JP2002059749A - 車両用駆動装置の温度制御装置 - Google Patents

車両用駆動装置の温度制御装置

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JP2002059749A
JP2002059749A JP2000250993A JP2000250993A JP2002059749A JP 2002059749 A JP2002059749 A JP 2002059749A JP 2000250993 A JP2000250993 A JP 2000250993A JP 2000250993 A JP2000250993 A JP 2000250993A JP 2002059749 A JP2002059749 A JP 2002059749A
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transmission
fluid
heat
atf
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Atsushi Tabata
淳 田端
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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 変速機及び原動機の早期暖機を効率的にバラ
ンスよく行うことのできる車両用駆動装置の温度制御装
置を提供する。 【解決手段】 内燃機関12の内外を循環する冷却液の
温度に基づいて、ラジエータバイパス流路74の使用の
要否を決定する。冷却液がラジエータ32を迂回する場
合、冷却液は冷却されることなく内部熱交換器72を介
して内燃機関12に戻され効率的な暖機を行う。また、
自動変速機18の内外を循環する自動変速機用流体(A
TF)の温度に基づいて、熱交換器バイパス流路46の
使用の要否を決定する。ATFが内部熱交換器72を迂
回する場合、ATFは冷却されることなく自動変速機1
8に戻され効率的な暖機を行う。この時、ATF流路3
8上の蓄熱タンク42に熱が蓄えられていれば、それを
放出することにより自動変速機18の暖機も促進を行う
と共に、内部熱交換器72を介して冷却液の昇温を促進
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用駆動装置の
温度制御装置、特に変速機や原動機を迅速に常用温度状
態にするために、その内外を循環する流体の温度制御を
迅速かつバランスよく行うための制御に関する。
【0002】
【従来の技術】多くの車両用駆動装置は、原動機の回転
速度を適切な回転速度に変換し、車両を駆動するのに適
した回転速度とする変速機を含んでいる。変速機は歯車
などの動力伝達機構を含み、これらの潤滑を行うための
流体が変速機内部に入っている。この潤滑用の流体は、
低温時には、その粘度が高いために、変速機内の運動部
分の抵抗となり、車両用駆動装置の摩擦損失を増加させ
る。したがって、早期に変速機の暖機を行うことにより
駆動装置の効率を改善することができる。
【0003】また、前記変速機の一つとして、トルクコ
ンバータと歯車変速機を組み合わせた自動変速機が知ら
れている。この自動変速機においては、トルクコンバー
タ内で動力伝達を行う作動流体、歯車変速機において変
速段を選択するためのクラッチやブレーキの動作の制御
を行う作動流体等が使用される。なお、これらの流体
は、前記潤滑用の流体と共用されている。そして、前記
クラッチ、ブレーキなどの動作の応答性、これらに用い
られる摩擦材などの特性なども流体が低温時において
は、所定の特性を得ることができないという問題があっ
た。
【0004】このように、変速機を早期に暖機を行うこ
とが効率上、望ましい。特に、自動変速機においては、
トルクコンバータの作動流体、クラッチ等の作動流体、
潤滑用流体が共用されており、この多量の流体を早期に
常用温度へと暖めることが望まれていた。このために、
例えば特開平8−246873号公報においては、前回
内燃機関を運転したときに、その暖まった冷却液を貯蓄
しておき、始動時にこの冷却液によって、自動変速機の
作動流体を暖める装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、変速機
の早期暖機を行うことは、駆動装置の効率改善に貢献す
るが、変速機の状態を考慮し、蓄熱も含め、効率よく適
切な早期暖機の制御を行う必要がある。一方、変速機が
動作に適した所定の温度に暖機された後は、その温度を
維持すると共に、変速機の過剰な加熱を排除するため、
変速機の冷却、つまり前記流体の冷却が必要になる。
【0006】同様に、車両用駆動装置の効率改善には、
原動機の効率的かつ適切な早期暖機の制御及び、適切な
暖機が行われた後は、その温度を維持し過剰な加熱を防
止する必要がある。
【0007】従って、車両用駆動装置においては、変速
機及び原動機で要求される早期暖機を行うための蓄熱動
作と、暖機完了後の最適温度状態の維持のため冷却動作
の双方を効率よくかつバランスよく実行する装置が求め
られている。
【0008】本発明は、前述の課題を解決するためにな
されたものであり、変速機及び原動機の早期暖機を効率
的かつバランスよく行いつつ、暖機後は、その最適温度
状態維持のため冷却を良好に行うことのできる車両用駆
動装置の温度制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに本発明にかかる車両用駆動装置の温度制御装置は、
原動機と変速機を含む車両用駆動装置の温度を制御する
温度制御装置であって、前記原動機の内外を循環して原
動機の温度管理を行う温度管理流体が流れる原動機側循
環流路と、前記変速機の内外を循環して変速機の温度管
理を行う変速機用流体が流れる変速機側循環流路と、前
記原動機側循環流路および変速機側循環流路上に設けら
れ、温度管理流体と変速機用流体との間で熱交換を行う
熱交換器と、前記変速機と熱交換器との間の変速機側循
環流路上に設けられ、変速機用流体の熱量の蓄熱及び蓄
熱した熱量の放熱が可能な蓄熱手段と、前記温度管理流
体と変速機用流体の熱交換状態を制御し、車両用駆動装
置の温度制御を行う制御手段と、を含む。
【0010】この構成によれば、変速機の動作により高
温になった変速機用流体は、熱交換器を通過する前に蓄
熱手段を通過するので、常に効率的に蓄熱動作を行うこ
とができる。また、変速機用流体は蓄熱手段の動作によ
り適宜最適な温度に制御が可能であると共に、原動機側
循環流路と変速機側循環流路とは、熱交換器で熱交換を
行うことが可能なので、必要に応じて、変速機用流体の
有する熱、または蓄熱手段から放熱された熱を有する変
速機用流体を用いて、温度管理用流体の温度を制御する
ことが可能なので、原動機や変速機の必要な暖機を最適
なタイミングで効率よく行うことができる。
【0011】前述の課題を解決するために本発明にかか
る車両用駆動装置の温度制御装置は、上記構成におい
て、前記変速機用流体の温度状態を検出する変速機用流
体温度検出手段と、を含み、前記制御手段は、前記検出
結果に応じて、蓄熱手段が接続される変速機側循環流路
を流れる変速機用流体の熱交換状態を変化させる。
【0012】この構成によれば、蓄熱手段の蓄えた熱に
より変速機用流体の昇温を効率的に行い、変速機の暖機
を早期に行うことが可能になる。
【0013】前述の課題を解決するために本発明にかか
る車両用駆動装置の温度制御装置は、上記構成におい
て、前記温度管理流体の温度状態を検出する管理流体温
度検出手段と、を含み、前記制御手段は、前記検出結果
に応じて、蓄熱手段が接続される原動機側循環流路を流
れる温度管理流体の熱交換状態を変化させる。
【0014】この構成によれば、蓄熱手段の蓄えた熱に
より温度管理流体の昇温を効率的に行い、原動機の暖機
を早期に行うことが可能になる。
【0015】前述の課題を解決するために本発明にかか
る車両用駆動装置の温度制御装置は、上記構成におい
て、前記変速機用流体の温度状態を検出する変速機用流
体温度検出手段と、前記温度管理流体の温度状態を検出
する管理流体温度検出手段と、を含み、前記制御手段
は、前記温度管理流体と前記変速機用流体の温度状態に
基づいて、変速機側循環流路または原動機側循環流路の
流路切り換えを行い変速機用流体と温度管理流体との熱
交換状態を変化させる。
【0016】この構成によれば、蓄熱手段の蓄えた熱に
より温度管理流体の昇温及び変速機用流体の昇温をバラ
ンスよくかつ効率的に行い、原動機の暖機及び変速機の
暖機を早期に行うことが可能になる。また、原動機また
は変速機、いずれか一方の暖機が先に終了した場合に
は、未終了側の暖機を集中的に行ったり、終了側で発生
した熱を未終了側に供給し、未終了側の暖機を促進する
こともできる。
【0017】前述の課題を解決するために本発明にかか
る車両用駆動装置の温度制御装置は、上記構成におい
て、前記変速機用流体が熱交換器を迂回し、蓄熱手段と
変速機との間で循環する熱交換器バイパス流路を有す
る。
【0018】この構成によれば、変速機用流体は熱交換
器を迂回して蓄熱タンクと変速機との間を循環するの
で、熱交換器通過による変速機用流体の温度低下が回避
される。その結果、蓄熱動作時には、蓄熱手段において
迅速かつ効率的な蓄熱が行える。また、放熱動作時に
は、熱交換器通過による変速機用流体の温度低下が回避
できるので、変速機に効率的な熱供給が可能で、迅速な
暖機を行うことができる。
【0019】前述の課題を解決するために本発明にかか
る車両用駆動装置の温度制御装置は、上記構成におい
て、前記制御手段は、前記変速機用流体の温度状態に基
づいて、前記熱交換器バイパス流路の接続、分離制御を
行う。
【0020】この構成によれば、不必要な変速機用流体
の冷却が行われることが回避可能になり、車両用駆動装
置が最も効率的に動作できるように、変速機の暖機制御
を行うことができる。また、蓄熱手段から放出された熱
の冷却も回避し、効率的に変速機の暖機を行うことがで
きる。
【0021】前述の課題を解決するために本発明にかか
る車両用駆動装置の温度制御装置は、上記構成におい
て、前記温度管理流体が原動機側循環流路上のラジエー
タを迂回し、当該温度管理流体が原動機と熱交換器との
間で循環するラジエータバイパス流路を有する。
【0022】この構成によれば、原動機の早期暖機が必
要な場合に、ラジエータによる温度管理流体の冷却が回
避されるので、原動機の暖機効率を向上することができ
る。特に、ラジエータを迂回することで、蓄熱手段の放
熱動作により高温の変速機用流体と、熱交換器で熱交換
を行い温度が上昇した温度管理流体の冷却が回避される
ので、蓄熱手段からの熱を効率的に利用できる。
【0023】前述の課題を解決するために本発明にかか
る車両用駆動装置の温度制御装置は、上記構成におい
て、前記制御手段は、前記温度管理流体の温度状態に基
づいて、前記ラジエータバイパス流路の接続、分離制御
を行う。
【0024】この構成によれば、不必要な温度管理流体
の冷却が行われることが回避可能になり、車両用駆動装
置が最も効率的に動作できるように、原動機の暖機制御
を行うことができる。また、蓄熱手段から放出された熱
の冷却も回避し、効率的に原動機及び変速機の暖機を行
うことができる。
【0025】前述の課題を解決するために本発明にかか
る車両用駆動装置の温度制御装置は、上記構成におい
て、前記温度管理流体が所定温度より低く、かつ変速機
用流体が所定温度より低い場合に、前記熱交換器をバイ
パスする。
【0026】前述の課題を解決するために本発明にかか
る車両用駆動装置の温度制御装置は、上記構成におい
て、前記温度管理流体が所定温度以上、かつ変速機用流
体が所定温度より低い場合に、前記熱交換器により変速
機用流体と温度管理流体との熱交換を行う。
【0027】この構成によれば、温度管理流体と変速機
用流体の温度に基づいて、最も効率よくかつスムーズに
原動機及び変速機の暖機を行うことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0029】実施形態1.図1には、本実施形態1にか
かる温度制御装置を有する車両用駆動装置10の概略構
成が示されている。本車両用駆動装置10は、原動機と
して液冷の内燃機関12と回転電機14とを有してい
る。内燃機関12と回転電機14の動力軸は、クラッチ
16により接続、切断可能となっている。回転電機14
は、運転者の要求する出力が低い時、すなわちアクセル
の操作量が少ないときや、内燃機関12の効率が悪い低
速走行時など、不図示のバッテリから電力が供給され
て、電動機として機能し、車両を駆動する。また、回転
電機14は、車両制動時やバッテリの蓄電量が低下した
時には、車両の慣性または内燃機関12によって駆動さ
れ、発電機として機能し、バッテリへの充電を行う。ク
ラッチ16は、例えば、回転電機14のみで車両を駆動
している際に切断状態とされ、内燃機関12のポンプ損
失、摩擦損失などの発生を抑える。
【0030】内燃機関12または回転電機14の出力
は、自動変速機18に送られる。自動変速機18は、流
体伝動機構、変速機構、制御機構を含む。本実施形態1
において、流体伝動機構はトルクコンバータ20であ
り、好適には直結機能を有するものである。また、変速
機構は、複数の遊星歯車機構を含む歯車変速機部22で
あり、この歯車変速機部22は、また各遊星歯車機構の
各要素の動きを拘束するクラッチ、ブレーキを含む。こ
れらのクラッチおよびブレーキは、制御機構としての流
体圧制御部24からの作動流体の選択的供給によって制
御される。歯車変速機部22の出力は、推進軸26によ
り駆動輪に向けて伝達される。前述のトルクコンバータ
20の直結機能は、トルクコンバータ20の入出力を、
流体を介さずに機械的に結合する直結クラッチを設ける
ことにより達成される。
【0031】内燃機関12の動力軸には、さらに伝動機
構28を介して補機回転電機30が結合されている。伝
動機構28は、ベルト、チェーンなどの無端可撓部材ま
たは歯車列などとすることができる。補機回転電機30
は、内燃機関12の運転時は発電機と機能し、内燃機関
補機や車両の電装品などに電力を供給する補機バッテリ
(不図示)に充電を行い、また前記電装品などに直接電
力を供給する。また、補機回転電機30は、内燃機関1
2の始動の際には、補機バッテリからの電力を受け電動
機として機能する。
【0032】前記内燃機関12の内外を循環して内燃機
関12の温度管理を行う温度管理流体(冷却液)は、内
燃機関12とラジエータ32およびこれらを結ぶ冷却液
流路(原動機側循環流路)34により形成され冷却回路
内を流れる。内燃機関12で発生する熱は、冷却液によ
りラジエータ32へ運ばれ、ここから大気中に放散され
る。
【0033】一方、前記自動変速機18においては、こ
の自動変速機18全体の潤滑流体、トルクコンバータ2
0の動力伝達を媒介する作動流体および歯車変速機部2
2内のクラッチ、ブレーキを動作させる作動流体は、共
通の流体が用いられている。以下、この流体をATF
(Automatic Transmission Fluid)と記す。ATFは、
歯車変速機部22に内蔵された油圧ポンプ36により、
流体圧制御部24を介して自動変速機18の各部に供給
される。また、ATFの一部は、ATF流路38によ
り、ラジエータ32に送られ、ここで冷却液との間で熱
交換が行われ、再び自動変速機18のオイルパン内に戻
ってくる。この回路を、以下主回路と記す。冷却液はほ
ぼ90℃に管理されており、ATFが先に加熱されてい
る場合は、ラジエータ32内でATFが冷却される。ま
た、内燃機関12が先に暖機された場合には、冷却液に
よりラジエータ32内でATFの加熱が行われる。
【0034】油圧ポンプ36は、トルクコンバータ20
のポンプ側、すなわち内燃機関12または回転電機14
により駆動されている。したがって、車両用駆動装置1
0が停止しているとき、または回転電機14のみで走行
中であって車両が極低速または停止しているときなど、
油圧ポンプ36の吐出量が十分確保できない場合があ
る。このような場合のために、本車両用駆動装置10に
おいては、電動式の補助ポンプ40を備えている。補助
ポンプ40の動作は、後述する制御部が車両の走行状態
に応じて制御を行う。油圧ポンプ36と補助ポンプ40
の供給源の切り換えは、切り換え用チェックボール機構
にて達成される。油圧ポンプ36と補助ポンプ40の吐
出側は、切り換え用チェックボール機構に接続されてい
る。その結果、一方のポンプからATFの供給がある
と、その圧力によりチェックボールが他方の供給孔をふ
さぐように動作し、これによって供給源が切り換わる。
切り換え用チェックボール機構を通過したATFは、前
述の流体圧制御部24に送られる。
【0035】本車両用駆動装置10において、ATF流
路38の途中で、熱交換器であるラジエータ32の上流
側に蓄熱手段としての蓄熱タンク42が設けられてい
る。この蓄熱タンク42には、車両用駆動装置10が運
転している際に、高温になったATFの有する熱が蓄え
られ、次回の車両用駆動装置10の始動時等、自動変速
機18の暖機を早めることが好ましい場合に高温に維持
されたATFを放出する。
【0036】蓄熱タンク42は、図2に示すように、内
部にATFが通過または滞留可能な複数本のパイプ42
aを有し、パイプ42aの周囲は、熱の保持が可能な潜
熱材や熱容量材等の蓄熱材44で満たされ、さらに、熱
が外部に伝わらないように断熱材42bで覆われてい
る。蓄熱材44として使用される潜熱材としては、例え
ば、炭化水素、包接化合物、無機塩水和物、無機塩共融
混合物等が好適である。また、蓄熱タンク42の入口
側、出口側には、それぞれ開閉弁42c,42dが設け
られ、車両用駆動装置10が長期間停止する場合、具体
的には、イグニッションスイッチオフや長期停車等の時
には、開閉弁42c,42dが閉動作し、蓄熱タンク4
2をあたかも魔法瓶のように密閉状態にして、内部に蓄
えた熱の保温維持を行う。なお、この時、蓄熱タンク4
2内部に、ATF自体を滞留させてもよいし、蓄熱材4
4に熱を移しATF自体は外部に放出してしまってもよ
い。そして、蓄熱タンク42からの放熱が行われる場
合、ATFが滞留していれば、直接暖かいATFをAT
F流路38に放出し、ATFが既に放出され、蓄熱材4
4に熱が蓄えられている場合には、新たに蓄熱タンク4
2に流入するATFを蓄熱材44で暖めて、ATF流路
38に放出する。なお、蓄熱タンク42には、ヒータの
併設が可能で、必要に応じて、バッテリからの電力によ
って蓄熱タンク42の加熱で内部に熱をため込むことも
できる。
【0037】さらに、本車両用駆動装置10において、
ATF流路38には、蓄熱タンク42から放出されたA
TFがラジエータ32を迂回できるように、熱交換器バ
イパス流路46が設けられている。なお、自動変速機1
8、蓄熱タンク42、熱交換器バイパス流路46を含む
ATFの回路を、以下変速機側バイパス回路と記す。A
TFの主回路と変速機側バイパス回路の切換は、切換弁
48,50により行われる。
【0038】車両用駆動装置10の運転状態を含む車両
の走行状態は、車両各部に設けられた各種センサの出力
信号および制御部52の演算により検出される。車両の
走行速度は、推進軸26や車輪などに設けられた車速セ
ンサ54の出力信号に基づき制御部52により算出され
る。自動変速機18内温度を代表するATFの温度は、
例えば流体圧制御部24に設けられた変速機温度センサ
(変速機用流体温度検出手段)56の出力信号に基づき
制御部52により算出される。また、蓄熱タンク42内
のATFの温度は、ここに設けられたタンク温度センサ
(変速機用流体温度検出手段)58の出力信号に基づき
制御部52により算出される。また、内燃機関12内温
度を代表する冷却液の温度は、例えば冷却液流路34に
設けられた冷却液温度センサ(管理流体温度検出手段)
60の出力信号に基づき制御部52により算出される。
【0039】さらに、シフトレバーなどにより選択され
た自動変速機18の制御ポジションおよび制御モードを
検出するシフト位置センサ62からの出力信号も制御部
52に入力する。自動変速機18の制御ポジションは、
例えば、前進の各変速段から適切な段が自動的に選択さ
れるDポジション、限定された変速段から適切なものが
選択される2ポジション、Lポジションなどがある。ま
た、歯車変速機部22の動力を伝達しない中立状態とす
るNポジション、後退を選択するRポジション、歯車変
速機部22の出力側を機械的にロックし、車両が動かな
いようにするPポジションがある。さらに、本装置にお
いては、運転者が変速段を選択できる手動変速モードを
備えている。このモードは、例えばステアリングに設け
られたシフトアップスイッチ、シフトダウンスイッチを
運転者が操作することにより、変速段を各々高い側、低
い側に1段変えて、シフト操作を行うものである。
【0040】また、車両が置かれた環境の温度、いわゆ
る外気温度を測定する外気温センサ64が車両の所定部
位に設けられている。この外気温センサ64の出力信号
に基づき制御部52が外気温度を算出する。
【0041】また、車両用駆動装置10が運転を停止し
た後、所定時間経過した時の自動変速機18内の温度が
記憶部66に記憶される。この記憶された温度は、次回
始動時の温度の推定に用いられる。また、車両用駆動装
置10の始動、停止を制御するイグニッションスイッチ
68からの信号が制御部52に入力される。
【0042】図3には、図1の構成に基づく、温度制御
装置を有する車両用駆動装置10の温度制御に関するフ
ローチャートが示されている。車両用駆動装置10が始
動許可状態となると、具体的には運転者がイグニッショ
ンスイッチ68をオンにすると、制御部52は各種セン
サや切換弁等、車両用駆動装置10の温度制御装置を構
成するシステムが正常か否かの確認を行う(S10
0)。システムに異常が発見された場合には、各処理を
停止し、アラーム等を出力し、運転者に異常を通知す
る。システムが正常であると判断された場合には、変速
機温度センサ56からの入力信号に基づき、制御部52
は現在のATF温度が所定温度Temp1より高いか否
かの判断を行う(S102)。もし、ATF温度≧Te
mp1でない場合、制御部52は、冷間時等における内
燃機関12始動直後で、ATFの早期暖機が必要である
と判断する。この場合、制御部52は、切換弁48,5
0を切り換えて、ATFの循環流路として、変速機側バ
イパス回路を選択する(S104)。変速機側バイパス
回路を選択すると、油圧ポンプ36または補助ポンプ4
0の動作により自動変速機18から排出されたATF
は、ラジエータ32を含む冷却回路を迂回し自動変速機
18に戻される。すなわち、自動変速機18の駆動によ
り暖められたATFは冷却されることなく、そのまま自
動変速機18に戻り、自動変速機18の暖機効率を向上
する。さらに、この時、蓄熱タンク42に予め蓄えてお
いた高温のATFがあれば、高温のATFを解放するこ
とにより(S106)、実質的な放熱動作を行うことに
なり、自動変速機18の暖機効率をさらに向上すること
ができる。もちろん、蓄熱タンク42の蓄熱材44に熱
のみが蓄えられている(ATF自体は既に放出されてい
る)場合は、自動変速機18から排出されたATFが蓄
熱タンク42を通過する時に温度の高い蓄熱材44から
熱を取得しATFの加熱が行われ、自動変速機18の暖
機効率を向上する。
【0043】一方、(S102)で、ATF温度≧Te
mp1である場合、つまり、自動変速機18は、効率的
な駆動を行える常用温度状態であると判断できるとき
は、制御部52は、切換弁48,50の切り換えを行
い、ラジエータ32を含む冷却回路を選択する(S10
8)。これは、自動変速機18の動作に伴って過剰な加
熱が予想されるため、ATFを冷却回路側に流すこと
で、ATFを冷却し自動変速機18の冷却を行うためで
ある。この時、蓄熱タンク42は解放され(S11
0)、自動変速機18から排出されたATFは蓄熱タン
ク42を通過し、切換弁48を介し、ラジエータ32で
冷却液との間で熱交換を行う。その結果、ATFが冷却
液に対して相対的に冷却される。冷却されたATFは、
切換弁50を介し自動変速機18に戻り自動変速機18
の冷却を行う。
【0044】なお、図1に示す車両用駆動装置10の温
度制御装置の構成の場合、自動変速機18から延びるA
TF流路38は蓄熱タンク42を経由する一本であるた
め、ATFの冷却を行う場合には、蓄熱タンク42を常
に解放(ATFが自由に通過できる状態)しておかなけ
れば、ATFを自動変速機18の内外を循環させること
ができない。そのため、低温のATFが蓄熱タンク42
を通過する場合、蓄熱効率を低下させてしまう場合があ
る。そこで、メインとなるATF流路38に対して蓄熱
タンク42用のバイパスを設け、必要に応じて(例え
ば、ATFが高温の場合)選択的にATFをバイパスを
介して蓄熱タンク42に流し込み、その後、蓄熱タンク
42の開閉弁42c,42dを閉動作し蓄熱を行うよう
にしてもよい。
【0045】このように、ATF流路38上において、
蓄熱タンク42をラジエータ32の上流側に設け、AT
Fの温度に応じて、ATFが熱交換器であるラジエータ
32を経由するか否かを選択する。つまり、ラジエータ
32をバイパスするか否かを決めて、ATFの熱交換状
態を変化させるので、ATFの蓄熱が必要なとき、また
は自動変速機18の早期暖機が必要な時には、ATFの
冷却を行うことなく、効率的な蓄熱または、自動変速機
18に対する早期暖機のための給熱を行うことができ
る。その結果、早期に自動変速機18の伝達効率が向上
し、自動変速機18におけるロックアップ動作も早期に
行うことができるので、燃費の向上やATFの耐久性向
上も行うことができる。逆に、ATFの冷却が必要な場
合には、ラジエータ32において、効率的な冷却を行う
ことができるので、自動変速機18を最良の状態で駆動
することができる。
【0046】実施形態2.図4には、蓄熱タンク42で
蓄えた熱を内燃機関12の早期暖機に利用することので
きる実施形態2に係る車両用駆動装置70の温度制御装
置の構成が示されている。なお、図4に示す車両用駆動
装置70の温度制御装置は、図1に示す実施形態1の構
成と同様な機能を果たす部材に関しては、同じ符号を付
し、その説明を省略する。
【0047】図4において、内燃機関12とラジエータ
32を結ぶ冷却液流路(原動機側循環流路)34上で内
燃機関12の下流側かつラジエータ32の上流側の位置
には外部(特に外気)との間で熱交換を積極的に行わな
い熱交換器(以下、内部熱交換器という)72が配置さ
れている。ここでは、内燃機関12から排出される冷却
液とATFとの間の熱交換のみが行われる。従って、当
該内部熱交換器72には、蓄熱タンク42の下流側に延
びるATF流路38も接続されている。前述したよう
に、図4の構成では、内燃機関12の早期暖機を行うた
めに、内燃機関12の内外を循環する温度管理流体であ
る冷却液が冷却されるラジエータ32を迂回するための
ラジエータバイパス流路74を有している。すなわち、
このラジエータバイパス流路74は、内燃機関12から
排出された冷却液を内部熱交換器72を介して、直接内
燃機関12に戻している。なお、内部熱交換器72は、
図示しない切換弁を有し、制御部52からの信号で動作
する前記切換弁に基づいて、冷却液をラジエータ32を
通過させる冷却液流路34とラジエータバイパス流路7
4とを適宜選択することができるようになっている。
【0048】図5には、図4の構成に基づく、車両用駆
動装置70の温度制御装置の温度制御に関するフローチ
ャートが示されている。車両駆動装置70が始動許可状
態となると、具体的には運転者がイグニッションスイッ
チ68をオンにすると、制御部52は各種センサや切換
弁等、車両用駆動装置70の温度制御装置を構成するシ
ステムが正常か否かの確認を行う(S200)。システ
ムに異常が発見された場合には、各処理を停止し、アラ
ーム等の出力を行い運転者に異常を通知する。システム
が正常であると判断された場合には、冷却液温度センサ
60からの入力信号に基づき、制御部52は現在の冷却
液の温度が所定温度Temp2より高いか否かの判断を
行う(S202)。もし、冷却液温度≧Temp2でな
い場合、制御部52は、冷間時等における内燃機関12
始動直後で、内燃機関12の早期暖機が必要であると判
断する。この場合、制御部52は、内部熱交換器72が
有する切換弁を切り換えて、冷却液の循環流路として、
ラジエータバイパス流路74を含むラジエータバイパス
回路を選択する(S204)。ラジエータバイパス回路
を選択すると、内燃機関12から排出された冷却液は、
ラジエータ32を迂回し内燃機関12に戻される。すな
わち、内燃機関12の駆動により暖められた冷却液はラ
ジエータ32で冷却されることなく、そのまま内燃機関
12に戻り、内燃機関12の暖機効率を向上する。さら
に、この時、蓄熱タンク42に予め蓄えておいた高温の
ATFがあれば、高温のATFを解放し、内部熱交換器
72を通過させることにより(S206)、内燃機関1
2から排出された冷却液が内部熱交換器72を通過する
時に、高温のATFとの間で熱交換を行い冷却液の温度
を上昇させ内燃機関12に戻すことができる。その結
果、冷却液はラジエータバイパス回路による非冷却循環
に加え、高温のATFによる加熱が行われ、内燃機関1
2の暖機効率をさらに向上することができる。もちろ
ん、蓄熱タンク42の蓄熱材44に熱のみが蓄えられて
いる(ATF自体は既に放出されている)場合は、自動
変速機18から排出されたATFが蓄熱タンク42を通
過する時に温度の高い蓄熱材44から熱を取得しATF
の加熱が行われ、内部熱交換器72に熱を供給し暖機効
率を向上する。もちろん、内燃機関12が暖機を必要と
するような状態の場合、自動変速機18の温度も最適温
度より低い場合が多い。この場合、ATFは冷却液と熱
交換を行うもののラジエータ32等で冷却されないため
自動変速機18の暖機も合わせて行うことができる。
【0049】一方、(S202)で、冷却液温度≧Te
mp2である場合、つまり、内燃機関12は、効率的な
駆動を行える常用温度状態であると判断できるときは、
制御部52は、内部熱交換器72の切換弁の切り換えを
行い、ラジエータ32を含む冷却回路を選択する(S2
08)。これは、内燃機関12の動作に伴う内燃機関1
2の過剰な加熱が予想されるため、冷却液をラジエータ
32に流すことで、冷却液の冷却を行い、内燃機関12
の冷却を行う。
【0050】さらに、内燃機関12及び自動変速機18
の暖機が十分に行われた場合には、内燃機関12から冷
却のために排出されたATFより温度の低い(例えば9
0℃)冷却液と内部熱交換器72を通過するATFと熱
交換を行い、当該ATFの相対的な冷却(緩冷)を行
う。
【0051】なお、図4に示す車両用駆動装置70にお
ける温度制御装置の構成の場合、自動変速機18から延
びるATF流路38は、蓄熱タンク42を経由する一本
であるため、ATFの冷却を行う場合には、蓄熱タンク
42を常に解放(ATFが自由に通過できる状態)して
おかなければ、ATFを内部熱交換器72に流すことが
できない。そのため、低温のATFが蓄熱タンク42を
通過する場合、蓄熱効率を低下させてしまう場合があ
る。そこで、メインとなるATF流路38に対して蓄熱
タンク42用のバイパスを設け、必要に応じて(例え
ば、ATFが高温の場合)選択的にATFをバイパスを
介して蓄熱タンク42に流し込み、その後、蓄熱タンク
42の開閉弁42c,42dを閉動作し蓄熱を行うよう
にしてもよい。
【0052】このように、冷却液の循環流路に内部熱交
換器72とラジエータバイパス流路74を設け、冷却液
の温度に応じて、冷却液がラジエータ32を経由するか
否かを選択する。つまり、ラジエータ32をバイパスす
るか否かを決めて、冷却液の熱交換状態を変化させるの
で、内燃機関12の早期暖機が必要なとき、冷却液のラ
ジエータ32による冷却を行うことなく、効率的に内燃
機関12の暖機を行うことができる。その結果、早期に
内燃機関12の駆動効率を向上し、燃費を向上すること
ができる。また、ATF流路38が内部熱交換器72に
接続され、蓄熱タンク42の蓄えた熱を適宜、内部熱交
換器72を介して冷却液に伝達させることができるの
で、さらに迅速に冷却液の温度上昇を行うことが可能
で、内燃機関12の暖機を早急に行うことができる。
【0053】実施形態3.図6には、蓄熱タンク42で
蓄えた熱を利用して、内燃機関12及び自動変速機18
の早期暖機をバランスよく行うことのできる実施形態3
に係る車両用駆動装置76における温度制御装置の構成
が示されている。なお、図6に示す車両用駆動装置76
は、図1及び図4に示す実施形態1,2の構成と同様な
機能を果たす部材に関しては、同じ符号を付し、その説
明を省略する。
【0054】図6においても、内燃機関12とラジエー
タ32を結ぶ冷却液流路(原動機側循環流路)34上で
内燃機関12の下流側かつラジエータ32の上流側の位
置には外部(特に外気)との間で熱交換を積極的に行わ
ない内部熱交換器72が配置されている。同様に内部熱
交換器72には、蓄熱タンク42の下流から延びるAT
F流路38も接続されている。また、図4の構成と同様
に、内燃機関12の早期暖機を行うために、内燃機関1
2の内外を循環する温度管理流体である冷却液が冷却さ
れるラジエータ32を迂回するためのラジエータバイパ
ス流路74を有している。なお、内部熱交換器72は、
図示しない切換弁を有し、制御部52からの信号で動作
する前記切換弁に基づいて、冷却液をラジエータ32を
通過させる冷却液流路34とラジエータバイパス流路7
4とを適宜選択することができるようになっている。さ
らに、図6に示す車両用駆動装置76における温度制御
装置は、ATF流路38上に切換弁78,80を有し、
図1と同様に、熱交換器に対してATFが流れ込むこと
を選択的に迂回させる熱交換器バイパス流路46を形成
している。なお、図1の場合、熱交換器バイパス流路4
6は熱交換器としてのラジエータ32の迂回を行ってい
るが、図6の場合、熱交換器としての内部熱交換器72
の迂回をしている。つまり、切換弁78,80を適宜切
り換えることにより、自動変速機18を排出されたAT
Fが、蓄熱タンク42、切換弁78、熱交換器バイパス
流路46、切換弁80を順に通過し、内部熱交換器72
を通過することなく自動変速機18に戻る内部熱交換器
迂回流路と、自動変速機18を排出されたATFが、蓄
熱タンク42、切換弁78、内部熱交換器72、切換弁
80を順に通過し、図4の構成と同じ流路を通過し自動
変速機18に戻る熱交換器流路とを選択することができ
る。
【0055】図6に示す車両用駆動装置76の温度制御
装置において、ラジエータバイパス流路74の使用の要
否や熱交換器バイパス流路46の使用の要否、すなわち
冷却液やATFの循環流路は、内燃機関12の内外を流
れる冷却液の温度や自動変速機18の内外を流れるAT
Fの温度に依存して適宜決定される。
【0056】図7には、流路選択パターンの一例が示さ
れている。なお、内燃機関12の内外を流れる冷却液の
温度は、冷却液温度センサ60により検出され、自動変
速機18の内外を流れるATFの温度は変速機温度セン
サ56または、タンク温度センサ58により検出され、
それぞれ制御部52に送られ、流路の選択判断が行われ
る。なお、ATFの温度の場合、蓄熱タンク42下流の
ATF流路38に温度検出センサを配置し、当該温度検
出センサにより検出されるATF温度(蓄熱タンク42
の熱放出が行われ暖まったATFの温度や蓄熱タンク4
2に熱が無く単に循環するATFの温度)を用いてもよ
い。
【0057】まず、ATF温度<Temp1かつ冷却液
温度<Temp2の場合、車両を早急に定常駆動状態に
するために、冷却液及びATFの迅速な昇温が必要にな
るので、制御部52は冷却液及びATFのいずれも熱交
換による冷却を迂回させる。すなわち、制御部52は冷
却液の循環流路系に関して、内部熱交換器72に設けら
れた切換弁を制御してラジエータバイパス流路74を選
択する。したがって、内燃機関12の通過により昇温し
た冷却液は、ラジエータ32に流れ冷却されることな
く、内燃機関12に戻され、内燃機関12の暖機を行う
ので暖機効率を向上することができる。また、ATFに
関しても、制御部52は切換弁78,80を制御し、熱
交換器バイパス流路46を選択し、ATFが内部熱交換
器72に流れることを禁止し、ATFが内部熱交換器7
2で低温の冷却液と熱交換を行い冷却されることを回避
する。したがって、自動変速機18の駆動により昇温し
たATFは、内部熱交換器72で冷却されることなく、
熱交換器バイパス流路46を通り自動変速機18に戻
り、自動変速機18の暖機を行うので、暖機効率を向上
することができる。
【0058】また、ATF温度<Temp1かつ冷却液
温度≧Temp2の場合、冷却液は、内燃機関12の駆
動に適した定常温度を維持するため内燃機関12の冷却
が必要になるので、制御部52は、内部熱交換器72に
設けられた切換弁を制御して内燃機関12から排出され
た冷却液を内部熱交換器72を通過させ、ラジエータ3
2に送り、そこで冷却し、さらに内燃機関12に戻し、
内燃機関12の温度管理、つまり、冷却を行う。一方、
低温状態のATFは、内部熱交換器72で高温の冷却液
と熱交換を行うことにより昇温可能になるので、制御部
52は切換弁78,80を制御し、ATFが高温の冷却
液との熱交換が可能な内部熱交換器72を含む熱交換器
流路を選択する。その結果、低温のATFは、高温の冷
却液により加熱され、自動変速機18に戻されるので、
自動変速機18の暖機効率向上に寄与することができ
る。もちろん、蓄熱タンク42に熱が蓄えられている場
合には、この熱を放出することにより、自動変速機18
の暖機効率を向上することができる。
【0059】一方、自動変速機18の暖機が内燃機関1
2の暖機より先に完了した場合、つまり、ATF温度≧
Temp1かつ冷却液温度<Temp2の場合、冷却液
の温度のみを上昇させる必要があるため、制御部52
は、内部熱交換器72に設けられた切換弁を制御してラ
ジエータバイパス流路74を選択し、冷却液の冷却を行
うことなく、当該冷却液を内燃機関12の内外で循環さ
せ、内燃機関12の暖機を促進する。更に、ATF温度
≧Temp1の場合、自動変速機18は、最適な駆動状
態を維持するために冷却による温度調節が必要になるた
め、制御部52は、切換弁78,80を制御し、ATF
を当該ATFより相対的に温度の低い冷却液との熱交換
を行わせることによりATFを冷却するために、内部熱
交換器72を含む熱交換器流路を選択する。その結果、
高温のATFは、冷却液により冷却(緩冷)され、自動
変速機18に戻され、自動変速機18の冷却を行うこと
ができる。この時、内部熱交換器72を通過する冷却液
は、高温のATFと熱交換を行うことにより加熱され、
内燃機関12に戻されるため、ATFを利用した冷却液
の昇温を行うことができるので内燃機関12の暖機効率
を向上することができる。もちろん、蓄熱タンク42に
熱が蓄えられている場合には、この熱を放出することに
より、冷却液の加熱を行い内燃機関12の暖機効率を向
上することもできる。
【0060】次に、内燃機関12及び自動変速機18の
暖機が完了した場合、つまり、ATF温度≧Temp1
かつ冷却液温度≧Temp2の場合、冷却液及びATF
の両方とも冷却の必要があるため、制御部52は、各切
換弁を制御しラジエータ流路及び熱交換流路を選択し、
ラジエータ32及び内部熱交換器72を用いた冷却液及
びATFの冷却を行う。
【0061】このように、冷却液及びATFの温度に依
存した流路切り換えを行うことより、冷却液やATFの
熱交換状態を変化させ、内燃機関12及び自動変速機1
8の効率的かつ迅速な暖機及び効率的な冷却を行うこと
が可能で、車両用駆動装置を迅速に定常温度の運転状態
にすることができて、燃費向上を行うことができる。
【0062】なお、図6に示す車両用駆動装置76の温
度制御装置の構成においても、自動変速機18から延び
るATF流路38は蓄熱タンク42を経由する一本であ
るため、ATFの冷却を行う場合には、蓄熱タンク42
を常に解放(ATFが自由に通過できる状態)しておか
なければ、内部熱交換器72に流すことができない。そ
のため、低温のATFが蓄熱タンク42を通過する場
合、蓄熱効率を低下させてしまう場合がある。そこで、
メインとなるATF流路38に対して蓄熱タンク42用
のバイパスを設け、必要に応じて(例えば、ATFが高
温の場合)選択的にATFをバイパスを介して蓄熱タン
ク42に流し込み、その後、蓄熱タンク42の開閉弁4
2c,42dを閉動作し蓄熱を行うようにしてもよい。
【0063】図7においては、温度設定をそれぞれ、2
区分に分けた合計4パターンで示したが、更に細かい温
度設定を行って、流路の切り換えを行うようにすれば、
より効率的な暖機及び冷却を行うことができる。
【0064】また、上述した各実施形態において、冷却
液やATFの循環流路の切り換え状態を例えば、車室内
に設けたインジケータやモニター等の表示装置に表示す
ることにより、車両の暖機状態や冷却液やATFの流れ
状態を運転者が容易に把握することが可能で、スムーズ
な車両の運転を行うことができる。
【0065】また、上述した各実施形態においては、冷
却液やATFの温度を変化させるために切換弁で流路を
変更する例を示したが、流路変更に加え、弁の開閉量制
御やオリフィスの利用により各流路の流量を変化させる
ようにしてもよい。この場合、更に詳細な温度制御を行
うことができる。
【0066】さらに、各実施形態で示した流路回路は、
一例であり、冷却液やATFを効率的に常用温度にする
ことができる構成であれば、任意に変更可能である。
【0067】また、本実施形態においては、複数種類の
原動機を有するハイブリッド駆動装置に関して説明した
が、内燃機関のみが原動機となる駆動装置の変速機にも
適用できる。さらに、トルクコンバータと遊星歯車機構
を有する歯車変速機を組み合わせた変速機以外の変速
機、例えば、プーリと無端可撓部材を組み合わせた連続
的に変速比を変更することができる変速機に適用するこ
とも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1に係る車両用駆動装置の
温度制御装置の構成概念を説明する説明図である。
【図2】 本発明の実施形態1に係る車両用駆動装置の
温度制御装置の蓄熱タンクの構成概念を説明する説明図
である。
【図3】 本発明の実施形態1に係る車両用駆動装置の
温度制御装置の流路切り換え手順を説明するフローチャ
ートである。
【図4】 本発明の実施形態2に係る車両用駆動装置の
温度制御装置の構成概念を説明する説明図である。
【図5】 本発明の実施形態2に係る車両用駆動装置の
温度制御装置の流路切り換え手順を説明するフローチャ
ートである。
【図6】 本発明の実施形態3に係る車両用駆動装置の
温度制御装置の構成概念を説明する説明図である。
【図7】 本発明の実施形態3に係る車両用駆動装置の
温度制御装置の流路切り換えパターンを説明する切り換
えテーブル表である。
【符号の説明】
10,70,76 車両用駆動装置、12 内燃機関、
14 回転電機、18自動変速機、20 トルクコンバ
ータ、22 歯車変速機部、24 流体圧制御部、32
ラジエータ、36 油圧ポンプ、38 ATF流路、
40 補助ポンプ、42 蓄熱タンク、44 蓄熱材、
46 熱交換器バイパス流路、48,50,78,80
切換弁、52 制御部、54 車速センサ、56 変
速機温度センサ、58 タンク温度センサ、60 冷却
液温度センサ、62 シフト位置センサ、64 外気温
センサ、66 記憶部、68 イグニッションスイッ
チ、72 内部熱交換器、74 ラジエータバイパス流
路。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原動機と変速機を含む車両用駆動装置の
    温度を制御する温度制御装置であって、 前記原動機の内外を循環して原動機の温度管理を行う温
    度管理流体が流れる原動機側循環流路と、 前記変速機の内外を循環して変速機の温度管理を行う変
    速機用流体が流れる変速機側循環流路と、 前記原動機側循環流路および変速機側循環流路上に設け
    られ、温度管理流体と変速機用流体との間で熱交換を行
    う熱交換器と、 前記変速機と熱交換器との間の変速機側循環流路上に設
    けられ、変速機用流体の熱量の蓄熱及び蓄熱した熱量の
    放熱が可能な蓄熱手段と、 前記温度管理流体と変速機用流体の熱交換状態を制御
    し、車両用駆動装置の温度制御を行う制御手段と、 を含む車両用駆動装置の温度制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の温度制御装置において、 前記変速機用流体の温度状態を検出する変速機用流体温
    度検出手段と、 を含み、 前記制御手段は、 前記検出結果に応じて、蓄熱手段が接続される変速機側
    循環流路を流れる変速機用流体の熱交換状態を変化させ
    る車両用駆動装置の温度制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の温度制御
    装置において、 前記温度管理流体の温度状態を検出する管理流体温度検
    出手段と、 を含み、 前記制御手段は、 前記検出結果に応じて、蓄熱手段が接続される原動機側
    循環流路を流れる温度管理流体の熱交換状態を変化させ
    る車両用駆動装置の温度制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の温度制御装置において、 前記変速機用流体の温度状態を検出する変速機用流体温
    度検出手段と、 前記温度管理流体の温度状態を検出する管理流体温度検
    出手段と、 を含み、 前記制御手段は、 前記温度管理流体と前記変速機用流体の温度状態に基づ
    いて、変速機側循環流路または原動機側循環流路の流路
    切り換えを行い変速機用流体と温度管理流体との熱交換
    状態を変化させる車両用駆動装置の温度制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    の温度制御装置において、 前記変速機用流体が熱交換器を迂回し、蓄熱手段と変速
    機との間で循環する熱交換器バイパス流路を有する車両
    用駆動装置の温度制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の温度制御装置において、 前記制御手段は、 前記変速機用流体の温度状態に基づいて、前記熱交換器
    バイパス流路の接続、分離制御を行う車両用駆動装置の
    温度制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6のいずれかに記載
    の温度制御装置において、 前記温度管理流体が原動機側循環流路上のラジエータを
    迂回し、当該温度管理流体が原動機と熱交換器との間で
    循環するラジエータバイパス流路を有する車両用駆動装
    置の温度制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の温度制御装置において、 前記制御手段は、 前記温度管理流体の温度状態に基づいて、前記ラジエー
    タバイパス流路の接続、分離制御を行う車両用駆動装置
    の温度制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項4記載の温度制御装置において、 前記温度管理流体が所定温度より低く、かつ変速機用流
    体が所定温度より低い場合に、前記熱交換器をバイパス
    する車両用駆動装置の温度制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項4記載の温度制御装置におい
    て、 前記温度管理流体が所定温度以上、かつ変速機用流体が
    所定温度より低い場合に、前記熱交換器により変速機用
    流体と温度管理流体との熱交換を行う車両用駆動装置の
    温度制御装置。
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