JP2002068715A - 硫酸リサイクル装置 - Google Patents
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Abstract
可能な濃度まで濃縮できる硫酸リサイクル装置を提供す
ること。 【解決手段】硫酸および過酸化水素水を混合してなるウ
ェハ洗浄液C中の硫酸をリサイクルする硫酸リサイクル
装置1において、少なくとも導入口12および排出口1
3の2つの開口部を有し、導入口12から導入されたウ
ェハ洗浄処理後のウェハ洗浄廃液A中の硫酸を濃縮して
濃縮硫酸Bとした後、濃縮硫酸Bを排出口13から排出
する反応槽10と、濃縮硫酸Bをウェハ処理槽100へ
送る供給装置70とを設ける。
Description
置に関し、例えば、半導体製造工程のウェハプロセスに
使用される硫酸のリサイクル装置等に好適に利用でき
る。
スにおいて、ウェハに塗布したレジストの剥離や、ウェ
ハ表面に付着した有機物の除去を行うために、硫酸と過
酸化水素水とを混合したウェハ洗浄液を多量に使用して
いる。使用後のウェハ洗浄廃液は、過酸化水素水の分解
で生じた水により、その濃度が低下することから、再利
用することが困難であり、しかも、その廃棄コストや回
収コストが安価であることから、通常、そのまま廃棄処
理されている。
うに多量の物質を使用し、それを廃棄することを繰り返
してきた結果、今日の環境問題が生じていることを考慮
すると、廃棄コストが安価であるからといって、ウェハ
洗浄廃液を廃棄処理することは、環境保護対策上好まし
くない。また、硫酸自体が強酸性の劇薬であるため、そ
のまま廃棄することはできず、中和処理、凝集沈殿処理
等を行った後に廃棄する必要がある。このような事情か
ら、硫酸の廃棄処理には、多量の薬品を必要とするとい
う問題がある。したがって、硫酸の廃棄量を低減するこ
とが環境保護対策上重要な課題であり、ウェハ洗浄後の
濃度の低下した硫酸を濃縮して、再び同じ用途に利用可
能な硫酸とする技術の開発が望まれている。
下した硫酸を、再利用可能な濃度まで濃縮できる硫酸リ
サイクル装置を提供することにある。
クル装置は、硫酸および過酸化水素水を混合してなるウ
ェハ洗浄液中の硫酸をリサイクルする硫酸リサイクル装
置であって、少なくとも導入口および排出口の2つの開
口部を有し、前記導入口から導入されたウェハ洗浄処理
後のウェハ洗浄廃液中の硫酸を濃縮して濃縮硫酸とした
後、この濃縮硫酸を前記排出口から排出する反応槽と、
前記濃縮硫酸をウェハ洗浄処理槽へ送る供給装置と、を
備えることを特徴とする。
は、ウェハ洗浄廃液から、残留過酸化水素水および過酸
化水素水の分解により生ずる水等を除去して、硫酸を濃
縮するとともに、濃縮硫酸を再びウェハ処理槽に戻し
て、ウェハの洗浄に再利用する装置である。
浄廃液を濃縮処理時に一時的に溜めておくことができ、
かつ、濃縮条件下で硫酸、過酸化水素水に対する耐蝕性
を有するものであればよい。このような反応槽の材質に
は、例えば、石英ガラスを使用することができる。濃縮
硫酸をウェハ処理槽へ送る供給装置としては、例えば、
圧力差により流体を送る装置であるポンプを用いること
ができる。この場合、反応槽からウェハ処理槽へ濃縮硫
酸を直送することもできるが、濃縮時に加熱を行う場合
もあり、濃縮硫酸が高温の場合もあることを考慮する
と、反応槽とウェハ処理槽との間に冷却槽を設けておく
のが好ましい。なお、ポンプとしては、回転ポンプ、ダ
イアフラムポンプ、その他種々のポンプを用いることが
できる。
を濃縮する反応槽と、得られた濃縮硫酸をウェハ処理槽
へ送る供給装置とを備えている。したがって、ウェハ洗
浄廃液中の水や過酸化水素水を濃縮除去することができ
るとともに、得られた濃縮硫酸を、ウェハ処理槽へ送
り、再びウェハの洗浄に利用することができる。しか
も、ウェハの洗浄から、ウェハ洗浄廃液中の硫酸の濃
縮、そして濃縮硫酸の再利用までを連続的に行うことが
でき、非常に効率的である。これらにより、ウェハ洗浄
処理コストも低減することができる。
ハ洗浄廃液を加熱する加熱装置が設けられるとともに、
加熱により前記ウェハ洗浄廃液から発生する気体を排気
する排気口が形成され、この排気口には、前記気体を吸
引する吸引装置が設けられていることが好ましい。すな
わち、加熱濃縮時にウェハ洗浄廃液中から水や過酸化水
素水の蒸気が発生するが、これらの気体を自然拡散によ
り外部に放出させるのではなく、積極的に反応槽に形成
された排気口から吸引除去することで、硫酸の濃縮が迅
速に行えるようになる。
ェハ洗浄廃液を加熱できる装置であれば、その加熱方法
等には特に限定はない。すなわち、反応槽を外部から加
熱する装置でもよく、反応槽内部から加熱する装置でも
よい。特に、直接ウェハ洗浄廃液を加熱できるタイプの
加熱装置を用いることで、効率的に加熱が行え、硫酸の
濃縮も迅速に行うことができる。このような加熱装置と
しては、例えば、タンタルやタングステン製のヒータの
周囲を石英ガラス管で覆ったものを採用できる。また、
吸引装置としては、例えば、減圧を利用して気体を吸引
する装置であるアスピレータ等を用いることができる。
このようなアスピレータを用いることで反応槽内を減圧
下にさらし、水、過酸化水素水の沸点を低下させること
もでき、これらの除去を一層促進できる。
廃液の進行方向を変える複数の仕切板と、これらの仕切
板よりも反応槽の排出口側に設置され、前記濃縮硫酸を
表面に沿って流す傾斜板とが設けられていることが好ま
しい。仕切板を複数設ける際には、例えば、ウェハ洗浄
液を上下に対流させながら、反応槽に設けられた排出口
側に流せるような配置とすることが好ましい。すなわ
ち、仕切板を3枚使用する場合には、反応槽の導入口側
に位置する第1仕切板を反応槽の底面から離して設置
し、この第1仕切板の隣に位置する第2仕切板を反応槽
の底面に接触するように設置するとともに、その上面位
置を第1仕切板のそれよりも低くし、排出口側に位置す
る第3仕切板を第1仕切板同様に底面から離して設置す
る。
入されたウェハ洗浄廃液は、第1仕切板の下面と反応槽
の底面との隙間から第2仕切板側に移行し、移行したウ
ェハ洗浄廃液が、第2仕切板の上面高さ以上に満たされ
ると第3仕切板側に以降して第3仕切板と傾斜板との間
に溜まることとなる。さらに、この第3仕切板と傾斜板
との間の濃縮硫酸が、傾斜板の上面高さ以上に溜まる
と、傾斜板の表面に沿って流れて排出口へ移行すること
となる。したがって、ウェハ洗浄廃液をじっくりと加熱
等することができ、十分な濃縮を行うことができる。
硫酸が流れ落ちるようにしているから、排出口へ送られ
る際の濃縮硫酸の表面積が大きくなり、わずかに残留し
ている水等の除去が一層進むこととなり、濃縮硫酸の質
を向上させることができる。なお、濃縮硫酸の濃度をよ
り一層高め、その質を向上させるためには、傾斜板の表
面に凹凸が形成されていることが好ましい。このよう
に、表面に凹凸を形成することで、傾斜板の表面積が一
層大きくなり、水等の除去が効率的に行えることとな
る。なお、仕切板および傾斜板の材質としては、高温の
濃硫酸に対しても耐蝕性のある材質のものを使用するこ
とができ、例えば、反応槽同様に、石英ガラスを用いる
ことができる。
面に付着した水滴が、前記濃縮硫酸に混入することを防
止する水滴収納槽を有することが好ましい。水滴収納槽
は、最終的な濃縮硫酸へ水が混入するのを防止するため
に、排出口の上方へ設けることが好ましく、前述の排気
口が形成されている場合には、その下部を覆うように設
けるのが理想的である。このような水滴収納槽を設ける
ことで、ウェハ洗浄廃液から一旦除去された水が、再び
濃縮硫酸へ混入して濃度の低下を招くことを防止するこ
とができる。
により得られた濃縮硫酸には、硫酸が減った場合には、
新しい硫酸を供給することが好ましい。ここで、新しい
硫酸を供給する手段としては、前述した供給装置と同様
のポンプにより、硫酸リサイクル装置内に別途設けられ
た硫酸タンクから新しい硫酸くみ上げて供給する手段を
採用することができる。このように新しい硫酸を供給で
きる装置とすることで、ウェハ洗浄廃液から得られた濃
縮硫酸の濃度が所望の値よりも低い場合に、その濃度を
高めることができるようになる。なお、このような装置
を使用した場合でも、ウェハ洗浄廃液を全て廃棄処理す
るのに比べれば、新しい硫酸の使用量は、格段に少なく
することができる。
℃以上315℃以下とする構成が好ましく、180℃以
上250℃以下がより好ましい。加熱温度が315℃を
越えると、反応槽として使用される部品の材質が高い耐
火性の部材に制限されるとともに、蒸気の発生量が増加
するため、装置が大型化、複雑化するといった不具合が
ある。加熱温度が150℃未満であると、硫酸濃縮効率
(脱水効率)が悪く、所期の効果を達成することができ
ない。
に基づいて説明する。 [第1実施形態]本発明の第1実施形態を図1から図3
に基づいて説明する。図1および図2には、第1実施形
態に係る硫酸リサイクル装置1の概略構成が示されてい
る。硫酸リサイクル装置1は、反応槽10と、この反応
槽10に取り付けられた加熱装置としての第1〜第3ヒ
ータ20A、20B、20Cと、吸引装置としてのアス
ピレータ30と、原料槽40と、濃度調節槽50と、冷
却槽60と、供給装置としてのポンプ70を主要構成要
素として備えている。
図1中左上面にウェハ洗浄廃液Aを導入する導入口12
と、図1中右下面に濃縮硫酸Bを排出する排出口13
と、図1中右上面に加熱によ発生する水蒸気等の気体を
排気する排気口14との3つの開口部を備えている。な
お、反応槽10は、その底面10Aおよび側面10Bの
外側を保温材18で覆われている。導入口12には、第
1バルブ91を有するフッ素樹脂製の廃液注入管71が
取り付けられ、この廃液注入管71を介してウェハ洗浄
廃液Aを貯留しておく原料槽40と連結されている。排
出口13には、濃縮硫酸Bを濃度調節槽50へ送るフッ
素樹脂製の濃縮硫酸排出管72が取り付けられている
(図2参照)。
れている。この排気管73を介して反応槽10がアスピ
レータ30と連結されている。排気管73の略中央部に
は、水冷式の冷却装置31が取り付けられている。この
冷却装置31には、冷却水管31Aが取り付けられてお
り、硫酸リサイクル装置1の外部から冷却水管31Aに
導入された水は、冷却装置31内を流れた後、再び硫酸
リサイクル装置1の外部へ排出されていく。ここで、ア
スピレータ30には、吸気管30Aおよび脱気管30B
が取り付けられており、吸気管30Aを通じて硫酸リサ
イクル装置1の外部からアスピレータ30内に乾燥空気
を取り入れつつ、脱気管30Bにより取り入れた乾燥空
気および反応槽10内の脱気を行う。このアスピレータ
30により、濃縮処理中の反応槽10内は、所定の減圧
状態に維持されることとなる。
アスピレータ30側で分岐された側管73Aを有し、こ
の側管73Aは、水等を溜めるトラップ槽32まで延び
ている。このトラップ槽32の底面には、第2バルブ9
2を有するドレン管74が取り付けられ、トラップ槽3
2に溜まった水等は、これを通じて外部へ排出されるこ
ととなる。なお、トラップ槽32には、2個の液面レベ
ルセンサ85Aが取り付けられており、これらにより、
内部の液量が一定範囲に保たれるように第2バルブ92
の開き度合いが調節されている。
うに、導入口12側から排出口13側へ向かって、石英
ガラス製の第1〜第3仕切板11A、11B、11C
が、この順に設置され、ウェハ洗浄廃液Aの進行方向を
変化させるようにしている。ここで、第1仕切板11A
は、反応槽10の底面10Aから所定間隔離して設置さ
れている。また、第2仕切板11Bは、反応槽10の底
面10Aとの間に隙間が生じないように設置されてい
る。なお、第2仕切板11Bの上端位置は、第1仕切板
11Aの上端位置よりも低く設定され、第1仕切板11
Aと第2仕切板11Bとの間に移行したウェハ洗浄廃液
Aが逆流しないようにされている。さらに、第3仕切板
11Cは、第1仕切板11A同様に、底面10Aから所
定間隔離して設置されている。
は、石英ガラス製の傾斜板16が設置されている。傾斜
板16は、図3に示されるように、上端部がノコギリ刃
状に形成された垂直壁16Aと、この垂直壁16Aと一
体形成され、垂直壁16Aから排出口13側へ裾が広が
るように延びた傾斜壁16Bとを備えている。これらの
垂直壁16Aおよび傾斜壁16Bの表面には、その表面
積を向上させる目的で、多数の凹凸16Cが形成されて
いる。本実施形態では、凹凸16Cは、突起状に形成さ
れているが、この形状は任意であり、突起状に限らず、
横方向に複数本の溝が形成された波板状、上下方向に複
数本の溝が形成された形状でもよい。図2に戻って、反
応槽10の内側面には、排気口14の下部を覆うように
して、反応槽10の右側上部壁面から張り出すように、
石英ガラス製の水滴収納槽17が設けられている。
するようにして、第1〜第3ヒータ20A、20B、2
0Cが、その下端をウェハ洗浄廃液A内に浸るようにし
て取り付けられている。これら各ヒータ20は、タング
ステン製のヒータの周囲を石英ガラス管で覆ったもので
ある。ここで、第1ヒータ20Aは、前述の第1仕切板
11Aと第2仕切板11Bとの間に設けられ、第2ヒー
タ20Bは、第2仕切板11Bと第3仕切板11Cとの
間に設けられ、第3ヒータ20Cは、第3仕切板11C
と傾斜板16との間に設けられている。これらにより、
各仕切板11および傾斜板16で仕切られた各空間内の
ウェハ洗浄廃液Aを、約180〜195℃まで加熱す
る。
0Aとの間、第2仕切板11Bと第2ヒータ20Bとの
間、第3仕切板11Cと第3ヒータ20Cとの間には、
それぞれ2本の温度センサ80が取り付けられ、濃縮処
理中のウェハ洗浄廃液Aの温度を検知している。さら
に、第1ヒータ20Aと第2仕切板11Bとの間、第3
ヒータ20Cと傾斜板16との間には、それぞれ液面レ
ベルセンサ85Bが取り付けられ、これらにより、反応
槽10内のウェハ洗浄廃液Aがほぼ一定量に保たれるよ
うに、第1バルブ91の開き度合いを調節している。
でできており、その下端中央付近には、前述の廃液注入
管71が取り付けられ、これにより反応槽10と連結さ
れている。また、原料槽40の内部には、硫酸リサイク
ル装置1の外部に設置されているウェハ処理槽100か
ら延びるフッ素樹脂製の原料輸送管75が導入されてい
る。この原料輸送管75には、第3バルブ93が設けら
れている。さらに、原料槽40には、3個の液面レベル
センサ85Cが取り付けられており、これらにより、原
料槽40内部のウェハ洗浄廃液Aの量が一定範囲に保た
れるように、第3バルブ93の開き度合いを調節してい
る。
り、反応槽10の排出口13から延びたフッ素樹脂製の
濃縮硫酸排出管72がその内部に導入されているととも
に、下端からは、冷却槽60まで延びるフッ素樹脂製の
濃縮硫酸注入管76が取り付けられている。この濃縮硫
酸注入管76の略中央付近には、第4バルブ94が設け
られている。さらに、濃縮硫酸Bの濃度調節用の新しい
硫酸を注入するフッ素樹脂製の硫酸注入管77の一端
が、濃度調節槽50の内部に導入されている。この硫酸
注入管77の他の一端は、硫酸リサイクル装置1の内部
に設置された硫酸タンク101内に導入されている。硫
酸注入管77の略中央部には、硫酸輸送ポンプ77Aお
よび第5バルブ95が設けられている。これらにより、
反応槽10で得られた濃縮硫酸の濃度が所定の濃度未満
の場合に、硫酸タンク101から、硫酸輸送ポンプ77
Aで硫酸をくみ上げ、硫酸注入管77を通じて濃度調節
槽50に注入し、濃縮硫酸Bの濃度を所定値まで上昇さ
せる。なお、濃度調節槽50にも、2個の液面レベルセ
ンサ85Dが取り付けられ、これらにより、濃度調節槽
50内の濃縮硫酸Bの量が所定範囲に保たれるように、
第1バルブ91および第5バルブ95の開き度合いを調
節している。
前述の濃縮硫酸注入管76がその内部に導入されるとと
もに、下端中央部からは、ウェハ処理槽100まで延び
るフッ素樹脂製の硫酸輸送管78が取り付けられてい
る。また、この硫酸輸送管78には、供給装置であるポ
ンプ70が取り付けられるともに、さらにポンプ70と
ウェハ処理槽との間に第6バルブ96が取り付けられて
いる。また、冷却槽60には、3個の液面レベルセンサ
85Eが取り付けられており、これらにより、内部の濃
縮硫酸Bの量がほぼ一定範囲に保たれるように、第4バ
ルブ94の開き度合いが調節されている。この冷却槽6
0内に貯留された濃縮硫酸Bは、ポンプ70に悪影響を
与えない程度の温度まで空冷された後、ポンプ70によ
り硫酸輸送管78を通じてウェハ処理槽100まで送ら
れることとなる。
槽60には、排気ライン79が取り付けられており、各
槽40、50、60内に発生した水蒸気等のガスを硫酸
リサイクル装置1の外部に排出できるようにされてい
る。
置1を用いた硫酸のリサイクルは、次のように行う。ま
ず、硫酸リサイクル装置1に、ウェハ処理槽100を接
続する。この際の接続は、前述の原料輸送管75により
行い、原料輸送管75の一端をウェハ処理槽100に連
結するとともに、他の一端を原料槽40の内部に導入す
ることで行う。なお、原料輸送管75のウェハ処理槽1
00側には、適宜フィルタ75Aを設けておく。ウェハ
処理槽100で硫酸と過酸化水素水とを、重量比で約8
5:15の割合で混合したウェハ洗浄液Cを調整し、こ
のウェハ洗浄液Cを約145℃に加熱して、ウェハの洗
浄を行う。
液Aを、原料輸送ポンプ75Bで原料槽40へ所定速度
で送る。この際、原料槽40に設けられた3個の液面レ
ベルセンサ85Cが、原料槽40内の液面レベルを検知
し、ウェハ洗浄廃液Aの量を所定範囲に保つように第3
バルブ93の開き具合を調節する。原料槽40内に一旦
貯留されたウェハ洗浄廃液Aは、ここから、反応槽10
へ所定速度で注入されることとなる。ここでも、反応槽
10内のウェハ洗浄廃液Aがほぼ一定量に保たれるよう
に、液面レベルセンサ85Bにより液面レベルを検知し
つつ、検知された液面レベルに応じて第1バルブ91の
開き具合が調節されることとなる。
Aは、先ず第1仕切板11Aの下端と反応槽10の底面
10Aとの隙間から、第1仕切板11Aと第2仕切板1
1Bとの間に移行する。ここで、180〜195℃に加
熱された第1ヒータ20Aによって、ウェハ洗浄廃液A
は徐々に加熱され、その内部に含有される水等が除去さ
れ始める。続いて、加熱されたウェハ洗浄廃液Aは、反
応槽10の底面10Aから上方に対流して第2仕切板1
1Bの上端部から第2仕切板11Bと第3仕切板11C
との間に移行する。ここで、同じく180〜195℃に
加熱された第2ヒータ20Bにより、ウェハ洗浄廃液A
は、さらに加熱されて硫酸の濃縮が進行する。
行したウェハ洗浄廃液Aは、第2仕切板11Bの上端側
から底面10A側へ対流して、第3仕切板11Cの下端
と反応槽10の底面10Aとの間の隙間から、第3仕切
板11Cと傾斜板16との間に移行する。ここで、同じ
く180〜195℃に加熱された第3ヒータ20Cによ
り、ウェハ洗浄廃液Aは、さらに加熱が続けられて硫酸
の濃縮が進行する。ここで濃縮が進行したウェハ洗浄廃
液Aは、底面10A側から再び上方へ対流し、ノコギリ
刃状に形成された傾斜板16の上端部から、傾斜板16
の表面に形成された凹凸16C上を流れ、ここで最終的
に95%程度の濃度まで濃縮された濃縮硫酸Bとなる。
このようにして得られた濃縮硫酸Bは、反応槽10の排
出口13から濃縮硫酸排出管72を通じて、濃度調節槽
50に送られる。
14に連結されたアスピレータ30により、反応槽10
内は所定の減圧状態に保たれる。また、アスピレータ3
0で加熱により生じた水蒸気等を排気管73内へ吸引
し、これを再び冷却装置31により冷却液化した後、側
管73Aを通じてトラップ槽32へ貯留する。トラップ
槽32に所定量以上に溜まった水等は、ドレン管74を
通じて硫酸リサイクル装置1の外部へ排出される。な
お、トラップ槽32まで吸引されずに排気口14付近で
液化した水等は、反応槽10の内壁面を伝って下降し、
水滴収納槽17に収納されることとなる。また、濃縮処
理中は、反応槽10に取り付けられた温度センサ80に
より、ウェハ洗浄廃液Aの温度を検知し続ける。なお、
図示はしていないが、反応槽10内のウェハ洗浄廃液A
には、窒素ガスを所定量バブリングさせ、積極的に水蒸
気を追い出すようにしている。
新しい硫酸を供給することにより濃度調節が行われる。
すなわち、硫酸タンク101から新しい硫酸をくみ上
げ、これを硫酸注入管77を通じて濃度調節槽50内に
注入して濃縮硫酸Bと混合し、濃度を調節する。この
際、液面レベルセンサ85Dにより全液量が所定量に保
たれるように、第5バルブ95の開き具合が調節され
る。この濃度調節槽50では、濃縮硫酸Bの濃度を約9
5%程度に調節する。
濃縮硫酸Bは、続いて、濃縮硫酸注入管76を通じて冷
却槽60に送られ、ここで、約80℃程度の温度まで冷
却される。この際、冷却槽60内に設けられた液面レベ
ルセンサ85Eにより、内部の濃縮硫酸Bの量が所定範
囲に保たれるように、第4バルブ94の開き具合が調節
される。ここで冷却された濃縮硫酸Bは、ポンプ70に
よって硫酸輸送管78を通じてウェハ処理槽100に送
られ、過酸化水素水と混合されてウェハ洗浄液Cとして
再生される。
ような効果がある。 (1)ウェハ洗浄廃液A中の硫酸を濃縮する反応槽10
と、得られた濃縮硫酸Bをウェハ処理槽100へ送るポ
ンプ70とを備えている。したがって、ウェハ洗浄廃液
Aに含有される水や過酸化水素水を除去することができ
るとともに、得られた濃縮硫酸Bを、ウェハ処理槽10
0へ送り、再びウェハの洗浄に利用することができる。
しかも、ウェハの洗浄から、ウェハ洗浄廃液A中の硫酸
の濃縮、そして濃縮硫酸Bの再利用までを連続的に行う
ことができ、非常に効率的である。これらにより、ウェ
ハ洗浄処理コストも低減することができる。 (2)ウェハ洗浄廃液Aを加熱する第1〜第3ヒータ20
A、20B、20Cを備えているから、加熱によりウェ
ハ洗浄廃液Aに含有される水等を気化させて除去するこ
とができ、濃縮操作をより迅速に行うことができる。 (3)導入口12から導入されたウェハ洗浄廃液Aを、各
仕切板11および傾斜板16の間を上下に対流させなが
ら濃縮処理を行っている。したがって、ウェハ洗浄廃液
Aをじっくりと加熱することができ、硫酸を十分に濃縮
することができるため、高濃度の濃縮硫酸Bを得ること
ができる。
硫酸Bが流れ落ちるようにしているから、排出口13へ
送られる際の濃縮硫酸Bの表面積が大きくなり、わずか
に残留している水等の除去が一層進むこととなり、濃縮
硫酸Bの質を向上させることができる。 (5)傾斜板16の表面に凹凸16Cが形成されているか
ら、表面積が一層大きくなり、水等の除去をさらに効率
的に行うことができる。 (6)水滴収納槽17が設けられているから、ウェハ洗浄
廃液Aから一旦除去された水等が、再び濃縮硫酸Bへ混
入して濃度の低下、質の悪化を招くことを防止すること
ができる。
および硫酸輸送ポンプ77Aを設けて、新しい硫酸を供
給して濃度調節を行える装置としている。したがって、
反応槽10で得られた濃縮硫酸Bの濃度が所望の値より
も低い場合に、その濃度を硫酸リサイクル装置1内で容
易に調節することができ、効率的である。また、このよ
うな装置を使用した場合でも、ウェハ洗浄廃液Aを全て
廃棄処理するのに比べれば、新しい硫酸の使用量は、格
段に少なくすることができる。 (8)冷却槽60を設けているから、濃縮処理後の高温の
濃縮硫酸Bを所定温度まで冷却した後、ウェハ処理槽1
00へ輸送することができ、ポンプ70等に悪影響を及
ぼすこともない。 (9)複数の液面レベルセンサ85B、85C、85D、
85Eにより、反応槽10、原料槽40、濃度調節槽5
0、冷却槽60の液量を管理しているから、濃縮処理を
所定速度で十分に行うことができるとともに、各層1
0、40、50、60内で、ウェハ洗浄廃液A、濃縮硫
酸Bがオーバーフローすることを防止できる。
A、20B、20Cの3個の加熱装置を設けて、各仕切
板11によって仕切られた各空間を個別に加熱している
から、効率よくウェハ洗浄廃液Aを加熱することができ
る。これにより、濃縮処理を速やかに行うことができ
る。 (11)反応槽10内に複数の温度センサ80を設けている
から、ウェハ洗浄廃液Aの異常過熱によって硫酸が分解
したり、反応槽10が腐蝕されるという問題を回避する
ことができる。 (12)反応槽10の底面10A、側面10Bを保温材18
で覆っているから、その断熱効果により、反応槽10内
の温度を容易に所定範囲に維持できる。また、保温材1
8により、周囲の部材へ熱が伝わることを防止できる。
図4から図6に基づいて説明する。第2実施形態におい
て、第1実施形態と同一構成要素は同一符号を付して説
明を省略もしくは簡略にする。図4には、第2実施形態
に係る硫酸リサイクル装置201の概略構成が示されて
いる。硫酸リサイクル装置201は、内部容量が5リッ
トルの反応槽10と、この反応槽10に取り付けられた
加熱装置としての第1〜第3ヒータ20A、20B、2
0Cと、吸引装置としてのアスピレータ230と、内部
容量が2リットルの原料槽40と、内部容量が5リット
ルの冷却槽260と、ポンプ70とを主要構成要素とし
て備えている。
91を有するフッ素樹脂製の廃液注入管71が取り付け
られ、この廃液注入管71を介してウェハ洗浄廃液Aが
原料槽40から反応槽10に導入される。この第1バル
ブ91が開放された状態では、ウェハ洗浄廃液Aが反応
槽10に自動的に流下する。反応槽10の排出口13に
は、濃縮硫酸Bを濃度調節槽250へ送る濃縮硫酸排出
管72が取り付けられている。反応槽10は排気管73
を介してアスピレータ230と連結されている。排気管
73の略中央部には、水冷式の冷却装置31が取り付け
られている。この冷却装置31には、冷却水管231A
が取り付けられており、硫酸リサイクル装置1の外部か
ら冷却水管231Aに導入された水は、冷却装置31内
を流れた後、再び硫酸リサイクル装置1の外部へ排出さ
れていく。
および排水管230Bが取り付けられており、吸水管2
30Aに設けられた吸水ポンプ230Cを作動させるこ
とで、貯水タンク230D内の水がアスピレータ230
を通る。このアスピレータ230により、濃縮処理中の
反応槽10内は、吸引されて所定の減圧状態に維持され
ることとなる。反応槽10から吸引された空気は、少量
の硫酸が混合されているが、この硫酸はアスピレータ2
30および排水管230Bを通る水に混合されて貯水タ
ンク230D内に蓄えられる。貯水タンク230Dには
冷却水管231Aが接続されている。
様に、導入口12側から排出口13側へ向かって、石英
ガラス製の第1〜第3仕切板11A、11B、11C
が、この順に設置され、ウェハ洗浄廃液Aの進行方向を
変化させるようにしている。第3仕切板11Cと、排出
口13との間には、第1実施形態と同様構造の傾斜板1
6が設置されている。反応槽10の内側面には、反応槽
10の壁面から張り出すように、石英ガラス製の水滴収
納槽217が設けられている。この水滴収納槽217
は、反応槽10の内壁周方向に沿って水平面内で連続形
成されている。
にして、第1〜第3ヒータ20A、20B、20Cが、
その下端をウェハ洗浄廃液A内に浸るようにして取り付
けられている。これら各ヒータ20は、第1実施形態と
同じ構造であるが、これらにより、各仕切板11および
傾斜板16で仕切られた各空間内のウェハ洗浄廃液A
を、150℃以上315℃以下、好ましくは、180℃
以上250℃以下の範囲で加熱する。反応槽10の上部
には、第1実施形態と同様に、複数の温度センサ80お
よび液面レベルセンサ85Bが取り付けられ、さらに、
排気圧力ゲージ280が取り付けられている。
あるが、供給管241を通じて純水(DIW)が導入さ
れる。この純水はウェハ洗浄廃液Aや濃縮硫酸Bが流通
するライン全体の洗浄のために使用される。冷却槽26
0は、その内部に濃縮硫酸排出管72が導入されている
とともに、下端には硫酸輸送管78が取り付けられてい
る。この硫酸輸送管78には、ポンプ70が取り付けら
れるともに、さらにポンプ70とウェハ処理槽100と
の間に第6バルブ96が取り付けられている。ポンプ7
0の作動によって、濃度調節槽250の濃縮硫酸は硫酸
輸送管78を通ってウェハ処理槽100に供給される。
85Eが取り付けられ、これらにより、内部の濃縮硫酸
Bの量がほぼ一定範囲に保たれるように、第4バルブ9
4の開き度合いが調節されている。冷却槽260の概略
構成が図5に示されている。図5において、冷却槽26
0は、それぞれ石英ガラスから形成された内側密閉容器
261と、外側密閉容器262とを備えて構成されてい
る。これらの容器261,262の間には所定の空間S
が形成されており、この空間Sには冷却水管231Aを
介して冷却水が流通されることで、内側容器261の内
部に収納された高温の濃縮硫酸が冷却される。
新しい硫酸を注入するフッ素樹脂製の硫酸注入管77の
一端が、反応槽14の内部に導入されている。この硫酸
注入管77の他の一端は、硫酸リサイクル装置201の
内部に設置された硫酸タンク101内に導入されてい
る。硫酸注入管77の略中央部には、硫酸輸送ポンプ7
7Aおよび第5バルブ95が設けられている。これらに
より、反応槽10で得られた濃縮硫酸の濃度が所定の濃
度未満の場合に、硫酸タンク101から、硫酸輸送ポン
プ77Aで硫酸をくみ上げ、硫酸注入管77を通じて濃
度調節槽50に注入し、濃縮硫酸Bの濃度を所定値まで
上昇させる。第2実施形態では、濃縮硫酸Bの濃度は、
主に、反応槽10の内部の加熱温度、反応槽10に供給
されるウェハ洗浄廃液Aの単位時間あたりの量から設定
される。
02の一端部がそれぞれ接続され、硫酸輸送管78から
廃液供給管203が分岐され、これらの廃液供給管20
2,203の他端部は廃液タンク204に導入されてい
る。廃液供給管202,203には、それぞれバルブ2
05が設けられており、これらのバルブ205を操作す
ることで、反応槽10および冷却槽260の内部にある
濃縮硫酸が廃液として廃液タンク204に供給される。
また、廃液タンク204には液面センサ206が設けら
れている。
けられており、その内部に発生した水蒸気等のガスを硫
酸リサイクル装置201の外部に排出できるようにされ
ている。硫酸リサイクル装置201を構成するポンプは
バルブ207を介してポンプ駆動用エアーが供給され、
バルブ、その他の駆動装置はバルブ208を介して駆動
エアーが供給される。
01はケーシング210に収納されている。このケーシ
ング210の外観構成が図6に示されている。図6
(A)はケーシング210の正面図であり、図6(B)
はケーシング210の側面図である。図6において、ケ
ーシング210は、略箱状に形成されるとともに反応槽
10、冷却槽260およびその他の構成部材が収納され
た本体210Aと、この本体210Aの下面に設けられ
たキャスタ210Bと、このキャスタ210Bに近接配
置されたストッパ210Cとを備えて構成されている。
ケーシング210内に収納された硫酸リサイクル装置2
01は、キャスタ210Bによって任意の場所に容易に
搬送できることになり、ストッパ210Cにより、任意
の場所に固定される。
には、ケーシング210の内部が見えるようにするため
にガラス等の透光性部材からなる窓211が2箇所設け
られている。本体210Aの右上部には硫酸リサイクル
装置201を作動させるための装置、例えば、バルブ
類、ポンプ類を操作するための操作パネル212が設け
られている。この操作パネル212には硫酸リサイクル
装置201の模式図、操作ボタン・スイッチ、他に、作
業手順も表示される。
実施形態とほぼ同じであるが、相違点を中心に簡単に説
明する。まず、洗浄後の硫酸濃度が低下した所定温度、
例えば、150℃のウェハ洗浄廃液Aを、原料輸送ポン
プ75Bで原料槽40へ所定速度で送る。原料槽40内
に一旦貯留されたウェハ洗浄廃液Aは、ここから、反応
槽10へ所定速度、例えば、10分あたり2リットルで
注入されることとなる。ここで、反応槽10内のウェハ
洗浄廃液Aがほぼ一定量に保たれるようにする。
Aは、先ず第1仕切板11Aの下端と反応槽10の底面
10Aとの隙間から、各仕切板11A〜11Cの間を移
行するが、150℃以上315℃以下の範囲で加熱され
たヒータ20A,20B,20Cによって徐々に加熱さ
れ、その内部に含有される水等が除去されて硫酸の濃縮
が進行する。このようにして得られた濃縮硫酸Bは、反
応槽10の排出口13から濃縮硫酸排出管72を通じ
て、冷却槽260に送られ、ここで、約150℃程度の
温度まで冷却される。この際、冷却槽60内に設けられ
た液面レベルセンサ85Eにより、内部の濃縮硫酸Bの
量が所定範囲に保たれるように、第4バルブ94の開き
具合が調節される。ここで冷却された濃縮硫酸Bは、ポ
ンプ70によって硫酸輸送管78を通じてウェハ処理槽
100に送られ、過酸化水素水と混合されてウェハ洗浄
液Cとして再生される。
実施形態の(1)〜(6)(10)〜(12)と同様の作用効果を奏す
ることができる他に、次の作用効果を奏することができ
る。 (13)水滴収納槽17が反応槽10の内壁周面に沿って設
けられているから、ウェハ洗浄廃液Aから一旦除去され
た水等が、再び濃縮硫酸Bへ混入して濃度の低下、質の
悪化を招くことをより効果的に防止することができる。 (14)硫酸タンク101および硫酸輸送ポンプ77Aを設
け、新しい硫酸を必要に応じて供給して濃度調節を行っ
た場合には、反応槽10で得られた濃縮硫酸Bの濃度が
所望の値よりも低い場合に、その濃度を簡単に高くする
ことができる。
処理後の高温の濃縮硫酸Bを所定温度まで冷却した後、
ウェハ処理槽100へ輸送することができ、ポンプ70
等に悪影響を及ぼすこともない。 (16)冷却槽260を、内側密閉容器261と、外側密閉
容器262とを備えて構成し、これらの容器261,2
62の間の空間Sに冷却水を流通させる構成としたか
ら、流水により冷却効果が高くなるとともに、多量の冷
却水で容器を浸す必要がないので、冷却槽260を小型
化することができる。
下としたから、反応槽として使用される部品の材質が高
い耐火性の部材に制限されないので、装置が大型化、複
雑化することを回避することができ、しかも、加熱温度
を150℃以上としたので、硫酸濃縮効率(脱水効率)
が高く、所期の効果を達成することができる。 (18)複数の液面レベルセンサ85C、85D、85Eに
より、反応槽10、原料槽40、冷却槽260の液量を
管理しているから、濃縮処理を所定速度で十分に行うこ
とができるとともに、各層10、40、260内で、ウ
ェハ洗浄廃液A、濃縮硫酸Bがオーバーフローすること
を防止できる。 (19)アスピレータ230は、吸水管230Aおよび排水
管230B内を流通する水によって反応槽10内の空気
を吸引する構成であるため、吸引された空気に少量の硫
酸が混合されていても、この硫酸は貯水タンク230D
内の水に蓄えられることになる。そのため、硫酸が大気
中に硫酸が放出されないので、環境上好ましい。 (20)キャスタ付きのケーシング210に硫酸リサイクル
装置201を収納したので、装置全体の搬送が容易とな
る。
実施例について説明する。この実施例は、容量5.5リ
ットルの反応槽10の内部を所定の加熱温度(ヒータ温
度)に設定し、容量3リットルの原料槽40から反応槽
10に2リットルのテスト液を16分かけて供給する。
反応槽10で所定時間加熱した後、このテスト液を2リ
ットル、冷却槽260に送り、この冷却槽260からサ
ンプルとしてサンプル容器に2リットル取り出す。以上
の手順を20分で1サイクルとなるように繰り返す。測
定は98%濃度で比重が1.834の硫酸を基準とし、サン
プル容器内の硫酸の比重を求め、サンプル容器の硫酸の
濃度を求める。テスト結果を次に示す。
温度)を190℃〜230℃の範囲では、テスト液が濃
縮されたことがわかる。
ものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変
形、改良は、本発明に含まれるものである。例えば、前
記各実施形態では、反応槽10内に、第1〜第3仕切板
11A、11B、11Cを設けていたが、これに限定さ
れない。すなわち、2枚以下の仕切板を設けてもよく、
4枚以上の仕切板を設けてもよい。また、仕切板11の
配置も限定されず、例えば、ウェハ洗浄液が反応槽内を
水平方向に蛇行しながら排出口へ向かうように、2つの
側壁間に、一方の側壁から所定間隔を空けるように設け
られた仕切板を、互い違いに配置する構造でもよい。さ
らに、傾斜板16を設けていたがこれに限られない。す
なわち、傾斜していない垂直な仕切板を用いることもで
きる。なお、仕切板、傾斜板は設けなくても構わない。
タ20を設けていたが、設けなくともよい。例えば、減
圧度を高めて常温で水や過酸化水素水を除去する装置で
もよい。 また、反応槽10の排気口14の下を覆うよ
うに水滴収納槽17を設けていたが、設けなくともよ
い。また、水滴収納槽17を設ける位置は、前記実施形
態のように少なくとも、排出口13の上方、かつ、排気
口14の下部を覆うものであればよく、例えば、側面全
周に亘って設けることもできる。さらに、反応槽10に
おける導入口12、排出口13、排気口14の位置は、
前記実施形態の位置に限定されず、任意に設定すること
ができる。
に、第1〜第3ヒータ20A、20B、20Cの3個の
ヒータを用いていたが、これに限定されない。すなわ
ち、仕切板によって仕切られる空間の数等によって任意
の数に設定することができる。また、加熱装置として
は、前記実施形態のように内部から加熱するものに限定
されず、外部から反応槽を加熱する装置を用いることも
できる。その他、温度センサ80、液面レベルセンサ8
5B等の数も、使用する反応槽に応じて適宜設定するこ
とができる。
いたが、これは特に用いなくともよい。すなわち、ウェ
ハ処理槽から、直接反応槽へウェハ洗浄廃液を注入する
ような構造を採用することもできる。また、前記実施形
態では、濃度調節槽50を設け、濃縮硫酸Bに新しい硫
酸を注入して濃度調節を行っていたが、反応槽における
濃縮処理のみで十分な濃度の濃縮硫酸が得られる場合に
は、濃度調節槽を特に設けなくともよい。さらに、前記
実施形態では、冷却槽60を設けていたが、特に設けな
くてもよい。
40、濃度調節槽50、冷却槽60、冷却槽260、仕
切板11、傾斜板16の材質に石英ガラスを用いていた
が、これに限定されない。すなわち、高温の濃硫酸に接
触しても腐蝕されない、その他の材質を採用することも
できる。また、前記各実施形態では、冷却装置31とし
て水冷式のものを採用していたが、これに限定されず、
空冷式の冷却装置を用いても構わない。さらに、ポンプ
70を用いていたが、これに限定されず、例えば、ダイ
アフラムポンプ等を使用することもできる。その他、本
発明を実施する際の具体的な構造および形状等は、本発
明の目的を達成できる範囲内で他の構造としてもよい。
酸を濃縮する反応槽と、得られた濃縮硫酸をウェハ処理
槽へ送る供給装置とを備えている。したがって、ウェハ
洗浄廃液中の水や過酸化水素水を濃縮除去することがで
きるとともに、得られた濃縮硫酸を、ウェハ処理槽へ送
り、再びウェハの洗浄に利用することができる。しか
も、ウェハの洗浄から、ウェハ洗浄廃液中の硫酸の濃
縮、そして濃縮硫酸の再利用までを連続的に行うことが
でき、非常に効率的である。これらにより、ウェハ洗浄
処理コストも低減することができる。
置を示す概略構成図である。
ある。
ある。
置を示す概略構成図である。
断した斜視図である。
示す正面図であり、(B)はその側面図である。
ータ 30,230 吸引装置としてのアスピレータ 70 供給装置としてのポンプ A ウェハ洗浄廃液 B 濃縮硫酸 C ウェハ洗浄液
Claims (7)
- 【請求項1】 硫酸および過酸化水素水を混合してなる
ウェハ洗浄液中の硫酸をリサイクルする硫酸リサイクル
装置であって、 少なくとも導入口および排出口の2つの開口部を有し、
前記導入口から導入されたウェハ洗浄処理後のウェハ洗
浄廃液中の硫酸を濃縮して濃縮硫酸とした後、この濃縮
硫酸を前記排出口から排出する反応槽と、前記濃縮硫酸
をウェハ処理槽へ送る供給装置と、を備えることを特徴
とする硫酸リサイクル装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の硫酸リサイクル装置に
おいて、 前記反応槽には、前記ウェハ洗浄廃液を加熱する加熱装
置が設けられるとともに、加熱により前記ウェハ洗浄廃
液から発生する気体を排気する排気口が形成され、 この排気口には、前記気体を吸引する吸引装置が設けら
れていることを特徴とする硫酸リサイクル装置。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の硫酸リ
サイクル装置において、 前記反応槽の内部には、前記ウェハ洗浄廃液の進行方向
を変える複数の仕切板と、これらの仕切板よりも反応槽
の排出口側に設置され、前記濃縮硫酸を表面に沿って流
す傾斜板とが設けられていることを特徴とする硫酸リサ
イクル装置。 - 【請求項4】 請求項3に記載の硫酸リサイクル装置に
おいて、 前記傾斜板の表面には、凹凸が形成されていることを特
徴とする硫酸リサイクル装置。 - 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
の硫酸リサイクル装置において、 前記反応槽は、この反応槽の天井面に付着した水滴が、
前記濃縮硫酸に混入することを防止する水滴収納槽を有
することを特徴とする硫酸リサイクル装置。 - 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれかに記載
の硫酸リサイクル装置において、 前記濃縮硫酸に新しい硫酸を供給することを特徴とする
硫酸リサイクル装置。 - 【請求項7】 請求項2から請求項6のいずれかに記載
の硫酸リサイクル装置において、 前記反応槽内の加熱温度を150℃以上315℃以下と
することを特徴とする硫酸リサイクル装置。
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