JP2002060616A - γ線耐性を有するポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

γ線耐性を有するポリカーボネート樹脂組成物

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JP2002060616A JP2001184672A JP2001184672A JP2002060616A JP 2002060616 A JP2002060616 A JP 2002060616A JP 2001184672 A JP2001184672 A JP 2001184672A JP 2001184672 A JP2001184672 A JP 2001184672A JP 2002060616 A JP2002060616 A JP 2002060616A
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俊一 松村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 γ線照射による滅菌処理に対し黄変が極めて
少なく、なおかつ物性低下や、廃棄時の環境問題の少な
い、医療材料として有用なポリカーボネート樹脂組成物
を提供すること。 【解決手段】 末端にγ線照射により開裂し得る炭素―
炭素不飽和結合を実質的に持たないポリカーボネート1
00重量部およびジベンジルエーテルまたはp-(α、α
‘-ジベンジロキシ)キシリレン0.5〜2.0重量部
とからなるγ線耐性を有するポリカーボネート樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はγ線耐性を有するポ
リカーボネート樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、
γ線照射による物性低下や黄変を防止し得るポリカーボ
ネート樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭63―213553号公報には、
芳香族ポリカーボネート樹脂および殺菌のための照射に
曝露されたときの黄変の防止に有効な量の少くとも1種
の有効なエポキシ化合物を含む組成物が開示されてい
る。このエポキシ化合物はオキシラン環に少くとも1個
の4級炭素原子を有する点で構造的特徴を有する。
【0003】米国特許第4,804,692号明細書に
は、ポリカーボネート樹脂および両末端にシリル基を有
するポリオキシアルキレングリコールとからなるγ線耐
性を有するポリカーボネート樹脂組成物が開示されてい
る。
【0004】特開平2―38450号公報には、芳香族
ポリカーボネート樹脂および両末端特定の置換フェニル
基または窒素原子含有基を有するポリオキシアルキレン
グリコールとからなるγ線照射に耐えるポリカーボネー
ト樹脂組成物が開示されている。
【0005】米国特許第5,274,009号明細書に
は、ポリカーボネート樹脂、(1)特定の末端基を有す
るポリオキシアルキレングリコールおよび(2)芳香族
スルホン酸エステル化合物とからなるγ線照射に対して
安定なポリカーボネート樹脂組成物が開示されている。
【0006】しかし、これらの化合物を添加して得られ
たポリカーボネート樹脂組成物は、黄変防止効果が十分
でないとか、効果を発現させるために十分な量を添加す
るとポリカーボネート樹脂自体の物性が低下する等の欠
点を有する。
【0007】特開平5―132552号公報には、ハイ
ドロカルビル基またはハイドロカルビルオキシ基を有す
るp―ヒドロキシベンジルアルコールでエンドキャップ
された芳香族ポリカーボネート樹脂を含有する熱可塑性
成形用組成物から成形された、電離線により滅菌処理さ
れた物品が開示されている。しかしながらこのエンドキ
ャップポリカーボネート樹脂はその製造が煩雑であり、
また黄変防止効果を高めるため多くのエンドキャップ剤
を用いるとポリカーボネート樹脂自体の物性が低下する
という問題点がある。
【0008】特開平2―55062号公報および特開平
2―68068号公報には、ハロゲン化ビスフェノール
から誘導される構成単位を分子鎖中に含む芳香族ポリカ
ーボネートのポリマーまたはオリゴマーを含有する放射
線照射滅菌用ポリカーボネート医療用成形品が開示され
ている。しかしながら、これらハロゲン化物を用いる方
法は、空気中、脱酸素中いずれの雰囲気下でγ線照射し
た場合でも黄変防止効果に優れるものの、ハロゲンを含
有するため、廃棄時に環境問題が生じるといった問題点
を有する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、空気
中あるいは脱酸素雰囲気中のいずれにおいてγ線照射を
行っても黄変が極めて少なく、しかも物性低下や廃棄時
の問題の少ない、医療材料として有用なポリカーボネー
ト樹脂組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、(A)末端にγ線照射により
開裂し得る炭素―炭素不飽和結合を実質的に持たないポ
リカーボネート100重量部、および(B)下記式
(1)
【0011】
【化7】 で表わされる化合物0.5〜2.0重量部とからなるγ
線耐性を有するポリカーボネート樹脂組成物によって達
成される。
【0012】また、(A)末端にγ線照射により開裂し
得る炭素―炭素不飽和結合を実質的に持たないポリカー
ボネート100重量部、および(B)下記式(1−a)
【0013】
【化8】 で表わされる化合物0.5〜1.5重量部とからなるγ
線耐性を有するポリカーボネート樹脂組成物によって達
成される。
【0014】また(A)末端にγ線照射により開裂し得
る炭素―炭素不飽和結合を実質的に持たないポリカーボ
ネート100重量部、および(B)下記式(1−b)
【0015】
【化9】 で表わされる化合物1.0〜2.0重量部とからなるγ
線耐性を有するポリカーボネート樹脂組成物によっても
達成される。
【0016】本発明において対象とするポリカーボネー
トは、末端にγ線照射により開裂し得る炭素―炭素不飽
和結合を実質的に持たない。末端にγ線照射により開裂
し得る炭素―炭素不飽和結合を有するポリカーボネート
を使用した場合には、γ線照射により滅菌する際に該炭
素―炭素不飽和結合が開裂して架橋構造を生成するなど
の不都合が生まれる。
【0017】本発明で用いられるポリカーボネートは、
例えば、下記式(2)
【0018】
【化10】
【0019】[ここで、R4 およびR5 は互いに独
立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素
数5〜6のシクロアルキル基であるか、あるいはR4
とR5は互いに結合してそれらが結合している炭素原子
と一緒になって5または6員環を形成していてもよい。
R6 とR7 は互いに独立に、ハロゲン原子、炭素数
1〜5のアルキル基またはフェニル基であり、そしてm
およびnは互いに独立に0、1または2である。]で表
わされる繰返し単位より実質的になる。
【0020】また、ポリカーボネートは、例えば下記式
(3)
【0021】
【化11】
【0022】[ここで、R8はフェニル基、炭素数1〜
12のアルキル置換フェニル基である。]または下記式
(4)
【0023】
【化12】
【0024】[ここで、R4 、R5 、R6 、R7
、mおよびnの定義は上記式(2)に同じである。]
で表わされる末端基を有する。
【0025】上記式(2)において、R4 およびR5
は互いに独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル
基または炭素数5〜6のシクロアルキル基である。
【0026】炭素数1〜5のアルキル基は直鎖状であっ
ても分岐鎖状であってもよく、例えばメチル、エチル、
n―プロピル、iso―プロピル、n―ブチル、iso
―ブチル、sec―ブチル、tert―ブチル、n―ペ
ンチルである。
【0027】炭素数5〜6のシクロアルキル基として
は、例えばシクロペンチル、シクロヘキシルを挙げるこ
とができる。
【0028】また、R4 とR5 は互いに結合してそ
れが結合している炭素原子と一緒になって5または6員
環を形成していてもよい。かかる5または6員環の基と
しては、例えばシクロペンチリデン、シクロヘキシリデ
ンを挙げることができる。
【0029】上記式(2)において、R6 とR7 は
互いに独立に炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基ま
たはハロゲン原子である。
【0030】炭素数1〜5のアルキル基としては、R4
とR5 について例示した上記例と同じものを例示す
ることができる。
【0031】mおよびnは互いに独立に0、1または2
である。
【0032】上記式(2)において、mおよびnはとも
に0にあることが好ましく、1または2の場合は、上記
R6 とR7 はハロゲン原子でないことが、廃棄時の
環境問題の面から好ましい。
【0033】本発明で用いるポリカーボネートは、上記
式(2)におけるR4 とR5 がともにメチルであ
り、mとnがともに0であるビスフェノールA型ポリカ
ーボネートが特に好ましい。
【0034】さらに、上記式(3)において、R8はフ
ェニル基または炭素数1〜12のアルキルで置換された
フェニル基であるか、または上記式(4)で表わされる
基である。
【0035】炭素数1〜12のアルキルで置換されたフ
ェニル基としては、例えばトリル、エチルフェニル、n
―プロピルフェニル、iso―プロピルフェニル、n―
ブチルフェニル、tert―ブチルフェニル、n―オク
チルフェニル、n―デシルフェニルあるいはn―ラウリ
ルフェニルを挙げることができる。
【0036】上記式(4)におけるR4 、R5 、R
6 、R7 、mおよびnの定義は上記式(2)に同じ
であり、従ってそれらの例としても上記式(2)につい
て例示したものと同じものを挙げることができる。
【0037】上記ポリカーボネートは、上記式(2)で
表わされる繰返し単位の単独あるいは2種以上の組合せ
から実質的になる。上記式(2)で表わされる繰返し単
位以外の繰返し単位は、例えば全繰返し単位の多くとも
10モル%含有することができる。
【0038】また、本発明で用いられるポリカーボネー
トは単独であっても2種以上のブレンドであってもよ
い。
【0039】ポリカーボネートの粘度平均分子量は好ま
しくは15,000〜35,000であり、より好まし
くは20,000〜30,000である。
【0040】本発明で用いられるポリカーボネートは、
従来公知の方法である界面重縮合法およびエステル交換
法のいずれの方法によっても製造することができる。
【0041】界面重縮合法によれば、上記(2)の繰返
し単位は、下記式(2)―1
【0042】
【化13】
【0043】[ここで、R4 、R5 、R6 、R7
、mおよびnの定義は上記式(2)に同じである。]
で表わされるビスフェノールをホスゲンと酸捕捉剤の存
在下で反応させることにより形成される。
【0044】またエステル交換法によれば、上記式
(2)―1で表わされるビスフェノールをジアリールカ
ーボネート、例えばジフェニルカーボネートとエステル
交換触媒の存在下で加熱溶融反応せしめることにより形
成される。
【0045】上記式(2)―1で表わされるビスフェノ
ールとしては、例えばビス(p―ヒドロキシフェニル)
メタン、2,2―ビス(p―ヒドロキシフェニル)プロ
パン、9,9―ビス(p―ヒドロキシフェニル)フルオ
レン、2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、1,1―ビス(4―ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、2,2―ビス(3―メチル―4―ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、ビス(3,5―ジメチル―4―ヒド
ロキシフェニル)メタン、2,2―ビス(3,5―ジメ
チル―4―ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1―ビ
ス(3,5―ジメチル―4―ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサンを挙げることができる。
【0046】この中で、最も好適なビスフェノールは
2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニル)プロパン(ビ
スフェノール―A)である。
【0047】上記式(3)で表わされる末端基は、ポリ
カーボネートをエステル交換法で製造する場合には、R
8がフェニル基または上記式(4)で表わされる末端基
として生成し易く、またポリカーボネートを界面重縮合
法で製造する場合には、R8がフェニル基またはm―お
よびp―メチルフェニル基、m―およびp―isoある
いはn―プロピルフェニル基、m―およびp―tert
あるいはn―ブチルフェニル基等の炭素数1〜12のア
ルキル置換フェニル基として生成し易い。かかる炭素数
1〜12のアルキル置換フェニル基は、重縮合系中に、
それらに対応する炭素数1〜12のアルキル置換フェノ
ールを存在させることにより生成させることができる。
【0048】本発明において用いられる安定剤は、下記
式(1)
【0049】
【化14】 で表わされる。
【0050】本発明において用いられる安定剤は、下記
式(1−a)
【0051】
【化15】 で表わされる。
【0052】また本発明において用いられる安定剤は、
下記式(1-b)
【0053】
【化16】 で表わされる。
【0054】上記式(1−a)および(1−b)で表わ
される化合物は単独であるいは2種以上組合せて使用す
ることができる。
【0055】上記式(1)で表わされる化合物は、ポリ
カーボネート100重量部当り0.5〜2.0重量部の
割合で用いられることが好ましい。また上記式(1−
a)で表わされる化合物は、ポリカーボネート100重
量部当り0.5〜1.5重量部の割合で用いられること
が好ましい。また上記式(1−b)で表わされる化合物
は、ポリカーボネート100重量部当り1.0〜2.0
重量部の割合で用いられることが好ましい。上記範囲よ
り少ないと、γ線照射時の黄変の抑制効果が小さい組成
物しか得られず、他方上記範囲より多いと物性低下の大
きい組成物となり不都合である。
【0056】本発明のポリカーボネート樹脂組成物を製
造するには、溶融したポリカーボネートに、上記式(1
-a)または(1-b)で表わされる化合物を混合するこ
とが好ましい。この場合の方法としては、従来公知の混
合方法が使用可能である。例えば2軸押し出し機等の溶
融混練機を使用して、ポリカーボネートと上記式(1-
a)または(1-b)で表わされる化合物を同時に練り
込む方法が好ましい。この際の混合の温度は、通常25
0〜320℃程度とすることが好ましい。250℃より
低いとポリマーが充分溶融しないため混合が充分でない
ことがあり、320℃より高いと該化合物やポリマーの
熱劣化が起こりやすくなるためである。さらに好ましく
は混合の温度は260〜300℃である。
【0057】また、上記式(1-a)または(1-b)で
表わされる化合物を高濃度に含むポリカーボネート樹脂
組成物を調製し、これと該化合物を含まないポリカーボ
ネートとを、上記式(1-a)または(1-b)で表わさ
れる化合物をポリカーボネート100重量部当り0.5
〜2.0重量部となるように混合調製して、目的とする
ポリカーボネート樹脂組成物を得ることもできる。
【0058】この場合従来公知の混合方法が使用可能で
ある。例えば2軸押し出し機を使用してポリカーボネー
トと、上記式(1-a)または(1-b)で表わされる化
合物を高濃度で含むポリカーボネート樹脂組成物とを同
時に混合する方法がより好ましい。混合の温度は、通常
250〜320℃である。250℃より低いとポリマー
が十分溶融しないため混合が十分でないことがあり、3
20℃より高いと添加剤やポリマーの熱劣化が起こりや
すくなるためである。混合の温度は260〜300℃が
さらに好ましい。
【0059】本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、
γ線照射に対して高い安定化作用を有しており、上記式
(1-a)または(1-b)の化合物以外にも従来公知の
耐γ線性改良用の添加剤を含有することもできる。これ
らの添加剤には特に制限はなく、上記式(1-a)また
は(1-b)で示される化合物と併用することにより、
得られる組成物の物性低下を引き起こすことなく、γ線
に対する耐性が向上するものであればよい。
【0060】上記添加剤としては、例えばシクロヘキサ
ンジメタノールテレフタレート等の各種ポリエステル、
ポリアルキレングリコール類、エポキシ化合物、チオエ
ーテル等のイオウ化合物等が好ましく用いられる。廃棄
時の環境問題の観点からハロゲン含有化合物を含まない
ことが望ましい。
【0061】上記添加剤は、上記式(1-a)または
(1-b)で表わされる化合物と合わせた全体の化合物
の量として、ポリカーボネート100重量部当り大略
2.0重量部を超えないことが望ましい。
【0062】また必要に応じ、他の添加剤を本発明のポ
リカーボネート樹脂組成物に添加することもできる。こ
れらの添加剤は離型剤、可塑剤、熱的安定剤、紫外線安
定剤、酸化防止剤、充填剤、補強剤等が含まれる。
【0063】
【発明の効果】本発明のポリカーボネート樹脂組成物
は、透明性、衛生性、寸法安定性、衝撃強さ、耐熱性と
いったポリカーボネートの持つ優れた特性を失うことな
く、空気中、脱酸素中における照射のいかんを問わずγ
線照射後の黄変の少ないポリカーボネート樹脂組成物で
ある。したがって、かかる組成物はγ線照射による滅菌
に対して安定であり、医療材料用途に特に好適である。
また、本発明の組成物は、廃棄時の環境へ与える影響も
改善されたものである。
【0064】
【実施例】以下実施例により本発明を詳述するが、本発
明はこれに限定されるものではない。実施例中、「部」
は「重量部」を意味する。
【0065】未照射時の黄色度(YI)およびγ線照射
後の黄変度(ΔYI)は、日本工業規格K7103に従
って、日本電色工業(株)製 Z―300Aにより、サ
ンプル厚2mmで、透過法により測定した。
【0066】サンプルのγ線の照射は、空気中および脱
酸素中それぞれにおいて、照射量2.5Mradで行っ
た。
【0067】[実施例1〜7]表1に示す化合物の所定
量、およびビスフェノールA型のポリカーボネート(帝
人化成(株)製「パンライト」L―1225)100部
を、30mmφ2軸エクストルーダー(池貝鉄工(株)
製PCM―30)を用いて、ポリマー温度280℃、平
均滞留時間約3分の条件下で溶融混練し、これをペレッ
ト化した。
【0068】次に射出成型機(名機製作所(株)製M―
50B)を用いて、シリンダー温度280℃、金型温度
60℃にて射出成形を行い、2mm厚のサンプル(試験
片)を得た。これに対し脱酸素中、空気中それぞれで、
γ線照射を行い、照射前後の黄色度を測定し黄変度を求
めた。結果を表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】[比較例1〜2]前記実施例で用いたビス
フェノールA型のポリカーボネート(帝人化成(株)製
「パンライト」L―1225)のみ、および表2に示す
化合物の所定量、および該ポリカーボネート100部を
用いて、前記実施例と同様の操作を行い、黄変度を測定
した。結果を表2に示す。
【0071】
【表2】
【0072】以上の結果より、本発明のポリカーボネー
ト樹脂組成物は、空気中および脱酸素中を問わず、γ線
照射による黄変度が小さく、γ線に対して極めて高い安
定性を有することがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平6−175437 (32)優先日 平成6年7月27日(1994.7.27) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−266898 (32)優先日 平成6年10月31日(1994.10.31) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−281944 (32)優先日 平成6年11月16日(1994.11.16) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−316357 (32)優先日 平成6年12月20日(1994.12.20) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 松村 俊一 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 (72)発明者 近藤 史崇 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 Fターム(参考) 4F071 AA50 AC06 AE05 AF03 AH19 BA01 BB05 BC04 4J002 CG011 ED026 FD200

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)末端にγ線照射により開裂し得る
    炭素―炭素不飽和結合を実質的に持たないポリカーボネ
    ート100重量部、および(B)下記式(1) 【化1】 (nは0または1)で表わされる化合物0.5〜2.0
    重量部とからなるγ線耐性を有するポリカーボネート樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)末端にγ線照射により開裂し得る
    炭素―炭素不飽和結合を実質的に持たないポリカーボネ
    ート100重量部、および(B)下記式(1−a) 【化2】 で表わされる化合物0.5〜1.5重量部とからなるγ
    線耐性を有する請求項1記載のポリカーボネート樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 (A)末端にγ線照射により開裂し得る
    炭素―炭素不飽和結合を実質的に持たないポリカーボネ
    ート100重量部、および(B)下記式(1−b) 【化3】 で表わされる化合物1.0〜2.0重量部とからなるγ
    線耐性を有する請求項1記載のポリカーボネート樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】 ポリカーボネートが下記式(2) 【化4】 [ここで、R4 およびR5 は互いに独立に、水素原
    子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数5〜6のシ
    クロアルキル基であるか、あるいはR4 とR5は互い
    に結合してそれらが結合している炭素原子と一緒になっ
    て5または6員環を形成していてもよい。R6 とR7
    は互いに独立に、炭素数1〜5のアルキル基、フェニ
    ル基またはハロゲン原子であり、そしてmおよびnは互
    いに独立に0、1または2である。]で表わされる繰返
    し単位より実質的になる請求項1〜3のいずれかに記載
    のγ線耐性を有するポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ポリカーボネートが下記式(3) 【化5】 [ここで、R8はフェニル基、炭素数1〜12のアルキ
    ル置換フェニル基である。]または下記式(4) 【化6】 [ここで、R4 、R5 、R6 、R7 、mおよび
    nの定義は上記式(2)に同じである。]で表わされる
    末端基を有する請求項1から4のいずれかに記載のγ線
    耐性を有するポリカーボネート樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のポリカ
    ーボネート樹脂組成物より形成された医療用成形品。
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