JP2002067027A - 高速穴あけ装置及び高速穴あけ工法 - Google Patents

高速穴あけ装置及び高速穴あけ工法

Info

Publication number
JP2002067027A
JP2002067027A JP2000367134A JP2000367134A JP2002067027A JP 2002067027 A JP2002067027 A JP 2002067027A JP 2000367134 A JP2000367134 A JP 2000367134A JP 2000367134 A JP2000367134 A JP 2000367134A JP 2002067027 A JP2002067027 A JP 2002067027A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bit
core bit
speed
drilling
core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000367134A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Mazaki
繁 真崎
Toshio Imaoka
稔雄 今岡
Kusuo Sato
九州男 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Nippon Diamond Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Nippon Diamond Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp, Nippon Diamond Co Ltd filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP2000367134A priority Critical patent/JP2002067027A/ja
Publication of JP2002067027A publication Critical patent/JP2002067027A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装着されるコアビットを高速回転させること
により、穿孔時間の大幅な短縮化を図る。 【解決手段】 高速穴あけ装置1は、円筒状の回転軸1
1が一体的に挿通されたロータ17と、このロータ17
の外周囲に設けられた円筒状のステータ18と、回転軸
11の先端部に直接連結されたコアビット13とを備え
ている。コアビット13として、ビット15が外径40
mm以下、刃厚3.0mm以下のものを用い、ロータ17、
ステータ18からなるダイレクトモータ2によってコア
ビット13を4000rpm以上の高速回転によって回転
させてコアビット13によって穿孔させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、コンク
リート構造物への後施工アンカー等の埋め込みを行うに
あたり、コンクリート構造物からなる被掘削物に環状の
穴を高速にて掘削する高速穴あけ装置及び高速穴あけ工
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】既設されたコンクリート製の壁を補強す
る方法として、まずこの壁を大きくくり貫き、このくり
貫かれた開口部に鉄製のブレス(筋交い)を設け、次い
でこのブレスと開口部の内周面に配設させたアンカとを
コンクリートで固めることによって壁全体を補強しよう
とする方法がある。このときアンカは、開口部の内周面
に設けた穴に収容させることによって配設される。この
アンカを配設するための穴は、図7に示すような、円筒
状部材の先端にダイヤモンドや超硬チップなどからなる
円環状のビット80aを有するコアビット80と、この
コアビット80を軸線まわりに回転させるためのモータ
81とを備えた装置によって形成される。すなわち、コ
アビット80の先端に設けられたビット80aを被掘削
物であるコンクリート82に当接させつつ回転させるこ
とによって円柱状のコア芯83を形成したあと、コンク
リート82内部からコアビット80を引き抜く。そし
て、コンクリート82内部に残存するコア芯83の根元
83aを折ってから引き抜くことによって、例えば直径
20mm〜35mm程度、深さ200mm程度のアンカ
配設用の穴が形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のモー
タ81は、ギアを介しているため、エンジンや油圧モー
タなどと同様に、重量が重く、取り扱い性に欠け、さら
には、騒音も大きい(90dB以上)といった問題があ
り、しかも、回転数が高速でも約1500rpmと低く、
特殊電動モータでも3000〜3900rpm程度が最高
であり、このため、穿孔時間が長時間におよんでしまう
という問題があった。なお、超音波によって穿孔する超
音波穿孔装置は、比較的低騒音にて穿孔させることがで
きる反面、その穿孔速度が遅く、やはり作業期間の長期
化を招いてしまうという問題があった。
【0004】また、コアビット80のビット80aの刃
厚を薄くすることにより、穿孔時間の短縮化を図ること
ができるが、このようにビット80aの刃厚を薄くする
と、ビット80aに加わる工具負荷が大きくなるととも
に、穿孔方向への力(法線力)が大きくなり、コアビッ
ト80の座屈を招いてしまうという問題があった。
【0005】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、装着されるコアビットを座屈させることなく高
速回転に短時間にて穿孔することができる低騒音の高速
穴あけ装置及び高速穴あけ工法を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の高速穴あけ装置は、被掘削物を環状
に掘削するビットを有した円筒状のコアビットと、この
コアビットをギヤやベルトなどの伝達機構を介さず直接
回転させることにより4000rpm以上にて高速回転さ
せるモータとを備えた高速穴あけ装置であって、前記モ
ータは、先端部に前記コアビットが取り付けられる円筒
状の回転軸が貫通されて一体的に設けられた筒状のロー
タと、このロータの外周囲に設けられた円筒状のステー
タと、前記回転軸に前記コアビットを連結するアダプタ
とを備え、前記コアビットのビットは、外径40mm以
下、刃厚3.0mm以下とされていることを特徴としてい
る。
【0007】請求項2記載の高速穴あけ方法は、回転軸
が挿通されて固定された筒状のロータの外周に円筒状の
ステータが設けられたモータの前記回転軸に、被掘削物
を環状に掘削するビットを有する円筒状のコアビットを
ギヤやベルトなどの伝達機構を介さず直接取り付け、前
記回転軸を回転させることにより前記コアビットを直接
回転させて前記ビットによって前記被掘削物に穴をあけ
る穴あけ工法であって、前記コアビットとして、外径4
0mm以下、刃厚3.0mm以下のビットを有するコアビッ
トを用い、穴あけ時における前記回転軸の回転速度を4
000rpm以上として前記コアビットによって前記被掘
削物に穴をあけることを特徴としている。
【0008】そして、請求項1記載の高速穴あけ装置あ
るいは請求項2記載の高速穴あけ工法によれば、モータ
の回転軸に、外径40mm以下、刃厚3.0mm以下のビッ
トが先端部に設けられたコアビットを連結し、モータに
よって直接回転させるのでコアビットの触れが最小限に
抑えられてこのコアビットを4000rpm以上の高速回
転にて回転させることができ、従来の低速にて穴をあけ
る場合と比較して、その穿孔速度を大幅に高めることが
できる。これにより、穴あけ加工を迅速に行うことがで
き、穴あけ作業を有する各種施工作業の工期の短縮化を
図ることができる。また、エンジン、油圧モータあるい
はギヤ付き電動モータを用いた場合と比較して、騒音を
大幅に低減(約70dB程度)させることができ、また、
部品点数が少ないので、メンテナンス作業にかかる労力
も大幅に低減させることができる。このように、コアビ
ットを4000rpm以上という高速回転させることによ
り、ビットへの工具負荷が小さくされ、これにより、ビ
ットの刃厚を3.0mm以下という薄さとしても、穿孔方
向に加わる力である法線力が小さくされ、座屈等の不具
合を生じることなく、常に良好な切れ味を維持しながら
円滑な穿孔を行うことができ、穿孔時間の短縮化を図る
ことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の高速
穴あけ装置及び高速穴あけ工法を図面を参照して説明す
る。図1及び図2において、符号1は、高速穴あけ装置
であり、符号2は、この高速穴あけ装置1を構成する本
実施形態例のダイレクトモータである。高速穴あけ装置
1は、基台3に立設された支柱4に、上下機構5を介し
て前記ダイレクトモータ2を支持させた構造とされてお
り、上下機構5によってダイレクトモータ2が支柱4に
沿って移動されるようになっている。
【0010】ダイレクトモータ2は、その中心に円筒状
の回転軸11を有しており、この回転軸11の先端部に
は、アダプタ12を介してコアビット13が着脱可能に
連結されている。このコアビット13は、中空状に形成
されたチューブ14の先端部に、ダイヤモンドビットか
らなるビット15が円周方向へ一体的に設けられた構造
とされている。すなわち、このダイレクトモータ2は、
回転軸11に直結された工具であるコアビット13を直
接回転させるダイレクトタイプのモータである。
【0011】コアビット13は、チューブ14の先端
に、超硬合金、あるいは超砥粒(ダイヤモンド砥粒やC
BN砥粒)をメタルボンドあるいはレジンボンドのよう
なバインダーによって固めたダイヤモンド工具からなる
ビット15を備えたものであって、回転されることによ
ってコンクリートCを掘削し、円柱状のコアを形成可能
となっている。このコアビット13としては、外径40
mm以下が使用可能であり、外径15〜30mmが好適であ
る。また、ビット15の刃厚としては、3.0mm以下が
使用可能であり、1.8mmが好適である。
【0012】ダイレクトモータ2には、そのハウジング
16内に、回転軸11が挿通されて一体的に固定された
ロータ17と、このロータ17の外周囲に設けられた円
筒状のステータ18とを有している。この回転軸11
は、ロータ17の中心に形成された挿通孔17a内に挿
通されており、この挿通孔17a内へ圧入することによ
り一体的に固定されている。図3に示すように、このス
テータ18は、周方向へ間隔をあけて配設されたマグネ
ットMと、これらマグネットM間に設けられてマグネッ
トMを所定位置に支持させるスチール製のヨークYとを
有している。
【0013】ハウジング16の上壁部16a及び下壁部
16bの内側には、ロータ12を回転自在に支持するた
めの軸受19a、19bがそれぞれ設置されている。す
なわち、軸受19a、19bは、ロータ17の中心に挿
通された回転軸11の上下端部近傍を支持するようにな
っており、回転軸11及びこの回転軸11が挿通された
ロータ17に作用するスラスト方向の力とラジアル方向
の力とを受けることが可能な構成となっている。
【0014】このダイレクトモータ2の後端部には、ロ
ータリージョイント21が設けられている。このロータ
リージョイント21は、ハウジング16の上壁部16a
に取り付けられており、回転軸11の後端部と回転可能
にかつ液密状態に連結されている。
【0015】このロータリージョイント21には、回転
軸11の中心の貫通孔11aと連通する流路22が形成
されており、この流路22は、ロータリージョイント2
1の側方に開口されている。この側方に開口された開口
部23には、チューブ24が接続されるようになってお
り、このチューブ24から冷却水が送り込まれるように
なっている。そして、このチューブ24からロータリー
ジョイント21の流路22へ送り込まれた冷却水は、こ
のロータリージョイント21の流路22を通り、回転軸
11の貫通孔11aへ導かれ、その後、回転軸11の先
端部にアダプタ12を介して連結されたコアビット13
のチューブ14内に送り込まれ、ビット15による掘削
箇所が冷却されるようになっている。
【0016】また、ロータリージョイント21には、そ
の後端部に、取り付けねじ部31が形成されており、こ
の取り付けねじ部31には、キャップ32がねじ込み固
定されるようになっている。このキャップ32には、そ
の中心に挿通孔34が形成されている。また、ロータリ
ージョイント21には、キャップ32の挿通孔34及び
回転軸11の貫通孔11aと連通する連通孔35が形成
されている。そして、これら互いに連通した挿通孔3
4、連通孔35及び貫通孔11aには、押出棒36が挿
通されている。なお、押出棒36とキャップ32の挿通
孔34との間には、Oリング37が設けられてシールさ
れている。
【0017】また、ダイレクトモータ2には、回転軸1
1の先端側に冷却ファン26が設けられており、回転軸
11が回転されることにより、ハウジング16の先端側
に形成された吸気口27からハウジング16内に空気を
引き込み、ダイレクトモータ2内へ吹き付け、その後、
ステータ18とロータ17との隙間や、ステータ18の
マグネットM及びヨークYとハウジング16との空間部
分へ通し、ハウジング16の上壁部16aに形成された
排出口28から外部へ排出させるようになっている。
【0018】なお、符号25は、ダイレクトモータ2の
ハウジング16内における上方側にて、回転軸11に接
触するように、その周方向へ配設されたブラシ部であ
り、このブラシ部25から駆動電流が供給されるように
なっている。
【0019】また、ステータ18のマグネットMとして
は、一般的に用いられるフェライトマグネットあるいは
アルニコマグネットと比較して、遥かに高い最大磁気エ
ネルギー積を有したネオジウム・鉄・ボロン系もしくは
サマリウム・コバルト系の希土類の高密度マグネットが
用いられている。
【0020】なおまた、ロータ12とステータ13とを
備えたダイレクトモータ2は、ブラシ付きモータあるい
はブラシレスモータのいずれの形態でも良い。また、上
記の例では、ステータ18側にマグネットMを設け、ロ
ータ17側をコイルとしたが、ステータ18側をコイル
とし、ロータ17側にマグネットを設けても良く、ある
いは両者をコイルとしても良い。
【0021】次に、上記構成の高速穴あけ装置1を用い
て被掘削物であるコンクリートCに穴をあける場合につ
いて説明する。まず、支柱4の上方側へ位置させたダイ
レクトモータ2を、コンクリートCの所定の穴あけ位置
に、回転軸11の軸線が一致するように位置決めし、基
台3をコンクリートCに固定する。
【0022】このように高速穴あけ装置1をコンクリー
トCに設置したら、ダイレクトモータ2のロータ17
(あるいはステータ18)のコイルに通電し、ロータ1
7を約4000rpm以上の高速にて回転させるととも
に、図示しない冷却水供給装置(冷却液供給源)からチ
ューブ24を介して冷却水を送り込む。
【0023】そして、この状態において、移動機構5に
よってダイレクトモータ2を下降させることにより、回
転軸11の先端部に連結したコアビット13のビット1
5をコンクリートCの表面に当接させる。このようにす
ると、高速にて回転されているビット15によってコン
クリートCに環状の穴Hが形成される。その後、所定深
さまで環状の穴Hを形成したら、ダイレクトモータ2を
上昇させて穴Hからビット15を引き抜き、中心のコア
を取り除くことにより、アンカー穴が形成される。
【0024】ここで、ダイレクトモータ2を上昇させて
穴Hからビット15を引き抜いた際に、コアビット13
内にコアが残留した場合は、押出棒36を先端部側へ押
し出す。このようにすると、この押出棒36によってコ
アビット13内に残留したコアを極めて容易にコアビッ
ト13の先端から押し出すことができる。
【0025】このように、上記構造のダイレクトモータ
2によれば、回転軸11を回転させることにより、この
回転軸11に取り付けられたコアビット13をギヤやベ
ルト等の伝達機構を介さずに直接回転させるものである
ので、ギヤ付きモータと比較して、伝達ロスをなくすこ
とができ、小型・軽量化を図ることができ、これによ
り、取り扱い性を向上させることができ、しかも、回転
軸11の振れを最小限に抑えることができる。また、発
生する騒音も最小限に低減させることができる。
【0026】つまり、コアビット13の先端部のビット
15は、回転軸11からコアビット13に直接回転力を
付与させるダイレクトモータ2によって回転されるの
で、極めて高速(4000rpm以上)にて回転され、こ
れにより、ビット15の周速を極めて高速化することが
できる。つまり、このようにビット15を高速にて回転
させることができるので、ビット15への工具負荷が小
さくされ、これにより、ビット15の刃厚を3.0mm以
下という薄さとしても、穿孔方向に加わる力である法線
力を小さくして、穿孔時間の短縮化を図ることができ
る。
【0027】また、ロータ17もしくはステータ18の
いずれか一方に設けられたマグネットが、ネオジウム・
鉄・ボロン系もしくはサマリウム・コバルト系の希土類
の高密度マグネットであるので、ロータ17もしくはス
テータ18の大きさを小さくすることができ、これによ
り、さらなる小型・軽量化を図ることができる。
【0028】また、ロータ17の中心に形成された挿通
孔17aへ回転軸11を圧入して直接固定して一体化し
たものであるので、全体の剛性を大幅に向上させること
ができ、これにより、コアビット13を高速回転させて
穴を形成することが可能となり、従来の低速にて穴を形
成していた場合と比較して、その穿孔速度を大幅に高め
ることができる。
【0029】これにより、穿孔作業を迅速に行うことが
でき、穿孔作業を有する各種施工作業の工期の短縮化を
図ることができる。また、エンジン、油圧モータあるい
はギヤ付きモータを用いた場合と比較して、騒音を大幅
に低減(約70dB程度)させることができ、さらには、
部品点数が少ないので、メンテナンス作業にかかる労力
も大幅に低減させることができる。しかも、回転軸11
の中心に貫通孔11aが形成されているので、回転軸1
1の後端部からコアビット13の刃先であるビット15
へ冷却水や冷却空気を供給して、良好な掘削を行わせる
ことができる。さらには、アダプタ12によってコアビ
ット13を着脱させることにより、各種の径のコアビッ
ト13との交換を容易に行うことができる。これによ
り、コアビット13の交換などといったメンテナンスを
容易に行うことができ、作業性を向上させることがで
き、さらに、コアビット13が交換可能であるので、様
々な刃厚や形状のビット15を有したものを選択して用
いることができる。
【0030】
【実施例】次に、上記ダイレクトモータ2を用いた高速
穴あけ工法の実施例を説明する。 (実施例1)ダイレクトモータ2によってダイヤモンド
工具からなるビット15を低速及び高速にて回転させ
て、深さ寸法150mm、直径25mmの環状の穴Hをコン
クリートCに形成した際の穿孔時間及び騒音を測定し
た。
【0031】
【表1】
【0032】このように、回転速度を高速にすることに
より、低速と比較して、その穿孔時間は、約半分となる
ことがわかった。また、騒音は、低速、高速に関わらず
70dB台であった。なお、図4及び図5に、本実施例に
て用いたダイレクトモータ2の性能を示す。図4に示す
ものは、加負荷時低速回転の場合を示し、図5に示すも
のは、加負荷時高速回転の場合を示す。
【0033】図4からわかるように、低速時(約300
0rpm)においては、トルク値が約1Nm程度であり、図
5からわかるように、高速時(約6000rpm)におい
ては、トルク値が約0.7Nm程度であった。つまり、高
速回転にて穴Hを形成する場合、トルク値は、低速回転
時よりも小さくなることがわかった。
【0034】(実施例2)通常の電動モータ及びダイレ
クトモータ2を用い、ダイヤモンド工具からなるビット
15によって直径25mm(ビット径25mm)、深さ20
0mmの穴Hを形成した。なお、回転数は、電動モータ:
950rpm、ダイレクトモータ:5980rpmであった。
この結果、電動モータの場合は、穿孔時間が1分25秒
であり、ダイレクトモータ2の場合は、38秒であっ
た。また、そのときの上方からの押さえ付力(自重は除
く)は、通常モータでは300〜400N、ダイレクト
モータ2では50〜150Nであった。
【0035】(実施例3)通常の電動モータ及びダイレ
クトモータ2を用い、先端部にダイヤモンドビット15
が設けられた円筒状のコアビット13によって直径20
mm、深さ130mmの穴Hを形成し、ビット15の周速の
違いによる穿孔時間及び騒音を測定した。なお、このと
きの回転数は、ダイレクトモータ2が約4600rpmで
あり、通常の電動モータが約1050rpmであった。
【0036】
【表2】
【0037】このように、ビット15の周速を高速(2
50m/min以上)とすることにより、周速が低速である
場合と比較して、その穿孔時間が極めて短くなり、切削
能率が大幅に向上することがわかった。また、騒音は、
低速のときよりも10dB低くなった。
【0038】(実施例4)直径25mm(ビット径25m
m)、深さ200mmの穴Hを、回転数6000rpmにて、
刃厚1.8mm、2.0mm、3.0mm、さらに3.5mmの異な
るビット15によってコンクリートからなる被掘削物に
湿式にて複数回穿孔し、その時の穿孔時間の比較を行っ
た。
【0039】図6に示すように、刃厚3.0mmのビット
15を用いた場合は、穿孔回数13回目あたりまで、ま
た、刃厚2.0mmのビット15を用いた場合は、穿孔回
数15回目あたりまで極めて良好な切れ味が維持し、特
に、刃厚1.8mmのビット15を用いた場合は、穿孔回
数を重ねても常に良好な切れ味が維持された。これに対
して、刃厚3.5mmのビット15を用いた場合は、穿孔
回数6回目あたりで、目詰まりを生じて切れ味が悪くな
った。つまり、この刃厚では、自生発刃による良好な切
れ味の持続が困難であることがわかった。なお、試験終
了後、刃先を観察した結果、刃厚3.5mmは摩耗が顕著
に現れ、また、刃厚3.0mm、2.0mmのビット15は、
多少摩耗していたのに対して、刃厚1.8mmのビット1
5は、顕著な摩耗がみられなかった。
【0040】このように、高速回転(4000rpm以
上)にて穿孔する場合、ビット15は、刃厚が薄い方が
穿孔時間を短縮することができ、しかも、摩耗量も少な
く、良好な切れ味を持続させることができることがわか
った。これは、ビット15への負荷が小さくされること
により、良好な自生発刃作用を生じることによるもので
ある。つまり、高速回転による穿孔の場合、ビット15
への負荷を減少させることができ、これにより、刃厚の
薄いビット15を用いても、座屈等の不具合を生じるこ
となく、常に良好な切れ味を維持しながら円滑な穿孔を
行うことができ、さらなる高速穿孔が可能であることが
わかった。
【0041】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の高速穴
あけ装置及び高速穴あけ工法によれば、下記の効果を得
ることができる。請求項1記載の高速穴あけ装置あるい
は請求項2記載の高速穴あけ工法によれば、モータの回
転軸に、外径40mm以下、刃厚3.0mm以下のビットが
先端部に設けられたコアビットを連結し、モータによっ
て直接回転させるのでコアビットの触れが最小限に抑え
られてこのコアビットを4000rpm以上の高速回転に
て回転させることができ、従来の低速にて穴をあける場
合と比較して、その穿孔速度を大幅に高めることができ
る。これにより、穴あけ加工を迅速に行うことができ、
穴あけ作業を有する各種施工作業の工期の短縮化を図る
ことができる。また、エンジン、油圧モータあるいはギ
ヤ付き電動モータを用いた場合と比較して、騒音を大幅
に低減(約70dB程度)させることができ、また、部品
点数が少ないので、メンテナンス作業にかかる労力も大
幅に低減させることができる。このように、コアビット
を4000rpm以上という高速回転させることにより、
ビットへの工具負荷が小さくされ、これにより、ビット
の刃厚を3.0mm以下という薄さとしても、穿孔方向に
加わる力である法線力が小さくされ、座屈等の不具合を
生じることなく、常に良好な切れ味を維持しながら円滑
な穿孔を行うことができ、穿孔時間の短縮化を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の高速穴あけ装置及び高速穴あけ工法
の実施形態の一例を示す高速穴あけ装置の側面図であ
る。
【図2】 高速穴あけ装置に用いられるダイレクトモー
タの構造を説明するダイレクトモータの断面図である。
【図3】 高速穴あけ装置に用いられるダイレクトモー
タの構造を説明するダイレクトモータの横断面図であ
る。
【図4】 本発明の高速穴あけ工法の実施例にて用いた
ダイレクトモータの性能を示すグラフ図である。
【図5】 本発明の高速穴あけ工法の実施例にて用いた
ダイレクトモータの性能を示すグラフ図である。
【図6】 異なる刃厚のビットを用いた穴あけ試験の結
果を示すグラフ図である。
【図7】 従来の穴あけ装置の構造を説明する穴あけ装
置の断面図である。
【符号の説明】
1 高速穴あけ装置 2 ダイレクトモータ(モータ) 11 回転軸 13 コアビット 15 ビット 17 ロータ 18 ステータ C コンクリート(被掘削物)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 真崎 繁 東京都千代田区大手町一丁目5番1号 三 菱マテリアル株式会社内 (72)発明者 今岡 稔雄 神奈川県横浜市都筑区佐江戸町681 日本 ダイヤモンド株式会社内 (72)発明者 佐藤 九州男 東京都千代田区外神田5−3−13 恩田ビ ル201 Fターム(参考) 3C069 AA04 BA09 BB01 BB03 BC02 CA10 EA01 EA03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被掘削物を環状に掘削するビットを有し
    た円筒状のコアビットと、このコアビットをギヤやベル
    トなどの伝達機構を介さず直接回転させることにより4
    000rpm以上にて高速回転させるモータとを備えた高
    速穴あけ装置であって、 前記モータは、先端部に前記コアビットが取り付けられ
    る円筒状の回転軸が貫通されて一体的に設けられた筒状
    のロータと、 このロータの外周囲に設けられた円筒状のステータと、 前記回転軸に前記コアビットを連結するアダプタとを備
    え、 前記コアビットのビットは、外径40mm以下、刃厚3.
    0mm以下とされていることを特徴とする高速穴あけ装
    置。
  2. 【請求項2】 回転軸が挿通されて固定された筒状のロ
    ータの外周に円筒状のステータが設けられたモータの前
    記回転軸に、被掘削物を環状に掘削するビットを有する
    円筒状のコアビットをギヤやベルトなどの伝達機構を介
    さず直接取り付け、前記回転軸を回転させることにより
    前記コアビットを直接回転させて前記ビットによって前
    記被掘削物に穴をあける穴あけ工法であって、 前記コアビットとして、外径40mm以下、刃厚3.0mm
    以下のビットを有するコアビットを用い、 穴あけ時における前記回転軸の回転速度を4000rpm
    以上として前記コアビットによって前記被掘削物に穴を
    あけることを特徴とする高速穴あけ工法。
JP2000367134A 2000-06-12 2000-12-01 高速穴あけ装置及び高速穴あけ工法 Withdrawn JP2002067027A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000367134A JP2002067027A (ja) 2000-06-12 2000-12-01 高速穴あけ装置及び高速穴あけ工法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-176035 2000-06-12
JP2000176035 2000-06-12
JP2000367134A JP2002067027A (ja) 2000-06-12 2000-12-01 高速穴あけ装置及び高速穴あけ工法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002067027A true JP2002067027A (ja) 2002-03-05

Family

ID=26593772

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000367134A Withdrawn JP2002067027A (ja) 2000-06-12 2000-12-01 高速穴あけ装置及び高速穴あけ工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002067027A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003002320A1 (fr) * 2001-06-29 2003-01-09 Mitsubishi Materials Corporation Outil, dispositif et procede de forage
CN103624500A (zh) * 2013-12-13 2014-03-12 哈尔滨电气动力装备有限公司 电机转子轴深孔加工工艺
CN108927905A (zh) * 2018-07-27 2018-12-04 四川大学 一种用于工程钻机的复合超声振动套料加工装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003002320A1 (fr) * 2001-06-29 2003-01-09 Mitsubishi Materials Corporation Outil, dispositif et procede de forage
US7131795B2 (en) 2001-06-29 2006-11-07 Mitsubishi Materials Corporation Tool device, and method for drilling
CN103624500A (zh) * 2013-12-13 2014-03-12 哈尔滨电气动力装备有限公司 电机转子轴深孔加工工艺
CN108927905A (zh) * 2018-07-27 2018-12-04 四川大学 一种用于工程钻机的复合超声振动套料加工装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1093897B1 (en) High speed-perforating apparatus and method for using such an apparatus
EP1407865B1 (en) Tool, device and method for drilling
JP4829572B2 (ja) 穿孔方法、制御方法、及び穿孔装置
JP2002067027A (ja) 高速穴あけ装置及び高速穴あけ工法
KR20010077918A (ko) 굴삭장치
JP2000238033A (ja) コンクリートの穿孔方法及び穿孔機
JP2001251811A (ja) ダイレクトモータ
TW497322B (en) Excavation equipment
JP2001241283A (ja) 掘削装置
JP2001288975A (ja) コアビット及び掘削装置
JP2003127132A (ja) 掘削工具および掘削方法
JP2001288976A (ja) コアビット及び掘削装置
JP2001298904A (ja) 掘削装置
JP2001057757A (ja) 中空型モータ
JP2019126912A (ja) 穿孔装置
JP2002301614A (ja) 穿孔工具及び穿孔装置
JP2003094430A (ja) コアビット及び掘削装置
JP2001055884A (ja) 掘削装置
JP2001241284A (ja) 掘削装置
JP2001173350A (ja) ターボブロア機能を有するダイレクトモータ及びそれを用いた掘削装置
JP2003025322A (ja) 穿孔機及び穿孔工法
JP2002096319A (ja) コアドリル装置
JP2003127130A (ja) コアビット及び掘削装置
JP2002285773A (ja) さく岩機
JP2001262969A (ja) 掘削装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080205