき、外気温センサが故障しているか否かを判定する故障判定手段を備えたことを特徴とするエンジンの制御システム。
  11. 前記推定手段は、前記した推定手法を用い、外気温に代えて又はこれに加えて、吸気管壁温を推定することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の温度推定装置。
  12. 請求項11に記載の温度推定装置を備えたエンジンの制御システムにおいて、
    前記推定手段により推定した吸気管壁温が所定温以上の場合に、前記エンジンを冷却するための処理を実行することを特徴とするエンジンの制御システム。
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