JP2002053663A - (2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオキサイド)ブロック共重合体およびグラフト共重合体 - Google Patents

(2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオキサイド)ブロック共重合体およびグラフト共重合体

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JP2002053663A JP2001102614A JP2001102614A JP2002053663A JP 2002053663 A JP2002053663 A JP 2002053663A JP 2001102614 A JP2001102614 A JP 2001102614A JP 2001102614 A JP2001102614 A JP 2001102614A JP 2002053663 A JP2002053663 A JP 2002053663A
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崇平 滑川
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 新規な(2,5−ジ置換−1,4−フェニレ
ンオキサイド)のブロック共重合体およびグラフト重合
体を提供する。 【解決手段】 1分子中に、一般式(I)で表わされる
ブロック構造単位を1単位以上有し、特定の2価の構造
単位を1単位以上含有する(2,5−ジ置換−1,4−
フェニレンオキサイド)ブロック共重合体、および1分
子中に、一般式(IV)で表わされる構造単位を1単位以
上有するか、又は一般式(IV)で表わされる構造単位及
び特定の2価の構造単位を3単位以上含有する(2,5
−ジ置換−1,4−フェニレンオキサイド)グラフト重
合体 (式中、Rは置換又は無置換の炭化水素基を表わす。
は三官能性置換又は無置換の炭化水素基または三官
能性置換炭化水素基を表わす。Uは−CO−、−OCO
−または−NHCO−を表わす。aは数平均重合度を表
わし、5以上の数である。fは1または0である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は(2,5−ジ置換−
1,4−フェニレンオキサイド)共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリ(2,6−ジ置換−1,4−フェニ
レンオキサイド)は、2,6−ジ置換フェノールの酸化
重合によって合成され、高い耐熱性を示すことが広く知
られている。例えば、J. Am. Chem. Soc. 81, 6335−63
36 (1959)にはポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェ
ニレンオキサイド)が、Macromolecules, 2, 107−108
(1969)にはポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニ
レンオキサイド)が報告されている。2位および6位に
置換基を有するフェノールを用いるのは、J. Polym. Sc
i. : Part A : Polymer Chemistry, 36, 505−517 (199
8)に記載されているように、2つのオルト位のカップリ
ングをブロックするためである。
【0003】本発明者らは、1つのオルト位に置換基の
ない2,5−ジメチルフェノールから、結晶性ポリ
(2,5−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド)
を合成することに成功している(特願2000−256
21号明細書)。本ポリマーは、溶融−冷却後にも高い
結晶融点を発現し、耐熱性及び耐溶剤性の高い結晶性ポ
リマーとして期待されている。しかしながら、このポリ
マーの成形体の機械的強度、耐衝撃性はまだ十分満足し
うるものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高分
子量化された新規な(2,5−ジ置換−1,4−フェニ
レンオキサイド)ブロック共重合体および(2,5−ジ
置換−1,4−フェニレンオキサイド)グラフト重合体
を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、(1)1
分子中に、一般式(I)で表わされるブロック構造単位
を1単位以上有し、一般式(II)又は一般式(III)で
表わされる構造単位を少なくとも1単位含有することを
特徴とする(2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオキ
サイド)ブロック共重合体
【0006】
【化3】
【0007】(式中、Rは無置換炭化水素基または置
換炭化水素基を表わし、二つのRは互いに同一でも異
なっていてもよい。Rは無置換アリレン基または置換
アリレン基を表わし、Rは無置換アルキレン基、置換
アルキレン基、無置換アラルキレン基、置換アラルキレ
ン基、無置換アルケニレン基、置換アルケニレン基、無
置換アラルケニレン基、置換アラルケニレン基、無置換
アルキニレン基、置換アルキニレン基、無置換アラルキ
ニレン基または置換アラルキニレン基を表わす。Tは−
CO−、−CONH−または−SO2−を表わし、Qは
−O−、−CO−、−SO2−、−OCO−、−NHC
O−または−OSi(CH3)2−を表わす。aは数平均重合
度を表わし、5以上の数である。b、c、dおよびeは
1または0であり、c、dおよびeの少なくとも一つは
1である。)、及び(2)1分子中に、一般式(IV)で
表わされる構造単位を1単位以上有するか、又は一般式
(IV)で表わされる構造単位及び一般式(V)で表わさ
れる構造単位を3単位以上含有することを特徴とする
(2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオキサイド)グ
ラフト重合体(単独重合体又は共重合体)。
【0008】
【化4】
【0009】(式中、Rは無置換炭化水素基または置
換炭化水素基を表わし、二つのRは互いに同一でも異
なっていてもよい。RおよびRは三官能性無置換炭
化水素基または三官能性置換炭化水素基を表わす。R
は水素原子、ハロゲン原子、無置換炭化水素基または置
換炭化水素基を表す。Uは−CO−、−OCO−または
−NHCO−を表わす。Wは−O−、−CO−、−CO
2−、−OCO−または−CONH−を表わす。aは数
平均重合度を表わし、5以上の数である。fおよびgは
1または0である。)を提供するものである。ここで、
化合物について「基」とは、特に断らない限り、無置換
のものとさらに置換基を有するものの両方を包含する意
味である。
【0010】
【発明の実施の形態】次に本発明を詳細に説明する。 (1)ブロック共重合体 本発明でいう(2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオ
キサイド)ブロック共重合体とは、1分子中に、上記一
般式(I)で表わされるブロック構造単位を1単位以上
有し、上記一般式(II)及び/又は上記一般式(III)
で表わされる構造単位を1単位以上含有する重合体をい
う。
【0011】上記一般式(I)のRにおける無置換炭
化水素基として、好ましくは、炭素原子数1〜30の
(より好ましくは炭素原子数1〜20の)アルキル基、
炭素原子数7〜30の(より好ましくは炭素原子数7〜
20の)アラルキル基または炭素原子数6〜30の(よ
り好ましくは炭素原子数6〜20の)アリール基であ
り、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、
iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル
基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘ
キシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、
ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ベンジ
ル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルエチル基、
フェニル基、4−メチルフェニル基、1−ナフチル基、
2−ナフチル基等が挙げられる。
【0012】上記一般式(I)のRにおける置換炭化
水素基は、好ましくは、ハロゲン原子、アルコキシ基、
二置換アミノ基等で置換された、炭素原子数1〜30の
(より好ましくは炭素原子数1〜20の)アルキル基、
炭素原子数7〜30の(より好ましくは炭素原子数7〜
20の)アラルキル基または炭素原子数6〜30の(よ
り好ましくは炭素原子数6〜20の)アリール基であ
り、具体例としては、トリフルオロメチル基、2−t−
ブチルオキシエチル基、3−ジフェニルアミノプロピル
基等が挙げられる。上記一般式(I)の二つのRは炭
素原子数1〜20の炭化水素基であることが好ましく、
炭素原子数1〜10のアルキル基であることがより好ま
しく、炭素原子数1〜6のアルキル基であることがさら
に好ましい。
【0013】上記一般式(I)におけるaは、一般式
(I)中の繰り返し単位の数平均重合度を表わし、5以
上の数である。aが5未満のときにはブロック共重合体
としての性質が十分に発揮できないので好ましくない。
aは通常5〜5,000の範囲の数であるが、この範囲
内で、1,000以下が好ましく、500以下がより好
ましく、100以下がさらに好ましい。またこの範囲内
で、5以上が好ましく、10以上がより好ましく、15
以上がさらに好ましい。上記一般式(I)で表わされる
ブロック構造単位においては、本発明の目的のブロック
共重合体としての性質を損なわない範囲で、一般式
(I)中の繰り返し単位(2,5−ジ置換−1,4−フ
ェニレンオキサイド単位)以外の構造を含んでもよい。
上記一般式(I)中の繰り返し単位以外の構造として
は、下記一般式(VI)〜(XI)で表わされる構造単位、
下記一般式(X)で表わされる構造単位、下記一般式
(XI)で表わされる構造単位等を挙げることができる。
上記一般式(I)の繰り返し単位以外の構造の含有量と
しては、一般式(I)の2,5−ジ置換−1,4−フェ
ニレンオキサイド単位100単位に対し、好ましくは2
0単位以下、より好ましくは10単位以下、さらに好ま
しくは5単位以下である。
【0014】
【化5】
【0015】(式中、Rは上記一般式(I)のそれと
同じ意味をもち、すべてのRは互いに同一でも異なっ
ていてもよい。)
【0016】
【化6】
【0017】(式中、R及びRは水素原子、無置換
炭化水素基または置換炭化水素基を表し、二つのR
びRは同一でも異なっていてもよく、二つのR及び
/又は二つのRが環を形成していてもよい。)
【0018】
【化7】
【0019】(式中、R及びRは上記一般式(X)
のそれらと同じ意味をもち、すべてのR及びRは同
一でも異なっていてもよく、同じベンゼン環に置換した
2つのR及び/又はRが環を形成していてもよい。
は酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、カルボニル
基、二価の無置換炭化水素基または二価の置換炭化水素
基を表わし、mは1または0である。)
【0020】上記一般式(VI)〜(XI)におけるR
具体例及び好ましい基などは上記一般式(I)における
それと同様である。上記一般式(X)のR及びR
おける無置換炭化水素基としては、二つのR及び二つ
のRが環を形成しない場合、炭素原子数1〜30の
(より好ましくは炭素原子数1〜20の)アルキル基、
炭素原子数7〜30の(より好ましくは炭素原子数7〜
20の)アラルキル基または炭素原子数6〜30の(よ
り好ましくは炭素原子数6〜20の)アリール基が好ま
しい。具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル
基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチ
ル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、
ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル
基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ベ
ンジル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルエチル
基、フェニル基、4−メチルフェニル基、1−ナフチル
基、2−ナフチル基等が挙げられる。二つのR 及び二
つのRが環を形成する場合、5〜7員環が好ましく、
二つのR及び二つのRが−(CH2)3−基、−(CH2)4
基または−CH=CH−CH=CH−基として環を形成するもので
あることがより好ましい。
【0021】上記一般式(X)のR及びRにおける
置換炭化水素基は、二つのR及び二つのRが環を形
成しない場合、好ましくは、ハロゲン原子、アルコキシ
基、二置換アミノ基等で置換された、炭素原子数1〜3
0の(より好ましくは炭素原子数1〜20の)アルキル
基、炭素原子数7〜30の(より好ましくは炭素原子数
7〜20の)アラルキル基または炭素原子数6〜30の
(より好ましくは炭素原子数6〜20の)アリール基で
あり、具体例としては、トリフルオロメチル基、2−t
−ブチルオキシエチル基、3−ジフェニルアミノプロピ
ル基等が挙げられる。二つのR及び二つのRが環を
形成する場合、前記の置換基を有する、5〜7員環が好
ましく、二つのR及び二つのRが前記の置換基を有
する、−CH2−O−CH2−基、−(CH2)4−基または−CH=CH
−CH=CH−基として環を形成するものであることがより
好ましい。
【0022】上記一般式(X)のR及びRとして、
水素原子または炭素原子数1〜30の無置換炭化水素基
が好ましく、水素原子または炭素原子数1〜20のアル
キル基がより好ましい。さらに好ましくはRが水素原
子または炭素原子数1〜20のアルキル基であり、R
が水素原子またはメチル基である。上記一般式(XI)に
おけるR及びRの具体例及び好ましい基などは上記
一般式(X)におけるそれらと同様である。
【0023】上記一般式(XI)のRにおける二価の無
置換炭化水素基としては、炭素原子数1〜30の(より
好ましくは炭素原子数1〜20の)無置換アルキレン
基、炭素原子数7〜30の(より好ましくは炭素原子数
7〜20の)無置換アラルキレン基または炭素原子数6
〜30の(より好ましくは炭素原子数6〜20の)無置
換アリレン基が好ましく、具体例としては、メチレン
基、1,1−エチレン基、1,2−エチレン基、1,1
−プロピレン基、1,3−プロピレン基、2,2−プロ
ピレン基、1,1−ブチレン基、2,2−ブチレン基、
3−メチル−2,2−ブチレン基、3,3−ジメチル−
2,2−ブチレン基、1,1−ペンチレン基、3,3−
ペンチレン基、1,1−ヘキシレン基、1,1−ヘプチ
レン基、1,1−オクチレン基、1,1−ノニレン基、
1,1−ドデシレン基、1,1−ペンタデシレン基、
1,1−オクタデシレン基、1,1−シクロペンチレン
基、1,1−シクロヘキシレン基、フェニルメチレン
基、ジフェニルメチレン基、1−フェニルー1,1−エ
チレン基、9,9−フルオレン基、α,α'−1,4−
ジイソプロピル基、1,2−フェニレン基、1,3−フ
ェニレン基、1,4−フェニレン基等が挙げられる。上
記一般式(XI)のRにおける二価の置換炭化水素基と
しては、炭素原子数1〜30の(より好ましくは炭素原
子数1〜20の)置換アルキレン基、炭素原子数7〜3
0の(より好ましくは炭素原子数7〜20の)置換アラ
ルキレン基または炭素原子数6〜30の(より好ましく
は炭素原子数6〜20の)置換アリレン基が好ましく、
具体例としては、ヘキサフルオロ−2,2−プロピレン
基、ペンタフルオロフェニルメチレン基、4−メトキシ
フェニルメチレン基、4−ジメチルアミノフェニルメチ
レン基等を挙げることができる。上記一般式(XI)のR
としては、酸素原子または二価の炭化水素基が好まし
く、炭素原子数1〜20のアルキレン基または炭素原子
数7〜20のアラルキレン基がより好ましく、炭素原子
数1〜6のアルキレン基がさらに好ましい。
【0024】上記一般式(I)で表わされるブロック構
造単位に含有させる、一般式(I)を構成する繰り返し
単位以外の構造の含有量としては、一般式(I)で表わ
されるブロック構造単位中の繰り返し単位100単位に
対し、好ましくは20単位以下、より好ましくは10単
位以下、さらに好ましくは5単位以下である。
【0025】上記一般式(II)のRにおける無置換ア
リレン基として、好ましくは、炭素原子数6〜30の
(より好ましくは炭素原子数6〜20の)無置換アリレ
ン基であり、具体的には1,2−フェニレン基、1,3
−フェニレン基、1,4−フェニレン基、2−メチル−
1,4−フェニレン基、2,3−ジメチル−1,4−フ
ェニレン基、2,5−ジメチル−1,4−フェニレン
基、2,6−ジメチル−1,4−フェニレン基、2,
3,5−トリメチル−1,4−フェニレン基、テトラメ
チル−1,4−フェニレン基、2−エチル−1,4−フ
ェニレン基、2−プロピル−1,4−フェニレン基、2
−ブチル−1,4−フェニレン基、2−ペンチル−1,
4−フェニレン基、2−ヘキシル−1,4−フェニレン
基、2−フェニル−1,4−フェニレン基、2−ベンジ
ル−1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、
2,3−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,6
−ナフチレン基、4,4'−ビフェニレン基、3,3'−
ビフェニレン基、3,4'−ビフェニレン基、2,2'−
ビフェニレン基等を挙げることができる。
【0026】上記一般式(II)のRにおける置換アリ
レン基は、好ましくは、ハロゲン原子、アルコキシ基、
二置換アミノ基等で置換された炭素原子数6〜30の
(より好ましくは炭素原子数6〜20の)アリレン基で
あり、具体例としては、テトラフルオロ−1,4−フェ
ニレン基、2−クロロ−1,4−フェニレン基、2−エ
トキシ−1,4−フェニレン基、2−ジメチルアミノ−
1,4−フェニレン基等が挙げられる。
【0027】上記一般式(II)のRは炭素原子数6〜
20のアリレン基であることが好ましく、炭素原子数6
〜12のアリレン基であることがより好ましく、1,4
−フェニレン基、1,3−フェニレン基、2,5−ジメ
チル−1,4−フェニレン基、2,6−ナフチレン基で
あることがさらに好ましい。
【0028】上記一般式(III)のRにおける無置換
アルキレン基として、好ましくは、炭素原子数1〜30
の(より好ましくは炭素原子数1〜20の)無置換アル
キレン基であり、具体的にはメチレン基、1,1−エチ
レン基、1,2−エチレン基、1,2−プロピレン基、
1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1,5−
ペンチレン基、1,6−ヘキシレン基、1,12−ドデ
シレン基、1,18−オクタデシレン、1,4−シクロ
ヘキシレン基等を挙げることができる。
【0029】上記一般式(III)のRにおける置換ア
ルキレン基は、好ましくは、ハロゲン原子、水酸基、ア
ルコキシ基、フェノキシ基、アミノ基、置換アミノ基、
アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ニトリ
ル基等で置換された炭素原子数1〜30の(より好まし
くは炭素原子数1〜20の)アルキレン基であり、具体
例としては、クロロ−1,2−エチレン基、テトラフル
オロ−1,2−エチレン基、メトキシ−1,2−エチレ
ン基、メトキシカルボニル−1,2−エチレン基等が挙
げられる。
【0030】上記一般式(III)のRにおける無置換
アラルキレン基として、好ましくは、炭素原子数7〜3
0の(より好ましくは炭素原子数7〜20の)無置換ア
ラルキレン基であり、具体的には1−フェニル−1,1
−メチレン基、2−フェニル−1,1−エチレン基、1
−フェニル−1,2−エチレン基、1−フェニル−1,
2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、1−フェニ
ル−1,4−ブチレン基、1−フェニル−1,5−ペン
チレン基、1−フェニル−1,6−ヘキシレン基、1−
フェニル−1,12−ドデシレン基等を挙げることがで
きる。
【0031】上記一般式(III)のRにおける置換ア
ラルキレン基は、好ましくは、ハロゲン原子、水酸基、
アルコキシ基、フェノキシ基、アミノ基、置換アミノ
基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ニ
トリル基等で置換された炭素原子数7〜30の(より好
ましくは炭素原子数7〜20の)アラルキレン基であ
り、具体例としては、4−クロロフェニル−1,2−エ
チレン基、4−メトキシフェニル−1,2−エチレン基
等が挙げられる。
【0032】上記一般式(III)のRにおける無置換
アルケニレン基として、好ましくは、炭素原子数2〜3
0の(より好ましくは炭素原子数2〜20の)無置換ア
ルケニレン基であり、具体的には1,1−エテニレン
基、1,2−エテニレン基、1,2−(1−プロペニレ
ン)基、1,3−(1−プロペニレン)基、1,4−
(1−ブテニレン)基、1,5−(1−ペンテニレン)
基、1,6−(1−ヘキセニレン)基、1,12−(1
−ドデセニレン)基、1,18−(1−オクタデセニレ
ン)基、1,4−(2−シクロヘキセニレン)基等を挙
げることができる。
【0033】上記一般式(III)のRにおける置換ア
ルケニレン基は、好ましくは、ハロゲン原子、水酸基、
アルコキシ基、フェノキシ基、アミノ基、置換アミノ
基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ニ
トリル基等で置換された炭素原子数1〜30の(より好
ましくは炭素原子数1〜20の)アルケニレン基であ
り、具体例としては、クロロ−1,2−エテニレン基、
テトラフルオロ−1,2−エテニレン基、メトキシ−
1,2−エテニレン基、メトキシカルボニル−1,2−
エテニレン基等が挙げられる。
【0034】上記一般式(III)のRにおける無置換
アラルケニレン基として、好ましくは、炭素原子数8〜
30の(より好ましくは炭素原子数8〜20の)無置換
アラルケニレン基であり、具体的には2−フェニル−
1,1−エテニレン基、1−フェニル−1,2−エテニ
レン基、1−フェニル−1,2−(1−プロペニレン)
基、1,3−(1−プロペニレン)基、1−フェニル−
1,4−(1−ブテニレン)基、1−フェニル−1,4
−(2−ブテニレン)基、1−フェニル−1,5−(1
−ペンテニレン)基、1−フェニル−1,6−(1−ヘ
キセニレン)基、1−フェニル−1,12−(1−ドデ
セニレン)基等を挙げることができる。
【0035】上記一般式(III)のRにおける置換ア
ラルケニレン基は、好ましくは、ハロゲン原子、水酸
基、アルコキシ基、フェノキシ基、アミノ基、置換アミ
ノ基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、
ニトリル基等で置換された炭素原子数8〜30の(より
好ましくは炭素原子数8〜20の)アラルケニレン基で
あり、具体例としては、4−クロロフェニル−1,2−
エテニレン基、4−メトキシフェニル−1,2−エテニ
レン基等が挙げられる。
【0036】上記一般式(III)のRにおける無置換
アルキニレン基として、好ましくは、炭素原子数2〜3
0の(より好ましくは炭素原子数2〜20の)無置換ア
ルキニレン基であり、具体的にはエチニレン基、1、3
−(1−プロピニレン)基、3、3−(1−プロピニレ
ン)基、1,4−(1−ブチニレン)基、1,5−(1
−ペンチニレン)基、1,6−(1−ヘキシニレン)
基、1,12−(1−ドデシニレン)基、1,18−
(1−オクタデシニレン)基等を挙げることができる。
【0037】上記一般式(III)のRにおける置換ア
ルキニレン基は、好ましくは、ハロゲン原子、水酸基、
アルコキシ基、フェノキシ基、アミノ基、置換アミノ
基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ニ
トリル基等で置換された炭素原子数2〜30の(より好
ましくは炭素原子数2〜20の)アルキニレン基であ
り、具体例としては、3−クロロ−1,3−(1−プロ
ピニレン)基、3,3−ジフルオロ−1,3−(1−プ
ロピニレン)基等が挙げられる。
【0038】上記一般式(III)のRにおける無置換
アラルキニレン基として、好ましくは、炭素原子数8〜
30の(より好ましくは炭素原子数8〜20の)無置換
アルキニレン基であり、具体的には3−フェニル−1,
3−(1−プロピニレン)基、3−フェニル−1,4−
(1−ブチニレン)基等を挙げることができる。
【0039】上記一般式(III)のRにおける置換ア
ラルキニレン基は、好ましくは、ハロゲン原子、水酸
基、アルコキシ基、フェノキシ基、アミノ基、置換アミ
ノ基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、
ニトリル基等で置換された炭素原子数8〜30の(より
好ましくは炭素原子数8〜20の)アラルキニレン基で
あり、具体例としては、3−(4−クロロフェニル)−
1,3−(1−プロピニレン)基、3−(4−メトキシ
フェニル)−1,3−(1−プロピニレン)基等が挙げ
られる。
【0040】上記一般式(III)のRは炭素原子数1
〜30の無置換アルキレン基、炭素原子数1〜30の置
換アルキレン基、炭素原子数7〜30のアラルキレン
基、炭素原子数2〜30のアルケニレン基であることが
好ましく、炭素原子数1〜25のアルキレン基、炭素原
子数2〜20のアルケニレン基であることがより好まし
く、炭素原子数1〜20のアルキレン基、炭素原子数2
〜10のアルケニレン基であることがさらに好ましい。
【0041】上記一般式(II)および(III)における
Tは−CO−、−CONH−または−SO−であり、
好ましくは−CO−、−CONH−であり、さらに好ま
しくは−CO−である。上記一般式(II)および(II
I)におけるQは−O−、−CO−、−SO2−、−OC
O−、−NHCO−または−OSi(CH3)2−であり、好
ましくは−O−、−CO−、−OCO−、−NHCO−
または−OSi(CH3)2−であり、より好ましくは−O
−、−CO−または−NHCO−であり、さらに好まし
くは−O−または−CO−である。
【0042】上記一般式(II)および(III)における
b、c、dおよびeは1または0であり、c、dおよび
eの少なくとも1つは1である。bは好ましくは1であ
る。dおよびeは好ましくは1である。
【0043】本発明におけるブロック共重合体は、1分
子中に上記一般式(I)で表わされるブロック構造単位
を1単位以上有し、上記一般式(II)及び/又は一般式
(III)で表わされる構造単位を1単位以上含有する。
本発明のブロック共重合体において、上記一般式(I)
で表わされるブロック構造単位の含有量は、1分子中、
好ましくは1〜1,000単位であり、好ましくは1〜
100単位であり、さらに好ましくは1〜50単位であ
る。上記一般式(II)及び/又は一般式(III)で表わ
される構造単位の含有量は、1分子中、好ましくは1〜
100,000単位であり、より好ましくは1〜10,
000単位であり、さらに好ましくは1〜1,000単
位である。なお、1分子中に上記一般式(I)で表わさ
れるブロック構造単位を2種以上含んでよく、上記一般
式(II)及び/又は一般式(III)で表わされる構造単
位をそれぞれ2種以上含んでもよい。
【0044】本発明におけるブロック共重合体は、さら
に、上記一般式(I)で表わされる構造単位をもつ重合
体や、上記一般式(II)及び/又は一般式(III)で表
わされる重合体との混合物として用いることもできる。
【0045】(2)グラフト重合体 本発明でいう(2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオ
キサイド)グラフト重合体とは、1分子中に、上記一般
式(IV)で表わされる構造単位を1単位以上有するか、
又は上記一般式(IV)で表わされる構造単位及び上記一
般式(V)で表わされる構造単位を3単位以上含有する
重合体をいう。
【0046】上記一般式(IV)は上記一般式(I)で表
される構造単位を有しているが、この構造単位のR
よびaの具体例および好ましい例は上記一般式(I)と
同様である。
【0047】上記一般式(IV)のRにおける三官能性
無置換炭化水素基として好ましくは、炭素原子数1〜3
0の(より好ましくは炭素原子数1〜20の)三官能性
無置換炭化水素基であり、具体的には、
【0048】
【化8】
【0049】等を挙げることができる。
【0050】上記一般式(IV)のRにおける三官能性
置換炭化水素基として好ましくは、ハロゲン原子、水酸
基、アルコキシ基、フェノキシ基、アミノ基、置換アミ
ノ基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、
ニトリル基等で置換された炭素原子数1〜30の(より
好ましくは炭素原子数1〜20の)三官能性炭化水素基
であり、具体的には、
【0051】
【化9】
【0052】等を挙げることができる。
【0053】上記一般式(IV)のRは三官能性無置換
炭化水素基が好ましく、より好ましくは
【0054】
【化10】
【0055】であり、さらに好ましくは、
【0056】
【化11】
【0057】である。上記一般式(IV)のUは−CO
−、−OCO−または−NHCO−であり、好ましくは
−CO−または−NHCO−であり、さらに好ましくは
−CO−である。fは1または0であり、好ましくは1
である。
【0058】上記一般式(V)のRの具体例および好
ましい例は、上記一般式(IV)のR のそれらと同様で
ある。上記一般式(V)におけるRにおけるハロゲン
原子はフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原
子を表すが、フッ素原子または塩素原子が好ましい。上
記一般式(V)における無置換炭化水素基および置換炭
化水素基の具体例および好ましい例は、上記一般式(X
I)におけるRのそれらと同様である。上記一般式
(V)のWは−O−、−CO−、−CO2−、−OCO
−または−CONH−を表わし、好ましくは−O−、−
CO2−または−CONH−であり、より好ましくは−
O−または−CO2−であり、さらに好ましくは−CO2
−である。
【0059】本発明におけるグラフト重合体は、1分子
中に上記一般式(IV)で表される構造単位を1単位以上
有するか、又は上記一般式(IV)で表わされる構造単位
及び上記一般式(V)で表される構造単位を3単位以上
含有する。上記一般式(IV)で表される構造単位の含有
量は、1分子中、好ましくは1〜100,000単位で
あり、より好ましくは1〜10,000単位であり、さ
らに好ましくは1〜1,000単位であり、特に好まし
くは1〜100である。上記一般式(IV)及び/又は上
記一般式(V)で表される構造単位の含有量は、1分子
中、好ましくは3〜1,000,000単位であり、よ
り好ましくは1〜100,000単位であり、さらに好
ましくは1〜10,000単位であり、特に好ましくは
1〜1,000である。なお、1分子中に上記一般式
(IV)で表される構造単位を2種以上含んでよく、上記
一般式(V)で表される構造単位を2種以上含んでもよ
い。
【0060】本発明におけるグラフト重合体は、上記一
般式(I)で表される構造単位をもつ重合体や上記一般
式(V)で表される重合体との混合物として用いること
もでき、さらには、本発明のブロック共重合体や上記一
般式(II)及び/又は(III)で表される重合体との混
合物として用いることもできる。
【0061】本発明の重合体の形状に制約はないが、平
均粒径が5mm以下であるパウダーであることが好まし
く、平均粒径が2mm以下であるパウダーであることが
さらに好ましい。
【0062】本発明の重合体の結晶性に特に限定はない
が、溶融後、冷却する際に、150℃以上に5J/g以
上の発熱ピーク(結晶化ピーク)を示す、及び/又は溶
融物を冷却後、再び加熱する際に、150℃以上に5J
/g以上の吸熱ピーク(結晶融解ピーク)を示すことが
好ましい。該重合体の結晶化ピーク及び結晶融解ピーク
は以下のようにして測定する。すなわち、示差走査熱量
分析をアルゴン雰囲気下で実施し、まず10℃/minで室
温からポリマーが完全に溶融する温度(完全溶融温度)
まで昇温し、完全溶融温度で5分保温後、10℃/minで
完全溶融温度から室温まで冷却したとき、150℃以上
に5J/g以上の発熱ピーク(結晶化ピーク)の有無を
調べる。次に、再度10℃/minで室温から完全溶融温度
まで昇温したとき、150℃以上で5J/g以上の吸熱ピ
ーク(結晶融解ピーク)の有無を調べる。該重合体の溶
融後、冷却する際の結晶化ピーク温度は180℃以上が
好ましく、200℃以上がより好ましく、220℃以上
がさらに好ましい。また結晶化ピーク熱量は6J/g以
上が好ましく、7J/g以上がより好ましく、10J/
g以上がさらに好ましい。該重合体の溶融、冷却後に再
び加熱する際の融解ピーク温度は200℃以上が好まし
く、240℃以上がより好ましく、270℃以上がさら
に好ましい。また融解ピーク熱量は6J/g以上が好ま
しく、7J/g以上がより好ましく、10J/g以上が
さらに好ましい。
【0063】本発明の重合体において、さらに好ましく
は実質的にゲル分を含まないものである。ゲル分のない
ことは、例えば、1,2−ジクロロベンゼン1mlあた
りポリマー1mgが150℃で溶解することで確認でき
る。「実質的にゲル分を含まない」とは、ポリマー中に
含有されるゲル分が好ましくは5重量%以下、さらに好
ましくは2重量%以下であることをいい、最も好ましく
はゲル分が含有されないことをいう。本発明の重合体の
分子量について特に限定はないが、数平均分子量が50
0〜1,000,000であることが好ましく、1,0
00〜200,000であることがより好ましく、2,
000〜100,000であることがさらに好ましい。
【0064】(3)共重合体の製造方法 以下に本発明のブロック共重合体の製造方法を説明す
る。本発明のブロック共重合体の製造方法としては特に
限定はないが、まず一般式(I)で表わされるブロック
構造単位をもつ重合体を合成し、次に一般式(II)また
は一般式(III)で表わされる構造単位の少なくとも1
種を共重合させることが好ましい。一般式(I)で表わ
されるブロック構造単位をもつ重合体の合成法としては
特に限定はないが、下記一般式(XII)で表わされる
2,5−ジ置換フェノールを、配位原子が窒素原子であ
る三座配位子と銅原子からなる銅錯体触媒および酸素存
在下で酸化重合する方法が好ましい。該触媒および該反
応条件については、特願2000−25621号明細書
に記載されている方法に準じて行うことができる。
【0065】
【化12】
【0066】(式中、Rは上記一般式(I)のそれと
同じ意味をもつ。) 上記一般式(XII)におけるRの具体例および好まし
い基などは上記一般式(I)におけるそれと同様であ
る。そこで上記のブロック構造単位(重合体)の製造方
法を説明する。
【0067】銅錯体触媒における三座配位子とは、配位
原子が窒素原子である三座配位子である。この配位子と
は、化学大辞典(第1版、東京化学同人、1989年)
に記載の通り、ある原子に配位結合で結合している分子
またはイオンを指す。結合に直接かかわっている原子を
配位原子という。三座配位子は配位原子数が3個の配位
子である。
【0068】上記銅錯体触媒に用いられる三座配位子
は、配位原子が窒素原子である以外には特に限定はな
い。かかる三座配位子の具体例を挙げれば、ジエチレン
トリアミン、ビス(2−ピリジルメチル)アミン、ビス
(2−ピリジルエチル)アミン、ビス(2−イミダゾリ
ルメチル)アミン、ビス(2−オキサゾリルメチル)ア
ミン、ビス(2−チアゾリルメチル)アミン、N−(2
−ピリジルメチリデン)−N−(2−ピリジルメチル)
アミン、2,2’:6’,2”−ターピリジン、3−
(2−ピリジルメチルイミノ)−2−ブタノンオキシ
ム、トリス(2−ピリジル)メタン、トリス(2−イミ
ダゾリル)メタン、トリス(1−ピラゾリル)メタン、
トリス(1−ピラゾリル)ホスフェイト、トリス(1−
ピラゾリル)ボーレート、1,4,7−トリアザシクロ
ノナン等、あるいは、それらの誘導体等を挙げることが
できる。
【0069】この銅錯体触媒における銅原子の価数は0
〜3価であるが、1または2価が好ましい。この銅錯体
触媒において、該三座配位子と銅原子の比に特に制限は
ないが、実質的に形成される錯体として、該三座配位子
1個あたり銅原子が1個以上が好ましい。より好ましく
は1〜3個であり、さらに好ましくは1個である。銅錯
体触媒は任意の量で用いることができるが、一般的には
フェノール性出発原料に対する銅の量として0.001
〜50モル%が好ましく、0.01〜10モル%がより
好ましい。
【0070】ブロック構造単位製造の酸化重合反応にお
ける酸化剤は、通常、酸素であり、不活性ガスとの混合
物であってもよく、空気でもよい。酸素の使用量は、フ
ェノール性出発原料に対して通常、当量以上大過剰に使
用する。酸化重合は、反応溶媒の不在下でも実施するこ
とは可能であるが、一般には溶媒を用いることが望まし
い。酸化重合の反応温度は、反応媒体が液状を保つ範囲
であれば特に制限はない。溶媒を用いない場合はフェノ
ール性出発原料の融点以上の温度が必要である。好まし
い温度範囲は0℃〜200℃であり、より好ましくは0
℃〜150℃である、さらに好ましくは0℃〜100℃
である。この反応を省エネルギーという観点から実施す
る場合には好ましい反応温度は10℃〜60℃である。
反応時間は触媒量や反応温度などの条件によって変わる
が、通常1時間以上、好ましくは3〜300時間であ
る。一般式(I)で表わされるブロック構造単位をもつ
重合体は、上記一般式(XII)で表わされる2,5−ジ
置換フェノールを単独または混合して酸化重合すること
により得てもよく、下記一般式(XIII)で表わされるフ
ェノール及び/又は下記一般式(XIV)で表わされるビ
スフェノールと混合して酸化重合することにより得ても
よい。
【0071】
【化13】
【0072】(式中、R及びRは上記一般式(X)
のそれらと同じ意味をもち、R10は水素原子、フェノ
キシ基、無置換炭化水素基または置換炭化水素基であ
る。)
【0073】
【化14】
【0074】(式中、R〜Rおよびmは上記一般式
(XI)のそれらと同じ意味をもつ。)
【0075】上記一般式(XIII)におけるR及びR
の具体例及び好ましい基などは上記一般式(X)におけ
るそれらと同様である。上記一般式(XIII)のR
10は、水素原子、フェノキシ基または炭素原子数1〜
20の炭化水素基であることが好ましく、水素原子、フ
ェノキシ基または炭素原子数1〜6の炭化水素基である
ことがより好ましく、水素原子またはフェノキシ基であ
ることがさらに好ましい。上記一般式(XIV)における
〜Rの具体例及び好ましい基などは上記一般式
(XI)におけるそれらと同様である。上記一般式(XI
I)で表わされる2,5−ジ置換フェノールと上記一般
式(XIII)で表わされるフェノール及び/又は上記一般
式(XIV)で表わされるビスフェノールを混合して用い
る場合、その混合比は目的のポリマーの物性を損なわな
い範囲で適宜定められるが、2,5−ジ置換フェノール
が全フェノールモノマーに対して、好ましくは80モル
%以上であり、より好ましくは90モル%以上であり、
さらに好ましくは95モル%以上である。上記一般式
(XII)で表わされる2,5−ジ置換フェノール及び/
又は(XIII)で表わされるフェノールを酸化重合した場
合、一般式(I)で表わされるブロック構造単位をもつ
重合体は一般に1分子の片方の末端のみに水酸基を有す
る。一方、上記一般式(XIV)で表わされるビスフェノ
ールを混合して酸化重合した場合には、一般式(I)で
表わされるブロック構造単位をもつ重合体は、上記一般
式(XI)で表わされる構造単位を持ち、一般に1分子の
両方の末端に水酸基を有するものを得ることができる。
【0076】また、一般式(I)で表わされるブロック
構造単位をもつ重合体を、R11−CO−R12で表わ
されるカルボニル化合物またはX−R13−Xで表わさ
れるハロゲン化合物(ただし、R11およびR12は水
素原子、無置換炭化水素基または置換炭化水素基を表わ
し、R13は二価の無置換炭化水素基または二価の置換
炭化水素基を表わし、Xは塩素、臭素、ヨウ素等のハロ
ゲン原子を示す。R およびR12の具体例及び好ま
しい基などは上記一般式(XI)におけるRのそれらと
同様である。R13の具体例及び好ましい基などは上記
一般式(XI)におけるRの酸素原子を除いたそれらと
同様である。)と反応させる方法によっても、−C(R
1112)−および−R13−で連結され、一般に1
分子の両方の末端に水酸基を有するものを得ることがで
きる。この方法の反応条件について特に限定はなく、上
記一般式(I)で表わされるブロック構造単位をもつ重
合体に対して、該カルボニル化合物および該ハロゲン化
合物を0.5当量以上反応させればよい。
【0077】本発明のブロック共重合体の製造におい
て、一般式(II)または一般式(III)で表わされる構
造単位の少なくとも1種をもつよう共重合化させる方法
は特に限定はないが、以下の方法が好ましい。ブロック
共重合化の第1の実施態様としては、一般式(I)で表
わされるブロック構造単位をもつ重合体を、XCO−R
2−O−CH3、XCO−R2−COX、X−R3−H、X
−R3−O−CH3、XCO−R3−H、XCO−R3−O
−CH3、XCO−R−COX、X−OS−R
SO−X、X−OS−R−SO−X、X−CO−
X等のハロゲン化合物または下記構造式(XV)又は(XV
I)で表わされる環状酸無水物(ただし、Rは一般式
(II)のそれと同じ意味をもち、Rは一般式(III)
のそれと同じ意味をもち、Xは塩素、臭素、ヨウ素等の
ハロゲン原子を示す。)と反応させる方法がある。
【0078】
【化15】
【0079】上記のハロゲン化合物または環状酸無水物
を反応させる際の反応条件について特に限定はなく、上
記一般式(I)で表わされるブロック構造単位をもつ重
合体に対して、ハロゲン化合物のハロゲン原子または環
状酸無水物を等モル量以上反応させればよい。なお上記
のハロゲン化合物または環状酸無水物を反応させる際
に、三級アミンなどの塩基存在下で反応させれば、一般
にこれらハロゲン化合物および酸無水物は一般式(I)
で表わされるブロック構造単位重合体の水酸基末端と反
応する。一方、塩化アルミニウムなどのルイス酸存在下
で反応させれば、一般にこれらハロゲン化合物および酸
無水物は一般式(I)で表わされるブロック構造単位を
もつ重合体の一方の芳香族末端と反応する。ブロック共
重合体を製造する第2の実施態様としては、一般式
(I)で表わされるブロック構造単位をもつ重合体を、
HO−CO−R−O−CH、HO−CO−R−C
O−OH、HO−CO−R−H、HO−CO−R
O−CH 、HO−CO−R−CO−OH等のカルボ
ン酸類、R−O−CO−R−O−CH、R−O−C
O−R−CO−O−R、R−O−CO−R−H、R
−O−CO−R−O−CH、R−O−CO−R
CO−O−R等のカルボン酸エステル類またはOCN−
−O−CH、OCN−R−NCO、OCN−R
−H、OCN−R−O−CH、OCN−R−N
CO(ただし、Rは一般式(II)のそれと同じ意味を
もち、Rは一般式(III)のそれと同じ意味をも
つ。)等のイソシアネート化合物と反応させる方法であ
る。この方法の反応条件について特に限定はなく、上記
一般式(I)で表わされるブロック構造単位をもつ重合
体の水酸基に対して、カルボン酸化合物、カルボン酸エ
ステル化合物またはイソシアネート化合物を等モル量以
上反応させればよい。一般にこれらカルボン酸化合物、
カルボン酸エステル化合物またはイソシアネート化合物
は一般式(I)で表わされるブロック構造単位をもつ重
合体の水酸基末端と反応する。
【0080】ブロック共重合体を製造する第3の実施態
様としては、一般式(I)で表わされるブロック構造単
位をもつ重合体共存下で、YCO−R−OZ、YCO
−R −OZ(ただし、Rは一般式(II)のそれと同
じ意味をもち、Rは一般式(III)のそれと同じ意味
をもち、Yは水酸基または塩素、臭素、ヨウ素等のハロ
ゲン原子を示し、Zは水素原子またはCHCO−基を
示す。)等のオキシ−カルボニル化合物、下記構造式
(XVII)で表わされる環状エステル化合物または下記構
造式(XVIII)で表わされる環状エーテル化合物を重合
させる方法である。この方法の反応条件について特に限
定はなく、上記一般式(I)で表わされるブロック構造
単位をもつ重合体の水酸基に対して、過剰モル量のオキ
シ−カルボニル化合物、環状エステル化合物または環状
エーテル化合物を重合させればよい。なお、上記のオキ
シ−カルボニル化合物、環状エステル化合物または環状
エーテル化合物のホモ重合体と上記一般式(I)で表わ
されるブロック構造単位をもつ重合体との反応によって
対応するブロック共重合体を得てもよい。
【0081】
【化16】
【0082】(式中、Rは一般式(III)におけるそ
れと同じ意味である。) 上記の3つのいずれの実施態様においても、反応温度
は、好ましくは30〜350℃、より好ましくは60〜
150℃であり、反応時間は、好ましくは0.1時間〜
500時間、より好ましくは1時間〜48時間である。
また反応モル比は、目的とするブロック共重合体におけ
る、一般式(I)で表わされるブロック構造単位をもつ
重合体と一般式(II)又(III)で表わされる構造単位
の割合に応じて適宜に定めることができる。
【0083】以下に本発明のグラフト重合体の製造方法
を説明する。本発明のグラフト重合体の製造方法として
は特に限定はないが、一般式(XIX)で表されるブロッ
ク共重合体の不飽和結合部を重合させるか、または一般
式(XIX)で表されるブロック共重合体と一般式(XX)
で表される成分とを共重合させることによって合成でき
る。
【0084】
【化17】
【0085】(式中、R、U、aおよびfは一般式
(IV)のそれらと同じ定義であり、R、Wおよびgは
一般式(IV)のそれらと同じ定義である。R14および
R15は、無置換アルケニル基、置換アルケニル基、無
置換アラルケニル基、置換アラルケニル基、無置換アル
キニル基、置換アルキニル基、無置換アラルキニル基ま
たは置換アラルキニル基を表す。)
【0086】上記一般式(XIX)におけるR、U、a
およびfの具体例および好ましい例などは、一般式(I
V)のそれらと同様である。上記一般式(XX)における
、Wおよびgの具体例および好ましい例などは、一
般式(IV)のそれらと同様である。上記一般式(XIX)
のR14および上記一般式(XX)のR15における無置
換アルケニル基、置換アルケニル基、無置換アラルケニ
ル基、置換アラルケニル基、無置換アルキニル基、置換
アルキニル基、無置換アラルキニル基および置換アラル
キニル基は、一般式(III)のRにおけるそれらと同
様である。
【0087】グラフト重合の反応条件に特に制限はな
く、適当なラジカル開始剤および反応溶媒存在下で行う
ことができる。反応温度は、好ましくは30〜350
℃、より好ましくは60〜150℃であり、反応時間
は、好ましくは0.1〜500時間、より好ましくは1
時間〜48時間である。また反応モル比は、目的とする
グラフト重合体における一般式(IV)および一般式
(V)で表される構造単位の割合に応じて適宜に定める
ことができる。本発明の樹脂組成物は、前記のブロック
又はグラフト重合体と、このようなブロック又はグラフ
ト重合体でない通常の重合体(共重合体を含む)も含
む。本発明の樹脂組成物は、1分子中に上記一般式(I
V)で表わされる構造単位を1単位以上有するか又は上
記一般式(IV)及び上記一般式(V)で表わされる構造
単位を3単位以上含有する重合体であってもよい。その
重合体の含有率に特に制限はないが、上記樹脂組成物中
一般式(IV)で表わされる構造単位の平均値は0.04
単位以上が好ましく、0.1単位以上がより好ましく、
0.3単位以上が特に好ましい。上記一般式(IV)又は
一般式(V)で表わされる構造単位の合計は平均1分子
当り10単位以上が好ましいが、これは特に制限するも
のではない。
【0088】本発明のブロック共重合体およびグラフト
重合体は、単独でも、またブロック共重合体およびグラ
フト重合体との組成物として用いることができる。組成
物のポリマー成分として、具体的には、上記一般式
(I)で表わされる構造単位をもつ重合体、上記一般式
(II)及び/又は(III)で表わされる構造単位をもつ
重合体、上記一般式(IV)で表わされる構造単位をもつ
重合体、(V)で表わされる構造単位をもつ重合体;ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポ
リアクリロニトリル及びそれらの共重合体等のポリオレ
フィン類;ポリオキシメチレン、ポリフェニレンオキサ
イド、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオ
キサイド)及びそれらの共重合体等のポリエーテル類;
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリ(エチレン−2,6−ジナフタレート)、ポ
リ(4−オキシベンゾエート)、ポリ(2−オキシ−6
−ナフタレート)及びそれらの共重合体等のポリエステ
ル類;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド類;ポ
リカーボネート;ポリフェニレンサルファイド;ポリサ
ルフォン;ポリエーテルサルフォン;ポリエーテルエー
テルケトン;ポリイミド;ポリエーテルイミド;フェノ
ール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の
熱硬化性ポリマーを挙げることができる。組成物の改質
剤成分として、具体的には2,6−ジ−t−ブチルフェ
ノール誘導体、2,2,6、6−テトラメチルピペリジ
ン類等の安定剤;ポリハロゲン化物、リン酸エステル等
の難燃剤;界面活性剤;流動改質剤を挙げることができ
る。
【0089】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を
限定されるものではない。 (i)分析 モノマーの転化率(Conv.):内部標準物質としてDiphe
nyletherを含む反応混合物15mgをサンプリングし、
濃塩酸を若干量加えて酸性とし、メタノール2gを加
え、測定サンプルとした。このサンプルを、高速液体ク
ロマトグラフィー(ポンプ:東ソー社製SC8020シ
ステム、検出器:東ソー社製PD−8020、検出波
長:278nm、カラム:YMC社製ODS−AM、展
開溶媒:メタノール/水=68:32よりスタートして
38分後に100/0となるよう変化させ、その後50
分まで保持)により分析し、Diphenyletherを内部標準
物質として定量した。 ゲル分の有無:ポリマー1mgを1,2−ジクロロベンゼ
ン(oDCBと略す。)1mlに加え、150℃に加熱した
ときの不溶部(ゲル分)の有無を観察した。ポリマーの
数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw):ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィーにより分析し、標準ポ
リスチレン換算値として重量平均分子量(Mw)と数平
均分子量(Mn)を測定した。Polymer Laboratories社
製PL−GPC210システムにより、Polymer Laboratories社
製Plgel 10um MIXED−B(商品名) 3本をカラムとし
て、oDCB(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール
0.01%w/v含有)を展開溶媒として、140℃で行っ
た。ポリマーの溶融後の結晶化温度(Tc)、結晶化熱量
(Hc)および融解温度(Tm)、融解熱量(Hm):示差走
査熱量分析(MAC SCIENCE社製DSC3200S、商品名)をア
ルゴン雰囲気下、以下の二通りの方法で実施した。 測定例1 まず、10℃/minで室温から350℃まで昇温し、5分
保温後、10℃/minで350℃から室温まで冷却したと
き、150℃以上で5J/g以上の発熱ピークを示す場
合、そのピークトップ温度を結晶化温度(Tc)とし、そ
のピーク面積を結晶化熱量(Hc)とした。次に、再度1
0℃/minで室温から350℃まで昇温したとき、150
℃以上で5J/g以上の吸熱ピークを示す場合、そのピー
クトップ温度を融解温度(Tm)とし、そのピーク面積を
融解熱量(Hm)とした。 測定例2 まず、10℃/minで室温から320℃まで昇温し、5分
保温後、10℃/minで320℃から室温まで冷却したと
き、150℃以上で5J/g以上の発熱ピークを示す場
合、そのピークトップ温度を結晶化温度(Tc)とし、そ
のピーク面積を結晶化熱量(Hc)とした。次に、再度1
0℃/minで室温から320℃まで昇温したとき、150
℃以上で5J/g以上の吸熱ピークを示す場合、そのピー
クトップ温度を融解温度(Tm)とし、そのピーク面積を
融解熱量(Hm)とした。
【0090】(ii)ブロック構造単位の合成 参考例1 撹拌機を備えた500ml三つ口丸底フラスコに、酸素
を充填した2リットルゴム風船を取付け、フラスコ内を
酸素に置換した。これに、Cu(Cl2)(1,4,7−トリイソプ
ロピル−1,4,7−トリアザシクロノナン)(J. Am. Chem.
Soc., 120, 8529, (1998).参照、Cu(tacn)と略す。)
0.85mmolを入れ、2,5−ジメチルフェノール8
5mmolと、塩基として2,6−ジフェニルピリジン
8.5mmolをトルエン170gに溶解したものを加
えた。これを40℃に保温し、激しく撹拌した。96時
間後、濃塩酸数滴を加えて酸性にした後、メタノール1
200mlを加え、沈殿した重合体を濾取した。メタノ
ール100mlで3回洗浄し、60℃で6時間減圧乾燥
した後、重合体を得た(収率:73.1%)。得られた
重合体にゲル分はなかった。本重合体のMnは2700、
Mwは11500であった。その重合度は22.5であっ
た。本重合体を、1,2−ジクロロベンゼン−d4中、14
0℃でNMR分析(JEOL社製LA600、商品名)したところ、
1H−NMR(600MHz)より、2.17ppm(6H)、6.72ppm(2
H)のピークが見られ、13C−NMR(150MHz)より、15.6p
pm、120.3ppm、151.1ppm(もう一本は1,2−ジクロロベ
ンゼン−d4と重なった。)のピークが観測された。NMR
分析結果から、本重合体は2,5−ジメチル−1,4−
フェニレンオキサイド構造を有していることを確認し
た。(本ホモ重合体を2,5−DMPOと略す。)また得られ
た重合体の示差走査熱量分析の結果を表1に示す。 参考例2 撹拌機を備えた500ml三つ口丸底フラスコに、酸素
を充填した2Lゴム風船を取付け、フラスコ内を酸素に
置換した。これに、Cu(tacn)0.85mmolを入れ、
2,5−ジメチルフェノール85mmolと、塩基として
2,6−ジフェニルピリジン8.5mmolをトルエン1
70gに溶解したものを加えた。これを40℃に保温
し、激しく撹拌した。96hr後、濃塩酸数滴を加えて
酸性にした後、メタノール1200mlを加え、沈殿し
た重合体を濾取した。メタノール100mlで3回洗浄
し、60℃で6時間減圧乾燥した後、得られた重合体を
トルエン170gに分散させて撹拌し、トルエン不溶部
を遠心分離により回収してメタノール100mlで3回
洗浄し、60℃で6時間減圧乾燥して重合体を得た(収
率:54.2%)。得られた重合体にゲル分はなかっ
た。本重合体のMnは2400、Mwは10400であっ
た。その重合度は20.0であった。本重合体を、1,2
−ジクロロベンゼン−d4中、140℃でNMR分析(JEOL
社製LA600)したところ、1H−NMR(600MHz)より、2.17
ppm(6H)、6.71ppm(2H)のピークが見られ、13C−NMR
(150MHz)より、15.6ppm、120.3ppm、151.1ppm(もう
一本は1,2−ジクロロベンゼン−d4と重なった。)のピ
ークが観測された。NMR分析結果から、本重合体は2,
5−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド構造を有
していることを確認した。(本ホモ重合体を2,5−DMPO
と略す。)また得られた重合体の示差走差熱量分析の結
果を表1に示す。
【0091】(iii)ブロック共重合化 実施例1 電磁撹拌機を備えた50ml二つ口丸底フラスコに、ア
ルゴン導入管を装着した冷却管を取付け、フラスコ内を
アルゴンに置換した。これに、上記参考例1で得られた
2,5−DMPO200mgと、塩基として2,6−ジメチルピリ
ジン6.56mmolを1,2−ジクロロベンゼン20g
に溶解させたものを加えた。これを140℃に保温して
2,5−DMPOを溶解させ、その後130℃に下げた。この
溶液に、1,2−ジクロロベンゼン5gにアニス酸塩化物
3.28mmolを溶解させたものをゆっくりと滴下
し、24時間激しく撹拌した。24時間後、反応溶液を
濃縮し、これにメタノール200mlを加えて沈澱した
ポリマーを濾取した。メタノール10mlで3回洗浄
し、60℃で6時間減圧乾燥した後、ポリマーを得た。
本重合体の分析結果を表1に示す。なお、得られた重合
体を1,2−ジクロロベンゼン−d4中、120℃でNMR分析
(JEOL社製LA600)した。1H−NMR(600MHz)より、2.00
ppm(6H)、3.51ppm(3H)、6.69ppm(2H,s)、7.95ppm
(2H)のピークが観測された。これらから、本ポリマー
は水酸基末端がアニス酸エステルに変換された2,5−
ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド構造を有して
いることが判明した。また、3.51ppm(3H)と2.00ppm
(6H)のピークの積分強度比より、2,5−DMPO一分子当
たりのアニス酸エステル基の数はおよそ1であった。
【0092】実施例2 電磁撹拌機を備えた50ml二つ口丸底フラスコに、ア
ルゴン導入管を装着した冷却管を取付け、フラスコ内を
アルゴンに置換した。これに、上記参考例1で得られた
2,5−DMPO100mgと、塩基として2,6−ジフェニルピ
リジン3.28mmolを1,2−ジクロロベンゼン10
gに溶解させたものを加えた。これを140℃に保温し
て2,5−DMPOを溶解させ、その後130℃に下げた。こ
の溶液に、1,2−ジクロロベンゼン2.5gにステアリ
ン酸塩化物1.64mmolを溶解させたものをゆっく
りと滴下し、24時間激しく撹拌した。24時間後、反
応溶液を濃縮し、これにメタノール200mlを加えて
沈澱したポリマーを濾取した。メタノール10mlで3
回、ジエチルエーテル10mlで3回洗浄し、60℃で
6時間減圧乾燥した後、ポリマーを得た。本重合体の分
析結果を表1に示す。なお、得られた重合体を1,2−ジ
クロロベンゼン−d4中、120℃でNMR分析(JEOL社製L
A600)した。1H−NMR(600MHz)より、0.98ppm(3H)、
1.53ppm(28H)、2.43ppm(6H)、2.64ppm(2H)、6.69
ppm(2H,s)のピークが観測された。これらから、本ポ
リマーは水酸基末端がステアリン酸エステルに変換され
た2,5−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド構
造を有していることが判明した。また、2.64ppm(2H)
と2.43ppm(6H)のピークの積分強度比より、2,5−DMPO
一分子当たりのステアリン酸エステル基の数はおよそ1
であった。
【0093】実施例3 電磁撹拌機を備えた50ml二つ口丸底フラスコに、ア
ルゴン導入管を装着した冷却管を取付け、フラスコ内を
アルゴンに置換した。これに、上記参考例1で得られた
2,5−DMPO200mg(水酸基末端で0.082mmo
l)と、2,6−ジメチルピリジン0.16mmol、テ
レフタル酸二塩化物0.041mmol、1,2−ジクロ
ロベンゼン10gを加えた。これを140℃に保温して
2,5−DMPOを溶解させた。その後130℃に下げ、72
時間激しく撹拌した。72時間後、反応溶液にメタノー
ル200mlを少しずつ加えて沈澱したポリマーを濾取
した。メタノール100mlで洗浄し、60℃で6時間
減圧乾燥した後、ポリマーを得た。本重合体の分析結果
を表1に示す。なお、得られた重合体を1,2−ジクロロ
ベンゼン−d4中、120℃でNMR分析(JEOL社製LA600)
した。1H−NMR(600MHz)より、2.18ppm(6H)、6.73pp
m(2H,s)、8.31ppm(4H)のピークが観測された。これ
らから、本ポリマーは2分子の2,5−DMPOの水酸基末端
とテレフタル酸二塩化物とのエステル化によって分子内
にテレフタル酸ジエステルユニットを有する2,5−DMPO
ブロックポリマーであることが判明した。
【0094】実施例4 電磁撹拌機を備えた50ml二つ口丸底フラスコに、ア
ルゴン導入管を装着した冷却管を取付け、フラスコ内を
アルゴンに置換した。これに、上記参考例1で得られた
2,5−DMPO200mg(水酸基末端で0.082mmo
l)と、2,6−ジメチルピリジン0.16mmol、1,1
2−ドデカン二酸二塩化物0.041mmol、1,2−ジ
クロロベンゼン10gを加えた。これを140℃に保温
して2,5−DMPOを溶解させた。その後130℃に下げ、
72時間激しく撹拌した。72時間後、反応溶液にメタ
ノール200mlを少しずつ加えて沈澱したポリマーを
濾取した。メタノール100mlで洗浄し、60℃で6
時間減圧乾燥した後、ポリマーを得た。本重合体の分析
結果を表1に示す。なお、得られた重合体を1,2−ジク
ロロベンゼン−d4中、120℃でNMR分析(JEOL社製LA6
00)した。1H−NMR(600MHz)より、1.30ppm(12H)、
2.17ppm(6H)、6.71ppm(2H,s)のピークが観測され
た。これらから、本ポリマーは2分子の2,5−DMPOの水
酸基末端と1,12−ドデカン二酸二塩化物とのエステル化
によって分子内に1,12−ドデカン二酸ジエステルユニッ
トを有する2,5−DMPOブロックポリマーであることが判
明した。
【0095】実施例5 電磁撹拌機を備えた50ml二つ口丸底フラスコに、ア
ルゴン導入管を装着した冷却管を取付け、フラスコ内を
アルゴンに置換した。これに、上記参考例2で得られた
2,5−DMPO200mgと、2,6−ジメチルピリジン6.5
6mmol、1,2−ジクロロベンゼン10gを加えた。
これを140℃に保温して2,5−DMPOを溶解させた。そ
の後130℃に下げた。この溶液に、アニス酸塩化物
3.28mmolをゆっくりと滴下し、24時間激しく
撹拌した。24時間後、反応溶液にメタノール200m
lを少しずつ加えて沈澱したポリマーを濾取した。メタ
ノール100mlで洗浄し、60℃で6時間減圧乾燥し
た後、ポリマーを得た(収率:100.0%)。本重合
体の分析結果を表1に示す。なお、得られた重合体を1,
2−ジクロロベンゼン−d4中、120℃でNMR分析(JEOL
社製LA600)した。1H−NMR(600MHz)より、2.18ppm(6
H)、3.68ppm(3H)、6.72ppm(2H, s)、8.11ppm(2
H)のピークが観測された。これらから、本ポリマーは
水酸基末端がアニス酸エステルに変換された2、5−ジ
メチルー1、4−フェニレンオキサイド構造を有してい
ることが判明した。また、3.68ppm(3H)と2.18ppm(6
H)のピークの積分強度比より、2,5−DMPO一分子当たり
のアニス酸エステル基の数はおよそ1であった。
【0096】実施例6 電磁撹拌機を備えた50ml二つ口丸底フラスコに、ア
ルゴン導入管を装着した冷却管を取付け、フラスコ内を
アルゴンに置換した。これに、上記参考例2で得られた
2,5−DMPO200mg(水酸基末端0.096m
mol)と、2,6−ジメチルピリジン6.56mmo
l、1,2−ジクロロベンゼン10gを加えた。これを
140℃に保温して2,5−DMPOを溶解させた。そ
の後80℃に下げた。この溶液に、メタクリル酸塩化物
3.28mmolをゆっくりと滴下し、24時間激しく
撹拌した。24時間後、反応溶液にメタノール200m
lを少しずつ加えて沈澱したポリマーを濾取した。メタ
ノール100ml、トルエン50ml、アセトン50m
lで洗浄し、60℃で6時間減圧乾燥した。その後、得
られたポリマーに1,2−ジクロロベンゼン10gを加
え、これを140℃に保温して溶解させた。この溶液を
メタノールの沸点以下まで十分に下げた後、メタノール
200mlを少しずつ加えて沈澱したポリマーを濾取し
た。メタノール100ml、トルエン50ml、アセト
ン50mlで洗浄し、60℃で6時間減圧乾燥した(本
操作を再沈澱精製という)。さらにこの再沈澱精製を一
回行い、ポリマーを得た(収率:87.1%)。本重合
体の分析結果を表1に示す。なお、得られた重合体を
1,2−ジクロロベンゼン−d中、120℃でNMR
分析(JEOL社製 LA600)した。 H−NMR
(600MHz)より、1.21ppm(3H)、2.
17ppm(6H)、5.56ppm、6.27ppm
(2H)、6.71ppm(2H,s)のピークが観測
された。これらから、本ポリマーは水酸基末端がメタク
リル酸エステルに変換された2,5−ジメチル−1,4
−フェニレンオキサイド構造を有していることが判明し
た(本重合体を2,5−DMPOメタクリル酸エステル
と略す。)。
【0097】実施例7 電磁撹拌機を備えた200ml三つ口丸底フラスコに、
アルゴン導入管を装着した冷却管を取付け、フラスコ内
をアルゴンに置換した。これに、上記参考例2で得られ
た2,5−DMPO3.0g(水酸基末端1.44mm
ol)と、2,6−ジメチルピリジン98.40mmo
l、1,2−ジクロロベンゼン150gを加えた。これ
を140℃に保温して2,5−DMPOを溶解させた。
その後80℃に下げた。この溶液に、メタクリル酸塩化
物49.20mmolをゆっくりと滴下し、24時間激
しく撹拌した。24時間後、反応溶液にメタノール10
00mlを少しずつ加えて沈澱したポリマーを濾取し
た。メタノール500ml、トルエン150ml、アセ
トン150mlで洗浄し、60℃で6時間減圧乾燥した
(収率:88.8%)。その後、得られたポリマー2.
0gに1,2−ジクロロベンゼン110gを加え、これ
を140℃に保温して溶解させた。この溶液をメタノー
ルの沸点以下まで十分に下げた後、メタノール200m
lを少しずつ加えて沈澱したポリマーを濾取した。メタ
ノール100ml、トルエン50ml、アセトン50m
lで洗浄し、60℃で6時間減圧乾燥した(本操作を再
沈澱精製という)。さらにこの再沈澱精製を一回行い、
ポリマーを得た(収率:82.6%)。本重合体の分析
結果を表1に示す。なお、得られた重合体を1,2−ジ
クロロベンゼン−d中、120℃でNMR分析(JE
OL社製 LA600)した。 H−NMR(600M
Hz)より、1.16ppm(3H)、2.11ppm
(6H)、5.56ppm、6.28ppm(2H)、
6.72ppm(2H,s)のピークが観測された。こ
れらから、本ポリマーは水酸基末端がメタクリル酸エス
テルに変換された2,5−ジメチル−1,4−フェニレ
ンオキサイド構造を有していることが判明した(本重合
体を2,5−DMPOメタクリル酸エステルと略
す。)。
【0098】(iv)グラフト共重合化 実施例8 電磁撹拌機を備えた25ml二つ口丸底フラスコに、ア
ルゴン導入管を装着した冷却管を取付け、フラスコ内を
アルゴンに置換した。これに、上記実施例6で得られた
2,5−DMPOメタクリル酸エステル15mg(メタクリル
酸エステルとして0.007mmol)と、1,2−ジク
ロロベンゼン1.125gを加えた。これを140℃に
保温して2,5−DMPOメタクリル酸エステルを溶解させ
た。その後80℃に下げた。この溶液に、1,2−ジクロ
ロベンゼン0.2gに共重合性モノマーとしてメタクリ
ル酸メチル0.6mmolと、ラジカル重合開始剤とし
てα、α´−アゾビスイソブチロニトリル0.06mm
olをアルゴン雰囲気下で溶解させたものをゆっくりと
滴下し、24時間激しく撹拌した。24時間後、反応溶
液にメタノール200mlを少しずつ加えて沈澱したポ
リマーを濾取した。メタノール100mlで洗浄し、6
0℃で6時間減圧乾燥した後、ポリマーを得た(収率:
23.7%)。本重合体の分析結果を表1に示す。な
お、得られた重合体を1,2−ジクロロベンゼン−d4中、
120℃でNMR分析(JEOL社製LA600)した。1H−NMR(6
00MHz)より、1.09ppm(3H)、2.17ppm(6H)、3.57ppm
(3H)、6.71ppm(2H, s)のピークが観測された。な
お、未反応の2,5−DMPOメタクリル酸エステルの5.56pp
m、6.27ppm(2H)が観測され、1H−NMR測定結果より、
未反応の2,5−DMPOメタクリル酸エステルが45モル%
含有していることがわかった。したがって、2,5−DMPO
メタクリル酸エステルの55モル%がラジカル重合して
いることがわかった。これらから、本ポリマーは2,5−D
MPOメタクリル酸エステルとメタクリル酸メチルのメタ
クリロイル基がラジカル重合した共重合体であり、共重
合体における両構造単位の含有率はそれぞれ6.2モル
%、93.8モル%であることが判明した。
【0099】(v)グラフト共重合化 実施例9 電磁撹拌機を備えた25ml二つ口丸底フラスコに、ア
ルゴン導入管を装着した冷却管を取付け、フラスコ内を
アルゴンに置換した。これに、上記実施例7で得られた
2,5−DMPOメタクリル酸エステル200mg(メ
タクリル酸エステルとして0.0096mmol)と、
1,2−ジクロロベンゼン1.5gを加えた。これを1
40℃に保温して2,5−DMPOメタクリル酸エステ
ルを溶解させた。その後80℃に下げた。この溶液に、
1,2−ジクロロベンゼン0.26gに共重合性モノマ
ーとしてメタクリル酸フェニル0.8mmolと、ラジ
カル重合開始剤としてα,α′−アゾビスイソブチロニ
トリル0.08mmolをアルゴン雰囲気下で溶解させ
たものをゆっくりと滴下し、24時間激しく撹拌した。
24時間後、反応溶液にメタノール200mlを少しず
つ加えて沈澱したポリマーを濾取した。メタノール10
0mlで洗浄し、60℃で6時間減圧乾燥した後、ポリ
マーを得た(収率:58.0%)。本重合体の分析結果
を表1に示す。なお、得られた重合体を1,2−ジクロ
ロベンゼン−d中、120℃でNMR分析(JEOL
社製 LA600)した。 H−NMR(600MH
z)より、1.25ppm(3H)、2.17ppm
(6H)、6.72ppm(2H,s)のピークが観測
された。H−NMR測定結果より、本ポリマーは2,
5−DMPOメタクリル酸エステルとメタクリル酸フェ
ニルのメタクリロイル基がラジカル重合した共重合体で
あり、共重合体における両構造単位の含有率はそれぞれ
0.4モル%、99.6モル%であることが判明した。
【0100】実施例10 電磁撹拌機を備えた25ml二つ口丸底フラスコに、ア
ルゴン導入管を装着した冷却管を取付け、フラスコ内を
アルゴンに置換した。これに、上記実施例7で得られた
2,5−DMPOメタクリル酸エステル100mg(メ
タクリル酸エステルとして0.048mmol)と、
1,2−ジクロロベンゼン7.5gを加えた。これを1
40℃に保温して2,5−DMPOメタクリル酸エステ
ルを溶解させた。その後80℃に下げた。この溶液に、
共重合性モノマーとしてメタクリル酸メチル13.5m
molをアルゴン雰囲気下で加え、さらに、1,2−ジ
クロロベンゼン1.33gにラジカル重合開始剤として
α,α′−アゾビスイソブチロニトリル0.27mmo
lをアルゴン雰囲気下で溶解させたものの1/7をゆっ
くりと加えて重合を開始させ、残りを1時間おきに6回
に分けてゆっくりと滴下し、24時間激しく撹拌した。
24時間後、反応溶液にメタノール200mlを少しず
つ加えて沈澱したポリマーを濾取した。メタノール10
0mlで洗浄し、60℃で6時間減圧乾燥した後、ポリ
マーを得た(収率:42.2%)。本重合体の分析結果
を表1に示す。なお、得られた重合体を1,2−ジクロ
ロベンゼン−d中、120℃でNMR分析(JEOL
社製 LA600)した。 H−NMR(600MH
z)より、1.09ppm(3H)、1.98ppm
(6H)、3.58ppm(3H)、6.71ppm
(2H,s)のピークが観測された。H−NMR測定
結果より、本ポリマーは2,5−DMPOメタクリル酸
エステルとメタクリル酸メチルのメタクリロイル基がラ
ジカル重合した共重合体であり、共重合体における両構
造単位の含有率はそれぞれ0.3モル%、99.7モル
%であることが判明した。
【0101】実施例11 電磁撹拌機を備えた25ml二つ口丸底フラスコに、ア
ルゴン導入管を装着した冷却管を取付け、フラスコ内を
アルゴンに置換した。これに、上記実施例7で得られた
2,5−DMPOメタクリル酸エステル100mg(メ
タクリル酸エステルとして0.048mmol)と、
1,2−ジクロロベンゼン7.5gを加えた。これを1
40℃に保温して2,5−DMPOメタクリル酸エステ
ルを溶解させた。その後80℃に下げた。この溶液に、
1,2−ジクロロベンゼン1.33gに共重合性モノマ
ーとしてメタクリル酸メチル13.5mmolと、ラジ
カル重合開始剤として1,1′−アゾビス(シクロヘキ
サン−1−カルボニトリル)0.27mmolをアルゴ
ン雰囲気下で溶解させたものをゆっくりと滴下し、24
時間激しく撹拌した。24時間後、反応溶液にメタノー
ル200mlを少しずつ加えて沈澱したポリマーを濾取
した。メタノール100mlで洗浄し、60℃で6時間
減圧乾燥した後、ポリマーを得た(収率:80.3
%)。本重合体の分析結果を表1に示す。なお、得られ
た重合体を1,2−ジクロロベンゼン−d中、120
℃でNMR分析(JEOL社製 LA600)した。
H−NMR(600MHz)より、1.13ppm(3
H)、2.23ppm(6H)、3.64ppm(3
H)、6.78ppm(2H,s)のピークが観測され
た。H−NMR測定結果より、本ポリマーは2,5−
DMPOメタクリル酸エステルとメタクリル酸メチルの
メタクリロイル基がラジカル重合した共重合体であり、
共重合体における両構造単位の含有率はそれぞれ0.0
2モル%、99.98モル%であることが判明した。
【0102】上記参考例1及び2、上記実施例1〜11
において、得られた重合体は全てパウダーであり、その
平均粒径は目視で約2mm以下であった。
【0103】
【表1】
【0104】下記表2に、上記実施例8〜11で得られ
たグラフト共重合体を含んだ樹脂組成物について、含有
する各重合体1分子の全構造単位数の平均値と、その重
合体平均1分子当たりの一般式(IV)又は(V)で表わ
される構造単位の数の平均値をそれぞれ示す。なお、こ
れらの平均値は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィーより算出した数平均分子量とNMR分析により得ら
れたグラフト共重合体における一般式(IV)又は(V)
で表わされる両構造単位の含有率から算出した。
【0105】
【表2】
【0106】
【発明の効果】本発明の(2,5−ジ置換−1,4−フ
ェニレンオキサイド)ブロック共重合体および(2,5
−ジ置換−1,4−フェニレンオキサイド)グラフト重
合体は、ポリ(2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオ
キサイド)の分子量を向上させることができる。これに
より、成形体の機械的強度、耐衝撃性等がいっそう向上
することが期待され、射出成形材料やフィルム材料など
にさらに有用であるといえる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滑川 崇平 茨城県つくば市春日2丁目40−1 住友化 学かつらぎ寮406 (72)発明者 小林 四郎 茨城県つくば市東1丁目1番 経済産業省 産業技術総合研究所物質工学工業技術研究 所内 Fターム(参考) 4J002 AA00X BB03X BB12X BC03X BD04X BF02X BN18W CC03X CD00X CF00X CH07W CH07X CL00X CM04X CN00X 4J005 AA23 AA24 BB02 BD00 4J027 AC01 AC05 AC06 BA07 CB09 CC02 CD01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子中に、一般式(I)で表わされる
    ブロック構造単位を1単位以上有し、一般式(II)又は
    一般式(III)で表わされる構造単位を少なくとも1単
    位含有することを特徴とする(2,5−ジ置換−1,4
    −フェニレンオキサイド)ブロック共重合体。 【化1】 (式中、Rは無置換炭化水素基または置換炭化水素基
    を表わし、二つのRは互いに同一でも異なっていても
    よい。Rは無置換アリレン基または置換アリレン基を
    表わし、Rは無置換アルキレン基、置換アルキレン
    基、無置換アラルキレン基、置換アラルキレン基、無置
    換アルケニレン基、置換アルケニレン基、無置換アラル
    ケニレン基、置換アラルケニレン基、無置換アルキニレ
    ン基、置換アルキニレン基、無置換アラルキニレン基ま
    たは置換アラルキニレン基を表わす。Tは−CO−、−
    CONH−または−SO2−を表わし、Qは−O−、−
    CO−、−SO2−、−OCO−、−NHCO−または
    −OSi(CH3)2−を表わす。aは数平均重合度を表わ
    し、5以上の数である。b、c、dおよびeは1または
    0であり、c、dおよびeの少なくとも一つは1であ
    る。)
  2. 【請求項2】 一般式(I)におけるaが5〜5,00
    0であり、一般式(I)で表わされるブロック構造単位
    が1分子中1〜1,000単位であり、一般式(II)及
    び/又は一般式(III)で表わされる構造単位が1分子
    中1〜1,000,000単位であることを特徴とする
    請求項1記載の(2,5−ジ置換−1,4−フェニレン
    オキサイド)ブロック共重合体。
  3. 【請求項3】 1分子中に、一般式(IV)で表わされる
    構造単位を1単位以上有するか、又は一般式(IV)で表
    わされる構造単位及び一般式(V)で表わされる構造単
    位を3単位以上含有することを特徴とする(2,5−ジ
    置換−1,4−フェニレンオキサイド)グラフト重合
    体。 【化2】 (式中、Rは無置換炭化水素基または置換炭化水素基
    を表わし、二つのRは互いに同一でも異なっていても
    よい。RおよびRは三官能性無置換炭化水素基また
    は三官能性置換炭化水素基を表わす。Rは水素原子、
    ハロゲン原子、無置換炭化水素基または置換炭化水素基
    を表す。Uは−CO−、−OCO−または−NHCO−
    を表わす。Wは−O−、−CO−、−CO2−、−OC
    O−または−CONH−を表わす。aは数平均重合度を
    表わし、5以上の数である。fおよびgは1または0で
    ある。)
  4. 【請求項4】 一般式(IV)におけるaが5〜5,00
    0であり、一般式(IV)で表わされる構造単位が1分子
    中1〜100,000単位であり、一般式(IV)及び/
    又は一般式(V)で表わされる構造単位が1分子中3〜
    1,000,000単位であることを特徴とする請求項
    3記載の(2,5−ジ置換−1,4−フェニレンオキサ
    イド)グラフト重合体。
  5. 【請求項5】 一般式(IV)におけるfが1であること
    を特徴とする請求項3または4記載の(2,5−ジ置換
    −1,4−フェニレンオキサイド)グラフト重合体。
  6. 【請求項6】 平均粒径が5mm以下のパウダーである
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    重合体。
  7. 【請求項7】 溶融後、冷却する際に、150℃以上に
    5J/g以上の結晶化の発熱ピークを示す、及び/又
    は、溶融物を、冷却後、再び加熱する際に、150℃以
    上に5J/g以上の結晶融解の吸熱ピークを示すことを
    特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の重合
    体。
  8. 【請求項8】 実質的にゲル分を含まないことを特徴と
    する請求項1〜7のいずれか1項に記載の重合体。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の重
    合体を含んでなることを特徴とする樹脂組成物。
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