JP2002067072A - ランナー突き貫通穴を有するリードフレーム - Google Patents

ランナー突き貫通穴を有するリードフレーム

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Abstract

(57)【要約】 【課題】パッケージやランナーとゲート中の残留樹脂の
欠け、損傷、リードフレームの変形等を発生し難くし、
幅広リードフレームの採用と1リードフレーム当りのパ
ッケージの高集積化を可能にする。 【解決手段】リードフレーム6のランナー7とゲート8
中で硬化して付着する残留樹脂を樹脂付着面15と反対
面側から突いて剥離するランナー突き貫通穴11をエッ
チング加工によって穿設し、そのランナー突き貫通穴1
1の樹脂付着面15に設ける穴径を大きくし、反対面に
設ける穴径を小さくする。又、リードフレーム6のラン
ナー配置端面14をエッチング加工によって、ランナー
突き貫通穴11を設けた樹脂付着面15よりその反対面
を側方に突出した傾斜面に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置を樹脂封
止した後、リードフレームに付着したランナー及びゲー
トを除去するためのリードフレームの貫通穴並びにラン
ナー配置端面に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体チップを搭載し樹脂封止す
るリードフレームとして、単一のリードフレーム上で単
列にモールド部を配置するリードフレームや、複数列に
モールド部を配置するマトリックスフレームが用いられ
ている。そして、このようなリードフレームではリード
フレームを横切るように隣接するモールド部の間にラン
ナーを配置し、そのランナーと接続するゲートを各モー
ルド部に連結して樹脂封止を行う。すると、マトリック
スフレームの場合には一度に多数個のパッケージを成形
できて、パッケージの生産性を高く製造効率を向上させ
ることができる。
【0003】しかし、リードフレームを横切るようにラ
ンナーを長く配置するため、樹脂封止した後、ランナー
とゲート中で硬化して付着する残留樹脂を剥離するのが
困難である。そこで、本出願人は先に特開平3―184
351号において、リードフレームにその残留樹脂を樹
脂付着面と反対面側からピンで突いて剥離するピン挿入
穴を穿設することを提示した。更に特開平5―2063
53号において、リードフレームにランナーとゲート中
で硬化して付着する残留樹脂を樹脂付着面と反対面側か
らパンチで突いて剥離するために、残留樹脂と一体のパ
ンチ当て突起形成穴を穿設することも提示した。
【0004】しかし、近年ではQFN(クウォードフラ
ットノンリード)を代表とする半導体パッケージに用い
るリードフレームは、リードが露出しているため、パッ
ケージ裏面にあるリードを脱落しない断面形状にした脱
落防止構造が採用されている。それ故、リードフレーム
を普通の抜き加工であるスタンピング加工では抜くこと
ができず、エッチング加工によって形成している。又、
最近では短納期による内部パターンの変更に容易に対応
できるようにするため、或いは試作等の少量生産向けに
エッチング加工が多く行われるようになった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リード
フレームにエッチング加工を施して貫通穴を設ける場合
には、両面からエッチング加工をするため、その貫通穴
1は図7に示すように真中がくびれて内方に突起を有す
る形状になる。それ故、このようなリードフレームを使
用して樹脂封止をすると、貫通穴1に樹脂が食いついて
しまい、取れ難いという現象が発生する。特に、リード
フレームを横切るようにランナーを配置するマトリック
スフレームの場合、リードフレームのランナー付着面か
ら反対側より突きピン等で突いてランナー除去とゲート
ブレークを行うことは非常に困難である。即ち、従来の
ようなスタンピン加工ではランナー突き貫通穴内の樹脂
を500g/穴で抜けるが、エッチング加工によるラン
ナー突き貫通穴1では穴内の樹脂が突起に引っ掛かるた
め、そのような小さな力では抜けず1.5kg/穴の非
常に大きな力を必要とする。なお、2は板厚が0.12
5〜0.25mm程のリードフレーム、3がランナー、
4がランナー突きピンである。
【0006】このようにして、リードフレーム2上のラ
ンナー3とゲート中で硬化して付着する残留樹脂を従来
より非常に大きな力を用いて突く場合、リードフレーム
2より無理に残留樹脂を剥離させるので、パッケージや
残留樹脂の欠け、損傷、リードフレーム2の変形等がま
れに発生する。又、コストダウンのため、1リードフレ
ーム当りの高集積化を計って、パッケージの間隔を狭
め、ランナー突き貫通穴の径を小さくして、従来のラン
ナー突きピン径より細いピンを用いなければならない。
例えば、従来穴の直径が2.2mmでピンの直径が1.
2mmであったのを、穴の直径を1.2mmにする必要
性が生じている。それ故、ランナー突きピンの強度不足
という相反する問題がある。
【0007】しかも、高集積化の際にはリードフレーム
の幅方向におけるパッケージ間隔を狭めて、パッケージ
個数を増加するため、パッケージ直近のゲート近くにラ
ンナー突き貫通穴がないとランナーとゲート中で硬化し
て付着する残留樹脂の剥離を上手に行えない。それ故、
パッケージ直近のゲート近くにランナー突き貫通穴がな
い場合には、パッケージ個数に合わせてランナー突きピ
ン数を一段と増加する必要があり、ランナーとゲート剥
離機構全体の力を大きくしなければならない。
【0008】本発明はこのような従来の問題点に着目し
てなされたものであり、パッケージやランナーとゲート
中の残留樹脂の欠け、損傷、リードフレームの変形等が
発生し難く、幅広リードフレームの採用と1リードフレ
ーム当りのパッケージの高集積化が可能なランナー突き
貫通穴を有するリードフレームを提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によるランナー突き貫通穴を有するリードフ
レームでは、リードフレーム上の隣接するモールド部の
間にランナーを配置し、そのランナーと接続するゲート
を各モールド部に連結して樹脂封止されるリードフレー
ムのランナーとゲート中で硬化して付着する残留樹脂を
樹脂付着面と反対面側から突いて剥離するランナー突き
貫通穴をエッチング加工によって穿設する。そして、上
記ランナー突き貫通穴の樹脂付着面に設ける穴径を大き
くし、反対面に設ける穴径を小さくする。又、上記リー
ドフレームのランナー配置端面をエッチング加工によっ
て、ランナー突き貫通穴を設けた樹脂付着面よりその反
対面を側方に突出した傾斜面に形成する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、添付の図1〜6を参照にし
て、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明を適
用したランナー突き貫通穴を有するQFN型半導体パッ
ケージ用マトリックスフレームの樹脂封止後に型開きし
た状態を示す平面図である。このマトリックスフレーム
5は1リードフレーム6当りのパッケージ成形を高集積
化するため、半導体チップを搭載したモールド部を従来
より多くし、本実施例の図では例えば5列にする。そし
て、金型によりリードフレーム6上の隣接するモールド
部の中間にそのリードフレーム6を横断するようにラン
ナー7(7a、7b、7c)を配置し、その各ランナー
7から枝分かれしたゲート8を各モールド部に連結し
て、一度に6行分のモールド部を樹脂封止することによ
り、各パッケージ9を成形する。なお、10(10a、
10b、10c)は対応する各ランナー7と連結するカ
ルである。
【0011】このようにして、マトリックスフレーム5
上に各パッケージ9を形成すると、型開き後に各ランナ
ー7とゲート8中で硬化して付着する残留樹脂を樹脂付
着面と反対の面側、図1では下面側から上方に突いて剥
離しなければならない。それ故、リードフレーム6には
前以って各ランナー7の点線で示すゲート枝分かれ箇所
に各々残留樹脂を突いて剥離するランナー突き貫通穴1
1をエッチング加工によって穿設しておく。その際、リ
ードフレーム6の上、下面を各々被うマスキングフィル
ムの穴の大きさを上下で変え、或いはエッチング液の濃
度を上下で変える等して穿設する。
【0012】すると、図2に示すようにランナー突き貫
通穴11の樹脂付着面に設ける穴径を大きくし、反対面
に設ける穴径を小さくすることができる。特に、図3に
示すようにランナー突き貫通穴11の穴径を樹脂付着面
から反対面に向って順次小さくするとよい。
【0013】剥離時には、図4に示すようにリードフレ
ーム6の下面側からランナー突きピン12を矢印方向に
移動する。すると、ランナー突き貫通穴11が樹脂付着
面に設ける穴径を大きくし、反対面に設ける穴径を小さ
くすることにより、穴内樹脂の抜き抵抗が小さくなって
いるため、ピン12を穴内に挿入して樹脂を押すと、小
さな力でランナー7とゲート8中で硬化し付着している
残留樹脂を上面から剥離することができる。しかも、残
留樹脂を小さな力で剥離できるため、パッケージ9、ラ
ンナー7とゲート8中の残留樹脂、リードフレーム6等
に無理な力が加わらず、パッケージ9やランナー7とゲ
ート8中の残留樹脂の欠け、損傷、リードフレーム6の
変形等が発生し難い。特に、ランナー突き貫通穴11の
穴径が樹脂付着面から反対面に向って順次小さくなって
いると、一層良くなる。なお、QFNの場合、インナー
リード13が脱落しないようにそのインナーリード13
の断面形状がパッケージ側で大となる形状になってい
る。
【0014】このようにランナー突き貫通穴11を形成
すると、小さな力で残留樹脂を剥離できるため、ランナ
ー突きピン12の直径を小さくすることができる。それ
故、ランナー突き貫通穴11の直径を小さくでき、その
穴位置をパッケージ9の直近にあるランナー7のゲート
枝分かれ箇所に設けることが可能になる。しかし、ラン
ナー突きピン12の直径は強度上1.2mm以下にする
ことは好ましくないので、ランナー突き貫通穴11の直
径を1.2mm以下にする場合にはピン12の先端部を
先細にして対応する。なお、ランナー突き貫通穴11の
穴形状を樹脂付着面に設ける穴径を大きくし、反対面に
設ける穴径を小さくして小さな力で残留樹脂を剥離する
ようにすると、1リードフレーム6当りに設けるパッケ
ージ9の高集積化が可能になるばかりでなく、そのリー
ドフレーム6を幅広にすることもできて好都合となる。
【0015】上記実施の形態ではリードフレーム6のラ
ンナー7とゲート8中で硬化して付着する残留樹脂を樹
脂付着面と反対面側から突いて剥離するランナー突き貫
通穴11をエッチング加工によって、その樹脂付着面に
設ける穴径を大きくし、反対面に設ける穴径を小さく穿
設する場合について説明したが、リードフレーム6の各
カル10から伸びるランナー7が夫々通過するランナー
配置端面14をエッチング加工によって、図5に示すよ
うにそのランナー突き貫通穴11を設けた樹脂付着面
(上面)15よりその反対面(下面)16を側方に長さ
L突出した傾斜面に形成すると好ましくなる。特に、図
6に示すようにランナー配置端面14を傾斜角度一定の
平滑面にするとよい。
【0016】このようなランナー配置端面14をエッチ
ング加工によって傾斜面に形成する場合、リードフレー
ム6の上、下面15、16を各々被うマスキングフィル
ムの上下の位置をずらすことにより実施する。そして、
リードフレーム6のランナー配置端面14を上面15よ
り下面16を側方に突出した傾斜面に形成すると、剥離
抵抗が小さくなるため、剥離時にリードフレーム6の下
面16の側からランナー突きピン12を穴11の内部に
挿入して上面15の側に樹脂を押すことにより、ランナ
ー7中で硬化して端面14に付着している残留樹脂をそ
の端面14から小さな力により剥離することができる。
その際、図4に示すようにランナー配置端面14の近く
にブロックやピン等からなるランナープッシャー17を
設けておき、矢印方向に移動してその端面14近くの残
留樹脂を押すとよい。なお、ランナープッシャー17は
ランナー7と共にカル10中の残留樹脂を押すようにし
てもよい。
【0017】それ故、ランナー7とゲート8中で硬化し
て上面15と端面14に付着している残留樹脂を一層小
さな力で剥離できる。従って、更にパッケージ9、ラン
ナー7とゲート8中の残留樹脂、リードフレーム6等に
無理な力が加わらなくなり、パッケージ9やランナー7
とゲート8中の残留樹脂の欠け、損傷、リードフレーム
6の変形等が発生し難い。特に、ランナー配置端面14
を傾斜角度一定の平滑面にするとよくなる。
【0018】なお、上記実施の形態ではランナー突きピ
ン12を穴11の内部に挿入して残留樹脂を剥離するラ
ンナー突き貫通穴11とランナー配置端面14について
説明したが、そのランナー突き貫通穴11の穴形状をパ
ンチで突起を突いて残留樹脂を剥離するランナー突き貫
通穴に適用すると同様の効果を得ることができる。
【0019】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、請求項1
記載の発明ではランナー突き貫通穴をエッチング加工に
よって、樹脂付着面に設ける穴径を大きくし、反対面に
設ける穴径を小さくすることにより、その穴内樹脂の抜
き抵抗を小さくすることができる。それ故、ランナーと
ゲート中で硬化して付着する残留樹脂を小さな力で剥離
することができ、パッケージ、ランナーとゲート中で硬
化して付着する残留樹脂、リードフレーム等に無理な力
が加わらず、パッケージや残留樹脂の欠け、損傷、リー
ドフレームの変形等が発生し難い。そして、リードフレ
ームに幅広のものを採用でき、1リードフレーム当りの
パッケージの高集積化が可能になる。
【0020】又、請求項2記載の発明ではリードフレー
ムのランナー配置端面をエッチング加工によって、ラン
ナー突き貫通穴を設けた樹脂付着面よりその反対面を側
方に突出した傾斜面に形成することにより、そのランナ
ー配置端面の剥離抵抗を小さくすることができる。それ
故、やはりランナーとゲート中で硬化して付着する残留
樹脂を小さな力で剥離することができ、パッケージ、ラ
ンナーとゲート中で硬化して付着する残留樹脂、リード
フレーム等に無理な力が加わらず、パッケージや残留樹
脂の欠け、損傷、リードフレームの変形等が発生し難
い。そして、リードフレームに幅広のものを採用でき、
1リードフレーム当りのパッケージの高集積化が可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したランナー突き貫通穴を有する
QFN型半導体パッケージ用マトリックスフレームの樹
脂封止後に型開きした状態を示す平面図である。
【図2】同QFN型半導体パッケージ用マトリックスフ
レームのリードフレームにエッチング加工によって穿設
したランナー突き貫通穴の一形状と、その穴内に充填し
た樹脂と一体のランナー内残留樹脂を示す要部断面図で
ある。
【図3】同QFN型半導体パッケージ用マトリックスフ
レームのリードフレームにエッチング加工によって穿設
したランナー突き貫通穴の他の形状と、その穴内に充填
した樹脂と一体のランナー内残留樹脂を示す要部断面図
である。
【図4】同QFN型半導体パッケージ用マトリックスフ
レームのランナー突き直前の状態を示す要部断面図であ
る。
【図5】同QFN型半導体パッケージ用マトリックスフ
レームのリードフレームにそのランナー配置端面をエッ
チング加工によって傾斜面に形成した一形状と、そのラ
ンナー付き貫通穴を設けた樹脂付着面とを示す要部断面
図である。
【図6】同QFN型半導体パッケージ用マトリックスフ
レームのリードフレームにそのランナー配置端面をエッ
チング加工によって傾斜面に形成した他の形状と、その
ランナー付き貫通穴を設けた樹脂付着面とを示す要部断
面図である。
【図7】従来のQFN型半導体パッケージ用マトリック
スフレームのランナー突き直前の状態を示す要部断面図
である。
【符号の説明】
5…マトリックスフレーム 6…リードフレーム 7…
ランナー 8…ゲート9…パッケージ 10…カル 1
1…ランナー突き貫通穴 12…ランナー突きピン 1
4…ランナー配置端面 15…樹脂付着面(上面) 1
6…反対面(下面)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リードフレーム上の隣接するモールド部
    の間にランナーを配置し、そのランナーと接続するゲー
    トを各モールド部に連結して樹脂封止されるリードフレ
    ームのランナーとゲート中で硬化して付着する残留樹脂
    を樹脂付着面と反対面側から突いて剥離するランナー突
    き貫通穴をエッチング加工によって穿設してなるランナ
    ー突き貫通穴を有するリードフレームにおいて、上記ラ
    ンナー突き貫通穴の樹脂付着面に設ける穴径を大きく
    し、反対面に設ける穴径を小さくすることを特徴とする
    ランナー突き貫通穴を有するリードフレーム。
  2. 【請求項2】 リードフレーム上の隣接するモールド部
    の間にランナーを配置し、そのランナーと接続するゲー
    トを各モールド部に連結して樹脂封止されるリードフレ
    ームのランナーとゲート中で硬化して付着する残留樹脂
    を樹脂付着面と反対面側から突いて剥離するランナー突
    き貫通穴をエッチング加工によって穿設してなるランナ
    ー突き貫通穴を有するリードフレームにおいて、上記リ
    ードフレームのランナー配置端面をエッチング加工によ
    って、ランナー突き貫通穴を設けた樹脂付着面よりその
    反対面を側方に突出した傾斜面に形成することを特徴と
    するランナー突き貫通穴を有するリードフレーム。
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