JP2002053670A - ポリエチレングリコールでの表面修飾により分散安定化したセルロース微結晶粒子およびその製造法 - Google Patents
ポリエチレングリコールでの表面修飾により分散安定化したセルロース微結晶粒子およびその製造法Info
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- JP2002053670A JP2002053670A JP2000272293A JP2000272293A JP2002053670A JP 2002053670 A JP2002053670 A JP 2002053670A JP 2000272293 A JP2000272293 A JP 2000272293A JP 2000272293 A JP2000272293 A JP 2000272293A JP 2002053670 A JP2002053670 A JP 2002053670A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】水系において電解質の添加に対して安定であ
り、また凍結乾燥状態から水または有機溶媒に容易に分
散することのできる棒状の微結晶セルロースコロイド粒
子を調製する。 【解決手段】天然セルロースを酸で加水分解して得られ
る微結晶粒子の表面にポリエチレングリコールを化学的
に結合させることにより、水および有機溶媒に安定に分
散することを可能とした棒状コロイド粒子系。および微
結晶セルロースを水系媒体に懸濁し、微結晶の棒状形態
を保ったままその表面にカルボキシル基を導入し、これ
らと片末端をアミノ化したポリエチレングリコール分子
鎖を水溶性カルボジイミドを触媒とする反応により共有
結合させて、棒状のポリマーブラシを調製する方法。
り、また凍結乾燥状態から水または有機溶媒に容易に分
散することのできる棒状の微結晶セルロースコロイド粒
子を調製する。 【解決手段】天然セルロースを酸で加水分解して得られ
る微結晶粒子の表面にポリエチレングリコールを化学的
に結合させることにより、水および有機溶媒に安定に分
散することを可能とした棒状コロイド粒子系。および微
結晶セルロースを水系媒体に懸濁し、微結晶の棒状形態
を保ったままその表面にカルボキシル基を導入し、これ
らと片末端をアミノ化したポリエチレングリコール分子
鎖を水溶性カルボジイミドを触媒とする反応により共有
結合させて、棒状のポリマーブラシを調製する方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は食品・化粧品分野
・医薬品・塗料等の産業分野で用いられる微結晶セルロ
ース粒子とその分散系の製造法に関する.
・医薬品・塗料等の産業分野で用いられる微結晶セルロ
ース粒子とその分散系の製造法に関する.
【0002】
【従来の技術】 セルロースは最も多量に存在する天然
高分子であり、高等植物や藻類の細胞壁、一部の動物
(ホヤ)の被嚢、微生物生産などによって得られる.天
然セルロース(セルロースI)は太さ5〜30nm程度
(起源により異なる)の結晶性ミクロフィブリルからな
る.これらのセルロース試料、とりわけ木材を希酸で加
水分解し結晶部分の割合を高めた微結晶セルロース粒子
はその無毒性や高い親水性を活かして食品や化粧品の添
加物として広く用いられている.また加水分解の手法を
工夫することにより、単一のミクロフィブリルあるいは
その数本が凝集した太さで、長さ0.2〜1μmの棒状
セルロース結晶粒子を調製することができる.
高分子であり、高等植物や藻類の細胞壁、一部の動物
(ホヤ)の被嚢、微生物生産などによって得られる.天
然セルロース(セルロースI)は太さ5〜30nm程度
(起源により異なる)の結晶性ミクロフィブリルからな
る.これらのセルロース試料、とりわけ木材を希酸で加
水分解し結晶部分の割合を高めた微結晶セルロース粒子
はその無毒性や高い親水性を活かして食品や化粧品の添
加物として広く用いられている.また加水分解の手法を
工夫することにより、単一のミクロフィブリルあるいは
その数本が凝集した太さで、長さ0.2〜1μmの棒状
セルロース結晶粒子を調製することができる.
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 上記のセルロース微
結晶粒子は一般に調製の段階で強酸を使用するため、表
面に微量の酸性基がエステルの形で導入されており、水
中ではこの表面荷電による反発で分散状態が安定化され
ている.このため電解質濃度などの条件の変化により凝
集して沈殿を起こしやすい.また水以外の液体、とりわ
け無極性有機溶媒への分散は困難である.また、一度乾
燥させた微結晶は凝集・角質化のために水に再分散させ
ることは困難である.このように従来のセルロース微結
晶を有機溶媒・濃厚塩溶液などの環境で用いること、ま
た乾燥させて保管し使用に際して再分散させるために
は、微結晶懸濁液の分散安定性を高めることが必要であ
る.
結晶粒子は一般に調製の段階で強酸を使用するため、表
面に微量の酸性基がエステルの形で導入されており、水
中ではこの表面荷電による反発で分散状態が安定化され
ている.このため電解質濃度などの条件の変化により凝
集して沈殿を起こしやすい.また水以外の液体、とりわ
け無極性有機溶媒への分散は困難である.また、一度乾
燥させた微結晶は凝集・角質化のために水に再分散させ
ることは困難である.このように従来のセルロース微結
晶を有機溶媒・濃厚塩溶液などの環境で用いること、ま
た乾燥させて保管し使用に際して再分散させるために
は、微結晶懸濁液の分散安定性を高めることが必要であ
る.
【0004】
【課題を解決するための手段】 発明者らは以上のよう
な問題点を解決するため、セルロース微結晶の表面に水
および有機溶媒可溶性の線状高分子を結合して立体安定
化された微結晶を調製することで、電解質溶液内および
有機溶媒内での安定性・乾燥後の再分散性に優れたセル
ロース微結晶の調製に成功し、本発明を完成させた.
な問題点を解決するため、セルロース微結晶の表面に水
および有機溶媒可溶性の線状高分子を結合して立体安定
化された微結晶を調製することで、電解質溶液内および
有機溶媒内での安定性・乾燥後の再分散性に優れたセル
ロース微結晶の調製に成功し、本発明を完成させた.
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る.本発明のセルロース微結晶粒子は、セルロース試料
の無機酸加水分解による棒状セルロース微結晶の調製、
水溶性酸化剤を用いたセルロース表面へのカルボキシル
基の導入、およびペプチド形成試薬を用いたカルボキシ
ル基と水溶性高分子末端とのアミド化反応による高分子
の表面結合、の3つの段階により得られる。用いるセル
ロース原料は、天然のセルロースを豊富に含む試料また
はその加工品であれば特に限定しない。例として、木材
および木材パルプ、綿およびその加水分解物(市販のカ
ラム担体用セルロース粉末など)、麻、藻類、微生物生
産セルロース(ナタデココなど)、ホヤの外套膜などが
挙げられる.酸加水分解に用いる無機酸は特に限定しな
いが、塩酸および硫酸が望ましい.棒状微結晶を得よう
とする場合、酸の濃度は塩酸の場合1〜4mol/L、
硫酸の場合は50〜70wt%が望ましいが、用途によ
り例えば不定形結晶性粒子(棒状結晶粒子の集合体)で
かまわないような場合には酸の濃度はより希薄でもよ
い。酸加水分解の条件は、用いる酸の種類や濃度により
異なるので限定できないが、60〜100℃の温度で1
5〜30分間が適切である。酸加水分解後の酸の除去
は、加水分解残渣を水で洗浄することにより行うことが
できる.洗浄の手法は、フィルター上で濾過しながら洗
浄、または遠心分離による洗浄が適する.洗浄後の加水
分解残渣は、適量の水を加えた後ホモジェナイザを用い
て粉砕処理する。粉砕に用いる機械の種類は、製紙用ブ
レンダー、フードプロセッサ、回転刃型ホモジェナイザ
などがあるが特に限定しない。粉砕時間は30分以上が
適当である。さらに、微結晶の安定な(沈殿しない)懸
濁液を得るために、得られたスラリー状の加水分解残渣
を遠心分離し、浮遊したまま沈殿しない画分を回収す
る。遠心分離の条件は棒状微結晶粒子のみが浮遊する適
切な条件を選んで繰り返し、最後まで浮遊しない画分は
除去する。加水分解に硫酸を用いた場合には粉砕処理を
省略することもできる。ここまでの操作により、原料に
綿を用いた場合には太さ5〜10nm、長さ0.1〜
0.2μmのセルロース微結晶を含む安定な懸濁液を調
製することができる。
る.本発明のセルロース微結晶粒子は、セルロース試料
の無機酸加水分解による棒状セルロース微結晶の調製、
水溶性酸化剤を用いたセルロース表面へのカルボキシル
基の導入、およびペプチド形成試薬を用いたカルボキシ
ル基と水溶性高分子末端とのアミド化反応による高分子
の表面結合、の3つの段階により得られる。用いるセル
ロース原料は、天然のセルロースを豊富に含む試料また
はその加工品であれば特に限定しない。例として、木材
および木材パルプ、綿およびその加水分解物(市販のカ
ラム担体用セルロース粉末など)、麻、藻類、微生物生
産セルロース(ナタデココなど)、ホヤの外套膜などが
挙げられる.酸加水分解に用いる無機酸は特に限定しな
いが、塩酸および硫酸が望ましい.棒状微結晶を得よう
とする場合、酸の濃度は塩酸の場合1〜4mol/L、
硫酸の場合は50〜70wt%が望ましいが、用途によ
り例えば不定形結晶性粒子(棒状結晶粒子の集合体)で
かまわないような場合には酸の濃度はより希薄でもよ
い。酸加水分解の条件は、用いる酸の種類や濃度により
異なるので限定できないが、60〜100℃の温度で1
5〜30分間が適切である。酸加水分解後の酸の除去
は、加水分解残渣を水で洗浄することにより行うことが
できる.洗浄の手法は、フィルター上で濾過しながら洗
浄、または遠心分離による洗浄が適する.洗浄後の加水
分解残渣は、適量の水を加えた後ホモジェナイザを用い
て粉砕処理する。粉砕に用いる機械の種類は、製紙用ブ
レンダー、フードプロセッサ、回転刃型ホモジェナイザ
などがあるが特に限定しない。粉砕時間は30分以上が
適当である。さらに、微結晶の安定な(沈殿しない)懸
濁液を得るために、得られたスラリー状の加水分解残渣
を遠心分離し、浮遊したまま沈殿しない画分を回収す
る。遠心分離の条件は棒状微結晶粒子のみが浮遊する適
切な条件を選んで繰り返し、最後まで浮遊しない画分は
除去する。加水分解に硫酸を用いた場合には粉砕処理を
省略することもできる。ここまでの操作により、原料に
綿を用いた場合には太さ5〜10nm、長さ0.1〜
0.2μmのセルロース微結晶を含む安定な懸濁液を調
製することができる。
【0006】前項までの操作で得られたセルロース微結
晶をラジカル試薬で酸化し、微結晶の表面にカルボキシ
ル基を導入する。酸化試薬はニトロキシルラジカル試薬
として市販されているもの、例えば2,2,6,6,−
テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル(TE
MPO)等が使用可能であるがこれに限定するものでは
ない.この方法によればグルコピラノシド残基の6位の
水酸基のみが選択的に酸化されてカルボキシル基とな
る.別法として、微結晶セルロース懸濁液に少量の過ヨ
ウ素酸ナトリウムを加えて室温で処理することにより、
表面のグルコピラノシド環の開裂的酸化を行い、これを
亜塩素酸ナトリウムで酸化してカルボキシル基とするこ
ともできる.この場合にはグルコピラノシド残基の2位
−3位の隣接水酸基2個が選択的に酸化されてカルボキ
シル基となる.上記いずれの方法においても、導入され
るカルボキシル基が多すぎると表面のセルロース分子が
水溶性となって失われるので、用いる酸化剤の量は微結
晶表面のグルコピラノシド基に対して10〜20%等量
が適当である。本発明を以下、実施例・比較例・参考例
によって説明するが、これらは本発明を例証するもので
あって、本発明を限定するものではない。
晶をラジカル試薬で酸化し、微結晶の表面にカルボキシ
ル基を導入する。酸化試薬はニトロキシルラジカル試薬
として市販されているもの、例えば2,2,6,6,−
テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル(TE
MPO)等が使用可能であるがこれに限定するものでは
ない.この方法によればグルコピラノシド残基の6位の
水酸基のみが選択的に酸化されてカルボキシル基とな
る.別法として、微結晶セルロース懸濁液に少量の過ヨ
ウ素酸ナトリウムを加えて室温で処理することにより、
表面のグルコピラノシド環の開裂的酸化を行い、これを
亜塩素酸ナトリウムで酸化してカルボキシル基とするこ
ともできる.この場合にはグルコピラノシド残基の2位
−3位の隣接水酸基2個が選択的に酸化されてカルボキ
シル基となる.上記いずれの方法においても、導入され
るカルボキシル基が多すぎると表面のセルロース分子が
水溶性となって失われるので、用いる酸化剤の量は微結
晶表面のグルコピラノシド基に対して10〜20%等量
が適当である。本発明を以下、実施例・比較例・参考例
によって説明するが、これらは本発明を例証するもので
あって、本発明を限定するものではない。
【実施例1】
【0007】10gの綿由来セルロース(Whatma
n社CF11セルロース粉末)を2.5N塩酸100m
l中で15分間煮沸した。得られた加水分解残渣をフィ
ルター上で中性になるまで水で洗浄したのち、Wari
ng型ホモジェナイザで30分間粉砕処理した。スラリ
ー状の加水分解物を遠心分離(1600g、5分間)す
ることにより白濁した微結晶懸濁液を回収する.得られ
た0.5〜1%の微結晶懸濁液500mlに、2,2,
6,6,−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジ
カル(TEMPO)0.5g、臭化ナトリウム5g、約
10%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液10−50gを混
合し、室温で4時間撹拌して酸化する.反応中は1〜3
Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加することにより系の
pHを10〜11に保つ.酸化反応終了後、試料を再び
遠心分離および透析によって精製し、微結晶懸濁液とす
る.酸化微結晶のカルボキシル基量は添加する次亜塩素
酸ナトリウムの量によって変化するが、例えばセルロー
ス重量の50〜100%に相当する次亜塩素酸ナトリウ
ムを添加した場合、セルロース1kgにつき約1mol
のカルボキシル基が導入される.
n社CF11セルロース粉末)を2.5N塩酸100m
l中で15分間煮沸した。得られた加水分解残渣をフィ
ルター上で中性になるまで水で洗浄したのち、Wari
ng型ホモジェナイザで30分間粉砕処理した。スラリ
ー状の加水分解物を遠心分離(1600g、5分間)す
ることにより白濁した微結晶懸濁液を回収する.得られ
た0.5〜1%の微結晶懸濁液500mlに、2,2,
6,6,−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジ
カル(TEMPO)0.5g、臭化ナトリウム5g、約
10%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液10−50gを混
合し、室温で4時間撹拌して酸化する.反応中は1〜3
Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加することにより系の
pHを10〜11に保つ.酸化反応終了後、試料を再び
遠心分離および透析によって精製し、微結晶懸濁液とす
る.酸化微結晶のカルボキシル基量は添加する次亜塩素
酸ナトリウムの量によって変化するが、例えばセルロー
ス重量の50〜100%に相当する次亜塩素酸ナトリウ
ムを添加した場合、セルロース1kgにつき約1mol
のカルボキシル基が導入される.
【0008】上記によりカルボキシル基を導入したセル
ロース微結晶懸濁液に、存在するカルボキシル基の量の
2倍モル数に相当するPEG−NH2(片末端のみアミ
ノ基を持つポリエチレングリコール.分子量100
0)、カルボキシル基量の1.1〜1.5倍等量の水溶
性カルボジイミドおよびN−ヒドロキシこはく酸イミド
を加え、室温で一昼夜撹拌する。反応中は1Nの水酸化
ナトリウム水溶液および塩酸を添加することにより系の
pHを7.5〜8.0に保つ。反応終了後は塩酸を加え
てpH=1としたのち、透析によって反応副生成物や未
反応のPEG−NH2を除いて精製する.
ロース微結晶懸濁液に、存在するカルボキシル基の量の
2倍モル数に相当するPEG−NH2(片末端のみアミ
ノ基を持つポリエチレングリコール.分子量100
0)、カルボキシル基量の1.1〜1.5倍等量の水溶
性カルボジイミドおよびN−ヒドロキシこはく酸イミド
を加え、室温で一昼夜撹拌する。反応中は1Nの水酸化
ナトリウム水溶液および塩酸を添加することにより系の
pHを7.5〜8.0に保つ。反応終了後は塩酸を加え
てpH=1としたのち、透析によって反応副生成物や未
反応のPEG−NH2を除いて精製する.
【0009】上記により得られるポリエチレングリコー
ル表面修飾セルロース微結晶の懸濁液は、未修飾の微結
晶セルロースが凝集・沈殿するような高濃度の電解質
(例えば2M塩化ナトリウム)を添加しても沈殿せず、
純水中におけるのと同様の流動複屈折を示す.またこれ
を凍結乾燥したものは、未修飾のものと異なって容易に
水、アセトン、クロロホルムに分散し、安定なコロイド
懸濁液となる.ただしポリエチレングリコールを溶解し
ないエチルエーテルやテトラヒドロフランには分散しな
い(攪拌直後には分散するが放置すると沈殿する).
ル表面修飾セルロース微結晶の懸濁液は、未修飾の微結
晶セルロースが凝集・沈殿するような高濃度の電解質
(例えば2M塩化ナトリウム)を添加しても沈殿せず、
純水中におけるのと同様の流動複屈折を示す.またこれ
を凍結乾燥したものは、未修飾のものと異なって容易に
水、アセトン、クロロホルムに分散し、安定なコロイド
懸濁液となる.ただしポリエチレングリコールを溶解し
ないエチルエーテルやテトラヒドロフランには分散しな
い(攪拌直後には分散するが放置すると沈殿する).
【実施例2】
【0010】10gの綿由来セルロース(Whatma
n社CF11セルロース粉末)を2.5N塩酸100m
l中で15分間煮沸する。得られた加水分解残渣をフィ
ルター上で中性になるまで水で洗浄したのち、Wari
ng型ホモジェナイザで30分間粉砕処理した。スラリ
ー状の加水分解物を遠心分離(1600g、5分間)す
ることにより白濁した微結晶懸濁液を回収する.得られ
た0.5〜1%の微結晶懸濁液500mlに、対セルロ
ース比30〜40%重量比の過ヨウ素酸ナトリウムを5
00mlの水に溶解させた後添加し、室温で72時間攪
拌して反応させた。反応後は過剰量のエチレングリコー
ルを投入して反応を停止させ、遠心分離操作により精製
した。得られた微結晶を、酢酸濃度2Mおよび亜塩素酸
ナトリウム濃度0.4Mとなるように調整した水溶液中
に分散させ、室温で24時間攪拌して反応させカルボン
酸微結晶を得た。得られた微結晶は再び遠心分離を繰り
返して精製した。以上の操作によりセルロース1kgに
つき約1〜1.5molのカルボキシル基が導入され
た.
n社CF11セルロース粉末)を2.5N塩酸100m
l中で15分間煮沸する。得られた加水分解残渣をフィ
ルター上で中性になるまで水で洗浄したのち、Wari
ng型ホモジェナイザで30分間粉砕処理した。スラリ
ー状の加水分解物を遠心分離(1600g、5分間)す
ることにより白濁した微結晶懸濁液を回収する.得られ
た0.5〜1%の微結晶懸濁液500mlに、対セルロ
ース比30〜40%重量比の過ヨウ素酸ナトリウムを5
00mlの水に溶解させた後添加し、室温で72時間攪
拌して反応させた。反応後は過剰量のエチレングリコー
ルを投入して反応を停止させ、遠心分離操作により精製
した。得られた微結晶を、酢酸濃度2Mおよび亜塩素酸
ナトリウム濃度0.4Mとなるように調整した水溶液中
に分散させ、室温で24時間攪拌して反応させカルボン
酸微結晶を得た。得られた微結晶は再び遠心分離を繰り
返して精製した。以上の操作によりセルロース1kgに
つき約1〜1.5molのカルボキシル基が導入され
た.
【0011】上記によりカルボキシル基を導入したセル
ロース微結晶懸濁液を実施例1と同様に処理してポリエ
チレングリコールによる表面修飾を行なう。こうして得
られるセルロース微結晶の懸濁液の分散安定性、凍結乾
燥からの再分散性は実施例1の場合と同じである。
ロース微結晶懸濁液を実施例1と同様に処理してポリエ
チレングリコールによる表面修飾を行なう。こうして得
られるセルロース微結晶の懸濁液の分散安定性、凍結乾
燥からの再分散性は実施例1の場合と同じである。
フロントページの続き Fターム(参考) 4C090 AA02 AA05 BA29 BB36 BB52 BB53 BB65 BB97 BD02 CA31 CA34 CA38 DA23 DA26 DA27 DA31 4F070 AA02 AB03 AB09 AB19 AC17 AC20 AC33 AC35 AC45 AC84 AE24 AE30 BA08 BB03 CA18 4J031 AA03 AA53 AC03 AF03 AF12
Claims (2)
- 【請求項1】 天然セルロースを酸で加水分解して得ら
れる微結晶粒子の表面にポリエチレングリコールを化学
的に結合させることにより、水および有機溶媒に安定に
分散することを可能とした棒状コロイド粒子系 - 【請求項2】 微結晶セルロースを水系媒体に懸濁し、
微結晶の棒状形態を保ったままその表面にカルボキシル
基を導入し、これらと片末端をアミノ化したポリエチレ
ングリコール分子鎖を水溶性カルボジイミドを触媒とす
る反応により共有結合させて、棒状のポリマーブラシを
調製する方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000272293A JP2002053670A (ja) | 2000-08-04 | 2000-08-04 | ポリエチレングリコールでの表面修飾により分散安定化したセルロース微結晶粒子およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000272293A JP2002053670A (ja) | 2000-08-04 | 2000-08-04 | ポリエチレングリコールでの表面修飾により分散安定化したセルロース微結晶粒子およびその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002053670A true JP2002053670A (ja) | 2002-02-19 |
Family
ID=18758436
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000272293A Pending JP2002053670A (ja) | 2000-08-04 | 2000-08-04 | ポリエチレングリコールでの表面修飾により分散安定化したセルロース微結晶粒子およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002053670A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2854161A1 (fr) * | 2003-04-28 | 2004-10-29 | Centre Nat Rech Scient | Derives de polysaccharides cristallins, procedes pour leur obtention et leurs applications |
JP2006016519A (ja) * | 2004-07-02 | 2006-01-19 | Toppan Printing Co Ltd | 架橋重合体及びその製造方法 |
JP2008239830A (ja) * | 2007-03-28 | 2008-10-09 | Toppan Printing Co Ltd | 水系コーティング組成物、複合シート、化粧シート、化粧材 |
JP2011140738A (ja) * | 2009-12-11 | 2011-07-21 | Kao Corp | 微細セルロース繊維複合体、微細セルロース繊維分散液及び複合材料 |
CN102121194B (zh) * | 2010-01-11 | 2013-08-14 | 香港理工大学 | 导电织物制造方法及其制造的织物 |
US9243128B2 (en) | 2009-12-11 | 2016-01-26 | Kao Corporation | Composite material |
JP2017179365A (ja) * | 2016-03-29 | 2017-10-05 | トヨタ車体株式会社 | セルロースナノファイバー粉体及びその製造方法 |
JP2018065920A (ja) * | 2016-10-19 | 2018-04-26 | 中越パルプ工業株式会社 | セルロースナノファイバー及びセルロースナノファイバーの製造方法 |
-
2000
- 2000-08-04 JP JP2000272293A patent/JP2002053670A/ja active Pending
Cited By (12)
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