JP3989432B2 - 真空乾燥装置 - Google Patents

真空乾燥装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3989432B2
JP3989432B2 JP2003428543A JP2003428543A JP3989432B2 JP 3989432 B2 JP3989432 B2 JP 3989432B2 JP 2003428543 A JP2003428543 A JP 2003428543A JP 2003428543 A JP2003428543 A JP 2003428543A JP 3989432 B2 JP3989432 B2 JP 3989432B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vacuum
dried
vacuum drying
container
drying apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003428543A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005188791A (ja
Inventor
清 水戸
Original Assignee
シャープマニファクチャリングシステム株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by シャープマニファクチャリングシステム株式会社 filed Critical シャープマニファクチャリングシステム株式会社
Priority to JP2003428543A priority Critical patent/JP3989432B2/ja
Publication of JP2005188791A publication Critical patent/JP2005188791A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3989432B2 publication Critical patent/JP3989432B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

本発明は、洗浄液によって洗浄された医療、電子、機械、成形関連等の部品を被乾燥物として真空状態で乾燥させる真空乾燥装置である。
従来より、部品を洗浄する洗浄液としては、フロン等のフッ素系や、1,1,1-トリクロロエタン等の塩素系の溶液が多く用いられてきた。しかしながら、気化したこれらの溶液はオゾン層を破壊する性質を有しているとされ、1987年に、「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」が、「オゾン層保護に関するウィーン条約」に基づき採択されて、特定フロン等を対象に生産量の段階的な削減や規制等が規定された。その後も何度か見直しがなされており、規制物質の追加や規制スケジュールの前倒し等の改正が行われている。
日本においては、1998年9月30日に、上記したウィーン条約及びモントリオール議定書が批准された。この議定書では、CFC(塩素・フッ素・炭素化合物)に代わるフッ素系であるHCFC(水素・塩素・フッ素・炭素化合物)についても、2020年までに全廃することが決められており、その全廃時期については、今後更に、前倒しが予想される。また、これらに関連して、塩素系に対しても、水質や大気汚染に関する規制の見直しが図られており、年毎にその規制が強化されつつある。
一方、地球温暖化防止に関する活動も活発になってきており、1997年12月の「地球温暖化防止京都会議」では、日本に対して、温暖化ガスの6%削減が義務づけられた。この温暖化ガスの対象としては、代替フロンであるHFC(水素・フッ素・炭素化合物)やパーフルオロカーボンも含まれており、更に代替フロンにおいても排出規制が強化されることになった訳である。従って、今後、規制動向に対して十二分な監視が必要であるとともに、早急に対処策を講じていくことが強く要求される。
このような背景のもと、近年、オゾン層を破壊するおそれが少ないとされる水又は非塩素系の溶液を用いて部品を洗浄することが注目されているが、以下の点に留意する必要がある。
先ず、水を用いる場合であるが、第1に、水自体は安価である反面、水の取り扱いに関連する多くの付帯設備を必要とし、その付帯設備の据え付けに多大な費用が生じることである。付帯設備としては、洗浄装置本体の他に、例えば、貯水設備、沈澱・浄化・汚泥処理設備、排水設備、或いは、純度の低い水を用いた場合の前処理用設備が挙げられ、しかも、これらの設置スペースや、メンテナンスのための補助スペースも必要となる。また、これら付帯設備の運転、保守、或いは、排水管理等には、初期投資とともに、維持に係わる経費も必然的に発生することはいうまでもない。特に、排水管理においては、使用後の水を排水する際に水質基準値を満足し得るような配慮が必要である。
第2に、水の有する濡れ性により、期待される程の洗浄効果が得られない可能性があることである。水の表面張力は、45℃において68.74±0.05dyn/cm、20℃において72.75±0.05dyn/cmとベース値がかなり高い。一方、従来多用されてきたフッ素系や塩素系の溶液では、例えば、フロンCFC113が20℃において17dyn/cm、1,1,1-トリクロロエタンが25dyn/cmと水に対して1/3〜1/4に過ぎない。つまり、水は、従来多用されてきた溶液と比較して濡れ性が悪いということがいえる。従って、水を用いて従来と同様の手法で洗浄が行われた場合、部品同士の重なり部分や密着部分、或いは、部品に形成されている小さな穴や隅部等には、水は容易に浸透、進入できなくなり、これらの部分に付着し存在している汚れ等を洗浄できず、洗浄効果が劣ってしまうことになる。
第3に、空気が混在する雰囲気や、加温された常圧等の環境下で洗浄が行われた場合、洗浄される部品が金属部分を有すると、水の有する酸化力により錆が誘発され易くなるため、防錆対策が不可欠となる。特に、そのような環境下では乾燥時間が長くなるため、水シミ等も発生し易く、折角洗浄しても外観が損なわれてしまう。
一方、非塩素系であるシリコン系、炭化水素系、或いはアルコール系等の溶液を用いる場合であるが、第1に、その沸点が高いもので200℃程度もあるため、常圧下でその溶液を蒸気化して蒸気による部品洗浄が行われる場合、蒸気温度が極めて高くなり、洗浄される部品の熱変形や変質等の問題が発生する。しかも、従来多用されてきたフッ素系や塩素系の溶液と比較して、乾燥性が劣るという問題もある。第2に、炭化水素系の溶液は引火点が50〜80℃と低いため、火災、爆発等に対して安全性の確保が強く要求される。
このように、水又は非塩素系の溶液を用いる場合の留意点は種々あるが、特に、乾燥性の向上、及び、炭化水素系に対する安全性の確保という点に対しては、減圧環境下で洗浄や乾燥が行える装置が望ましい。何故ならば、減圧環境を形成する装置は、真空容器を含む配管系が密閉構造となった、いわゆる、クローズドシステムとなるので、配管系内部を負圧に保つことによって、その内部の酸素濃度が極めて低くなり引火を抑止できるし、万一配管系に欠損箇所があったとしても、その負圧により内部の溶液や蒸気が外部に漏れ出ることはなく、安全性の確保につながるからである。しかも、減圧下では飽和蒸気圧が下がるので、溶液の沸点が実質的に下がり、常圧雰囲気下と比較して溶液は容易に蒸発でき、乾燥性の向上に対して有利となるからである。
ここで、減圧環境下で乾燥が行える装置の一つとして、真空乾燥装置がある。この真空乾燥装置では、洗浄液が付着している被乾燥物を真空容器内に置き、真空状態にすることによって、被乾燥物に付着している洗浄液が、気化するために必要な熱である蒸発潜熱を被乾燥物から奪いながら沸騰、蒸発し、真空乾燥が進行する。但し、乾燥が進行するに伴い被乾燥物の品温は徐々に低下し、この品温が飽和蒸気圧温度を下回ると、真空容器内の真空度が同一状態であるならば、その時点で洗浄液の沸騰、蒸発は停止してしまうので、この事態を回避するために、一般には、以下に示すような格別の工夫が必要とされる(例えば、特許文献1、2参照)。
先ず、真空引き開始時点すなわち真空乾燥の実質的な開始前での工夫としては、被乾燥物の品温を予め高めることを目的に、真空容器内にヒータを設けて、このヒータからの放射熱で真空容器内全体の気体を加熱したり、真空容器そのものの側壁にヒータを埋設して、このヒータからの側壁を経た輻射熱で真空容器内全体の気体を加熱したりするようにしている。
一方、真空引き中すなわち真空乾燥の進行中での工夫としては、被乾燥物の品温を飽和蒸気圧温度よりも高温に維持することを目的に、真空容器内やその側壁に設けた上記と同様のヒータにより、真空容器内全体の雰囲気を継続的に加熱するようにしている。また、真空引きすなわち真空乾燥を中断して、装置周辺の空気や加熱された気体(空気も含む)を真空容器内に一時的に導入し、その気体の保有する熱を品温の低下した被乾燥物に与えることで被乾燥物の品温を高め、その後再度真空引きを開始して真空乾燥を行うようにしたものもある。
なお、真空乾燥開始前での被乾燥物の品温を予め高めるための別の工夫として、蒸気を被乾燥物に向けて強制的に噴射させるようにするものがあるが、これは、蒸気化に伴う設備や噴射用のポンプを設ける必要があるため、コストアップの要因となってしまうことから得策とは言えない。また、真空乾燥進行中での被乾燥物の品温を飽和蒸気圧温度よりも高温に維持、換言すれば飽和蒸気圧温度を被乾燥物の品温よりも低温に維持するための別の工夫として、真空容器内の真空度を高めるようにするものがあるが、これは、高い真空度を実現できる大型の真空ポンプや、特殊な耐圧構造の真空容器が必要となるため、やはりコストアップの要因となることから得策とは言えない。
特開平7−208859号公報 特開2003−28570号公報
しかし、上記した真空乾燥装置において、先ず、真空乾燥開始前での被乾燥物の品温を予め高める工夫に関しては、限られた時間内で真空容器内全体の気体を加熱しながら、この気体の保有する熱を被加熱物に与える必要があることから、被加熱物の品温が十分に上昇しないままで真空乾燥が開始されるおそれが多分にある。更に、細管や入り組んだ形状を有する複雑な形状の被乾燥物を乾燥させる場合は、特に部位毎に品温差が生じ易く、この品温差により、部位毎の乾燥状態が不均一となって輪ジミや発錆の要因となり、洗浄、乾燥させた被乾燥物の外観を著しく損ねるという問題もあった。
一方、真空乾燥進行中での被乾燥物の品温を飽和蒸気圧温度よりも高温に維持する工夫に関しては、被加熱物を加熱するため熱伝達媒体となる気体が真空状態の真空容器内にはほとんど存在しないことから、加熱効率は実質良くはない。また、真空乾燥を中断して装置周辺の空気を真空容器内に導入するような場合は、以下に示す不都合が生じる。
導入された空気は少なく見積もっても室温程度はあるはずで、これは品温の低下した中断中の被乾燥物に対して数度から十数度高いため、被加熱物の品温を一応は高めることができるが、一回に導入される空気の量は圧縮空気でない限り真空容器の容積分に見合った量にしか過ぎず、しかもその空気の持つエンタルピ(熱力学で物体の含熱量を表すための量)は液体や固体と比較するとけた違いに小さいことから、被乾燥物の品温上昇はそれ程期待できない。勿論、空気の導入回数を増やし、その総量で被乾燥物の品温上昇を補うこともできるが、これは、真空乾燥に要する全体の時間の長期化を招くため、実用性に乏しい。また、装置周辺の空気に代えて、加熱された気体を真空容器内に導入するような場合であっても、被加熱物への熱伝達媒体が気体であることには変わりはないため、事情はほぼ同じである。
そこで本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、洗浄液によって洗浄された部品を効率良く真空乾燥できる真空乾燥装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明は、真空状態を取り得る真空容器と、被乾燥物を収納し前記真空容器に対して出し入れされる籠と、前記真空容器に収容された前記籠内の前記被乾燥物に熱を与える加熱手段と、を備えた真空乾燥装置において、前記加熱手段として、前記真空容器内には、前記籠の出し入れされる方向に沿って延在する棒状の発熱体が設けられ、前記籠内には、前記発熱体が挿入される管状の伝熱体が設けられている。
これにより、真空乾燥開始前や真空乾燥進行中において、発熱体からの熱が伝熱体に伝わって、これらの伝熱体から熱が放射され、その結果、これらの近傍に収納されている被加熱物がほぼ直接的に効率良く加熱される。
ここで、被加熱物への加熱効率を高める観点から、前記発熱体と前記伝熱体が複数対設けられているとよい。この場合、伝熱体への発熱体の挿入に関し、位置を違わずに容易且つ確実に行えるような工夫が施されていることが好ましい。例えば、前記各発熱体のうちの互いに最も離れた2つが突出していることが好ましい。
また、真空乾燥開始前に、被乾燥物に付着している余剰の洗浄液を吹き飛ばして除去する観点から、前記真空容器内には、上方から前記籠内の前記被乾燥物に向けて風を送り出す送風機が設けられているとよい。この場合、吹き飛ばされた洗浄液を滞らせること無く、しかも真空乾燥開始前や真空乾燥進行中に、循環流を形成して、被加熱物の加熱が均一に進行するように、前記真空容器内には、前記籠を支持する板状の支持台が前記真空容器の底面と所定の隙間を隔てて設けられていて、この支持台には多数の貫通孔が形成されていることが好ましい。
本発明の真空乾燥装置によれば、真空乾燥開始前や真空乾燥進行中において、発熱体からの熱が伝熱体に伝わって、これらの伝熱体から熱が放射され、その結果、これらの近傍に収納されている被加熱物がほぼ直接的に効率良く加熱されるため、被加熱物の品位を損なうことなく、しかも効率良く被加熱物の真空乾燥が行える。
以下に、本発明の真空乾燥装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態である真空乾燥装置の全体構成を示す縦断面図である。図2及び図3はその真空乾燥装置における真空容器の開いた状態を示す縦断面図であって、図2は被乾燥物を収納した籠を取り外した状況を示し、図3はその籠を取り入れた状況を示す。図4はその真空乾燥装置の要部を示す斜視図である。
真空容器1は、上端に開口を有する円筒状の本体容器2、及びこの本体容器2の開口を開閉する蓋3で外形が構成されており、蓋3は本体容器2の開口に対し基軸4を中心に回動可能である。蓋3を回動させて開いた状態では、被乾燥物5を収納した籠6が本体容器2の開口から内外へ出し入れされ、一方、閉じた状態では、本体容器2が蓋3で密閉される。この真空容器1は、洗浄液によって洗浄された部品である被乾燥物5を多数収納した籠6を収容し、内部を真空状態にすることによって被乾燥物5を真空乾燥させる容器としての役割を果たす。
真空容器1の構成要素である本体容器2には、収容された籠6を支持するための板状の支持台7が、本体容器2の底面と所定の間隙を隔てるよう嵩上げされて配設されている。この支持台7は剛性が高く耐腐食性に富む金属製であって、多数の貫通孔8が形成されている。更に、この支持台7からは、上方に向けて棒状の発熱体である熱源エレメント10が複数本突出しており、これらの各熱源エレメント10は籠6の出し入れされる方向に沿って延在する。熱源エレメント10は、一般的な電気ヒータや、ヒートパイプ等が適用され、100℃〜150℃程度の発熱が可能なものである。
本実施形態では、図4に示すように、9本の熱源エレメント10が規則的に対称配置されている。そのうちの互いに最も離れた対角に配置された2本の熱源エレメント10(以下、この2本の熱源エレメントを他のものと区別して、その符号を10aで示すことがある)は、他の熱源エレメント10よりも更に突出し、先端が砲弾状になっている。これにより、籠6が本体容器2内に取り入れられる際に、先ず各熱源エレメント10aが籠6における後述の対となる各金属管11に容易且つ確実に挿入されるようになるため、続く他の各熱源エレメント10も対となる各金属管11へ確実に挿入できる。その結果、支持台7に支持されて本体容器2内に収容された籠6の位置は、常に一定に収まるようになる。
一方、籠6は金属製で側面及び底面が網目状になっていて、この底面には、各熱源エレメント10と対をなす金属管11が上方に向けて突設されている。これらの各金属管11の内部には、籠6が本体容器2内に取り入れられる動作とともに、各熱源エレメント10が挿入される。そして、籠6が支持台7に支持されて本体容器2内に収容された状態で、各金属管11の内面と各熱源エレメント10の外面が近接した状態になる。このような金属管11は、熱源エレメント10からの熱を受け取って熱が伝わり、籠6内に収納されている被乾燥物5にその熱を与える伝熱体として機能する。併せて、籠6内を区切って被乾燥物5を整然と配置させるための仕切りとしての役割も果たす。
また、蓋3の内面には、ファン等の送風機12が配設されていて、この送風機12は、本体容器2に対し蓋3を閉じた状態で、下方に向けて、すなわち籠6が本体容器2内に収容された状態での被乾燥物5に向けて風を送り出すようになっている。
また、本体容器2の底壁には、真空容器1内を真空状態にし真空乾燥を行う際にその内部の気体(空気)とともに内部に溜まった液体(洗浄液)を排出するための排出口2aが形成されていて、この排出口2aには、第1の排出配管20の一端が連結されている。この第1の排出配管20の経路内には、その経路を開閉する第1の電磁弁21が設けられている。第1の排出配管20の他端は、これを通じて真空容器1から排出された気体と液体を分離する気液分離槽22に開口している。
気液分離槽22の上部には、分離された気体を排気するための第2の排出配管23の一端が開口しており、この第2の排出配管23の他端は真空ポンプ24に接続されている。第2の排出配管23の経路内には、真空ポンプ24に向けて順に、フィルタ25及び第2の電磁弁26が設けられている。更に真空ポンプ24には、第3の排出配管27の一端が接続されており、この第3の排出配管27の他端は、これを通じて排出された気体を浄化するとともに冷却するためのバブリング槽28に開口している。このバブリング槽28で浄化、冷却された気体は、第4の排出配管29から外部へ排出される。
なお、真空ポンプ24としては、往復式、液封式、回転式等の真空ポンプが挙げられるが、特に本実施形態では、真空ポンプ24の前段に気液分離槽22を備えており、真空ポンプ24内に液体が吸引される余地はほとんど無いため、採用する真空ポンプの種類に制限は無い。
また、本体容器2の側壁の上部には、真空状態の真空容器1内を主として大気圧に戻す(ベント)際にその内部にベント用ガスを導入するための吸気口2bが形成されていて、この吸気口2bには、吸気配管30が連結されている。この吸気配管30の経路内には、本体容器2に向けて順に、フィルタ31及び電磁弁32が設けられている。なお、ベント用ガスとしては、装置周辺の空気や専用の不活性ガスが適用される。
更に、本体容器2の側壁には、上方から順に、真空容器1内の圧力を検出する圧力センサ33、その温度を検出する温度センサ34、及び、真空容器1内の圧力が予定しない圧力以上になったときに開き内部の気体を外部へ排出するための安全弁35等が設けられている。圧力センサ33や温度センサ34は、真空乾燥中の真空容器1内の状態を監視するために用いられる。
このような構成の真空乾燥装置による真空乾燥の動作、及びその動作中の様子について、以下に説明する。図2及び図3に示すように、本体容器2に対して蓋3を開く。次いで、洗浄液によって洗浄された後の洗浄液が付着している被乾燥物5が収納された籠6を本体容器2の開口から下ろしていき、支持台7上にセットする(図3参照)。その際、籠6の各金属管11内には各熱源エレメント10が次第に挿入され、最終的に籠6が支持台7上にセットされた状態では、各金属管11の内面と各熱源エレメント10の外面が近接した状態になる。
そして、図1に示すように、本体容器2に対して蓋3を閉じて真空容器1を密閉し、各熱源エレメント10を発熱させるとともに、送風機12を駆動する。これにより、各熱源エレメント10からの熱が各金属管11に伝わって、これらの各金属管11から熱が放射され、その結果、これらの近傍に収納されている被加熱物5がほぼ直接的に効率良く加熱される。これと同時に、送風機12からの下降風により、被乾燥物5に付着している余剰の洗浄液が吹き飛ばされ、支持台7の貫通孔8を通過して本体容器2の底壁に溜まる。更に、送風機12からの下降風は、支持台7の貫通孔8を通過して本体容器2の底壁で反転し、本体容器2の側壁と籠6の側面との間を上昇して送風機12に戻るため、真空容器1内には循環流が形成されることから、被加熱物5の加熱が均一に進行する。
所定時間の経過後、真空ポンプ24を駆動させるとともに、第1の電磁弁21及び第2の電磁弁26を開く。このとき、被乾燥物5の品温は80〜100℃程度である。こうして、真空容器1内の空気及びその底壁に溜まっている洗浄液が排出口2aから第1の排出配管20を経て排出され始め、すなわち真空引きが開始され、実質的な真空乾燥に移行される。そして、真空乾燥の進行に伴って、被乾燥物5に付着している洗浄液が被乾燥物5から蒸発潜熱を奪いながら蒸発し、被乾燥物5の品温は徐々に低下していく様相となるが、被乾燥物5には熱源エレメント10及び金属管11から直接的に熱が供給されて加熱され続けているので、被加熱物5の品温が飽和蒸気圧温度よりも確実に高い温度に維持される。
実質的な真空乾燥の所定時間(例えば10分程度)が経過すると、第1の電磁弁21を閉じて真空引きを停止し、真空乾燥を終える。次いで、吸気配管30の電磁弁32を開き、吸気口2bから真空容器1内にベント用ガスを導入し、真空容器1内の圧力を大気圧に戻す。そして、本体容器2に対して蓋3を開き、乾燥した被乾燥物5が収納された籠6を本体容器2から取り出して完了する。
これが本実施形態の真空乾燥装置による真空乾燥の標準的な動作であるが、以下に示すように変形することも可能である。例えば、被乾燥物5がほぼ筒状で且つ通気抵抗の大きい複雑なものである場合、先の洗浄において、超音波振動や毛細管現象等の作用により、奥深くの隅部に洗浄液が侵入する。このような被乾燥物5を真空乾燥する場合、実質的な真空乾燥の過程において、真空状態で一方的に加熱し続けるよりも、一旦大気圧付近に戻し、すなわちベント用ガスを導入し、真空容器1内の圧力を高めるというプロセスを挟むことが効果的である。これは、真空容器1内に圧力変動を与えることで、真空容器1内の気体の交換が図れるため、所望の乾燥レベルにより早く到達できるからである。
また例えば、被乾燥物5が複雑な形状で小さい場合であって、このような被乾燥物5を一度に大量に真空乾燥する場合、実質的な真空乾燥の過程において、規定の周期で真空容器1内にベント用ガスを導入するとともに、大気圧近傍下で送風機12を駆動させることが効果的である。これは、導入されたベント用ガスが送風機12の作用で循環流となって真空容器1内を攪拌するため、被乾燥物5個々の熱勾配や温度分布が均一化されて、より早く良好な乾燥仕上がりが得られるからである。
なお、本実施形態の真空乾燥装置は、真空乾燥中の被加熱物5を安定して高温に加熱できるので、被加熱物5である対象部品として、単に乾燥を要する電子、機械、成形関連等の部品のみならず、除菌や滅菌を要する医療器具も対応可能である。
その他、本発明は上記の実施形態に限定される訳ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。例えば、熱源エレメント10及びこれと対をなす金属管11の数は幾つであってもよいが、あまり多くし過ぎると、被加熱物5への加熱効率が向上する反面、被加熱物5の収納スペースが制限されるため、真空乾燥装置の仕様に併せた配慮が必要である。また、その配置については、上記の実施形態では規則的な対称配置としているが、不規則な配置であっても構わない。
また、上記の実施形態では、真空容器1の構成要素である本体容器2の開口が上部に形成されており、その開口から籠6が上下方向に出し入れされることから、その上下方向に沿って熱源エレメント10が延在するよう配設され、これを挿入できるよう金属管11が籠6の底面に突設されているが、本体容器2の開口が側壁に形成され、その開口から籠6が左右方向に出し入れされるものであっても勿論対処し得る。その場合、本体容器2内で熱源エレメント10が左右方向に沿って延在するよう配設され、これを挿入できるよう金属管11が籠6の側面に突設されることで足りる。
本発明は、洗浄液によって洗浄された部品を被乾燥物として真空状態で乾燥させる真空乾燥装置に有用である。
本発明の一実施形態である真空乾燥装置の全体構成を示す縦断面図である。 図1の真空乾燥装置における真空容器の開いた状態を示す縦断面図である。 図1の真空乾燥装置における真空容器の開いた状態を示す縦断面図である。 図1の真空乾燥装置の要部を示す斜視図である。
符号の説明
1 真空容器
2 本体容器
3 蓋
4 基軸
5 被乾燥物
6 籠
7 支持台
8 貫通孔
10 熱源エレメント(発熱体)
11 金属管(伝熱体)
12 送風機
24 真空ポンプ

Claims (5)

  1. 真空状態を取り得る真空容器と、被乾燥物を収納し前記真空容器に対して出し入れされる籠と、前記真空容器に収容された前記籠内の前記被乾燥物に熱を与える加熱手段と、を備えた真空乾燥装置において、
    前記加熱手段として、前記真空容器内には、前記籠の出し入れされる方向に沿って延在する棒状の発熱体が設けられ、前記籠内には、前記発熱体が挿入される管状の伝熱体が設けられていることを特徴とする真空乾燥装置。
  2. 前記発熱体と前記伝熱体が複数対設けられていることを特徴とする請求項1に記載の真空乾燥装置。
  3. 前記各発熱体のうちの互いに最も離れた2つが突出していることを特徴とする請求項2に記載の真空乾燥装置。
  4. 前記真空容器内には、上方から前記籠内の前記被乾燥物に向けて風を送り出す送風機が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の真空乾燥装置。
  5. 前記真空容器内には、前記籠を支持する板状の支持台が前記真空容器の底面と所定の隙間を隔てて設けられていて、この支持台には多数の貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の真空乾燥装置。
JP2003428543A 2003-12-25 2003-12-25 真空乾燥装置 Expired - Fee Related JP3989432B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003428543A JP3989432B2 (ja) 2003-12-25 2003-12-25 真空乾燥装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003428543A JP3989432B2 (ja) 2003-12-25 2003-12-25 真空乾燥装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005188791A JP2005188791A (ja) 2005-07-14
JP3989432B2 true JP3989432B2 (ja) 2007-10-10

Family

ID=34787471

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003428543A Expired - Fee Related JP3989432B2 (ja) 2003-12-25 2003-12-25 真空乾燥装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3989432B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4598605B2 (ja) * 2005-06-01 2010-12-15 道久 蔦原 真空乾燥装置
US7625197B2 (en) 2005-09-12 2009-12-01 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Devices and processes for performing degassing operations
JP2009180440A (ja) * 2008-01-31 2009-08-13 Toyota Motor Corp 乾燥装置および乾燥方法
CN106871580B (zh) * 2017-02-24 2022-06-10 南通思瑞机器制造有限公司 一种安全智能型通过式真空干燥机
CN112856941A (zh) * 2021-01-19 2021-05-28 广东省林业科学研究院 一种真空式蒸汽热处理木材设备及其处理方法
CN115096047B (zh) * 2022-06-08 2023-06-06 山东新华医疗器械股份有限公司 无源真空吸引干燥装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005188791A (ja) 2005-07-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4416794B2 (ja) 改良されたオゾン滅菌方法
US20120060868A1 (en) Microscale fluid delivery system
JP2001176833A (ja) 基板処理装置
TWI452613B (zh) 基板處理裝置及基板處理方法
US7444761B2 (en) Intrinsically safe flammable solvent processing method and system
JP4447013B2 (ja) 滅菌室を加湿する装置および方法
JP6104836B2 (ja) 分離再生装置および基板処理装置
JP3989432B2 (ja) 真空乾燥装置
JP3635026B2 (ja) 硫酸リサイクル装置
JP2002353184A (ja) 基板処理方法及び基板処理装置
JP2006297196A (ja) 廃液処理システム
US20070107748A1 (en) Vacuum cavitational streaming
US20130081300A1 (en) Vacuum cycling drying
JP3544329B2 (ja) 基板処理装置
JP3806110B2 (ja) 真空乾燥装置
WO2003006184A1 (fr) Dispositif de lavage et procede de lavage
JP3818876B2 (ja) 乾燥装置
JP5277370B2 (ja) 有機廃棄物炭化処理用連続加熱炉
JP3955924B2 (ja) エーロゾルを用いる物品の乾燥及び洗浄方法及び装置
JP6526858B2 (ja) 洗浄液蒸留再生装置、部品洗浄装置、及び、洗浄液の蒸留再生方法
JPS61152020A (ja) 処理装置
US6413322B1 (en) Machine for vapor degreasing and process for doing same using an inflammable fluid
JP3964862B2 (ja) 洗浄乾燥装置および洗浄乾燥方法
JP3989355B2 (ja) 処理装置および処理方法
JPH11267185A (ja) 蒸気滅菌装置の運転制御方法およびその装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051007

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070717

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070717

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100727

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees