JP2002060381A - 複素環式化合物のフッ素化方法 - Google Patents

複素環式化合物のフッ素化方法

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JP2002060381A JP2000246948A JP2000246948A JP2002060381A JP 2002060381 A JP2002060381 A JP 2002060381A JP 2000246948 A JP2000246948 A JP 2000246948A JP 2000246948 A JP2000246948 A JP 2000246948A JP 2002060381 A JP2002060381 A JP 2002060381A
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Yasushi Fukai
靖 深井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 官能基を有する複素環式化合物のモノフルオ
ロ化において、使用する原料の自由度があり、目的モノ
フルオロ化合物を高選択性及び高収率で、安全且つ簡便
に製造できる方法を提供すること。 【解決手段】 官能基を有する炭素数4〜20の複素環
式化合物を反応条件下でフッ素に対して不活性あるいは
反応性に乏しい溶媒に溶解させて、この溶液にフッ素ガ
スを導入、接触させ、反応時の液相温度を−30℃〜1
0℃に維持し、選択的にモノフルオロ化合物を製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複素環式化合物の
フッ素化方法に関し、特に液晶材料中間体、医薬または
農薬用中間体等に使用される官能基を有する複素環式化
合物のモノフルオロ化合物を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】既存の選択的フッ素化合物の合成方法
は、塩素化合物を前駆体としてフッ化カリウムまたはフ
ッ化水素によりハロゲン交換反応を利用して合成する方
法、特殊なフッ素化剤を使用するフッ素化などが挙げら
れる。しかし、これらの方法は、反応可能な前駆体への
誘導や高価なフッ素化剤を必要とし、また反応において
は、高い反応温度あるいは非常に低い温度が必要な場合
があり、大量の廃棄物が生じる。
【0003】このような、既存の反応による合成法に代
わるものとして、フッ素ガスを使用して気相または液相
中で直接的にフッ素化する方法が考えられる。しかし、
有機化合物をフッ素ガスを用いて直接フッ素化する方法
は、フッ素の高反応性のために、部分的にフッ素化され
た化合物を選択性よく得ることが一般的に困難で、多種
類のフッ素化合物が混在して得られる場合がほとんどで
ある。また、この方法は、安全性の面でも問題がある。
【0004】さらに、直接フッ素化法は、上記の諸問題
の外に、低温下で反応を行わなければならないといった
不経済な反応条件が要求される点、反応時間が長い点、
フッ素を1個導入するといった部分的なフッ素化を行っ
た時点での反応停止が困難である点等の種々の問題をも
有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、使用する原料の自由度があり、目的モノフルオロ化
合物を高選択性及び高収率で、安全且つ簡便に製造でき
る方法を提供することである。本発明者は、殊に官能基
を有する複素環式化合物のモノフルオロ化の反応条件に
関して鋭意研究、検討の結果本発明を完成するに至っ
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、官能基を有す
る炭素数4〜20の複素環式化合物を、反応条件下でフ
ッ素に対して不活性あるいは反応性に乏しい溶媒に溶解
させて、フッ素ガスを気相に間接にまたは液相に直接に
吹き込んでその溶液へ導入、接触させ、液相温度を−3
0℃〜10℃に維持しつつ反応させ、該複素環上の官能
基の結合した炭素原子及びヘテロ原子のそれぞれを除く
複素環構成炭素原子の内の1つに選択的に1個のフッ素
を導入してモノフルオロ化し、かつ高収率でモノフルオ
ロ化合物を製造することを特徴とする官能基を有する複
素環式化合物のフッ素化方法を提供する。本発明方法の
反応条件においては、複素環に結合している官能基中の
炭素原子はフッ素化されない。
【0007】以下、本発明をさらに詳しく説明する。本
発明において使用する出発原料中の官能基としては、例
えば、水酸基、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数2〜
3のエステル基、炭素数2〜3のカルボニル基、カルボ
キシル基、ホルミル基、アミノ基、アミド基、ニトロ
基、ニトリル基などが挙げられる。複素環式化合物の例
としては、フラン、ピラン、ピロール、チオフェン、チ
オピラン、ピリジン、チアゾール、イミダゾール、ピラ
ゾール、イソキサゾール、フラザン、ピラジン、ピリミ
ジン、ピリダジン、インドール、キノリン、プリンなど
が挙げられる。特に、ピロール、イミダゾール、ピラゾ
ール、ピリジン、ピラジン、ピリミジンなどの複素環式
化合物に官能基が結合した炭素原子数4〜20の複素環
式化合物が本発明において好ましい。官能基の位置は1
位から5位であることが好ましく、また官能基の数はア
ルキル基、エステル基、ホルミル基より選択された1ま
たは2以上であることが好ましい。これらの例のような
好ましい出発原料を本発明で使用すると、選択的なモノ
フルオロ化が容易に実施でき、目的とするモノフルオロ
化合物を高収率で製造することができる。
【0008】反応系に導入されるフッ素ガスは、希釈し
たものであってもよい。フッ素ガスを希釈するガスは、
ヘリウム、窒素、アルゴン、ネオン等の不活性ガスが好
ましい。希釈する場合のフッ素ガス濃度は、0.1〜5
0容積%、好ましくは1〜30容積%の範囲であるが、
出発原料の種類や反応条件、殊に反応温度に応じてこの
範囲よりも高濃度のフッ素ガスを使用できる。
【0009】反応系へのフッ素ガスの導入は、反応容器
内の液相に希釈または未希釈のフッ素ガスを直接に吹き
込み、フッ素ガスを溶液状の原料複素環式化合物と接
触、反応させることができ、あるいは反応容器内の気相
に希釈または未希釈のフッ素ガスを間接的に吹き込み、
液相を例えば高速で攪拌することにより気相中のフッ素
ガスを液相の溶液状の原料複素環式化合物と接触、反応
させることができる。
【0010】本発明方法では、反応時に反応混合物の温
度を、一般には冷却手段により、−30℃〜10℃、好
ましくは−10℃〜0℃に維持しつつ、反応を行う。反
応温度が10℃を越える場合、反応の選択性の低下のた
めに目的物の収率が下がる。また−30℃未満に冷却す
ると、反応速度が低下するために反応に長時間を要する
ようになる。
【0011】本発明において、原料複素環化合物を溶解
するための溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホル
ムなどのハイドロクロロカーボン類、HCFC−225
ca、HCFC−225cb等のハイドロクロロフルオ
ロカーボン類、ハイドロフルオロカーボン類、ペルフル
オロエーテル類、ペルフルオロカーボン類などが挙げら
れる。特に好ましい溶媒は、ハイドロクロロカーボン
類、ハイドロクロロフルオロカーボン類である。その使
用量は、原料の複素環式化合物濃度が1〜95重量%、
好ましくは10〜90重量%となる量である。
【0012】希釈または未希釈フッ素ガスを反応系に導
入する際、液相を高速で攪拌し且つ上記ガスを200μ
m以下、好ましくは15μm以下の微細な孔より気相ま
たは液相中に噴出させることによって、より穏やかに且
つ安全にフッ素化反応を進行させることが可能となる。
液相の攪拌速度は、使用する反応器の種類や形状によっ
て異なるが、1000mlの反応器とする場合、通常2
00rpm以上、好ましくは500〜1000rpmの
回転速度で攪拌すればよい。攪拌速度が低下すると、液
相中のフッ素ガス気泡が大きくなり、局部的な爆発反応
が起こることがある。またフッ素ガスを噴出させる微細
な孔を有するノズルの材質は、SUS、モネル、インコ
ネル、ハステロイ、銅、鉄、ニッケル及びアルミニウム
のような金属や、テフロン(登録商標)等のフッ素樹脂
が好ましい。その孔の形状は特に限定されないが、ガス
の導入速度が1cm3/cm2・sec以下、好ましくは
0.8cm3/cm2・sec以下となるような孔断面積
を有することが好ましい。
【0013】また上記ガスの導入量は、原料の複素環式
化合物に対するフッ素量が0.5〜8モル当量、好まし
くは2〜4モル当量となる量である。この導入量が少な
いと転化率が低下し、逆に多いとポリフルオロ化あるい
は生成物の分解反応が起こり、選択率が低下するという
問題点がある。
【0014】以下に、実施例により本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって限定される
ものではない。 〔実施例1〕1000ml容PFA製反応容器にメチル
−3−メチルピロリル−5−カルボキシレートを30g
(0.22mol)、225mlのクロロホルムを入
れ、液相温度を−10〜0℃に冷却した。引き続き、窒
素ガスを50ml/minの流量で反応容器内に10分
間吹き込みながら、溶存している空気等を系外へ追い出
した。その後、窒素ガスで30%(容)に希釈したフッ
素ガスを、先端にSUS製のフィルター(細孔直径:1
5μm、表面積:7.5cm2)を装着したガス吹き込
み管を使用して、5ml/minで気相中に導入した。
回転数を約800rpmとした攪拌機によって絶えず反
応液を攪拌して、一ヶ所にフッ素ガスを滞留させないよ
うにした。
【0015】フッ素の導入量が0.83mol(原料の
3.8モル当量)に達した時点で反応を終了し、次いで
約20℃で窒素ガスを100ml/minの流量で反応
容器内に5時間吹き込みながら、副生したフッ化水素と
溶媒を反応系外へ追い出した。このようにフッ化水素と
溶媒を除去した反応生成物を、次いで蒸留装置に移し、
減圧蒸留を行った。純度99%以上のメチル−3−メチ
ル−4−フルオロピロリル−5−カルボキシレートが2
5.4g(収率:約75%)得られた。
【0016】この実施例におけるフッ素化反応は、下記
式で表される。
【0017】
【化1】
【0018】〔実施例2〕クロロホルム溶媒の代わりに
ジクロロメタンを用いた以外は、実施例1の操作に準じ
てフッ素化を行った(導入フッ素量:原料の3.8モル
当量)。純度99%以上のメチル−3−メチル−4−フ
ルオロピロリル−5−カルボキシレートが20.3g
(収率:約60%)得られた。
【0019】本発明の複素環式化合物のフッ素化方法に
よれば、高選択性及び高収率で、しかも原料の自由度が
あって、安全且つ簡便に目的モノフルオロ化合物を製造
できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 官能基を有する炭素数4〜20の複素環
    式化合物を、反応条件下でフッ素に対して不活性あるい
    は反応性に乏しい溶媒に溶解させて、その溶液へフッ素
    ガスを導入、接触させ、液相温度を−30℃〜10℃に
    維持しつつ反応させ、該複素環上の官能基の結合した炭
    素原子及びヘテロ原子のそれぞれを除く複素環構成炭素
    原子の内の1つに選択的に1個のフッ素を導入したモノ
    フルオロ化合物を製造することを特徴とする官能基を有
    する複素環式化合物のフッ素化方法。
  2. 【請求項2】 フッ素ガスを不活性ガスにより0.1〜
    50容量%に希釈した混合ガスを使用する請求項1記載
    のフッ素化方法。
  3. 【請求項3】 溶媒としてハイドロクロロカーボン類、
    ハイドロクロロフルオロカーボン類、ハイドロフルオロ
    カーボン類、ペルフルオロエーテル類またはペルフルオ
    ロカーボン類より選択されたものを使用する請求項1ま
    たは2記載のフッ素化方法。
  4. 【請求項4】 官能基が水酸基、炭素数1〜3のアルキ
    ル基、炭素数2〜3のエステル基、炭素数2〜3のカル
    ボニル基、カルボキシル基、ホルミル基、アミノ基、ア
    ミド基、ニトロ基、ニトリル基より選択された1または
    2以上である請求項1〜3のいずれかに記載のフッ素化
    方法。
  5. 【請求項5】 フッ素化される原料の官能基部分を除く
    複素環式化合物部分がフラン、ピラン、ピロール、チオ
    フェン、チオピラン、ピリジン、チアゾール、イミダゾ
    ール、ピラゾール、イソキサゾール、フラザン、ピラジ
    ン、ピリミジン、ピリダジン、インドール、キノリン、
    プリンより選択される請求項1〜4のいずれかに記載の
    フッ素化方法。
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