JP2002301614A - 穿孔工具及び穿孔装置 - Google Patents

穿孔工具及び穿孔装置

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JP2002301614A
JP2002301614A JP2001107281A JP2001107281A JP2002301614A JP 2002301614 A JP2002301614 A JP 2002301614A JP 2001107281 A JP2001107281 A JP 2001107281A JP 2001107281 A JP2001107281 A JP 2001107281A JP 2002301614 A JP2002301614 A JP 2002301614A
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drilling tool
friction
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core bit
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Shigeru Mazaki
繁 真崎
Kusuo Sato
九州男 佐藤
Toshio Imaoka
稔雄 今岡
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Nippon Diamond Co Ltd
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Mitsubishi Materials Corp
Nippon Diamond Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被掘削物との間の摩擦を低減して高速穿孔を
可能にする穿孔工具及び穿孔装置を提供する。 【解決手段】 先端にビット15が設けられた円筒状の
コアビット13と、コアビット13を回転駆動するダイ
レクトモータ2とを備え、このダイレクトモータ2は、
先端部にコアビット13が取り付けられる回転軸11が
貫通されて一体的に設けられた筒状のロータ17と、こ
のロータ17の外周面に設けられた円筒状のステータ1
8とを備えてなる穿孔装置1において、コアビット13
の内周側の側面13a、及び外周側の側面13bに、コ
ンクリートCとの摩擦を低減するニッケルやクロム等の
金属を被覆する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、コンク
リート構造物への後施工アンカー等の埋め込みを行うに
あたり、コンクリート構造物からなる被掘削物に環状の
穴を高速にて穿孔する場合に用いられて特に好適な穿孔
工具及び穿孔装置に関する。
【0002】
【従来の技術】既設されたコンクリート製の壁を補強す
る方法として、まずこの壁を大きくくり貫き、このくり
貫かれた開口部に鉄製のブレス(筋交い)を設け、次い
でこのブレスと開口部の内周面に配設させたアンカとを
コンクリートで固めることによって壁全体を補強しよう
とする方法がある。このときアンカは、開口部の内周面
に設けた穴に収容させることによって配設される。この
アンカを配設するための穴は、円筒状の工具本体の先端
にダイヤモンドや超硬チップなどからなる円環状のビッ
トを有する穿孔工具としてのコアビットと、このコアビ
ットを軸線まわりに回転させるためのモータとを備えた
穿孔装置によって形成される。すなわち、被掘削物であ
るコンクリートにビットを回転させつつ押し当てること
によってコンクリートを穿孔し、円柱状のコア芯を形成
する。そして、コンクリート内部に残存するコア芯の根
元を折ってからコア芯を引き抜くことによってアンカ配
設用の穴が形成される。このような穿孔装置として、高
速回転可能な直流型のモータを用い、モータの回転軸の
先端にコアビットを直接取り付け、ギヤ等によってモー
タの回転速度を落すことなくビットを高速で回転させる
とともに、ビットが被掘削物に切り込む量を少なくしな
がら、掘削に必要とされる仕事量を低減して穿孔速度を
増加させる試みがなされてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ビットによ
る掘削に必要な仕事量は、ビットの周速を増加させるこ
とで減少するが、その一方で、コアビットと被掘削物と
の間の摩擦力は減少することはなく、また、ビットの切
り込み量の低減に伴って所定深さ穿孔する際に必要にな
るコアビットの全回転数は増加するから、穿孔の際にコ
アビットと被掘削物との摩擦によって消耗されるエネル
ギーはむしろ増加する。このため、コアビットを高速で
回転させればさせるほど、摩擦による穿孔速度の低下へ
の影響が避けられないといった問題が存在していた。こ
れは、換言すれば、出力の限られたモータでコアビット
を高速で回転させながら掘削を行うということは、同時
に、掘削に用いることのできるトルクが低減し、この結
果、摩擦によるトルクを差し引いた掘削に供されるトル
クは、コアビットの回転速度とともに低下してしまうと
いうことでもある。コアビットを低速で回転させ、高い
トルクで掘削を行う場合にほとんど無視できた被掘削物
との摩擦は、コアビットの周速が、被掘削物に対する切
削抵抗の低減に有効とされる250m/minを超える
ような領域に入ると、次第に無視できない存在となり、
このため、穿孔速度の向上を図る何らかの新たな技術的
開発が望まれていた。
【0004】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであって、被掘削物との間の摩擦を低減して高速穿孔
を可能にする穿孔工具及び穿孔装置を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】係る目的を達成するため
に、本発明は、以下の構成を採用した。すなわち、円筒
状に設けられるとともに、先端に被掘削物を穿孔するビ
ットが設けられ、軸線回りに回転駆動させられて軸線方
向先端側へ送られる穿孔工具であって、内周側または外
周側のいずれか一方もしくは双方の側面には、この側面
に接触する物質との摩擦を低減する摩擦低減物質が被覆
されるようにした。
【0006】このような構成としたことにより、被掘削
物と穿孔工具との間の摩擦を低減することができ、穿孔
速度を増すことができる。とくに、被掘削物を穿孔した
のち、円柱状のコア芯が穿孔工具の内部に残る場合があ
るが、穿孔工具の内周側の側面に摩擦低減物質が被覆さ
れると、このような場合でも、コア芯を穿孔工具から容
易に抜き出すことができる。また、乾式による穿孔で
は、穿孔時に生成される切粉が、穿孔工具の外周側の側
面に沿って外に排出されるが、外周側の側面に摩擦低減
物質が被覆されると、切粉が穿孔工具の外周側の側面に
付着することがなくなり、さらに、切粉との間の摩擦が
低減されることにより切粉の排出性が良好になり、切粉
の目詰まりを防止して被掘削物との間の摩擦を効果的に
低減することができる。
【0007】このような摩擦低減物質をニッケルまたは
クロムとすることにより、メッキを施すことで、容易に
穿孔工具の側面に摩擦低減物質を被覆することができ
る。とりわけ、ニッケルは、耐食性を向上する上で有効
であり、カニゼンメッキによって容易に実行することが
可能である。また、クロムは、耐摩耗性を向上する上で
有効である。このようにして、穿孔工具の側面を被覆す
る金属層が穿孔工具の損耗を防止し、穿孔工具の寿命の
向上を図ることができる。
【0008】また、本発明は、円筒状に設けられるとと
もに、先端に被掘削物を穿孔するビットが設けられ、軸
線回りに回転駆動させられて軸線方向先端側へ送られる
穿孔工具と、前記穿孔工具を回転駆動するモータとを備
え、該モータは、先端部に前記穿孔工具が取り付けられ
る回転軸が貫通されて一体的に設けられた筒状のロータ
と、このロータの外周面に設けられた円筒状のステータ
とを備えてなる穿孔装置であって、前記穿孔工具の内周
側または外周側のいずれか一方もしくは双方の側面に
は、この側面に接触する物質との摩擦を低減する摩擦低
減物質が被覆されていることを特徴とする。
【0009】本発明においては、モータの回転軸の先端
に穿孔工具が直接取り付けられ、ギヤ等によってモータ
の回転速度を落すことなくビットが高速で回転させられ
るとともに、ビットが被掘削物に切り込む量の減少を図
りながら、掘削に必要とされる仕事量を低減して穿孔に
要する時間を短縮することができる。このとき、所定深
さ穿孔するために要する穿孔工具の全回転数は増加する
が、摩擦低減物質によって穿孔工具の側面と被掘削物と
の間の摺擦によるエネルギーの損失を抑え、穿孔速度を
効果的に増加させることができる。とくに、穿孔工具の
内周側の側面に摩擦低減物質が被覆されると、被掘削物
を穿孔したのち、円柱状のコア芯が穿孔工具の内部に残
る場合があるが、この場合でも、コア芯を穿孔工具から
容易に抜き出すことができる。また、乾式による穿孔で
は、穿孔時に生成される切粉が、穿孔工具の外周側の側
面に沿って外に排出されるが、外周側の側面に摩擦低減
物質が被覆されると、切粉の排出性が良好になり、切粉
の目詰まりを起こさず、被掘削物との間の摩擦を効果的
に低減することができる。
【0010】また、前記モータは、前記穿孔工具の周速
が250m/min以上となるように構成されているの
が好ましい。この場合、ビットによる被掘削物への切り
込みの量を低減することで掘削に必要な仕事量を効果的
に低減できる。その一方で、摩擦低減物質による被覆に
よって、掘削に必要とされる全仕事量のうち、穿孔工具
の側面と被掘削物との間の摺擦によって消耗される摩擦
エネルギーの割合を抑え、穿孔速度を効果的に増加させ
ることができる。
【0011】このような摩擦低減物質をニッケルまたは
クロムとすることにより、穿孔工具にメッキを施すこと
で、容易に被掘削物と穿孔工具との間の摩擦を低減する
ことができる。とりわけ、ニッケルは、耐食性を向上す
る上で有効であり、カニゼンメッキによって容易に実行
することが可能である。また、クロムは、耐摩耗性を向
上する上で有効である。このようにして、穿孔工具の側
面を被覆する金属層が穿孔工具の損耗を防止し、穿孔工
具の寿命の向上を図ることができる。
【0012】また、前記回転軸の先端部には、前記穿孔
工具が取り付けられるアダプタが設けられ、該アダプタ
の表面には、前記穿孔工具との摩擦を低減する摩擦低減
物質が被覆されていてもよい。ここで、摩擦低減物質
は、ニッケルまたはクロムとされていることが好まし
い。これにより、穿孔工具とアダプタとの間の摩擦が小
さくなり、着脱が容易となる。さらに、耐摩耗性が向上
し、着脱による損耗を防いで穿孔工具の装着時のがたつ
きの発生を抑えるとともに、動バランスを向上させるこ
とができるため、穿孔工具の安定な高速回転が可能とな
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明による穿孔装置を図
面に基づき説明する。図1ないし図2に、本発明に係る
穿孔装置の一実施の形態を示す。図において、符号1
は、穿孔装置、符号1aは、穿孔装置本体、符号1b
は、電源であり、符号2は、この電源1bによって駆動
される穿孔装置本体1aを構成する本実施形態例のモー
タ(以後ダイレクトモータと称する)である。穿孔装置
本体1aは、電源1bと別体に設けられ、基台3に立設
された支柱4に、上下機構41を介して前記ダイレクト
モータ2を支持させた構造とされており、上下機構41
によってダイレクトモータ2が支柱4に沿って移動され
るようになっている。
【0014】ダイレクトモータ2は、直流電圧が印加さ
れて回転する直流モータとされ、その中心に円筒状の回
転軸11を有しており、この回転軸11の先端部には、
アダプタ12を介して円筒状のコアビット13(穿孔工
具)が回転軸11と互いに連通するように着脱可能に取
り付けられている。
【0015】ここで、コアビット13は、直径が20〜
25mmの円筒状に形成された中空のチューブ14の先
端部に、ダイヤモンドビットからなるビット15が円周
方向へ一体的に設けられた構造とされている。すなわ
ち、コアビット13は、チューブ14の先端に、超硬合
金、あるいは超砥粒(ダイヤモンド砥粒やCBN砥粒)
をメタルボンドあるいはレジンボンドのようなバインダ
ーによって固めたダイヤモンド工具からなるビット15
を備えている。そして、このコアビット13が軸線回り
に回転駆動させられ、軸線方向先端側へ送られることに
よってコンクリートC(被掘削物)を掘削し、円柱状の
コアを形成するように構成されている。また、アダプタ
12の表面、コアビット13の内周側の側面13a及び
外周側の側面13bには、ニッケル(摩擦低減物質)も
しくはクロム(摩擦低減物質)がメッキされ、金属層が
形成されている。
【0016】このように、ダイレクトモータ2は、回転
軸11に直結された工具であるコアビット13をギヤ等
の回転伝達機構を用いずに直接回転させるダイレクトタ
イプのモータで、4000〜9500rpmの回転が可
能とされている。ダイレクトモータ2は、ハウジング1
6内に、例えばポリイミド等の耐熱樹脂が被覆されたコ
イルが巻回されてなるロータ17と、このロータ17の
外周面に設けられ、永久磁石を有する円筒状のステータ
18とを備えた構成とされている。回転軸11は、前記
ロータ17の中心に形成された挿通孔17a内へ圧入さ
れるようにして挿通され、ロータ17に一体的に固定さ
れている。ハウジング16の上壁部16a及び下壁部1
6bの内側には、ロータ12を回転自在に支持するため
の軸受19a,19bがそれぞれ設置されている。すな
わち、軸受19a,19bは、ロータ17の中心に挿通
された回転軸11の上下端部近傍を支持するようになっ
ており、回転軸11及びこの回転軸11が挿通されたロ
ータ17に作用するスラスト方向の力とラジアル方向の
力とを受けることが可能な構成となっている。
【0017】このダイレクトモータ2の後端部には、回
転軸11の後端部と回転可能かつ液密状態に連結された
メカニカルシール部38を回転自在に支持する回転軸支
持台20と、回転軸支持台20の上に固定され、回転軸
11の後端部を収める上部ハウジング21とが設けられ
ている。この上部ハウジング21には、回転軸11の中
心の貫通孔11aと連通する流路22が形成されてお
り、この流路22は、上部ハウジング21の側方に開口
されている。この側方に開口された開口部23には、チ
ューブ24が接続されるようになっており、このチュー
ブ24から湿式掘削のための冷却水が送り込まれるよう
になっている。そして、このチューブ24から上部ハウ
ジング21の流路22を通り、回転軸11の貫通孔11
aへ導かれ、その後、回転軸11の先端部にアダプタ1
2を介して連結されたコアビット13内に送り込まれ、
ビット15による掘削箇所が冷却されるようになってい
る。また、上部ハウジング21には、その後端部に、取
り付けねじ部31が形成されており、この取り付けねじ
部31には、キャップ32がねじ込み固定されるように
なっている。このキャップ32には、その中心に挿通孔
34が形成されている。また、上部ハウジング21に
は、キャップ32の挿通孔34及び回転軸11の貫通孔
11aと連通する連通孔35が形成されている。そし
て、これら互いに連通した挿通孔34、連通孔35及び
貫通孔11aには、押出棒36が挿通されている。な
お、押出棒36とキャップ32の挿通孔34との間に
は、Oリング37が設けられてシールされている。
【0018】なお、符号25は、ダイレクトモータ2の
ハウジング16内における上方側にて、回転軸11に接
触するように、その周方向へ配設されたブラシ部であ
り、このブラシ部25に直流の電圧が印加され、駆動電
流が供給されるようになっている。
【0019】ダイレクトモータ2に直流電流を供給する
電源1bは、電源本体5を有し、さらに、作業現場に供
給される交流源に電源本体5を接続するためのプラグ5
1を有した入力ケーブル52を備えている。電源本体5
には、メインスイッチ53に加えて、入力側の電源の許
容電流量に応じて適宜電流量を選択出来る電流量選択ス
イッチ54が設けられている。なお、ここでは図示され
ぬが、電源本体5には、この他にも穿孔作業緊急停止用
のスイッチ、電源冷却用の冷却水を導入するための冷却
水導入口等が設けられている。
【0020】また、穿孔装置本体1aには、制御部6が
設けられ、制御部6には、ダイレクトモータ2の回転数
を調整するための回転数調整つまみ61と、ダイレクト
モータ2の回転を手元で開始および停止させたり、電源
のインターロックにより出力電圧が零に落ちた場合に回
転を再開させるリセットボタン62が設けられている。
【0021】上記穿孔装置本体1aと電源1bとの間に
は、ケーブル7が設けられている。このケーブル7は、
電源1bからダイレクトモータ2に直流電流を供給する
図示されぬ2本の電流供給線、電源を制御する導線、及
び、アース線等が防水性を有する防水カバー74によっ
て束ねられて一本のケーブルとされており、穿孔装置本
体1aの搬送に際しては、電流供給線、電源を制御する
導線、及び、アース線等が一体で引き回されるように構
成されている。さらに、ケーブル7の穿孔装置本体1a
側の一端には、電流供給線、電源を制御する導線、アー
ス線等が水密、かつ、一体で穿孔装置本体1aに接続さ
れるように多芯の穿孔装置本体接続部7aが設けられ、
電源1b側の他端には、電流供給線、電源を制御する導
線、アース線等が水密、かつ、一体で電源1bに接続さ
れるように多芯のモータ電源接続部7bが設けられてい
る。そして、防水カバー74は、これら穿孔装置本体接
続部7aと、モータ電源接続部7bとに水密性を保って
取り付けられており、ケーブル7が水に浸漬されても、
内側の電流供給線、電源を制御する導線、及び、アース
線等は、防水されるように構成されている。
【0022】次に、上記構成の穿孔装置1の作用、並び
に穿孔装置1を用いたコンクリートCへの穿孔作業につ
いて説明する。まず、支柱4の上方側へ位置させたダイ
レクトモータ2を、コンクリートCの所定の穿孔位置
に、回転軸11の軸線が一致するように位置決めし、基
台3をコンクリートCに固定する。
【0023】このように穿孔装置本体1aをコンクリー
トCに設置したら、穿孔装置本体接続部7aを穿孔装置
本体1aに、モータ電源接続部7bを電源1bに接続し
て穿孔装置本体1aと電源1bとの間をケーブル7によ
って電気的に接続する。電源1bのメインスイッチ53
をON側にし、交流電圧供給側の許容電流に合わせて電
流量選択スイッチ54を設定する。リセットボタン62
を押し、ダイレクトモータ2のブラシ25に直流電圧を
印加してロータ17(あるいはステータ18)のコイル
に通電し、ロータ17を4000rpm以上の高速にて
回転させるとともに、湿式で穿孔する場合には、図示し
ない冷却水供給装置からチューブ24を介して冷却水を
送り込む。この時の回転数は、制御部6に設けられた回
転数調整つまみ61を回すことによって行う。
【0024】そして、この状態において、移動機構41
によってダイレクトモータ2を下降させることにより、
回転軸11の先端部に連結した軸線回りに回転するコア
ビット13のビット15をコンクリートCの表面に押し
当てる。このようにすると、高速にて回転されているビ
ット15によってコンクリートCに環状の穴Hが形成さ
れる。このような穿孔作業中にビット15がコンクリー
トCを補強するための鉄筋等の硬い補強体に当接し、突
然ダイレクトモータ2の回転が抑制された場合には、誘
導電圧が突如減少して巻線抵抗のみとなり過大な電流が
流れる。このため、しきい値を適宜設定して、電流検出
器59によって検出された電流値がしきい値を超えた
ら、ただちにトライアック制御部58がゲート電流の点
弧角を調整して位相制御部56からの出力がなくなるよ
うに設定しておく。こうして、ビット15が鉄筋等の補
強体に当接した場合には、ダイレクトモータ2の回転が
直ちに停止し、穿孔作業が中断される。このように、イ
ンターロックが作動して穿孔作業が中断された場合に
は、穿孔する位置を変え、鉄筋に当たらないようにして
作業を再開する。この時、ダイレクトモータ2を再度回
転させるためにリセットボタン62を押す。穿孔作業
中、冷却水がケーブル7にかかることがあってもケーブ
ル7の防水性が保たれているために内側の電流供給線、
制御線、アース線等は水から隔離され、漏電や短絡等を
起こさない。所定深さまで環状の穴Hを形成したら、ダ
イレクトモータ2を上昇させて穴Hからビット15を引
き抜き、中心のコアを取り除くことにより、アンカー穴
が形成される。
【0025】ここで、ダイレクトモータ2を上昇させて
穴Hからビット15を引き抜いた際に、コアビット13
内にコアが残留した場合は、押出棒36を先端側へ押出
す。
【0026】上述のように本実施の形態によれば、回転
軸11を回転させることにより、この回転軸11に取り
付けられたコアビット13をギヤやベルト等の回転伝達
機構を介さずに直接回転させるものであるので、回転伝
達機構によるトルクの伝達損失をなくすことができ、回
転軸11の振れを最小限に抑えることができ、穿孔装置
本体1a自体も小形・軽量化される。そして、これによ
り穿孔装置本体1aの取り扱い性を向上させることがで
き、穿孔作業中に発生する騒音も最小限に低減させるこ
とができる。
【0027】すなわち、ロータ17の中心に形成された
挿通孔17aへ回転軸11を圧入して直接固定して一体
化したものであるので、全体の剛性を大幅に向上させる
ことができ、これにより、コアビット13を高速回転さ
せて穴を形成することが可能となり、従来の場合と比較
して、その穿孔速度を大幅に高めることができる。これ
により、穿孔作業を迅速に行うことができ、穿孔作業を
有する各種施工作業の工期の短縮化を図ることができ
る。
【0028】そして、エンジン、油圧モータあるいはギ
ヤを介して回転軸を回転させるギヤ付きモータを用いた
場合と比較して、騒音を大幅に低減(70dB程度)さ
せることができ、さらには、部品点数が少ないので、メ
ンテナンス作業にかかる労力も大幅に低減させることが
できる。
【0029】また、コアビット13の先端部のビット1
5は、回転軸11からコアビット13に直接回転力を付
与させるダイレクトモータ2によって高速(4000r
pm以上)に回転駆動され、ビット15の周速が250
m/min以上となる。このように、コアビット13の
回転数をダイレクトモータ2で得られる回転数とし、所
定の穿孔速度のもとでビット15を高速回転させて回転
数を増加させることは、コアビット13の一回転当たり
の穿孔深さ、換言すればビット15の被掘削物への掘削
の深さを小さくし、掘削に対する抵抗を減少させること
を意味している。この掘削に対する抵抗の減少分がダイ
レクトモータ2の発生トルクの下がり分を上回る状態と
なり、ひいては穿孔速度を増加させ、穿孔時間を短縮化
することができる。こうして、ギヤ等を用いて回転数を
下げて穿孔する場合に比較すると穿孔時間を短縮するこ
とができる。
【0030】このとき、穴Hを所定深さ穿孔するために
要するコアビット13の全回転数は増加するが、コアビ
ット13の内周側の側面13aと外周側の側面13bが
ニッケルやクロムといった金属によって被覆されている
ため、コアビット13の側面13a,13bとコンクリ
ートCとの間の摺擦によるエネルギーの損失を抑え、穿
孔速度を効果的に増加させることができる。とくに、コ
アビット13の内周側の側面13aにニッケルやクロム
が被覆されると、コアビット13内にコアが残留した場
合、側面13aとコアとの間の摩擦が低減されるから、
押出棒36を先端側へ押出してコアをコアビット13内
から容易に抜き出すことができる。また、乾式によって
穿孔する場合には、穿孔時に生成される切粉が、コアビ
ット13の外周側の側面13bに沿って外に排出される
ことになるが、外周側の側面13bにニッケルやクロム
といった金属が被覆されると、切粉がコアビット13の
外周側の側面13bに付着することがなくなり、さら
に、切粉との間の摩擦が低減されることにより切粉の排
出性が良好になり、切粉の目詰まりを起こさず、コンク
リートCとの間の摩擦を効果的に低減することができ
る。とりわけ、ニッケルは、耐食性を向上する上で有効
であり、カニゼンメッキによって容易に実行することが
可能である。また、クロムは、耐摩耗性を向上する上で
有効である。このようにして、コアビット13の側面1
3a,13bを被覆する金属がコアビット13の損耗を
防止し、コアビット13の寿命の向上を図ることができ
る。
【0031】さらには、アダプタ12によってコアビッ
ト13を着脱させることにより、各種の径のコアビット
13との交換を容易に行うことができる。これにより、
コアビット13の交換などといったメンテナンスを容易
に行うことができ、作業性を向上させることができ、さ
らに、コアビット13が交換可能であるので、様々な刃
厚や形状のビット15を有したものを選択して用いるこ
とができる。そして、このアダプタ12の表面には、コ
アビット13との摩擦を低減するニッケルやクロム等の
金属が被覆されているので、これにより、コアビット1
3とアダプタ12との間の摩擦が小さくなり、コアビッ
ト13の着脱が容易となる。さらに、コアビット13と
アダプタ12の耐摩耗性が向上し、着脱による損耗を防
いでコアビット13の装着時のがたつきの発生を抑える
とともに、動バランスを向上させることができるため、
コアビット13の安定な高速回転が可能となる。
【0032】なお、本実施形態においては、コアビット
13は、ダイレクトモータ2の回転軸11に直接取り付
けられるものとしたが、これに限らず、内周側や外周側
の側面に摩擦低減物質を被覆したコアビットが他のあら
ゆる回転駆動機構に取り付けられて穿孔に用いられるも
のとされてもよいことはいうまでもない。とくに、ギヤ
の使用の有無に関係なく、回転駆動機構によってコアビ
ットを周速250m/min以上で回転駆動させて穿孔
作業を行う場合には、側面に設けられた摩擦を低減する
物質の層が、摩擦に費やされるエネルギーの増加を抑
え、穿孔作業の短縮化を図る上で有効に機能する。
【0033】
【発明の効果】本発明は、以下に記載されるような効果
を奏する。請求項1に記載の発明によれば、先端にビッ
トが設けられた円筒状の穿孔工具の内周側または外周側
のいずれか一方もしくは双方の側面に、この側面に接触
する物質との摩擦を低減する摩擦低減物質が被覆されて
いるので、穿孔工具と被掘削物等との間の摩擦を低減す
ることができ、穿孔速度を増すことができる。
【0034】また、請求項2に記載の発明によれば、摩
擦低減物質は、ニッケルまたはクロムとされているの
で、容易に穿孔工具の側面に摩擦低減物質を被覆するこ
とができ、穿孔工具と被掘削物等との間の摩擦を低減し
て穿孔速度を増すことができる。そして、穿孔工具の寿
命の向上を図ることができる。
【0035】また、請求項3に記載の発明によれば、先
端にビットが設けられた円筒状の穿孔工具と、穿孔工具
を回転駆動するモータとを備え、該モータは、先端部に
穿孔工具が取り付けられる回転軸が貫通されて一体的に
設けられた筒状のロータと、このロータの外周面に設け
られた円筒状のステータとを備えてなる穿孔装置におい
て、穿孔工具の内周側または外周側のいずれか一方もし
くは双方の側面には、この側面に接触する物質との摩擦
を低減する摩擦低減物質が被覆されているので、穿孔工
具と被掘削物等との間の摩擦を低減することができ、穿
孔速度を増すことができる。
【0036】また、請求項4に記載の発明によれば、モ
ータは、穿孔工具の周速が250m/min以上となる
ように構成されているので、ビットによる掘削に必要な
仕事量を効果的に低減できる。その一方で、穿孔工具の
側面と被掘削物との間の摺擦によって消耗される摩擦エ
ネルギーを抑え、穿孔速度を効果的に増加させることが
できる。
【0037】また、請求項5に記載の発明によれば、摩
擦低減物質は、ニッケルまたはクロムとされているの
で、容易に穿孔工具の側面に摩擦低減物質を被覆するこ
とができ、穿孔工具と被掘削物等との間の摩擦を低減し
て穿孔速度を増すことができる。そして、穿孔工具の寿
命の向上を図ることができる。
【0038】また、請求項6に記載の発明によれば、回
転軸の先端部には、穿孔工具が取り付けられるアダプタ
が設けられ、該アダプタの表面には、穿孔工具との摩擦
を低減する摩擦低減物質が被覆されているので、穿孔工
具の容易な着脱が可能となり、さらに、動バランスを向
上させることができて穿孔工具の安定な高速回転が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施の形態を示す図であって、
穿孔装置の一例を示す側面図である。
【図2】穿孔装置の穿孔装置本体を一部破断図で示す側
面図である。
【符号の説明】
1・・・穿孔装置 C・・・被掘削物 1a・・・穿孔装置本体 1b・・・電源 2・・・ダイレクトモータ(モータ) 7・・・ケーブル 11・・・回転軸 12・・・アダプタ 13・・・コアビット(穿孔工具) 13a・・・側面(穿孔工具の内周側の側面) 13b・・・側面(穿孔工具の外周側の側面) 15・・・ビット 17・・・ロータ 18・・・ステータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 九州男 東京都千代田区外神田5−3−13 恩田ビ ル201 (72)発明者 今岡 稔雄 神奈川県横浜市都筑区佐江戸町681 日本 ダイヤモンド株式会社内 Fターム(参考) 3C037 AA05 CC01 CC06 FF06 3C069 AA04 BA09 BB01 BB02 CA10 EA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状に設けられるとともに、先端に被
    掘削物を穿孔するビットが設けられ、軸線回りに回転駆
    動させられて軸線方向先端側へ送られる穿孔工具であっ
    て、 内周側または外周側のいずれか一方もしくは双方の側面
    には、この側面に接触する物質との摩擦を低減する摩擦
    低減物質が被覆されていることを特徴とする穿孔工具。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の穿孔工具において、 前記摩擦低減物質は、ニッケルまたはクロムとされてい
    ることを特徴とする穿孔工具。
  3. 【請求項3】 円筒状に設けられるとともに、先端に被
    掘削物を穿孔するビットが設けられ、軸線回りに回転駆
    動させられて軸線方向先端側へ送られる穿孔工具と、前
    記穿孔工具を回転駆動するモータとを備え、 該モータは、先端部に前記穿孔工具が取り付けられる回
    転軸が貫通されて一体的に設けられた筒状のロータと、
    このロータの外周面に設けられた円筒状のステータとを
    備えてなる穿孔装置であって、 前記穿孔工具の内周側または外周側のいずれか一方もし
    くは双方の側面には、この側面に接触する物質との摩擦
    を低減する摩擦低減物質が被覆されていることを特徴と
    する穿孔装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の穿孔装置において、 前記モータは、前記穿孔工具の周速が250m/min
    以上となるように構成されていることを特徴とする穿孔
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項3または請求項4に記載の穿孔装
    置において、 前記摩擦低減物質は、ニッケルまたはクロムとされてい
    ることを特徴とする穿孔装置。
  6. 【請求項6】 請求項3から請求項5のいずれかに記載
    の穿孔装置において、前記回転軸の先端部には、前記穿
    孔工具が取り付けられるアダプタが設けられ、該アダプ
    タの表面には、前記穿孔工具との摩擦を低減する摩擦低
    減物質が被覆されていることを特徴とする穿孔装置。
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