JPH072723A - ペルフルオロカルボン酸アンモニウム塩の製造方法 - Google Patents
ペルフルオロカルボン酸アンモニウム塩の製造方法Info
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- JPH072723A JPH072723A JP14719293A JP14719293A JPH072723A JP H072723 A JPH072723 A JP H072723A JP 14719293 A JP14719293 A JP 14719293A JP 14719293 A JP14719293 A JP 14719293A JP H072723 A JPH072723 A JP H072723A
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C51/00—Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
- C07C51/41—Preparation of salts of carboxylic acids
- C07C51/412—Preparation of salts of carboxylic acids by conversion of the acids, their salts, esters or anhydrides with the same carboxylic acid part
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 式RfCOOH[ここで、Rfはペルフルオ
ロ炭化水素基である]で表されるペルフルオロカルボン
酸を、アンモニアと反応させて式RfCOONH4[こ
こで、Rfは前記定義のとおりである]で表されるペル
フルオロカルボン酸アンモニウム塩を製造する際に、溶
媒として炭化水素を用いることを特徴とするペルフルオ
ロカルボン酸アンモニウム塩の製造方法。 【効果】 使用する溶媒が一般的な種類のものであるた
め安価であり、工業的に有利にペルフルオロカルボン酸
アンモニウム塩を製造できる。溶融状態での反応が可能
であるため、長鎖のペルフルオロカルボン酸アンモニウ
ム塩の製造にも適する。
ロ炭化水素基である]で表されるペルフルオロカルボン
酸を、アンモニアと反応させて式RfCOONH4[こ
こで、Rfは前記定義のとおりである]で表されるペル
フルオロカルボン酸アンモニウム塩を製造する際に、溶
媒として炭化水素を用いることを特徴とするペルフルオ
ロカルボン酸アンモニウム塩の製造方法。 【効果】 使用する溶媒が一般的な種類のものであるた
め安価であり、工業的に有利にペルフルオロカルボン酸
アンモニウム塩を製造できる。溶融状態での反応が可能
であるため、長鎖のペルフルオロカルボン酸アンモニウ
ム塩の製造にも適する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ペルフルオロカルボン
酸アンモニウム塩を製造する方法に関し、より詳しく
は、安価にかつ効率よくペルフルオロカルボン酸アンモ
ニウム塩を製造する方法に関する。目的生成物であるペ
ルフルオロカルボン酸アンモニウム塩は、界面活性剤、
特にフッ素樹脂重合用乳化剤として有用な化合物であ
る。
酸アンモニウム塩を製造する方法に関し、より詳しく
は、安価にかつ効率よくペルフルオロカルボン酸アンモ
ニウム塩を製造する方法に関する。目的生成物であるペ
ルフルオロカルボン酸アンモニウム塩は、界面活性剤、
特にフッ素樹脂重合用乳化剤として有用な化合物であ
る。
【0002】
【従来の技術】ペルフルオロカルボン酸アンモニウム塩
を製造するための従来法としては、(1)ペルフルオロカ
ルボン酸と炭酸アンモニウムとを水溶液中で反応させる
方法(J. Fluorine Chem.、 Vol.25、 P.505-512 (198
4))、(2)ペルフルオロカルボン酸の四塩化炭素溶液中
にアンモニアを吹込む方法(旭硝子研究報告、 Vol.32、
P.129-139 (1982))および(3)ペルフルオロカルボン酸
のエーテル系溶媒溶液にアンモニアを吹込む方法(特開
平1−153654号公報)が知られている。
を製造するための従来法としては、(1)ペルフルオロカ
ルボン酸と炭酸アンモニウムとを水溶液中で反応させる
方法(J. Fluorine Chem.、 Vol.25、 P.505-512 (198
4))、(2)ペルフルオロカルボン酸の四塩化炭素溶液中
にアンモニアを吹込む方法(旭硝子研究報告、 Vol.32、
P.129-139 (1982))および(3)ペルフルオロカルボン酸
のエーテル系溶媒溶液にアンモニアを吹込む方法(特開
平1−153654号公報)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来法(1)では、生成するアンモニウム塩が溶媒である水
に溶解すること、また目的物であるペルフルオロカルボ
ン酸アンモニウム塩が界面活性剤であるために発泡し、
分離・精製が極めて困難となるという欠点を有する。
来法(1)では、生成するアンモニウム塩が溶媒である水
に溶解すること、また目的物であるペルフルオロカルボ
ン酸アンモニウム塩が界面活性剤であるために発泡し、
分離・精製が極めて困難となるという欠点を有する。
【0004】上記従来法(2)では、原料となるペルフル
オロカルボン酸の四塩化炭素への溶解度が低く、多量の
溶媒が必要であり、さらに目的生成物の分離・精製の際
に生成物をトリクロロ−トリフルオロエタン(フロン)
等で洗浄する必要があり、使用後の洗浄溶媒の環境に与
える影響に配慮する必要がある。
オロカルボン酸の四塩化炭素への溶解度が低く、多量の
溶媒が必要であり、さらに目的生成物の分離・精製の際
に生成物をトリクロロ−トリフルオロエタン(フロン)
等で洗浄する必要があり、使用後の洗浄溶媒の環境に与
える影響に配慮する必要がある。
【0005】上記従来法(3)のようにエーテル系溶媒を
使用した場合、生成するアンモニウム塩(特に炭素数の
小さいものや分岐構造を有するもの)がエーテル系溶媒
に多く溶け込むため、収率が低下し、また、収率を向上
させるには分離工程を必要とし、設備が大掛かりとなる
などの問題点があった。また、エーテル系溶媒は、高価
であること、沸点が低過ぎるため、回収し難いこと等の
欠点もある。更に、長鎖のペルフルオロカルボン酸は、
エーテル系溶媒に溶解せず、長鎖のペルフルオロカルボ
ン酸アンモニウム塩を製造することができない。
使用した場合、生成するアンモニウム塩(特に炭素数の
小さいものや分岐構造を有するもの)がエーテル系溶媒
に多く溶け込むため、収率が低下し、また、収率を向上
させるには分離工程を必要とし、設備が大掛かりとなる
などの問題点があった。また、エーテル系溶媒は、高価
であること、沸点が低過ぎるため、回収し難いこと等の
欠点もある。更に、長鎖のペルフルオロカルボン酸は、
エーテル系溶媒に溶解せず、長鎖のペルフルオロカルボ
ン酸アンモニウム塩を製造することができない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点を解決するために鋭意努力した結果、ペルフルオ
ロカルボン酸とアンモニアとの反応によりペルフルオロ
カルボン酸アンモニウム塩を製造する際に、溶媒として
炭化水素を用いると、反応が円滑に進行し、生成したペ
ルフルオロカルボン酸アンモニウム塩が効率的に溶媒か
ら析出分離することを見出した。
問題点を解決するために鋭意努力した結果、ペルフルオ
ロカルボン酸とアンモニアとの反応によりペルフルオロ
カルボン酸アンモニウム塩を製造する際に、溶媒として
炭化水素を用いると、反応が円滑に進行し、生成したペ
ルフルオロカルボン酸アンモニウム塩が効率的に溶媒か
ら析出分離することを見出した。
【0007】即ち、本発明は、式RfCOOH[ここ
で、Rfはペルフルオロ炭化水素基である]で表される
ペルフルオロカルボン酸を、アンモニアと反応させて式
RfCOONH4[ここで、Rfは前記定義のとおりで
ある]で表されるペルフルオロカルボン酸アンモニウム
塩を製造する際に、溶媒として炭化水素を用いることを
特徴とするペルフルオロカルボン酸アンモニウム塩の製
造方法を要旨とする。
で、Rfはペルフルオロ炭化水素基である]で表される
ペルフルオロカルボン酸を、アンモニアと反応させて式
RfCOONH4[ここで、Rfは前記定義のとおりで
ある]で表されるペルフルオロカルボン酸アンモニウム
塩を製造する際に、溶媒として炭化水素を用いることを
特徴とするペルフルオロカルボン酸アンモニウム塩の製
造方法を要旨とする。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
方法を反応式で示すと次の通りである。
方法を反応式で示すと次の通りである。
【化1】
【0009】本発明で原料として用いられるペルフルオ
ロカルボン酸は、式RfCOOHで示されるものであ
る。ここにRfは、ペルフルオロ炭化水素基であり、よ
り具体的には、飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基、芳
香族炭化水素基などの炭化水素基の水素原子の全てがフ
ッ素原子に置き換わった基である。ペルフルオロ炭化水
素基の好ましい炭素数は1〜17であり、従って、ペル
フルオロカルボン酸の好ましい炭素数は2〜18であ
る。特に、本発明の方法は、エーテル系溶媒を用いる場
合に比べて、炭素数8以下および炭素数14以上のペル
フルオロカルボン酸アンモニウム塩を製造するのに有利
である。その理由は下記の通りである。
ロカルボン酸は、式RfCOOHで示されるものであ
る。ここにRfは、ペルフルオロ炭化水素基であり、よ
り具体的には、飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基、芳
香族炭化水素基などの炭化水素基の水素原子の全てがフ
ッ素原子に置き換わった基である。ペルフルオロ炭化水
素基の好ましい炭素数は1〜17であり、従って、ペル
フルオロカルボン酸の好ましい炭素数は2〜18であ
る。特に、本発明の方法は、エーテル系溶媒を用いる場
合に比べて、炭素数8以下および炭素数14以上のペル
フルオロカルボン酸アンモニウム塩を製造するのに有利
である。その理由は下記の通りである。
【0010】炭素数が8以下のペルフルオロカルボン酸
アンモニウム塩は、炭化水素系溶媒と比較してエーテル
系溶媒への溶解性が高く、生成したペルフルオロカルボ
ン酸アンモニウム塩の溶媒からの分離を考慮すると、本
発明の炭化水素系溶媒の方が好適である。
アンモニウム塩は、炭化水素系溶媒と比較してエーテル
系溶媒への溶解性が高く、生成したペルフルオロカルボ
ン酸アンモニウム塩の溶媒からの分離を考慮すると、本
発明の炭化水素系溶媒の方が好適である。
【0011】一方、炭素数が14以上の長鎖ペルフルオ
ロカルボン酸は、炭化水素系溶媒にも、エーテル系溶媒
にも十分に溶解させることはできない。従って、どちら
の溶媒に溶解または溶融させるにしても、加熱すること
が必要となるが、エーテル系溶媒の場合には沸点が低い
ため、加熱にも限界がある。そのため、長鎖のペルフル
オロカルボン酸アンモニウム塩を得るには、本発明の炭
化水素系溶媒の方が適している。もっとも、加圧を行え
ば、エーテル系溶媒の場合でもある程度まで加熱するこ
とができるが、装置が大掛かりとなるなどの問題があ
る。
ロカルボン酸は、炭化水素系溶媒にも、エーテル系溶媒
にも十分に溶解させることはできない。従って、どちら
の溶媒に溶解または溶融させるにしても、加熱すること
が必要となるが、エーテル系溶媒の場合には沸点が低い
ため、加熱にも限界がある。そのため、長鎖のペルフル
オロカルボン酸アンモニウム塩を得るには、本発明の炭
化水素系溶媒の方が適している。もっとも、加圧を行え
ば、エーテル系溶媒の場合でもある程度まで加熱するこ
とができるが、装置が大掛かりとなるなどの問題があ
る。
【0012】本発明で用いられる溶媒は、好ましくは炭
素数5〜15の炭化水素である。炭化水素の炭素数が5
〜15が好ましい理由は、炭素数が16以上の炭化水素
は、常温で固体となり、目的物のペルフルオロカルボン
酸アンモニウム塩の分離が困難であり、炭素数が4以下
の炭化水素は、常圧で液状となり難いのに対し、炭素数
が5〜15の炭化水素は、常温で液体であり、取扱い上
好都合だからである。炭素数5〜15の炭化水素の具体
例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカ
ン、テトラデカン、ペンタデカンなどの飽和脂肪族炭化
水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベン
ゼン、エチルベンゼン、などの芳香族炭化水素;シクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの飽和脂環族炭化
水素などが挙げられる。
素数5〜15の炭化水素である。炭化水素の炭素数が5
〜15が好ましい理由は、炭素数が16以上の炭化水素
は、常温で固体となり、目的物のペルフルオロカルボン
酸アンモニウム塩の分離が困難であり、炭素数が4以下
の炭化水素は、常圧で液状となり難いのに対し、炭素数
が5〜15の炭化水素は、常温で液体であり、取扱い上
好都合だからである。炭素数5〜15の炭化水素の具体
例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカ
ン、テトラデカン、ペンタデカンなどの飽和脂肪族炭化
水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベン
ゼン、エチルベンゼン、などの芳香族炭化水素;シクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの飽和脂環族炭化
水素などが挙げられる。
【0013】使用する溶媒の量は、反応原料であるペル
フルオロカルボン酸に対して100〜1000重量%、
好ましくは200〜600重量%である。100重量%
未満では、生成物のアンモニウム塩の析出により、攪拌
が困難となる。また、1000重量%を超えると、不必
要に溶媒が多くなり過ぎ、不経済である。
フルオロカルボン酸に対して100〜1000重量%、
好ましくは200〜600重量%である。100重量%
未満では、生成物のアンモニウム塩の析出により、攪拌
が困難となる。また、1000重量%を超えると、不必
要に溶媒が多くなり過ぎ、不経済である。
【0014】反応温度は、20℃以上200℃以下が好
ましい。20℃未満では、反応速度が遅く、200℃を
超えると、生成するアンモニウム塩が熱分解される割合
が多くなるからである。尚、溶媒に溶解し難い長鎖のペ
ルフルオロカルボン酸からそのアンモニウム塩を製造す
る場合には、反応温度を原料のカルボン酸の溶融温度以
上とすることにより反応を円滑に行うことができる。
ましい。20℃未満では、反応速度が遅く、200℃を
超えると、生成するアンモニウム塩が熱分解される割合
が多くなるからである。尚、溶媒に溶解し難い長鎖のペ
ルフルオロカルボン酸からそのアンモニウム塩を製造す
る場合には、反応温度を原料のカルボン酸の溶融温度以
上とすることにより反応を円滑に行うことができる。
【0015】反応圧力は、常圧〜5kg/m2、好まし
くは常圧である。反応系を加圧状態にすれば溶媒の沸点
が高くなり、反応温度を自由に制御できる利点はある
が、極端な加圧は、設備費が高くなり好ましくない。
くは常圧である。反応系を加圧状態にすれば溶媒の沸点
が高くなり、反応温度を自由に制御できる利点はある
が、極端な加圧は、設備費が高くなり好ましくない。
【0016】アンモニアの供給方法としては、反応液中
にアンモニアガスをバブリングするか、または密閉した
反応器の気相部分にアンモニウムガスを供給する方法が
ある。好ましくは、バブリングする方法である。
にアンモニアガスをバブリングするか、または密閉した
反応器の気相部分にアンモニウムガスを供給する方法が
ある。好ましくは、バブリングする方法である。
【0017】反応終了後の反応液は、析出した目的生成
物のペルフルオロカルボン酸アンモニウム塩が懸濁した
状態にあるが、これを冷却することにより、目的生成物
がさらに析出し、溶媒から容易に分離される。冷却は、
反応温度よりも低い温度にすることにより行われるが、
室温まで冷却するのが好ましい。反応時に反応混合物を
加熱することにより反応を促進し、反応後に冷却するこ
とにより分離を効率よく行うことができる。
物のペルフルオロカルボン酸アンモニウム塩が懸濁した
状態にあるが、これを冷却することにより、目的生成物
がさらに析出し、溶媒から容易に分離される。冷却は、
反応温度よりも低い温度にすることにより行われるが、
室温まで冷却するのが好ましい。反応時に反応混合物を
加熱することにより反応を促進し、反応後に冷却するこ
とにより分離を効率よく行うことができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 (実施例1)ペルフルオロオクタン酸(CF3(CF2)
6COOH)145.6gとトルエン(炭素数:7)6
50g(原料に対して446wt%)を冷却管とアンモニ
アバブリング管を取り付けた三つ口フラスコに入れた。
このフラスコを油浴で60℃に加熱すると、ペルフルオ
ロオクタン酸はトルエンに溶解して均一な溶液となっ
た。この溶液の攪拌開始後、アンモニアガスを200m
l/minでバブリング管より供給した。生成したアン
モニウム塩は、析出し、反応液は、懸濁状態となった。
2時間後、アンモニウムガスの供給および加熱を止め、
反応液を室温まで冷却した。反応液を濾過後、エバポレ
ーターで乾燥し、148.8g(収率98%)のペルフ
ルオロオクタン酸アンモニウム塩(CF3(CF2)6C
OONH4)を得た。
る。 (実施例1)ペルフルオロオクタン酸(CF3(CF2)
6COOH)145.6gとトルエン(炭素数:7)6
50g(原料に対して446wt%)を冷却管とアンモニ
アバブリング管を取り付けた三つ口フラスコに入れた。
このフラスコを油浴で60℃に加熱すると、ペルフルオ
ロオクタン酸はトルエンに溶解して均一な溶液となっ
た。この溶液の攪拌開始後、アンモニアガスを200m
l/minでバブリング管より供給した。生成したアン
モニウム塩は、析出し、反応液は、懸濁状態となった。
2時間後、アンモニウムガスの供給および加熱を止め、
反応液を室温まで冷却した。反応液を濾過後、エバポレ
ーターで乾燥し、148.8g(収率98%)のペルフ
ルオロオクタン酸アンモニウム塩(CF3(CF2)6C
OONH4)を得た。
【0019】(実施例2)ペルフルオロヘプタン酸(C
F3(CF2)5COOH)127.1gとn−ヘキサン
(炭素数:6)500g(原料に対して393wt%)を
用い、油浴温度を30℃とした以外は実施例1と同様に
反応を行った。析出したアンモニウム塩を濾過、乾燥
し、130.5g(収率98%)のペルフルオロヘプタ
ン酸アンモニウム塩(CF3(CF2)5COONH4)を
得た。
F3(CF2)5COOH)127.1gとn−ヘキサン
(炭素数:6)500g(原料に対して393wt%)を
用い、油浴温度を30℃とした以外は実施例1と同様に
反応を行った。析出したアンモニウム塩を濾過、乾燥
し、130.5g(収率98%)のペルフルオロヘプタ
ン酸アンモニウム塩(CF3(CF2)5COONH4)を
得た。
【0020】(実施例3)ペルフルオロドデカン酸(C
F3(CF2)10COOH)107.8gと1,2,4−
トリメチルベンゼン(炭素数:9)330g(原料に対
して306wt%)を油浴で120℃に加熱し、原料のカ
ルボン酸を融解させた。攪拌開始後、実施例1と同様
に、アンモニアガスを供給し、反応を行った。析出した
アンモニウム塩を濾過、乾燥し、94.4g(収率85
%)のペルフルオロドデカン酸アンモニウム塩(CF3
(CF2)10COONH4)を得た。
F3(CF2)10COOH)107.8gと1,2,4−
トリメチルベンゼン(炭素数:9)330g(原料に対
して306wt%)を油浴で120℃に加熱し、原料のカ
ルボン酸を融解させた。攪拌開始後、実施例1と同様
に、アンモニアガスを供給し、反応を行った。析出した
アンモニウム塩を濾過、乾燥し、94.4g(収率85
%)のペルフルオロドデカン酸アンモニウム塩(CF3
(CF2)10COONH4)を得た。
【0021】(比較例)ペルフルオロオクタン酸(CF
3(CF2)6COOH)148.8gとジエチルエーテ
ル650gを冷却管とアンモニウムバブリング管を取り
付けた三つ口フラスコに加え、室温下に攪拌し、原料の
カルボン酸を溶解した。実施例1と同様、アンモニアガ
スを2時間供給した。生成したアンモニウム塩は、ジエ
チルエーテルに溶解して析出せず、反応液は均一な溶液
状であった。
3(CF2)6COOH)148.8gとジエチルエーテ
ル650gを冷却管とアンモニウムバブリング管を取り
付けた三つ口フラスコに加え、室温下に攪拌し、原料の
カルボン酸を溶解した。実施例1と同様、アンモニアガ
スを2時間供給した。生成したアンモニウム塩は、ジエ
チルエーテルに溶解して析出せず、反応液は均一な溶液
状であった。
【0022】得られたアンモニウム塩のジエチルエーテ
ル溶液からジエチルエーテルを留去することによりアン
モニウム塩を単離すると、目的とするペルフルオロオク
タン酸アンモニウム塩(CF3(CF2)6COONH4)
149.0g(収率96%)が得られた。
ル溶液からジエチルエーテルを留去することによりアン
モニウム塩を単離すると、目的とするペルフルオロオク
タン酸アンモニウム塩(CF3(CF2)6COONH4)
149.0g(収率96%)が得られた。
【0023】
【発明の効果】本発明の方法によれば、溶媒として炭化
水素を用いることにより、原料のペルフルオロカルボン
酸がこの溶媒に溶解して、アンモニアとの反応が円滑に
進行し、生成したペルフルオロカルボン酸アンモニウム
塩は溶媒から容易に析出分離するので、工業的に有利に
ペルフルオロカルボン酸からそのアンモニウム塩を製造
できる。また、溶融状態での反応が可能であるため、エ
ーテル系溶媒を使用した場合には製造できないような長
鎖のペルフルオロカルボン酸アンモニウム塩の製造にも
適している。
水素を用いることにより、原料のペルフルオロカルボン
酸がこの溶媒に溶解して、アンモニアとの反応が円滑に
進行し、生成したペルフルオロカルボン酸アンモニウム
塩は溶媒から容易に析出分離するので、工業的に有利に
ペルフルオロカルボン酸からそのアンモニウム塩を製造
できる。また、溶融状態での反応が可能であるため、エ
ーテル系溶媒を使用した場合には製造できないような長
鎖のペルフルオロカルボン酸アンモニウム塩の製造にも
適している。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】本発明で用いられる溶媒は、上記式RfC
OOHで表されるペルフルオロカルボン酸と均一溶液を
形成する炭化水素のみならず、RfCOOHと液−液の
二相状態を形成する炭化水素をも含み、その好ましい炭
素数は、5〜15である。炭化水素の炭素数が5〜15
が好ましい理由は、炭素数が16以上の炭化水素は、常
温で固体となり、目的物のペルフルオロカルボン酸アン
モニウム塩の分離が困難であり、炭素数が4以下の炭化
水素は、常圧で液状となり難いのに対し、炭素数が5〜
15の炭化水素は、常温で液体であり、取扱い上好都合
だからである。炭素数5〜15の炭化水素の具体例とし
ては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナ
ン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テト
ラデカン、ペンタデカンなどの飽和脂肪族炭化水素;ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、エ
チルベンゼン、などの芳香族炭化水素;シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサンなどの飽和脂環族炭化水素な
どが挙げられる。 ─────────────────────────────────────────────────────
OOHで表されるペルフルオロカルボン酸と均一溶液を
形成する炭化水素のみならず、RfCOOHと液−液の
二相状態を形成する炭化水素をも含み、その好ましい炭
素数は、5〜15である。炭化水素の炭素数が5〜15
が好ましい理由は、炭素数が16以上の炭化水素は、常
温で固体となり、目的物のペルフルオロカルボン酸アン
モニウム塩の分離が困難であり、炭素数が4以下の炭化
水素は、常圧で液状となり難いのに対し、炭素数が5〜
15の炭化水素は、常温で液体であり、取扱い上好都合
だからである。炭素数5〜15の炭化水素の具体例とし
ては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナ
ン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テト
ラデカン、ペンタデカンなどの飽和脂肪族炭化水素;ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、エ
チルベンゼン、などの芳香族炭化水素;シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサンなどの飽和脂環族炭化水素な
どが挙げられる。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年4月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】反応圧力は、常圧〜5kg/cm2、好ま
しくは常圧である。反応系を加圧状態にすれば溶媒の沸
点が高くなり、反応温度を自由に制御できる利点はある
が、極端な加圧は、設備費が高くなり好ましくない。
しくは常圧である。反応系を加圧状態にすれば溶媒の沸
点が高くなり、反応温度を自由に制御できる利点はある
が、極端な加圧は、設備費が高くなり好ましくない。
Claims (4)
- 【請求項1】 式RfCOOH[ここで、Rfはペルフ
ルオロ炭化水素基である]で表されるペルフルオロカル
ボン酸を、アンモニアと反応させて式RfCOONH4
[ここで、Rfは前記定義のとおりである]で表される
ペルフルオロカルボン酸アンモニウム塩を製造する際
に、溶媒として炭化水素を用いることを特徴とするペル
フルオロカルボン酸アンモニウム塩の製造方法。 - 【請求項2】 溶媒が脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素
または芳香族炭化水素である請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 炭素数8以下のペルフルオロカルボン酸
アンモニウム塩を製造する請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】 炭素数14以上のペルフルオロカルボン
酸アンモニウム塩を製造する請求項1に記載の方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14719293A JPH072723A (ja) | 1993-06-18 | 1993-06-18 | ペルフルオロカルボン酸アンモニウム塩の製造方法 |
PCT/JP1994/000971 WO1995000469A1 (fr) | 1993-06-18 | 1994-06-16 | Procede de production de sel d'ammonium d'acide perfluoro-carboxylique |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14719293A JPH072723A (ja) | 1993-06-18 | 1993-06-18 | ペルフルオロカルボン酸アンモニウム塩の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH072723A true JPH072723A (ja) | 1995-01-06 |
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ID=15424650
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14719293A Withdrawn JPH072723A (ja) | 1993-06-18 | 1993-06-18 | ペルフルオロカルボン酸アンモニウム塩の製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH072723A (ja) |
WO (1) | WO1995000469A1 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011527312A (ja) * | 2008-07-10 | 2011-10-27 | ロデイア・オペラシヨン | 少なくとも1つのハロゲン原子を有する塩形態のカルボン酸を分離する方法 |
WO2013027851A1 (ja) * | 2011-08-25 | 2013-02-28 | ダイキン工業株式会社 | 全フッ素化飽和炭化水素及び含フッ素界面活性剤を含む組成物 |
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DE10159420A1 (de) * | 2001-12-04 | 2003-06-12 | Basf Ag | Herstellung von Ammoniumsalzen aromatischer Carbonsäuren |
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-
1993
- 1993-06-18 JP JP14719293A patent/JPH072723A/ja not_active Withdrawn
-
1994
- 1994-06-16 WO PCT/JP1994/000971 patent/WO1995000469A1/ja active Application Filing
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011527312A (ja) * | 2008-07-10 | 2011-10-27 | ロデイア・オペラシヨン | 少なくとも1つのハロゲン原子を有する塩形態のカルボン酸を分離する方法 |
WO2013027851A1 (ja) * | 2011-08-25 | 2013-02-28 | ダイキン工業株式会社 | 全フッ素化飽和炭化水素及び含フッ素界面活性剤を含む組成物 |
JP2013060591A (ja) * | 2011-08-25 | 2013-04-04 | Daikin Industries Ltd | 全フッ素化飽和炭化水素及び含フッ素界面活性剤を含む組成物 |
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Publication number | Publication date |
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WO1995000469A1 (fr) | 1995-01-05 |
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