JP2006257939A - エアフローメータの異常検出装置及びエンジン制御装置 - Google Patents

エアフローメータの異常検出装置及びエンジン制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006257939A
JP2006257939A JP2005075312A JP2005075312A JP2006257939A JP 2006257939 A JP2006257939 A JP 2006257939A JP 2005075312 A JP2005075312 A JP 2005075312A JP 2005075312 A JP2005075312 A JP 2005075312A JP 2006257939 A JP2006257939 A JP 2006257939A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow meter
air flow
air
abnormality
load factor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005075312A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4449793B2 (ja
Inventor
Kazutaka Hattori
一孝 服部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2005075312A priority Critical patent/JP4449793B2/ja
Publication of JP2006257939A publication Critical patent/JP2006257939A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4449793B2 publication Critical patent/JP4449793B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】 本発明は、大気圧センサの異常による影響を受けることなくエアフローメータの異常を精度良く検出することができるエアフローメータの異常検出装置の提供を目的とする。
【解決手段】 吸入空気量を検出するエアフローメータ140と、大気圧を検出する大気圧センサ150と、少なくとも大気圧、エンジン回転数及びスロットル開度から吸入空気量を推定する空気量推定手段と、排気ガスの空燃比を検出する空燃比検出手段と、エアフローメータによる検出吸入空気量Vrと空気量推定手段による推定吸入空気量Vestとの関係、及び、空燃比に基づいて、エアフローメータの異常を検出する異常検出手段と、を備えることを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、エンジン制御に用いるエアフローメータの故障を検出するエアフローメータの異常検出装置及びエンジン制御装置に関する。
従来から、スロットル開度とエンジン回転数から推定して求めた推定吸入空気量とエアフローメータの出力から計測した吸入空気量との差に基づいてエアフローメータの異常を検出する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平4−350347号公報
ところで、一般的に、実質的な吸入空気量は、大気圧や吸気温度、車両負荷等により変化する。従って、上述の従来技術のように、エアフローメータの異常検出のための比較対象となる推定吸入空気量を、スロットル開度とエンジン回転数から推定する場合、大気圧や吸気温度等による補正が必要となる。
しかしながら、大気圧や吸気温度等による補正を行って推定吸入空気量を導出すると、大気圧センサの異常の場合にも、エアフローメータの異常の場合と同様に、推定吸入空気量とエアフローメータによる検出吸入空気量との関係が異常傾向を示す。従って、推定吸入空気量とエアフローメータによる検出吸入空気量とを単に比較するだけでは、大気圧センサの異常であるのか、それともエアフローメータの異常であるのかが分からない。
そこで、本発明は、大気圧センサの異常による影響を受けることなくエアフローメータの異常を精度良く検出することができるエアフローメータの異常検出装置、及び、エアフローメータの異常が検出された際にもエアフローメータの出力に基づいて適切にエンジンを制御できるエンジン制御装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一局面によれば、エンジン制御に用いられる吸入空気量を検出するエアフローメータの異常検出装置であって、
少なくとも大気圧、エンジン回転数及びスロットル開度から吸入空気量を推定する空気量推定手段と、
排気ガスの空燃比を検出する空燃比検出手段と、
エアフローメータによる検出吸入空気量と空気量推定手段による推定吸入空気量との関係、及び、空燃比に基づいて、エアフローメータの異常を検出する異常検出手段と、を備えることを特徴とするエアフローメータの異常検出装置が提供される。
本局面において、異常検出手段は、エアフローメータによる検出吸入空気量と空気量推定手段による推定吸入空気量との偏差が所定値以上であり、且つ、空燃比が所定範囲内にない場合に、エアフローメータの異常と判定するものであってよい。また、異常検出手段は、エアフローメータによる検出吸入空気量と空気量推定手段による推定吸入空気量との偏差が所定値以上であり、且つ、空燃比が所定範囲内にある場合に、大気圧センサの異常と判定するものであってよい。
本発明のその他の一局面によれば、エンジン制御に用いられる吸入空気量を検出するエアフローメータの異常検出装置であって、
吸入空気量及びエンジン回転数からエンジンの負荷率を算出するエンジン負荷率算出手段と、
少なくとも大気圧、エンジン回転数及びスロットル開度からエンジンの負荷率を推定するエンジン負荷率推定手段と、
排気ガスの空燃比を検出する空燃比検出手段と、
エンジン負荷率算出手段による計算エンジン負荷率とエンジン負荷率推定手段による推定エンジン負荷率との関係、及び、空燃比に基づいて、エアフローメータの異常を検出する異常検出手段と、を備えることを特徴とするエアフローメータの異常検出装置が提供される。
本局面において、異常検出手段は、エンジン負荷率算出手段による計算エンジン負荷率とエンジン負荷率推定手段による推定エンジン負荷率との偏差が所定値以上であり、且つ、空燃比が所定範囲外にある場合に、エアフローメータの異常と判定するものであってよい。
上記の各局面において、前記エアフローメータは、吸入空気量に応じた所定の出力電圧特性を有するエアフローメータであり、前記エアフローメータの異常は、エアフローメータの前記特性に係る異常であってよい。
本発明のその他の一局面によれば、上記の各局面によるエアフローメータの異常検出装置を備えるエンジン制御装置であって、
前記エアフローメータの異常検出装置によりエアフローメータの特性異常が検出された場合に、エアフローメータの出力電圧に基づく各種制御目標値に補正を加えることを特徴とする、エンジン制御装置が提供される。
本局面において、前記補正は、エアフローメータによる検出吸入空気量と空気量推定手段による推定吸入空気量との関係を表す傾き、又は、エンジン負荷率算出手段による計算エンジン負荷率とエンジン負荷率推定手段による推定エンジン負荷率との関係を表す傾きに基づいて行われてよい。
本発明によれば、大気圧センサの異常による影響を受けることなくエアフローメータの異常を精度良く検出することができるエアフローメータの異常検出装置、及び、エアフローメータの異常が検出された際にもエアフローメータの出力に基づいて適切にエンジンを制御できるエンジン制御装置を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図1は、本発明の適用可能なエンジン制御システムの一実施例を示すシステム構成図である。エンジン制御システムは、エンジンコントロールコンピューター10(以下、エンジンECU10という)を中心に構成されている。エンジンECU10は、マイクロコンピュータによって構成されており、例えば、制御プログラムを格納するROM、演算結果等を格納する読書き可能なRAM、タイマ、カウンタ、入力インターフェイス、及び出力インターフェイス等を有する。
エンジンECU10には、エアフローメータ140、吸気温センサ142、スロットルポジションセンサ116、空燃比センサ(Oセンサ)122、バルブタイミングセンサ132、カムポジションセンサ、クランクポジションセンサ、アクセル開度センサ(又はアクセルポジションセンサ)、水温センサ等、各種センサが接続されている。
スロットルポジションセンサ116は、インテークマニホールド110に装着され、スロットル・アクチュエータによって駆動されるスロットルバルブ114の開度(スロットル開度)を検出する。Oセンサ122は、エキゾーストマニホールド120に装着され、排気ガス中に残存している酸素濃度を検知する。バルブタイミングセンサ132は、気筒毎の点火サイクルに応じた吸排気バルブの開閉タイミングを検出する。尚、バルブタイミングは、各シリンダーの圧縮上死点を検出するカムポジションセンサやクランクポジションセンサの検出値により導出されてもよい。
エアフローメータ140は、図1に示すように、インテークマニホールド110内における入口付近(本例では、エアクリーナ118とスロットルバルブ114の間)に設定され、吸入空気量を検出する。エアフローメータ140は、吸気温センサ142を内蔵するホットワイヤ式又はホットフィルム式のエアフローメータであってよい。
図2は、ホットワイヤ式のエアフローメータ140の一例を示す斜視図である。図2に示すエアフローメータ140は、吸入空気の流路(図中黒矢印)に温度計測用の抵抗144と加熱抵抗(ヒータ)146とを備え、通過する空気の流量に応じて変化するこれら抵抗144,146の温度差が一定に保たれるように加熱抵抗146への供給電力がフィードバック制御される。エンジンECU10には、この供給電力に応じた電圧が入力される。エンジンECU10は、予め付与されたエアフローメータ140の特性(エアフローメータ140の出力電圧と流量との関係を示すマップ)に基づいて、吸入空気量を算出する。以下、このようにしてエアフローメータ140の出力に基づいて算出される吸入空気量を、「検出吸入空気量Vr」という。尚、この検出吸入空気量Vrは、主要なエンジン制御(燃料噴射制御、点火時期制御等)における各種目標制御値を決定する際の基本値となる。
エンジンECU10は、これらの各種センサのセンサ信号に基づいて、燃料噴射制御、点火時期制御、点火進角遅角制御、アイドル回転数制御、電子スロットル制御、燃料カット制御等、各種エンジン制御を行う。尚、本発明は、特にエンジン制御態様によって限定されるものではなく、如何なるエンジン制御態様に対しても適用可能である。
エンジンECU10には、大気圧センサ150が接続されている。大気圧センサ150は、例えば燃料タンクに設定される大気圧センサであってよい。大気圧センサ150の検出する大気圧は、以下で詳説する如く、エアフローメータ140の異常検出のために用いられる。
本実施例のエンジンECU10は、エアフローメータ140の異常を検出するため、エアフローメータ140以外のセンサ出力に基づいて吸入空気量を推定する。例えば、吸入空気量は、エンジン回転数及びスロットル開度、バルブタイミングとの関係から推定されてよい。吸入空気量と、エンジン回転数及びスロットル開度、バルブタイミングとの関係は、実験やシミュレーション結果等に基づいて予め導出しておき、予めマップ形式でエンジンECU10のアクセス可能なメモリ(例えばROM)に格納しておく。この場合、エンジンECU10は、スロットルポジションセンサ116及びバルブタイミングセンサ132のセンサ信号に基づいて、当該マップにより吸入空気量を推定する。
エンジンECU10は、更に、このようにして推定した吸入空気量(体積流量表現[L/min])を、大気圧センサ150及び吸気温センサ142によりそれぞれ検出される大気圧及び吸気温度を用いて、質量流量表現[kg/ min]に変換する。これは、エアフローメータ140により質量流量で検出される上記の検出吸入空気量Vrと比較するためである。以下、このようにして推定・導出される、質量流量表現による吸入空気量を、「推定吸入空気量Vest」という。
エンジンECU10は、このようにしてそれぞれ導出された検出吸入空気量Vrと推定吸入空気量Vestとの関係、及び、空燃比に基づいて、エアフローメータ140の異常を検出する。ここで、検出吸入空気量Vrと推定吸入空気量Vestとの関係だけではなく、空燃比をも考慮するのは、エアフローメータ140の異常以外の要因、特に大気圧センサ150の異常の要因を排除するためである。
より具体的には、通常時のエンジン制御では、一般的に、理想空燃比(ストイキ燃焼状態)となるように燃料噴射量が制御されている。即ち、エンジンECU10は、アクセル開度及びエアフローメータ140の検出吸入空気量Vrに基づいて、アクセル開度に応じた流量の空気が燃焼室に供給されるように、スロットル開度を制御して、燃焼室内でストイキ燃焼を実現する。従って、エアフローメータ140に異常が生ずると、空燃比(Oセンサ122による検出値)が理想空燃比から逸脱するのに対して、大気圧センサ150に異常が生じても、空燃比が理想空燃比から逸脱することがない。一方、検出吸入空気量Vrと推定吸入空気量Vestとの関係は、大気圧センサ150の異常の場合にも、エアフローメータ140の異常の場合と同様の異常傾向を示す。従って、空燃比が理想空燃比付近から逸脱し、且つ、検出吸入空気量Vrと推定吸入空気量Vestとの関係が異常傾向を示す場合に初めて、大気圧センサ150の異常ではなく、エアフローメータ140の異常であることが確定できる。
従って、本実施例によれば、検出吸入空気量Vrと推定吸入空気量Vestとの関係、及び、空燃比に基づいて、エアフローメータ140の異常を検出することで、大気圧センサ150の異常による影響を受けることない高い精度で、エアフローメータ140の異常を検出することが可能となる。
以下、図3以降の図面を参照して、より具体的な実施例を説明していく。
図3は、エンジンECU10により実行されるエアフローメータ140の異常検出処理を示すフローチャートである。
先ず、ステップ100〜120では、エアフローメータ140の異常検出のための前提条件(エンジンの安定した運転状態)が判定される。
具体的には、ステップ100では、推定エンジン負荷率LFest[%]を算出するのに用いる各種パラメータの偏差(ないし変動)が所定値内であるか否かが判断される。ここで、推定エンジン負荷率LFestとは、上記の推定吸入空気量Vestに基づいて算出されるエンジン負荷率であり、具体的には、LFest=推定吸入空気量Vest/エンジン回転数REVにより算出される。従って、本例では、各種パラメータとは、推定吸入空気量Vestの算出パラメータ、即ちエンジン回転数及びスロットル開度、バルブタイミングとなる。各種パラメータの偏差が所定値内である場合には、ステップ110に進み、各種パラメータの偏差が所定値内でない場合には、エンジンが安定した運転状態になるまで待機状態となる。
ステップ110では、計算エンジン負荷率LFcal[%]が算出され、計算エンジン負荷率LFcalと推定エンジン負荷率LFestとの関係を表す傾き(比)が算出される。ここで、計算エンジン負荷率LFcalとは、上記の検出吸入空気量Vrに基づいて算出されるエンジン負荷率であり、具体的には、LFcal=検出吸入空気量Vr/エンジン回転数REVにより算出される。尚、計算エンジン負荷率LFcalと推定エンジン負荷率LFestとの関係を表す傾き(比)については後述する。
ステップ120では、推定エンジン負荷率LFestが所定値以上であるか否かが判断される。これは、図4を参照して後述する如く、推定エンジン負荷率LFestが小さい状態では、計算エンジン負荷率LFcalと推定エンジン負荷率LFestとの関係に、エアフローメータ140の正常時と異常時とで顕著な差異が出ないためである。推定エンジン負荷率LFestが所定値以上である場合、ステップ130以降の処理に進み、推定エンジン負荷率LFestが所定値以上でない場合、ステップ100に戻る。
ステップ130では、計算エンジン負荷率LFcalと推定エンジン負荷率LFestとの関係を表す傾き(比)が所定範囲外であるか否かが判断される。
図4は、計算エンジン負荷率LFcalと推定エンジン負荷率LFestとの関係を表す特性図である。図4には、エアフローメータ140に異常がある場合のプロット点群と、エアフローメータ140に異常がない場合(正常な場合)のプロット点群とが示されている。図4からは、エアフローメータ140が正常な場合のプロット点群は、傾き約1の直線に沿って分布するのに対して、エアフローメータ140に異常がある場合のプロット点群は、傾き1から逸脱した傾きα(本例では、α<1)の直線に沿って分布するのが分かる。従って、計算エンジン負荷率LFcalと推定エンジン負荷率LFestとの比が、1から大きく逸脱した場合に、エアフローメータ140の特性(エアフローメータ140の出力電圧とその出力電圧に対応する流量との関係)の異常の可能性を検出することができる。尚、かかるエアフローメータ140の特性異常は、抵抗値の異常や異物の固着による放熱特性の変化等が要因として考えられる。
そこで、本実施例では、ステップ130で、計算エンジン負荷率LFcalと推定エンジン負荷率LFestとの比が、1を中心とした所定範囲外である場合に、エアフローメータ140の異常の可能性があると判断して、ステップ140に進む。一方、計算エンジン負荷率LFcalと推定エンジン負荷率LFestとの比が所定範囲内である場合に、エアフローメータ140及び大気圧センサ150共に正常であると判断して(ステップ150)、処理が終了される。
尚、図4からは、エアフローメータ異常時のプロット点群と、エアフローメータ正常時のプロット点群とは、推定エンジン負荷率LFest(又は計算エンジン負荷率LFcal)が大きくなった領域で、切り分けが容易となることがわかる。このため、上記ステップ120で、推定エンジン負荷率LFestが所定値以上であるか否かが判断されているのである。尚、図4に示す例では、所定値は、40%、より好ましくは50%以上の値となる。
ステップ140では、空燃比が、理想空燃比(例えば一般的な値14.6:1〜14.8:1)を中心とした所定範囲内であるか否かが判断される。ここで、空燃比が考慮されるのは、上述の如く、大気圧センサ150の異常の場合にも図4に示すような異常傾向が現れるからである。
本ステップ140において、空燃比が所定範囲外である場合、エアフローメータ140の異常であると判断して(ステップ160)、空燃比が所定範囲内である場合、大気圧センサ150の異常であると判断して(ステップ170)、それぞれステップ180に進む。
ステップ180では、それぞれの異常に応じてメータ内の警告ランプが点灯され、異常を示すコード(異常を示すフラグないしダイアグコード)が設定・記憶される。或いは、車室内のディスプレイ装置やマイク(ないしスピーカ)を介して音響的及び/又は視覚的な警報が出力されてもよい。
以上のように本実施例によれば、計算エンジン負荷率LFcalと推定エンジン負荷率LFestとの比に現れる異常傾向に基づいて、エアフローメータ140の異常を検出することで、検出精度が向上する。また、空燃比を考慮することで、同様の異常傾向を示すエアフローメータ140の異常と大気圧センサ150の異常とを確実に切り分けて検出することができる。
尚、本実施例では、計算エンジン負荷率LFcalと推定エンジン負荷率LFestとの比に基づいているが、図4からも明らかなように、計算エンジン負荷率LFcalと推定エンジン負荷率LFestとの偏差を表すことができれば、如何なるパラメータに基づくものであってもよく、例えば、計算エンジン負荷率LFcalと推定エンジン負荷率LFestとの差に基づいて異常傾向を検出してもよい。
また、本実施例では、ストイキ(理想空燃比)を基準空燃比として当該基準空燃比からの逸脱の有無に応じて、エアフローメータ140の異常と大気圧センサ150の異常とを切り分けているが、エンジン制御が他の燃焼モードで実行されている場合には、それに応じて基準空燃比が変化されてよい。例えば、ストイキ燃焼よりも大きな空燃比で燃焼が行われる成層燃焼モードでは、理想空燃比より大きい基準空燃比を設定し、当該基準空燃比からの逸脱の有無に応じて、エアフローメータ140の異常と大気圧センサ150の異常とを切り分けてよい。尚、成層燃焼モードとは、スロットル開度を全開として多量の空気を燃焼室に供給すると共に、アクセル開度に応じた燃料を圧縮行程において噴射することにより、燃焼室内で成層燃焼を実現する動作モードである。
次に、図5を参照して、エンジンECU10により実行されるエアフローメータ異常検出時の異常対策処理について説明する。尚、ここでは、説明の複雑化を防止するため、大気圧センサ150の異常が無いものと仮定して、即ち異常傾向検出時には空燃比が所定範囲外となっていることを前提して説明する。
ステップ200では、上述のように、計算エンジン負荷率LFcalと推定エンジン負荷率LFestとの比(傾き)が算出される。
ステップ210では、上述のステップ130と同様、ステップ200で算出した傾きが基準値1から所定値以上逸脱しているか否かが判断される。所定値以上逸脱していなければ、エアフローメータ140は正常であると判断して(ステップ220)、処理が終了される。所定値以上逸脱していれば、エアフローメータ140が異常であると判断して(ステップ230)、ステップ240に進む。
ステップ240では、前回の傾き補正量から所定値以上変化したかが判断される。傾き補正量とは、図4に示すような正常時と異常時の傾きの偏差を補償するための補正量であり、今回のステップ240の処理が初回の場合、前回の傾き補正量はゼロである。前回の傾き補正量から所定値以上変化していないと判断された場合、補正が不要であると判断して、そのまま処理が終了される。一方、前回の傾き補正量から所定値以上変化したと判断された場合、補正が必要であると判断して、ステップ250に進む。尚、図4に示すような異常傾向があり、且つ、今回のステップ240の処理が初回の場合、ステップ250に進むことになる。また、図4に示すような異常傾向があっても、前回の補正済みである場合には、前回補正した傾きに対して更に補正が必要となった場合に、ステップ250に進むことになる。
ステップ250では、エアフローメータ140の特性マップ(出力電圧と流量との関係を示すマップ)に対する補正係数が更新される。即ち、エアフローメータ140の出力電圧から検出吸入空気量Vrを算出する際の補正係数が更新される。補正係数は、図4に示すような正常時と異常時の傾きの偏差を補償するために必要な補正係数である。例えば図4に示すように、傾きαが1より小さい場合、傾きが1に近づく方向に補正係数が決定される。尚、この補正は、急激な特性変化を抑制するために段階的に実施されてよい。
以上のように本実施例によれば、エアフローメータ140の特性異常が検出された場合に、その異常傾向に応じた補正が行われるので、エアフローメータ140の特性異常が生じた場合でも、エンジンからの排気ガスのエミッションを最小限に抑え、環境への影響を最小限に抑えることができる。尚、本実施例では、このようにエアフローメータ140の特性異常が検出された場合に、その偏差に応じた補正が行われるので、理論的には、エアフローメータ140の特性異常が無い場合と同様のエンジン制御が可能となるが、実際には精度上の問題があるので、エアフローメータ140の交換などを促す警報(上述のステップ160参照)を行うことが望ましい。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述した実施例は、ホットワイヤ式又はホットフィルム式のエアフローメータ140に特に好適であるが、本発明は、カルマン式のエアフローメータに対しても適用可能である。
また、上述した実施例では、推定吸入空気量Vestは、エンジン回転数やスロットル開度等をパラメータとしてマップによる算出後に大気圧等による補正がなされて導出されているが、その他のパラメータが用いられてもよいし、上記のパラメータが省略されてもよいし、また、推定吸入空気量Vestは、大気圧や吸気温度をパラメータに加えたマップにより導出されてもよい。
本発明の適用可能なエンジン制御システムの一実施例を示すシステム構成図である。 ホットワイヤ式のエアフローメータ140の一例を示す斜視図である。 エンジンECU10により実行されるエアフローメータ140の異常検出処理を示すフローチャートである。 計算エンジン負荷率LFcalと推定エンジン負荷率LFestとの関係を表す特性図である。 エンジンECU10により実行される異常対策処理を示すフローチャートである。
符号の説明
10 エンジンコントロールコンピューター(エンジンECU)
110 インテークマニホールド
114 スロットルバルブ
116 スロットルポジションセンサ
118 エアクリーナ
120 エキゾーストマニホールド
122 Oセンサ
132 バルブタイミングセンサ
140 エアフローメータ
142 吸気温センサ
144 抵抗
146 加熱抵抗(ヒータ)
150 大気圧センサ

Claims (8)

  1. エンジン制御に用いられる吸入空気量を検出するエアフローメータの異常検出装置であって、
    少なくとも大気圧、エンジン回転数及びスロットル開度から吸入空気量を推定する空気量推定手段と、
    排気ガスの空燃比を検出する空燃比検出手段と、
    エアフローメータによる検出吸入空気量と空気量推定手段による推定吸入空気量との関係、及び、空燃比に基づいて、エアフローメータの異常を検出する異常検出手段と、を備えることを特徴とするエアフローメータの異常検出装置。
  2. 異常検出手段は、エアフローメータによる検出吸入空気量と空気量推定手段による推定吸入空気量との偏差が所定値以上であり、且つ、空燃比が所定範囲内にない場合に、エアフローメータの異常と判定する、請求項1に記載のエアフローメータの異常検出装置。
  3. 異常検出手段は、エアフローメータによる検出吸入空気量と空気量推定手段による推定吸入空気量との偏差が所定値以上であり、且つ、空燃比が所定範囲内にある場合に、大気圧センサの異常と判定する、請求項1に記載のエアフローメータの異常検出装置。
  4. エンジン制御に用いられる吸入空気量を検出するエアフローメータの異常検出装置であって、
    吸入空気量及びエンジン回転数からエンジンの負荷率を算出するエンジン負荷率算出手段と、
    少なくとも大気圧、エンジン回転数及びスロットル開度からエンジンの負荷率を推定するエンジン負荷率推定手段と、
    排気ガスの空燃比を検出する空燃比検出手段と、
    エンジン負荷率算出手段による計算エンジン負荷率とエンジン負荷率推定手段による推定エンジン負荷率との関係、及び、空燃比に基づいて、エアフローメータの異常を検出する異常検出手段と、を備えることを特徴とするエアフローメータの異常検出装置。
  5. 異常検出手段は、エンジン負荷率算出手段による計算エンジン負荷率とエンジン負荷率推定手段による推定エンジン負荷率との偏差が所定値以上であり、且つ、空燃比が所定範囲外にある場合に、エアフローメータの異常と判定する、請求項4に記載のエアフローメータの異常検出装置。
  6. 前記エアフローメータは、吸入空気量に応じた所定の出力電圧特性を有するエアフローメータであり、前記エアフローメータの異常は、エアフローメータの前記特性に係る異常である、請求項2又は5に記載のエアフローメータの異常検出装置。
  7. 請求項6に記載のエアフローメータの異常検出装置を備えるエンジン制御装置であって、
    前記エアフローメータの異常検出装置によりエアフローメータの前記特性異常が検出された場合に、エアフローメータの出力電圧に基づく各種制御目標値に補正を加えることを特徴とする、エンジン制御装置。
  8. エアフローメータによる検出吸入空気量と空気量推定手段による推定吸入空気量との関係を表す傾き、又は、エンジン負荷率算出手段による計算エンジン負荷率とエンジン負荷率推定手段による推定エンジン負荷率との関係を表す傾きに基づいて、前記補正を行う、請求項7に記載のエンジン制御装置。
JP2005075312A 2005-03-16 2005-03-16 エアフローメータの異常検出装置及びエンジン制御装置 Expired - Fee Related JP4449793B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005075312A JP4449793B2 (ja) 2005-03-16 2005-03-16 エアフローメータの異常検出装置及びエンジン制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005075312A JP4449793B2 (ja) 2005-03-16 2005-03-16 エアフローメータの異常検出装置及びエンジン制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006257939A true JP2006257939A (ja) 2006-09-28
JP4449793B2 JP4449793B2 (ja) 2010-04-14

Family

ID=37097490

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005075312A Expired - Fee Related JP4449793B2 (ja) 2005-03-16 2005-03-16 エアフローメータの異常検出装置及びエンジン制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4449793B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009203868A (ja) * 2008-02-27 2009-09-10 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の吸気制御装置
JP2012225269A (ja) * 2011-04-20 2012-11-15 Toyota Motor Corp エアフローメーターの故障検出装置
US8463524B2 (en) 2008-08-29 2013-06-11 Denso Corporation Air quantity control device of internal combustion engine
WO2022202613A1 (ja) * 2021-03-26 2022-09-29 いすゞ自動車株式会社 故障診断方法
WO2022208863A1 (ja) * 2021-04-02 2022-10-06 日産自動車株式会社 車両の異常診断方法及び車両の異常診断装置
CN117914954A (zh) * 2024-03-20 2024-04-19 南通阳鸿石化储运有限公司 一种危险化学品储运过程中数据传输方法及系统

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009203868A (ja) * 2008-02-27 2009-09-10 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の吸気制御装置
US8463524B2 (en) 2008-08-29 2013-06-11 Denso Corporation Air quantity control device of internal combustion engine
JP2012225269A (ja) * 2011-04-20 2012-11-15 Toyota Motor Corp エアフローメーターの故障検出装置
WO2022202613A1 (ja) * 2021-03-26 2022-09-29 いすゞ自動車株式会社 故障診断方法
JP2022150189A (ja) * 2021-03-26 2022-10-07 いすゞ自動車株式会社 故障診断方法
JP7415998B2 (ja) 2021-03-26 2024-01-17 いすゞ自動車株式会社 故障診断方法
WO2022208863A1 (ja) * 2021-04-02 2022-10-06 日産自動車株式会社 車両の異常診断方法及び車両の異常診断装置
JP7160215B1 (ja) * 2021-04-02 2022-10-25 日産自動車株式会社 車両の異常診断方法及び車両の異常診断装置
CN115443376A (zh) * 2021-04-02 2022-12-06 日产自动车株式会社 车辆的异常诊断方法以及车辆的异常诊断装置
CN115443376B (zh) * 2021-04-02 2023-11-14 日产自动车株式会社 车辆的异常诊断方法以及车辆的异常诊断装置
CN117914954A (zh) * 2024-03-20 2024-04-19 南通阳鸿石化储运有限公司 一种危险化学品储运过程中数据传输方法及系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP4449793B2 (ja) 2010-04-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4335249B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6000309B2 (ja) 内燃機関のegr流量推定装置、及び内燃機関の制御装置
JP4449793B2 (ja) エアフローメータの異常検出装置及びエンジン制御装置
JP2007032466A (ja) 内燃機関用制御装置
JP5513426B2 (ja) 酸素センサ制御装置
JP3929740B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2003307152A (ja) 車両におけるmapセンサー故障診断装置及び方法
US8051641B2 (en) Exhaust gas purifying apparatus for internal combustion engine
US20210317795A1 (en) Control device of supercharger-equipped engine
JPH07247884A (ja) アイドリング制御方法
JP3544197B2 (ja) 内燃機関の電子制御装置
US20090118976A1 (en) Fuel injection quantity control system for general-purpose engine
JP2006057523A (ja) エンジン制御システムの異常診断装置
JPH0323347A (ja) エアフローメータの劣化検出装置
JPH01224424A (ja) 内燃機関の制御装置
JPH05163992A (ja) 混合燃料供給装置のフェイルセイフ装置
JP2001159574A (ja) 圧力センサの診断装置
JP3869634B2 (ja) 内燃機関の空燃比フィードバック制御装置
JP2006336608A (ja) 吸気流量測定装置
JP4230140B2 (ja) 内燃機関の燃料供給制御装置
JP4655229B2 (ja) 内燃機関の吸気システムの異常診断装置
JPH10299542A (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2006348930A (ja) 吸気管負圧相関値推定システム
JP2606020B2 (ja) 排気ガス還流制御装置の故障検出装置
JP5770000B2 (ja) 酸素センサ制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070926

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090901

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091028

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100105

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100118

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130205

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130205

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140205

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees