JP2007016683A - エンジンの吸気圧力検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 エンジンの吸気圧力を過渡時でも高精度に検出できるようにした。
【解決手段】
スロットル弁を通過する吸気流量を算出し、該吸気流量に基づいて前記吸気圧力を算出する第1の演算方式と、エンジンの吸気系をモデル化し、コレクタ部内の状態を気体の状態方程式で表しつつ前記吸気圧力を算出する第2の演算方式と、でそれぞれ吸気圧力を演算し、これら複数の演算方式で演算された吸気圧力のうち、小さい方の値を吸気圧力検出値として選択するようにした。
【選択図】 図2
【解決手段】
スロットル弁を通過する吸気流量を算出し、該吸気流量に基づいて前記吸気圧力を算出する第1の演算方式と、エンジンの吸気系をモデル化し、コレクタ部内の状態を気体の状態方程式で表しつつ前記吸気圧力を算出する第2の演算方式と、でそれぞれ吸気圧力を演算し、これら複数の演算方式で演算された吸気圧力のうち、小さい方の値を吸気圧力検出値として選択するようにした。
【選択図】 図2
Description
本発明は、エンジンの吸気管コレクタ部の吸気圧力を検出する装置に関する。
特許文献1には、エアフロメータで検出した吸気流量(質量流量)を加重平均して充填効率を得る技術が開示されている。
また、特許文献2には、コレクタ部内の状態を気体の状態方程式を変形した漸化式からエアフロメータの計測値とその前回値から過渡時においても充填効率を演算する技術が開示されている。
また、特許文献3には、吸気系をモデル化し、エアフロメータで検出した質量流量と、シリンダ部の体積流量を、コレクタ部における状態方程式によって収支演算を行う方法が開示されている。
また、特許文献4、特許文献5では、エアフロメータの他、吸気圧センサを併用する方法が開示されている。
特開平2−227528号公報
特開平8−502113号公報
特開2001−50091号公報
特開2000−161113号公報
特開2004−263571号公報
また、特許文献2には、コレクタ部内の状態を気体の状態方程式を変形した漸化式からエアフロメータの計測値とその前回値から過渡時においても充填効率を演算する技術が開示されている。
また、特許文献3には、吸気系をモデル化し、エアフロメータで検出した質量流量と、シリンダ部の体積流量を、コレクタ部における状態方程式によって収支演算を行う方法が開示されている。
また、特許文献4、特許文献5では、エアフロメータの他、吸気圧センサを併用する方法が開示されている。
特許文献1では、加重平均の重み係数を、運転領域毎に設定しなければならず、物理現象をモデル化していないので、精度が悪く、特に始動時は、エアフロメータでの質量流量が0になっているため、正確に演算できなかった。
特許文献2では、スロットル部で流れが臨界になると流速が音速に達するため、上流に情報が伝達されなくなり、充填効率の演算精度が悪化していた。
特許文献3では、スロットル部での流れが臨界に達していてもスロットル部下流の状態を演算することができるが、逆に、臨界でないときでスロットル部の前後圧力比が1付近(非圧縮性流れ)では、シリンダの体積流量の演算誤差の影響が顕著に表れ、圧力演算値が大きな誤差になってしまうことが判明した。
特許文献4,5では、余分に吸気圧センサを用いるため、コスト高となり、また、吸気圧センサでの吸気圧検出値は、エンジンの間欠的な吸気と吸気管共鳴による圧力脈動や検出回路のフィルタの応答遅れによる外乱を含んでしまい、やはり精度悪化となる。
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、簡易にして精度の高い吸気圧力さらには充填効率を求めることができることを目的とする。
特許文献2では、スロットル部で流れが臨界になると流速が音速に達するため、上流に情報が伝達されなくなり、充填効率の演算精度が悪化していた。
特許文献3では、スロットル部での流れが臨界に達していてもスロットル部下流の状態を演算することができるが、逆に、臨界でないときでスロットル部の前後圧力比が1付近(非圧縮性流れ)では、シリンダの体積流量の演算誤差の影響が顕著に表れ、圧力演算値が大きな誤差になってしまうことが判明した。
特許文献4,5では、余分に吸気圧センサを用いるため、コスト高となり、また、吸気圧センサでの吸気圧検出値は、エンジンの間欠的な吸気と吸気管共鳴による圧力脈動や検出回路のフィルタの応答遅れによる外乱を含んでしまい、やはり精度悪化となる。
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、簡易にして精度の高い吸気圧力さらには充填効率を求めることができることを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、前記スロットル弁を通過する吸気流量を算出し、該吸気流量に基づいてスロットル部下流のコレクタ部内の吸気圧力を算出する第1の演算方式と、前記吸気圧力をエンジンの吸気系をモデル化しつつ、コレクタ部内の状態を気体の状態方程式で表す第2の演算方式と、で演算するなど、複数の演算方式で演算された吸気圧力のうち、最小値を吸気圧力検出値として選択する構成とした。
第1の演算方式では、スロットル部前後の圧力比が小さい低負荷領域では、吸気圧力を高精度に演算できるが、前記圧力比が1に近づき臨界圧近傍に達する高負荷領域では、下流側の吸気圧力情報が伝わらず、臨界圧一定に固定されてしまい、正しく演算することができない。
第2の演算方式では、全負荷領域で吸気圧力を演算できるが、前記圧力比が減少するして低負荷になるほど、吸気圧力の高い側に演算誤差が増大する。
第2の演算方式では、全負荷領域で吸気圧力を演算できるが、前記圧力比が減少するして低負荷になるほど、吸気圧力の高い側に演算誤差が増大する。
そこで本発明では、第2の演算方式では、第1の演算方式より吸気圧力の高い側に誤差を生じることに着目し、これら複数の演算方式で演算された吸気圧力のうち、最小の値を吸気圧力検出値として選択することで、段差を生じることなく、できるだけ高い精度を得ながら、全負荷領域で吸気圧力を演算することができる。
図1は、本発明に係るエンジン(内燃機関)の吸気系を含む構成の概要を示す。
エンジン1の吸気通路2は、上流側から吸気を浄化するエアクリーナ3、吸気流量を質量流量で計測するエアフロメータ4、通路断面積を変化させて吸気流量を制御する電子制御式のスロットル弁5、コレクタ部6、各気筒の吸気ポート7、吸気バルブ8を備え、吸気は、該吸気通路2を通って各気筒のシリンダに流入する。
エンジン1の吸気通路2は、上流側から吸気を浄化するエアクリーナ3、吸気流量を質量流量で計測するエアフロメータ4、通路断面積を変化させて吸気流量を制御する電子制御式のスロットル弁5、コレクタ部6、各気筒の吸気ポート7、吸気バルブ8を備え、吸気は、該吸気通路2を通って各気筒のシリンダに流入する。
前記各気筒の吸気ポート7(もしくは燃焼室内)には、燃料噴射弁8が設けられ、該燃料噴射弁8は、エンジンコントロールユニット(以下ECUという)20からの制御信号によって駆動される。これにより、燃料噴射量が制御され、燃焼室内で吸入空気との混合気が、点火栓9により点火され燃焼する。
前記エアフローメータ4の他、エンジン回転速度を検出する回転速度センサ10、スロットル弁5の開度を検出するスロットルセンサ11、吸気温度Tを検出する吸気温センサ12等が設けられ、これらのセンサ類で検出された信号は、前記ECU20に入力される。
前記エアフローメータ4の他、エンジン回転速度を検出する回転速度センサ10、スロットル弁5の開度を検出するスロットルセンサ11、吸気温度Tを検出する吸気温センサ12等が設けられ、これらのセンサ類で検出された信号は、前記ECU20に入力される。
そして、前記ECU20は、前記コレクタ部6内の吸気圧力を検出し、さらに、該吸気圧力に基づいてシリンダ吸入空気量(充填効率)を算出して、該充填効率に応じた燃料噴射量を算出し、前記燃料噴射弁8を駆動して燃料噴射制御している。
ここで、前記吸気圧力の検出として、前記スロットル弁5を通過する吸気流量を算出し、該吸気流量に基づいてスロットル部下流のコレクタ部6内の吸気圧力を算出する第1の演算方式と、前記吸気圧力をエンジンの吸気系をモデル化しつつ、コレクタ部内の状態を気体の状態方程式で表しつつ演算する第2の演算方式と、で演算し、これら複数の演算方式で演算された吸気圧力のうち、最小の値を吸気圧力検出値Peとして選択する。
ここで、前記吸気圧力の検出として、前記スロットル弁5を通過する吸気流量を算出し、該吸気流量に基づいてスロットル部下流のコレクタ部6内の吸気圧力を算出する第1の演算方式と、前記吸気圧力をエンジンの吸気系をモデル化しつつ、コレクタ部内の状態を気体の状態方程式で表しつつ演算する第2の演算方式と、で演算し、これら複数の演算方式で演算された吸気圧力のうち、最小の値を吸気圧力検出値Peとして選択する。
以下に、前記ECU20により実行される制御について説明する。
図2は、上記吸気圧力Pe検出のフローを示す。
ステップS1では、前記第1の演算方式で吸気圧力を演算する。
ステップS2では、前記第2の演算方式で吸気圧力を演算する。
そして、ステップS3で、上記第1の演算方式で演算された吸気圧力Pe1と、第2の演算方式で演算された吸気圧力Pe2の大小を比較し、Pe1<Pe2のときは、ステップS4へ進んでP1を最終の吸気圧力検出値Peとして選択し、Pe1≧Pe2のときは、ステップS5へ進んでPe2を最終の吸気圧力検出値Peとして選択する。
図2は、上記吸気圧力Pe検出のフローを示す。
ステップS1では、前記第1の演算方式で吸気圧力を演算する。
ステップS2では、前記第2の演算方式で吸気圧力を演算する。
そして、ステップS3で、上記第1の演算方式で演算された吸気圧力Pe1と、第2の演算方式で演算された吸気圧力Pe2の大小を比較し、Pe1<Pe2のときは、ステップS4へ進んでP1を最終の吸気圧力検出値Peとして選択し、Pe1≧Pe2のときは、ステップS5へ進んでPe2を最終の吸気圧力検出値Peとして選択する。
次に、上記第1の演算方式による吸気圧力Peの演算を、図3のフローチャートにしたがって、説明する。
ステップS11では、エアフローメータ4によって検出される吸気の質量流量をモル流量ninとして算出する。
ステップS12では、スロットル開度TVOに基づいて、図4に示す特性マップを参照してスロットル開口面積Aを算出する。
ステップS11では、エアフローメータ4によって検出される吸気の質量流量をモル流量ninとして算出する。
ステップS12では、スロットル開度TVOに基づいて、図4に示す特性マップを参照してスロットル開口面積Aを算出する。
ステップS13では、前記モル流量ninと前記スロットル開口面積Aとに基づいて、スロットル弁の前後圧力比Pe/P0の関数である流量係数f(Pe/P0)を算出する。
ステップS14では、上記流量係数f(Pe/P0)の算出結果に基づいて、図5に示す特性マップを参照して圧力比Pe/P0を算出する。ここで、該圧力比Pe/P0は、前記流量係数f(Pe/P0)の逆関数Fとして算出したデータを、前記マップに割り付けてある。
具体的には、ノズルにおける一次元の流れの式により、次式が成立する。
図6は、本演算方式のモデルシステムを示す。
概要を説明すると、エアフローメータ4によって検出されるスロットル弁を介してコレクタ部に流入する吸気流量ninと、エンジン回転速度Neによって算出されるシリンダへ流入する体積流量をコレクタ部内の吸気圧力Pe、大気温度T0によって質量流量(モル流量)noutに変換し、前記コレクタ部へ流入するモル流量ninと、コレクタ部から流出するモル流量noutとの収支によって逐次変化するコレクタ部内の吸気圧力Peを算出するものである。
図7は、本演算方式による吸気圧力Peを演算するフローを示す。
ステップS21では、エンジン回転速度Neを読み込む。
ステップS22では、エンジン回転速度Neに基づいて、シリンダ吸入体積効率ηを、図8に示すマップから参照して設定する。この、シリンダ吸入体積効率ηは、エンジン回転速度Neに応じた吸気の慣性によって変化するが、予め実験で求めたデータを前記マップに割り付ける。
ステップS23では、前記エンジン回転速度Neおよびシリンダ吸入体積効率ηに基づいて、次式によりシリンダ流量(体積流量)Qcylを算出する。
ステップS23では、前記エンジン回転速度Neおよびシリンダ吸入体積効率ηに基づいて、次式によりシリンダ流量(体積流量)Qcylを算出する。
Qcyl=V×Ne/120×η・・・(6)
V:エンジンの排気量
ステップS24では、コレクタ部の吸気温度Tc(=大気温度T0)を読み込む。
ステップS25では、エアフローメータ4によって検出されるコレクタ部へ流入する質量流量をモル流量ninとして算出する。
V:エンジンの排気量
ステップS24では、コレクタ部の吸気温度Tc(=大気温度T0)を読み込む。
ステップS25では、エアフローメータ4によって検出されるコレクタ部へ流入する質量流量をモル流量ninとして算出する。
ステップS26では、コレクタ部から流出し、シリンダに流入するモル流量noutを算出する。これは、前記(1)式で算出したシリンダ流入体積流量Qcylを、コレクタ部内の吸気圧力Peと吸気温度Tc(=大気温度T0)によってコレクタ内の空気密度が定まるので、次式のようにモル流量noutに換算される。
nout=(Pe(n-1)/T0)×Qcyl
=(Pe(n-1)/T0)×V×Ne/120×η・・・(7)
ただし、Pe(n-1)は吸気圧力Peの前回算出値で、初期値は大気圧P0である。大気圧P0は、大気圧センサを設けて検出できるが、簡易的には、標準大気圧(760mmHg)を用いてもよい。
nout=(Pe(n-1)/T0)×Qcyl
=(Pe(n-1)/T0)×V×Ne/120×η・・・(7)
ただし、Pe(n-1)は吸気圧力Peの前回算出値で、初期値は大気圧P0である。大気圧P0は、大気圧センサを設けて検出できるが、簡易的には、標準大気圧(760mmHg)を用いてもよい。
ステップS27では、上記コレクタ部へ流入するモル流量ninとシリンダへ流入するモル流量noutとに基づいて、以下のように、逐次変化する吸気圧力Peを算出する。
コレクタ部内の気体(空気)の状態方程式は、次式で示される。
Pe×Vc=nc×R×T2・・・(8)
Vc:コレクタ部容積
nc:コレクタ部内の吸気モル量
R:ガス定数
コレクタ容積Vc、吸気温度Tc(=T0)一定とすると、吸気圧力Peの変化量ΔPeは、次式で示されるように、コレクタ内の吸気モル量ncの変化量Δncによって定まる。
コレクタ部内の気体(空気)の状態方程式は、次式で示される。
Pe×Vc=nc×R×T2・・・(8)
Vc:コレクタ部容積
nc:コレクタ部内の吸気モル量
R:ガス定数
コレクタ容積Vc、吸気温度Tc(=T0)一定とすると、吸気圧力Peの変化量ΔPeは、次式で示されるように、コレクタ内の吸気モル量ncの変化量Δncによって定まる。
ΔPe=Δnc×R×T0/Vc・・・(9)
演算時間間隔をΔtとすると、前記Δt間でのコレクタ部内の吸気圧力変化量はP2−P2(n-1)、コレクタ部内のモル量ncの変化量は、(nin−nout)×Δtで表される。
したがって、次式が成立する。
Pe−Pe(n-1)=(nin−nout)×Δt×R×T2/Vc
→Pe=Pe(n-1)+(nin−nout)×Δt×R×T2/Vc・・・(10)
上記第2の演算方式において、機関バルブ(吸・排気バルブ)の可変に制御されるバルブタイミングをパラメータとして用いて吸気管圧力を演算たり、EGR流量、蒸発燃料パージ流量、ブローバイガス流量等をパラメータとして含んで吸気管圧力を演算することもできる。
演算時間間隔をΔtとすると、前記Δt間でのコレクタ部内の吸気圧力変化量はP2−P2(n-1)、コレクタ部内のモル量ncの変化量は、(nin−nout)×Δtで表される。
したがって、次式が成立する。
Pe−Pe(n-1)=(nin−nout)×Δt×R×T2/Vc
→Pe=Pe(n-1)+(nin−nout)×Δt×R×T2/Vc・・・(10)
上記第2の演算方式において、機関バルブ(吸・排気バルブ)の可変に制御されるバルブタイミングをパラメータとして用いて吸気管圧力を演算たり、EGR流量、蒸発燃料パージ流量、ブローバイガス流量等をパラメータとして含んで吸気管圧力を演算することもできる。
以上示した実施形態によれば、圧力比Pe/P0が1に近づく高負荷域では、高圧側への演算誤差が増大する第2の演算方式に対し、第1の演算方式によって高精度に演算された吸気圧力が選択され、圧力比Pe/P0が臨界圧近傍以下の低負荷域では、第1の演算方式ではスロットル部下流側の吸気圧力の減少がスロットル部に伝達されず正しい吸気圧力を演算できないのに対し、低負荷域でも吸気圧力Peを演算でき、かつ、演算誤差も減少する第2の演算方式による演算結果が選択されるので、全負荷域において、高精度な吸気圧力検出値Peを得ることができる。
そして、このようにして吸気圧力Peを演算更新しながら、シリンダに流入する吸気のモル流量(充填効率)noutを演算する。
このシリンダ吸入モル流量noutとして、例えば、以下のような2通りの演算方式がある。
第1の方式としては、
nout=nin−ΔPe・Vc/(R・T0)
=nin−(Pe−Pe(n-1))・Vc/(R・T0)・・・(11)
すなわち、エアフローメータで検出される流量ninを基準として、過渡時の差分を吸気圧力Peの差分ΔPeから算出する。
ことによって、過渡時でも高精度に算出でき、ひいては、燃料噴射量を高精度に制御できる。
この方式では、定常時は、nout=ninであるため、誤差が入り込む余地がなく、また、過渡時は、圧力変化を用いるため、変化分の精度だけが問題となり、絶対値の誤差の影響が少ない。
第2の方式としては、
nout=(Pe(n-1)/T)×η×V×Ne/120・・・(12)
これは、第2の演算方式では、演算過程で上記式(7)として表れる。
この方式は、エアフロメータ4の検出値を使用しないので、第1の方式より演算誤差が大きくなるが、第1の方式ではノイズや吸気脈動の影響を受けやすいのに対し、これらの影響を受け難い利点がある。
ところで、上記基本的な実施形態では、図9のa部に示すように、第1の演算方式による算出値から第2の演算方式による算出値に切り換わる前の臨界圧近傍で、第2の演算方式で演算される吸気圧力Peが変化しない領域を生じ、状態で、この吸気圧力Peが選択される領域を生じてしまい、リニアリティが失われる。
具体的には、この吸気圧力Peを用いて、前記第1の方式でシリンダ吸入モル流量noutを算出する場合、過渡時の圧力変化による差分が0となり、第2の方式ではエンジン回転速度Ne一定では、nout一定となってしまう。
そこで、第2の実施形態では、スロットル部が臨界圧に近づくにつれて第2の演算方式で算出された(図5のマップで参照された)測定圧力比に対し、図10に示すテーブルを参照し増大側に補正した出力圧力比を用いる。
このようにすれば、図11に示すように、スロットル部が臨界圧に近づくにつれて増大補正された吸気圧力Peが選択されることにより、吸気圧力Peが一定となることなく、リニアリティを有しながら演算方式が切り換えられ、良好な運転性を確保できる。
そして、このようにして吸気圧力Peを演算更新しながら、シリンダに流入する吸気のモル流量(充填効率)noutを演算する。
このシリンダ吸入モル流量noutとして、例えば、以下のような2通りの演算方式がある。
第1の方式としては、
nout=nin−ΔPe・Vc/(R・T0)
=nin−(Pe−Pe(n-1))・Vc/(R・T0)・・・(11)
すなわち、エアフローメータで検出される流量ninを基準として、過渡時の差分を吸気圧力Peの差分ΔPeから算出する。
ことによって、過渡時でも高精度に算出でき、ひいては、燃料噴射量を高精度に制御できる。
この方式では、定常時は、nout=ninであるため、誤差が入り込む余地がなく、また、過渡時は、圧力変化を用いるため、変化分の精度だけが問題となり、絶対値の誤差の影響が少ない。
第2の方式としては、
nout=(Pe(n-1)/T)×η×V×Ne/120・・・(12)
これは、第2の演算方式では、演算過程で上記式(7)として表れる。
この方式は、エアフロメータ4の検出値を使用しないので、第1の方式より演算誤差が大きくなるが、第1の方式ではノイズや吸気脈動の影響を受けやすいのに対し、これらの影響を受け難い利点がある。
ところで、上記基本的な実施形態では、図9のa部に示すように、第1の演算方式による算出値から第2の演算方式による算出値に切り換わる前の臨界圧近傍で、第2の演算方式で演算される吸気圧力Peが変化しない領域を生じ、状態で、この吸気圧力Peが選択される領域を生じてしまい、リニアリティが失われる。
具体的には、この吸気圧力Peを用いて、前記第1の方式でシリンダ吸入モル流量noutを算出する場合、過渡時の圧力変化による差分が0となり、第2の方式ではエンジン回転速度Ne一定では、nout一定となってしまう。
そこで、第2の実施形態では、スロットル部が臨界圧に近づくにつれて第2の演算方式で算出された(図5のマップで参照された)測定圧力比に対し、図10に示すテーブルを参照し増大側に補正した出力圧力比を用いる。
このようにすれば、図11に示すように、スロットル部が臨界圧に近づくにつれて増大補正された吸気圧力Peが選択されることにより、吸気圧力Peが一定となることなく、リニアリティを有しながら演算方式が切り換えられ、良好な運転性を確保できる。
ところで、コレクタ部内への吸気流量として、エアフロメータ4で検出された検出流量Qaをそのまま用いると、熱的な流量検出方式による遅れ、信号値を流量に変換することなどによる応答遅れや、吸気脈動、ノイズ等外乱の影響を受ける。吸気脈動やノイズに対しては、検出値を加重平均するなどのフィルタ処理を行って影響を抑制しているが、このようなフィルタ処理は、応答遅れをさらに大きくしてしまうという問題がある。
一方、エアフロメータの検出値を用いず、スロットル開度やエンジン回転速度など、空気流量以外のパラメータに基づいて、吸気流量をモデル流量Qmとして演算することができ、変動を受けずに応答性は良いという利点があるが、モデル流量Qmの精度は低下するという問題がある。
一方、エアフロメータの検出値を用いず、スロットル開度やエンジン回転速度など、空気流量以外のパラメータに基づいて、吸気流量をモデル流量Qmとして演算することができ、変動を受けずに応答性は良いという利点があるが、モデル流量Qmの精度は低下するという問題がある。
そこで、前記検出流量Qaおよびモデル流量Qmの利点を融合するMSF(Model & Sensor value Fusion System)によってシステムのロバスト性(応答度合い)および変動要素の除去を高いレベルで両立させた理想流量Qを演算し、この理想流量Qをコレクタ部への吸気流量として用いることで、より、高精度にコレクタ部内の吸気圧力Pe、さらにはシリンダ吸入空気量(充填効率)を求めることができる。
図12は、モデル流量演算を示すブロック図であり、スロットルモデル31、シリンダモデル41およびコレクタモデル51を備えて構成される。
スロットルモデル31は、大気圧、スロットル開度およびコレクタモデル51により演算されたコレクタ部内の吸気圧力(コレクタ圧)に基づいて質量流量(モル流量)[mol/s]を演算する。
スロットルモデル31は、大気圧、スロットル開度およびコレクタモデル51により演算されたコレクタ部内の吸気圧力(コレクタ圧)に基づいて質量流量(モル流量)[mol/s]を演算する。
シリンダモデル41は、エンジン回転速度Ne、コレクタ部内の吸気圧力Peに基づいてシリンダに流入する吸気のモル流量[mol/s]を演算する。
コレクタモデル51は、スロットルモデル31による質量流量と、シリンダモデル41によるシリンダ流入モル流量とに基づいて現在の吸気圧力Peを演算する。コレクタモデル51により演算した吸気圧力Peは、サイクリック計算を行うため次回の演算においては前回値としてスロットルモデル31に入力される。
コレクタモデル51は、スロットルモデル31による質量流量と、シリンダモデル41によるシリンダ流入モル流量とに基づいて現在の吸気圧力Peを演算する。コレクタモデル51により演算した吸気圧力Peは、サイクリック計算を行うため次回の演算においては前回値としてスロットルモデル31に入力される。
図13は、スロットルモデル31を示すブロック図である。
圧力比演算部32は、コレクタモデル51により演算された吸気圧力Peから大気圧P0を除算することで圧力比(吸気圧力Pe/大気圧P0)を演算する。
マッハ係数演算部33は、マッハ係数検索テーブルを参照することで圧力比に応じたマッハ係数Mを検索する。マッハ係数検索テーブルは、圧力比が0〜0.53ではマッハ係数Mが一定値(約0.54)となり、圧力比が0.53〜1.0では圧力比が大きくなるにつれマッハ係数Mが減少する。マッハ係数Mは、音速Cに対する流速u(u/C)を示す係数である。
圧力比演算部32は、コレクタモデル51により演算された吸気圧力Peから大気圧P0を除算することで圧力比(吸気圧力Pe/大気圧P0)を演算する。
マッハ係数演算部33は、マッハ係数検索テーブルを参照することで圧力比に応じたマッハ係数Mを検索する。マッハ係数検索テーブルは、圧力比が0〜0.53ではマッハ係数Mが一定値(約0.54)となり、圧力比が0.53〜1.0では圧力比が大きくなるにつれマッハ係数Mが減少する。マッハ係数Mは、音速Cに対する流速u(u/C)を示す係数である。
音速演算部34は、吸気温度T(絶対温度;K)、比熱比κおよびガス定数Rから音速C[m/s]を演算する(C=√(κ×R×T))。
流速演算部35は、マッハ係数Mに音速Cを乗算することで吸気通路9を流れる空気の流速[m/s]を演算する。
開口面積演算部36は、開口面積検索テーブルを参照することでスロットル開度に応じた開口面積[m2]を検索する。
流速演算部35は、マッハ係数Mに音速Cを乗算することで吸気通路9を流れる空気の流速[m/s]を演算する。
開口面積演算部36は、開口面積検索テーブルを参照することでスロットル開度に応じた開口面積[m2]を検索する。
体積流量演算部37は、開口面積および流速を乗算することで体積流量[m3/s]を演算する。
モル密度演算部38は、大気圧P0をガス定数Rおよび吸気温度(=大気温度)T0で除算することでモル密度n0[mol/m3]を演算する(n0=P0/(RT0))。
質量流量演算部39は、体積流量およびモル密度n0を乗算することでコレクタ11に流入する空気流量、すなわち質量流量(モル流量)nin[mol/s]を演算する。
モル密度演算部38は、大気圧P0をガス定数Rおよび吸気温度(=大気温度)T0で除算することでモル密度n0[mol/m3]を演算する(n0=P0/(RT0))。
質量流量演算部39は、体積流量およびモル密度n0を乗算することでコレクタ11に流入する空気流量、すなわち質量流量(モル流量)nin[mol/s]を演算する。
以上のようにして、コレクタ部に流入するモル流量nin[mol/s]をモデル流量Qmとする。
図14は、シリンダモデル41を示すブロック図である。
効率演算部42は、効率検索テーブルを参照することでエンジン1の回転数Neに応じた効率ηを検索する。効率検索テーブルは、エンジン回転数Neが所定値まで増加するに伴い効率ηが増加し、エンジン回転数Neが所定値以上になると効率ηが減少するように設定されている。
図14は、シリンダモデル41を示すブロック図である。
効率演算部42は、効率検索テーブルを参照することでエンジン1の回転数Neに応じた効率ηを検索する。効率検索テーブルは、エンジン回転数Neが所定値まで増加するに伴い効率ηが増加し、エンジン回転数Neが所定値以上になると効率ηが減少するように設定されている。
体積流量演算部43は、エンジン排気量V、エンジン回転数Neおよび効率ηに基づいて体積流量[m3/s]を演算する(体積流量=V×Ne/120×η)。
モル密度演算部44は、吸気温度Tおよびコレクタ部内の吸気圧力Pe1に基づいて、該吸気圧力Peをガス定数Rおよび吸気温度(=大気温度)Tで除算することでモル密度n1[mol/m3]を演算する(n1=Pe1/(RT))。
モル密度演算部44は、吸気温度Tおよびコレクタ部内の吸気圧力Pe1に基づいて、該吸気圧力Peをガス定数Rおよび吸気温度(=大気温度)Tで除算することでモル密度n1[mol/m3]を演算する(n1=Pe1/(RT))。
質量流量演算部45は、体積流量およびモル密度n1を乗算することでコレクタ部から流出する吸気の質量流量(モル流量)nout[mol/s]を演算する。
図15は、コレクタモデル51を示すブロック図である。
コレクタ圧演算部52(コレクタモデル51)は、スロットルモデル31の質量流量演算部39による質量流量ninと、シリンダモデル41の質量流量演算部45による質量流量(モル流量)noutとに基づいて気体の状態方程式からコレクタ部内の吸気圧力圧Pe2を演算する。
図15は、コレクタモデル51を示すブロック図である。
コレクタ圧演算部52(コレクタモデル51)は、スロットルモデル31の質量流量演算部39による質量流量ninと、シリンダモデル41の質量流量演算部45による質量流量(モル流量)noutとに基づいて気体の状態方程式からコレクタ部内の吸気圧力圧Pe2を演算する。
吸気圧力Pe2を演算する場合、気体の状態方程式はP×V=n×R×Tで与えられるため、これを吸気圧力Pe2、コレクタ容積Vc、気体モル数n、ガス定数Rおよび吸気温度T[絶対温度:K]とするとPe2×Vc=n×R×Tとなる。
これを演算周期である所定時間Δtにおけるコレクタ部内の吸気圧力変化量ΔPe2は、ΔPe2=Δn×R×T×Δt/Vcとなる。吸気圧力変化量ΔPe2は、今回の吸気圧力Pe2から前回の吸気圧力圧Pe2(n-1)を引いた値である。Δnは、演算周期Δtにおけるコレクタ11内の空気のモル流量変化量、すなわちコレクタ11内に流入するモル流量ninからシリンダ2へ流出するモル流量noutを引いた値である(Δn=nin−nout)。
これを演算周期である所定時間Δtにおけるコレクタ部内の吸気圧力変化量ΔPe2は、ΔPe2=Δn×R×T×Δt/Vcとなる。吸気圧力変化量ΔPe2は、今回の吸気圧力Pe2から前回の吸気圧力圧Pe2(n-1)を引いた値である。Δnは、演算周期Δtにおけるコレクタ11内の空気のモル流量変化量、すなわちコレクタ11内に流入するモル流量ninからシリンダ2へ流出するモル流量noutを引いた値である(Δn=nin−nout)。
従って、演算周期Δtにおける気体の状態方程式をPe2について演算すると、Pe2=Pe2(n-1)+(nin−nout)×Δt×R×T/Vcとなる。
なお、吸気通路9を流れる空気が準一次元定常等エントロピーである場合には、質量流量の演算値nin[kg/s]は、スロットル弁の開口面積をAとして次式に示すような流体力学の理論式にて演算可能である。そして、モル相当にして質量流量nin[mol/s]を演算可能であるため、これをモデル流量Qmとしてもよい。この場合、Peをコレクタ圧とし、マッハ係数M(=u/C)が1未満の時(M<1)には次式(1a)、マッハ係数Mが1の時(M=1)には次式(1b)により質量流量の演算値ninを演算する。
なお、吸気通路9を流れる空気が準一次元定常等エントロピーである場合には、質量流量の演算値nin[kg/s]は、スロットル弁の開口面積をAとして次式に示すような流体力学の理論式にて演算可能である。そして、モル相当にして質量流量nin[mol/s]を演算可能であるため、これをモデル流量Qmとしてもよい。この場合、Peをコレクタ圧とし、マッハ係数M(=u/C)が1未満の時(M<1)には次式(1a)、マッハ係数Mが1の時(M=1)には次式(1b)により質量流量の演算値ninを演算する。
ステップS31では、エアフロメータ4で検出された検出流量Qaを読み込む。
ステップS32では、上述したようにモデル流量Qmを演算する。
ステップS33では、検出流量Qaの変化量ΔQaを演算する。検出流量変化量ΔQaは、最新の検出流量Qaから前回の検出流量Qazを減算した値とする(ΔQa=Qa−Qaz)。
ステップS34では、検出流量変化量ΔQaの積分値IntΔQaを演算する。この積分値IntΔQaは、前回までの空気流量変化量積算値IntΔQazに所定の減衰定数Wを乗算した後、演算周期Δtにおける空気流量変化量ΔQを加算することで演算する(IntΔQa=IntΔQaz×W+ΔQa)。なお、減衰乗数Wについての詳細は後述する。
ステップS33では、検出流量Qaの変化量ΔQaを演算する。検出流量変化量ΔQaは、最新の検出流量Qaから前回の検出流量Qazを減算した値とする(ΔQa=Qa−Qaz)。
ステップS34では、検出流量変化量ΔQaの積分値IntΔQaを演算する。この積分値IntΔQaは、前回までの空気流量変化量積算値IntΔQazに所定の減衰定数Wを乗算した後、演算周期Δtにおける空気流量変化量ΔQを加算することで演算する(IntΔQa=IntΔQaz×W+ΔQa)。なお、減衰乗数Wについての詳細は後述する。
ステップS35では、モデル流量Qmの変化量ΔQmを演算する。
ステップS36では、モデル流量変化量ΔQmの積分値IntΔQmを演算する。この積分値IntΔQmは、前回までのモデル流量変化量積分値IntΔQmzに所定の減衰定数Wを乗算した後、演算周期Δtにおけるモデル流量変化量ΔQmを加算することで演算する(IntΔQm=IntΔQmz×W+ΔQm)。
ステップS36では、モデル流量変化量ΔQmの積分値IntΔQmを演算する。この積分値IntΔQmは、前回までのモデル流量変化量積分値IntΔQmzに所定の減衰定数Wを乗算した後、演算周期Δtにおけるモデル流量変化量ΔQmを加算することで演算する(IntΔQm=IntΔQmz×W+ΔQm)。
ステップS37では、吸気流量の偏差Qeを演算する。この偏差Qeは、理想流量Qに対して理想的に変化する値であり、モデル流量変化量積分値IntΔQmから検出流量変化量積分値IntΔQaを減算することで演算する(Qe=IntΔQm−IntΔQa)。
ステップS38では、前記算する。この理想流量Qは、空気流量Qaに偏差Qeを加算することで演算する(Q=Qa+Qe)。
ステップS38では、前記算する。この理想流量Qは、空気流量Qaに偏差Qeを加算することで演算する(Q=Qa+Qe)。
図17は、前記ステップS35におけるモデル流量変化量ΔQmを演算するフローチャートである。
ステップS41では、理想流量Qの前回値Qzが所定の下限値以上であるか否か(Qz≧下限値)を判断する。前回値Qzが下限値以上である場合(Qz≧下限値)には、ステップS42へ進む。この下限値は、略ゼロに設定しておく。
ステップS41では、理想流量Qの前回値Qzが所定の下限値以上であるか否か(Qz≧下限値)を判断する。前回値Qzが下限値以上である場合(Qz≧下限値)には、ステップS42へ進む。この下限値は、略ゼロに設定しておく。
ステップS42では、理想流量Qの前回値Qzと、モデル流量変化率、すなわちモデル流量変化量ΔQmをモデル流量の前回値Qmzで除算した値ΔQm/Qmzとの乗算によりモデル流量変化量ΔQmを演算する(ΔQm=Qz×ΔQm/Qmz)。
一方、ステップS41で前回値Qzが下限値未満である場合(Qz<下限値)には、ステップ13へ進む。
一方、ステップS41で前回値Qzが下限値未満である場合(Qz<下限値)には、ステップ13へ進む。
ステップS43では、理想流量Qの前回値Qzをモデル流量変化量ΔQmにした後(Qz=ΔQmz)、ステップS42にてモデル流量変化量ΔQmを演算する(ΔQm=ΔQmz×ΔQmz/Qmz)。
なお、ステップS43において理想流量Qの前回値Qzを空気流量変化量ΔQaにした後(Qz=ΔQa)、ステップS42にてモデル流量変化量ΔQmを演算してもよい(ΔQm=ΔQa×ΔQmz/Qmz)。
なお、ステップS43において理想流量Qの前回値Qzを空気流量変化量ΔQaにした後(Qz=ΔQa)、ステップS42にてモデル流量変化量ΔQmを演算してもよい(ΔQm=ΔQa×ΔQmz/Qmz)。
以上のようにモデル流量変化量ΔQmを演算した後は、前述のステップS46以降の処理を行う。
以上のようにして演算された理想流量Qを、上記第1の演算方式および第2の演算方式において、コレクタ部内に流入する吸気流量ninとして用いることにより、エアフローメータ4の検出流量をそのまま用いるより、応答遅れや吸気脈動、ノイズ等外乱の影響が抑制され、過渡でもより精度の高い吸気圧力検出値Peを得ることができる。
なお、上記モデル流量の演算において、コレクタ部内の圧力として、圧力センサを設けてその検出値を使用するようにしてもよい。
また、上記理想流量Qを演算する代わりに、エアフロメータの検出値に対して、一次遅れの逆補正(進み補正)を行うようにしてもよく、遅れ要素を排除することができる。
また、本発明の他の実施形態として、上記エアフローメータ検出値を用いないモデル流量演算を第3の演算方式として、前記第1、第2の演算方式に加えるなど、3以上の演算方式によって、それぞれ演算した吸気圧力の中で、最小の値を選択する構成とした実施形態とすることもできる。
また、第1の実施形態同様に、第3の演算方式で演算した吸気圧力を、第1の演算方式で演算した吸気圧力を上限値として制限する構成としてもよく、第2、第3の演算方式以外の全負荷領域で吸気圧力を演算可能な演算方式で演算した吸気圧力を、第1の演算方式で演算した吸気圧力を上限値として制限する構成としてもよい。
また、第1の演算方式で演算した吸気圧力を上限値として制限する構成において、複数の演算方式による演算を全て行ってから演算値を比較して最小値を選択する代わりに、圧力比の臨界条件を境に演算方式を切り換える構成としてもよく、演算負荷を軽減できる。ただし、臨界条件の理論値をそのまま使用すると、切り換え時に段差がついてしまうので、流量変化の検出が可能な程度に、理論値(約0.53)より大きい0.6程度の圧力比を切換判定値として設定することで、段差の発生も抑制できる。
さらに、最も簡易な実施形態として、全負荷領域で吸気圧力を演算可能な演算方式で演算した吸気圧力を、コレクタ部内の吸気圧力を検出するセンサの検出値を上限値として制限するような構成とすることもできる。
以上のようにして演算された理想流量Qを、上記第1の演算方式および第2の演算方式において、コレクタ部内に流入する吸気流量ninとして用いることにより、エアフローメータ4の検出流量をそのまま用いるより、応答遅れや吸気脈動、ノイズ等外乱の影響が抑制され、過渡でもより精度の高い吸気圧力検出値Peを得ることができる。
なお、上記モデル流量の演算において、コレクタ部内の圧力として、圧力センサを設けてその検出値を使用するようにしてもよい。
また、上記理想流量Qを演算する代わりに、エアフロメータの検出値に対して、一次遅れの逆補正(進み補正)を行うようにしてもよく、遅れ要素を排除することができる。
また、本発明の他の実施形態として、上記エアフローメータ検出値を用いないモデル流量演算を第3の演算方式として、前記第1、第2の演算方式に加えるなど、3以上の演算方式によって、それぞれ演算した吸気圧力の中で、最小の値を選択する構成とした実施形態とすることもできる。
また、第1の実施形態同様に、第3の演算方式で演算した吸気圧力を、第1の演算方式で演算した吸気圧力を上限値として制限する構成としてもよく、第2、第3の演算方式以外の全負荷領域で吸気圧力を演算可能な演算方式で演算した吸気圧力を、第1の演算方式で演算した吸気圧力を上限値として制限する構成としてもよい。
また、第1の演算方式で演算した吸気圧力を上限値として制限する構成において、複数の演算方式による演算を全て行ってから演算値を比較して最小値を選択する代わりに、圧力比の臨界条件を境に演算方式を切り換える構成としてもよく、演算負荷を軽減できる。ただし、臨界条件の理論値をそのまま使用すると、切り換え時に段差がついてしまうので、流量変化の検出が可能な程度に、理論値(約0.53)より大きい0.6程度の圧力比を切換判定値として設定することで、段差の発生も抑制できる。
さらに、最も簡易な実施形態として、全負荷領域で吸気圧力を演算可能な演算方式で演算した吸気圧力を、コレクタ部内の吸気圧力を検出するセンサの検出値を上限値として制限するような構成とすることもできる。
1 エンジン、
2 吸気通路
4 エアフロメータ
5 スロットル弁
6 コレクタ部
8 燃料噴射弁
9 点火栓
10 回転速度センサ
11 スロットルセンサ
12 吸気温センサ
20 エンジンコントロールユニット(ECU)
2 吸気通路
4 エアフロメータ
5 スロットル弁
6 コレクタ部
8 燃料噴射弁
9 点火栓
10 回転速度センサ
11 スロットルセンサ
12 吸気温センサ
20 エンジンコントロールユニット(ECU)
Claims (13)
- エンジン吸気管内のスロットル弁下流のコレクタ部内の吸気圧力を、それぞれ異なる演算方式で演算する複数の吸気圧力演算手段と、これら複数の吸気圧力演算手段で演算された吸気圧力のうち、最小の値を吸気圧力検出値として選択する吸気圧力選択手段と、を備えたことを特徴とするエンジンの吸気圧力検出装置。
- エンジン吸気管のスロットル弁下流のコレクタ部内の吸気圧力を検出する装置であって、
前記スロットル弁を通過する吸気流量を算出し、該吸気流量に基づいて前記吸気圧力を算出する第1の演算方式と、エンジンの吸気系をモデル化し、コレクタ部内の状態を気体の状態方程式で表しつつ前記吸気圧力を算出する第2の演算方式と、でそれぞれ吸気圧力を演算し、
これら複数の演算方式で演算された吸気圧力のうち、小さい方の値を吸気圧力検出値として選択することを特徴とするエンジンの吸気圧力検出装置。 - 前記第1の吸気圧力演算手段は、前記コレクタ部内へ流入する吸気の質量流量、前記スロットル弁の開度、前記スロットル弁上流側の圧力,温度とに基づいて、前記スロットル弁上流側の圧力とスロットル弁下流側のコレクタ部内の吸気圧力との圧力比を演算し、前記スロット弁上流側の圧力と前記圧力比とから前記吸気圧力を演算することを特徴とする請求項2に記載のエンジンの吸気圧力検出装置。
- 前記スロットル弁上流側の圧力,温度が、大気の圧力,温度であることを特徴とする請求項3に記載のエンジンの吸気圧力検出装置。
- 前記第1の吸気圧力演算手段は、前記演算された圧力比が小さいときにコレクタ部内の吸気圧力を増大する方向に補正することを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1つに記載のエンジンの吸気圧力検出装置。
- 前記第2の吸気圧力演算手段は、質量流量を含むパラメータを用いて吸気管圧力を演算することを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれか1つに記載のエンジンの吸気圧力検出装置。
- 前記第2の吸気圧力演算手段は、質量流量以外にエンジン回転速度を含むパラメータを用いて吸気管圧力を演算することを特徴とする請求項6に記載のエンジンの吸気圧力検出装置。
- 前記パラメータに加えて、機関バルブの可変に制御されるバルブタイミングをパラメータとして用いて吸気管圧力を演算することを特徴とする請求項7に記載のエンジンの吸気圧力検出装置。
- 前記第2の吸気圧力演算手段は、EGR流量、蒸発燃料パージ流量、ブローバイガス流量等をパラメータとして含んで吸気管圧力を演算することを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれか1つに記載のエンジンの吸気圧力検出装置。
- 前記第1の吸気圧力演算手段は、質量流量を加重平均したパラメータを用いて吸気管圧力を演算することを特徴とする請求項3〜請求項9のいずれか1つに記載のエンジンの吸気圧力検出装置。
- 前記質量流量は、センサによる検出値と、吸気管に介装されたスロットル弁を通過する流量演算値との合成値を用いることを特徴とする請求項3〜請求項10のいずれか1つに記載のエンジンの吸気圧力検出装置。
- 前記吸気管圧力選択手段は、吸気管の流れが臨界条件でないときは、前記第1の吸気圧力演算手段で演算される吸気管圧力を選択することを特徴とする請求項2〜請求項11のいずれか1つに記載のエンジンの吸気管圧力検出装置。
- 前記臨界条件は、臨界圧力比であって実質的に流量変化が検出可能な程度に臨界圧力比を理論値より大きい値として設定することを特徴とする請求項12に記載のエンジンの吸気管圧力検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005198750A JP2007016683A (ja) | 2005-07-07 | 2005-07-07 | エンジンの吸気圧力検出装置 |
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ID=37754061
Family Applications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8549900B2 (en) | 2010-01-18 | 2013-10-08 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Gas state estimation device for internal combustion engine |
JP2017210918A (ja) * | 2016-05-25 | 2017-11-30 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | エンジンの制御装置 |
US20230212993A1 (en) * | 2022-01-06 | 2023-07-06 | Transportation Ip Holdings, Llc | Sensor system and method |
-
2005
- 2005-07-07 JP JP2005198750A patent/JP2007016683A/ja active Pending
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