JP2002057173A - 回路装置の製造方法 - Google Patents

回路装置の製造方法

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JP2002057173A
JP2002057173A JP2000240511A JP2000240511A JP2002057173A JP 2002057173 A JP2002057173 A JP 2002057173A JP 2000240511 A JP2000240511 A JP 2000240511A JP 2000240511 A JP2000240511 A JP 2000240511A JP 2002057173 A JP2002057173 A JP 2002057173A
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conductive
circuit device
circuit
insulating resin
conductive foil
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Shinichi Toyooka
伸一 豊岡
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Sanyo Electric Co Ltd
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    • H01L2924/13055Insulated gate bipolar transistor [IGBT]

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  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
  • Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)
  • Lead Frames For Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 プリント基板、セラミック基板、フレキシブ
ルシート等の支持基板を用いないで回路素子の実装を可
能にした回路装置の製造方法を提供する。 【解決手段】 導電箔60を用意し、少なくとも導電路
51A・51Bと成る領域を除いた前記導電箔60に、
当該導電箔の厚みよりも浅い分離溝61を形成して複数
の導電路51A・51Bを形成する。各回路装置を構成
することになる各回路素子52A・52Bを導電路51
A・51B上にそれぞれ実装し、分離溝61に充填され
るように各回路装置を絶縁性樹脂50で個別に被覆す
る。分離溝61が設けられていない側の導電箔60を所
定位置まで研摩して、外部との接続性を残す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回路装置の製造方
法に関し、特に支持基板を不要にした薄型の回路装置の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子機器にセットされる回路装置
は、携帯電話、携帯用のコンピュータ等に採用されるた
め、小型化、薄型化、軽量化が求められている。
【0003】例えば、回路装置として半導体装置を例に
して述べると、一般的な半導体装置として、従来、通常
のトランスファーモールドで封止されたパッケージ型半
導体装置がある。この半導体装置は、図19に示すよう
にプリント基板PSに実装される。
【0004】また、このパッケージ型半導体装置1は、
半導体チップ2の周囲を樹脂層3で被覆し、この樹脂層
3の側部から外部接続用のリード端子4が導出されたも
のである。
【0005】しかし、このパッケージ型半導体装置1
は、リード端子4が樹脂層3から外に出ており、全体の
サイズが大きく、小型化、薄型化及び軽量化を満足する
ものではなかった。
【0006】そのため、各社が競って小型化、薄型化及
び軽量化を実現すべく、色々な構造を開発し、最近では
CSP(チップサイズパッケージ)と呼ばれる、チップ
のサイズと同等のウェハスケールCSP、またはチップ
サイズよりも若干大きいサイズのCSPが開発されてい
る。
【0007】図20は、支持基板としてガラスエポキシ
基板5を採用した、チップサイズよりも若干大きいCS
P6を示すものである。ここではガラスエポキシ基板5
にトランジスタチップTが実装されたものとして説明し
ていく。
【0008】このガラスエポキシ基板5の表面には、第
1の電極7、第2の電極8及びダイパッド9が形成さ
れ、裏面には第1の裏面電極10と第2の裏面電極11
が形成されている。そして、スルーホールTHを介して
前記第1の電極7と第1の裏面電極10が、第2の電極
8と第2の裏面電極11が電気的に接続されている。ま
た、ダイパッド9には前記ベアのトランジスタチップT
が実装され、トランジスタのエミッタ電極と第1の電極
7が金属細線12を介して接続され、トランジスタのベ
ース電極と第2の電極8が金属細線12を介して接続さ
れている。更にトランジスタチップTを覆うようにガラ
スエポキシ基板5に樹脂層13が設けられている。
【0009】前記CSP6は、ガラスエポキシ基板5を
採用するが、ウェハスケールCSPと違い、チップTか
ら外部接続用の裏面電極10、11までの延在構造が簡
単であり、安価に製造できる利点を有する。
【0010】また前記CSP6は、図19に示すように
プリント基板PSに実装される。プリント基板PSに
は、電気回路を構成する電極、配線が設けられ、前記C
SP6、パッケージ型半導体装置1、チップ抵抗CRま
たはチップコンデンサCC等が電気的に接続されて実装
される。
【0011】そして、このプリント基板で構成された回
路は、色々なセットの中に取り付けられる。
【0012】次に、このCSPの製造方法を図20及び
図21を参照しながら説明する。尚、図22では、中央
のガラエポ/フレキ基板と題するフロー図を参照する。
【0013】先ず、基材(支持基板)としてガラスエポ
キシ基板5を用意し、この両面に絶縁性接着剤を介して
Cu箔20、21を圧着する(以上、図21(A)参
照)。
【0014】続いて、第1の電極7,第2の電極8、ダ
イパッド9、第1の裏面電極10及び第2の裏面電極1
1に対応するCu箔20、21に耐エッチング性のレジ
スト22を被覆し、Cu箔20、21をパターニングす
る。尚、パターニングは、表と裏で別々にしても良い
(以上、図21(B)参照)。
【0015】続いて、ドリルやレーザを利用してスルー
ホールTHのための孔を前記ガラスエポキシ基板に形成
し、この孔にメッキを施し、スルーホールTHを形成す
る。このスルーホールTHにより第1の電極7と第1の
裏面電極10、第2の電極8と第2の裏面電極10が電
気的に接続される(以上、図21(C)参照)。
【0016】更に、図面では省略をしたが、ボンデイン
グポストと成る第1の電極7,第2の電極8にNiメッ
キを施すと共に、ダイボンディングポストとなるダイパ
ッド9にAuメッキを施し、トランジスタチップTをダ
イボンディングする。
【0017】最後に、トランジスタチップTのエミッタ
電極と第1の電極7、トランジスタチップTのベース電
極と第2の電極8を金属細線12を介して接続し、樹脂
層13で被覆している(以上、図21(D)参照)。
【0018】そして、必要によりダイシングすることで
個々の電気素子として分離している。図21では、ガラ
スエポキシ基板5に、トランジスタチップTが一つしか
設けられていないが、実際は、トランジスタチップTが
マトリックス状に多数個設けられている。そのため、最
後にダイシング装置により個別分離される。
【0019】以上の製造方法により、支持基板5を採用
したCSP型の電気素子が完成する。この製造方法は、
支持基板としてフレキシブルシートを採用しても同様で
ある。
【0020】一方、セラミック基板を採用した製造方法
を図22左側のフローに示す。支持基板であるセラミッ
ク基板を用意した後、スルーホールを形成し、その後、
導電ペーストを使い、表と裏の電極を印刷し、焼結して
いる。その後、前述した製造方法の樹脂層を被覆するま
では図21の製造方法と同じであるが、セラミック基板
は、非常にもろく、フレキシブルシートやガラスエポキ
シ基板と異なり、直ぐに欠けてしまうため金型を用いた
モールドができない問題がある。そのため、封止樹脂を
ポッティングし、硬化した後、封止樹脂を平らにする研
磨を施し、最後にダイシング装置を使って個別分離して
いる。
【0021】ここで、図20において、トランジスタチ
ップT、接続手段7〜12及び樹脂層13は、外部との
電気的接続、トランジスタの保護をする上で、必要な構
成要素であるが、これだけの構成要素で小型化、薄型
化、軽量化を実現する電気回路素子を提供するのは難し
かった。
【0022】また、支持基板となるガラスエポキシ基板
5は、前述したように本来不要なものである。しかし製
造方法上、電極を貼り合わせるため、支持基板として採
用しており、このガラスエポキシ基板5を無くすことが
できなかった。
【0023】そのため、このガラスエポキシ基板5を採
用することによって、コストが上昇し、更にはガラスエ
ポキシ基板5が厚いために、回路素子として厚くなり、
小型化、薄型化、軽量化を図る上で限界があった。
【0024】更に、ガラスエポキシ基板やセラミック基
板では必ず両面の電極を接続するスルーホール形成工程
が不可欠であり、製造工程も長くなる問題もあった。
【0025】そこで、上記問題を解決するため、本出願
人は以下に説明する技術を開発した。
【0026】即ち、電気的に分離された複数の導電路
と、所望の導電路上に実装された回路素子と、当該回路
素子を被覆し且つ前記導電路を一体に支持する絶縁性樹
脂とを備えた回路装置を提供することで、構成要素を最
小限にして上記課題を解決している。
【0027】また、分離溝で電気的に分離された複数の
導電路と、所望の該導電路上に実装された回路素子と、
該回路素子を被覆し且つ前記導電路間の前記分離溝に充
填され前記導電路の裏面のみを露出して一体に支持する
絶縁性樹脂とを備えた回路装置を提供することで、導電
路の裏面が外部との接続に供することができスルーホー
ルを不要にでき、上記課題を解決している。
【0028】更に、導電箔を用意し、少なくとも導電路
と成る領域を除いた前記導電箔に、前記導電箔の厚みよ
りも浅い分離溝を形成して導電路を形成する工程と、所
望の前記導電路上に回路素子を実装する工程と、前記回
路素子を被覆し、前記分離溝に充填されるように絶縁性
樹脂でモールドする工程と、前記分離溝を設けていない
厚み部分の前記導電箔を除去する工程とを具備する回路
装置の製造方法を提供することで、導電路を形成する導
電箔がスタートの材料であり、絶縁性樹脂がモールドさ
れるまでは導電箔が支持機能を有し、モールド後は絶縁
性樹脂が支持機能を有することで支持基板を不要にで
き、上記課題を解決している。
【0029】また、導電箔を用意し、少なくとも導電路
と成る領域を除いた前記導電箔に、前記導電箔の厚みよ
りも浅い分離溝を形成して導電路を形成する工程と、所
望の前記導電路上に複数の回路素子を実装する工程と、
前記回路素子の電極と所望の前記導電路とを電気的に接
続する接続手段を形成する工程と、前記複数の回路素子
を被覆し、前記分離溝に充填されるように絶縁性樹脂で
モールドする工程と、前記分離溝を設けていない厚み部
分の前記導電箔を除去する工程と、前記絶縁性樹脂を切
断して個別の回路装置に分離する工程とを具備する回路
装置の製造方法を提供することで、多数個の回路装置を
量産でき、上記課題を解決している。尚、この技術は、
特願2000−022646号にて既に出願している。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】上記発明における前記
分離溝を設けていない厚み部分の前記導電箔を除去する
工程において、エッチング処理により行う場合には問題
ないが、研摩処理により行う場合に発生する以下の問題
である。
【0031】即ち、図23(A)に示すように前記分離
溝61を設けていない厚み部分の前記導電箔60をエッ
チング処理した場合には、各導電路51A,51B,5
1Cが完全に分離されるようにオーバーエッチングする
ため、最終的な導電路51A,51B,51Cの表面は
絶縁性樹脂50の表面よりも窪むことになる。
【0032】従って、この回路装置53を基板に接続す
る場合に、この窪みを利用することで半田ペーストが当
該導電路51A,51B,51Cの表面に、この窪み分
厚く付着するため、接着強度が高くなる。即ち、基板へ
半田接合した時、所望の半田厚が保てるので、半田接着
強度が高くなり、特に衝撃やヒートサイクルに対して有
効である。
【0033】これに対して、図23(B)に示すように
前記分離溝61を設けていない厚み部分の前記導電箔6
0を研摩処理した場合には、下面が全面フラットとな
り、上述したエッチング処理したもののような窪みがな
い。
【0034】そのため、回路装置53の各導電路51
A,51B,51C(電極)の表面に半田ペーストを付
着させる際に、当該半田ペーストが薄く塗布されてしま
い、接合強度が弱くなる。即ち、基板へ半田接合する際
の押し込みにより、基板と接合部との隙間ができないた
め、半田厚が薄くなり、接合強度が弱くなる。従って、
半田クラックの発生する危険性がある。
【0035】更に言えば、上記図23(B)に示す研摩
処理により、下面が全面フラットとなった各導電路51
A,51B,51C(電極)間に跨って絶縁樹脂コート
剤(絶縁レジスト)Rを被着させ、この絶縁樹脂コート
剤Rで電極部周辺に厚みを持たせて半田厚を厚くする方
法も考えられる。しかしながら、この場合には、新たに
絶縁樹脂コート剤Rを被着させる工程が増え、作業性が
落ちてしまう。
【0036】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題に鑑み
本発明の回路装置の製造方法は、導電箔を用意し、少な
くとも導電路と成る領域を除いた前記導電箔に、前記導
電箔の厚みよりも浅い分離溝を形成して複数の導電路を
形成する工程と、各回路装置を構成することになる各回
路素子を前記複数の導電路上にそれぞれ実装する工程
と、前記分離溝に充填されるように前記各回路装置を絶
縁性樹脂で個別に被覆する工程と、前記分離溝が設けら
れていない側の前記導電箔を所定位置まで研摩する工程
とを具備することを特徴とする。
【0037】また、本発明の回路装置の製造方法は、導
電箔を用意し、少なくとも導電路と成る領域を除いた前
記導電箔に、前記導電箔の厚みよりも浅い分離溝を形成
して複数の導電路を形成する工程と、各回路装置を構成
することになる各回路素子を前記複数の導電路上にそれ
ぞれ実装する工程と、前記分離溝に充填されるように前
記各回路装置を絶縁性樹脂で個別に被覆する工程と、前
記分離溝が設けられていない側の前記導電箔を所定位置
まで研摩する工程と、前記絶縁性樹脂で個別に被覆され
た各回路装置同士を分離する工程とを具備することを特
徴とする。
【0038】そして、前記研摩工程において、前記分離
溝が設けられていない側の前記導電箔を所定位置まで研
摩して各導電路を分離する際に、全面研摩ではなく、所
望位置に絶縁性樹脂による凸部が残るように研摩するこ
とで、当該凸部を利用して前記導電路表面への半田の塗
布厚を適宜調整可能とし、従来の課題を解決するもので
ある。
【0039】また、前記分離溝に充填されるように前記
各回路装置を絶縁性樹脂で個別に被覆した後に、前記分
離溝が設けられていない側の前記導電箔を所定位置まで
除去し、そして前記絶縁性樹脂で個別に被覆された各回
路装置同士を分離する工程とを有することで、各回路装
置を分離する。このため、各回路装置同士は、最終段階
までは分離されず、従って導電箔を1枚のシートとして
各工程に供することができ、作業性が良い。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態に係る
回路装置の製造方法について図面を参照しながら説明す
る。
【0041】図1(A)には、絶縁性樹脂50に埋め込
まれた導電路51を有し、前記導電路51上には回路素
子52が実装され、前記絶縁性樹脂50で導電路51を
支持して成る回路装置53が一対示されている。尚、図
1(A)では説明の便宜上、上述したように一対の回路
装置53しか図示していないが、本来は多数の回路装置
53が隣り合うように形成され、それらが最終的に分離
されて図示したような個別の回路装置53となる。
【0042】本構造は、回路素子52A、52B、複数
の導電路51A、51B、51Cと、この導電路51
A、51B、51Cを埋め込む絶縁性樹脂50の3つの
材料で構成され、導電路51間には、この絶縁性樹脂5
0で充填された分離溝61が設けられる。そして、前記
個別の回路装置53(を構成する前記導電路51同士)
が、それぞれ絶縁性樹脂50により支持されている。
【0043】尚、前記絶縁性樹脂50としては、エポキ
シ樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニ
レンサルファイド等の熱可塑性樹脂を用いることができ
る。また、絶縁性樹脂50は、金型を用いて固める樹
脂、塗布をして被覆できる樹脂であれば、全ての樹脂が
採用できる。更に、導電路51としては、Cu(銅)を
主材料とした導電箔、Al(アルミニウム)を主材料と
した導電箔、またはFe−Ni(鉄−ニッケル)、Cu
−Al(銅−アルミニウム)、Al−Cu−Al(アル
ミニウム−銅−アルミニウム)等の合金から成る導電箔
等を用いることができる。もちろん、他の導電材料でも
可能であり、特にエッチングできる導電材、レーザで蒸
発する導電材が好ましい。
【0044】また、回路素子52の接続手段は、金属細
線55A、ロウ材から成る導電ボール、扁平する導電ボ
ール、半田等のロウ材55B、Agペースト等の導電ペ
ースト55C、導電被膜または異方性導電性樹脂等であ
る。これら接続手段は、回路素子52の種類、回路素子
52の実装形態で選択される。例えば、ベアの回路素子
であれば、表面の電極と導電路51との接続は、金属細
線が選択され、CSP部品、SMD部品であれば半田ボ
ールや半田バンプが選択される。
【0045】更に、チップ抵抗、チップコンデンサは、
半田55Bが選択される。またパッケージされた回路素
子、例えばBGA等を導電路51に実装しても問題はな
く、これを採用する場合、接続手段は半田が選択され
る。更に言えば、前記回路素子52としては、SiG
e、GaAs等の化合物半導体から成る回路素子でも良
い。
【0046】また、前記回路素子52と導電路51Aと
の実装は、電気的接続が不要であれば、絶縁性接着剤が
選択され、また電気的接続が必要な場合は、導電被膜が
採用される。ここで、この導電被膜は、少なくとも一層
あれば良い。
【0047】この導電被膜として考えられる材料は、A
g(銀)、Au(金)、Pd(パラジウム)またはAl
(アルミニウム)等であり、蒸着、スパッタリング、C
VD等の低真空、または高真空下の被着、メッキまたは
焼結等により被覆される。
【0048】例えばAgは、Auと接着するし、ロウ材
とも接着する。よってチップ裏面にAu被膜が被覆され
ていれば、そのままAg被膜、Au被膜、半田被膜を導
電路51Aに被覆することによってチップを熱圧着で
き、また半田等のロウ材を介してチップを実装できる。
ここで、前記導電被膜は複数層に積層された導電被膜の
最上層に形成されても良い。例えば、Cuの導電路51
Aの上には、Ni被膜、Au被膜の二層が順に被着され
たもの、Ni被膜、Cu被膜、半田被膜の三層が順に被
着されたもの、Ag被膜、Ni被膜の二層が順に被覆さ
れたものが形成できる。尚、これら導電被膜の種類、積
層構造は、これ以外にも多数あるが、ここでは省略す
る。
【0049】本回路装置53は、導電路51を封止樹脂
である絶縁性樹脂50で支持しているため、支持基板が
不要となり、導電路51、回路素子52及び絶縁性樹脂
50で構成される。この構成は、本発明の特徴である。
従来の技術の欄でも説明したように、従来の回路装置の
導電路は、支持基板で支持されていたり、リードフレー
ムで支持されているため、本来不要にしても良い構成が
付加されている。しかし、本回路装置は、必要最小限の
構成要素で構成され、支持基板を不要としているため、
薄型で安価となる特徴を有する。
【0050】また、前記構成の他に、回路素子52を被
覆し且つ前記導電路51間の前記分離溝61に充填され
て一体に支持する絶縁性樹脂50を有している。
【0051】この導電路51間は、分離溝61となり、
ここに絶縁性樹脂50が充填されることで、お互いの絶
縁が図れる利点を有する。
【0052】また、回路素子52を被覆し且つ導電路5
1間の分離溝61に充填され導電路51の裏面のみを露
出して一体に支持する絶縁性樹脂50を有している。
【0053】この導電路の裏面を露出する点は、本発明
の特徴の一つである。導電路の裏面が外部との接続に供
することができ、図21に示すように従来構造のスルー
ホールTHを不要にできる特徴を有する。
【0054】しかも、回路素子がロウ材、Au、Ag等
の導電被膜を介して直接実装されている場合、導電路5
1の裏面が露出されているため、回路素子52Aから発
生する熱を導電路51Aを介して実装基板に伝えること
ができる。特に放熱により、駆動電流の上昇等の特性改
善が可能となる半導体チップに有効である。
【0055】また、本発明の特徴は、図6に示すように
導電路51上に実装された所望の回路素子52により構
成される各回路装置53を、絶縁性樹脂50で個別に樹
脂封止している点である。これにより、従来技術の項目
で説明したように、導電箔の一面(広い範囲)に渡って
絶縁性樹脂を被覆させたものに比して、導電箔(回路装
置)の反り発生を抑止できる。
【0056】以下、上記回路装置の製造方法について図
1〜図6を参照しながら説明する。
【0057】先ず、図2に示すようにシート状の導電箔
60を用意する。この導電箔60は、ロウ材の付着性、
ボンディング性、メッキ性が考慮されてその材料が選択
され、材料としては、Cuを主材料とした導電箔、Al
を主材料とした導電箔またはFe−Ni等の合金から成
る導電箔等が採用される。
【0058】導電箔の厚さは、後のエッチングを考慮す
ると10μm〜300μm程度が好ましく、ここでは7
0μm(2オンス)の銅箔を採用した。しかし、300
μm以上でも10μm以下でも基本的には良い。後述す
るように、導電箔60の厚みよりも浅い分離溝61が形
成できれば良い。
【0059】尚、シート状の導電箔60は、所定の幅で
ロール状に巻かれて用意され、これが後述する各工程に
搬送されても良いし、所定の大きさにカットされた導電
箔が用意され、後述する各工程に搬送されても良い。
【0060】続いて、少なくとも導電路51となる領域
を除いた導電箔60を、導電箔60の厚みよりも薄く除
去する工程がある。そして、この除去工程により形成さ
れた分離溝61及び導電箔60に絶縁性樹脂50で被覆
する工程がある。
【0061】先ず、導電箔60の上に、ホトレジスト
(耐エッチングマスク)PRを形成し、導電路51とな
る領域を除いた導電箔60が露出するようにホトレジス
トPRをパターニングする(以上、図3参照)。そし
て、前記ホトレジストPRを介してエッチングする(以
上、図4参照)。
【0062】エッチングにより形成された分離溝61の
深さは、例えば50μmであり、その側面は、粗面とな
るため絶縁性樹脂50との接着性が向上される。
【0063】また、この分離溝61の側壁は、模式的に
ストレートで図示しているが、除去方法により異なる構
造となる。この除去工程は、ウェットエッチング、ドラ
イエッチング、レーザによる蒸発、ダイシングが採用で
きる。ウェットエッチングの場合、エッチャントは、塩
化第二鉄または塩化第二銅が主に採用され、前記導電箔
は、このエッチャントの中にディッピングされるか、こ
のエッチャントでシャワーリングされる。ここで、ウェ
ットエッチングは、一般に非異方性にエッチングされる
ため、側面は湾曲構造になる。
【0064】また、ドライエッチングの場合は、異方
性、非異方性でエッチングが可能である。現在では、C
uを反応性イオンエッチングで取り除くことは不可能と
いわれているが、スパッタリングで除去できる。更に、
スパッタリングの条件によって異方性、非異方性でエッ
チングできる。
【0065】また、レーザでは、直接レーザ光を当てて
分離溝を形成でき、この場合は、どちらかといえば分離
溝61の側面はストレートに形成される。
【0066】更に言えば、ダイシングでは、曲折した複
雑なパターンを形成することは不可能であるが、格子状
の分離溝を形成することは可能である。
【0067】尚、図3において、ホトレジストPRの代
わりにエッチング液に対して耐食性のある導電被膜を選
択的に被覆しても良い。導電路と成る部分に選択的に被
着すれば、この導電被膜がエッチング保護膜となり、レ
ジストを採用することなく分離溝をエッチングできる。
この導電被膜として考えられる材料は、Ag、Au、P
dまたはAl等である。しかもこれら耐食性の導電被膜
は、ダイパッド、ボンディングパッドとしてそのまま活
用できる特徴を有する。
【0068】例えばAg被膜は、Auと接着するし、ロ
ウ材とも接着する。よってチップ裏面にAu被膜が被覆
されていれば、そのまま導電路51上のAg被膜にチッ
プを熱圧着でき、また半田等のロウ材を介してチップを
実装できる。更に、Agの導電被膜にはAu細線が接着
できるため、ワイヤーボンディングも可能となる。従っ
て、これらの導電被膜をそのままダイパッド、ボンディ
ングパッドとして活用できる利点を有する。
【0069】続いて、図5に示すように分離溝61が形
成された導電箔60に回路素子52を電気的に接続して
実装する工程がある。
【0070】前記回路素子52としては、Si、SiG
e、GaAs等の化合物材料から成るトランジスタ、ダ
イオード、ICチップ、半導体レーザー等の回路素子、
チップコンデンサ、チップ抵抗等の受動素子である。ま
た、回路装置としての厚みは厚くなるが、CSP、BG
A等のフェイスダウンの回路素子も実装できる。
【0071】ここでは、ベアのトランジスタチップ52
Aが導電路51Aにダイボンディングされ、エミッタ電
極と導電路51B、ベース電極と導電路51Bが、熱圧
着によるボールボンディングあるいは超音波によるウェ
ッジボンディング等で実装された金属細線55Aを介し
て接続される。また、52Bはチップコンデンサまたは
受動素子であり、半田等のロウ材または導電ペースト5
5Bで実装される。
【0072】更に、図6に示すように前記導電箔60及
び分離溝61に絶縁性樹脂50を付着する工程がある。
これは、トランスファーモールド、インジェクションモ
ールド、またはディッピングやポッティング等により実
現できる。樹脂材料としては、エポキシ樹脂等の熱硬化
性樹脂がトランスファーモールドで実現でき、ポリイミ
ド樹脂、ポリフェニレンサルファイド等の熱可塑性樹脂
はインジェクションモールドで実現できる。
【0073】本実施の形態では、導電箔60表面に被覆
された絶縁性樹脂の厚さは、回路素子の最頂部から約1
00μm程度が被覆されるように調整されている。この
厚みは、強度を考慮して厚くすることも、薄くすること
も可能である。
【0074】本工程の特徴は、絶縁性樹脂50を被覆す
るまでは、導電路51となる導電箔60が支持基板とな
ることである。従来では、図20のように、本来必要と
しない支持基板5を採用して導電路7〜11を形成して
いるが、本発明では、支持基板となる導電箔60は、そ
のまま電極材料として必要な材料である。そのため、構
成材料を極力省いて作業できる利点を有し、コストの低
下も実現できる。
【0075】また、前記分離溝61は、導電箔60の厚
みよりも浅く形成されているため、導電箔60が導電路
51として個々に分離されていない。従って、シート状
の導電箔60として一体で取り扱え、絶縁性樹脂をモー
ルドする際、金型への搬送、金型への実装の作業が非常
に簡便であるという特徴を有する。
【0076】そして、本工程の特徴は、前述した導電路
51と、当該導電路51上に実装された回路素子52と
から成る回路装置53を、各回路装置53毎に個別にト
ランスファーモールドしていることである(図6参
照)。
【0077】これにより、従来のように導電箔60の一
面(広い範囲)に絶縁性樹脂50を一括してモールドし
た際の導電箔60の反り発生を抑止できるという利点が
ある。
【0078】尚、樹脂内に反り防止用のフィラーを混入
し、反りの発生を抑制する方法も考えられるが、完全に
はその発生を抑止することはできない。更には、回路素
子52として発光ダイオードや半導体レーザー等の光を
発光する素子、またIrDA等のように光を送受光する
素子を封止する樹脂の場合には、光が乱反射してしまう
ためにフィラー等は混入できない。従って、このような
場合に本発明の個別モールド方法を適用すると有効であ
る。もちろん、この場合の樹脂は、光を透過可能なもの
である必要があり、いわゆる透明樹脂と呼ばれるもの、
また不透明であるが所定の波長の光を透過可能な樹脂が
用いられる。
【0079】続いて、導電箔60の裏面を化学的及び/
または物理的に除き、導電路51として分離する工程が
ある。ここで、この除く工程は、研磨、研削、エッチン
グ、レーザの金属蒸発等により施される。
【0080】実験では、研磨装置または研削装置により
全面を30μm程度削り、分離溝61から絶縁性樹脂5
0を露出させている。この露出される面を図6では点線
で示している。その結果、約40μmの厚さの導電路5
1となって分離される。また、絶縁性樹脂50が露出す
る手前まで、導電箔60を全面ウェットエッチングし、
その後、研磨または研削装置により全面を削り、絶縁性
樹脂50を露出させても良い。
【0081】ここで、前記研摩工程において、前記分離
溝61が設けられていない側の前記導電箔60を所定位
置まで研摩して各導電路51を分離する際に、全面研摩
ではなく、所望位置に(例えば、回路装置の側壁部に沿
って)絶縁性樹脂50による凸部50Aが残るように研
摩する(図7及び図8参照)。このように前記凸部50
Aの存在により、前記導電路51(電極)表面への半田
の塗布厚が適宜調整可能となる。
【0082】従って、前記凸部50Aにより電極面と絶
縁性樹脂面との間で所望の間隔を確保することができ、
この間隔を利用して半田ペーストを塗布することで、従
来のように下面が全面フラットに研摩された構造のた
め、電極に半田ペーストが薄く接着されるものに比して
半田接合強度の向上が図れ、半田クラックの発生を抑止
できる。即ち、回路装置を基板に接着する際に、上記研
摩残りによる凸部50Aを持っていない回路装置は、直
接電極部が押し込まれるので所望の半田厚が保てない
(半田ボールとして飛び出す)。しかし、凸部50Aが
あることで、電極間により大きな隙間ができるので、一
定の半田厚が保持できるので、半田接合強度の向上や半
田ボール対策として有効である。
【0083】尚、上記したように所望位置に絶縁性樹脂
50による凸部50Aを残す研摩方法としては、いわゆ
る帯状研摩をかけることで可能になる。即ち、前記所望
位置に(例えば、回路装置の側壁部に沿って)絶縁性樹
脂50による凸部50Aが残るように研摩すれば良い。
【0084】そして、前記電極には半田ボールを実装す
るか、半田クリーム印刷等で対応する。
【0085】尚、前記分離溝61を設けていない厚み部
分の前記導電箔60をエッチング処理した場合には、各
導電路51A,51B,51Cが完全に分離されるよう
にオーバーエッチングするため、最終的な導電路51
A,51B,51Cの表面は絶縁性樹脂50の表面より
も窪むことになる(図23(A)参照)。従って、この
回路装置53を基板に接続する場合に、この窪み(導電
路51A,51B,51Cの表面と絶縁性樹脂50の表
面との間隔)を利用することで半田ペーストが当該導電
路51A,51B,51Cの表面に、この窪み分厚く付
着するため、接着強度が高くなる。
【0086】また、本発明の他の製造方法について図9
を参照しながら説明する。
【0087】尚、本発明の特徴は、各回路装置53の四
隅に凸部50Bを形成している点である。この場合に
も、当該凸部50Bにより電極面と絶縁性樹脂面との間
で所望の間隔を確保することができ、この間隔を利用し
て半田ペーストを塗布することで、従来のように電極に
薄く半田ペーストが接着されたものに比して半田接合強
度の向上が図れ、半田クラックの発生を抑止できる。こ
のように本発明では、研摩工程において、全面フラット
に研摩するのではなく、絶縁性樹脂50の一部が残るよ
うに研摩することで(図8に示す凸部50A,図9に示
す凸部50B参照)、導電路51の表面と絶縁性樹脂5
0の表面との間に所望の間隔が形成され、この間隔を利
用して厚く半田ペースト等を接着させ、接着強度を高め
ている。尚、前記凸部50A,50Bの形状は一例であ
り、前記導電路51の表面と絶縁性樹脂50の表面との
間に所望の間隔が形成できる形状であれば、種々の変更
が可能なことは言うまでもない。
【0088】そして、この結果、凸部50A以外の絶縁
性樹脂50の表面に各導電路51の表面が露出する構造
となる(以上、図6参照)。しかし、この状態でも、図
6に示すように導電箔60は、1つのシートとして扱え
るため、作業性が良い。
【0089】最後に、必要によって露出した導電路51
の表面に半田等の導電材(図1(A)では、特に符号を
付した説明は省略しているが、絶縁性樹脂50の表面か
ら突出した部分に相当する。)を被着することで、回路
装置53が完成する(以上、図1(A)参照)。尚、導
電路51の表面に半田等の導電材を被着させておくこと
で、導電路51の酸化が防止される。
【0090】尚、導電路51の裏面に導電被膜を被着す
る場合、図2の導電箔の裏面に、前もって導電被膜を形
成しても良い。この場合、導電路に対応する部分を選択
的に被着すれば良い。被着方法は、例えばメッキであ
る。また、この導電被膜は、エッチングに対して耐性が
ある材料が良い。更に、この導電被膜を採用した場合、
研磨をせずにエッチングだけで導電路51として分離で
きる。
【0091】更にまた、本製造方法では、導電箔60に
トランジスタとチップ抵抗が実装されているだけである
が、これを1単位としてマトリックス状に配置しても良
いし、どちらか一方の回路素子を1単位としてマトリッ
クス状に配置しても良い。この場合は、後述するように
ダイシング装置で個々に分離されて、回路装置53が完
成する。
【0092】また、配線を導電路として形成し、ハイブ
リッド回路として形成しても良く、これをマトリックス
状に形成しても良い。
【0093】尚、分離ラインは、図6に示した矢印のと
ころであり、ダイシング、カット、チョコレートブレー
ク等で実現できる。更には、後述するプレス等による剥
離方法等でも良い。ここで、プレス機構(一点鎖線参
照)等による剥離方法を採用する場合には、図1(B)
に示すように回路装置53を被覆する絶縁性樹脂50の
両端部の銅片51Dが剥がれた状態となる。そして、こ
の場合にはフレームカット金型が不要になり、コスト低
減を図る上で有効である。また、全面が導電箔60とな
っている上に絶縁性樹脂50をモールドすることで、樹
脂の裏面廻りがなく、裏面のバリ取り処理が不要となる
ため、作業性が良いという利点もある。
【0094】更に言えば、特にダイシングは通常の回路
装置の製造方法において多用されるものであり、非常に
サイズの小さい物も分離可能であるため、好適である。
【0095】また、図22の右側には、本発明を簡単に
まとめたフローが示されている。Cu箔の用意、Agま
たはNi等のメッキ、ハーフエッチング、ダイボンド、
ワイヤーボンデイング、トランスファーモールド、裏面
Cu箔除去、導電路の裏面処理およびダイシングの9工
程で回路装置が実現できる。しかも支持基板をメーカー
から供給することなく、全ての工程を内作することがで
きる。
【0096】以上の製造方法によって、絶縁性樹脂50
に導電路51が埋め込まれ、絶縁性樹脂50の裏面と導
電路51の裏面が一致する平坦な回路装置53が実現で
きる。
【0097】本製造方法の特徴は、絶縁性樹脂50を支
持基板として活用し導電路51の分離作業ができること
にある。絶縁性樹脂50は、導電路51を埋め込む材料
として必要な材料であり、図21に示す従来の製造方法
のように、不要な支持基板5を必要としない。従って、
最小限の材料で製造でき、コストの低減が実現できる特
徴を有する。
【0098】そして、前述したように導電路51と、当
該導電路51上に実装された回路素子52とから成る回
路装置53を、各回路装置53毎に個別にトランスファ
ーモールドすることで、反りの発生を抑止できるという
特徴を有している。特に、反り防止用のフィラーを混入
できない樹脂を扱う場合に好適である。
【0099】尚、導電路51表面からの絶縁性樹脂の厚
さは、前工程の絶縁性樹脂の付着時に調整できる。従っ
て、実装される回路素子により違ってくるが、回路装置
53としての厚さは、厚くも薄くもできる特徴を有す
る。ここでは、400μm厚の絶縁性樹脂50に40μ
mの導電路51と回路素子が埋め込まれた回路装置53
になる(以上、図1(A)参照)。
【0100】また、本発明が適用される回路装置の他の
実施形態について図10を参照しながら説明する。
【0101】本回路装置56の構造は、導電路51の表
面に導電被膜57が形成されており、それ以外は、図1
の構造と実質同一である。よって、この導電被膜57に
ついて説明する。
【0102】第1の特徴は、導電路や回路装置の反りを
防止するために導電被膜57を設ける点である。
【0103】一般に、絶縁性樹脂と導電路材料(以下、
第1の材料と呼ぶ。)の熱膨張係数の差により、回路装
置自身が反ったり、また導電路が湾曲したり剥がれたり
する。更に、導電路51の熱伝導率が絶縁性樹脂の熱伝
導率よりも優れているため、導電路51の方が先に温度
上昇して膨張する。そのため、第1の材料よりも熱膨張
係数の小さい第2の材料を被覆することにより、導電路
の反り、剥がれ、回路装置の反りを防止することができ
る。特に、第1の材料としてCuを採用した場合、第2
の材料としてはAu、Ni、Pd等が良い。Cuの膨張
率は16.7×10-6で、Auの膨張率は14×1
-6、Niの膨張率は12.8×10-6、Pdの膨張率
は8.9×10-6である。尚、Ag,Al等でも構わな
い。
【0104】第2の特徴は、第2の材料によりアンカー
効果を持たせている点である。第2の材料によりひさし
58が形成され、しかも導電路51と被着したひさし5
8が絶縁性樹脂50に埋め込まれているため、アンカー
効果を発生し、導電路51の抜けを防止できる構造とな
る。
【0105】以下、上記第2の実施形態に係る回路装置
の製造方法について図10〜図15を参照しながら説明
する。尚、ひさしとなる第2の材料70が被着される以
外は、第1の実施形態と実質同一であるため、詳細な説
明は省略する。
【0106】先ず、図11に示すように第1の材料から
成る導電箔60の上にエッチングレートの小さい第2の
材料70(以下、導電被膜70とも称す。)が被覆され
た導電箔60を用意する。
【0107】例えば、導電箔60としてのCu箔上にN
iから成る第2の材料70を被着すると、塩化第二鉄ま
たは塩化第二銅でCuとNiが一度にエッチングでき、
エッチングレートの差によりNiがひさし58と成って
形成されるため好適である。太い実線がNiから成る導
電被膜70であり、その膜厚は1〜10μm程度が好ま
しい。また、Niの膜厚が厚い程、ひさし58が形成さ
れ易い。
【0108】更に、第2の材料は、第1の材料と選択エ
ッチングできる材料を被覆しても良い。この場合、先ず
第2の材料から成る被膜を導電路51の形成領域に被覆
するようにパターニングし、この被膜をマスクにして第
1の材料から成る被膜をエッチングすればひさし58が
形成できるからである。この場合の第2の材料として
は、Al、Ag、Au等が考えられる(以上、図11参
照)。
【0109】続いて、少なくとも導電路51となる領域
を除いた導電箔60を、導電箔60の厚みよりも薄く取
り除く工程がある。
【0110】導電被膜70の上に、ホトレジストPRを
形成し、導電路51となる領域を除いた導電被膜70が
露出するようにホトレジストPRをパターニングし、前
記ホトレジストPRを介してエッチングすれば良い。
【0111】前述したように塩化第二鉄、塩化第二銅の
エッチャント等を採用しエッチングすると、導電被膜7
0(Ni)のエッチングレートが導電箔60(Cu)の
エッチングレートよりも小さいため、エッチングが進む
につれてひさし58がでてくる。
【0112】尚、前記分離溝61が形成された導電箔6
0に回路素子52を実装する工程(図14)、前記導電
箔60及び分離溝61に絶縁性樹脂50を被覆する。こ
のとき、各回路装置53を1単位として絶縁性樹脂50
にて個別モールドする。これにより、導電箔60の一面
(広い範囲)に一括して絶縁性樹脂50をモールドする
ものに比べて、導電箔60の反りの発生を抑止できる。
そして、導電箔60の裏面を化学的及び/または物理的
に除き、導電路51として分離する工程(図15)、及
び導電路裏面に導電被膜を形成して完成までの工程(図
10)は、前述した製造方法と同一であるため、その説
明は省略する。
【0113】尚、図示した説明は省略するが、分離工程
において、プレスによる剥離方法を採用する場合には、
図1(B)と同様に回路装置56を被覆する絶縁性樹脂
50の両端部の銅片(並びに導電被膜)が剥がれた状態
となる。そして、この場合にはフレームカット金型が不
要になり、コスト低減を図る上で有効である。また、全
面が導電箔60となっている上に絶縁性樹脂50をモー
ルドすることで、樹脂の裏面廻りがなく、裏面のバリ取
り処理が不要となるため、作業性が良いという利点もあ
る。
【0114】更に、本発明は、一種類の回路素子をマト
リックス状に配置し、各回路素子を絶縁性樹脂で個別封
止した後に、それぞれを分離してディスクリート素子、
IC素子とするものに適用するものであっても良い。
【0115】以下、更なる回路装置の種類及びこれらの
実装方法の実施形態について説明する。
【0116】図16は、フェイスダウン型の回路素子8
0を実装した回路装置81を示すものである。回路素子
80としては、ベアの半導体チップ、表面が封止された
CSPやBGA等が該当する。また、図17は、チップ
抵抗やチップ抵抗等の受動素子82が実装された回路装
置83を示すものである。これらは、支持基板が不要で
あるため、薄型であり、しかも絶縁性樹脂で封止されて
あるため、耐環境性にも優れたものである。
【0117】更に、図18は、実層構造について説明す
るものである。プリント基板や金属基板、セラミック基
板等の実装基板84に形成された導電路85に今まで説
明してきた本発明の回路装置53、81、83が実装さ
れたものである。
【0118】特に、半導体チップ52の裏面が実装され
た導電路51Aは、実装基板84の導電路85と熱的に
結合されているため、前記導電路85を介して放熱させ
ることができる。また実装基板84として金属基板を採
用すると、金属基板の放熱性も手伝って更に半導体チッ
プ52の温度を低下させることができる。そのため、半
導体チップの駆動能力を向上させることができる。
【0119】例えばパワーMOS、IGBT、SIT、
大電流駆動用のトランジスタ、大電流駆動用のIC(M
OS型、BIP型、Bi−CMOS型)メモリ素子等
は、好適である。
【0120】また、金属基板としては、Al基板、Cu
基板、Fe基板が好ましく、また導電路85との短絡が
考慮されて、絶縁性樹脂及び/または酸化膜等が形成さ
れている。
【0121】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
では前記分離溝が設けられていない側の前記導電箔を所
定位置まで研摩する工程において、各導電路を分離する
際に、全面研摩ではなく、所望位置に絶縁性樹脂による
凸部が残るように研摩することで、当該凸部を利用して
前記導電路表面への半田の塗布厚を適宜調整可能とす
る。これにより、従来のような半田厚の薄さに起因する
半田接合強度が低下するという課題を抑止できる。
【0122】また、前記分離溝に充填されるように前記
各回路装置を絶縁性樹脂で個別に被覆した後に、前記分
離溝が設けられていない側の前記導電箔を所定位置まで
除去し、そして前記絶縁性樹脂で個別に被覆された各回
路装置同士を分離しているため、各回路装置同士は、最
終段階までは分離されず、従って導電箔を1枚のシート
として各工程に供することができ、作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回路装置を説明する図である。
【図2】本発明の回路装置の製造方法を説明する図であ
る。
【図3】本発明の回路装置の製造方法を説明する図であ
る。
【図4】本発明の回路装置の製造方法を説明する図であ
る。
【図5】本発明の回路装置の製造方法を説明する図であ
る。
【図6】本発明の回路装置の製造方法を説明する図であ
る。
【図7】本発明の回路装置の製造方法を説明する図であ
る。
【図8】本発明の回路装置の製造方法を説明する図であ
る。
【図9】本発明の他の回路装置の製造方法を説明する図
である。
【図10】本発明の他の回路装置を説明する図である。
【図11】本発明の他の回路装置の製造方法を説明する
図である。
【図12】本発明の他の回路装置の製造方法を説明する
図である。
【図13】本発明の他の回路装置の製造方法を説明する
図である。
【図14】本発明の他の回路装置の製造方法を説明する
図である。
【図15】本発明の他の回路装置の製造方法を説明する
図である。
【図16】本発明の他の回路装置を説明する図である。
【図17】本発明の他の回路装置を説明する図である。
【図18】本発明の他の回路装置の製造方法を説明する
図である。
【図19】従来の回路装置の実装構造を説明する図であ
る。
【図20】従来の回路装置を説明する図である。
【図21】従来の回路装置の製造方法を説明する図であ
る。
【図22】従来と本発明の回路装置の製造方法を説明す
る図である。
【図23】従来の回路装置の製造方法を説明する図であ
る。
【符号の説明】
50 絶縁性樹脂 50A 凸部 51 導電路 52 回路素子 53 回路装置 60 導電箔 61 分離溝

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電箔を用意し、少なくとも導電路と成
    る領域を除いた前記導電箔に、前記導電箔の厚みよりも
    浅い分離溝を形成して複数の導電路を形成する工程と、 各回路装置を構成することになる各回路素子を前記複数
    の導電路上にそれぞれ実装する工程と、 前記分離溝に充填されるように前記各回路装置を絶縁性
    樹脂で個別に被覆する工程と、 前記分離溝が設けられていない側の前記導電箔を所定位
    置まで研摩する工程とを具備することを特徴とする回路
    装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 導電箔を用意し、少なくとも導電路と成
    る領域を除いた前記導電箔に、前記導電箔の厚みよりも
    浅い分離溝を形成して複数の導電路を形成する工程と、 各回路装置を構成することになる各回路素子を前記複数
    の導電路上にそれぞれ実装する工程と、 前記分離溝に充填されるように前記各回路装置を絶縁性
    樹脂で個別に被覆する工程と、 前記分離溝が設けられていない側の前記導電箔を所定位
    置まで研摩する工程と、 前記絶縁性樹脂で個別に被覆された各回路装置同士を分
    離する工程とを具備することを特徴とする回路装置の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記研摩工程では、全面研摩ではなく、
    所望位置に絶縁性樹脂による凸部が残るように研摩する
    ことを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載され
    た回路装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記導電箔は銅、アルミニウム、鉄−ニ
    ッケル、銅−アルミニウム、アルミニウム−銅−アルミ
    ニウムのいずれかで構成されることを特徴とする請求項
    1あるいは請求項2に記載された回路装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記導電箔に選択的に形成される前記分
    離溝は化学的あるいは物理的エッチングにより形成され
    ることを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載さ
    れた回路装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記回路素子は半導体ベアチップ、チッ
    プ回路部品、CSP部品、SMD部品のいずれかあるい
    は各種組合せで実装されることを特徴とする請求項1あ
    るいは請求項2に記載された回路装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記絶縁性樹脂はトランスファーモール
    ドあるいはインジェクションモールドあるいはポッティ
    ングで付着されることを特徴とする請求項1あるいは請
    求項2に記載された回路装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記絶縁性樹脂で封止された個別の回路
    装置をダイシングにより、またはプレスにより分離する
    ことを特徴とする請求項2に記載された回路装置の製造
    方法。
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