JP2001270982A - 電離放射線安定化ポリカーボネート樹脂組成物及び医療用器具の部材用ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

電離放射線安定化ポリカーボネート樹脂組成物及び医療用器具の部材用ポリカーボネート樹脂組成物

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JP2001270982A
JP2001270982A JP2000088191A JP2000088191A JP2001270982A JP 2001270982 A JP2001270982 A JP 2001270982A JP 2000088191 A JP2000088191 A JP 2000088191A JP 2000088191 A JP2000088191 A JP 2000088191A JP 2001270982 A JP2001270982 A JP 2001270982A
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JP
Japan
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polycarbonate resin
group
carbon atoms
weight
resin composition
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Application number
JP2000088191A
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English (en)
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Kunio Hatanaka
邦夫 畠中
Yoshihiko Imanaka
嘉彦 今中
Toshio Kida
稔男 喜田
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Chemicals Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 物性劣化が少なく電離放射線滅菌の際の黄変
が非常に小さいポリカーボネート樹脂組成物及び医療用
器具の部材用のポリカーボネート樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】 ポリカーボネート樹脂100重量部およ
び特定のアセタール化合物0.001〜20重量部およ
びポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコー
ルのエーテル誘導体またはエステル誘導体0.001〜
5重量部からなる電離放射線安定化ポリカーボネート樹
脂組成物および医療用器具の部材用ポリカーボネート樹
脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリカーボネート
樹脂およびベンザル構造をもつ特定のアセタール化合物
およびポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリ
コールのエーテル誘導体またはエステル誘導体からなる
ポリカーボネート樹脂組成物及び医療用器具の部材用の
ポリカーボネート樹脂組成物に関する。更に詳しくは、
医療用器具の滅菌処理に用いられる電離放射線に対して
安定化させたポリカーボネート樹脂組成物及び医療用器
具の部材用のポリカーボネート樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカ−ボネ−ト樹脂は、機械的強度、
透明性、耐熱性、耐衝撃性の優れた熱可塑性樹脂として
広範な用途に使用されている。該樹脂は、かかる優れた
特性により、特に注射器、外科用具、手術用器具等を収
容、包装する容器、人工肺、人工腎臓、麻酔吸収装置、
静脈用コネクタ−及び付属品、血液分離装置等の医療用
装置、外科用具、手術用具など、各種の医療用器具の部
材として使用されている。
【0003】これらの医療用途では、通常、完全な滅菌
処理が施される。該滅菌処理には、エチレンオキシドガ
ス接触処理、オ−トクレ−ブ中での高圧水蒸気による高
温湿熱処理、γ線、電子線等の電離放射線の照射処理が
挙げられる。これらの中で、エチレンオキシド法は、ガ
ス自体の安全性、毒性(特に発ガン性等)の問題、被処
理医療用器具における残留ガスの問題、廃棄処理に関連
する環境問題などがあり好ましくない。水蒸気滅菌法
は、高温湿熱処理のため材料の変形、加水分解による劣
化、処理コストが高いなどの問題点があるほか、滅菌処
理後に乾燥工程がさらに必要である。一方、電離放射線
処理法は、製品への残留問題がなく、低温下乾燥状態で
処理でき、処理コストが比較的低い等の利点があり、ま
た該放射線はその物質透過性により包装済の製品での滅
菌処理が実施できるため、盛んに用いられてきている。
【0004】しかしながら、ポリカ−ボネ−ト樹脂はか
かる電離放射線の照射を受けると、化学変化を伴い黄色
に変色する。この変色は、医療用途では内容物の正確な
色調が見られなくなるなど商品的価値を著しく損なう。
【0005】かかる黄変を防止することを目的に種々の
試みがなされている。例えば樹脂中に青系着色剤を添加
して黄色味を相殺する方法が知られている。しかしなが
ら、かかる方法では、該着色剤の添加量により黄色味を
消すことはできるが、全体に暗色化し商品的価値をやは
り損ねてしまう。
【0006】また、ポリエ−テルポリオ−ル又はそのア
ルキルエ−テルを添加する方法が知られている(特開昭
62−135556号公報)。かかる方法では、ある程
度の改善はなされるが、未だ不十分であり、また、該化
合物の添加により成形加工時にポリカ−ボネ−ト樹脂の
分解及びヤケなどが発生しやすい問題があった。
【0007】さらに、芳香族ハロゲン化合物を添加する
方法が開示されている(特開平2−129261号公
報)。この方法は、ポリカ−ボネ−ト樹脂に対しかなり
良好な安定化効果を与えるが、ハロゲン化合物であり、
安全性及び廃棄処理に関連する環境問題を避けることが
できないという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、物性
劣化が少なく電離放射線滅菌の際の黄変が非常に小さい
ポリカーボネート樹脂組成物及び医療用器具の部材用の
ポリカーボネート樹脂組成物を提供することにある。本
発明者は、かかる目的を達成せんとして鋭意研究した結
果、ベンザル構造をもつ特定のアセタール化合物および
ポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール
のエーテル誘導体またはエステル誘導体をポリカ−ボネ
−ト樹脂に配合することにより、電離放射線滅菌の際の
黄変が非常に小さくなることを見出し、本発明に到達し
た。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、ポリカーボネート樹脂100重量部および下記式
(1)で示されるアセタール化合物0.001〜20重
量部および下記式(2)で示されるポリアルキレングリ
コール、ポリアルキレングリコールのエーテル誘導体ま
たはエステル誘導体0.001〜5重量部からなる電離
放射線安定化ポリカーボネート樹脂組成物が提供され
る。
【0010】
【化3】
【0011】(式中、mおよびnは0〜5の整数であ
り、R1およびR2は、それぞれ同一でも異なっていても
よく、炭素数1〜18の炭化水素基、炭素数1〜18の
炭化水素オキシ基、炭素数1〜18のアシル基、炭素数
1〜18のアシロキシ基および炭素数2〜8のポリオキ
シ炭化水素基からなる群より選ばれる少なくとも1つの
基を示す。)
【0012】
【化4】
【0013】(式中、R3およびR5は、それぞれ同一で
も異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜30の炭
化水素基、炭素数1〜30のアシル基、2−オキサニル
基であり、該炭化水素基がアリール基を含む場合にはそ
の核に置換基として炭素数1〜10のアルキル基を有す
ることができ、R4は、炭素数2〜10の二価の炭化水
素基であり、pは、1以上の整数である。)
【0014】本発明で使用されるポリカ−ボネ−ト樹脂
とは、種々の芳香族ジヒドロキシ化合物又はこれと少量
のポリヒドロキシ化合物をホスゲンと反応させる界面縮
重合法又はジフェニルカ−ボネ−ト等の炭酸エステルと
反応させる溶融重合法によって合成される分岐していて
もよい熱可塑性芳香族ポリカ−ボネ−トの重合体又は共
重合体である。その代表例としては、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)
から合成されるポリカ−ボネ−トが挙げられる。
【0015】前記芳香族ジヒドロキシ化合物としては、
ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メ
タン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブ
チルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−
フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ジフェニルメタン、9,9−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキ
シ−3−メチルフェニル)フルオレン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロペンタン、4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニルエ−テル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−
ジメチルジフェニルエ−テル、4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニル
スルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジフェ
ニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−
ジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−
3,3’−ジフェニルスルホン、1,3−ビス{2−
(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1,
4−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}
ベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニル等が挙げられ、ビスフェノールA
が好ましく用いられる。これらの化合物は1種類または
2種類以上混合して用いることができる。
【0016】また、分岐した芳香族ポリカ−ボネ−ト樹
脂を得るには、フロログリシン、2,6−ジメチル−
2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−3−
ヘプテン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4
−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプテン、1,3,5−
トリス(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾ−ル、1,
1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)
−4−メチルフェノ−ル、α,α’,α”−トリス(4
−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピ
ルベンゼン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
オキシインド−ル(イサチンビスフェノ−ル)、5−ク
ロロイサチンビスフェノ−ル、5−ブロモイサチンビス
フェノ−ル、5,7−ジクロロイサチンビスフェノ−ル
などを用いればよい。
【0017】界面重縮合法による反応は、通常二価フェ
ノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機
溶媒の存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水
酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。
有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロルベンゼ
ン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促
進のために例えばトリエチルアミン、テトラ−n−ブチ
ルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホ
ニウムブロマイド等の第三級アミン、第四級アンモニウ
ム化合物、第四級ホスホニウム化合物等の触媒を用いる
こともできる。その際、反応温度は通常0〜40℃、反
応時間は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に
保つのが好ましい。
【0018】また、かかる重合反応において、通常末端
停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フ
ェノール類を使用することができる。単官能フェノール
類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用
され、また得られたポリカーボネート樹脂は、末端が単
官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているの
で、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。か
かる単官能フェノール類の具体例としては、例えばフェ
ノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミル
フェノールおよびイソオクチルフェノールが挙げられ
る。また、他の単官能フェノール類としては、長鎖のア
ルキル基あるいは脂肪族ポリエステル基を置換基として
有するフェノール類または安息香酸クロライド類、もし
くは長鎖のアルキルカルボン酸クロライド類を使用する
ことができる。
【0019】これらの末端停止剤は、得られたポリカー
ボネート樹脂の全末端に対して少くとも5モル%、好ま
しくは少くとも10モル%末端に導入されることが望ま
しく、また、末端停止剤は単独でまたは2種以上混合し
て使用してもよい。
【0020】溶融重合法による反応は、通常二価フェノ
ールとカーボネートエステルとのエステル交換反応であ
り、不活性ガスの存在下に二価フェノールとカーボネー
トエステルとを加熱しながら混合して、生成するアルコ
ールまたはフェノールを留出させる方法により行われ
る。反応温度は生成するアルコールまたはフェノールの
沸点等により異なるが、通常120〜350℃の範囲で
ある。反応後期には系を10〜0.1Torr程度に減
圧して生成するアルコールまたはフェノールの留出を容
易にさせる。反応時間は通常1〜4時間程度である。
【0021】カーボネートエステルとしては、置換され
ていてもよい炭素数6〜15のアリール基、アラルキル
基あるいは炭素数1〜4のアルキル基などのエステルが
挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ビス
(クロロフェニル)カーボネート、m―クレジルカーボ
ネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)
カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボ
ネート、ジブチルカーボネートなどが挙げられ、なかで
もジフェニルカーボネートが好ましい。
【0022】また、重合速度を速めるために重合触媒を
用いることができ、かかる重合触媒としては、例えば水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二価フェノールのナ
トリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属化合物、水酸
化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等
のアルカリ土類金属化合物、テトラメチルアンモニウム
ヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシ
ド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩
基性化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコ
キシド類、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩
類、亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、アルミニウム化合
物類、珪素化合物類、ゲルマニウム化合物類、有機スズ
化合物類、鉛化合物類、オスミウム化合物類、アンチモ
ン化合物類マンガン化合物類、チタン化合物類、ジルコ
ニウム化合物類などの通常エステル化反応、エステル交
換反応に使用される触媒を用いることができる。触媒は
単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用し
てもよい。これらの重合触媒の使用量は、原料の二価フ
ェノール1モルに対し、好ましくは1×10-9〜1×1
-3当量、より好ましくは1×10-8〜5×10-4当量
の範囲で選ばれる。
【0023】ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平
均分子量(M)で10,000〜100,000が好まし
く、11,000〜45,000がより好ましく、12,
000〜30,000が特に好ましい。かかる粘度平均
分子量を有するポリカーボネート樹脂は、十分な強度が
得られ、また、成形時の溶融流動性も良好であり成形歪
みが発生せず好ましい。かかる粘度平均分子量は塩化メ
チレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを2
0℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に
挿入して求めたものである。 ηsp/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]
は極限粘度) [η]=1.23×10-40.83 c=0.7
【0024】本発明で使用されるアセタール化合物と
は、前記式(1)で示されるアセタール化合物であり、
前記式(1)中、mおよびnは0〜5の整数であり、好
ましくは0〜2の整数であり、R1およびR2は、それぞ
れ同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜18の炭化
水素基、炭素数1〜18の炭化水素オキシ基、炭素数1
〜18のアシル基、炭素数1〜18のアシロキシ基およ
び炭素数2〜8のポリオキシ炭化水素基からなる群より
選ばれる少なくとも1つの基を示す。
【0025】炭素数1〜18の炭化水素基としては、炭
素数1〜18、好ましくは炭素数1〜15のアルキル
基、アラルキル基またはアリール基であり、具体的に
は、メチル、エチル、ブチル、iso−ブチル、ter
t−ブチル、オクチル、ノニル、デシル、オクタデシ
ル、ベンジル、フェニルなどが挙げられる。
【0026】炭素数1〜18の炭化水素オキシ基として
は、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜15のアル
キルオキシ基、アラルキルオキシ基またはアリールオキ
シ基であり、具体的には、メトキシ、ブトキシ、オクチ
ルオキシ、ステアリルオキシ、ラウリルオキシ、フェノ
キシ、ベンジルオキシなどが挙げられる。
【0027】炭素数1〜18のアシル基としては、具体
的には、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ステアロ
イル、ラウロイル、ベンゾイルなどが挙げられる。
【0028】炭素数1〜18のアシロキシ基としては、
具体的には、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブチリ
ルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシなど
が挙げられる。
【0029】炭素数2〜8のポリオキシ炭化水素基とし
ては、具体的には、エトキシエトキシ、ベンジルオキシ
エトキシなどが挙げられる。
【0030】前記式(1)で示されるアセタール化合物
として、具体的には、3,9−ジフェニル−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、
3−(4−メチルフェニル)−9−フェニル−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、
3,9−ビス(2−メチルフェニル)−2,4,8,1
0−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9
−ビス(3−メチルフェニル)−2,4,8,10−テ
トラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス
(4−メチルフェニル)−2,4,8,10−テトラオ
キサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2,
4−ジメチルフェニル)−2,4,8,10−テトラオ
キサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2,
5−ジメチルフェニル)−2,4,8,10−テトラオ
キサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2,
6−ジメチルフェニル)−2,4,8,10−テトラオ
キサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(3,
5−ジメチルフェニル)−2,4,8,10−テトラオ
キサスピロ[5,5]ウンデカン、
【0031】3,9−ビス(4−iso−ブチルフェニ
ル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,
5]ウンデカン、3−(4−エチルフェニル)−9−
(4−ブチルフェニル)−2,4,8,10−テトラオ
キサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(4−
tert−ブチルフェニル)−2,4,8,10−テト
ラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス
(4−オクチルフェニル)−2,4,8,10−テトラ
オキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(4
−ノニルフェニル)−2,4,8,10−テトラオキサ
スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(4−デシ
ルフェニル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(4−ドデシルフ
ェニル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(4−オクタデシ
ルフェニル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(4−フェニルフ
ェニル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5,5]ウンデカン、
【0032】3,9−ビス(4−メトキシフェニル)−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウン
デカン、3,9−ビス(4−ブトキシフェニル)−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカ
ン、3,9−ビス(4−ベンジルオキシフェニル)−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウン
デカン、3,9−ビス(4−アセチルフェニル)−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカ
ン、3,9−ビス{4−(エトキシエトキシ)フェニ
ル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,
5]ウンデカン、3,9−ビス{4−(ベンジルオキシ
エトキシ)フェニル}−2,4,8,10−テトラオキ
サスピロ[5,5]ウンデカンなどが挙げられる。
【0033】これらの中で、3,9−ジフェニル−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカ
ン、3,9−ビス(2−メチルフェニル)−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、
3,9−ビス(3−メチルフェニル)−2,4,8,1
0−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9
−ビス(4−メチルフェニル)−2,4,8,10−テ
トラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス
(2,4−ジメチルフェニル)−2,4,8,10−テ
トラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス
(2,5−ジメチルフェニル)−2,4,8,10−テ
トラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス
(4−iso−ブチルフェニル)−2,4,8,10−
テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンおよび3,9
−ビス(4−フェニルフェニル)−2,4,8,10−
テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンが好ましく、
特に、3,9−ジフェニル−2,4,8,10−テトラ
オキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(3
−メチルフェニル)−2,4,8,10−テトラオキサ
スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2,4−
ジメチルフェニル)−2,4,8,10−テトラオキサ
スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(4−is
o−ブチルフェニル)−2,4,8,10−テトラオキ
サスピロ[5,5]ウンデカンおよび3,9−ビス(4
−フェニルフェニル)−2,4,8,10−テトラオキ
サスピロ[5,5]ウンデカンが好ましい。これらのア
セタール化合物は単独でまたは2種類以上を混合して使
用することができる。
【0034】前記式(1)のアセタール化合物は、通常
ペンタエリスリトールと相当するベンズアルデヒド誘導
体とを、必要ならば該反応に関与しない有機溶媒で希釈
して、酸触媒の存在下での縮合反応で、通常は0℃から
120℃の温度条件下、30分間から15時間反応させ
て得ることができる。酸触媒としては、トルエンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、メチルスルホン酸などの有
機酸、硫酸、塩酸、硝酸などの無機酸が挙げられる。有
機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン
などの炭化水素化合物、ジオキサン、1,2−ジメトキ
シエタンなどのエーテル化合物、クロロベンゼン、1,
2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素化合物な
どが挙げられる。本発明のアセタール化合物は、上記縮
合反応後の反応混合物から一般的な分離手段により得ら
れる。例えば、反応混合物からの濾取、または反応混合
物に水を添加し酸触媒を除いた後の有機層からの晶析、
溶媒留去などにより得ることができる。
【0035】本発明で使用されるポリアルキレングリコ
ール、ポリアルキレングリコールのエーテル誘導体また
はエステル誘導体とは、前記式(2)で示されるポリア
ルキレングリコール化合物であり、前記式(2)中、R
3およびR5は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、
水素原子、炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜3
0のアシル基、2−オキサニル基であり、該炭化水素基
がアリール基を含む場合にはその核に置換基として炭素
数1〜10のアルキル基を有することができ、R4は、
炭素数2〜10の二価の炭化水素基であり、pは、1以
上の整数である。
【0036】炭素数1〜30の炭化水素基としては、炭
素数1〜30、好ましくは炭素数1〜18のアルキル
基、アラルキル基またはアリール基であり、具体的に
は、メチル、ブチル、iso−ブチル、tert−ブチ
ル、オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシル、ベン
ジル、フェニル、4−ノニルフェニル、4−tert−
ブチルフェニルなどが挙げられる。また、該炭化水素基
がアリール基を含む場合にはその核に置換基として炭素
数1〜10のアルキル基を有することができ、炭素数1
〜10のアルキル基としては、メチル、エチル、ブチ
ル、iso−ブチル、tert−ブチル、オクチル、ノ
ニル、デシルなどが挙げられる。
【0037】炭素数1〜30のアシル基としては、具体
的には、アセチル、プロピオニル、ブチリル、カプロイ
ル、ステアロイル、ラウロイル、ベンゾイル、2,6−
ジメチルベンゾイル、4−tert−ブチルベンゾイル
などが挙げられる。
【0038】炭素数2〜10の二価の炭化水素基として
は、具体的には、エチレン、プロピレン、テトラメチレ
ンなどが挙げられ、プロピレンが好ましい。
【0039】前記式(2)で示されるポリアルキレング
リコール、ポリアルキレングリコールのエーテル誘導体
またはエステル誘導体として、具体的には、ポリエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコールメチルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエ
チレングリコールブチルエーテル、ポリエチレングリコ
ールジブチルエーテル、ポリエチレングリコールドデシ
ルエーテル、ポリエチレングリコールベンジルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジベンジルエーテル、ポリ
エチレングリコール−4−ノニルフェニルエーテル、ポ
リエチレングリコール−4−tert−ブチルフェニル
エーテル、ポリエチレングリコールジ−4−tert−
ブチルフェニルエーテル、ポリプロピレングリコール、
ポリプロピレングリコールメチルエーテル、ポリプロピ
レングリコールジメチルエーテル、ポリプロピレングリ
コールブチルエーテル、ポリプロピレングリコールジブ
チルエーテル、ポリプロピレングリコールドデシルエー
テル、ポリプロピレングリコールベンジルエーテル、ポ
リプロピレングリコールジベンジルエーテル、ポリプロ
ピレングリコール−4−ノニルフェニルエーテル、ポリ
プロピレングリコール−4−tert−ブチルフェニル
エーテル、ポリプロピレングリコールジ−4−tert
−ブチルフェニルエーテル、ポリテトラメチレングリコ
ール、ポリエチレングリコールジ酢酸エステル、ポリエ
チレングリコール酢酸プロピオン酸エステル、ポリエチ
レングリコールジ酪酸エステル、ポリエチレングリコー
ルジステアリン酸エステル、ポリエチレングリコールジ
ラウリン酸エステル、ポリエチレングリコールジ安息香
酸エステル、ポリエチレングリコールジ−2,6−ジメ
チル安息香酸エステル、ポリエチレングリコール−p−
tert−ブチル安息香酸エステル、ポリエチレングリ
コールジカプリル酸エステル、ポリプロピレングリコー
ルジ酢酸エステル、ポリプロピレングリコール酢酸プロ
ピオン酸エステル、ポリプロピレングリコールジ酪酸エ
ステル、ポリプロピレングリコールジステアリン酸エス
テル、ポリプロピレングリコールジラウリン酸エステ
ル、ポリプロピレングリコールジ安息香酸エステル、ポ
リプロピレングリコール−ジ−2,6−ジメチル安息香
酸エステル、ポリプロピレングリコール−p−tert
−ブチル安息香酸エステル、ポリプロピレングリコール
ジカプリル酸エステル、ポリエチレングリコールメチル
エーテル酢酸エステル、ポリエチレングリコールブチル
エーテルラウリン酸エステル、ポリプロピレングリコー
ルメチルエーテル酢酸エステル、ポリプロピレングリコ
ールブチルエーテルラウリン酸エステルなどが挙げられ
る。
【0040】これらの中で、ポリプロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコールジメチルエーテル、ポリ
プロピレングリコールジブチルエーテル、ポリプロピレ
ングリコールジベンジルエーテル、ポリプロピレングリ
コールジ−4−tert−ブチルフェニルエーテル、ポ
リプロピレングリコールジ酢酸エステル、ポリプロピレ
ングリコールジステアリン酸エステル、ポリプロピレン
グリコールジラウリン酸エステル、ポリプロピレングリ
コールジ安息香酸エステル、ポリプロピレングリコール
ブチルエーテルラウリン酸エステルが好ましく、特にポ
リプロピレングリコールブチルエーテルラウリン酸エス
テルが好ましい。これらのポリアルキレングリコール、
ポリアルキレングリコールのエーテル誘導体またはエス
テル誘導体は単独でまたは2種類以上を混合して使用す
ることができる。
【0041】本発明で使用される前記式(2)のポリア
ルキレングリコール、ポリアルキレングリコールのエー
テル誘導体またはエステル誘導体は、分子量が8,00
0以下であることが望ましい。分子量が8,000以下
であれば、ポリカ−ボネ−ト樹脂組成物の透明性が維持
され好ましい。
【0042】本発明において、上記のアセタール化合物
およびポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリ
コールのエーテル誘導体またはエステル誘導体は、併用
することにより、ポリカ−ボネ−ト樹脂の電離放射線照
射による変質を抑制する効果が著しく、ポリカ−ボネ−
ト樹脂の電離放射線安定剤として使用することができ
る。
【0043】本発明において、ポリカ−ボネ−ト樹脂1
00重量部に対して、前記式(1)で示されるアセター
ル化合物は0.001〜20重量部の範囲であり、0.
01〜5重量部の範囲が好ましく、0.1〜3重量部の
範囲がより好ましい。0.001重量部より少ない場
合、耐電離放射線安定化効果が不十分であり、20重量
部より多い場合、ポリカ−ボネ−ト樹脂の物性を損ねた
り、コスト的に不利になることがあり好ましくない。
【0044】また、前記式(2)で示されるポリアルキ
レングリコール、ポリアルキレングリコールのエーテル
誘導体またはエステル誘導体は、ポリカ−ボネ−ト樹脂
100重量部に対して、0.001〜5重量部の範囲で
あり、0.01〜5重量部の範囲が好ましく、0.1〜
3重量部の範囲がより好ましい。0.001重量部より
少ない場合、耐電離放射線安定化効果が不十分であり、
5重量部より多い場合、ポリカ−ボネ−ト樹脂の透明
性、機械的特性などの物性を損ねたり、コスト的に不利
になることがあり好ましくない。
【0045】本発明において、アセタール化合物とポリ
アルキレングリコール、ポリアルキレングリコールのエ
ーテル誘導体またはエステル誘導体の混合比は、特に制
限はないが、好ましくは重量比で10/90〜90/1
0である。前述したように、ポリカーボネート樹脂に、
アセタール化合物ならびにポリアルキレングリコール、
ポリアルキレングリコールのエーテル誘導体またはエス
テル誘導体を配合することにより、物性が低下すること
なく、黄変度の少ないポリカーボネート樹脂組成物が得
られる。
【0046】また、前記アセタール化合物およびポリア
ルキレングリコール、ポリアルキレングリコールのエー
テル誘導体またはエステル誘導体は、他の従来公知の耐
電離放射線安定剤と併用することができ、かかる併用に
より相乗的に安定化効果が得られる場合がある。そのよ
うな化合物としては、例えば、特開平2−115260
号公報に記載されたチオエーテル化合物、特開平6−1
66807号公報に記載されたメルカプト基を有する化
合物、特開平8−225732号公報、特開平8−22
5733号公報、特開平8−225734号公報に記載
されたベンジルエーテル、ベンジルアルコールのような
ベンジルオキシ構造を有するエーテル、アルコール化合
物やベンジルスルフィドのようなベンジルチオ構造を有
する硫黄化合物等が挙げられる。これらの安定剤の使用
量は、ポリカ−ボネ−ト樹脂100重量部に対して、通
常0.001〜15重量部の範囲で用いられる。
【0047】本発明のポリカ−ボネ−ト樹脂組成物に
は、本発明の効果を損なわない程度に、他の樹脂材料、
例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリエステルポリカーボネート、ポリア
リレート、シクロヘキサンジメタノールとテレフタル酸
及び/またはイソフタル酸とのポリエステルまたはポリ
エチレンテレフタレートとのコポリエステル等を混合し
て使用することができる。通常、ポリカ−ボネ−ト樹脂
組成物の透明性、物性等を考慮してポリカーボネート樹
脂100重量部に対して30重量部以下の量で用いられ
る。
【0048】本発明のポリカ−ボネ−ト樹脂組成物に
は、ポリカーボネート樹脂に対して通常用いられている
各種添加剤、例えば、成形性を改良するためにステアリ
ン酸、パルミチン酸等の高級脂肪酸とグリセリン、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のアルコ
ールとのエステルまたは部分エステル、パラフィン等の
離型剤、リン酸エステル、亜リン酸エステル等の熱安定
剤、ヒンダードフェノール等の酸化防止剤のほか、耐候
性改良剤、紫外線吸収剤、難燃剤、難燃助剤、耐衝撃改
良剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、相溶化剤、発砲剤、
補強剤、充填剤、染料、顔料等の着色剤等を、電離放射
線照射による悪影響が現れない範囲で配合させることが
できる。
【0049】本発明のポリカ−ボネ−ト樹脂組成物は、
射出成形、押出成形、ブロ−成形、圧縮成形、トランス
ファ成形等通常用いられるいずれの成形法でも適用する
ことができる。なかでも、射出成形法が好ましく用いら
れ、ポリカ−ボネ−ト樹脂の種類、重合度、前記アセタ
ール化合物およびポリアルキレングリコール、ポリアル
キレングリコールのエーテル誘導体またはエステル誘導
体の種類、配合量、その他の添加剤の種類、量等により
変化するため一概には云えないが、通常、260〜35
0℃で成形される。
【0050】かくして得られる成形物は、電子線、γ
線、α線、中性子線、X線等の電離放射線に対して高い
安定性を有しており、特に、γ線又は電子線を滅菌用と
して用いる医療用器具の部材に適している。
【0051】かかる医療器具の部材としては、人工透析
器(人工腎臓用ケ−ス、キャップ)、人工肺、麻酔用吸
入装置、静脈用コネクタ及び付属品、血液遠心分離ボウ
ル、外科用具、手術室用具、酸素を血液に供給するチュ
−ブ、チュ−ブの接続具、心臓プロ−ブ並びに注射器、
外科用具、手術室器具、静脈注射液などを入れる容器な
どが挙げられる。
【0052】
【実施例】以下に実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、もとよりそれに限定されるものではない。実施
例中、部、%は特に断らない限り重量基準を意味する。
【0053】[アセタール化合物の合成]ベンズアルデ
ヒド212.2g(2.0mol)、ペンタエリスリト
ール136.1g(1.0mol)、トルエン600m
lをマグネティックスターラー、ディーンスターク、還
流冷却器を備えた1lのナスフラスコに入れ、p−トル
エンスルホン酸−1水和物3.8g(0.02mol)
を添加した。次にトルエン還流まで加熱し、6時間反応
させた後、3時間かけてトルエン300mlを留去し
た。室温まで冷却した後、塩化メチレンを加えて析出し
た無色固体を溶解し、中性になるまで水洗した。溶媒を
留去した後、得られた無色固体をエタノール/塩化メチ
レン混合液から再結晶して、3,9−ジフェニル−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカ
ン(前記式(1)で、mおよびnは0の化合物)273
g(収率88%)を無色鱗片状結晶として得た(融点:
159〜160℃)。化合物の同定は、1H−NMRス
ペクトル、IRスペクトルを用いて行った。
【0054】また、ベンズアルデヒドに代えて、相当の
化合物を使用して、同様に合成し、下記の化合物を得
た。 3,9−ビス(3−メチルフェニル)−2,4,8,
10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(前記
式(1)で、mおよびnは1、R1およびR2はメチルの
化合物) 3,9−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカ
ン(前記式(1)で、mおよびnは2、R1およびR2
メチルの化合物) 3,9−ビス(4−iso−ブチルフェニル)−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカ
ン(前記式(1)で、mおよびnは1、R1およびR2
iso−ブチルの化合物) 3,9−ビス(4−フェニルフェニル)−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン
(前記式(1)で、mおよびnは1、R1およびR2はフ
ェニルの化合物)
【0055】各実施例にて使用したポリアルキレングリ
コールのエーテルエステル誘導体は下記の通りである。 ポリプロピレングリコールモノブチルエーテルラウリン
酸エステル(前記式(2)において、R3はブチル、R4
はプロピレン、R5はラウロイルの化合物);三洋化成
(株)製TCC−3800、分子量:2,050
【0056】[実施例1〜5、比較例1]ビスフェノー
ルA型のポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製パン
ライトL−1225)100部に対して表1記載の各種
アセタール化合物および上記ポリアルキレングリコール
のエーテルエステル誘導体を表1記載の量添加し、φ3
0mm一軸ベント式押出機を用いて、バレル温度260
〜280℃で溶融押出してペレットを得た。このペレッ
トを熱風乾燥機中で、120℃にて5時間以上乾燥した
後、シリンダー温度280〜300℃で射出成形して、
2mm厚の透明試験片を作成した。この試験片を用い、
コバルト60γ線を25キログレイ(kGy)照射し
た。脱酸素中の場合は、この透明試験片と共に市販の脱
酸素剤を袋に封入したものに対して照射を行った。照射
前後の黄色度(ΔYI)を、JIS K7103に従っ
て測定した。結果を表1に示した。
【0057】[参照例1]アセタール化合物およびポリ
アルキレングリコールのエーテルエステル誘導体を用い
ないこと以外は実施例1と同様にしてポリカーボネート
樹脂の透明試験片を作成し、この試験片を用いてγ線照
射前後の黄変度(ΔYI)を求めた。結果を表1に示し
た。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】本発明のポリカーボネート樹脂組成物
は、物性の劣化が少なく滅菌のために照射される電離放
射線による色調の変化が少ない。従って、電離放射線処
理が行われる医療用製品、医療用装置の部材等の用途に
極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 喜田 稔男 東京都千代田区内幸町1丁目2番2号 帝 人化成株式会社内 Fターム(参考) 4C081 AC08 BB08 CA201 DA03 4J002 CG011 CG021 CG031 CH052 EL126 FD060 FD070 FD160 GB01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂100重量部およ
    び下記式(1)で示されるアセタール化合物0.001
    〜20重量部および下記式(2)で示されるポリアルキ
    レングリコール、ポリアルキレングリコールのエーテル
    誘導体またはエステル誘導体0.001〜5重量部から
    なる電離放射線安定化ポリカーボネート樹脂組成物。 【化1】 (式中、mおよびnは0〜5の整数であり、R1および
    2は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、炭素数
    1〜18の炭化水素基、炭素数1〜18の炭化水素オキ
    シ基、炭素数1〜18のアシル基、炭素数1〜18のア
    シロキシ基および炭素数2〜8のポリオキシ炭化水素基
    からなる群より選ばれる少なくとも1つの基を示す。) 【化2】 (式中、R3およびR5は、それぞれ同一でも異なってい
    てもよく、水素原子、炭素数1〜30の炭化水素基、炭
    素数1〜30のアシル基、2−オキサニル基であり、該
    炭化水素基がアリール基を含む場合にはその核に置換基
    として炭素数1〜10のアルキル基を有することがで
    き、R4は、炭素数2〜10の二価の炭化水素基であ
    り、pは、1以上の整数である。)
  2. 【請求項2】 ポリカーボネート樹脂100重量部に対
    して、前記式(1)で示されるアセタール化合物が0.
    01〜5重量部であり、且つ前記式(2)で示されるポ
    リアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールの
    エーテル誘導体またはエステル誘導体0.01〜3重量
    部である請求項1記載の電離放射線安定化ポリカーボネ
    ート樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記式(2)で示されるポリアルキレン
    グリコール、ポリアルキレングリコールのエーテル誘導
    体またはエステル誘導体が、分子量8,000以下であ
    ることを特徴とする請求項1記載の電離放射線安定化ポ
    リカーボネート樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ポリカーボネート樹脂100重量部およ
    び前記式(1)で示されるアセタール化合物0.001
    〜20重量部および前記式(2)で示されるポリアルキ
    レングリコール、ポリアルキレングリコールのエーテル
    誘導体またはエステル誘導体0.001〜5重量部から
    なる医療用器具の部材用ポリカーボネート樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101374367B1 (ko) * 2010-12-30 2014-03-17 제일모직주식회사 내방사선 수지 및 이를 이용한 의료용 외장재
JP2017197704A (ja) * 2016-04-20 2017-11-02 住化ポリカーボネート株式会社 ポリカーボネート樹脂組成物及び光学用成形品

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