JP2002055445A - 自己発色型感光性感圧記録材料及びその製造方法並びにその画像形成方法 - Google Patents

自己発色型感光性感圧記録材料及びその製造方法並びにその画像形成方法

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JP2002055445A
JP2002055445A JP2000277266A JP2000277266A JP2002055445A JP 2002055445 A JP2002055445 A JP 2002055445A JP 2000277266 A JP2000277266 A JP 2000277266A JP 2000277266 A JP2000277266 A JP 2000277266A JP 2002055445 A JP2002055445 A JP 2002055445A
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Takahiro Uchibori
孝博 内堀
Tetsuya Higuchi
徹也 樋口
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CYCOLOR SYSTEM CO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、生感材の保存において、保
存環境の湿度変化に依存せず、どんな湿度条件下に保存
しても、光感度、階調性、最大濃度、カブリ濃度等の写
真特性が常にコンスタントな特性を得ることの出来る自
己発色型感光性感圧記録材料及びその製造方法並びにそ
の画像形成方法を提供することである。 【構成】 支持体上に、色素前駆体、光開始剤及び重合
性化合物を内包した感光性マイクロカプセルと顕色剤、
およびバインダーを単層又は積層状態に有した自己発色
型感光性感圧記録層上に保護層を設けて成る、自己発色
型感光性感圧記録材料において該自己発色型感光性感圧
記録層、又は保護層中に、一般式(I)、(II)又は
(III)で表される化合物の少なくとも一種を含有す
ることを特徴とする自己発色型感光性感圧記録材料及び
その製造方法。並びに該自己発色型感光性感圧記録材料
を像様露光した後、該自己発色型感光性感圧記録材料全
体を加圧し、像様にマイクロカプセルを破壊し、色素画
像を形成することを特徴とする乾式画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の詳細な説明〕
【0002】
【従来の技術】可視光を含む放射線に感光するマイクロ
カプセルを使用した画像形成システムが、米国特許第
4,399,209号、同4,419,966号の各明
細書に記載されている。これらの画像形成システムは、
光硬化可能な又は光軟化可能な感光性組成物を含有した
マイクロカプセルを含む層を有する画像形成シートを、
画像様に露光し、マイクロカプセルを画像様に硬化或い
は軟化させた後、圧力を加えマイクロカプセルを画像様
に破壊するものである。この画像形成システムは、画像
形成シートと受像シートを加圧現像後、剥離する形態を
とる。
【0003】又、米国特許第4,440,846号に
は、自己発色型の画像形成システムのような形態が記載
されている。この自己発色型画像形成システムは、受像
材料を重ね合わせ、圧力を加えマイクロカプセルを破壊
した後受像材料を剥離する工程を必要とせず、かつ廃棄
物も出ないという利点を持つ。
【0004】しかし、該感光性マイクロカプセルは、環
境の変化特に湿度の変化によりその物性を変動させ、結
果として圧力現像に対する感受性が変化してしまうとい
う性質を有する。すなわち該自己発色型感光性感圧記録
層の湿度による物性変化により、圧力現像時のカプセル
の破壊されやすさの変化を生じ、結果として湿度の変動
により、異なった写真特性を示すという重大な問題点を
引き起こしてしまうという欠点を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、製造
後画像形成までの間、すなわち生感材の保存において、
保存環境の湿度変化に依存せず、どんな湿度条件下に保
存しても、光感度、階調性、最大濃度、カブリ濃度等の
写真特性が常にコンスタントな特性を得ることの出来る
自己発色型感光性感圧記録材料及びその製造方法並びに
その画像形成方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は支
持体上に、色素前駆体、光開始剤及び重合性化合物を内
包した感光性マイクロカプセルと顕色剤、および水溶性
樹脂又は水分散性樹脂を用いたバインダーを単層又は積
層状態に有した自己発色型感光性感圧記録層上に保護層
を設けて成る、自己発色型感光性感圧記録材料において
該自己発色型感光性感圧記録層、又は保護層中に下記一
般式(I)、(II)又は(III)で表される化合物
の少なくとも一種を含有することを特徴とするする自己
発色型感光性感圧記録材料の提供および、該自己発色型
感光性感圧記録材料を像様露光した後、該自己発色型感
光性感圧記録材料全体を加圧し、像様にマイクロカプセ
ルを破壊し、色素画像を形成することを特徴とする乾式
画像形成方法により達成することが出来た。
【0007】
【化11】 式中R、Rは、水素原子、水酸基、アルキル基、ハ
イドロキシアルキル基、ポリハイドロキシ置換アルキル
基、アルキルカルボニルオキシアルキル基、アルケニル
カルボニルオキシアルキル基、又は、末端にカルボキシ
ル基又はその塩、或いはエステル基を有するカルボニル
オキシアルキル基を表す。
【0008】
【化12】 式中Rは、水素原子、水酸基、アルキル基、ハイドロ
キシアルキル基、ポリハイドロキシ置換アルキル基、ア
ルキルカルボニルオキシアルキル基、又は、アルケニル
カルボニルオキシアルキル基を表し、nは2〜4の整
数を表す。Zはジオキサン環を形成するときには
【化13】 を表しジオキサン環を形成しないときにはジオールを形
成する水素原子群を表す。
【0009】
【化14】 式中Rは、水素原子、水酸基、アルキル基、ハイドロ
キシアルキル基、ポリハイドロキシ置換アルキル基、ア
ルキルカルボニルオキシアルキル基、又は、アルケニル
カルボニルオキシアルキル基を表し、Rは−CH
基または−CH(OH)−基を表す。n、n及びn
は1又は2の整数を表し、ZはZと同義の基を表
す。
【0010】本発明に用いられる一般式(I)、(I
I)、(III)で表せる化合物は試薬、化成品として
入手可能であり、更に米国特許明細書第4,537,6
34号、同第4,547,580号、同第4,656,
296号の各明細書に記載の合成法等を用いて適宜合成
することが出来る。
【0011】以下に本発明に用いられる一般式(I)、
(II)、(III)で表せる化合物を列挙するが、こ
れらの具体例に限定されるものではない。
【0012】
【化15】
【0013】
【化16】
【0014】
【化17】
【0015】
【化18】
【0016】次に本発明に用いられる化合物の合成法に
ついて述べる。 例示化合物(1)の合成。 グリセリン10.2g(0.111モル)と40%グリ
オギザール16.0gを90℃前後で、3時間加熱攪拌
した。冷却後、エバポレーターで水を留去した。薄黄色
の液体が得られた。D.ソルビトール9.1g(0.0
5モル)と40%グリオギザール16.0gを90℃前
後で、3時間加熱攪拌した。これを一番放置後、エバポ
レーターで水を留去した。薄黄色の粉末結晶が得られ
た。融点は145〜150℃(分解)であった。
【0017】本発明に用いられる一般式(I)、(I
I)、(III)で表せる化合物を添加する方法として
はこれらの化合物を水に溶解し、水溶液として塗布液に
添加し、使用することが好ましい。添加量は、塗布液に
対して0.1重量%から15重量%の範囲が好ましく、
特に0.2重量%から5重量%の範囲が好ましい。
【0018】本発明になる自己発色型感光性感圧記録層
に用いられるバインダーとしては水溶性樹脂又は水分散
性樹脂の使用が好ましい。水溶性樹脂としては特に限定
は無いが、デンプン類、アルギン酸化合物、セルロース
誘導体、カゼイン、ゼラチン、等の天然高分子化合物、
ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアル
コール、カルボン酸変性ポリビニルアルコール等の変性
ポリビニルアルコールに代表されるごときポリビニル化
合物、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸、ビニル
ピロリドン−マレイン酸共重合体等を挙げることが出来
る。
【0019】水分散性樹脂としては、特に限定は無い
が、アクリル酸エステル、変性アクリル酸エステル、ア
クリル酸エステル共重合体、変性アクリル酸エステル共
重合体を水に分散したラテックスがが好ましく挙げら
れ、更にはスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−
無水マレイン酸共重合体、ブタジエン−メタクリレート
共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル−エチレン共重合
体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等の水
分散ラテックスを挙げることが出来る。
【0020】本発明に用いられる保護層は、水溶性樹脂
又は水分散性樹脂を主成分として自己発色型感光性感圧
記録層上にオーバーコート設置することが好ましい。保
護層として用いられる水溶性樹脂は特に限定しないが、
アルギン酸化合物、セルロース誘導体、カゼイン、ゼラ
チン、等の天然高分子化合物、ポリビニルアルコール、
シラノール変性ポリビニルアルコール、カルボン酸変性
ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールに
代表されるごときポリビニル化合物、ポリアクリル酸ア
ミド、ポリアクリル酸、ビニルピロリドン−マレイン酸
共重合体等を挙げることが出来る。更に水分散性樹脂と
しては、特に限定は無いが、アクリル酸エステル、変性
アクリル酸エステル、アクリル酸エステル共重合体、変
性アクリル酸エステル共重合体を水に分散したラテック
ス、更にスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無
水マレイン酸共重合体、ブタジエン−メタクリレート共
重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル−エチレン共重合体、
塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等の水分散
ラテックスを挙げることが出来る。
【0021】更に、必要に応じて、本発明になる一般式
(I)、(II)、(III)の化合物、メチロールメ
ラミン、グリオギザール、等の硬化剤、ステアリン酸ア
ミド、ワックス類等の滑剤、その他界面活性剤、紫外線
吸収剤、蛍光染料、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、
防腐剤等の助剤を適宜添加することが出来る。本発明に
用いられる保護層の塗布量としては、特に限定されない
が、通常乾燥量で2〜20g/m、好ましくは3〜1
0g/mの範囲である。
【0022】本発明に使用される感光性マイクロカプセ
ルは、先述の米国特許第4,399,209号、同4,
419,966号各明細書等に開示された方法に準じ製
造することが出来る。即ち該感光性マイクロカプセル
は、内部相に光開始剤、重合性化合物を含むものであ
る。それらは典型的な光重合材料、光架橋材料で、化学
線を照射することにより増粘又は硬化するものである。
更に上記感光性材料に加え、色素前駆体を含有せしめ
る。
【0023】本発明に措いて用いられる重合性化合物
は、ラジカル付加重合又はイオン重合により硬化可能で
ある材料が好ましい。代表的な重合性化合物はエチレン
系不飽和有機化合物である。これらの化合物は、好まし
くは液体であり、1分子当たりに少なくとも1つの重合
性官能基を含有する。より好ましくは、1分子当たりに
複数の重合性官能基を有する化合物である。これらの化
合物の代表的な例は、トリメチロールプロパントリアク
リレート、或いはジペンタエリスリトールヒドロキシペ
ンタアクリレートの様なアクリル酸エステル。その他、
ペンタエリスリトールとアクリル酸又はアクリル酸エス
テルとの部分的反応によるアクリレートプレポリマー、
更には米国特許第3,783,151号、同第3,5
9,809号各明細書等に開示の多価アルコールのイソ
シアネート改質アクリル酸エステル、メタクリル酸エス
テル、及びイタコン酸エステルを挙げることが出来る。
これらの重合性化合物は単独であってもよいし、或いは
2種類以上を混合したものでもよい
【0024】光開始剤は化学線を受け上記重合性化合物
の重合反応を開始もしくは促進させるもので、芳香族カ
ルボニル化合物、アセトフェノン類、有機過酸化物、ジ
フェニルハロニウム塩、有機ハロゲン化物2,4,6−
置換−S−トリアジン類、2,4,5−トリアリールイ
ミダゾール2量体、アゾ化合物、金属アレーン錯体、チ
タノセン化合物、染料ボレート錯体等である。本発明の
光開始剤は、特開昭62−150242号、同64−6
0606号、特開平3−20260号、同3−1160
43号の各公報等に示されているイオン染料−対イオン
化合物を用いることが好ましい。
【0025】特に好ましいのが、陽イオン染料ボレート
錯体であり、一般式(IV)で表される化合物である。
【化19】 式中、Dは陽イオン染料部分、R、R、R及び
はアルキル基、アリール基、アラルキル基、アクカ
リール基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキ
ル基、又はアリル基を示す。R、R、R及びR
は同一でも異なっても良い。有用な染料はボレート陰イ
オンと光還元性の錯体を形成し、陽イオン性メチン、ポ
リメチン、トリアリールメタン、インドリン、チアジ
ン、オキサジン及びアクリジン染料である。更に好まし
くは、陽イオン性シアニン、カルボシアニン、ヘミシア
ニン及びアゾメチン染料である。
【0026】有用な陽イオン染料は、下記一般式(V)
のシアニン染料である。
【化20】 式中、nは0、1、2、3、R10はアルキル基、Y
はCH=CH、N−CH、C(CH、O、S、
Se、を表す。ボレート陰イオンは、R、R、R
及びRの少なくとも1個から3個以下までがアルキル
基であることが好ましい。アルキル基としては、炭素数
20まで、より好ましくは炭素数1から7である。
、R、R及びRがアルキル基とアリール基又
はアラルキル基との組み合わせであることが好ましく、
アリール基3個とアルキル基との組み合わせ(例えば、
トリフェニルボレート等)であることが特に好ましい。
【0027】本発明に用いられる色素前駆体としては、
無色或いは淡色の電子供与性化合物を挙げることが出来
る。この化合物の代表例としては、部分骨格内にラクト
ン、ラクタム、スルトン、スピロピラン、エステル、又
はアミド構造を有する実質上無色の化合物を挙げること
ができる。例えば、トリアリールメタン化合物、ビスフ
ェニルメタン化合物、キサンテン化合物、フルオラン化
合物、チアジン化合物、スピロピラン化合物等である。
次にイエロー、マゼンタ及びシアンに発色する色素前駆
体の具体例を示す。
【0028】
【化21】
【化22】
【0029】
【化23】
【0030】
【化24】
【化25】
【0031】本発明の使用される感光性マイクロカプセ
ルは、光応答性を改良するために特開昭62−1853
7号、同64−91130号の各公報に記載の自動酸化
剤として定義されているN,N−ジアルキルアニリン
等、特開平2−291561号公報に記載されたメルカ
プトベンゾチアゾールジスルフィド等の二硫化化合物、
特開平2−868号公報に記載されたチオール化合物等
の増感剤や保存性の向上のために特開平4−23075
6公報記載の酸化防止剤等を使用できる。その他紫外線
吸収剤や可塑剤など各種添加剤を適宣添加できる。
【0032】本発明の内部相の封入に用いられるマイク
ロカプセルは、コアセルベーション、界面重合、又は油
中での1種類以上のモノマーの重合等を含めた公知のカ
プセル化方法を用いて製造することが出来る。適当なカ
プセル壁形成材の代表的な例として、アラビアゴム、ポ
リビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースを含
めたゼラチン材料(米国特許第2730456号明細書
等)、レゾルシーノール−ホルムアルデヒドカプセル壁
形成剤(米国特許第3755190号明細書)、イソシ
アネート壁形成剤(米国特許第3914511号明細
書)、イソシアネート−ポリオール壁形成剤(米国特許
第3796669号明細書)、尿素−ホルムアルデヒド
壁形成剤、尿素−レゾルシノール−ホルムアルデヒド
(米国特許第4001140号明細書)、或いはメラミ
ン−ホルムアルデヒドとヒドロキシプロピルセルロース
(米国特許第4025455号明細書)を挙げることが
出来る。
【0033】本発明に使用される感光性マイクロカプセ
ルの平均粒径は、1〜25μmの範囲が好ましい。カプ
セルの大きさは解像力等の写真特性上粒径の小さい、粒
度分布が狭いものが好ましいが、加圧による破壊のし易
さ、又支持体の孔や繊維中への消失などのトラブルを考
慮し、3〜15μm、特に3〜10μmに調製すること
が好ましい。
【0034】該マイクロカプセルは顕色剤の分散液、及
び本発明の必須構成成分たるバインダーと混合し紙又は
フィルム支持体上に塗布し自己発色型感光性感圧記録層
とすることができる。その際のマイクロカプセルと顕色
剤の分散液は固形分の重量比で、2/8から8/2の割
合で適宣剤使用することができるが、4/6から6/4
の割合が特に好ましい。
【0035】本発明において、自己発色型感光性感圧記
録層の塗布形成方法としては、ブレード塗布法・エアナ
イフ塗布法・グラビア塗布法・ロールコーティング塗布
法・バー塗布法、落下カーテン塗布法等の公知の塗布法
が利用可能である。
【0036】さらに、カール防止のためにバックコート
を施したり、ジャミング防止のために導電処理を行う等
の感圧記録材料の製造分野における各種の公知の技術を
必要に応じて付加することが出来る。
【0037】自己発色型感光性感圧記録層は上記各塗布
液成分を混合撹拌した後支持体に塗布するか、もしくは
カプセルを含む塗布液と顕色剤を含む塗布液を別個に調
整し支持体に積層塗布することにより得られる。塗布量
は特に限定されないが乾燥重量で5から30g/m
度である。
【0038】又該自己発色型感光性感圧記録層において
は、感光性マイクロカプセル、顕色剤、バインダーの他
に、スチルト剤、無機顔料又は有機顔料、分散剤、紫外
線吸収剤、その他消泡剤、蛍光染料、着色染料等の各種
助剤を適宣添加する事が出来る。
【0039】顕色剤としては、一般にノンカーボン紙に
使用されている顕色剤の中から選択することが出来る。
具体的には、酸性白土、活性白土、アタバルジャイト、
有機酸、例えば、タンニン酸、没食子酸、芳香族カルボ
ン酸、例えば、安息香酸、サリチル酸、3,5−ジ−
(α−メチルベンジル)サリチル酸及びそれらの多価金
属塩、例えば亜鉛塩、アルミニウム塩、マグネシウム塩
等、フェノール樹脂、例えばフェノールホルムアルデヒ
ド樹脂、フェノールアセチレン樹脂、及び該フェノール
樹脂の多価金属塩等を挙げることが出来る。又シュケネ
クタディー化学社製になるHRJ4250、HRJ45
42として取得可能のフェノール−サリチル酸亜鉛誘導
体−ホルムアルデヒド縮合物も有用である。特に好まし
い顕色剤は、芳香族カルボン酸または芳香族カルボン酸
その多価金属塩、フェノール樹脂又はその多価金属塩で
ある。これらの顕色剤は、2種以上を混合して用いても
良い。
【0040】本発明に使用する支持体としては、可とう
性のあるシート状の物であれば特に限定するものではな
く、例えばグラシン紙、上質紙、アート紙等の一般紙、
ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエ
チレン、ポリアミド等のプラスチックフィルム、及び、
これらの合成繊維からなる合成紙や不織布、合成樹脂を
紙の片面又は両面にラミネートしたラミネート紙、金属
箔、金属化紙、蒸着紙、ホログラム処理を施した不透明
シート、マイカ紙、ガラスペーパー等も使用できる。こ
れらのプラスチックフィルムや合成樹脂は、無機顔料や
有機顔料により不透明化出来る。
【0041】以下、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明は実施例のみに限定されるものではな
い。 《実施例》 実施例 1 1)感光性マイクロカプセルの調製 1)−1マゼンタマイクロカプセルの調製 特開昭2−298340記載の実施例を参考に感光性マ
イクロカプセルを調整した。
【0042】A. 内相の調製 トリメチロールプロパントリアクリレート(TMP
TA)105g及びジペンタエリスリトール−ヒドロキ
シペンタアクリレート(DPHPA)45gをビーカー
に加え約90℃で30分間加熱した。 攪拌しながら色素前駆体(M−1)20gを加え溶
解した。更に90℃で30分間過熱攪拌し、70℃まで
除冷した。 攪拌しながら、光開始剤(1,1’−ジ−n−ヘプ
チル−3,3,3’,3’,−テトラメチルインドカル
ボシアニントリフェニル−n−ブチルボレート)0.5
gを加え、更に70℃で30分間攪拌した。 攪拌しながら、DIDMA(2,6−ジ−イソプロ
ピル−N,N−ジメチルアニリン)1.0gを加え、5
分間攪拌した。 2−メルカプトベンゾチアゾールジスルフィド0.
5gを加え20分間攪拌した。 デュラネート24A−90PX(旭化成製ポリイソ
シアネート)10gを加え、70℃に保った。
【0043】B. 外相の調製 水430gをビーカーに加え、オーバーヘッドミキ
サーで500rpmで攪拌した。 VarsaTL502(ナショナルスターチ製スル
ホン化ポリエチレン)8.0gをゆっくりと加え更に5
00rpmで15分間攪拌した。 ペクチン12.65g及び炭酸水素ナトリウム0.
24gを混合し、1500rpmで添加し、更に2時間
攪拌した。 NaOHを用いてpH6.0に調整し、更に300
0rpmで10分間攪拌した。
【0044】C. 外相内での内相の乳化 約30秒間で内相を外相に添加した。 300rpmで15分間乳化攪拌を行い、エマルジ
ョンを形成した。
【0045】D.メラミンホルムアルデヒド外壁の形成 水250gをビーカーにとり、攪拌しながらメラミ
ン22.2gを加えた。 攪拌しながら、37%ホルムアルデヒド36.5g
を加えた。 60℃まで加熱し、60℃で1時間反応させた。
(メラミンホルムアルデヒド予備縮合物の形成) 乳化の攪拌速度を1500rpmに調整し、メラミ
ンホルムアルデヒド予備縮合物をCのエマルジョンに注
入した。 燐酸を用いpH6.0に調整した。 引き続き70℃で60分間硬化させ上記内相部を芯
に持つマイクロカプセルを形成した。 25%尿素水溶液を46.2g加え、さらにそのま
ま60分間攪拌し続けた。 攪拌速度を500rpmとし、20%NaOH10
gを加え、室温まで冷却した。 更にそのまま室温下で一晩攪拌し、マイクロカプセ
ル分散液(A)を得た。得られたマイクロカプセルの粒
子径は2〜12μmであり、大半は6〜7μmであっ
た。又、島津製作所製電子式水分計により固形濃度を測
定したところ、25.2重量%であった。
【0046】1)−2 シアンマイクロカプセルの調製 1)−1マゼンタマイクロカプセルの調製の記載におい
て、色素前駆体M−1に変えて色素前駆体C−1を20
g加え、更に光開始剤を、1,1’−ジ−n−ヘプチル
−3,3.3’,3’−テトラメチルインドジカルボシ
アニン−トリフェニル−n−ブチルボレート0.85g
に変え、マイクロカプセル分散液(B)を得た。得られ
たマイクロカプセル(B)の粒子径は2〜12μmであ
り、大半は6〜7μmであった。又、固形濃度を測定し
たところ、26.3重量%であった。
【0047】1)−3 イエローマイクロカプセルの調
製 1)−1マゼンタマイクロカプセルの調製の記載におい
て、色素前駆体M−1に変えて色素前駆体Y−1を20
gを加え、更に光開始剤を3,3−ジメチル−1−ヘプ
チルインド−3’−ヘプチルチアシアニン−トリフェニ
ル−n−ブチルボレート0.8gに変えて、マイクロカ
プセル分散液(C)を得た。得られたマイクロカプセル
(C)の粒子径は5〜10μであり、大半は6〜8μで
あった。又、固形濃度を測定したところ、27.5重量
%であった。
【0048】2)感光液の調整及び塗布 1)により得られたマイクロカプセル分散液を下記に従
い混合し感光液(I)を調製した。 マイクロカプセル分散液(A) 6.03g マイクロカプセル分散液(B) 6.86g マイクロカプセル分散液(C) 5.18g Nipol LX−852(日本ゼオン(株)製) (45重量%) 2.22g HRJ4250(Schenectady化学製) (固形分33重量%) 21.97g 化合物(2) 0.50g イオン交換水 7.24g 更に比較の為、感光液(I)の記載においての化合物
(2)を用いずに下記に従い感光液(II)を調製し
た。 マイクロカプセル分散液(A) 6.03g マイクロカプセル分散液(B) 6.86g マイクロカプセル分散液(C) 5.18g 変性アクリル酸エステル共重合体ラテックス Nipol LX−852(日本ゼオン(株)製) (45重量%) 2.22g HRJ4250(Schenectady化学製) (固形分33重量%) 21.97g イオン交換水 7.74g
【0049】調製した感光液(I)、及び感光液(I
I)は、酸化チタン練りこみ125μmの白色不透明P
ET上に乾燥後の重量が、それぞれ15g/mとなる
ように塗布し自己発色型感光性感圧記録層(I)(本発
明)及び自己発色型感光性感圧記録層(II)(比較)
を形成した。
【0050】引き続き該各塗布物の塗布面上保護層を形
成すべく、下記組成になる保護層形成塗布物(I)を調
整した。 ソープフリー型アクリルエマルジョン、アクリセット SA−532 ((株)日本触媒製) (固形分25重量%) 16.10g グリオギザール(固形分40%) 1.50g ペレックスOTP(花王(株)製) (固形分5%) 1.00g スノーテックスC(日産化学) (固形分20%) 1.00g 水 30.40g 調整した保護層形成塗布物(I)を乾燥後の塗布量が3
g/m2塗布乾燥となるように塗布し保護層を形成し、
自己発色型感光性感圧記録材料(I)(本発明)、及び
自己発色型感光性感圧記録材料(II)(比較例)を得
た。
【0051】次いで得られた自己発色型感光性感圧記録
材料(I)及び自己発色型感光性感圧記録材料(II)
に対し、カラーポジ原稿を通しRed,Green,B
lueフィルターを介して露光した。露光後、加圧ロー
ラーを通し圧力現像を施した。次いで更に60℃のオー
ブンに1分間保持しカラー発色を促進させた。結果、該
自己発色型感光性感圧記録材料(I)及び自己発色型感
光性感圧記録材料(II)ともに良好なフルカラー画像
を得た。又、該自己発色型感光性感圧記録材料(I)及
び自己発色型感光性感圧記録材料(II)を画像形成前
に21℃,80%RHに調整したインキュベーター中に
一週間保存した。後該画像形成法を用いて、画像を形成
し、マクベス濃度計TR927を用いて画像濃度を測定
した。
【0052】表1に結果を示す。
【表1】 表1に示すように自己発色型感光性感圧記録材料(I)
は、21℃,80%RH,2週間保存後においても高い
最大濃度(Dmax)、及び光感度(D50)を維持し
た。一方比較に用いた自己発色型感光性感圧記録材料
(II)は、Dmaxの低下、光感度の低下を生じた。
【0053】実施例 2 実施例1の記載において得られたマイクロカプセル分散
液を下記に従い混合し感光液(III)を調製した。 マイクロカプセル分散液(A) 6.03g マイクロカプセル分散液(B) 6.86g マイクロカプセル分散液(C) 5.18g スチレンブタヂエン系ラテックス Nipol LX407S1(日本ゼオン(株)製) (45重量%) 2.22g 化合物(3) 0.62g HRJ4250(Schenectady化学製) (固形分33重量%) 21.97g イオン交換水 7.12g
【0054】調製した感光液(III)は、実施例1の
記載において125μの白色不透明PET上に、塗布し
自己発色型感光性感圧記録層(III)(本発明)を形
成した。引き続き実施例1の記載において該各塗布物の
塗布面上に保護層を形成し、自己発色型感光性感圧記録
材料(III)(本発明)を得た。ついで、フルカラー
のオリジナル画像をパソコンに取り込み、プリンター
(商品名:DPD−200,アズテックシステム(株)
(Aztech Systems LTD製)を用いて
自己発色型感光性感圧記録材料(III)及び(II)
を画像様に露光して加圧現像した。両サンプル共に、オ
リジナル画像を良好に再現したフルカラー画像が得られ
た。
【0055】引き続き実施例1の記載において、画像特
性を評価した。表2に結果を示す。
【表2】 表2に示すように自己発色型感光性感圧記録材料(II
I)は、21℃,80%RH,2週間保存後においても
高い最大濃度(Dmax)、及び光感度(D50)を維
持した。
【0056】
【発明の効果】本発明の実施により、製造後画像形成ま
での間、すなわち生感材の保存において、保存環境の湿
度変化に依存せず、どんな湿度条件下に保存しても、光
感度、階調性、最大濃度、カブリ濃度等の写真特性が常
にコンスタントな特性を得ることの出来る自己発色型感
光性感圧記録材料及びその製造方法並びにその画像形成
方法を提供することができた。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、色素前駆体、光開始剤及び重
    合性化合物を内包した感光性マイクロカプセルと顕色
    剤、およびバインダーを単層又は積層状態に有した自己
    発色型感光性感圧記録層上に保護層を設けて成る、自己
    発色型感光性感圧記録材料において該自己発色型感光性
    感圧記録層、又は保護層中に下記一般式(I)、(I
    I)又は(III)で表される化合物の少なくとも一種
    を含有することを特徴とする自己発色型感光性感圧記録
    材料。 【化1】 式中R、Rは、水素原子、水酸基、アルキル基、ハ
    イドロキシアルキル基、ポリハイドロキシ置換アルキル
    基、アルキルカルボニルオキシアルキル基、アルケニル
    カルボニルオキシアルキル基、又は、末端にカルボキシ
    ル基又はその塩、或いはエステル基を有するカルボニル
    オキシアルキル基を表す。 【化2】 式中Rは、水素原子、水酸基、アルキル基、ハイドロ
    キシアルキル基、ポリハイドロキシ置換アルキル基、ア
    ルキルカルボニルオキシアルキル基、又は、アルケニル
    カルボニルオキシアルキル基を表し、nは2〜4の整
    数を表す。Zはジオキサン環を形成するときには 【化3】 を表しジオキサン環を形成しないときにはジオールを形
    成する水素原子群を表す。 【化4】 式中Rは、水素原子、水酸基、アルキル基、ハイドロ
    キシアルキル基、ポリハイドロキシ置換アルキル基、ア
    ルキルカルボニルオキシアルキル基、又は、アルケニル
    カルボニルオキシアルキル基を表し、Rは−CH
    基または−CH(OH)−基を表す。n,n及びn
    は1又は2の整数を表し、ZはZと同義の基を表
    す。
  2. 【請求項2】バインダーが水溶性樹脂又は水分散性樹脂
    である請求項1記載の自己発色型感光性感圧記録材料。
  3. 【請求項3】バインダーが水分散系のラテックスである
    請求項2記載の自己発色型感光性感圧記録材料。
  4. 【請求項4】バインダーが変性アクリル酸エステル共重
    合体ラテックスである請求項3記載の自己発色型感光性
    感圧記録材料。
  5. 【請求項5】保護層が水溶性樹脂又は水分散性樹脂によ
    り形成されてなる請求項1記載の自己発色型感光性感圧
    記録材料。
  6. 【請求項6】光硬化性化合物がラジカル付加重合物であ
    る請求項1記載の自己発色型感光性感圧記録材料。
  7. 【請求項7】光開始剤が化学線を吸収して重合性又は架
    橋性化合物のフリーラジカル重合を発生させる開始剤で
    ある請求項1記載の自己発色型感光性感圧記録材料。
  8. 【請求項8】光開始剤が下記一般式(IV)で表せる化
    合物である請求項7記載の自己発色型感光性感圧記録材
    料。 【化5】 式中、Dは陽イオン染料部分、R、R、R及び
    はアルキル基、アリール基、アラルキル基、アクカ
    リール基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキ
    ル基、又はアリル基を示す。R、R、R及びR
    は同一でも異なっても良い。
  9. 【請求項9】色素前駆体が部分骨格中にラクトン、ラク
    タン、スルトン、スピロピラン、エステル又はアミドの
    構造を有する実質的に無色の電子供与型化合物である請
    求項1記載の自己発色型感光性感圧記録材料。
  10. 【請求項10】顕色剤が粘土類、芳香族カルボン酸又は
    その多価金属塩、フェノール樹脂又はその多価金属塩或
    いはこれらの混合物である請求項1記載の自己発色型感
    光性感圧記録材料。
  11. 【請求項11】支持体上に、色素前駆体、光開始剤及び
    重合性化合物を内包した感光性マイクロカプセルと顕色
    剤、およびバインダーを単層又は積層状態に有した自己
    発色型感光性感圧記録層上に保護層を設けて成る、自己
    発色型感光性感圧記録材料において該自己発色型感光性
    感圧記録層、又は保護層中に下記一般式(I)、(I
    I)又は(III)で表される化合物の少なくとも一種
    を含有することを特徴とするする自己発色型感光性感圧
    記録材料を像様露光した後、該自己発色型感光性感圧記
    録材料全体を加圧し、像様にマイクロカプセルを破壊
    し、色素画像を形成することを特徴とする乾式画像形成
    方法。 【化6】 式中R、Rは、水素原子、水酸基、アルキル基、ハ
    イドロキシアルキル基、ポリハイドロキシ置換アルキル
    基、アルキルカルボニルオキシアルキル基、アルケニル
    カルボニルオキシアルキル基、又は、末端にカルボキシ
    ル基又はその塩、或いはエステル基を有するカルボニル
    オキシアルキル基を表す。 【化7】 式中Rは、水素原子、水酸基、アルキル基、ハイドロ
    キシアルキル基、ポリハイドロキシ置換アルキル基、ア
    ルキルカルボニルオキシアルキル基、又は、アルケニル
    カルボニルオキシアルキル基を表し、nは2〜4の整
    数を表す。Zは 【化8】 を表しジオキサン環を形成しないときにはジオールを形
    成する水素原子群を表す。 【化9】 式中Rは、水素原子、水酸基、アルキル基、ハイドロ
    キシアルキル基、ポリハイドロキシ置換アルキル基、ア
    ルキルカルボニルオキシアルキル基、又は、アルケニル
    カルボニルオキシアルキル基を表し、Rは−CH
    基または−CH(OH)−基を表す。n、n及びn
    は1又は2の整数を表し、ZはZと同義の基を表
    す。
  12. 【請求項12】バインダーが水溶性樹脂又は水分散性樹
    脂である請求項11記載の乾式画像形成方法。
  13. 【請求項13】バインダーが水分散系のラテックスであ
    る請求項12記載の乾式画像形成方法。
  14. 【請求項14】バインダーが変性アクリル酸エステル共
    重合体ラテックスである請求項13記載の自己発色型感
    光性感圧記録材料。
  15. 【請求項15】保護層が水溶性樹脂又は水分散性樹脂に
    より形成されてなる請求項11記載の乾式画像形成方
    法。
  16. 【請求項16】光硬化性化合物がラジカル付加重合物で
    ある請求項11記載の乾式画像形成方法。
  17. 【請求項17】光開始剤が化学線を吸収して重合性又は
    架橋性化合物のフリーラジカル重合を発生させる開始剤
    である請求項11記載の乾式画像形成方法。
  18. 【請求項18】光開始剤が下記一般式(IV)で表せる
    化合物である請求項7記載の自己発色型感光性感圧記録
    材料。 【化10】 式中、Dは陽イオン染料部分、R、R、R及び
    はアルキル基、アリール基、アラルキル基、アクカ
    リール基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキ
    ル基、又はアリル基を示す。R、R、R及びR
    は同一でも異なっても良い。
  19. 【請求項19】色素前駆体が部分骨格中にラクトン、ラ
    クタン、スルトン、スピロピラン、エステル又はアミド
    の構造を有する実質的に無色の電子供与型化合物である
    請求項11記載の乾式画像形成方法。
  20. 【請求項20】顕色剤が粘土類、芳香族カルボン酸又は
    その多価金属塩、フェノール樹脂又はその多価金属塩或
    いはこれらの混合物である請求項11記載の乾式画像形
    成方法。
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