JP2002069723A - 滑り止め手袋および滑り止め手袋の製造方法 - Google Patents

滑り止め手袋および滑り止め手袋の製造方法

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JP2002069723A
JP2002069723A JP2000268677A JP2000268677A JP2002069723A JP 2002069723 A JP2002069723 A JP 2002069723A JP 2000268677 A JP2000268677 A JP 2000268677A JP 2000268677 A JP2000268677 A JP 2000268677A JP 2002069723 A JP2002069723 A JP 2002069723A
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fibers
gloves
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Atsushi Mitsumata
敦 三俣
Kunio Kano
国雄 鹿野
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ST Chemical Co Ltd
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ST Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 手袋の表面に繊維を担持させて滑り止め加工
を施し、水作業時にも十分な滑り止め効果を発揮するこ
とができ、かつ安価に製造・販売することができる手袋
およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 ゴムまたは合成樹脂の手袋基体表面に短
繊維を被着せしめてなる滑り止め手袋およびその製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、手袋の表面に滑り
止め加工を施した滑り止め手袋に関し、更に詳細には、
水作業における滑り止め効果に優れた滑り止め手袋およ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】手袋、特にゴムや合成樹脂製の手袋は、
台所仕事などの水仕事などで使用されることが多く、例
えば、洗浄物を握った際に手から滑り落ちるのを防止す
る機能、すなわち滑り止め機能を有することが必要とさ
れる場合が多い。そして、その機能は、把持すべき物品
が乾燥している状態のみならず、湿潤状態や界面活性剤
が付着している状態等、あらゆる使用環境下で発揮され
ることが望ましい。
【0003】従来より、滑り止め効果を持たせた手袋は
種々提案されており、例えば、特開昭59−53705
号公報には、手袋生地の表面に凸凹形状を刻んで滑り止
め加工を施した作業用ゴム引手袋及びその製造方法が提
案されている。
【0004】また、実開昭56−98818号公報に
は、硬質ウレタンゴムの30乃至40メッシュの粒子を
高密度に、またその周囲にはかかる粒子を低密度にて夫
々付着した後に該手袋体の外側掌面および各指面に硬質
粒子状の突起を高密度および低密度にて突設してなる作
業用手袋が提案されている。
【0005】しかし、これらの表面に凹凸を設けた滑り
止め手袋は、乾いた状態や、軟らかい対象物を握る場合
はある程度滑り止め効果を発揮するが、水作業時、特に
硬質表面を持つ対象物(陶器、ガラス、金属等)を濡れ
た状態で握る場合は、滑り止め効果を発揮しないばかり
か、手袋と対象物との接触面積が少なくなるため、かえ
って滑り止め効果を施さない手袋よりも滑りやすくなる
という問題点を有していた。
【0006】また、手袋基材の表面に、多量の小気泡を
保有するゴムまたは合成樹脂液を付着させ、この小気泡
を真空容器内に入れて減圧することにより発泡させた後
ゲル化して基層を形成した滑り止め手袋が開示されてい
る(特開昭58−91801号公報等)。これらの手袋
は水作業時でも滑り止め効果を発揮するものではある
が、小気泡を減圧して発泡させる工程はいわゆるバッチ
式でしか生産できず、作業が繁雑であるため大量生産は
困難であり、従って製品のコストもアップしてしまうと
いう問題点があった。また、性能上も、水作業時では滑
り止め効果を発揮しにくいものとなっていた。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】そこで、乾燥状態のみならず、水作業時等
の湿潤状態でも十分な滑り止め効果を発揮することがで
き、かつ安い製造コストで製造することのできる滑り止
め手袋の開発が望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ゴムある
いは合成樹脂製の手袋について、硬質表面を持つ対象物
との間の滑りを減少させるべく鋭意検討を行った結果、
手袋基体表面に短繊維を付着せしめれば、滑りが有効に
防止できることを見出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち本発明は、ゴムまたは合成樹脂の
手袋基体表面に短繊維を被着せしめてなる滑り止め手袋
を提供するものである。
【0010】また本発明は、上記手袋を製造するための
製造方法に関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の滑り止め手袋基体は、ゴ
ムまたは合成樹脂によって製造される。この手袋基体
は、ラテックスや合成樹脂分散液等の樹脂液を硬化せる
ことにより調製される。使用される樹脂液の例として
は、例えば天然ゴムや、NBR(アクリロニトリル−ブ
タジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、SBR
(スチレン−ブタジエンゴム)およびIR(イソプレン
ゴム)、PU(ポリウレタン)などの合成ゴムや特殊ゴ
ム又は塩化ビニル、アクリル等の合成樹脂を可塑剤や溶
剤等に分散させた溶液を挙げることができる。
【0012】また、本発明の手袋は上記の樹脂のみで手
袋基体を構成したものであってもよいが、手袋の内面に
布製手袋を設けた手袋基体であってもよい。布製手袋と
しては一般的な編製手袋やメリヤス手袋を用いることが
できる。内面に布製手袋を設けることにより手袋の強度
が増し、重作業にも耐えうるほか、装着性にも優れるも
のとなる。
【0013】次に、上記のようにして得た手袋基体の表
面に短繊維を被着させる。本明細書中において、被着と
は、短繊維が自然な状態で手袋基体表面に付着した状態
をいい、短繊維が手袋表面に沿ってランダムに付着して
いる状態をいう。
【0014】本発明において用いられる短繊維は、その
長さが、0.1mm〜5mm、好ましくは0.5mm〜
2mmの範囲のものである。長さが5mmより長いと乾
燥時に手袋が厚くなったり、濡れたときに乾きが遅くな
り、作業性が悪くなる。また、0.1mmより短いと繊
維間からの水の排出が悪くなるので、濡れたときの滑り
止め効果が発揮できない。
【0015】この短繊維の材質については、特別な制約
はなく、天然繊維、合成繊維、化学繊維のどれを用いて
も本発明の効果を奏することができるが、特に、水との
親和性が良好なレーヨン等の化学繊維や、綿、羊毛、絹
等の天然繊維が好ましい。
【0016】また、合成繊維を使用する場合について
は、一般的な合成樹脂繊維、例えばポリエチレン、ポリ
エステル、ナイロンなどを用いることができる。これら
の合成繊維は排水性を良くするために、異形断面繊維を
用いることが好ましい。異形断面繊維は繊維内で毛細管
現象により水を排出する効果があり、例えばY字断面を
有する繊維、V字形、L字形、三日月形、三角形又は五
角形断面を有する繊維を挙げることができる。
【0017】更に、本発明において用いる短繊維として
は、0.5デニール〜300デニール、好ましくは1デ
ニール〜30デニールの範囲の太さのものを用いること
ができる。300デニールより太い繊維では、乾いた状
態での手袋の感触が固くなってしまい、作業性が劣るこ
とになり好ましくない。また、0.5デニールより細い
繊維の接着時に接着剤等に埋もれてしまい、滑り止め効
果が十分でなくなり、また、繊維が抜けやすくなってし
まって、これもまた好ましくない。
【0018】また、短繊維の付着量は手袋一双(左右両
方)で1g〜20g、好ましくは5g〜10g範囲であ
ることが望ましい。1gより少ないと水作業時の滑り止
め効果が不十分であり、20gより多い場合は、手袋全
体に風合いが堅くなってしまい、作業性が悪くなるとと
もに、乾いた時に使用すると滑りやすくなるので好まし
くない。
【0019】なお、本発明において、短繊維は手袋基体
の一部に設けることもできるが、作業性や製造しやすさ
を考慮すれば、手袋表面全面に設けることが好ましい。
例えば、細かな水作業時には指の間や背の部分を使って
物品を保持する場合も多々あるため、手のひら部分のみ
に設けても、本発明の効果を奏しない場合がある。
【0020】本発明の手袋を製造するには、まず、手袋
型を液状樹脂中にディッピングした後引き上げるか、ま
たは樹脂液を手袋型全体にシャワーをして、型全体に樹
脂を付着させる。この際、余剰の樹脂液を除去した状態
では、まだ手袋型に付着した樹脂は液状または半ゲル状
の状態である。この状態で繊維を手袋表面に付着させ、
その後手袋全体を加熱することにより樹脂液を樹脂化さ
せ、本発明の滑り止め手袋を成形することができる。こ
こで樹脂化とは、液状またはゾル状のゴムラテックスを
加熱することにより架橋させ固化させることや、合成樹
脂分散液を加熱することによりゲル化させ固化させるこ
と等をいう。
【0021】本発明の滑り止め手袋は、例えば次の方法
の何れかにより製造することができる。 (イ)手袋型表面に樹脂液を付着させて手袋基材を形成
し、ゾル状態又は半ゲル状態の当該基材表面に短繊維を
散布させた後、当該手袋基材を樹脂化させて手袋表面に
短繊維を被着させる方法。 (ロ)手袋型表面に樹脂液を付着させた後、これを樹脂
化させた手袋基体に接着剤を塗布し、更に短繊維を散布
させることにより手袋表面に短繊維を被着させる方法。 (ハ)手袋型に装着した布製手袋に樹脂液を付着させて
手袋基材を形成し、ゾル状態又は半ゲル状態の当該手袋
基材の表面に短繊維を散布させた後、当該手袋基材を樹
脂化させて手袋表面に短繊維を被着させる方法。 (ニ)手袋型に装着した布製手袋を樹脂液中に浸漬させ
た後、これを樹脂化させた手袋基体に接着剤を塗布し、
更に短繊維を散布させることにより短繊維を手袋表面に
被着させる方法。
【0022】これらの方法のうち、(イ)の方法は、ラ
テックスまたは合成樹脂分散液を手袋型に付着させ、ゴ
ムまたは合成樹脂がゾル状態又は半ゲル状態のうちに短
繊維を散布し、その後加熱して樹脂化させ、短繊維を固
定、被着させる方法である。
【0023】手袋基材がゴムの場合は、手袋型をラテッ
クスに浸漬する時間は5〜200秒程度であり、その後
すぐに短繊維を散布すればよい。また、乾燥・架橋する
条件はラテックスの種類により異なるが、一般に80℃
〜110℃で充分に乾燥させた後、100〜150℃で
20分〜60分程度加熱するのが好ましい。また、手袋
基材がポリ塩化ビニル等の合成樹脂の場合には、手袋型
を分散液に浸漬する時間は5秒〜90秒程度であり、加
熱前に短繊維を散布すればいよい。また、ゲル化する条
件は合成樹脂の成分により異なるが、一般に150℃〜
230℃で5分〜10分程度加熱するのが好ましい。な
お、ここで用いる手袋型としては、陶器製、金属製、ガ
ラス製あるいは木製等の公知材質のものを使用すること
ができる。
【0024】また、(ロ)の方法は、手袋型表面にラテ
ックスまたは合成樹脂分散液等の樹脂液を付着させた
後、樹脂化させて手袋基体を得、次いでこの手袋基体表
面に接着剤を塗布してから短繊維を散布、接着させて短
繊維を固定、被着させる方法である
【0025】この方法では、各種接着剤を用いることが
できるが、手袋基体と同系の素材や極性値の近い素材を
用いることが好ましい。また、ラテックスや合成樹脂分
散液等の樹脂液を接着剤の如く使用し、一旦形成された
手袋基体をこれら溶液に再度ディップし、繊維散布、付
着を行った後、ゲル化することもできる。
【0026】一方、(ハ)の方法は、内面に布製手袋部
分を設けた手袋を製造する方法であり、手袋型に布製手
袋を装着する以外は、上記(イ)の方法によって実施
し、本発明の滑り止め手袋を製造することができる。
【0027】同様に、(ニ)の方法は、内面に布製手袋
部分を設けた手袋を製造する方法であり、手袋型に布製
手袋を装着する以外は、上記(ロ)の方法によって実施
することができる。本発明において、手袋基体に短繊維
を付着させる方法は、従来公知の方法を用いることがで
きる。具体的には、短繊維をふるいに入れ、ふるいに振
動を与えながら、半ゲル状若しくは未架橋状態の手袋基
体上に降らせる方法や、ブロアを用い、ブロアの吸引口
に短繊維を補給したタンクを接続し、短繊維を吸引さ
せ、ブロア吹き出し口から吹き出た短繊維を半ゲル状若
しくは若しくは未架橋状態の手袋基体に吹きかける方法
や、ブロアで吸引した短繊維をサイクロンで風を外に逃
がしながら半ゲル状若しくは未架橋状態の手袋基体に吹
きかける方法、またこれらに電極を用いて静電植毛を組
み合わせる方法等により被着できる。
【0028】このようにして製造された本発明の滑り止
め手袋は、乾いた状態では従来のゴム若しくは合成樹脂
製の手袋と同様な滑り止め効果を発揮すると共に、水に
濡れた状態で使用しても優れた滑り止め効果を発揮する
ことができる。
【0029】
【実施例】次に、実施例および製造例を挙げて本発明を
さらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら
に限定されるものではない。
【0030】製造実施例1 塩化ビニル手袋の製造(1):表1に示す塩化ビニルペ
ーストに陶磁器製手型を浸漬し、ゾルが滴下しない程度
の速さで引き上げ、手型表面に塩化ビニルゾルを付着さ
せた。手型を回転させながら繊維(長さ0.2〜0.3
mmの綿)をふるいに入れ、ふるいを振動させ、回転す
る手型上部から繊維を降らせることにより手袋表面に繊
維を付着させた。繊維の付着量は1双で約6gであっ
た。その後200〜230℃の加熱釜で約5〜7分間加
熱処理をし、全体を完全にゲル化させた後、手型より離
型して本発明品1の手袋を得た。
【0031】(塩化ビニルペースト組成)
【表1】
【0032】製造実施例2 塩化ビニル手袋の製造(2):表1に示す塩化ビニルペ
ーストに陶磁器製手型を浸漬し、ゾルが滴下しない程度
の速さで引き上げ、手型表面に塩化ビニルゾルを付着さ
せた。次にこの手型を約200〜220℃の加熱釜中で
1〜3.5分加熱処理して半ゲル状態にした。これをア
クリル系接着剤液に浸漬した後引き上げ、繊維(長さ
0.2〜0.3mmの綿)を付着させた。繊維を付着さ
せる方法は、繊維をふるいに入れ、ふるいを振動させ、
回転する手型上部から繊維を降らせることにより手袋表
面に繊維を付着させた。繊維の付着量は1双で約6gで
あった。再度200〜230℃の加熱釜で約5〜7分間
加熱処理をし全体を完全にゲル化させた後、手型より離
型して本発明品2の手袋を得た。
【0033】製造実施例3 塩化ビニル手袋の製造(3) 金属製手型にメリヤス手袋(20番手)を装着した後、
表1の塩化ビニルのペーストを全面にシャワーして、塩
化ビニルゾルを付着させた。次にこの手型を約200〜
220℃の加熱釜中で1〜3.5分加熱処理して半ゲル
状態にした。これをアクリル系接着剤溶液中に約10秒
浸漬した後引き上げ、手型を回転させながら、ブロアを
用い、ブロア吹き出し口から吹き出た繊維(長さ0.2
〜0.3mmの綿)を付着させた。繊維の付着量は1双
で約6gであった。再度200〜230℃の加熱釜で約
5〜7分間加熱処理をし全体を完全にゲル化させた後、
手型より離型して本発明品3の手袋を得た。
【0034】NBR手袋の製造(1): I.ディスパージョン溶液の調製 表2の配合で調製した液に、表3の配合で調製した液
を、質量比で1:1でボールミルに入れ約24〜48時
間分散させてディスパージョン溶液を調製した。
【0035】II.NBRラテックス液の調製 NBRラテックス、分散剤、「I.」で調製したディス
パージョン及び水を表4の割合で混合して充分攪拌を行
いNBRラテックス液を調製した。
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】(ラテックス液組成)
【表4】
【0039】製造実施例4 陶磁器製手型を40%硝酸カルシウムのメタノール溶液
に浸漬し引き上げた後、上記「II.」で調製したNBR
ラテックス液中に浸漬し引き上げ、ラテックス液を付着
させた。次に手型を回転させながら、ブロアを用い、ブ
ロア吹き出し口から吹き出た繊維(長さ0.2〜0.3
mmの綿)を付着させた。付着量は1双で約6gであっ
た。その後、余分な硝酸カルシウムやゴム中の余剰成分
を除去するため、30〜70℃の温水で5〜10分抽出
を行った。約100℃〜130℃で30〜90分間乾燥
及び加流を行った後、手型より離型して本発明品4の手
袋を得た。
【0040】製造実施例5 金属製の手型にメリヤス手袋(30番手)を装着し、製
造実施例4で使用したものと同様のNBRラテックス液
中に浸漬し引き上げ、ラテックス液をを付着させた。次
にこの手型を加熱窯において100℃で30分間加熱し
乾燥・架橋した。充分に冷却した後、再度NBRラテッ
クス液中に浸漬し引き上げ、ラテックス液を付着させた
後、手型を回転させながら、ブロアを用い、ブロア吹き
出し口から吹き出た繊維(繊維長0.5mm、繊維太さ
1.0デニールのレーヨン)をサイクロンにより風を外
に逃がしながら短繊維を降らせ付着させた。繊維の付着
量は1双で約6gであった。その後、約100℃〜13
0℃で30〜90分間乾燥及び加流を行った後、手型よ
り離型して本発明品5の手袋を得た。
【0041】製造実施例6 金属製手型にメリヤス手袋(30番手)を装着し、製造
実施例4で使用したと同様のNBRラテックス液中に浸
漬し引き上げ、ラテックス液を付着させた後、この手型
を加熱窯において100℃〜130℃で30〜90分間
乾燥及び加流を行った。次いでアクリル系接着剤をスプ
レーした後、手形を回転させながら、ブロアを用い、ブ
ロア吹き出し口から吹き出た繊維(繊維長0.5mm
m、繊維太さ1.0デニールのレーヨン)を付着させ
た。付着量は1双で約6gであった。その後、接着剤を
乾燥・架橋させ、手型より離型して本発明品6の手袋を
得た。
【0042】製造実施例7 金属製手型にメリヤス手袋(30番手)を装着し、製造
実施例4で使用したと同様のNBRラテックス液中に浸
漬し引き上げ、ラテックス液を付着させた。手型を回転
させながら、ブロアを用い、ブロア吹き出し口から吹き
出た繊維(繊維長0.5mm、繊維径1.0デニールの
レーヨン)を付着させた。付着量は1双で約6gであっ
た。その後、余分な硝酸カルシウムやゴム中の余剰成分
を除去するため、30〜70℃の温水で5〜10分抽出
を行った。約100℃〜130℃で30〜90分間乾燥
及び加流を行った後、手型より離型して本発明品7の手
袋を得た。
【0043】比較例 製造例8 金属製手型にメリヤス手袋(30番手)を装着し、製造
実施例4で使用したと同様のNBR金属製ラテックス液
中に浸漬し引き上げ、ラテックス液を付着させた。次に
この手型を加熱窯において約100℃〜130℃で30
〜90分間乾燥及び加流を行った後、手型より離型して
比較品1の手袋を得た。
【0044】製造例9 金属製手型にメリヤス手袋(30番手)を装着し、製造
実施例4で使用したと同様のNBR金属製ラテックス液
中に浸漬し引き上げ、ラテックス液を付着させた。次に
約100℃〜130℃で30〜90分間乾燥及び加流を
行った後、製造実施例4で使用したと同様のNBRラテ
ックス液中にNBRゴムを粉砕したものを分散させた溶
液中に浸漬し引き上げ、約100℃〜130℃で30〜
90分間乾燥及び加流を行った後、手型より離型して比
較品2の手袋を得た。
【0045】手袋の評価: <動摩擦係数測定>本発明品1〜7、および製造例7で
使用する繊維を表5に示す繊維に変えて、それぞれ手袋
を作成したものを本発明品8〜10として、また比較品
1、2及び比較品3として商品名「ニトローブ」(表
層:NBR無機粉体処理、内層:メリヤス)(ショーワ
(株)製)、比較品4として商品名「耐油トワロン(ハ
ード)」(表層:NBR発泡処理、内層:メリヤス)
((株)東和コーポレーション製)の手袋について、下
記の方法でJIS K7125に準じて動摩擦係数の測
定を行った。また比較品1〜4の手袋も同様に測定し
た。動摩擦係数の値が大きいほど滑り止め効果が大であ
るとした。結果を表6に示す。
【0046】
【表5】
【0047】(測定方法)JIS K7125に基づ
き、試験装置を組み立て動摩擦係数を測定した。すべり
冶具に手袋の掌から切り取った試験片を取り付けて、一
定量のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2%水溶
液(洗剤溶液を仮定)でぬらしたガラス板上を、100
mm/minで、測定距離60mmを走行させ、試験片
とガラス板との摩擦によって生じる走行抵抗(動摩擦係
数)を測定した。
【0048】移動重錘の接触面積:400cm すべり冶具の重量:200g(試験片含む) 計算式μK(動摩擦係数)=C/D ただし、 C=均斉な走行になってからの平均荷重量(g) D=すべり冶具の重量(200g)
【0049】
【表6】
【0050】表6の結果より本発明品は比較品である従
来の滑り止め手袋に比べ、滑りにくいことがわかった。
【0051】<実用滑り試験>1リットルビーカーに、
水1リットルと市販の台所用洗剤1.5ミリリットルを
入れ混合して洗浄液を作成し、その溶液中にガラス製5
0mlビーカーを入れた。モニター5名に、本発明品1
〜7の手袋と比較品1〜4の手袋をそれぞれ着用しても
らい、ガラス製50ミリリットルビーカーを持ち上げ、
すべり具合について下記の基準で評価した。結果を表7
に示す。 評 価 : 内 容 ○ 全く滑らない △ やや滑る × よく滑る
【0052】
【表7】
【0053】表7の結果より、本発明品の手袋は濡れた
物体をつかむ場合にも、滑って物体が手から落ちること
は見られず、実用上の滑り止め機能を有することがわか
った。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の滑り止め
手袋は、樹脂等で形成された手袋の表面に繊維を被着せ
しめた構造としているので、手袋表面の滑り、特に、水
作業時にも十分な滑り止め効果を発揮することができ
る。また安価に製造・販売することも可能である。 以 上

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴムまたは合成樹脂の手袋基体表面に短
    繊維を被着せしめてなる滑り止め手袋。
  2. 【請求項2】 短繊維が親水性繊維である請求項第1項
    記載の滑り止め手袋。
  3. 【請求項3】 短繊維が多孔性繊維である請求項第1項
    または第2項記載の滑り止め手袋。
  4. 【請求項4】 短繊維がレーヨンまたは綿である請求項
    第1項乃至第3項のいずれかの項記載の滑り止め手袋。
  5. 【請求項5】 短繊維の繊維長が0.1mm〜5mmで
    ある請求項第1項乃至第4項のいずれかの項に記載の滑
    り止め手袋。
  6. 【請求項6】 手袋型表面に樹脂液を付着させて手袋基
    材を形成し、ゾル状態又は半ゲル状態の当該手袋基材表
    面に短繊維を散布させた後、当該手袋基材を樹脂化させ
    て手袋表面に短繊維を被着させることを特徴とする滑り
    止め手袋の製造方法。
  7. 【請求項7】 手袋型表面に樹脂液を付着させた後、こ
    れを樹脂化させた手袋基体表面に接着剤を塗布し、更に
    この接着剤上に短繊維を散布させることにより手袋表面
    に短繊維を被着させることを特徴とする滑り止め手袋の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 手袋型に装着した布製手袋に樹脂液を付
    着させて手袋基材を形成し、ゾル状態又は半ゲル状態の
    当該手袋基材表面に短繊維を散布させた後、当該手袋基
    材を樹脂化させて手袋表面に短繊維を被着させることを
    特徴とする滑り止め手袋の製造方法。
  9. 【請求項9】 手袋型に装着した布製手袋に樹脂液を付
    着させた後、これを樹脂化させた手袋表面に接着剤を塗
    布し、更にこの接着剤上に短繊維を散布させることによ
    り手袋表面に短繊維を被着させることを特徴とする滑り
    止め手袋の製造方法。
  10. 【請求項10】 短繊維が親水性繊維である請求項第6
    項乃至第9項のいずれかの項記載の滑り止め手袋の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 短繊維が多孔性繊維である請求項第6
    項乃至第9項のいずれかの項記載の滑り止め手袋の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 短繊維がレーヨンまたは綿である請求
    項第6項乃至第9項のいずれかの項に記載の滑り止め手
    袋の製造方法。
  13. 【請求項13】短繊維の繊維長が0.1mm〜5mmで
    ある請求項第6項乃至第9項のいずれかの項に記載の滑
    り止め手袋の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7891022B2 (en) 2002-06-28 2011-02-22 S.T. Chemical Co., Ltd. Moisture retentive gloves and process for producing the same

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