JP2001312058A - 自己発色型感光性感圧記録材料及びその製造方法並びに自己発色型感光性感圧記録材料を用いた画像形成方法 - Google Patents

自己発色型感光性感圧記録材料及びその製造方法並びに自己発色型感光性感圧記録材料を用いた画像形成方法

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JP2001312058A
JP2001312058A JP2000131604A JP2000131604A JP2001312058A JP 2001312058 A JP2001312058 A JP 2001312058A JP 2000131604 A JP2000131604 A JP 2000131604A JP 2000131604 A JP2000131604 A JP 2000131604A JP 2001312058 A JP2001312058 A JP 2001312058A
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JP2000131604A
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Tetsuya Higuchi
徹也 樋口
Takahiro Uchibori
孝博 内堀
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CYCOLOR SYSTEM CO Ltd
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CYCOLOR SYSTEM CO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成後の取り扱い性に優れたものとする
こと。 【解決手段】 色素前駆体と光重合開始剤及び該光重合
開始剤にて重合を成す重合性化合物とを内包し、所定波
長の光の照射により前記重合がなされて前記色素前駆体
の流出を阻止する感光性マイクロカプセルと、顕色剤
と、を内在する自己発色型感光性感圧記録層2を、単層
又は積層状態にて支持部材1上に形成した自己発色型感
光性感圧記録材料において、前記所定波長の光の照射に
よる露光並びに加圧による感光性マイクロカプセルの破
壊による現像とを実施した後に、前記自己発色型感光性
感圧記録層2の表面に、所定の活性エネルギー線の照射
により硬化する少なくとも一層の活性エネルギー線硬化
樹脂層3を所定厚みに形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、色素前駆体と光
重合開始剤及び該光重合開始剤にて重合を成す重合性化
合物とを内包し、所定波長の光照射により所定波長の光
の照射により前記重合がなされて前記色素前駆体の流出
を阻止する感光性マイクロカプセルを用い、露光後に加
圧して感光性マイクロカプセルを破壊することで露光に
より硬化しない感光性マイクロカプセルから放出された
色素前駆体が顕色剤と反応することにより画像形成がな
される自己発色型感光性感圧記録材料及びその製造方法
並びに自己発色型感光性感圧記録材料を用いた画像形成
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】これら自己発色型感光性感圧記録材料と
しては、可視光を含む放射線に感光する感光性マイクロ
カプセルを使用した画像形成システムが、米国特許第
4,399,209号や米国特許第4,419,966
号に記載されており、これらの画像形成システムは、光
硬化或いは光軟化可能な感光性組成物を含有したマイク
ロカプセルを含む層を形成した画像形成シートを、画像
様に露光してマイクロカプセルを画像様に硬化或いは軟
化させた後、圧力を加えマイクロカプセルを画像様に破
壊するものであり、これら従来の画像形成システムで
は、画像形成シートと受像シートとを加圧現像後におい
て剥離する形態をとっている。
【0003】しかしながら、これら画像形成シートと受
像シートとを加圧現像後において剥離する形態は、これ
ら剥離工程が煩雑であるばかりか、廃棄物が発生すると
いう問題があるため、米国特許第4,440,846号
に示されるように、受像材料を重ね合わせて圧力を加え
ることで、受像材料を剥離する工程を必要とせず、かつ
廃棄物も出ない自己発色型感光性感圧記録材料が提案さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
自己発色型感光性感圧記録材料は、剥離する工程を必要
とせず、かつ廃棄物も出ないという利点を有する反面、
加圧現像等の画像形成処理により感光性マイクロカプセ
ル内より放出されたモノマー等の薬品が画像表面に滲み
出し、べたつき等が生じて、重ね置きをするとブロッキ
ングを生じてしまうことから、取り扱い性に難点がある
という問題があった。
【0005】よって、本発明は上記した問題点に着目し
てなされたもので、画像形成後の取り扱い性にすぐれ、
高光沢で高い画像濃度を発現する自己発色型感光性感圧
記録材料及びその製造方法並びに自己発色型感光性感圧
記録材料を用いた画像形成方法を提供することを目的と
している。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記した問題を解決する
ために、本発明の自己発色型感光性感圧記録材料は、色
素前駆体と光重合開始剤及び該光重合開始剤にて重合を
成す重合性化合物とを内包し、所定波長の光の照射によ
り前記重合がなされて前記色素前駆体の流出を阻止する
感光性マイクロカプセルと、顕色剤と、を内在する自己
発色型感光性感圧記録層を、単層又は積層状態にて支持
部材上に形成した自己発色型感光性感圧記録材料におい
て、前記所定波長の光の照射による露光並びに加圧によ
る感光性マイクロカプセルの破壊による現像とを実施し
た後に、前記自己発色型感光性感圧記録層の表面に、所
定の活性エネルギー線の照射により硬化する少なくとも
一層の活性エネルギー線硬化樹脂層を所定厚みに形成し
たことを特徴としている。この特徴によれば、露光並び
に加圧現像の後において、前記自己発色型感光性感圧記
録層の表面に、所定の活性エネルギー線の照射により硬
化する少なくとも一層の活性エネルギー線硬化樹脂層を
所定厚みに形成することで、感光性マイクロカプセル内
より放出されたモノマー等の薬品の滲み出しを抑えるこ
とができることから、べたつきやブロッキング等を生じ
ることがなく、画像形成後の取り扱い性を改善すること
ができる。
【0007】本発明の自己発色型感光性感圧記録材料
は、前記活性エネルギー線硬化樹脂が電子線硬化樹脂で
あることが好ましい。このようにすれば、溶剤等を用い
ることがなく、かつ高速にて活性エネルギー線硬化樹脂
層を形成でき、これら活性エネルギー線硬化樹脂層の形
成時における現像画像への影響を著しく小さなものに抑
えることができる。
【0008】本発明の自己発色型感光性感圧記録材料
は、前記自己発色型感光性感圧記録層の表面にオーバー
コート層を形成し、該オーバーコート層上に前記活性エ
ネルギー線硬化樹脂層を形成して成ることが好ましい。
このようにすれば、前記自己発色型感光性感圧記録層に
前記活性エネルギー線硬化樹脂が接触して該活性エネル
ギー線硬化樹脂の硬化に悪影響を生じることを解消する
ことができる。
【0009】本発明の自己発色型感光性感圧記録材料
は、前記オーバーコート層が、極性溶媒に溶解或いは分
散型エマルジョンを形成可能な樹脂であることが好まし
い。このようにすれば、前記自己発色型感光性感圧記録
層が、主に非極性の樹脂を使用する場合が多いことか
ら、これらオーバーコート層形成における現像画像への
影響を著しく小さなものに抑えることができる。
【0010】本発明の自己発色型感光性感圧記録材料の
製造方法は、色素前駆体と光重合開始剤及び該光重合開
始剤にて重合を成す重合性化合物とを内包し、所定波長
の光の照射により前記重合がなされて前記色素前駆体の
流出を阻止する感光性マイクロカプセルと、顕色剤と、
を内在する自己発色型感光性感圧記録層を、単層又は積
層状態にて支持部材上に形成する工程と、前記所定波長
の光の照射による露光する工程と、加圧により感光性マ
イクロカプセルを破壊して現像を実施する工程と、画像
形成された前記自己発色型感光性感圧記録層の表面に、
所定の活性エネルギー線の照射により硬化する活性エネ
ルギー線硬化樹脂層を所定厚みに形成する工程と、前記
活性エネルギー線を照射する工程と、を含むことを特徴
としている。この特徴によれば、露光並びに加圧現像の
後において、前記自己発色型感光性感圧記録層の表面
に、所定の活性エネルギー線の照射により硬化する少な
くとも一層の活性エネルギー線硬化樹脂層を所定厚みに
形成することで、感光性マイクロカプセル内より放出さ
れたモノマー等の薬品の滲み出しを抑えることができる
ことから、べたつきやブロッキング等を生じることがな
く、画像形成後の取り扱い性に優れた自己発色型感光性
感圧記録材を好適に製造することができる。
【0011】本発明の自己発色型感光性感圧記録材料の
製造方法は、前記自己発色型感光性感圧記録層の感光感
度が活性エネルギー線硬化樹脂層により影響される場合
において、前記活性エネルギー線硬化樹脂層を形成する
前に、前記自己発色型感光性感圧記録層と前記活性エネ
ルギー線硬化樹脂層とを隔絶するオーバーコート層を形
成する工程を含むことが好ましい。このようにすれば、
前記自己発色型感光性感圧記録層に前記活性エネルギー
線硬化樹脂が接触して該活性エネルギー線硬化樹脂の硬
化に悪影響を生じることを解消することができる。
【0012】本発明の自己発色型感光性感圧記録材料の
製造方法は、前記活性エネルギー線は、前記自己発色型
感光性感圧記録層に情報の記録がなされない放射エネル
ギー線であることが好ましい。このようにすれば、前記
活性エネルギー線硬化樹脂層の硬化時において、自己発
色型感光性感圧記録材料が露光されて形成された画像の
色彩やコントラスト等が低下してしまうことを回避でき
る。
【0013】本発明の自己発色型感光性感圧記録材料を
用いた画像形成方法は、色素前駆体と光重合開始剤及び
該光重合開始剤にて重合を成す重合性化合物とを内包
し、所定波長の光の照射により前記重合がなされて前記
色素前駆体の流出を阻止する感光性マイクロカプセル
と、顕色剤と、を内在する自己発色型感光性感圧記録層
を、単層又は積層状態にて支持部材上に形成した自己発
色型感光性感圧記録材料の前記自己発色型感光性感圧記
録層、前記所定波長の光の照射による露光並びに加圧に
よる感光性マイクロカプセルの破壊による現像とを実施
し、しかる後に、前記自己発色型感光性感圧記録層の表
面に、所定の活性エネルギー線の照射により硬化する少
なくとも一層の活性エネルギー線硬化樹脂層を所定厚み
に形成し、該活性エネルギー線硬化樹脂層側より活性エ
ネルギー線を照射することを特徴としている。この特徴
によれば、前記活性エネルギー線を照射の照射を、活性
エネルギー線硬化樹脂層側より実施することで、短時間
でかつ安定的に活性エネルギー線硬化樹脂を硬化させる
ことができる。
【0014】本発明の自己発色型感光性感圧記録材料を
用いた画像形成方法は、前記自己発色型感光性感圧記録
材料が、前記自己発色型感光性感圧記録層と前記活性エ
ネルギー線硬化樹脂層との間に、前記自己発色型感光性
感圧記録層と前記活性エネルギー線硬化樹脂層とを隔絶
するオーバーコート層を有することが好ましい。このよ
うにすれば、前記自己発色型感光性感圧記録層に前記活
性エネルギー線硬化樹脂が接触して該活性エネルギー線
硬化樹脂の硬化に悪影響を生じることを解消することが
できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を説明する。図1は、本発明の自己発色型感光性
感圧記録材料の好適な構成例を示す断面図である。
【0016】本発明の自己発色型感光性感圧記録材料
は、図1に示すように、基材となる支持部材1と、該支
持部材1の一面に形成された自己発色型感光性感圧記録
層2と、該自己発色型感光性感圧記録層2の露光、加圧
現像後において該自己発色型感光性感圧記録層2の表面
に形成されたオーバーコート層4と、該オーバーコート
層4の表面に形成された活性エネルギー線硬化樹脂層3
と、から主に構成されており、前記自己発色型感光性感
圧記録層2には、3原色の光に対しそれぞれ反応する3
種類の感光性マイクロカプセルと顕色剤とが含有されて
いる。
【0017】これら本発明に用いる支持部材としては、
適宜な可とう性のあるシート状の物であれば特に限定さ
れるものではなく、例えばグラシン紙、上質紙、アート
紙等の一般紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン、ポリアミド等のプラスチックフ
ィルム、及び、これらの合成繊維からなる合成紙や不織
布、合成樹脂を紙の片面又は両面にラミネートしたラミ
ネート紙、金属箔、金属化紙、蒸着紙、ホログラム処理
を施した不透明シート、マイカ紙、ガラスペーパー等も
使用できる。これらのプラスチックフィルムや合成樹脂
は、無機顔料や有機顔料により不透明化しても良い。
【0018】また、本発明の前記自己発色型感光性感圧
記録層は、前述の感光性マイクロカプセル、顕色剤とを
含有する接着剤から成り、その他スチルト剤、無機顔料
又は有機顔料、アルギン酸塩、脂肪酸金属塩等の分散
剤、ベンゾフェノン系、トリアゾール系等の紫外線吸収
剤、その他消泡剤、蛍光染料、着色染料等の各種助剤を
適宣添加する事が出来る。
【0019】これら、本発明に使用される感光性マイク
ロカプセルは、先述の米国特許第4,399,209
号、同4,419,966号に開示された方法に準じ製
造することが出来る。即ち該感光性マイクロカプセル
は、カプセル内部に光重合開始剤と光重合開始剤にて重
合を成す重合性化合物を含むものである。これら重合性
化合物は、光重合開始剤により生じた活性基による架橋
がなされる架橋材料で、所定波長の光を照射することに
より増粘或いは硬化するものである。更に、該感光性材
料に加え、色素前駆体を含有せしめる。尚、本発明にお
いて用いられる重合性化合物は、ラジカル付加重合又は
イオン重合により硬化可能である材料が好ましいが、特
にこれらに限定されない。
【0020】これら重合特性を示す代表的な重合性化合
物としては、不飽和二重結合等の重合性官能基を内在す
るエチレン系不飽和有機化合物がある。これらの化合物
は、液体であることからマイクロカプセル内部に充填し
やすいことから好ましく、1分子当たりに少なくとも1
つの重合性官能基を含有する。より好ましくは、1分子
当たりに複数の重合性官能基を有する化合物とすれば良
い。これらの化合物の代表的な例は、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、或いはジペンタエリスリトー
ルヒドロキシペンタアクリレートの様なアクリル酸エス
テルや、その他、ペンタエリスリトールとアクリル酸又
はアクリル酸エステルとの部分的反応によるアクリレー
トプレポリマー(オリゴマー)、更には米国特許第3,
783,151号、同第3,759,809号に開示さ
れている多価アルコールのイソシアネート改質アクリル
酸エステルやメタクリル酸エステル、及びイタコン酸エ
ステルを挙げることが出来る。これら重合性化合物は単
独であってもよいし、或いは2種類以上を混合したもの
でもよい。
【0021】前記重合性化合物の重合を開始する前記光
重合開始剤としては、所定波長の光を受けて上記重合性
化合物の重合反応を開始もしくは促進させるもので、芳
香族カルボニル化合物、アセトフェノン類、有機過酸化
物、ジフェニルハロニウム塩、有機ハロゲン化物2,
4,6−置換−S−トリアジン類、2,4,5−トリア
リールイミダゾール2量体、アゾ化合物、金属アレーン
錯体、チタノセン化合物、染料ボレート錯体等であり、
これら光重合開始剤としては特開昭62−150242
号、特開昭64−60606号、特開平3−20260
号、特開昭3−116043号の各公報等に示されてい
るイオン染料−対イオン化合物を用いることが好まし
い。更には、特に好ましいのが、陽イオン染料ボレート
錯体であり、一般式(I)で表される化合物である。
【化1】 上記式中、Dは陽イオン染料部分、R、R、R
及びRはアルキル基、アリール基、アラルキル基、ア
クカリール基、アルケニル基、アルキニル基、シクロア
ルキル基、又はアリル基を示す。尚、R、R、R
及びRは同一でも異なっても良い。
【0022】有用な染料はボレート陰イオンと光還元性
の錯体を形成し、陽イオン性メチン、ポリメチン、トリ
アリールメタン、インドリン、チアジン、オキサジン及
びアクリジン染料である。更に好ましくは、陽イオン性
シアニン、カルボシアニン、ヘミシアニン及びアゾメチ
ン染料である。
【0023】また、有用な陽イオン染料としては、下記
一般式(II)のシアニン染料が例示される。
【化2】 上記式中、nは0、1、2、3、Rはアルキル基、Y
はCH=CH、N−CH、C(CH、O、S、
Se、を表す。
【0024】尚、ボレート陰イオンは、R、R、R
及びRの少なくとも1個から3個以下までがアルキ
ル基であることが好ましい。アルキル基としては、炭素
数20まで、より好ましくは炭素数1から7である。R
、R、R及びRがアルキル基とアリール基又は
アラルキル基との組み合わせであることが好ましく、ア
リール基3個とアルキル基との組み合わせ(例えば、ト
リフェニルボレート等)であることが特に好ましい。
【0025】次いで、本発明に用いられる色素前駆体と
しては、無色或いは淡色の電子供与性化合物を挙げるこ
とが出来る。この化合物の代表例としては、部分骨格内
にラクトン、ラクタム、スルトン、スピロピラン、エス
テル、又はアミド構造を有する実質上無色の化合物を挙
げることができる。例えば、トリアリールメタン化合
物、ビスフェニルメタン化合物、キサンテン化合物、フ
ルオラン化合物、チアジン化合物、スピロピラン化合物
等である。
【0026】次にイエロー、マゼンタ及びシアンに発色
する色素前駆体の具体例を示す。本発明の使用される感
光性マイクロカプセルは、光応答性を改良するために特
開昭62−18537号、同64−91130号の各公
報に記載の自動酸化剤として定義されているN,N−ジ
アルキルアニリン等、特開平2−291561号公報に
記載されたメルカプトベンゾチアゾールジスルフィド等
の二硫化化合物、特開平2−868号公報に記載された
チオール化合物等の増感剤や保存性の向上のために特開
平4−230756公報記載の酸化防止剤等を使用でき
る。その他紫外線吸収剤や可塑剤など各種添加剤を適宣
添加できる。
【0027】本発明の前述の各薬液の封入に用いられる
不連続壁マイクロカプセルは、コアセルベーション、界
面重合、又は油中での1種類以上のモノマーの重合等を
含めた公知のカプセル化方法を用いて製造することが出
来るが、好適なカプセル壁形成材の代表的な例として、
アラビアゴム、ポリビニルアルコール、カルボキシメチ
ルセルロースを含めたゼラチン材料(米国特許第273
0456号等)、レゾルシーノール−ホルムアルデヒド
カプセル壁形成剤(米国特許第3755190号)、イ
ソシアネート壁形成剤(米国特許第3914511
号)、イソシアネート−ポリオール壁形成剤(米国特許
第3796669号)、尿素−ホルムアルデヒド壁形成
剤、特にレゾルシノールの添加によって親油性が強化さ
れた尿素−レゾルシノール−ホルムアルデヒド(米国特
許第4001140号)、或いはメラミン−ホルムアル
デヒドとヒドロキシプロピルセルロース(米国特許第4
025455号)を挙げることが出来る。
【0028】これら、本発明に使用されるマイクロカプ
セルの平均粒径は、1から25ミクロンの範囲が好まし
い。カプセルの大きさは解像力等の写真特性上粒径の小
さい、粒度分布が狭いものが好ましいが、加圧による破
壊のし易さ、又支持体の孔や繊維中への消失などのトラ
ブルを考慮し、3から15ミクロン、特には3から10
ミクロンに調製することが好ましい。
【0029】また、前記顕色剤としては、感圧記録材料
の分野で通常使用されている顕色物質が本発明において
も好適に用いることができる。具体的には、酸性白土、
活性白土、アタパルジャイト、ゼオライト、ベントナイ
ト、シリカ珪酸アルミ等の如き無機顕色剤とフェノール
−アルデヒド重合体、フェノール−アセチレン重合体、
サルチル酸誘導体等の有機顕色剤を挙げることが出来
る。これらの顕色剤は、二種類以上を混合して用いても
良い。
【0030】次いで、本発明に用いる前記感光性マイク
ロカプセルと顕色剤は、固形分の重量比で、2/8から
8/2の割合で適宣使用することができるが、好ましい
のは4/6から6/4の割合である。
【0031】また、自己発色型感光性感圧記録層に用い
る接着剤としては、前記感光性マイクロカプセルと顕色
剤とを支持部材上に保持できるものであれば制限される
ことは無く、感圧記録材料の分野で公知のものを好適に
使用できる。例えば、デンプン、ヒドロキシエチルセル
ロース、メチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラ
ビアゴム、ポリビニルアルコール、スチレン・無水マレ
イン酸共重合体、スチレン・アクリル酸共重合体等の水
溶性樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体エマルジョ
ン、酢酸ビニル・塩化ビニル・エチレン共重合体エマル
ジョン、アクリル酸エステル共重合体エマルジョン等の
水分散性樹脂等が挙げられる。
【0032】スチルト剤としては、カプセルより大きい
粒径を有するデンプン粉、セルロース粉末、炭酸カルシ
ウム等が用いられる。
【0033】無機顔料としては、酸化亜鉛、酸化マグネ
シウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、炭酸カルシ
ウム、硫酸マグネシウム等で、有機顔料としては、ナイ
ロンパウダー、ポリエチレンパウダー、尿素・ホルマリ
ン樹脂フィラー等が挙げられる。
【0034】これらを含む前記自己発色型感光性感圧記
録層の支持部材1上への形成方法としては、ブレード塗
工法・エアナイフ塗工法・グラビア塗工法・ロールコー
ティング塗工法・バー塗工法、落下カーテン塗工法等の
公知の塗工法が利用可能である。
【0035】さらに、カール防止のためにバックコート
を施したり、ジャミング防止のために導電処理を行う等
の感圧記録材料の製造分野における各種の公知の技術を
必要に応じて付加することが出来る。
【0036】これら自己発色型感光性感圧記録層は上述
の各含有成分を混合撹拌した後支持体に塗布するか或い
はカプセルを含む塗布液と顕色剤を含む塗布液を別個に
調整し支持体に積層塗布することにより得られる。塗布
量は特に限定されないが乾燥重量で5から30g/m
程度である。
【0037】これら自己発色型感光性感圧記録層が塗布
形成された自己発色型感光性感圧記録材料は、該自己発
色型感光性感圧記録層側より3原色光が照射されて画像
様に露光され、前記各3原色に対応する感光性マイクロ
カプセル内部の前記重合性化合物が補色関係にある光を
受けてその露光強度に比例して増粘或いは硬化し、該硬
化後において露光した自己発色型感光性感圧記録材料を
ローラー間に狭持、加圧して前記感光性マイクロカプセ
ルを破壊し、感光性マイクロカプセル内部の前記色素前
駆体が流出して顕色剤と反応、発色することで現像され
て、画像が形成される。
【0038】この画像形成後において前記自己発色型感
光性感圧記録層の表面に、オーバーコート層4を形成す
ることが好ましい。これは、前記自己発色型感光性感圧
記録層の表面に、後述する活性エネルギー線硬化樹脂層
を直接形成すると、活性エネルギー線硬化樹脂が自己発
色型感光性感圧記録層に影響を及ぼし、現像された画像
が影響を受けたり、逆に、自己発色型感光性感圧記録層
と接触することで、活性エネルギー線硬化樹脂が硬化し
にくくなる場合があることから、これら自己発色型感光
性感圧記録層並びに活性エネルギー線硬化樹脂層相互へ
の影響を防止する場合に効果的であるが、使用する活性
エネルギー線硬化樹脂層が自己発色型感光性感圧記録層
の感度に影響を与えない場合は、これらオーバーコート
層4を適宜に形成せずとも良い。
【0039】これらオーバーコート層4としては、代表
的な極性溶媒である水に可溶な水溶性樹脂や、これら水
に微細化された樹脂が分散された水分散性樹脂を含んだ
水系ワニス(水系エマルジョン)を使用することが好ま
しい。水溶性樹脂としては、完全ケン化又は部分ケン化
ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルア
ルコール、ポリビニルアルコールとフマル酸、無水マレ
イン酸等の多価カルボン酸との反応物、あるいはこれら
の反応物のエステル化物、更にカルボキシ変性ポリビニ
ルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコールニ
トリル変性ポリビニルアルコール、アミド変性ポリビニ
ルアルコール、オレフィン変性ポリビニルアルコール、
ピロリドン変性ポリビニルアルコール等のポリビニルア
ルコール類、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、
ポリアクリルアミド、イソブチレン−無水マレイン酸共
重合体、ポリビニルベンゼンスルホン酸及びそれらの塩
等から成る水溶性合成樹脂、メチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ゼラチ
ン、カゼイン、アラビアゴム、酸化デンプン、ジアルデ
ヒドデンプン等のデンプン類のような水溶性天然樹脂な
どを挙げることが出来る。尚、これら極性溶媒は、前記
水に限定されるものではなく、極性溶媒としてアルコー
ルを用いたり、水とアルコールとの混合溶剤や、水とア
ルコールに一部非極性溶剤を加えたものも含まれる。
【0040】水分散性樹脂(水系エマルジョン)として
は、スチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン、酢酸
ビニル−エチレン共重合体エマルジョン、メタクリレー
ト−ブタジエン共重合体エマルジョン、塩化ビニリデン
−アクリロニトリル共重合体エマルジョン等が挙げるこ
とが出来る。
【0041】また、オーバーコート層には必要に応じ
て、ニ酸化ケイ素、カオリン、水酸化アルミニウム、コ
ロイダルシリカ等の無機顔料、スチレンマイクロボー
ル、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー等の有機
顔料のような顔料を加えることが出来る。
【0042】更に、オーバーコート層を形成する塗液中
には必要に応じてグリオギザール、メチロールメラミ
ン、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ、塩化第二鉄、
塩化マグネシウム、硼酸、塩化アンモニウム等の硬化剤
を添加しても良く、必要に応じてステアリン酸亜鉛、ス
テアリン酸カルシウム、ステアリン酸アミド、ポリエチ
レンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エ
ステルワックス等の滑剤、ジオクチルスルホン酸ナトリ
ウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリ
ルアルコール硫酸エステル・ナトリウム塩、アルギン酸
塩、脂肪酸金属塩等の界面活性剤、ベンゾフェノン系、
トリアゾール系等の紫外線吸収剤、消泡剤、蛍光染料、
着色染料等の各種添加剤を適宣添加することも出来る。
【0043】これらオーバーコート層を形成するための
塗布液は、一般に水性系塗布液として調製され、必要に
応じてミキサー、アトライター、ボールミル、ロールミ
ル等の混合撹拌機によって十分混合分散された後、各種
公知の塗布装置により自己発色型感光性感圧記録層上に
塗布される。
【0044】また、該オーバーコート層4を形成する塗
布液の塗布量は、特に限定されるものではないが、乾燥
重量0.1〜10g/mが好ましい。
【0045】これら、必要に応じて形成されるオーバー
コート層4の表面には、活性エネルギー線硬化樹脂層3
が形成される。この、本発明に用いられる活性エネルギ
ー線硬化樹脂は、アクリル酸、アクリル酸エチル、テト
ラヒドロフルフリルアクリレート、トリロキシキシエチ
ルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、グリシ
ジルアクリレート等のラジカル重合性単官能モノマーや
ジエチレングリコールジアクリレート、ブチレングリコ
ールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロ
ールメタンテトラアクリレート等のラジカル重合性多官
能モノマーやポリエステル(ポリ)アクリレート、ウレ
タン(ポリ)アクリレート、エポキシ(ポリ)アクリレ
ート、ポリオール(ポリ)アクリレート等のラジカル重
合性オリゴマー(オリゴマー)が挙げられる。
【0046】更に、2−クロロエチルビニルエーテル、
2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシ
ブチルビニルエーテル、トリエチレンビニルエーテル等
のカチオン重合性モノマーやオリゴマーを使用すること
も出来る。尚、このようなカチオン重合性モノマーやオ
リゴマーを配合する場合には、カチオン重合開始剤が必
要である。このようなカチオン重合開始剤とは、活性エ
ネルギー線照射により、カチオン重合させる物質であれ
ば特に限定するものではない。具体的には、ジアゾニウ
ム塩ヨードニウム塩、スルホニウム塩、メタロセン化合
物等である。
【0047】前記活性エネルギー線によって硬化する樹
脂の塗布量については、必ずしも限定されるものではな
いが、0.1g/m未満では本発明の所望の効果を期
待できず、20g/mを超えるような塗布量では、得
られる自己発色型感光性感圧記録材料の記録濃度が著し
く低下してしまう恐れがあることから、0.1〜20g
/mの範囲とすることが好ましい。
【0048】尚、活性エネルギー線硬化樹脂成分中に
は、上記のようなモノマーやプレポリマー(オリゴマ
ー)の他に、必要に応じて、例えば非活性エネルギー線
硬化樹脂、顔料、消泡剤、レベリング剤、滑剤、界面活
性剤、可塑剤、紫外線吸収剤等の添加剤を適宣添加する
ことが出来る。ここで、非活性エネルギー線硬化樹脂と
は、例えば、アクリル樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂
等が挙げられる。
【0049】これら活性エネルギー線硬化樹脂を塗布す
る方法は特に限定されるものではなく、例えばバーコー
ター、ロールコーター、エアーナイフコーター、グラビ
アコーター、オフセットグラビアコーター等の通常塗布
手段が適宣使用できる。なお、塗布面を予めコロナ放電
処理、放射線処理、プラズマ処理によって前処理して、
活性エネルギー線硬化樹脂の濡れ性や密着性をコントロ
ールすることも可能である。
【0050】これら活性エネルギー線硬化樹脂を硬化さ
せるのに照射される活性エネルギー線としては、使用す
る活性エネルギー線硬化樹脂に合わせて適宜に選択すれ
ばよく、例えば紫外線、電子線、X線、γ線等があげら
れるが、取り扱い易さや、安全性の点から紫外線、電子
線が好ましい。
【0051】また、電子線を利用する場合、照射する電
子線の量は、吸収線量として1から200kGy程度の
範囲で調節するのが望ましい。1kGy未満では十分な
照射効果が得られず、200kGyを超えるような照射
は紙類やある種のプラスチックフィルムなどの基材を劣
化させる恐れがあるため好ましくない。電子線の照射方
法としては、例えばスキャニング方式、カーテンビーム
方式、ブロードビーム方式などが用いられ、電子線を照
射する際の加速電圧は、照射する側の基材の厚さにより
コントロールする必要があるが、150から300kV
程度が適当である。
【0052】また、活性エネルギー線として紫外線を使
用する場合、塗布組成物中に光ラジカル重合開始剤を配
合する必要があるがあり、例えばチオキサントン、ベン
ゾイン、ベンゾインアルキルエーテルキサントンジメチ
ルキサントン、ベンゾフェノン、アントラセン、ベンジ
ル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメ
チルケタール、ジフェニルジスルフィド、アントラキノ
ン、1−クロロアントラキノン、N,N‘−テトラエチ
ル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,1‘−ジ
クロロアセトフェノン等のラジカル重合開始剤の一種以
上が適宣配合できる。
【0053】紫外線照射用の光源としては、1から50
個の紫外線ランプ(低圧、中圧、高圧水銀灯)、キセノ
ンランプ、タングステンランプ等が用いられる。尚紫外
線を使用する場合は、不透明基材には透過し難いため、
透明基材側を使用する必要があり、当然ながら、透明基
材側から照射する必要がある。
【0054】これら活性エネルギー線は、自己発色型感
光性感圧記録層に含まれる感光性マイクロカプセルを硬
化させないものでなければならない。例えば、感光性マ
イクロカプセルが可視光領域で硬化可能な場合、活性エ
ネルギー線が可視光以外の紫外線等のようなものでなけ
ればならない。これは、活性エネルギー線によって、自
己発色型感光性感圧記録層に含まれる感光性マイクロカ
プセルを硬化させると画像濃度の低下が生じたり記録不
可能な状態になるからである。また、活性エネルギー線
硬化樹脂を硬化させる活性エネルギー線と感光性マイク
ロカプセルを硬化させる化学線が重複しない場合でも、
活性エネルギー線源が活性エネルギー線硬化樹脂を硬化
可能な活性エネルギー線以外の活性エネルギー線を放つ
場合、その活性エネルギー線が感光性マイクロカプセル
を硬化させる化学線が重複することは好ましくない。そ
の場合は、活性エネルギー線硬化樹脂を硬化可能な活性
エネルギー線のみを透過する物質を介して照射するが好
ましい。
【0055】以下、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明は実施例のみに限定されるものではな
い。 (実施例1) 1)感光性マイクロカプセルの調製 1−1)マゼンタマイクロカプセルの調製 特開昭2−298340記載の実施例を参考に感光性毎
期マイクロカプセルを調整した。
【0056】A)内相の調製 トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPT
A)105g及びジペンタエリスリトール-ヒドロキシペ
ンタアクリレート(DPHPA)45gをビーカーに加え約
90℃で30分間加熱した。 攪拌しながら化学式3に示すマゼンタ色素前駆体(M
−1)20gを加え溶解した。更に90℃で30分間過
熱攪拌し、70℃まで除冷した。
【化3】 攪拌しながら、光開始剤(1,1’-ジ-n-ヘプチル
-3,3,3’,3’,-テトラメチルインドカルボシアニントリ
フェニル-n-ブチルボレート)0.5gを加え、更に70℃
で30分間攪拌した。 攪拌しながら、DIDMA(2,6-ジ-イソプロピル-N,
N-ジメチルアニリン)1.0gを加え、5分間攪拌し
た。 2-メルカプトベンゾチアゾールジスルフィド0.5gを
加え20分間攪拌した。 デュラネート24A−90PX(旭化成製ポリイソシ
アネート)10gを加え、70℃に保った。
【0057】B)外相の調製 水430gをビーカーに加え、オーバーヘッドミキ
サーで500rpmで攪拌した。 VarsaTL502(ナショナルスターチ社製スルホン
化ポリエチレン)8.0gをゆっくりと加え更に500
rpmで15分間攪拌した。 ペクチン12.65g及び炭酸水素ナトリウム0.
24gを混合し、1500rpmで添加し、更に2時間
攪拌した。 NaOHを用いてpH6.0に調整し、更に3000rpm
で10分間攪拌した。
【0058】C)外相内での内相の乳化 約30秒間で内相を外相に添加した。 300rpmで15分間乳化攪拌を行い、エマルジ
ョンを形成した。
【0059】D)メラミンホルムアルデヒド外壁の形成 水250gをビーカーにとり、攪拌しながらメラミ
ン22.2gを加えた。 攪拌しながら、37%ホルムアルデヒド36.5g
を加えた。 60℃まで加熱し、60℃で1時間反応させた。
【0060】(メラミンホルムアルデヒド予備縮合物の
形成) 乳化の攪拌速度を1500rpmに調整し、メラミ
ンホルムアルデヒド予備縮合物をCのエマルジョンに注
入した。 燐酸を用いpH6.0に調整した。 引き続き70℃で60分間硬化させ上記内相部を芯
に持つマイクロカプセルを形成した。 25%尿素水溶液を46.2g加え、さらにそのま
ま60分間攪拌し続けた。 攪拌速度を500rpmとし、20%NaOH10gを
加え、室温まで冷却した。 更にそのまま室温下で一晩攪拌し、マイクロカプセ
ル分散液(A)を得た。得られたマイクロカプセルの粒
子径は2〜12μmであり、大半は6〜7μmであっ
た。又、島津製作所製電子式水分計により固形濃度を測
定したところ、25.2重量%であった。 1−2)シアンマイクロカプセルの調製 1−1マゼンタマイクロカプセルの調製の記載における
前記色素前駆体M-1に変えて、化学式4に示す色素前駆
体C−1を20g加え、更に光開始剤を、1,1’-ジ-n-ヘ
プチル-3,3.3’,3’-テトラメチルインドジカルボシア
ニン-トリフェニル-n-ブチルボレート0.85gに変
え、マイクロカプセル分散液(B)を得た。得られたマ
イクロカプセル(B)の粒子径は2〜12μmであり、
大半は6〜7μmであった。又、固形濃度を測定したと
ころ、26.3重量%であった。
【化4】 1−3 イエローマイクロカプセルの調製 1−1マゼンタマイクロカプセルの調製の記載におい
て、色素前駆体M−1に変えて化学式5に示すイエロー色
素前駆体Y-1を20gを加え、更に光開始剤を3,3-ジメ
チル-1-ヘプチルインド-3’-ヘプチルチアシアニン-ト
リフェニル-n-ブチルボレート0.8gに変えて、マイ
クロカプセル分散液(C)を得た。得られたマイクロカ
プセル(C)の粒子径は5〜10μmであり、大半は6
〜8μmであった。又、固形濃度を測定したところ、2
7.5重量%であった。
【化5】 (感光液の調整及び塗布)下記の様に感光液(I)を調
製した マイクロカプセル分散液(A) 5.6g マイクロカプセル分散液(B) 4.9g マイクロカプセル分散液(C) 4.7g HRJ4250(固形分40重量%) 15.8g (シュケネクタデイ化学製) イオン交換水 9.0g
【0061】調製した感光液(I)は、支持部材1であ
る酸化チタン練りこみ白色不透明PET上に乾燥後の重量
が15g/m2となるように塗布し、自己発色型感光性感圧記
録材料(I)(比較例)を得た。
【0062】次いで、かく得られた感光性感圧記録材料
(I)塗布面上にポリビニルアルコール(PVA117クラレ
社製商品名)8%水溶液100部、コロイダルシリカ(ス
ノーテックスC 日産化学製商品名)20部よりなるオー
バーコート層形成塗布物(II)を乾燥後の塗布量が2g
/m2塗布乾燥となるように塗布しオーバーコート層4を
形成し、自己発色型感光性感圧記録材料(II)を得た。
【0063】引き続き、かく得られた自己発色型感光性
感圧記録材料(I)及び自己発色型感光性感圧記録材料
(II)に対しカラーポジ原稿を通しRed,Green,Blue フ
ィルターを介して露光した。
【0064】露光後、加圧ローラーを通し圧力現像を施
した。次いで更に60℃のオーブンに1分間保持しカラー
発色を促進しさせた。かくして、カラー画像サンプル
(I)及び(II)を得た。
【0065】次に、該カラー画像サンプル(I)の画像
表面上に電子線硬化型樹脂(Ebecryl810;ダイセルUCB
社製)を乾燥重量で3gになるように塗布し活性エネル
ギー線硬化樹脂層が表面に設置された、カラー画像サン
プルを調製した。
【0066】引き続き、電子線照射装置(エレクトロカー
テンCB-150:ESI社製)を用いて加速電圧175KVで吸収
線量として30kGyの電子線を照射し、表面に設置した
活性エネルギー線硬化樹脂層を硬化し、カラー画像サン
プル(III)とした。
【0067】更に、カラー画像サンプル(II)について
同様の処理を実施して、カラー画像サンプル(IV)を得
た。
【0068】結果、カラー画像サンプル(III)、及び
カラー画像サンプル(IV)は、高い光沢性を有する、オ
リジナル画像に近い良好なフルカラー画像を得た。一方
比較に用いたカラー画像サンプル(I)及び(II)は比
較的オリジナル画像に近い画像が得られたが、カラー画
像サンプル(III)、及びカラー画像サンプル(IV)の
ような、高い光沢性が得られずマット性のあるややくす
んだ画像となった。
【0069】次いで各試料について、画像濃度並びにそ
の表面の光沢度を75度の入射角で測定(JIS P8142
に準拠)した結果を以下に表1に示す。
【0070】
【表1】 上記表1に示すように本発明になる画像サンプル(II
I)及び(IV)においては、最大濃度が高く、高い光沢
性を有する、良好なフルカラー画像を得た。
【0071】(実施例2)実施例1の記載において、活
性エネルギー線硬化樹脂層として下記の組成物を用い
た。 ・活性エネルギー線硬化樹脂組成 トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA) 50g ジペンタエリスリトール-ヒドロキシペンタアクリレート(DPHPA) 20g イソプロピルチオキサントン 1.4g エチル-p-ジメチルアミノベンゾエート 2.5g 2-メルカプトベンズオキサゾール 1g 上記組成物を実施例1の記載において自己発色型感光性
感圧記録材料(I)を用いて、画像形成後、乾燥後の重
量が4g/m2となるように塗布した。
【0072】引き続き、高圧水銀灯を用い活性エネルギ
ー線硬化樹脂組成塗布表面側へ光照射しカラー画像サン
プル(V)を調製した。
【0073】本発明になるカラー画像サンプル(V)に
おいては高い光沢性を有する、オリジナル画像に近い良
好なフルカラー画像を得た。その結果を以下の表2に示
す。
【表2】 次に該画像サンプルI及びVの画像表面にスポイトを用い
て5から10CCの水を滴下し、乾かないうちにガーゼを
用い表面をこすりながら水をふき取った。
【0074】比較に用いたIは、画像がこそぎとれ大き
なダメージとなったのに比べ、本発明になるVは全く、
水添加の影響を受けず、水滴下処理前と全く変わらず高
濃度、高光沢の画像を維持した。
【0075】
【発明の効果】本発明は次の効果を奏する。
【0076】(a)請求項1の発明によれば、露光並び
に加圧現像の後において、前記自己発色型感光性感圧記
録層の表面に、所定の活性エネルギー線の照射により硬
化する少なくとも一層の活性エネルギー線硬化樹脂層を
所定厚みに形成することで、感光性マイクロカプセル内
より放出されたモノマー等の薬品の滲み出しを抑えるこ
とができることから、べたつきやブロッキング等を生じ
ることがなく、画像形成後の取り扱い性を改善すること
ができる。
【0077】(b)請求項2の発明によれば、溶剤等を
用いることがなく、かつ高速にて活性エネルギー線硬化
樹脂層を形成でき、これら活性エネルギー線硬化樹脂層
の形成時における現像画像への影響を著しく小さなもの
に抑えることができる。
【0078】(c)請求項3の発明によれば、前記自己
発色型感光性感圧記録層に前記活性エネルギー線硬化樹
脂が接触して該活性エネルギー線硬化樹脂の硬化に悪影
響を生じることを解消することができる。
【0079】(d)請求項4の発明によれば、前記自己
発色型感光性感圧記録層が、主に非極性の樹脂を使用す
る場合が多いことから、これらオーバーコート層形成に
おける現像画像への影響を著しく小さなものに抑えるこ
とができる。
【0080】(e)請求項5の発明によれば、露光並び
に加圧現像の後において、前記自己発色型感光性感圧記
録層の表面に、所定の活性エネルギー線の照射により硬
化する少なくとも一層の活性エネルギー線硬化樹脂層を
所定厚みに形成することで、感光性マイクロカプセル内
より放出されたモノマー等の薬品の滲み出しを抑えるこ
とができることから、べたつきやブロッキング等を生じ
ることがなく、画像形成後の取り扱い性に優れた自己発
色型感光性感圧記録材を好適に製造することができる。
【0081】(f)請求項6の発明によれば、前記自己
発色型感光性感圧記録層に前記活性エネルギー線硬化樹
脂が接触して該活性エネルギー線硬化樹脂の硬化に悪影
響を生じることを解消することができる。
【0082】(g)請求項7の発明によれば、前記活性
エネルギー線硬化樹脂層の硬化時において、自己発色型
感光性感圧記録材料が露光されて形成された画像の色彩
やコントラスト等が低下してしまうことを回避できる。
【0083】(h)請求項8の発明によれば、前記活性
エネルギー線を照射の照射を、活性エネルギー線硬化樹
脂層側より実施することで、短時間でかつ安定的に活性
エネルギー線硬化樹脂を硬化させることができる。
【0084】(i)請求項9の発明によれば、前記自己
発色型感光性感圧記録層に前記活性エネルギー線硬化樹
脂が接触して該活性エネルギー線硬化樹脂の硬化に悪影
響を生じることを解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自己発色型感光性感圧記録材料の構成
を示す断面模式図である。
【符号の説明】
l 支持部材 2 自己発色型感光性感圧記録層 3 活性エネルギー線硬化樹脂層 4 オーバーコート層
フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA15 AB20 AC01 AD03 BC14 BC34 BC43 BH00 CA00 CA39 CC16 CC20 DA03 DA10 DA13 FA30 FA39 2H096 AA22 BA16 EA02 EA04 GA36 JA04 LA30

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色素前駆体と光重合開始剤及び該光重合
    開始剤にて重合を成す重合性化合物とを内包し、所定波
    長の光の照射により前記重合がなされて前記色素前駆体
    の流出を阻止する感光性マイクロカプセルと、顕色剤
    と、を内在する自己発色型感光性感圧記録層を、単層又
    は積層状態にて支持部材上に形成した自己発色型感光性
    感圧記録材料において、前記所定波長の光の照射による
    露光並びに加圧による感光性マイクロカプセルの破壊に
    よる現像とを実施した後に、前記自己発色型感光性感圧
    記録層の表面に、所定の活性エネルギー線の照射により
    硬化する少なくとも一層の活性エネルギー線硬化樹脂層
    を所定厚みに形成したことを特徴とする自己発色型感光
    性感圧記録材料。
  2. 【請求項2】 前記活性エネルギー線硬化樹脂が電子線
    硬化樹脂である請求項1に記載の自己発色型感光性感圧
    記録材料。
  3. 【請求項3】 前記自己発色型感光性感圧記録層の表面
    にオーバーコート層を形成し、該オーバーコート層上に
    前記活性エネルギー線硬化樹脂層を形成して成る請求項
    1または2に記載の自己発色型感光性感圧記録材料。
  4. 【請求項4】 前記オーバーコート層が、極性溶媒に溶
    解或いは分散型エマルジョンを形成可能な樹脂である請
    求項3に記載の自己発色型感光性感圧記録材料。
  5. 【請求項5】 色素前駆体と光重合開始剤及び該光重合
    開始剤にて重合を成す重合性化合物とを内包し、所定波
    長の光の照射により前記重合がなされて前記色素前駆体
    の流出を阻止する感光性マイクロカプセルと、顕色剤
    と、を内在する自己発色型感光性感圧記録層を、単層又
    は積層状態にて支持部材上に形成する工程と、前記所定
    波長の光の照射による露光する工程と、加圧により感光
    性マイクロカプセルを破壊して現像を実施する工程と、
    画像形成された前記自己発色型感光性感圧記録層の表面
    に、所定の活性エネルギー線の照射により硬化する活性
    エネルギー線硬化樹脂層を所定厚みに形成する工程と、
    前記活性エネルギー線を照射する工程と、を含むことを
    特徴とする自己発色型感光性感圧記録材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記自己発色型感光性感圧記録層の感光
    感度が活性エネルギー線硬化樹脂層により影響される場
    合において、前記活性エネルギー線硬化樹脂層を形成す
    る前に、前記自己発色型感光性感圧記録層と前記活性エ
    ネルギー線硬化樹脂層とを隔絶するオーバーコート層を
    形成する工程を含む請求項5に記載の自己発色型感光性
    感圧記録材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記活性エネルギー線は、前記自己発色
    型感光性感圧記録層に情報の記録がなされない放射エネ
    ルギー線である請求項5または6に記載の自己発色型感
    光性感圧記録材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 色素前駆体と光重合開始剤及び該光重合
    開始剤にて重合を成す重合性化合物とを内包し、所定波
    長の光の照射により前記重合がなされて前記色素前駆体
    の流出を阻止する感光性マイクロカプセルと、顕色剤
    と、を内在する自己発色型感光性感圧記録層を、単層又
    は積層状態にて支持部材上に形成した自己発色型感光性
    感圧記録材料の前記自己発色型感光性感圧記録層、前記
    所定波長の光の照射による露光並びに加圧による感光性
    マイクロカプセルの破壊による現像とを実施し、しかる
    後に、前記自己発色型感光性感圧記録層の表面に、所定
    の活性エネルギー線の照射により硬化する少なくとも一
    層の活性エネルギー線硬化樹脂層を所定厚みに形成し、
    該活性エネルギー線硬化樹脂層側より活性エネルギー線
    を照射することを特徴とする自己発色型感光性感圧記録
    材料を用いた画像形成方法。
  9. 【請求項9】 前記自己発色型感光性感圧記録材料が、
    前記自己発色型感光性感圧記録層と前記活性エネルギー
    線硬化樹脂層との間に、前記自己発色型感光性感圧記録
    層と前記活性エネルギー線硬化樹脂層とを隔絶するオー
    バーコート層を有する請求項8に記載の自己発色型感光
    性感圧記録材料を用いた画像形成方法。
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