JP2002054093A - ピッチコントロール剤及びピッチコントロール方法 - Google Patents

ピッチコントロール剤及びピッチコントロール方法

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JP2002054093A JP2000236396A JP2000236396A JP2002054093A JP 2002054093 A JP2002054093 A JP 2002054093A JP 2000236396 A JP2000236396 A JP 2000236396A JP 2000236396 A JP2000236396 A JP 2000236396A JP 2002054093 A JP2002054093 A JP 2002054093A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】紙パルプの工程水中におけるピッチ粒子やコロ
イド状ピッチの分散性を向上させ、これらの凝集を防止
するピッチコントロール剤と、これを用いたピッチコン
トロール方法を提供する。 【解決手段】紙パルプ製造工程において、(A)酢酸ビ
ニルと(B)炭素数5〜22のα−オレフィン、炭素数
5〜22のアルキルビニルエーテル、炭素数5〜22の
α、β−不飽和カルボン酸アミド、炭素数5〜22のα
−分岐−α、β−不飽和カルボン酸エステル、炭素数5
〜22のα−分岐飽和カルボン酸ビニルから選ばれる1
種以上の非水溶性ビニル化合物を構成単位として共重合
し、然る後該酢酸ビニル単位部分をけん化して得られた
水溶性ポリビニルアルコール共重合体を有効成分として
含むことを特徴とするピッチコントロール剤、及び該ピ
ッチコントロール剤をパルプスラリーに添加する、ある
いは該ピッチコントロール剤を水溶液として、ピッチが
付着する製紙工程装置類に噴霧することを特徴とするピ
ッチコントロール方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙パルプ製造工程
におけるピッチ障害を抑制・防止するためのピッチコン
トロール剤、およびこれを用いたピッチコントロール方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紙パルプ製造工程におけるピッチは、木
材、パルプあるいは紙から遊離した天然樹脂やガム状物
質、さらにはパルプ工程や製紙工程で使用される各種添
加薬品の有機物などを主体とした非水溶性の粘着性物質
である。これらピッチは、パルプスラリー中ではコロイ
ド状となって分散しているが、大きなせん断力、急激な
pH変化、硫酸バンドの添加等により、そのコロイド状
態が破壊されて凝集・巨大化すると考えられている。凝
集・巨大化すると、その粘着性により、ファンポンプ、
流送配管、チェスト、ワイヤー、フェルト、ロール等の
製造装置類へ付着するだけでなく、この付着物がある程
度成長した後に剥離して紙に付着することにより、紙の
汚点・欠点といった紙の品質の低下、断紙の原因となる
など、生産性・作業性の低下の障害を引き起こす原因と
なっている。近年、紙の多様化によって使用される薬品
類も多様化し、さらに工程では水の循環再使用が進めら
れてピッチ障害は増加し、複雑化してきている。
【0003】ピッチ障害を抑制・防止する方法に関して
は、これまでにも多く提案があり、また実施されてき
た。例えば、パークロルエタン、トリクロルエタン、灯
油等のピッチ可溶性有機溶剤を添加してピッチを溶解・
分散する方法が提案されたが、これは溶剤使用に伴う作
業環境の悪化から好ましくない。ピッチ原因物質を減少
させる方法として、木材やチップのシーズニング、パル
プの洗浄強化や白水の清浄化の強化が提案されたが、シ
ーズニングは6ヶ月〜1年間という期間でその効果が発
揮されるため、広い敷地を必要とすること、さらに生産
量の増加により原材やチップを大量に保管しなければな
らないことから実用上限界がある。パルプの洗浄強化や
白水の清浄化強化は、水の使用量を減らす努力に反して
おり、現状では期待できない。
【0004】タルクやクレイ等の多孔性無機物を添加
し、ピッチの粘着性を失わせてピッチを紙に抄き込ませ
てしまう方法〔特開昭60−94687号公報、特公昭
61−48975号公報〕は、これら無機物が水中に残
り、工程水の汚濁、スラッジの堆積、ワイヤーの摩耗・
損傷の要因となることがありこれも使用上問題があっ
た。
【0005】界面活性剤やアニオン性ポリマーを添加
し、ピッチ粒子を分散させ凝集・集塊化するのを防止し
ようとする方法〔特公昭63−23320号公報、特開
昭60−246888号公報、特公昭59−28676
号公報〕は、一般的に短期間では効果が認められるが、
水の循環再使用が進んで水中のピッチ量が増加すると限
界があり、急激なピッチ障害を起こすことがある。しか
し、この方法には多くの改善が提案されており、例え
ば、けん化度70〜80モル%のポリビニルアルコール
をピッチ分散剤として用いる方法、〔特公平2−144
79号公報〕、けん化度50〜100モル%のポリビニ
ルアルコールと高分子量ゼラチンを併用してピッチの堆
積を抑制する方法〔特表平11−503497号公報〕
がある。また、カチオン性ポリマーを使用し、アニオン
電荷を有するピッチと結合させて紙へ抄き込む方法〔特
開昭57−149591号公報、特公平4−8556号
公報、特公平7−113200号公報〕、ピッチの粘着
性を失わせる方法〔特開平2−182995号公報、特
開平4−300383号公報、特許第2840047号
公報、特許第2955388号公報〕が提案されたが、
いずれもピッチ障害防止効果が十分ではなく、さらなる
改善が望まれている。
【0006】一方、ピッチを分解する微生物や酵素を添
加する方法〔特公平4−29794号公報、特開平9−
119085号公報〕の提案もあるが、この方法は木材
由来の天然樹脂ピッチには効果が認められるが、工程に
添加される薬品や古紙に由来する合成樹脂ピッチなどに
対して有効でないなどの問題点が指摘されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、紙パルプの
工程水中におけるピッチ粒子やコロイド状ピッチの分散
性を向上させ、これらの凝集を防止するピッチコントロ
ール剤と、これを用いたピッチコントロール方法を提供
することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、紙パルプ
工程におけるピッチコントロールに関して鋭意検討を行
った結果、分子中に疎水性単位を有する特定の水溶性共
重合体が、優れたピッチ分散作用を示すとの知見を得
て、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、請求項1の発明は、紙パルプ製
造工程において、(A)酢酸ビニルと(B)炭素数5〜
22のα−オレフィン、炭素数5〜22のアルキルビニ
ルエーテル、炭素数5〜22のα、β−不飽和カルボン
酸アミド、炭素数5〜22のα−分岐−α、β−不飽和
カルボン酸エステル、炭素数5〜22のα−分岐飽和カ
ルボン酸ビニルから選ばれる1種以上の非水溶性ビニル
化合物を構成単位として共重合し、然る後該酢酸ビニル
単位部分をけん化して得られた水溶性ポリビニルアルコ
ール共重合体を有効成分として含むことを特徴とするピ
ッチコントロール剤。
【0010】請求項2の発明は、紙パルプ製造工程にお
けるピッチコントロール方法であって、請求項1記載の
ピッチコントロール剤をパルプスラリーに添加すること
を特徴とする。
【0011】請求項3の発明は、紙パルプ製造工程にお
けるピッチコントロール方法であって、請求項1記載の
ピッチコントロール剤を水溶液として、ピッチが付着す
る製紙工程装置類に噴霧することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の水溶性ポリビニルアルコ
ール共重合体(以下、「PVA共重合体」と記す)は、
(A)酢酸ビニルと(B)非水溶性ビニル化合物を共重
合し、然る後酢酸ビニル単位部をけん化して得られたP
VA共重合体であり、分子中の構成単位に疎水性単位を
持っていることが特徴である。
【0013】PVA共重合体の構成単位である(B)非
水溶性ビニル化合物は、炭素数5〜22のα−オレフィ
ン、炭素数5〜22のアルキルビニルエーテル、炭素数
5〜22のα、β−不飽和カルボン酸アミド、炭素数5
〜22のα−分岐−α、β−不飽和カルボン酸エステ
ル、炭素数5〜22のα−分岐飽和カルボン酸ビニルの
中から選ばれた1種以上である。
【0014】炭素数5〜22のα−オレフィンは、好ま
しくは炭素数5〜12のα−オレフィンで、具体的な例
を挙げると、イソプレン、1−ヘキセン、スチレン、α
−メチルスチレン、1−デセン、1−ドデセンなどがあ
る。
【0015】炭素数5〜22のアルキルビニルエーテル
類は、好ましくは炭素数5〜14のアルキルビニルエー
テルで、具体的な例を挙げると、プロピルビニルエーテ
ル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、
ラウリルビニルエーテルなどがある。
【0016】炭素数5〜22のα、β−不飽和カルボン
酸アミド類は、好ましくは炭素数5〜16のα、β−不
飽和カルボン酸アミド類で、具体的な例を挙げると、
N,N−ジエチルアクリル酸アミド、N,N−ジプロピ
ルアクリル酸アミド、N、N−ジプロピルメタクリル酸
アミド、N−2−エチルへキシルアクリル酸アミド、N
−ラウリルメタクリル酸アミド、N、N−ジエチルクロ
トン酸アミド、N−へキシルクロトン酸アミド、N−デ
シルクロトン酸アミド、N−ラウリルクロトン酸アミド
などがある。
【0017】炭素数5〜22のα−分岐−α、β−不飽
和カルボン酸エステルは、α位に側鎖を持つことにより
酢酸ビニルのけん化時に加水分解を受けることがなく、
共重合体中で疎水基として作用できるもので、好ましく
は、炭素数5〜16のα−分岐−α、β−不飽和カルボ
ン酸エステルで、具体的にはメタクリル酸エチル、メタ
クリル酸イソプロピル、メタクリル酸プロピル、メタク
リル酸へキシル、メタクリル酸ラウリルなどがある。
【0018】炭素数5〜22のα−分岐飽和カルボン酸
ビニルは、α位に側鎖を持つことにより酢酸ビニルのけ
ん化時に加水分解を受けることがなく、共重合体中で疎
水基として作用できるもので、具体的には、1,1,
3,3−テトラメチル酪酸ビニル、2,2,4,4−テ
トラメチルバレリアン酸ビニル等がある。
【0019】PVA共重合体中における(B)非水溶性
ビニル化合物の構成割合は、その種類により異なるが、
好ましくは0.1〜30(モル%)、さらに好ましく
は、1〜20(モル%)であり、かつ共重合体にした後
酢酸ビニル部分をけん化して水溶性となる範囲である。
構成単位(B)が0.1モル%未満では、ピッチを分散
させる効果が十分大きくなく、30モル%を越えるとピ
ッチを分散させる効果が十分大きくなく、かつ十分な水
溶性が得られない事がある。
【0020】PVA共重合体は、(A)酢酸ビニルに由
来するビニルアルコールと(B)非水溶性ビニル化合物
を構成単位とするが、本発明の効果が損なわれない範囲
においてその他の共重合成分が入っていても差し支えな
い。
【0021】PVA共重合体の製造方法は、特に限定さ
れるものではないが、代表的には、(A)酢酸ビニルと
(B)非水溶性ビニル化合物を含む単量体をラジカル開
始剤の存在下に塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重
合し、次いで酢酸ビニル単位部のみをけん化することで
ある。このうち溶液重合が最も好ましく用いられる。
【0022】溶液重合法による具体例を示すと、特公昭
44−168062号公報、特公昭58−19681号
公報記載に準じて、(A)酢酸ビニルと(B)非水溶性
ビニル化合物をメタノールに溶解させ、2,2’−アゾ
ビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、過酸化ア
セチルなどのラジカル開始剤を添加し、50℃〜60℃
に加熱してラジカル重合させ、次いで得られた重合体の
メタノール溶液に、水酸化ナトリウムのメタノール溶液
を加え、室温〜40℃でけん化反応を行うことで目的と
するPVA共重合体が得られる。このとき高沸点溶媒を
使用し、約70〜100℃の温度でけん化すると、非水
溶性ビニル化合物中のエステル結合やアミド結合が分解
されることがあり好ましくない。また、酢酸ビニル単位
部分のけん化は、必ずしも完全にけん化する必要はな
く、得られた共重合体が水溶性になれば特に限定される
ものではない。しかしけん化度は本発明のピッチの分散
効果には大きな影響を及ぼすので、この意味ではけん化
度を十分管理する必要がある。通常、けん化度は75モ
ル%以上とする。逆に、けん化が不十分で共重合体が非
水溶性となるとピッチ分散剤としての適用にも限界があ
り、またピッチの分散力が低下して好ましくないことが
ある。
【0023】共重合体の重合度は、好ましくは300〜
3,000、さらに好ましくは、500〜2,000で
ある。重合度が300未満では本発明の目的とするピッ
チの分散が不十分で好ましくないことがあり、また、重
合度が3,000を越えると、水溶液としたとき粘性が
高く、作業上不都合なことがある。
【0024】本発明のピッチコントロール剤は、PVA
共重合体を有効成分としている。ピッチコントロール剤
を紙パルプ工程に適用するにあたっては、溶液にして該
工程に加えるのが好ましく、従ってPVA共重合体を水
溶液にしてピッチコントロール剤とするのがよい。水溶
液中のPVA共重合体濃度は、PVA共重合体の溶解
度、溶液とした時の粘度などにより異なるが、一般的に
は1〜10重量%程度である。
【0025】ピッチコントロール方法は、上記ピッチコ
ントロール剤をピッチ障害の発生している箇所、あるい
はその前段階、あるいは前工程のパルプスラリーや工程
水(白水)中にポンプで注入する。また、別の適用方法
は、ピッチ障害が発生している製造装置類、例えば、ワ
イヤー、ロール、フェルトなどの洗浄シャワー水に圧入
して水と一緒に噴霧する方法である。
【0026】ピッチコントロール剤の添加量は、パルプ
や紙の種類、工程の条件、ピッチの発生状況、ピッチコ
ントロールの必要性などによって変わるため、一律に限
定されるものではないが、パルプに添加する場合は、通
常、PVA共重合体をパルプに対して好ましくは0.0
01〜2重量%、さらに好ましくは0.01〜1重量%
である。製造装置類に噴霧する場合は、通常、共重合体
を、噴霧水に対して好ましくは0.1〜2,000mg
/L、さらに好ましくは2〜500mg/Lである。
【0027】また、本発明のピッチコントロール方法を
実施するにその効果を損なわない範囲において、他の工
程添加剤、例えば、消泡剤、スケールコントロール剤、
スライムコントロール剤及び他のピッチコントロール剤
などを配合・併用することに何ら制限を加えるものでは
ない。
【0028】
【実施例】以下に、実施例により実施の形態を具体的に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 [PVA共重合体の合成]PVA共重合体−1:撹拌
機、還流冷却器、分液ロート、温度計、及び窒素導入管
を備えた反応容器に、酢酸ビニル500重量部、イソア
ミルビニルエーテル10重量部、メタノール600重量
部、アゾビスイソブチロニトリル1重量部を加え、窒素
ガス雰囲気下60℃で7時間攪拌して重合させた。反応
終了後、重合反応液中にメタノール蒸気を吹き込んで未
反応の酢酸ビニルモノマーを除去し、共重合体のメタノ
ール溶液を得た。この溶液を35℃で撹拌しながら水酸
化ナトリウムのメタノール溶液を加えて中和し、これに
さらに水酸化ナトリウムをポリマー中の酢酸ビニル単位
に対しして0.02モル加えて混合した。得られたけん
化物をメタノールで洗浄した後、加熱乾燥して重合体粉
末を得た。得られたPVA共重合体はNMR分析の結
果、イソアミルビニルエーテル単位が1.1モル%含有
していた。また、JIS K 6726に準じて、酢酸
ビニル単位のけん化度及び平均重合度を測定した結果、
けん化度は92.5モル%で、平均重合度は1,600
であった。
【0029】PVA共重合体−2〜PVA共重合体−
8:同様にして、各種非水溶性ビニル化合物を用いてP
VA共重合体−2〜PVA共重合体−8を製造した。こ
のうち、PVA共重合体−8は、比較例として用意した
もので、けん化度60%であって水溶性でない。
【0030】試験に供したPVA共重合体の組成を表1
に示した。
【0031】
【表1】
【0032】[実施例に用いたピッチコントロール剤の
調製]攪拌機付きの容器に95重量部の冷水を入れ、攪
拌下に上記PVA共重合体1〜7のそれぞれを重量5部
一気に添加し、強く撹拌し、水中に均一に分散させた
後、撹拌を少し弱くして50〜70℃に加温してさらに
撹拌を2〜3時間継続した。不溶解分がないことを確認
した後、ピッチ付着防止効果の評価に用いた。それぞれ
は、PVA共重合体の5重量%水溶液である。
【0033】[比較例に用いたピッチコントロール剤の
調製]PVA共重合体−8;PVA共重合体−8の5重
量%を水―グリセリン(1:1)溶液とした。PVA−
9:部分けん化ポリビニルアルコール〔重合度1,70
0、けん化度:80.0モル%、日本合成化学工業
(株)製「ゴーセノールKH−17」(商品名)〕を5
重量%水溶液とした。PVA−10:部分けん化ポリビ
ニルアルコール〔重合度2,500、けん化度:85.
5〜87.0モル%、エアープロダクツ社(Air P
roductsInc.)製「Airvol540」
(商品名)〕とゼラチン〔アルカリ処理ゼラチン、分子
量:約100,000、(株)ニッピ製「ニッピゼラチ
ンST1」(商品名)〕の1:1(重量比)混合物を5
重量%水溶液とした。AP−1:無水マレイン酸/ジイ
ソブチレン共重合体(分子量:50,000)のナトリ
ウム塩〔日本油脂(株)製、「ポリスターOM」(商品
名)〕の25重量%水溶液を用いた。CP−1:ポリジ
アリルジメチルアンモニウムクロライド(分子量12
0,000)〔日東紡績(株)製、「PAS−H−10
L」(商品名)〕の28重量%水溶液を用いた。タル
ク:タルク〔日本ミストロン(株)製、「ミストロンベ
ーパー」(商品名)〕の20%の水分散懸濁液を使用し
た。
【0034】[ピッチ付着防止効果の評価] (試験1)新聞古紙を配合して中質紙を抄造している工
程で、ワイヤーパートのワイヤー、フォイル及びプレス
パートのフェルト、ロールにピッチが付着して問題とな
っていた。抄紙機のワイヤー及びフォイルに付着したピ
ッチをかき取り、乾燥させた後、クロロホルム:エタノ
ール=2:1(重量比)混合溶媒に分散させ、20重量
%濃度のピッチ試料とした。200mLビーカーに工程
水(白水)100mLとピッチコントロール剤を有効成
分として50mg入れ、これをミキサー〔特殊機化工業
(株)製、TKオートホモミキサーM型〕にて8000
rpmで撹拌しながら、調製した20重量%濃度のピッ
チ試料500mgを添加し、さらに1分間撹拌した。ビ
ーカー及びミキサーに付着した付着物をクロロホルムに
て洗浄・抽出し、付着量を求めた。その結果を表2に示
した。
【0035】(試験2)雑誌古紙を原料としてトイレッ
トペーパーを抄造している工程では、雑誌古紙中の接着
剤に由来する粘着性のピッチがプレスパートのフェルト
やロールに付着して問題となっていた。該工程からピッ
チで汚れたフェルトを切り取り、クロロホルムで12時
間ソックスレー抽出してピッチを抽出した。抽出したピ
ッチをクロロホルム:エタノール=2:1混合溶媒に溶
解させ、10%濃度のピッチ溶液を調製した。この液5
00mgをステンレス板(厚さ0.5mm、縦25m
m、横50mm)の片面に均一に塗布し、乾燥させた
後、これをピッチ試料とした。本発明のピッチコントロ
ール剤を有効成分として工程水(白水)200mLに1
0mg及び30mg溶解し、これを300mLのビーカ
ーに入れ、ピッチを塗布したステンレス板を液中に浸漬
させ、水温35℃で15分間撹拌した。その後、ピッチ
を塗布したステンレス板を取り出し、そのピッチ表面の
タック性をASTM D−2979に従って、「ポリケ
ンプローブタックテスター」(TESTING MAC
HINE Inc.製(商品名))にて測定した。その
結果を表2に示した。尚、表中、○:タック値=0(粘
着性がない)、△:タック値=0.5N/cm2未満
(粘着性が僅かにある)、×:タック値=0.5N/c
2以上(粘着性がある)を示す。
【0036】
【表2】
【0037】この結果から、本発明のPVA共重合体に
よってピッチの付着を効果的に抑制されることが判る。
【0038】
【発明の効果】本発明の疎水性部分を持つPVA共重合
体を有効成分として含むピッチコントロール剤は、水中
のピッチ粒子やコロイド状ピッチを効果的に分散し、該
ピッチコントロール剤を用いたピッチコントロール方法
により、製造装置へのピッチ付着を抑え、パルプの汚
れ、紙の汚点・欠点、断紙を少なくすることができる。
これは、作業性を改善し、製品品質の向上など、紙パル
プ工業に益するところが大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D21H 17/34 D21H 17/34 Z (72)発明者 中嶋 淳一 三重県四日市市別名6−6−9 伯東株式 会社四日市研究所内 Fターム(参考) 4J100 AA16Q AB02Q AB03Q AE02Q AE05Q AG04P AG08Q AL03Q AL04Q AL05Q AM17Q AM19Q AS03Q CA04 CA31 HA09 JA13 4L055 AG64 AG89 AH22 FA06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙パルプ製造工程において、(A)酢酸
    ビニルと(B)炭素数5〜22のα−オレフィン、炭素
    数5〜22のアルキルビニルエーテル、炭素数5〜22
    のα、β−不飽和カルボン酸アミド、炭素数5〜22の
    α−分岐−α、β−不飽和カルボン酸エステル、炭素数
    5〜22のα−分岐飽和カルボン酸ビニルから選ばれる
    1種以上の非水溶性ビニル化合物を構成単位として共重
    合し、然る後該酢酸ビニル単位部分をけん化して得られ
    た水溶性ポリビニルアルコール共重合体を有効成分とし
    て含むことを特徴とするピッチコントロール剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のピッチコントロール剤を
    パルプスラリーに添加することを特徴とするピッチコン
    トロール方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のピッチコントロール剤を
    水溶液として、ピッチが付着する製紙工程装置類に噴霧
    することを特徴とするピッチコントロール方法。
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