JP2003127132A - 掘削工具および掘削方法 - Google Patents

掘削工具および掘削方法

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JP2003127132A
JP2003127132A JP2001323821A JP2001323821A JP2003127132A JP 2003127132 A JP2003127132 A JP 2003127132A JP 2001323821 A JP2001323821 A JP 2001323821A JP 2001323821 A JP2001323821 A JP 2001323821A JP 2003127132 A JP2003127132 A JP 2003127132A
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excavating
excavated
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Shigeru Mazaki
繁 真崎
Takeshi Kawahara
剛 川原
Toshio Imaoka
稔雄 今岡
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Mitsubishi Materials Corp
Nippon Diamond Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Nippon Diamond Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被掘削物に対して容易かつ迅速に溝あるいは
スリットを形成する。 【解決手段】 脆性材料からなる被掘削物を掘削するた
めの掘削工具10の、円柱外面を有し軸線回りに回転さ
れる工具本体11の外周面および先端面に、それぞれ、
外刃11Aおよび先刃11Bを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート、ア
スファルト、御影石や大理石等の石材および岩盤等の脆
性材料からなる被掘削物を掘削する、掘削用工具および
掘削工法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、既設のコンクリート壁に窓枠を
設けるなど、コンクリートの一部をくり貫く場合には、
窓枠が設けられる壁の部分をウォールソーによって切り
取る工法や、ライン掘り工法が行われている。また、ア
スファルト等の道路上やコンクリート壁に所定の幅の溝
を形成する場合や、建物のコンクリート壁に上下方向へ
溝あるいはスリットを形成して耐震用の弱強度部分を設
けておき、崩壊を防ぐ場合などにも、ウォールソーやラ
イン掘りが行われている。
【0003】ライン掘り工法とは、コンクリート製の壁
等の被掘削物に、軸方向に交わる径方向に互いに連なる
ように複数の孔を連続的に形成して、一連のラインを形
成する工法である。このライン掘り工法により、たとえ
ば、壁を貫通するライン(スリット)を形成して、この
スリットに囲まれた部分を取り除くことにより、壁の一
部をくり貫き、窓枠を設けることもできる。
【0004】ライン掘りには、超硬合金あるいは結合相
の中に超砥粒が分散配置されて形成された刃先部を、円
筒状の工具本体の先端に設けてなる100〜150mm
のコアビットが用いられる。このコアビットを用いる穿
孔は、モータ等の回転駆動装置で工具本体を回転駆動さ
せながら、コアビットの先端を被掘削物に押し当てるよ
うにして行われる。
【0005】図6は、上記ライン掘り工法の一例を説明
する斜視図である。コンクリート製の壁などの被掘削物
Cを穿孔する穿孔装置Mは、円筒状の工具本体の先端に
刃先部が設けられたコアビット80と、このコアビット
80を軸線回りに回転させるための回転駆動装置81と
を備えた穿孔装置本体82とを有し、被掘削物Cに固定
された設置部83と、この設置部83に固定された支柱
部84と、この支柱部84にピニオンラック機構により
進退自在に取り付けられて穿孔装置本体82を保持する
スライド機構85とによって、被掘削物C上に設置され
ている。
【0006】この穿孔装置を用いてライン掘りを行うに
は、まず、あらかじめ被掘削物Cにアンカを設け、この
アンカに穿孔装置の設置部83を固定して穿孔装置の位
置決めを行い、工具本体を回転させながらスライド機構
85によって穿孔装置本体82を被掘削物Cに向けて前
進させ、回転するコアビット80の先端を被掘削物Cに
押圧して一つ目の孔を形成する。
【0007】一つ目の孔を形成した後、設置部83を被
掘削物Cから取り外し、一つ目の孔に連なるように次の
孔を形成するべく、新たなアンカを被掘削物Cに設け
て、このアンカに設置部83を固定し直す。そして、先
に形成された一つ目の孔に対して径方向に連なるように
次の孔を形成する。以上のような工程を繰り返すことに
よって、一連のライン86が形成される。
【0008】このようなライン掘り工法は、工具本体
(コアビット80)の長さを変更することにより、壁の
厚さが厚く深い溝を形成する際にも対応することが可能
であり、大きな作業スペースを必要としないため、道路
の溝端部や建物の天井付近や床面付近などの場所におい
ても施工が可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ライン
掘りを行う際には、上述したように、径方向に連続した
孔を形成するために、一回の穿孔が終わる度に、次に形
成すべき孔の位置まで穿孔装置Mを逐次移動させなけれ
ばならない。つまり、被掘削物Cに一旦固定した設置部
83を再び取り外し、被掘削物Cに新たにアンカを設け
てこのアンカに設置部83を固定し直しては穿孔すると
いう煩雑な作業を繰り返して、多数の孔を形成しなけれ
ばならない。さらに、穿孔装置Mを被掘削物Cに取り付
けたり取り外したりする作業では、同時にアンカ用の孔
87をも設けなければならず、作業効率が極めて悪いと
いう問題を有していた。
【0010】また、溝の内壁部にはコアビット80の断
面形状による凹凸部が形成されているため、このように
多数の孔を連続させた後で、この凹凸部を平滑化する加
工を行う必要もあった。
【0011】これに対し、ウォールソーを用いる工法で
は、ライン掘り工法とは異なり、連続的に壁を切断する
ことができるとともに、歯厚の幅の溝あるいはスリット
を連続的に形成することができる。また、2本の溝を平
行に形成してこの溝の間をはつることにより、カッター
の歯厚よりも幅広な溝を形成することもできる。
【0012】しかしながら、ウォールソーを用いて溝を
形成する際には、幅広の1本の溝を形成するのに2回の
溝形成作業に加えてはつり作業を行わなければならず、
作業効率が極めて悪いという問題があった。また、円盤
状のカッターを用いているために、形成された溝の隅部
分にウォールソーの半径と同じ曲率半径を有する切り残
しが発生してしまう。さらに、深い溝を形成する(ある
いは厚い壁を切断する)にはカッターの直径を大きくし
なければならないので、形成する溝が深くなる(あるい
は切断する壁が厚くなる)ほどウォールソー、ならびに
ウォールソーを駆動する機構を含む装置全体が大型化し
てしまうという問題があった。
【0013】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、被掘削物に対して容易かつ迅速に溝あるい
はスリットを形成することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明に係る掘削工具は、脆性材料からな
る被掘削物を掘削するための掘削工具であって、円柱外
面を有し軸線回りに回転される工具本体の外周面および
先端面に、それぞれ、外刃および先刃が設けられること
を特徴としている。この発明の掘削工具によれば、工具
本体の外周面と先端面とに刃部を有するので、被掘削物
に対して軸方向に前進させることにより穿孔が可能であ
るとともに、穿孔し被掘削物内に進入した状態の工具本
体を径方向に移動させることにより、工具本体の外径に
応じた幅で掘削することができる。つまり、工具を交換
することなく容易かつ迅速に溝あるいはスリットの形成
を行うことができる。
【0015】請求項2の発明にかかる掘削工具は、請求
項1の掘削工具において、工具本体の先端部が円筒状に
形成され、その内周面に内刃が設けられていることを特
徴としている。この発明の掘削工具によれば、円筒状の
先端部内周面に内刃が設けられているので、この内刃の
深さ分の穿孔を行った後、掘削工具を径方向に移動させ
ることにより、外刃により被掘削物を掘削しつつ内周側
に残った被掘削物(コア)を内刃により削ることができ
る。つまり、コアの除去を行わなくてもそのまま径方向
の移動による掘削を進めることが可能になる。
【0016】請求項3の発明にかかる掘削工具は、請求
項1または2の掘削工具において、工具本体の外周面
に、外刃表面に対して凹となる溝部が形成され、この溝
部は、回転方向前方側へ向かって後端側へ向かう螺旋状
であることを特徴としている。この発明の掘削工具によ
れば、溝部が形成された工具本体を回転させると、溝部
内の切粉が工具本体の後端側から先端側へと集められる
ので、切粉の飛散を防止することができる。
【0017】請求項4の発明にかかる掘削工具は、請求
項1から3の掘削工具において、工具本体を軸方向に貫
通し、工具本体の先端面に開口する貫通孔が形成されて
いることを特徴としている。この発明の掘削工具によれ
ば、掘削しながら、この貫通孔を介して切粉を外部に吸
引することができるので、切粉の飛散を防止することが
できる。
【0018】請求項5の発明にかかる掘削工具は、請求
項4の掘削工具において、工具本体を径方向に貫通し、
工具本体の外周面にて開口する連通孔が形成されている
ことを特徴としている。この発明の掘削工具によれば、
連通孔を介して水等の流体を工具本体に供給することが
できるので、水の供給による工具の過熱防止や切粉の飛
散防止を図ることができる。
【0019】請求項6の発明にかかる掘削工法は、脆性
材料からなる被掘削物を掘削する掘削方法であって、円
柱外面の外周面および先端面に刃面を有する掘削工具を
軸線回りに回転させて、その先端面を被掘削物に押し当
てて軸方向に前進させることにより、被掘削物を穿孔し
た後、この被掘削物内に進入した状態の掘削工具を径方
向に移動させ、その外周面を被掘削物に押し当てること
により、被掘削物を掘削して所定形状の掘削部を形成す
ることを特徴としている。この発明の掘削工法によれ
ば、先端面の刃面で被掘削物を穿孔して掘削工具を被掘
削物内に進入させ、外周面の刃面を径方向に移動させて
溝あるいはスリットを形成することができる。つまり、
多数の孔を連続して形成するライン掘り工法のような煩
雑な作業を行わずに、極めて容易かつ迅速に溝あるいは
スリットを形成することが可能となる。
【0020】請求項7の発明にかかる掘削工法は、請求
項6の掘削工法において、外周面に螺旋状の溝部が形成
された掘削工具を、この溝部内の切粉が掘削工具先端側
へ送られる方向に回転駆動させ、被掘削物を掘削すると
ともに溝部内の切粉を掘削工具先端側へ移動させ、さら
にこの切粉を、掘削工具を軸方向に貫通し先端面にて開
口する貫通孔を介して、掘削部の外部に排出させること
を特徴としている。この発明の掘削工法によれば、溝部
を有する掘削工具の回転により、掘削工具の溝部内の切
粉が掘削工具の先端側へ集められ、さらに、この切粉を
掘削工具の貫通孔を介して外部へ排出させるので、切粉
の飛散を防止しながら掘削することができる。
【0021】請求項8の発明にかかる掘削工法は、請求
項6または7の掘削工法において、掘削工具により所定
形状の掘削部を形成した後、この掘削部内において、掘
削工具の軸方向前進および径方向移動を繰り返すことに
より、掘削部内をさらに掘削することを特徴としてい
る。この発明によれば、所定形状の掘削部内で、さらに
掘削工具を移動させることにより、掘削部の深さを増し
たり、溝幅を大きくするように掘削を行うことができる
ので、一度の穿孔および工具の径方向移動では形成する
ことができないような深さや形状の多様な掘削部を形成
する場合にも、工具の交換が不要となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施
形態による掘削工具10を示す図である。この掘削工具
10は、工具本体11とシャンク12とを有し、図2に
示すように軸中心を貫通して工具本体11の先端面にて
開口する貫通孔10aが形成されている。工具本体11
は、円筒状の基部13の外周面に、メタルボンドあるい
はレジンボンドのようなバインダ材を焼結してなる結合
相の中に超砥粒(ダイヤモンド砥粒やCBN砥粒)を分
散配置させた、刃部を有する外刃11Aが形成されてい
る。本実施形態では、刃部を有する略直方体形状のセグ
メントSを多条の螺旋状に配列して基部13に固定する
ことにより、上述した外刃11Aを螺旋状に形成してい
る。
【0023】工具本体11の先端部は円筒状に形成され
ており、基部13上に配列されたセグメントSにより、
その先端面には先刃11Bが形成され、内周面には内刃
11Cが形成されている。なお、この先刃11Bはセグ
メントSにより形成されているため完全な環状ではな
く、円弧形状を間欠的に配置したものとなっているが、
この先端部のみセグメントSを連続的に環状に配列し
て、環状の先刃を形成してもよい。
【0024】セグメントSは基部13の円柱外面に多条
螺旋状に配列され、これにより工具本体11の外周面に
は多条螺旋状の溝部14が形成されている。さらに、こ
のセグメントSおよび溝部14は、工具本体11の回転
方向前方側へ向かって後端側へ向かう螺旋状に形成され
ていて、このような溝部14が形成された工具本体11
を回転させると、溝部14内の流体や切粉は先端側へ送
られることとなる。
【0025】さらに、掘削工具10には、工具本体11
の軸方向に貫通し先端面にて開口する貫通孔10aと、
工具本体11を径方向に貫通し、工具本体11の外周面
にて開口する連通孔11aとが形成されている。この貫
通孔10aは、基端側で吸引装置(図示せず)に接続さ
れ、工具本体11の先端近傍から切粉等を吸引するため
の通路となる。連通孔11aは、基端側で水等の供給装
置(図示せず)に接続され、工具本体11の外周面に冷
却用あるいは切粉飛散防止用の水を供給するための通路
となる。
【0026】図3は、この掘削工具10を備える掘削装
置20を被掘削物Cに取り付ける移動装置60の構成を
示す斜視図である。図3において、符号Cはアスファル
ト、コンクリート、御影石や大理石等の石材および岩盤
等脆性材料の被掘削物である。符号20は掘削装置であ
り、被掘削物Cに対し掘削工具10を移動可能に保持す
るように取り付けられている。この掘削装置20は、回
転駆動部21と、この回転駆動部21により回転され
る、掘削工具10を保持するためのアダプタ22とを有
し、支持部41に固定されている。
【0027】図4は、回転駆動部21の内部構成を示す
断面図である。回転駆動部21は、アダプタ22(およ
び掘削工具10)を回転させるダイレクトモータ30を
備えている。ダイレクトモータ30は、図4に示すよう
に、ギヤ等の回転伝達機構を用いずにアダプタ22を直
接回転させるダイレクトタイプのモータで、直径15〜
200mmの工具本体11が、穿孔時に0.6〜6N/
mm2の圧力で被掘削物Cに押し当てられながら、25
0〜2000mm/minの周速で回転可能となるよう
に構成されている。このダイレクトモータ30は、ハウ
ジング31内に、たとえばポリイミド等の耐熱樹脂が被
覆させたコイルが巻回されてなるロータ32と、このロ
ータ32の外周面に設けられ、永久磁石を有する円筒状
のステータ33とを備えている。回転軸34は、ロータ
32中心に形成された挿通孔32a内へ圧入されるよう
にして挿通されるとともに、ロータ32に一体に固定さ
れている。
【0028】ここで、ステータ33のマグネットとして
は、小型軽量で高いトルクが得られるように、一般的に
用いられるフェライトマグネットあるいはアルニコマグ
ネットと比較して、遙かに高い最大磁気エネルギー積が
100kJ/m3以上とされたネオジウム・鉄・ボロン
系もしくはサマリウム・コバルト系の希土類の高密度マ
グネットが用いられている。また、ロータ32は、その
直径がその長さ寸法より小さい値とされている。これに
より、本実施形態におけるダイレクトモータ30のトル
ク定数は、0.12Nm/Aとなるように設定されてお
り、本実施形態において、発生トルク(単位はNm)と
ダイレクトモータ30に流れる電流Im(単位はA)と
の間には、T=0.12×Im−0.6の関係が成立し
ている。
【0029】なお、ダイレクトモータ30を納めるハウ
ジング31には、その上壁部31aおよび下壁部31b
の内側に、回転軸34を回転自在に支持するための軸受
35a、35bがそれぞれ設置され、この軸受35a、
35bにより、ロータ32の中心に挿通された回転軸3
4の上下端部近傍が支持されている。これにより、回転
軸34およびこの回転軸34が挿通されたロータ32に
作用するスラスト方向の力とラジアル方向に力とを受け
ることが可能な構成となっている。また、ダイレクトモ
ータ30のハウジング31には、その内側上方側にて回
転軸34に接触するように、ブラシ部36が周方向に配
設されており、このブラシ部36に直流の電圧が印加さ
れ、駆動電流が供給されるようになっている。
【0030】ダイレクトモータ30の後端部には、回転
軸34の後端部と回転可能かつ気密状態に連結されたメ
カニカルシール部mを回転自在に支持する回転軸支持台
37と、回転軸支持台37の上に固定され、回転軸34
の後端部を収容する上部ハウジング38とが設けられて
いる。この上部ハウジング38には、回転軸34の中心
の貫通孔34aと連通する流路38aが形成されてお
り、この流路38aは、上部ハウジング38の側方に開
口されている。この側方に開口された開口部38bに
は、図1に示す配管38Aが接続可能とされている。こ
の配管38Aから、掘削工具10の先端近傍の切粉を、
掘削工具10の貫通孔10a、アダプタ22、回転軸3
4の貫通孔34a、上部ハウジング38の流路38aを
介して吸引できるようになっている。
【0031】また、上部ハウジング38には、その後端
部に、取り付けねじ部38cが形成されており、この取
り付けねじ部38cには、キャップ39がねじ込み固定
されるようになっている。このキャップ39には、その
中心に挿通孔39aが形成されている。また、上部ハウ
ジング38には、キャップ39の挿通孔39aおよび回
転軸34の貫通孔34aと連通する連通孔38dが形成
されている。そして、これら互いに連通した挿通孔39
a、連通孔38dおよび貫通孔34aには、掘削工具1
0装着時に挿通される押出棒Bが挿通可能とされてお
り、挿通孔39aは、掘削工具10装着時に閉塞可能と
されている。なお、押出棒Bとキャップ39の挿通孔3
9aとの間には、Oリングが設けられてシールされてい
る。
【0032】図3に戻り、掘削装置20を支持する支持
部41は、内部にピニオン(図示せず)を有し、このピ
ニオンと係合するラック42aを有する支柱部42に対
して、図の上下方向に進退自在に取り付けられている。
ピニオンにはレバー43が連結されており、このレバー
43を回転させることにより、支持部41はラック42
aに対して移動される。これら支持部41および支柱部
42によって、掘削装置20を図の上下方向に移動させ
る第1スライド機構40が構成されている。
【0033】第1スライド機構40の支柱部42は、そ
の下端部が設置部51に取り付けられている。設置部5
1は、移動台52に対して脱着自在に取り付けられてい
る。
【0034】移動台52は、被掘削物C上に固定された
レール53に沿って移動可能に取り付けられていて、こ
れら移動台52およびレール53によって、第1スライ
ド機構40をスライド移動させる第2スライド機構50
が構成されている。
【0035】移動台52には、レール53上を移動する
ための移動台駆動機構54が備えられている。この移動
台駆動機構54は、ピニオン54aと、このピニオン5
4aを回転駆動させるサーボモータを内部に備えたピニ
オン駆動部54bとを有している。ピニオン54aは、
レール53に設けられたラック53aと係合していて、
このピニオン54aがピニオン駆動部54bにより回転
駆動されることにより、移動台52がレール53に沿っ
て移動される。なお、このピニオン駆動部54bは、継
ぎ手54cにハンドルLを取り付けて回転させることに
より、サーボモータによらず手動でピニオン54aを駆
動させることができるように構成されている。
【0036】つまり、これらの第1スライド機構40お
よび第2スライド機構50からなる移動装置60は、被
掘削物Cに取り付けられて、掘削工具10を被掘削物C
に対して移動可能に保持することができる。
【0037】以下に、本実施形態の掘削工具10を用い
て被掘削物Cに掘削溝(掘削部)Hを形成する掘削方法
について説明する。まず、掘削工具10を取り付けた掘
削装置20を、あらかじめ被掘削物Cの所定位置に取り
付けられた移動装置60に保持させ、形成する掘削溝H
の端部上方に掘削工具10が位置するように移動装置6
0を設定する。掘削工具10の設置が完了したら、連通
孔11aを介する水の供給と、貫通孔10aを介しての
吸引を開始する。
【0038】次に、回転駆動部21を駆動させて掘削工
具10を回転駆動し、レバー43を操作して掘削工具1
0を支柱部42に沿って、すなわち軸方向(図5の縦方
向)に移動させ、回転する掘削工具10を被掘削物Cに
押し当てて先刃11Bにより被掘削物Cを穿孔する(図
5(a))。なお、このときの穿孔深さdは、掘削工具
10の先端部内周側に形成された内刃11Cの軸方向長
さよりも小さくする。この状態では、被掘削物Cに進入
した掘削工具10の内刃11Cの内周側には、切り残さ
れたコアC1がしている。
【0039】上述した穿孔を行った後、掘削工具10を
回転させたまま移動台駆動機構54を駆動し、掘削工具
10をレール53に沿って、すなわち径方向(図5の横
方向)に移動させる(図5(b))。掘削工具10を径
方向に移動させることにより、内刃11CがコアC1を
削り取り、外刃11Aが被掘削物Cを掘削するので、掘
削工具10が移動した軌跡には掘削溝(掘削部)Hが形
成される(図5(c))。
【0040】なお、掘削工具10による掘削に際し、連
通孔11aから水の供給が行われていることにより、切
粉の飛散と工具本体11の過熱が防止されている。さら
に、掘削工具10の回転により、工具本体11の溝部1
4内の切粉や水が、工具本体11の先端側すなわち掘削
溝H内へと送られる。加えて、貫通孔10aから吸引が
行われていることにより、掘削溝Hへと送られた切粉お
よび供給された水が、掘削溝Hから外部へと排出される
ので、効率のよい切粉飛散防止がなされている。
【0041】この掘削工具10を用いた掘削では、形成
できる掘削溝Hの深さが限定されるが、このようにして
形成した掘削溝H内にて、さらに穿孔し、掘削工具10
の径方向移動による掘削を繰り返すことにより、より深
い掘削溝Hを形成することが可能である。
【0042】また、本実施形態では、レール53を直線
状に形成しているため、形成される掘削溝Hも直線状と
なるが、レールをたとえば曲線などの任意形状に形成す
ることにより、曲線の掘削溝を形成することも可能とな
る。さらに、本実施形態では掘削工具10を被掘削物C
に対して垂直に当接させているため、形成される掘削溝
Hは被掘削物Cに対して垂直な内壁面を有するように形
成されるが、掘削工具を被掘削物に対して傾斜させて当
接させることにより、傾斜した内壁面を有する掘削溝を
形成することも可能である。
【0043】以上のように、本発明の掘削工具10およ
び掘削方法により、工具を交換することなく、切粉の飛
散を防止しながら、任意の形状の掘削溝を容易に形成で
きる。
【0044】なお、前記実施形態において示した各構成
部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の
趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種
々変更可能である。図示のものでは連通孔から掘削工具
に水を供給しながら掘削を行っているが、連通孔を設け
ず水を供給しないで乾式掘削を行い、切粉を貫通孔から
吸引するだけの構成であってもよい。この場合、水の供
給装置が不要となり、連通孔を設けないことにより掘削
工具の構造が単純となるので、コスト低減に有利であ
る。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
係る掘削工具によれば、工具本体の外周面と先端面とに
刃部を有するので、被掘削物に対して軸方向に前進させ
ることにより穿孔が可能であるとともに、穿孔し被掘削
物内に進入した状態の工具本体を径方向に移動させるこ
とにより、工具本体の外径に応じた幅で掘削することが
できる。つまり、工具を交換することなく容易かつ迅速
に溝あるいはスリットの形成を行うことができるので、
作業時間が短縮でき、装置コストや作業コストの低減が
可能となる。
【0046】請求項2の発明にかかる掘削工具によれ
ば、円筒状の先端部内周面にも内刃が設けられているの
で、この内刃の深さ分の穿孔を行った後、掘削工具を径
方向に移動させることにより、外刃により被掘削物を掘
削しつつ内周側に残った被掘削物(コア)を削ることが
できる。つまり、たとえば円柱状の先端部を有する掘削
工具により穿孔するよりも、穿孔時の掘削面積が小さい
ため穿孔時間が短くてすみ、さらにコアの除去を行わな
くてもそのまま径方向の移動による掘削を進めることが
可能になるので、作業時間の短縮が実現される。
【0047】請求項3の発明にかかる掘削工具によれ
ば、溝部が形成された工具本体を回転させると、溝部内
の切粉が工具本体の後端側から先端側へと集められるの
で、切粉の飛散を防止することができ、作業環境の向上
が実現される。
【0048】請求項4の発明にかかる掘削工具によれ
ば、掘削しながら、この貫通孔を介して切粉を外部に吸
引することができるので、より効率よく切粉の飛散を防
止することができ、作業環境の向上が実現される。
【0049】請求項5の発明にかかる掘削工具によれ
ば、連通孔を介して水等の流体を工具本体に供給するこ
とができるので、水の供給による工具の過熱防止や切粉
の飛散防止を図ることができ、工具寿命が長くなり、コ
スト低減に貢献することができる。
【0050】請求項6の発明にかかる掘削工法によれ
ば、先端面の刃面で被掘削物を穿孔して掘削工具を被掘
削物内に進入させ、外周面の刃面を径方向に移動させて
溝あるいはスリットを形成することができる。つまり、
多数の孔を連続して形成するライン掘り工法のような煩
雑な作業を行わずに、極めて容易かつ迅速に溝あるいは
スリットを形成することが可能となるので、作業性に優
れ、低コストでの掘削作業の実現が可能となる。
【0051】請求項7の発明にかかる掘削工法によれ
ば、溝部を有する掘削工具の回転により、掘削工具の溝
部内の切粉が掘削工具の先端側へ集められ、さらに、こ
の切粉を掘削工具の貫通孔を介して外部へ排出させるの
で、切粉の飛散を防止しながら掘削することができ、掘
削作業環境を向上させることができる。
【0052】請求項8の発明にかかる掘削工法によれ
ば、所定形状の掘削部内で、さらに掘削工具を移動させ
ることにより、掘削部の深さを増したり、溝幅を大きく
するように掘削を行うことができるので、一度の穿孔お
よび工具の径方向移動では形成することができないよう
な深さや形状の多様な掘削部を形成する場合にも、工具
の交換が不要となり、より迅速な掘削作業が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による掘削工具の一実施形態を示す図
である。
【図2】 本発明による掘削工具に形成された貫通孔お
よび連通孔の一実際形態を示す断面図である。
【図3】 本発明の掘削方法を実現する装置の概要を示
す斜視図である。
【図4】 掘削工具を回転駆動させる装置を示す断面図
である。
【図5】 本発明の掘削方法を説明する断面図である。
【図6】 従来のライン掘り工法を説明する斜視図であ
る。
【符号の説明】
10 掘削工具 10a 貫通孔 11 工具本体 11a 連通孔 11A 外刃 11B 先刃 11C 内刃 14 溝部 C 被掘削物 H 掘削溝(掘削部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川原 剛 神奈川県横浜市都筑区佐江戸町681 日本 ダイヤモンド株式会社内 (72)発明者 今岡 稔雄 神奈川県横浜市都筑区佐江戸町681 日本 ダイヤモンド株式会社内 Fターム(参考) 3C069 AA01 AA07 BA00 BB01 BC02 BC04 CA01 CA09 DA07 EA01 EA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脆性材料からなる被掘削物を掘削するた
    めの掘削工具であって、 円柱外面を有し軸線回りに回転される工具本体の外周面
    および先端面に、それぞれ、外刃および先刃が設けられ
    ることを特徴とする掘削工具。
  2. 【請求項2】 前記工具本体の先端部が円筒状に形成さ
    れ、その内周面に内刃が設けられていることを特徴とす
    る請求項1に記載の掘削工具。
  3. 【請求項3】 前記工具本体の外周面に、前記外刃表面
    に対して凹となる溝部が形成され、 該溝部は、回転方向前方側へ向かって後端側へ向かう螺
    旋状であることを特徴とする請求項1または2に記載の
    掘削工具。
  4. 【請求項4】 前記工具本体を軸方向に貫通し、工具本
    体の先端面にて開口する貫通孔が形成されていることを
    特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の掘削工
    具。
  5. 【請求項5】 前記工具本体を径方向に貫通し、該工具
    本体の外周面にて開口する連通孔が形成されていること
    を特徴とする請求項4に記載の掘削工具。
  6. 【請求項6】 脆性材料からなる被掘削物を掘削する掘
    削方法であって、 円柱外面の外周面および先端面に刃面を有する掘削工具
    を軸線回りに回転させて、その先端面を前記被掘削物に
    押し当てて軸方向に前進させることにより、該被掘削物
    を穿孔した後、 該被掘削物内に進入した状態の前記掘削工具を径方向に
    移動させ、その外周面を前記被掘削物に押し当てること
    により、該被掘削物を掘削して所定形状の掘削部を形成
    することを特徴とする掘削方法。
  7. 【請求項7】 外周面に螺旋状の溝部が形成された前記
    掘削工具を、該溝部内の切粉が該掘削工具先端側へ送ら
    れる方向に回転駆動させ、前記被掘削物を掘削するとと
    もに前記溝部内の切粉を前記掘削工具先端側へ移動さ
    せ、 該切粉を、前記掘削工具を軸方向に貫通し先端面にて開
    口する貫通孔を介して、前記掘削部の外部に排出させる
    ことを特徴とする請求項6に記載の掘削方法。
  8. 【請求項8】 前記掘削工具により所定形状の掘削部を
    形成した後、該掘削部内において、前記掘削工具の軸方
    向前進および径方向移動を繰り返すことにより、該掘削
    部内をさらに掘削することを特徴とする請求項6または
    7に記載の掘削方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016216920A (ja) * 2015-05-15 2016-12-22 鉄建建設株式会社 連続コアドリル工法
JP2018114628A (ja) * 2017-01-16 2018-07-26 久保工業株式会社 切削工具、および切削方法
JP2019011596A (ja) * 2017-06-30 2019-01-24 久保工業株式会社 スリットの形成方法
JP2020196996A (ja) * 2019-05-30 2020-12-10 株式会社ミラノ製作所 エンドミル

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