JP2005501946A - ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ジヒドロキシ化合物とジエステルの溶融重縮合によるポリカーボネートの製造に用いた触媒を奪活する方法。
【解決手段】中間ポリカーボネートに奪活剤組成物を添加して残留触媒を奪活させる。この奪活剤組成物は、1以上のスルホン酸基と1以上のアミノ基を有する化合物を含有する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリカーボネートの製造方法に関し、さらに具体的には、ポリカーボネートの製造に用いた残留触媒の活性を奪活する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
芳香族ポリカーボネートは、特に耐衝撃性、強度及び透明性を始めとする機械的・物理的性質に優れているので、様々な用途に使用されている。芳香族ポリカーボネートの工業生産法としては3通りの一般法が知られており、それらを図1に示す。図1Aに示す従来の界面法及び図1Bに示すホスゲン系溶融法はいずれもホスゲンと一酸化炭素との反応を出発点とする。第三の一般法、すなわち図1Cに示す「無ホスゲン」溶融法は、プロセスの流れにおいて毒性の高いホスゲンの使用を避けるために開発された。これらの一般法のうち、「無ホスゲン」溶融法は、界面法よりも安価にポリカーボネートを製造することができ、毒性の高いホスゲンの使用を避けることができるので好ましい。
【0003】
いずれのタイプの溶融法(図1B及び図1C)もジフェニルカーボネート(DPC)のようなジアリールカーボネートを中間体として利用し、これを図2に示す全反応式に従ってアルカリ触媒存在下でビスフェノールA(BPA)のような二価フェノールと重合してポリカーボネートを形成する。このポリカーボネートは押出その他の方法で加工でき、染料やUV安定剤などの添加剤を配合し得る。しかし、多くの場合、最終ポリカーボネート中に残留触媒が存在すると、製品の品質に悪影響を与え、色の劣化、分子量の低下、透明性の低下、レオロジー特性の劣化を招きかねない。残留触媒は添加剤とも相互作用してその作用効果を損ない、ポリカーボネートが熱分解を受け易くなるおそれもある。そこで、こうした相互作用を最小限に抑制すべく最終ポリカーボネート中の残留触媒量を低減するのが望ましい。かかる低減を「奪活」という。
【0004】
光学品質のポリカーボネートの製造では、直列に連結された幾つかの反応器を用いて最終生成物を製造する。この反応器列の最後の反応器では、反応混合物が高温及び高真空に付される。この処理は副生フェノール、未反応モノマー及び短鎖オリゴマーの除去に役立ち、最終生成物の全般的品質が向上する。光学品質の製品では、奪活剤の添加が行われるのも反応のこの段階である。実際の奪活剤の必要量はごく少量であるので、奪活剤は溶剤に加えるのが普通である。
【0005】
通例、若干過剰量の奪活剤がポリカーボネートに直接加えられる。奪活剤化合物は一般にアルカリ触媒の奪活つまり中和に有効な酸エステル又は酸化合物である。しかし、今回、押出その他の方法で加工された最終ポリカーボネート中の奪活剤の酸官能基が、加水分解安定性に悪影響を及ぼすことが判明した。変色及び他の特性の劣化も認められた。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
ポリカーボネート製造のための溶融重縮合反応に用いたアルカリ触媒を奪活する方法について説明する。この方法では、1以上の酸もしくは酸エステル基と1以上のアミン基を有する化合物を含む奪活剤組成物と中間ポリカーボネート組成物とを反応器中で混合する。反応器中で、中間ポリカーボネートを加熱し、減圧して最終ポリカーボネートを生成させる。アルカリ触媒の中和に過剰量の奪活剤化合物を用いても、最終ポリカーボネートの特性に悪影響を与えないという利点がある。
【0007】
上記その他の特徴は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
ジアリールカーボネートと二価フェノールの溶融反応に由来する残留触媒を中和もしくは奪活する方法では、副生フェノール、未反応モノマー及び短鎖オリゴマーを除去するため反応混合物を高温真空に付す前に、新規奪活剤化合物を中間ポリカーボネートに添加する。好ましい実施形態では、奪活剤化合物は1以上のアミノ基と1以上の酸もしくは酸エステル基を有する分子を含む。別の実施形態では、奪活剤は両性イオン化合物である。奪活剤化合物は、ポリカーボネートの最終処理時の変化、例えば枝分れ、分子量変化などを防ぐのに有効な量で添加される。有益な効果として、同一分子内にアミノ基と酸基を有する奪活剤組成物を用いると、加水分解安定性などのポリカーボネートの安定性が向上するという予想外の結果が得られることが判明した。
【0009】
溶融重縮合反応によるポリカーボネート組成物の製造は当技術分野で公知であり、例えば米国特許第5717057号、同第5606007号及び同第5319066号に記載されており、その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。
【0010】
本明細書中で用いる「ポリカーボネート」、「ポリカーボネート組成物」及び「芳香族カーボネート鎖単位を含む組成物」という用語には、以下の式(I)の構造単位を有する組成物が包含される。
【0011】
【化1】
Figure 2005501946
【0012】
式中、R1基の総数の約60%以上は芳香族有機基であり、残りは脂肪族、脂環式又は芳香族基である。好ましくは、R1は芳香族有機基であり、さらに好ましくは以下の式(II)の基である。
【0013】
【化2】
Figure 2005501946
【0014】
式中、A1及びA2は各々単環式二価アリール基であり、Y1はA1とA2とを直接又は原子1個又は2個で隔てる橋かけ基である。例示的な実施形態では、A1とA2は原子1個で隔てられている。この種の基の非限定的な具体例には、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O2)−、−C(O)−、メチレン、シクロヘキシルメチレン、2−[2.2.1]−ビシクロへプチリデン、エチリデン、イソプロピリデン、ネオペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロペンタデシリデン、シクロドデシリデン及びアダマンチリデンなどがある。別の実施形態では、A1とA2の間に原子は介在せず、具体例はビフェノール(OH−ベンゼン−ベンゼン−OH)である。橋かけ基Y1は炭化水素基でも、メチレン、シクロヘキシリデン又はイソプロピリデンのような飽和炭化水素基でもよい。
【0015】
ポリカーボネートは、A1とA2とが1原子のみで隔てられたジヒドロキシ化合物の反応で製造することができる。本明細書中で用いる「ジヒドロキシ化合物」という用語には、例えば以下の一般式(III)のビスフェノール化合物が包含される。
【0016】
【化3】
Figure 2005501946
【0017】
式中、Ra及びRbは各々独立に水素、ハロゲン原子又は一価炭化水素基を表し、p及びqは各々独立に0〜4の整数であり、Xaは以下の式(IV)の基のいずれかを表す。
【0018】
【化4】
Figure 2005501946
【0019】
式中、Rc及びRdは各々独立に水素原子又は一価線状もしくは環状炭化水素基を表し、Reは二価炭化水素基である。
【0020】
適当なジヒドロキシ化合物の非限定的な具体例を幾つか挙げると、米国特許第4217438号に化合物名又は式(一般式又は具体的な式)で開示されている二価フェノール及びジヒドロキシ置換芳香族炭化水素がある。式(III)で表される種類のビスフェノール化合物の具体例の非包括的なリストには、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「ビスフェノールA」又は「BPA」という。)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ブタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、4,4′−ビフェノール、及び1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン、さらにこれらのビスフェノール化合物の1種以上を含む組合せがある。
【0021】
ホモポリマーよりもカーボネートコポリマーを用いることが望まれる場合、2種以上の異なる二価フェノールの重合で得られるポリカーボネート、或いは二価フェノールとグリコール又はヒドロキシ末端もしくは酸末端ポリエステル又は二塩基酸又はヒドロキシ酸又は脂肪族二酸との共重合体を使用することもできる。一般に、脂肪族二酸は炭素原子数2〜約40のものが有用である。好ましい脂肪族二酸はドデカン二酸である。ポリアリーレート及びポリエステル−カーボネート樹脂又はそのブレンドも使用できる。
【0022】
好ましいポリカーボネートは、A1及びA2が各々p−フェニレンで、Y1がイソプロピリデンであるビスフェノールAに基づくものである。好ましくは、ポリカーボネートの重量平均分子量は約5000〜約100000原子質量単位、さらに好ましくは約10000〜約65000原子質量単位、最も好ましくは約15000〜約35000原子質量単位である。
【0023】
本発明の方法で用いる好ましいジアリールカーボネートはジフェニルカーボネートであるが、特殊なポリカーボネートの製造には他のジアリールカーボネートを用いてもよい。様々なジアリールカーボネート合成法が知られており、例えば米国特許第5210268号、同第5834615号及び同第5713453号に記載されている(その記載内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。)。
【0024】
ポリカーボネート組成物は、この種の樹脂組成物に通常配合される各種添加剤を含んでいてもよい。かかる添加剤には、例えば充填材又は補強材、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、可塑剤、帯電防止剤、離型剤、追加の樹脂、発泡剤など、さらにこれらの添加剤の1種以上を含む組合せがある。
【0025】
溶融重縮合反応は一般に一連の反応器で行われる。まず、反応容器中でジアリールカーボネートと二価アルコールを混合する。この反応容器に、触媒を添加して中間ポリカーボネートを生成させる。本発明の方法で中間組成物の合成に用いられる触媒は、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物又は含窒素塩基性化合物のような塩基性触媒であり、これらはジアリールカーボネートと二価フェノールとの溶融縮合によるポリカーボネート合成の触媒として有効である。この目的に有用なあらゆる公知のアルカリ触媒を使用し得る。
【0026】
中間ポリカーボネートの形成後、最終ポリカーボネートを所望又は目標分子量に達しせしめるため、副生物のフェノールを反応器から連続的に除去する。反応器から副生物のフェノールを効果的に除去するため、最終反応は好ましくは高温減圧下で実施される。好ましくは、この温度は約260℃を上回る。さらに好ましくは、温度は約270〜310℃である。反応の圧力は好ましくは約0.8トル未満に下げる。さらに好ましくは、反応器は約0.2〜0.6トルの圧力にされる。最終ポリカーボネートの目標規格に達したら、若干過剰量の奪活剤化合物を添加して、アルカリ触媒を完全に中和もしくは奪活し、混合物を押出機に通すかその他の方法で加工処理する。
【0027】
奪活剤組成物は、1以上の酸もしくは酸エステル基と1以上のアミン基を有する化合物を含む。使用する酸もしくは酸エステル基は、溶融重縮合反応で使用したアルカリ触媒化合物を中和できるものであれば、ルイス酸であっても、ブレンステッド酸であっても、強酸のエステルであってもよい。さらに、Ra、Rb又はRcが水素の場合、三重水素や重水素などの対応同位体を使用することも考えられる。アミノ官能基は第一アミン、第二アミン、第三アミン、第四アンモニウムのいずれでもよい。好ましい化合物は次の一般式(V)のものである。
【0028】
【化5】
Figure 2005501946
【0029】
式中、Ra及びRbは各々独立に水素、C1−C12アルキル、C1−C12アリール又はC1−C18アルキルアリールであり、Rcは水素、重水素又は三重水素であり、AはC1−C12アルキル、C1−C12アリール又はC1−C18アルキルアリールである。或いは、RaとRbは各々単独で又は共同でNと共に芳香族又は非芳香族複素環式化合物を形成するものであってもよい。適当な複素環構造の具体例として、ピロリル、ピリジニル、ピリミジル、ピラジニル、カルバゾリル、キノリニル、イミダゾイル、ピペラジニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、ピロリニル、インドリル、プリニル、ピロリジニルなどが挙げられる。その他の複素環構造は本明細書の記載に照らして当業者には明らかであろう。
【0030】
別の実施形態では、奪活剤組成物には次の一般式(VI)の化合物が包含される。
【0031】
【化6】
Figure 2005501946
【0032】
式中、Ra及びRbは各々独立に水素、C1−C12アルキル、C1−C12アリール又はC1−C18アルキルアリールであり、Rcは水素、重水素又は三重水素であり、AはC1−C12アルキル、C1−C12アリール又はC1−C18アルキルアリールである。或いは、RaとRbは各々単独で又は共同でNと共に芳香族又は非芳香族複素環式化合物を形成するものであってもよい。適当な複素環構造の具体例として、ピロリル、ピリジニル、ピリミジル、ピラジニル、カルバゾリル、キノリニル、イミダゾイル、ピペラジニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、ピロリニル、インドリル、プリニル、ピロリジニルなどが挙げられる。式IIの化合物は、アミン基の塩基性が酸基のアニオンの塩基性よりも高い場合には、一般に両性イオン又は双極イオンと呼ばれる。
【0033】
奪活剤組成物は適当なキャリヤー中に配合される。キャリヤーは主に溶融重縮合反応の生成物に少量の奪活剤を均一に添加するのを容易にするための希釈剤として働くので、奪活剤組成物中の奪活剤の量は広範囲に変えることができる。奪活剤濃度が高いほど奪活剤組成物の使用量は少なくでき、一方、奪活剤濃度の低い奪活剤組成物については奪活剤の最終濃度が同じになるようにその使用量を多くすればよい。奪活剤組成物中の奪活剤化合物のレベルは概して約0.1〜10体積%であり、好ましくは1体積%である。
【0034】
最終ポリカーボネート組成物は、この種の樹脂組成物に通常配合される各種添加剤を含んでいてもよい。かかる添加剤には、例えば充填材又は補強材、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、可塑剤、帯電防止剤、離型剤、追加の樹脂、発泡剤など、さらにこれらの添加剤の1種以上を含む組合せがある。
【0035】
本発明は、色の改善されたポリカーボネートの効率的な製造方法を提供すると同時に、副反応を抑制し、枝分れを最小限にし、分子量の変化を低減し、加水分解安定性の向上をもたらす。製造したポリカーボネートはペレット化でき、汎用成形材料、シートその他の建設材料、自動車用ヘッドライトレンズ、眼鏡、光学レンズ、光記録材料その他の光学材料としての使用、その他様々な用途に格好の素材である。これらのポリカーボネートは光学成形材料としての使用に特に好適である。
【0036】
以下の実施例は例示のためのものにすぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0037】
本実施例では、小型反応器内の分子量約5000〜8000g/モルの中間ポリカーボネート組成物に、奪活剤化合物を含む室温の溶液を注入した。この中間ポリカーボネート組成物は、アルカリ触媒存在下でのジフェニルカーボネートとビスフェノールAの溶融重縮合反応によって合成した。触媒量はビスフェノールA1モル当り1×106モルであった。奪活剤化合物を中間ポリカーボネートに添加した。混合物を次いで300℃に加熱し、圧力を段階的に1ミリバールまで下げた。30分後に生成物を単離した。
【0038】
奪活剤の総量はアルカリ触媒量を基準にして0当量から20当量までであった。加熱及び減圧の前後における分子量及び枝分れ種の変化によって奪活効率を評価した。試料Aと試料Jとの対比から、後段の加熱減圧処理時に残留触媒が奏する相対的効果が分かる。試料Aは奪活剤を含んでおらず、加熱減圧処理時における枝分れ種の量が最も多く、分子量変化が最も大きかった。試料Aをベースラインつまり奪活効率0%の設定に用いた。試料Jは、後段の処理(加熱及び減圧)に付す前の中間ポリカーボネートである。試料Jの中間ポリカーボネートは、目標の分子量であり、不都合な枝分れ種を検出可能なレベルで含んでいない。試料Jを最大つまり100%奪活効率の設定に用いた。各種奪活剤についての奪活効率の結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
Figure 2005501946
【0040】
試料B〜Eは、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N′−3−プロパンスルホン酸(EPPS)を添加したものであり、中間ポリカーボネート中に存在する残留触媒を基準にした当量で表されるその添加量を種々変更した。15当量を中間ポリカーボネートに添加すると、後段の加熱減圧処理時の枝分れ種の増加及び分子量の変化を防ぐのに有効であることが判明した。
【0041】
試料F〜Gは、1,4−ピペラジンビス(エタンスルホン酸)(PIPES)を添加したものであり、残留触媒を基準にした当量で表されるその添加量を種々変更した。2当量を中間ポリカーボネートに添加すると、後段の加熱減圧処理時の枝分れ種の増加及び分子量の変化を防ぐのに有効であることが判明した。
【0042】
試料H〜Iは、様々な当量の5−ジメチルアミノ−1−ナフタレンスルホン酸(DMANSA)を添加したものである。残留触媒を基準として2当量を中間ポリカーボネートに添加すると、後段の加熱減圧処理時の枝分れ種の増加及び分子量の変化を防ぐのに有効であることが判明した。
【0043】
以上、好ましい実施形態を示し説明してきたが、本発明の要旨及び技術的範囲から逸脱せずに様々な変更及び置換が行うことができる。したがって、本発明に関する以上の説明は例示のためのものにすぎず、本明細書に記載した例示及び実施形態は特許請求の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】従来技術の3通りのポリカーボネート製造方法を示す。
【図2】塩基触媒溶融重縮合反応で実施される従来技術の方法を示す。

Claims (14)

  1. ポリカーボネート製造のための溶融重縮合反応に用いたアルカリ触媒を奪活する方法であって、
    1以上の酸もしくは酸エステル基と1以上のアミン基を有する化合物を含む奪活剤組成物と中間ポリカーボネート組成物とを反応器中で混合し、
    中間ポリカーボネートを加熱し、
    反応器を減圧して最終ポリカーボネートを生成させる
    ことを含む方法。
  2. 奪活剤組成物が次式の化合物を含む、請求項1記載の方法。
    Figure 2005501946
    式中、Ra及びRbは各々独立に水素、C1−C12アルキル、C1−C12アリール又はC1−C18アルキルアリールであり、Ra及びRbは各々単独で又は共同でNと共に複素環構造を形成してもよく、Rcは水素であり、AはC1−C12アルキル、C1−C12アリール又はC1−C18アルキルアリールである。
  3. 奪活剤組成物が次式の化合物を含む、請求項1記載の方法。
    Figure 2005501946
    式中、Ra及びRbは各々独立に水素、C1−C12アルキル、C1−C12アリール又はC1−C18アルキルアリールであり、Rcは水素であり、Ra及びRbは各々単独で又は共同でNと共に複素環構造を形成してもよく、AはC1−C12アルキル、C1−C12アリール又はC1−C18アルキルアリールである。
  4. 奪活剤組成物がN−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N′−3−プロパンスルホン酸化合物を含む、請求項1記載の方法。
  5. 奪活剤組成物が1,4−ピペラジンビス(エタンスルホン酸)を含む、請求項1記載の方法。
  6. 奪活剤組成物が5−ジメチルアミノ−1−ナフタレンスルホン酸を含む、請求項1記載の方法。
  7. アルカリ触媒当り約15当量の奪活剤化合物を添加して残留触媒を奪活する、請求項4記載の方法。
  8. アルカリ触媒当り約2当量の奪活剤化合物を添加して残留触媒を奪活する、請求項5記載の方法。
  9. アルカリ触媒当り約2当量の奪活剤化合物を添加して残留触媒を奪活する、請求項6記載の方法。
  10. 反応器中での加熱及び減圧が、中間ポリカーボネートから低分子量オリゴマー、副生フェノール及び未反応モノマーを除去するのに有効な温度及び圧力で行われる、請求項1記載の方法。
  11. 中間ポリカーボネートの加熱が、260℃を超える温度に昇温することを含む、請求項1記載の方法。
  12. 中間ポリカーボネートの加熱が、260℃を超える温度に昇温することを含む、請求項1記載の方法。
  13. 減圧が、圧力を段階的に約0.8トル未満に減圧することを含む、請求項1記載の方法。
  14. 請求項1記載の方法で製造したポリカーボネート製品であって、ポリカーボネートが、枝分れポリカーボネート構造を1500ppm未満しか含まない実質的に線状ポリカーボネートである、ポリカーボネート製品。
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