JP2002069035A - 脂環式(メタ)アリルエステルモノマーの製造方法、脂環式(メタ)アリルエステル化合物、該化合物の製造方法、該化合物を含有するプラスチックレンズ用組成物、該組成物を硬化してなるプラスチックレンズ及びその製造方法 - Google Patents
脂環式(メタ)アリルエステルモノマーの製造方法、脂環式(メタ)アリルエステル化合物、該化合物の製造方法、該化合物を含有するプラスチックレンズ用組成物、該組成物を硬化してなるプラスチックレンズ及びその製造方法Info
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Abstract
ックレンズ用の脂環式(メタ)アリルエステル化合物及
びその製造方法の提供。 【解決手段】 脂環式構造を持つ多塩基酸のアルキルエ
ステルとアリルアルコール及びメタリルアルコールとを
エステル交換触媒(有機酸及び/又は無塩基酸のアルカ
リ金属塩とアルカリ土類金属の水酸化物及び/又は酸化
物の組み合わせ、有機金属錯体、有機金属化合物、3級
アミン、炭酸のアルカリ金属塩、及び/又はアルカリ土
類金属塩、並びにアルカリ金属アルキルアルコキシドか
ら選ばれる1種以上の化合物)の存在下に反応させる脂
環式(メタ)アリルエステルモノマー、例えば1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルの製造方法、この
モノマーと多価アルコールとを触媒の存在下、一般式1
の末端構造と一般式2の繰返し単位を有する脂環式(メ
タ)アリルエステル化合物の製造方法、該化合物を含有
するプラスチックレンズ用組成物、並びにプラスチック
レンズ。
Description
多塩基酸のアルキルエステルと(メタ)アリルアルコー
ルとのエステル交換反応により、分子内に対応する脂環
式構造を含有する(メタ)アリルエステルモノマー(以
下、「脂環式(メタ)アリルエステルモノマー」と
略。)を製造する方法、この方法によって製造された脂
環式(メタ)アリルエステルモノマーと多価アルコール
を原料に用いて脂環式(メタ)アリルエステル化合物を
製造する方法及びこの方法によって製造される脂環式
(メタ)アリルエステル化合物に関する。
ルエステル化合物を含有することを特徴とするプラスチ
ックレンズ用組成物及び該組成物を硬化してなるプラス
チックレンズ並びに該プラスチックレンズの製造方法に
関する。
つ型の損傷を抑制することができるプラスチックレンズ
が製造可能な脂環式(メタ)アリルエステル化合物を含
有することを特徴とするプラスチックレンズ用組成物及
び該組成物を硬化して得られるプラスチックレンズ並び
に該プラスチックレンズの製造方法に関する。
アルコール」とは、アリルアルコール、メタリルアルコ
ール及び/または両者の混合物のいずれかを意味する。
また、本明細書に記載の「(メタ)アリルエステルモノ
マー」とは、アリルエステルモノマー、メタリルエステ
ルモノマー及び/または両者の混合物のいずれかを意味
する。さらに、本明細書に記載の「(メタ)アリルエス
テル化合物」とは、アリルエステル化合物、メタリルエ
ステル化合物及び/または両者の混合物のいずれかを意
味する。
ステルをアリルアルコールまたはメタリルアルコールと
反応させることによって製造される脂環式(メタ)アリ
ルエステルモノマーは、反応性の高いモノマーである。
各種架橋剤や反応性希釈剤として用いられるほか、その
もの自身の重合物も、電気特性、寸法安定性、耐熱性、
耐候性、耐薬品性、機械的特性に優れ各種成形品、積層
板、化粧板等に広く使用できる。また近年、優れた光学
特性を持つこともわかり、光学材料としても使用されつ
つある。
ルカーボネート)樹脂は、重合反応がアクリル系樹脂に
比較すると遅いので、重合反応をコントロールしやす
い。故に、均一な重合反応が可能であり、ポリエチレン
グリコールビス(アリルカーボネート)樹脂由来のプラ
スチックレンズは、光学ひずみが少ない長所を有する。
リルカーボネート)樹脂由来のプラスチックレンズの染
色性についても、注型成形法で得られたプラスチックレ
ンズを高温下で染色液につける一般的な手法により染色
する場合、染色濃度については他樹脂由来のプラスチッ
クレンズに対して優れていることが知られている。
ルビス(アリルカーボネート)樹脂由来のプラスチック
レンズを染色する場合に染色ムラを生ずるという欠点を
有していた。
特許WO99/17137号公報あるいは同WO99/
38899号公報では、脂環式構造を有するポリカルボ
キシレート構造を含有するアリルエステル化合物の使用
が開示されている。これらには、プラスチックレンズの
染色性に要求される均一な染色が可能であること、すな
わち染色むらの低減に関して改善効果はあることが開示
されている。
の原料であるアリルエステルモノマーの製造方法によっ
ては、レンズに代表される光学材料用途組成物に要求さ
れる長期保存安定性を満たすことができないことがあ
る。
及びメタリルエステルモノマーの製造方法としては、 1)カルボン酸クロライドとアルコールを原料とする合
成法 2)カルボン酸のアルカリ塩とアルキルハライドを原料
とする合成法 3)カルボン酸とアルコールを原料とする合成法 等が知られている。
化合物の製造に用いようとした場合には、1)の方法は
原料の酸クロライドが高価であるという欠点がある。
ハライドが加水分解されて(メタ)アリルアルコールに
なる副反応がかなりの割合で起こり、原料と副生物との
分離回収等の操作が複雑になる上に、コストもかかると
いった欠点がある。
るが、通常用いられる酸触媒に対して(メタ)アリルア
ルコールが安定でなく、ジ(メタ)アリルエーテルを副
生するという欠点がある。また、(メタ)アリルアルコ
ールの収率の低さ以外にも、触媒として硫酸やp−トル
エンスルホン酸を用いた場合には、これらの触媒から対
応するアリルエステルが副生してしまい、これらのスル
ホン酸アリルエステルと目的物である脂環式(メタ)ア
リルエステルモノマーとの分離が困難であり、ひいては
生成物の長期の保存安定性が比較的良くなく、生成物の
長期の保存安定性が必要な光学材料用途組成物等の用途
には対応できない場合があることがわかった。
エーテル」とは、ジアリルエーテル、ジメタリルエーテ
ル、アリルメタリルエーテル及び/又はこれらの混合物
のいずれかを意味する。
な従来技術の欠点を考慮し、脂環式(メタ)アリルエス
テルモノマーの原料として、従来用いられたことの無か
った脂環式構造を持つ多塩基酸のアルキルエステルと
(メタ)アリルアルコールとをエステル交換触媒の存在
下に反応させる脂環式(メタ)アリルエステルモノマー
の製造方法の提供、該脂環式(メタ)アリルエステルモ
ノマーを用いる末端に(メタ)アリルエステル基を有す
る脂環式(メタ)アリルエステル化合物の製造方法及び
該脂環式(メタ)アリルエステル化合物を提供すること
を目的とする。
ル化合物を含有する、光学材料、特にプラスチックレン
ズの製造に好適なプラスチックレンズ用組成物の提供、
該プラスチックレンズ用組成物を硬化してなるプラスチ
ックレンズ及びその製造方法の提供を目的とする。
問題を解決すべく研究を重ねた結果、対応する脂環式構
造を持つ多塩基酸の低級脂肪族アルキルエステルと、
(メタ)アリルアルコールをエステル交換反応により、
低級脂肪族アルコールを留去しながら反応させることに
より、目的とする脂環式(メタ)アリルエステルモノマ
ーを製造できること、さらにこの脂環式(メタ)アリル
エステルモノマーを用い多価アルコールとエステル交換
反応により生成する分子末端に(メタ)アリルエステル
基を有する脂環式(メタ)アリルエステル化合物を製造
し、その脂環式(メタ)アリルエステル化合物が光学用
途に好適に使用できることを見いだし本発明を完成させ
た。
多塩基酸のアルキルエステルとアリルアルコール及び/
又はメタリルアルコールとをエステル交換触媒の存在下
に反応させることを特徴とする脂環式(メタ)アリルエ
ステルモノマーの製造方法である。
よって製造された脂環式(メタ)アリルエステルモノマ
ーと多価アルコールとを、触媒の存在下、エステル交換
反応して製造することを特徴とする一般式(1)の末端
構造と一般式(2)の繰り返し単位を有する脂環式(メ
タ)アリルエステル化合物の製造方法、及び該製造方法
によって製造することを特徴とする、一般式(1)の末
端構造と一般式(2)の繰り返し構造を有する脂環式
(メタ)アリルエステル化合物である。一般式(1)
はそれぞれ独立にアリルまたはメタリル基のいずれかを
表し、Xはそれぞれ独立に脂環式構造を有する多価カル
ボン酸から誘導される有機残基を表す。Yはそれぞれ独
立に2個〜6個の水酸基を有する炭素数2〜炭素数20
の多価アルコ−ルから誘導された有機残基を表す。ただ
し、Xはエステル結合によって、さらに上記一般式
(1)を末端基とし、上記一般式(2)を繰り返し単位
とする分岐構造あるいはR1を有することができ、Yは
エステル結合によって、さらに上記一般式(1)を末端
基とし、上記一般式(2)を繰り返し単位とする分岐構
造を有することができる。)
I)の脂環式(メタ)アリルエステル化合物を含有する
ことを特徴とするプラスチックレンズ用組成物である。
I)のプラスチックレンズ用組成物中に含まれる全硬化
性成分100質量部に対して、少なくとも1種以上のラ
ジカル重合開始剤0.1質量部〜10質量部を含有する
ことを特徴とするプラスチックレンズ用組成物である。
I)又は本発明(IV)に記載のプラスチックレンズ用
組成物を硬化して得られるプラスチックレンズである。
に記載のプラスチックレンズの製造方法である。
する。まず、本発明(I)の脂環式(メタ)アリルエス
テルモノマーの製造方法について説明する。
つ多塩基酸エステルとしては、好ましくは他の置換基を
有していてもよい5員環〜7員環のシクロアルカンのジ
カルボン酸エステル、トリカルボン酸エステル、テトラ
カルボン酸エステル等が挙げられる。例えば1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸のジエステル、1,3−シク
ロヘキサンジカルボン酸のジエステル、1,2,4−シ
クロヘキサントリカルボン酸のトリエステル、1,2,
4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸のテトラエス
テル、アルキル置換シクロヘキサン−1,4−ジカルボ
ン酸のジエステル、及びハロゲン置換シクロヘキサン−
1,4−ジカルボン酸のジエステル等が挙げられる。
素数10の分岐を有してもよいアルキル基を指し、具体
的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−
プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等を挙げるこ
とができる。また、「ハロゲン」の具体例としては塩
素、臭素、ヨウ素等を挙げることができる。
サンジカルボン酸のジエステル、1,3−シクロヘキサ
ンジカルボン酸のジエステル、5−アルキル置換のシク
ロヘキサン−1,4−ジカルボン酸のジエステルあるい
は5−ハロゲン置換のシクロヘキサン−1,4−ジカル
ボン酸のジエステルが好ましく、さらに好ましくは、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のジエステル、
1,3−シクロヘキサンジカルボン酸のジエステルであ
る。
造を持つ多塩基酸エステルのエステル成分としては、エ
ステル交換反応が可能な基であれば特に制限はない。具
体的には例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル
基、n−プロピル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、t−ブチル基、n−ブチル基等を挙げることができ
る。中でも、(メタ)アリルアルコールとのエステル交
換の際に生成するアルコールは、(メタ)アリルアルコ
ールよりも沸点の低いものが望ましいことから、特にメ
チル基、エチル基、イソプロピル基が望ましい。
テルモノマー」とは、前記のとおり、分子内に脂環式構
造を有し且つその脂環式構造に直接結合したカルボン酸
基が(メタ)アリルアルコール由来の構造に基づくエス
テル構造を有するものである。
ンジカルボン酸ジアリルエステル、1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸ジメタリルエステル、1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸アリルメタリルエステル、1,3
−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルエステル、1,
3−シクロヘキサンジカルボン酸ジメタリルエステル、
1,3−シクロヘキサンジカルボン酸アリルメタリルエ
ステル、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸ト
リアリルエステル、1,2,4−シクロヘキサントリカ
ルボン酸トリメタリルエステル、1,2,4−シクロヘ
キサントリカルボン酸アリルジメタリルエステル、1,
2,4−シクロヘキサントリカルボン酸ジアリルメタリ
ルエステル、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカ
ルボン酸テトラアリルエステル、1,2,4,5−シク
ロヘキサンテトラカルボン酸トリアリルメタリルエステ
ル、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸
ジアリルジメタリルエステル、1,2,4,5−シクロ
ヘキサンテトラカルボン酸アリルトリメタリルエステ
ル、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸
テトラメタリルエステル、5−アルキル置換シクロヘキ
サン−1,4−ジカルボン酸ジアリルエステル、5−ア
ルキル置換シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸アリ
ルメタリルエステル、5−アルキル置換シクロヘキサン
−1,4−ジカルボン酸ジメタリルエステル、5−ハロ
ゲン置換シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ジアリ
ルエステル、5−ハロゲン置換シクロヘキサン−1,4
−ジカルボン酸アリルメタリルエステル、5−ハロゲン
置換シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ジメタリル
エステル等を挙げることができる。
しては、エステル基を活性化させアルコールとの反応を
起こさせるものなら、基本的にはどのような触媒でも用
いることが出来る。例えば ・アルカリ金属元素そのものと該元素の酸化物、弱酸
塩、アルコラート、及び水酸化物、 ・アルカリ土類金属元素そのものと該元素の酸化物、弱
酸塩、アルコラート、及び水酸化物、 ・Hf、Mn、U、Zn、Cd、Zr、Pb、Ti、C
o、Snの各元素そのものと該元素の酸化物、水酸化
物、無機酸塩、アルコキシド、有機酸塩及び有機金属錯
体、 ・ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、及
びジブチル錫ジクロライド等の有機錫化合物、又はテト
ラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、
及びテトラブチルチタネート等のテトラアルキルチタネ
ート等の有機チタン化合物等の有機金属化合物、 ・ジメチルアニリン、1,4−ジアザビシクロ〔2.
2.2〕オクタン等の3級アミン、 等を挙げることができる。
リ土類金属の水酸化物及び/または酸化物の組み合わ
せ、 ・ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジ
ブチル錫ジクロライド等の有機錫化合物、 ・テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネ
ート、テトラブチルチタネート等のテトラアルキルチタ
ネート、 ・炭酸カリウムや炭酸カルシウム等の炭酸のアルカリ金
属塩やアルカリ土類塩、 ・カリウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウ
ムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等のアルカリ金
属のアルキルアルコキシド、 ・ジメチルアニリン、1,4−ジアザビシクロ〔2.
2.2〕オクタン等の3級アミン、 ・アセチルアセトンハフニウム等のハフニウムの有機金
属錯体、 等を用いることが好ましい。これらは2種以上組み合わ
せて使用することもできる。
リ金属塩とアルカリ土類金属の水酸化物及び/または酸
化物の組み合わせは、反応終了後に触媒成分が析出し、
濾過のみによって生成物と触媒を分離できる。この特性
は、工業的な製造を考慮した場合には特に好ましいとい
える。
化物、酸化物としては具体的には、水酸化カルシウム、
水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、酸化カルシウ
ム、酸化マグネシウムであるが、特に水酸化カルシウ
ム、酸化カルシウムが性能的にみて好ましい。
ルカリ金属塩としては具体的には、酢酸ナトリウム、酢
酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸ルビジウム、酢酸セシ
ウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウ
ム、硫酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸リチウム、炭酸ルビジウム、燐酸カリウム、硝酸カリ
ウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸セシウムなどである
が、特に酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸ルビジウ
ム、酢酸セシウムが性能的にみて好ましい。
塩とアルカリ土類金属の水酸化物及び/または酸化物の
組み合わせにおいて好ましいものとしては、水酸化カル
シウムと酢酸セシウムの組み合わせ、酸化カルシウムと
酢酸セシウムの組み合わせ、水酸化カルシウムと酢酸ル
ビジウムの組み合わせ、水酸化カルシウムと酢酸カリウ
ムの組み合わせ、酸化カルシウムと酢酸カリウムの組み
合わせ、水酸化カルシウムと酢酸ナトリウムの組み合わ
せ、酸化カルシウムと酢酸ナトリウムの組み合わせであ
り、特に好ましい組み合わせとしては、水酸化カルシウ
ムと酢酸セシウムの組み合わせ、水酸化カルシウムと酢
酸カリウムの組み合わせ、水酸化カルシウムと酢酸ルビ
ジウムの組み合わせ、酸化カルシウムと酢酸カリウムの
組み合わせである。
金属の水酸化物及び/または酸化物1質量部に対し、有
機酸及び/または無機酸のアルカリ金属塩を0.001
質量部〜1質量部の範囲であることが好ましく、特に好
ましくは0.01質量部〜0.5質量部の範囲である。
酸化物に対する有機酸及び/または無機酸のアルカリ金
属塩の比率がこの範囲よりも小さい場合には反応時間が
長くなるし、この範囲よりも大きい場合には、反応液の
着色がひどくなる恐れがあり好ましくない。
基酸エステルと(メタ)アリルアルコールを触媒の存在
下に加熱するという方法をとる。反応温度は30℃〜2
00℃、好ましくは50℃〜150℃の範囲から選ば
れ、常圧または加圧下、または必要に応じて減圧下で、
不活性ガス雰囲気中で行われることが望ましい。さら
に、反応を効率的に行うためには、生成するアルコール
を反応系外に速やかに留出させたほうがよい。
は、原料エステルに対して理論量は最低限必要であり、
反応速度、平衡等を考慮すれば、更に過剰モル使用した
ほうがよい。しかし、(メタ)アリルアルコールをあま
りに大過剰用いても、その過剰量に見合う効果が出ない
ので経済的に好ましくない。よって通常(メタ)アリル
アルコールは原料エステルの理論量に対して1.2倍モ
ル〜10倍モルの範囲、より好ましくは1.5倍モル〜
4倍モルの範囲である。その際の仕込方法としては反応
の最初に仕込んでもよいし、反応途中に順次加えて入っ
てもよい。
して0.01質量%〜2質量%、好ましくは0.1質量
%〜1質量%程度である。この場合も、少なすぎる場合
には反応速度が遅くなるし、多い場合にはその量に見合
う効果が得られないばかりか、着色がひどくなり、また
副反応のためにかえって収率が低下してしまう場合すら
ある。また、過剰の使用は触媒との分離に多大な時間や
労力を要するという問題がある。
エステルモノマーの単離法としては、前述の混合触媒を
用いた場合には、(メタ)アリルアルコールを留去後、
ロ過等の適当な手段で触媒を分離し、次いで酸洗浄、ア
ルカリ洗浄をするだけで、製品として使用できる精製品
を得ることが出来るという大きな特徴を有する。
精製すれば、高品質な製品が得ることが出来る。
本発明(II)は、本発明(I)によって製造された脂
環式(メタ)アリルエステルモノマーと多価アルコール
とを、触媒の存在下、エステル交換反応して製造するこ
とを特徴とする一般式(1)の末端構造と一般式(2)
の繰り返し単位を有する脂環式(メタ)アリルエステル
化合物の製造方法、及び該製造方法によって製造するこ
とを特徴とする、一般式(1)の末端構造と一般式
(2)の繰り返し構造を有する脂環式(メタ)アリルエ
ステル化合物である。 一般式(1)
はそれぞれ独立にアリルまたはメタリル基のいずれかを
表し、Xはそれぞれ独立に脂環式構造を有する多価カル
ボン酸から誘導される有機残基を表す。Yはそれぞれ独
立に2個〜6個の水酸基を有する炭素数2〜炭素数20
の多価アルコ−ルから誘導された有機残基を表す。ただ
し、Xはエステル結合によって、さらに上記一般式
(1)を末端基とし、上記一般式(2)を繰り返し単位
とする分岐構造あるいはR1を有することができ、Yは
エステル結合によって、さらに上記一般式(1)を末端
基とし、上記一般式(2)を繰り返し単位とする分岐構
造を有することができる。)
(2)の繰り返し単位を有する脂環式アリルエステル化
合物は、本発明(I)で方法よって製造された(メタ)
アリルエステルと多価アルコールを触媒存在下、エステ
ル交換反応を行うことで製造することができる。
繰り返し単位を有する脂環式アリルエステル化合物の製
造工程で用いられる触媒としては、一般にエステル交換
反応に用いることが可能な触媒であれば特に制限はな
い。有機金属化合物が特に好ましく、具体的にはテトラ
イソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、
ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、アセ
チルアセトンハフニウム、アセチルアセトンジルコニウ
ム等を挙げることができるがこれに限定されるわけでは
ない。中でも、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オ
キサイドが好ましい。
限はないが、好ましくは100℃〜230℃の範囲、よ
り好ましくは120℃〜200℃の範囲である。特に溶
媒を用いた場合は、その沸点により制限を受けることが
ある。
ることはないが、必要に応じて溶媒を用いることもでき
る。エステル交換反応を阻害することがなければ、用い
ることが可能な溶媒としては特に制限はない。具体的に
はベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等を
挙げることができるがこれに限定されるわけではない。
中でもベンゼン、トルエンが好ましい。しかし、前述の
ように溶媒を用いることなく実施することも可能であ
る。
般式(1)の末端構造と一般式(2)の繰り返し構造を
有する脂環式アリルエステル化合物について説明する。 一般式(1)
はメタリル基のいずれかを表し、Xはそれぞれ独立に脂
環式構造を有する多価カルボン酸から誘導される有機残
基を表す。Yはそれぞれ独立に2個〜6個の水酸基を有
する炭素数2〜炭素数20の多価アルコ−ルから誘導さ
れた有機残基を表す。ただし、Xはエステル結合によっ
て、さらに上記一般式(1)を末端基とし、上記一般式
(2)を繰り返し単位とする分岐構造あるいはR1を有
することができ、Yはエステル結合によって、さらに上
記一般式(1)を末端基とし、上記一般式(2)を繰り
返し単位とする分岐構造を有することができる。)
立にアリルまたはメタリル基のいずれかを表す。また、
一般式(1)あるいは一般式(2)において、Xはそれ
ぞれ独立に脂環式構造を有する多価カルボン酸から誘導
される有機残基を表す。
一般式(1)で表される末端基の全てがアリル基であっ
ても、全てがメタリル基であっても、一部がアリル基で
一部がメタリル基であってもいいことを意味する。
は、一般式(1)あるいは一般式(2)で表される繰り
返し単位の一例である下記構造式(1)においては、そ
の繰り返し構造中に含まれるq+1個のXのそれぞれが
独立であることを意味する。
ールから誘導される有機残基を例にとった場合の構造式
(1)を例にとると、 構造式(1)
立に脂環式構造を有する多価カルボン酸から誘導される
有機残基を表し、qは0又は1以上の整数を表す。)
て異なった脂環式構造を有する多価カルボン酸から誘導
される有機残基(即ち、q+1種類の脂環式構造を有す
る多価カルボン酸から誘導される有機残基が一つずつ)
であっても、すべてが同一の脂環式構造を有する多価カ
ルボン酸から誘導される有機残基(即ち、1種類の脂環
式構造を有する多価カルボン酸から誘導される有機残基
がq+1個)であっても、あるいはq+1個の内、いく
らかは同一の脂環式構造を有する多価カルボン酸から誘
導される有機残基であり、他のいくらかは別の種類の脂
環式構造を有する多価カルボン酸から誘導される有機残
基であるといった混合構造であってもいっこうに差し支
えない。さらには、その混合構造も、全部が完全にラン
ダムであっても一部は繰り返してもかまわない。
カルボキシル基を有する、脂環式構造を有する多価カル
ボン酸から誘導される有機残基である場合、そのXの一
部又は全部はエステル結合によって、さらに一般式
(1)を末端基とし、一般式(2)を繰り返し単位とす
る分岐構造あるいはR1を有することができる。すなわ
ち、例えば、Xに3価以上の脂環式構造を有する多価カ
ルボン酸から誘導される有機残基の一例であるシクロヘ
キサン−1,2,4−トリカルボン酸から誘導された有
機残基が存在した場合、本発明(II)の一般式(1)
の末端構造と一般式(2)の繰り返し単位を有する脂環
式アリルエステル化合物は、下記構造式(2)で表され
る部分構造を有することができる。 構造式(2)
立に2個〜6個の水酸基を有する炭素数2〜炭素数20
の多価アルコ−ルから誘導された有機残基を表す。)
カルボキシル基を有する、脂環式構造を有する多価カル
ボン酸から誘導される有機残基である場合であっても、
分岐構造が一切無くてもかまわない。
残存していてもかまわない。特に、Xの一部又は全部が
3個以上のカルボキシル基を有する脂環式構造を有する
多価カルボン酸から誘導される有機残基である場合で分
岐構造がない部分は、カルボキシル基がそのままの状態
で残ることが考えられるが、本発明(II)の脂環式
(メタ)アリルエステル化合物としてはいっこうに差し
支えない。
るXはそれぞれ独立に脂環式構造を有する多価カルボン
酸から誘導される有機残基を表す。
ボン酸」の具体例としては、以下のようなものがある。
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸、4−メチル−シクロヘキサン−1,2−ジカル
ボン酸、3−メチル−シクロヘキサン−1,2−ジカル
ボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸等
が挙げられる。もちろんこれらに限定されるわけではな
く、さらにこれらの単体であっても2種以上の混合物で
あってもかまわない。
造と一般式(2)の繰り返し単位を有する脂環式アリル
エステル化合物の流動性及びエステル交換反応性の点か
ら、これらの脂環式構造を有する多価カルボン酸中で、
好ましく使用されるものとしては、1,2−シクロヘキ
サンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル
−シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、3−メチル
−シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸及びこれらの
2種以上の混合物が挙げられる。より好ましくは、1,
3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸及びその混合物である。
に2個〜6個の水酸基を有する炭素数2〜炭素数20の
多価アルコ−ルから誘導された有機残基を表す。
一般式(2)で表される繰り返し単位の一例である下記
構造式(3)においては、その繰り返し構造中に含まれ
るm個のYそれぞれが独立であることを意味する。
ヘキサンジカルボン酸から誘導される有機残基を例にと
った場合の構造式(3)を例にとると、 構造式(3)
立に2個〜6個の水酸基を有する炭素数2〜炭素数20
の多価アルコールから誘導される有機残基を表し、mは
0又は1以上の整数を表す。)
異なった多価アルコールから誘導される有機残基(即
ち、m種類の多価アルコールから誘導される有機残基が
1つずつ)であっても、すべて同一の多価アルコールか
ら誘導される有機残基(即ち、1種類の多価アルコール
から誘導される有機残基がm個)あっても、あるいはm
個のYの内、いくらかは同一の多価アルコールから誘導
される有機残基であり、他のいくらかは別の種類の多価
アルコールから誘導される有機残基であるといった混合
構造であってもいっこうに差し支えない。さらには、そ
の構造も、全部が完全にランダムであっても一部は繰り
返してもかまわない。
酸基を有する多価アルコールから誘導される有機残基で
ある場合、そのYの一部又は全部はエステル結合によっ
て、さらに一般式(1)を末端基とし、一般式(2)を
繰り返し単位とする分岐構造を有することができる。す
なわち、例えばYに3価のアルコールの一例であるトリ
メチロールプロパンから誘導される有機残基が存在した
場合、本発明(II)の、一般式(1)の末端構造と一
般式(2)の繰り返し単位を有する脂環式アリルエステ
ル化合物は、下記構造式(4)で表される部分構造を有
することができる。 構造式(4)
立に脂環式構造を有する多価カルボン酸から誘導される
有機残基を表す。)
水酸基を有する多価アルコールから誘導される有機残基
である場合であっても、分岐構造が一切無くてもかまわ
ない。
いてもかまわない。特に、Yの一部又は全部が3個以上
の水酸基を有する多価アルコールから誘導される有機残
基である場合で分岐構造がない部分は、水酸基がそのま
まの状態で残ることが考えられるが、本発明(II)の
脂環式(メタ)アリルエステル化合物としてはいっこう
に差し支えない。
2個〜6個の水酸基を有する炭素数2〜炭素数20の多
価アルコールから誘導された一種以上の有機残基を表
す。ここで言う「2個〜6個の水酸基を有する炭素数2
〜炭素数20の多価アルコール」としては、以下のよう
なものがある。
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,
3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサ
メチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール等が挙げられる。
としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリ
メチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジペンタリ
スリトール、ソルビドール等が挙げられる。更に、ジエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール等の主鎖にエ
ーテル基を含んだ2価のアルコール等も含まれる。もち
ろんこれらの多価アルコールの2種以上の混合物であっ
てもかまわない。いうまでもなく、これらの具体例に限
定されるものではない。
繰り返し単位を有する脂環式アリルエステル化合物の流
動性の点から、これらの多価アルコールの中で好ましく
使用されるものしては、プロピレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレ
ングリコールが挙げられる。より好ましくは、プロピレ
ングリコール,1,4−ブタンジオールである。
に特に制限はない。様々な繰り返し回数を有する材料を
混合してもかまわない。また、繰り返し回数が0である
材料と繰り返し回数が1以上の整数である材料を併用し
てもいっこうに問題ない。ただし、繰り返し回数が0で
ある化合物のみを用いることは本発明の目的を達成する
ためには好ましいことではない。
合物の繰り返し単位である一般式(2)で表される基の
繰り返し回数は、通常1〜50の整数であることが好ま
しい。繰り返し回数が50を越えた化合物のみからなる
脂環式アリルエステル化合物をプラスチックレンズ用組
成物に用いた場合、アリル基の濃度が低くなるために、
硬化時に硬化遅延を起こしたり化合物の一部が未硬化で
残存して硬化物の機械特性などの物性低下に影響を及ぼ
す恐れがあり好ましくない。好ましくは、脂環式アリル
エステル化合物中のすべての化合物の繰り返し回数が1
〜50の範囲の整数であり、より好ましくは1〜30の
範囲の整数であり、さらに好ましくは1〜10の範囲の
整数である。
造と一般式(2)の繰り返し単位を有する脂環式アリル
エステル化合物には、その製造条件によっては原料の脂
環式(メタ)アリルエステルモノマーが残存することも
あるが、そのままプラスチック材料に使用しても何ら差
し支えない。しかし、本発明(II)の脂環式アリルエ
ステル化合物の全量に対して原料の脂環式(メタ)アリ
ルエステルモノマーが70質量%以上存在することは後
述のプラスチックレンズ用組成物として、一般式(3)
の化合物と配合する場合に、染色むらや硬化物とガラス
の型を剥離する時に生じる型の損傷の点から好ましいと
は言えない。
V)のプラスチックレンズ用組成物について説明する。
本発明(III)は、本発明(II)の脂環式(メタ)
アリルエステル化合物を含有することを特徴とするプラ
スチックレンズ用組成物である。
I)のプラスチックレンズ用組成物中に含まれる全硬化
性成分100質量部に対して、少なくとも1種以上のラ
ジカル重合開始剤0.1質量部〜10質量部を含有する
ことを特徴とするプラスチックレンズ用組成物である。
ラスチックレンズ用組成物に含有される、一般式(3)
で表される化合物は、公知の方法で合成できる。例え
ば、ジ(メタ)アリルカーボネートと多価アルコールと
を触媒の存在下、エステル交換反応による方法(特公平
3−66327号公報)、(メタ)アリルアルコールと
ホスゲン、多価アルコールを脱塩酸しながら反応させる
方法(米国特許2370565号公報、米国特許259
2058号公報)等を挙げることができるが、これらに
限定されるものではない。
カーボネート」とは、ジアリルカーボネート、ジメタリ
ルカーボネート、アリルメタリルカーボネート及びこれ
らの混合物の中から選ばれる少なくとも1種の化合物を
意味する。 一般式(3)
2〜炭素数20の多価飽和アルコールから誘導された一
種以上の有機残基を表し、nは2〜6の整数であり、R
2は、アリル基またはメタリル基のいずれかを表す。た
だし、それぞれのR2は、それぞれ独立である。また、
sは0〜n−1の整数のいずれかであり、tは1〜nの
整数のいずれかであり、且つs+t=nである。)
基を有する炭素数2〜炭素数20の多価飽和アルコール
から誘導された1種以上の有機残基を表す。ここでいう
「2個〜6個の水酸基を有する炭素数2〜炭素数20の
多価飽和アルコール」としては、以下のようなものがあ
る。
てはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,
3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,
3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサ
メチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール等が挙げられる。
体例としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、
トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジペン
タリスリトール、ソルビドール等が挙げられる。更に、
ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール等の主鎖
にエーテル基を含んだ2価の飽和アルコール等も含まれ
る。さらにこれらのアルコールの2種以上の混合物であ
ってもかまわない。いうまでもなく、これらの具体例に
限定されるものではない。
く使用されるものしては、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレン
グリコールが挙げられる。より好ましくは、ジエチレン
グリコールである。多価飽和アルコールにジエチレング
リコールを用いた場合、得られるポリ(アリルカーボネ
ート)はジエチレングリコールビス(アリルカーボネー
ト)であり、具体的にはPPG社の商品名CR−39,
Akzo Nobel社の商品名Nouryset20
0等が挙げられる。
タリル基のいずれかの基を表す。ただし、それぞれのR
2はそれぞれ独立である。例えば、n=3のとき、一般
式(3)は、下記構造式(5)〜構造式(7)で表され
る化合物の混合物として表される。 構造式(5)
個のR2は、3個ともアリル基であっても、3個ともメ
タリル基であっても、また、2個がアリル基で1個がメ
タリル基であっても、1個がアリル基で2個がメタリル
基であってもいっこうに差し支えない。もちろん、構造
式(6)における2個のR2も、構造式(7)における
R2も同様である。
を有する炭素数2〜炭素数20の多価飽和アルコールか
ら誘導される一種以上の有機残基である。Zの水酸基が
6を越えた整数である多価飽和アルコールから誘導され
た有機残基を有する化合物をプラスチックレンズ用組成
物に用いた場合、硬化して得たプラスチックレンズの耐
衝撃性が劣る恐れがあり、好ましくない。また、Zの水
酸基が2未満の整数(即ち1)である飽和アルコールか
ら誘導される有機残基を有する化合物をプラスチックレ
ンズ用組成物に用いた場合、硬化して得たプラスチック
レンズの耐熱性た耐溶剤性が極端に低下してしまい好ま
しくない。
〜n−1の整数のいずれかであり、tは1〜nの整数の
いずれかであり、且つs+t=nである。一般式(3)
においてtは少なくとも1以上の整数であればよいが、
最終的なプラスチックレンズの物性から、出きるだけ多
くの水酸基がカーボネート基に置換されている方がよ
い。tがn未満である各化合物の割合にもよるが、一般
式(3)で表される化合物において好ましくはt=nで
ある化合物が80質量%以上である範囲であり、より好
ましくは90質量%以上の範囲である。
ラスチックレンズ用組成物中に含まれる全硬化性成分に
対する、本発明(II)の脂環式アリルエステル化合物
の配合量は0.1質量%〜20質量%であり、好ましく
は1質量%〜15質量%である。さらに好ましくは、2
〜10質量%である。0.1質量%未満では、染色むら
の低減効果が発現できなくなったなる恐れがある。ま
た、配合量が20質量%を越えることは、経済上好まし
いことではない。
は、一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表
される化合物、及び一般式(1)で表される化合物また
は一般式(2)で表される化合物と共重合可能なモノマ
ーを合わせた総量を意味する。
0質量%〜99.9質量%であり、好ましくは75質量
%〜99質量%であり、さらに好ましくは、80質量%
〜98質量%である。60質量%未満では、該組成物を
硬化して得たプラスチックレンズの機械特性、光学特性
が低下する恐れがある。また、99.9質量%より多い
と、染色不良を生じ、好ましくない。
V)のプラスチックレンズ用組成物には、主に組成物の
粘度調製を目的として、一般式(3)で表されるポリ
(アリルカーボネート)あるいは一般式(1)の末端構
造と一般式(2)の繰り返し単位を有する脂環式アリル
エステル化合物と共重合可能なモノマーを、本発明のプ
ラスチックレンズ用組成物中に含まれる全硬化性成分に
対して20質量%を越えない範囲において、1種以上加
えることができる。
基、アリル基有するモノマー等が挙げられる。具体例と
しては、アクリル基を有するモノマーとしてはメチル
(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレ
ート等が、ビニル基を有するモノマーとしてはビニルア
セテート、ビニルベンゾエート等が、更にアリル基を有
するモノマーとしては、1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸
ジアリル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリ
ル等が挙げられる。もちろん、これらの具体例に限定さ
れるものではなく、硬化して得られるプラスチックレン
ズの物性を損なわない範囲でジアリルフタレート、ジア
リルテレフタレート、ジアリルイソフタレート、アリル
ベンゾエート等の使用も可能である。
ラスチックレンズ用組成物の粘度は、注型の作業性を考
慮した場合、25℃で10mPa・s〜10000mP
a・sの範囲にあることが一般的であり、好ましくは、
10mPa・s〜5000mPa・sの範囲にあり、さ
らに好ましくは、10mPa・s〜500mPa・sで
ある。
り測定されるもので、回転粘度計の詳細については岩波
理化学辞典 第3版 1977年6月1日 第3版第8
刷発行に記載がある。
ックレンズ用樹脂組成物中に含まれる全硬化性成分に対
して、20質量%以下であり、好ましくは、10質量%
以下であり、さらに好ましくは、5質量%以下である。
20質量%を越えて添加すると、該組成物を硬化して得
られるプラスチックレンズに求められる光学特性などの
物性値が低下する恐れがあり好ましくない。更に、プラ
スチックレンズ用組成物に含まれるポリ(アリルカーボ
ネート)及びアリルエステルオリゴマーの種類と配合
比、硬化して得られるプラスチックレンズに求められる
光学特性などの物性値によって、最適なモノマーが選択
される。
成物には、硬化剤としてラジカル重合開始剤を添加する
ことが可能でありかつ好ましい。
成物に添加可能なラジカル重合開始剤には、特に制限は
ない。硬化して得られるプラスチックレンズの光学特性
などの物性値に悪影響を及ぼすものでなければ、公知の
もので構わない。
開始剤は、硬化されるべき組成物中に存在する他の成分
に可溶であり、かつ30℃〜120℃でフリーラジカル
を発生するものが望ましい。添加可能なラジカル重合開
始剤の具体例としては、ジイソプロピルパーオキシジカ
ーボネート、ジシクロヘキシルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−
sec−ブチルパーオキシジカーボネート、t−ブチル
パーベンゾエート等が挙げられるが、これらに限定され
るものではない。硬化性の点から、好ましくはジイソプ
ロピルパーオキシジカーボネートである。
プラスチックレンズ用組成物中に含まれる全硬化性成分
に対して0.1質量部〜10質量部の範囲、好ましくは
1質量部〜5質量部の範囲である。0.1質量部未満で
は、該組成物の硬化が不十分になる恐れがある。また、
10質量部を越えて添加することは、経済上好ましくな
い。
ラスチックレンズ用組成物には、プラスチックレンズの
性能向上に使用される一般的な染料、顔料等の着色剤、
紫外線吸収剤や、離型剤、酸化防止剤などの添加剤を添
加しても構わない。
系、アゾ系、カルボニウム系、キノリン系、キノンイミ
ン系、インジゴイド系、フタロシアニン系などの有機顔
料、アゾイック染料、硫化染料などの有機染料、チタン
イエロー、黄色酸化鉄、亜鉛黄、クロムオレンジ、モリ
ブデンレッド、コバルト紫、コバルトブルー、コバルト
グリーン、酸化クロム、酸化チタン、硫化亜鉛、カーボ
ンブラックなどの無機顔料などが挙げられる。
ン酸ブチル、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アミド、
フッ素系化合物類、シリコン化合物類などが挙げられ
る。
ロキシ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ルなどのトリアゾール類、2,4−ジヒドロキシベンゾ
フェノン等のベンゾフェノン類、4−tert−ブチル
フェニルサリシラート等のサリシラート類、ビス−
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)
セバシートなどのヒンダートアミン類が挙げられる。
t−ブチル−4−メチルフェノール、テトラキス−[メ
チレン−3−(3’,5’−ジーtert−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]メタン等のフ
ェノール類、ジラウリル−3、3’−チオジプロオナー
ト等の硫黄類、トリスノニルフェニルホスファイト等の
リン系の酸化防止剤が挙げられる。
離型剤、酸化防止剤などの添加剤の添加総量は、本発明
のプラスチックレンズ用樹脂組成物中に含まれる全硬化
性成分に対して1質量%以下であることが望ましい。
について説明する。本発明(V)は、本発明(III)
又は本発明(IV)のプラスチックレンズ用組成物を硬
化して得られるプラスチックレンズである。
の屈折率が1.497〜1.505の範囲にあることが
好ましい。一般式(3)で表される化合物を原料とする
プラスチックレンズ(屈折率1.498(25℃))を
製造する際に使用される型は、同等の屈折率を有するプ
ラスチックを製造する際にのみ適しているものである。
同一の型を使用した場合、屈折率の変更はレンズの能力
の変更を意味する。
力を有するプラスチックレンズを得るためには異なる型
を必要とする。従って、一般式(1)の末端構造と一般
式(2)の繰り返し単位を有する脂環式アリルエステル
化合物、一般式(3)で表される化合物、及び一般式
(1)の末端構造と一般式(2)の繰り返し単位を有す
る脂環式アリルエステル化合物または一般式(3)で表
される化合物と共重合可能なモノマーの導入によるレン
ズの特性改良は、型を変更する必要がないようにするた
めに、得られるレンズの屈折率を限定すること無しには
達成できない。好ましくは、本発明のプラスチックレン
ズの屈折率は、25℃で1.498〜1.505であ
り、さらに好ましくは、1.498〜1.503であ
る。
る。本発明(VI)は、本発明(III)又は本発明
(IV)のプラスチックレンズ用組成物を硬化してなる
本発明(V)のプラスチックレンズの製造方法である。
物の成形加工方法には、注型成形が適している。具体的
には、組成物中にラジカル重合開始剤を添加して、エラ
ストマーガスケットやスペーサーで固定化している型
へ、ラインを通して注入して、オーブン中で、熱により
硬化する方法などで成形する方法などが挙げられる。
は、金属やガラスである。一般に、プラスチックレンズ
の型は、注型成形の後洗浄されなければならず、そのよ
うな洗浄は通常、強アルカリ液または強酸を用いて行わ
れる。ガラスは、金属とは異なり、洗浄によって変質し
づらく、また、容易に研磨され、そして非常に表面の粗
さを少なくできるという理由から、好ましく用いられて
いる。
プラスチックレンズ用組成物は脂環式構造を有するの
で、プラスチックレンズで多く使用されているポリエチ
レングリコールビス(アリルカーボネート)を原料とす
るプラスチックレンズの屈折率1.498に容易に近づ
けることができる。従って、成形に用いるモールド等を
変更をせずに、従来から使用している物をそのまま使用
ができるという利点もある。
℃、好ましくは40℃〜100℃である。また、硬化温
度の操作については、硬化時の収縮やひずみを考慮する
と、昇温しながら徐々に硬化する方法が好ましく、一般
的には0.5時間〜100時間、好ましくは3時間〜5
0時間、さらに好ましくは10時間〜30時間かけて硬
化するのが良い。
に、特に制限はない。公知のプラスチックレンズの染色
法であれば、いずれの方法でも構わない。中でも、従来
から一般的な方法として知られる浸漬染色法が好まし
い。ここで言う「浸漬染色法」とは、分散染料を界面活
性剤と共に水中に分散させて染色液を調製し、加熱下に
おいて、この染色液にプラスチックレンズを浸漬して染
色する方法である。
色法に限定されるわけではなく、他の公知の方法、例え
ば有機顔料を昇華させプラスチックレンズを染色する方
法(特公昭35−1384号公報)、昇華性染料を昇華
させてプラスチックレンズを染色する方法(特公昭56
−159376号公報、特公平1−277814号公
報)を用いることもできる。操作が簡便な点から、浸漬
染色法がもっとも好ましい。
行うが、本発明はこれらに限定されるものではない。
C」と略す。)及び液体クロマトグラフィー(以下、
「LC」と略す。)の測定条件を以下に示す。
ル) インジェクション温度;220℃、 昇温条件;40℃で10分間保持し、その後5℃/分で
昇温し、220℃で10分間保持する。 使用カラム;DB−WAX(J&W社製)、内径0.2
5mm、長さ3m
0:40(v/v) 流速;1ml/min 検出器;RI検出器 測定方法;内部標準法(内部標準物質:酢酸エチル) 使用カラム;Shodex ODSpak F−511
を2本直列(昭和電工社製) オーブン温度;40℃
りに実施した。1.屈折率(nD )及びアッベ数(νD ) 9mm×16mm×4mmの試験片を作成し、アダコ社
製「アッベ屈折率計1T」を用いて、室温における屈折
率(nD)及びアッベ数(νD)を測定した。接触液はα
−ブロモナフタリンを使用した。2.粘度 東京計器株式会社製B型粘度計(B8U型)を用いて2
5℃で測定した。3.ハーゼン色数の測定方法 JIS K−0071−1に記載されている方法により
測定した。4.バーコール硬度 934−1型を用い、JIS K−6911に従い測定
した。
−FBL(住友化学工業(株)製)と0.5リットルの
水を加えて攪拌して溶かした。これを80℃に水浴中で
加熱して、この分散染料溶液中に硬化したプラスチック
レンズサンプルを重ならないようにホルダーに取り付け
て、さらに80℃で10分浸漬した後、取り出した。水
洗を十分行った後、30℃のオーブン中で熱風乾燥し
た。得られた染色済プラスチックレンズサンプルを目視
して、外観上均一に染色されずに染色むらが確認された
ものを不良とした。硬化サンプルは、全個数を30個と
して、不良個数を数えた。
「CHDM」と略す。)100g、アリルアルコール1
20g、水酸化カルシウム0.25g、酢酸カリウム
0.05gを温度計、精留塔のついた300mlの三ツ
口フラスコに仕込み、120℃に調節した油浴により加
熱し反応を行った。反応の進行とともに、生成してくる
メタノールを精留塔から留出させて10時間反応を行っ
た。反応終了後、GC分析によりCHDMに対し、9
8.8%の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリ
ルが生成していることを確認した。また、この後、系内
に残っているアリルアルコールを減圧下に留去し、ろ過
により触媒を除いた。ろ液はほぼ無色透明な液体であ
り、ハーゼン色数は5であった。
℃〜142℃/26.6Paの無色透明な1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸ジアリル121g(収率95
%)を得た。上記方法で得た1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸ジアリルを「サンプルA」とする。
gに変えた他は実施例1と同様の条件で反応を開始し
た。反応時間、GCでの収率を表1に示す。
25gに変えた他は実施例1と同様の条件で反応を開始
した。反応時間、GCでの収率を表1に示す。
gに変えた他は実施例1と同様の条件で反応を開始し
た。反応時間、GCでの収率を表1に示す。
変えた他は実施例1と同様の条件で反応を開始した。反
応時間、GCでの収率を表2に示す。
変えた他は実施例1と同様の条件で反応を開始した。反
応時間、GCでの収率を表2に示す。
gに変えた他は実施例1と同様の条件で反応を開始し
た。反応時間、GCでの収率を表2に示す。
えた他は実施例1と同様の条件で反応を開始した。反応
時間、GCでの収率を表2に示す。
えた他は実施例1と同様の条件で反応を開始した。反応
時間、GCでの収率を表2に示す。
えた他は実施例1と同様の条件で反応を開始した。反応
時間、GCでの収率を表2に示す。
えた他は実施例1と同様の条件で反応を開始した。反応
時間、GCでの収率を表2に示す。
変えた他は実施例1と同様の条件で反応を開始した。反
応時間、GCでの収率を表2に示す。
変えた他は実施例1と同様の条件で反応を開始した。反
応時間、GCでの収率を表2に示す。
化カルシウム0.25g、酢酸カリウム0.05gを温
度計、精留塔のついた300mlの三ツ口フラスコに仕
込み、120℃に調節した油浴により加熱し反応を行っ
た。反応の進行とともに、生成してくるメタノールを精
留塔から留出させて15時間反応を行った。反応終了
後、GC分析によりCHDMに対し、94.0%の1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメタリルが生成して
いることを確認した。
カルボン酸ジメチル100gを使用した他は実施例1と
同様の条件で反応を開始した。反応時間、GCでの収率
を表3に示す。
カルボン酸ジメチル100gを使用した他は実施例1と
同様の条件で反応を開始した。反応時間、GCでの収率
を表3に示す。
ントリカルボン酸トリメチル129gを使用し、かつア
リルアルコールの使用量を120gから180gに変更
した他は実施例1と同様の条件で反応を開始した。反応
時間、LCでの収率を表3に示す。
キサンテトラカルボン酸テトラメチル158gを使用
し、かつアリルアルコールの使用量を120gから24
0gに変更した他は実施例1と同様の条件で反応を開始
した。反応時間、LCでの収率を表3に示す。
カルボン酸ジエチル114gを使用した他は実施例1と
同様の条件で反応を開始した。反応時間、LCでの収率
を表3に示す。
カルボン酸ジイソプロピル128gを使用した他は実施
例1と同様の条件で反応を開始した。反応時間、LCで
の収率を表3に示す。
に代え水酸化カルシウム2.0gを使用した他は実施例
1と同様の条件で反応を開始した。反応時間、GCでの
収率を表4に示す。
に代え炭酸カリウム1.0gを使用した他は実施例1と
同様の条件で反応を開始した。反応時間、GCでの収率
を表4に示す。
に代えテトライソプロピルチタネート2.0gを使用し
た他は実施例1と同様の条件で反応を開始した。反応時
間、GCでの収率を表4に示す。
に代えナトリウムメトキシド2.0gを使用した他は実
施例1と同様の条件で反応を開始した。反応時間、GC
での収率を表4に示す。
に代え、ジブチル錫オキシド2.0gを使用し、圧力を
常圧から0.6MPa(ゲージ圧)に変更し、油浴温度
を120℃から170℃に変更した他は実施例1と同様
の条件で反応を開始した。反応時間、GCでの収率を表
4に示す。
に代え、アセチルアセトン亜鉛2.0gを使用した他は
実施例1と同様の条件で反応を開始した。反応時間、G
Cでの収率を表4に示す。
に代え、アセチルアセトンハフニウム2.0gを使用し
た他は実施例1と同様の条件で反応を開始した。反応時
間、GCでの収率を表4に示す。
に代え、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタ
ン2.0gを使用した他は実施例1と同様の条件で反応
を開始した。反応時間、GCでの収率を表4に示す。
ルコール120g、ベンゼン100g、硫酸1gを実施
例1と同じ反応装置に仕込み、120℃に調節した油浴
で加熱して反応を行った。23gの水が析出したところ
で反応を終了し、GC分析を行ったところ、ジアリルエ
ーテル5%(対1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジ
アリル)を含有することが確認された。液を1lの分液
ロートに移し、1%水酸化ナトリウム水溶液50gを投
入し、分液操作を行い、水相を除去した。同様の操作を
もう一度繰り返した後、油相中のベンゼン及びアリルア
ルコールをエバポレーターで減圧留去した。その後、エ
バポレーターで留去されなった成分を直接減圧蒸留し
て、沸点140℃〜142℃/26.6Paで微黄色透
明液体の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル
177.7g(収率94%)を得た。この液の硫黄分の
分析を塩素硫黄分析装置TSX−10型(三菱化学社
製)を行ったところ、30質量ppm含有することが確
認された。この方法によって得られた1,4−シクロヘ
キサンジカルボン酸ジアリルを「サンプルB」とする。
評価 製造直後のサンプルA及びサンプルB及び製造後25℃
で1年間保存したサンプルA及びサンプルBのハーゼン
色数を測定した。その結果を表5に示す。
の製造) 蒸留装置のついた1リットル三ツ口フラスコにサンプル
A120.0g、プロピレングリコール24.1g、ジ
ブチル錫オキサイド0.12gを仕込んで窒素気流下、
180℃に加熱して生成してくるアリルアルコールを留
去した。アリルアルコールが27.7g程度留出したと
ころで、反応系内を1.33kPaまで減圧にし、アリ
ルアルコールを留出速度を速めた。理論量のアリルアル
コールが留出した後、更に1時間加熱して、180℃−
0.13kPaで1時間保持した後、反応器を冷却し
て、アリルエステル化合物(以下「サンプルC」とす
る。)を107.5g得た。
(株)製、GC−14B、水素炎イオン化検出器 使用
カラムOV−17 0.5m 温度条件160℃一定)
で分析したところ、サンプルCは、1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸ジアリル13質量%を含んでいた。図
1にサンプルCの400MHz1H−NMRスペクトル
を記す。
製造) 蒸留装置のついた1リットル三ツ口フラスコにサンプル
B120.0g、プロピレングリコール24.1g、ジ
ブチル錫オキサイド0.12gを仕込んで窒素気流下、
180℃に加熱して生成してくるアリルアルコールを留
去した。アリルアルコールが27.7g程度留出したと
ころで、反応系内を1.33kPaまで減圧にし、アリ
ルアルコールを留出速度を速めた。理論量のアリルアル
コールが留出した後、更に1時間加熱して、180℃−
0.13kPaで1時間保持した後、反応器を冷却し
て、アリルエステル化合物(以下「サンプルD」とす
る。)を107.5g得た。
(株)製、GC−14B、水素炎イオン化検出器 使用
カラムOV−17 0.5m 温度条件160℃一定)
で分析したところ、サンプルDは、1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸ジアリル12質量%を含んでいた。図
2にサンプルDの400MHz1H−NMRスペクトル
を記す。
バーコール硬度の測定及び染色むらの評価) 表6に記したように、ジエチレングリコールビス(アリ
ルカーボネート)(PPG社製 商品名CR−39)9
5.0質量部、サンプルC5質量部、ジイソプロピルパ
ーオキシジカーボネート(IPP)を3質量部を配合し
て、混合攪拌して完全に均一にした溶液組成物とし、そ
のときの粘度を測定した。その後、減圧可能なデシケー
ターに、この溶液が入った容器を入れ、約15分ほど真
空ポンプで減圧することにより、溶液中の気体を脱気し
た。この溶液組成物を、眼鏡プラスチックレンズ用のガ
ラス製の型と樹脂性のガスケットによって組み立てられ
た型に気体が混入しないように慎重に注射器にて注入し
た後、オーブン中で、40℃で7時間、40℃〜60℃
まで10時間、60℃〜80℃まで3時間、80℃で1
時間、85℃で2時間のプログラム昇温加熱により硬化
させた。
数、バーコール硬度の測定結果、及び染色むらの評価結
果を表6に示す。
様な方法で、粘度測定を行い、その後硬化し、レンズの
屈折率、アッベ数、バーコール硬度の測定及び染色むら
の評価を行った。結果を表6に示す。
の(メタ)アリルエステル原料として、従来用いられた
ことの無かった脂環式構造を持つ多塩基酸のアルキルエ
ステルと(メタ)アリルアルコールを用いて、エステル
交換触媒の存在下に反応させて、対応する脂環式(メ
タ)アリルエステルモノマーを製造することにより、ジ
アリルエーテル等の副生成物を生じることのない安価な
工業的製造方法を提供することが可能になり、優れた長
期保存安定性を有する(表5参照)。また、この方法に
よって得られた脂環式(メタ)アリルエステルモノマー
と多価アルコールから製造される本発明の脂環式(メ
タ)アリルエステル化合物は、ポリアリルカーボネート
樹脂と併用することによって、染色性の良好なプラスチ
ックレンズになることは明らかである(表6参照)。
化合物の400MHz 1H−NMRスペクトルチャート
である。
化合物の400MHz1H−NMRスペクトルチャート
である。
合物の400MHz1H−NMRスペクトルチャートで
ある。
Claims (13)
- 【請求項1】 脂環式構造を持つ多塩基酸のアルキルエ
ステルとアリルアルコール及び/又はメタリルアルコー
ルとをエステル交換触媒の存在下に反応させることを特
徴とする脂環式(メタ)アリルエステルモノマーの製造
方法。 - 【請求項2】 エステル交換触媒が、有機酸及び/また
は無機酸のアルカリ金属塩とアルカリ土類金属の水酸化
物及び/または酸化物の組み合わせ、有機金属錯体、有
機金属化合物、3級アミン、炭酸のアルカリ金属塩及び
/又はアルカリ土類金属塩、並びに、アルカリ金属のア
ルキルアルコキシドからなる群から選ばれる少なくとも
1種以上の化合物であることを特徴とする請求項1記載
の脂環式(メタ)アリルエステルモノマーの製造方法。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2のいずれかに記載
の方法によって製造された脂環式(メタ)アリルエステ
ルモノマーと多価アルコールとを、触媒の存在下、エス
テル交換反応して製造することを特徴とする下記一般式
(1)の末端構造と下記一般式(2)の繰り返し単位を
有する脂環式(メタ)アリルエステル化合物の製造方
法。 一般式(1) 【化1】 一般式(2) 【化2】 (一般式(1)及び一般式(2)中、R1はそれぞれ独
立にアリルまたはメタリル基のいずれかを表し、Xはそ
れぞれ独立に脂環式構造を有する多価カルボン酸から誘
導される有機残基を表す。Yはそれぞれ独立に2個〜6
個の水酸基を有する炭素数2〜炭素数20の多価アルコ
−ルから誘導された有機残基を表す。ただし、Xはエス
テル結合によって、さらに上記一般式(1)を末端基と
し、上記一般式(2)を繰り返し単位とする分岐構造あ
るいはR1を有することができ、Yはエステル結合によ
って、さらに上記一般式(1)を末端基とし、上記一般
式(2)を繰り返し単位とする分岐構造を有することが
できる。) - 【請求項4】 請求項3記載の製造方法によって製造す
ることを特徴とする、一般式(1)の末端構造と一般式
(2)の繰り返し構造を有する脂環式(メタ)アリルエ
ステル化合物。 - 【請求項5】 請求項4に記載の脂環式(メタ)アリル
エステル化合物を含有することを特徴とするプラスチッ
クレンズ用組成物。 - 【請求項6】 組成物中に含まれる全硬化性成分に対し
て、 A)請求項4に記載の脂環式(メタ)アリルエステル化
合物・・・0.1質量%〜40質量%及び B)一般式(3)で表される化合物・・・60質量%〜
99.9質量% を含有することを特徴とする請求項5に記載のプラスチ
ックレンズ用組成物。 一般式(3) 【化3】 (式中、Zはn個の水酸基を有する炭素数2〜炭素数2
0の多価飽和アルコールから誘導された一種以上の有機
残基を表し、nは2〜6の整数であり、R2は、アリル
基またはメタリル基のいずれかを表す。ただし、それぞ
れのR2は、それぞれ独立である。また、sは0〜n−
1の整数のいずれかであり、tは1〜nの整数のいずれ
かであり、且つs+t=nである。) - 【請求項7】 組成物中に含まれる全硬化性成分に対し
て、 A)請求項4に記載の脂環式(メタ)アリルエステル化
合物・・・0.1質量%〜20質量% B)一般式(3)で表される化合物・・・60質量%〜
99.9質量%及び C)請求項4に記載の脂環式(メタ)アリルエステル化
合物及び/又は一般式(3)で表される化合物と共重合
可能なモノマー・・・0質量%〜20質量%を含有する
ことを特徴とする請求項5に記載のプラスチックレンズ
用組成物。 一般式(3) 【化4】 (式中、Zはn個の水酸基を有する炭素数2〜炭素数2
0の多価飽和アルコールから誘導された一種以上の有機
残基を表し、nは2〜6の整数であり、R2は、アリル
基またはメタリル基のいずれかを表す。ただし、それぞ
れのR2は、それぞれ独立である。また、sは0〜n−
1の整数のいずれかであり、tは1〜nの整数のいずれ
かであり、且つs+t=nである。) - 【請求項8】 一般式(3)で表される化合物が、ジエ
チレングリコールビス(アリルカーボネート)であるこ
とを特徴とする請求項6又は請求項7のいずれかに記載
のプラスチックレンズ用組成物。 - 【請求項9】 請求項5〜請求項8いずれかに記載のプ
ラスチックレンズ用組成物100質量部に対して、少な
くとも1種以上のラジカル重合開始剤0.1質量部〜1
0質量部を含有することを特徴とするプラスチックレン
ズ用組成物。 - 【請求項10】 少なくとも1種以上のラジカル重合開
始剤が、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートであ
ることを特徴とする請求項9記載のプラスチックレンズ
用組成物。 - 【請求項11】 請求項5〜請求項10のいずれかに記
載のプラスチックレンズ用組成物を硬化して得られるプ
ラスチックレンズ。 - 【請求項12】 25℃での屈折率が1.497〜1.
505であることを特徴とする請求項11記載のプラス
チックレンズ。 - 【請求項13】 請求項11又は請求項12のいずれか
に記載のプラスチックレンズにおいて、その製造方法が
重合温度30℃〜120℃、重合時間0.5時間〜10
0時間での注型重合であることを特徴とするプラスチッ
クレンズの製造方法。
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