JPH0264127A - エポキシトリアジンでキャッピングされたポリフェニレンエ―テルおよびその製造方法 - Google Patents

エポキシトリアジンでキャッピングされたポリフェニレンエ―テルおよびその製造方法

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JPH0264127A
JPH0264127A JP1159847A JP15984789A JPH0264127A JP H0264127 A JPH0264127 A JP H0264127A JP 1159847 A JP1159847 A JP 1159847A JP 15984789 A JP15984789 A JP 15984789A JP H0264127 A JPH0264127 A JP H0264127A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、エポキシ基を含有するポリフェニレンエーテ
ルの製造、および、コポリマー含有組成物の製造におけ
るそのようなポリフェニレンエーテルの使用に係る。
ポリフェニレンエーテルは、優れた加水分解安定性、寸
法安定性、強靭性、耐熱性および誘電特性を特徴とし、
広く使用されている一群の熱可塑性エンジニアリング樹
脂である。しかし、これらの樹脂はいくつかの他の特性
、たとえば加工性や溶剤耐性などに欠ける。したがって
、これらの他の特性を改良するためにポリフェニレンエ
ーテルを変性する手段の探索が続けられている。
研究されている手段の中には、ポリフェニレンエーテル
をある種の他の樹脂材料、たとえばポリエステル、ポリ
アミドまたはオレフィンポリマーなどとブレンドするこ
とがある。しかし、これらの他の材料とポリフェニレン
エーテルとのブレンドは通常不相溶性である。このよう
なブレンドから製造された成形部品は一般に脆性であり
、衝撃を受けるとひどい層剥離をすることがある。
ポ”リフエニレンエーテルーポリエステル組成物を1口
溶性にするための数多くの方法が開発されている。たと
えば、国際出願公開第87/850号には、芳香族ポリ
カーボネートを添加して相溶化されたブレンドが記載さ
れている。このブレンドは、自動車のボディ一部品の製
造などのような厳しい条件の多くの応用にも極めて有用
である。しかし、ポリカーボネートが存在するために熱
変形温度などのような他のある種の特性が損われること
がある。
加えて、以下に詳しく記載するように、市販されている
ある種のポリフェニレンエーテル上に存在するアミノア
ルキルで置換された末端基のために問題が生ずることも
ある。最適の衝撃強さを得るためには、このアミノアル
キルで置換された末端基やポリフェニレンエーテル中に
不純物として存在することが多い他のアミン成分を除去
する必要があることが多い。アミン抑制剤および/また
はポリフェニレンエーテルの真空脱気を使用するなどの
ような便法はアミノ窒素含量を減らすのに有効ではある
が、プロセス操作に工程をひとつ付は加えることになり
、これは情況によっては望ましくないことである。
ポリフェニレンエーテルとポリエステルとのコポリマー
を製造する各種の方法も知られている。
そのようなコポリマーは同じ樹脂間のブレンドの相溶化
剤として有効であることが多い。コポリマーの形成を容
易にするために、官能基を含有するポリフェニレンエー
テルを使用することが推奨されることが多い。たとえば
、エポキシ基はポリエステルやポリアミド中のアミノ基
、ヒドロキシ基およびカルボキシ基などのような親核性
の基と反応をすることができ、コポリマーを形成する。
エポキシで官能化されたポリフェニレンエーテルの製造
方法のいくつかがさまざまな特許や刊行物に開示されて
いる。たとえば、米国特許箱4゜460.743号には
、ポリフェニレンエーテルとエビクロロヒドリンとから
エポキシで官能化されたポリマーを生成する反応が記載
されている。
しかし、この方法ではポリフェニレンエーテルを大過剰
のエピクロロヒドリンに溶解する必要があるが、この比
較的高価な試薬は皮膚に強い刺激を与え、しかも腎臓に
障害を起こすことがある。
国際出願公開第87/7279号には、ポリフェニレン
エーテルをテレフタロイルクロライドおよびグリシドー
ルと反応させて、たとえばポリエステルとのコポリマー
の製造に有用なエポキシで官能化されたポリフェニレン
エーテルを形成することが記載されているが、この方法
でポリエステルとのコポリマーを形成するにはトリクロ
ロベンゼンなどのような比較的高価で高沸点の溶媒中で
の溶液反応が必要であり、しかもその反応速度は極めて
遅い。
また、この同じ国際出願には、遊離基開始剤を存在させ
てグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート
およびアリルグリシジルエーテルなどのような各種のエ
ポキシで官能化されたエチレン系モノマーをポリフェニ
レンエーテルと反応させることが記載されている。得ら
れるエポキシで官能化された物質は溶融反応によってポ
リアミドとのコポリマーを製造する際の中間体として有
用である。しかし、この方法によるポリフェニレンエー
テルの官能化には大量のモノマーが必要であるのが普通
であり、そのようなモノマーの中には、たとえばグリシ
ジルメタクリレートなどのように毒性のものがある。さ
らに、この反応は一般にエポキシで官能化されたモノマ
ーの単独重合を伴ない、従ってその後、粗製重合生成物
を溶解し次いでポリフェニレンニーチル−メチレンクロ
ライド錯体を形成し分解するといった複雑な手順によっ
てホモポリマーを除去する必要がある。したがって、こ
れらの物質は産業的規模ですぐにコポリマーの製造に使
用することはできない。
本発明は、簡単な溶液条件または界面条件と比較的安価
な試薬とを使用してポリフェニレンエーテル中にエポキ
シ官能性を導入するための簡単な方法を提供する。得ら
れる生成物は反応性が極めて高く、溶液条件および溶融
条件の両方で、親核性の強いものおよび弱いものを含め
た広範囲のポリマー、特にポリエステルやポリアミドと
ポリフェニレンエーテルとのコポリマー組成物に容易に
変換できる。この組成物は、特に従来のポリフェニレン
エーテル用の衝撃改質剤とブレンドしたときに、優れた
物性を示す。また、これらは官能化されてないポリフェ
ニレンエーテルを含有するブレンドを相溶性にする。
本発明は、その−面において、エポキシトリアジンでキ
ャッピングされたポリフェニレンエーテル組成物を包含
する。この組成物は、下記式(1)の末端基を有するポ
リマー分子からなる。
ここで、 各Qlは、それぞれ独立しており、ノ10ゲン、第一級
もしくは第二級の低級アルキル(すなわち、炭素原子を
7個まで含有するアルキル)、フェニル、ハロアルキル
、アミノアルキル、炭化水素オキシ、またはハロ炭化水
素オキシ(ただし、少なくとも2個の炭素原子がハロゲ
ン原子と酸素原子を隔てている)であり、 各Q2は、それぞれ独立しており、水素、/’%ロゲン
、第一級もしくは第二級の低級アルキル、フェニル、ハ
ロアルキル、炭化水素オキシ、またはQlに対して定義
した!10炭化水素オキシであり、Xは、アルキル基、
シクロアルキル基もしくは芳香族基、または次式の基で
あり、 R1は二価の脂肪族、脂環式、複素環式または置換もし
くは非置換の芳香族炭化水素基である。
本発明の組成物は業界で公知のポリフェニレンエーテル
から以下に記載するようにして製造できる。このポリフ
ェニレンエーテルには数多くの変形および修正が包含さ
れ、以下に非限定的に記載するものも含めてそのすべて
が本発明に適用できる。
ポリフェニレンエーテルは次式の構造単位を複数個含ん
でいる。
この単位の各々はそれぞれ独立しており、各Q1と各Q
2はすでに定義した通りである。QlおよびQ2として
適切な第一級の低級アルキル基の例は、メチル、エチル
、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、n−アミル
、イソア、ミル、2−メチルブチル、n−ヘキシル、2
.3−ジメチルブチル、2−13−または4−メチルペ
ンチル、および対応するヘプチル基である。第二級の低
級アルキル基の例はイソプロピル、5ec−ブチルおよ
び3−ペンチルである。アルキル基はいずれも分枝より
直鎖であるのが好ましい。各Q1がアルキルまたはフェ
ニル、特にC1−4のアルキルで、各Q2が水素である
のが最も普通である。適したポリフェニレンエーテルは
数多くの特許に開示されている。
ホモポリマーとコポリマーのポリフェニレンエーテルが
双方とも包含される。適切なホモポリマーは、たとえば
2.6−ジメチル−1.4−フェニレンエーテル単位を
含有するものである。適したコポリマーとしては、上記
の単位を(たとえば)2、 3. 61−リメチル−1
,4−フェニレンエ−チル単位と共に含有するランダム
コポリマーがある。たくさんの適したランダムコポリマ
ーとホモポリマーが特許文献に開示されている。
また、分子量、溶融粘度および/または衝撃強さなどの
特性を改質する部分を含有するポリフェニレンエーテル
も包含される。そのようなポリマーは特許文献に記載さ
れており、アクリロニトリルやビニル芳香族化合物(た
とえばスチレン)などのようなビニルモノマー、または
ポリスチレンやエラストマーなどのようなポリマーを公
知の方法でポリフェニレンエーテル上にグラフトさせる
ことによって製造できる。この生成物は通常グラフト化
部分と非グラフト化部分の両方とも含有する。他の適切
なポリマーは、ふたつのポリフェニレンエーテル鎖のヒ
ドロキシ基とカップリング剤を公知の方法で反応させて
ヒドロキシ基とカップリング剤との反応生成物を含有す
るより高分子量のポリマーとして生成されたカップル化
ポリフェニレンエーテルである(ただし、遊離のヒドロ
キシ基のかなりの割合が残留する必要がある)。カップ
リング剤の実例は低分子量のポリカーボネート、キノン
類、複索環式化合物類およびホルマール類である。
これらのポリフェニレンエーテルは、一般に、数平均分
子量が約3.000〜40.000の範囲内であり、重
量平均分子量が約20,000〜go、oooの範囲内
である。これらはゲル透過クロマトグラフィーで測定さ
れる。その固を粘度は25°Cのクロロホルム中で測定
して約0.15〜0.6dl/gの範囲であるのが最も
普通である。
ポリフェニレンエーテルは、通常、対応する少なくとも
1種のモノヒドロキシ芳香族化合物の酸化カップリング
によって製造される。特に有用で人手容易なモノヒドロ
キシ芳香族化合物は2,6キシレノール[すなわち、各
Q1がメチルで各Q2が水素であって、この場合得られ
るポリマーはポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニ
レンエーテル)と特徴付けられる]、および2,3゜6
−ドリメチルフエノール(すなわち、各Qlと一方のQ
2がメチルでもう一方のQ2が水素)である。
酸化カップリングによるポリフェニレンエーテル製造用
として各種の触媒系が知られている。触媒の選択に関し
て特に制限はなく、公知の触媒のいずれも使用すること
ができる。はとんどの場合これらは、銅、マンガンまた
はコバルトの化合物などのような重金属の化合物を少な
くとも1種、通常は他のいろいろな物質と組合せて含有
している。
好ましい触媒系の第一の群は銅化合物を含有するものか
ら成る。そのような触媒は、たとえば米国特許第3,3
06,874号、第3,306゜875号、第3,91
4,266号および第4゜028.341号に開示され
ている。これらは、通常、第一銅または第二銅のイオン
、ハロゲン(すなわち、塩素、臭素またはヨウ素)イオ
ンおよび少なくとも1種のアミンの組合せである。
マンガン化合物を含有する触媒系は第二の好ましい一群
を構成する。それらは一般に二価のマンガンがハライド
、アルコキシドまたはフェノキシトなどのようなアニオ
ンと組合せられているアルカリ性の系である。最も普通
の場合、このマンガンは1種以上の錯化剤および/また
はキレート化剤との錯体として存在している。そのよう
な錯化剤および/またはキレート化剤としては、ジアル
キルアミン、アルカノールアミン、アルキレンジアミン
、O−ヒドロキシ芳香族アルデヒド、0−ヒドロキシア
ゾ化合物、ω−ヒドロキシオキシム(モノマー性のもの
もポリマー性のものも含む)、0−ヒドロキシアリール
オキシムおよびβ−ジケトンがある。また、コバルトを
含有する公知の触媒系も有用である。ポリフェニレンエ
ーテルの製造用として適したマンガンおよびコバルトを
含有する触媒系は数多くの特許と刊行物の開示によって
業界で公知である。
本発明の目的に使用できるポリフェニレンエーテルには
、次式の末端基を少なくともひとつ有する分子からなる
ものがある。
ここで、QlとQ2はすでに定義した通りであり、各R
2はそれぞれ独立して水素かアルキルであるが、ふたつ
のR2JJ中の炭素原子の総数は6以下であり、各R3
はそれぞれ独立して水素かCの第一級アルキル基である
。各R2が水素で、各R3がアルキル、特にメチルかn
−ブチルであるのが好ましい。
式■のアミノアルキルで置換された末端基を含有するポ
リマーは、特に銅かマンガンを含有する触媒を使用する
場合、酸化カップリング反応混合物の成分のひとつとし
て適当な第一級または第二級のモノアミンを配合するこ
とによって通常得られる。そのようなアミン、特にジア
ルキルアミン、好ましくはジ−n−ブチルアミンおよび
ジメチルアミンは、最も普通の場合1個以上のQ1基上
のα−水素原子のひとつと置き替わることによって、ポ
リフェニレンエーテルに化学的に結合されることが多い
。反応の主要な部位は、ポリマー鎖の末端単位上のヒド
ロキシ基に隣接するQ1基である。
このアミノアルキルで置換された末端基は、さらに加工
処理および/またはブレンド処理を受ける間に、おそら
くは下記式(Vl)のキノンメチド型その際、衝撃強さ
が高くなったり、他のブレンド成分との相溶性が増大し
たりするなど、多くの有益な効果を伴うことが多い。米
国特許節4.o54.553号、第4,092,294
号、第4゜477.649号、第4,477.651号
および第4.517.341号を参照されたい。
式Vの4−ヒドロキシビフェニル末端基をもつポリマー
は、特に銅−ハライド−第二級または第三級アミン系の
場合、下記式■で表わされる副生物のジフェノキノンが
存在する反応混合物から得られるのが典型的である。
この点については、米国特許節4.234,706号お
よび第4,482,697号の開示と共に、米国特許節
4,477.649号の開示がここでも関連している。
この種の混合物の場合、ジフェノキノンは最終的にかな
りの割合が、多くは末端基としてポリマー中に取り込ま
れる。
上記の条件下で得られる多くのポリフェニレンエーテル
では、ポリマー分子のかな、りの割合、典型的にはポリ
マーの約90重量%を構成するほどの割合の分子が式■
と■の末端基のどちらかまたはしばしば両方を含有する
。しかしながら、その他の末端基が存在していてもよく
、また本発明はその最も広い意味においてポリフェニレ
ンエーテル末端基の分子構造に依存するものではないと
考えられたい。しかし、水素に結合してない遊離のヒド
ロキシ基がかなりの割合で存在する必要がある。すなわ
ち、ヒドロキシで末端が停止した末端基のかなりの割合
は式■以外の構造を有する。
中和されてないアミノ窒素をかなりの量で含有するポリ
フェニレンエーテルを使用すると望ましくないほどに衝
撃強さが低い組成物が得られることがある。このことの
可能な理由は以下に述べる。
このアミノ化合物には、上述のアミノアルキル末端基の
外に、ポリフェニレンエーテルの製造に使用した触媒中
の微量のアミン(特に第二級アミン)が含まれる。
したがって、本発明は、アミノ化合物のかなりの割合が
除去されているかまたは不活化されているポリフェニレ
ンエーテルの使用を包含する。そのように処理されたポ
リマーは、中和されてないアミノ窒素をもし含んでいる
にしてもせいぜい800ppmまでの量で含有し、さら
に好ましくは約100〜800ppmの範囲で含有する
不活化の好ましい方法は、ポリフェニレンエーテルを約
230〜350℃の範囲内の温度で真空脱気しながら押
出すことである。これは、押出機のベントを、約200
トル以下の圧力まで減圧することができる真空ポンプに
接続することによって実施するのが好1.い。本発明の
組成物の押出の際にも真空脱気を使用すると存利であろ
う。
この不活化法は、アミノアルキル末端基が式■で表わさ
れるタイプのキノンメチドに変換される際に生じるアミ
ン類を始めとしてポリマー中に存在する微量の遊離アミ
ン(主として第二級アミン)をすべて蒸発によって除去
する助けとなると思われる。
以上のことから当業者には明らかなように、本発明での
使用が考えられるポリフェニレンエーテルには、構造単
位または付随する化学的特徴に関係なく現在知られてい
るものがすべて含まれる。
本発明の組成物中のエポキシトリアジンでキャッピング
されたポリフェニレンエーテル上の末端基は式Iを有し
ている。ただし、式中のQlとQ2はすでに定義した通
りであり、Xはアルキル基またはシクロアルキル基、通
常は低級アルキル、特に第一級か第二級の低級アルキル
でもよく、芳香族基、通常は炭素原子を6〜10個含有
する単環式基、特に芳香族炭化水素基でもよく、あるい
は式■の基でもよい。式Iと■で、R1は脂肪族、脂環
式、芳香族(業界で認識されている置換ぷを含有する芳
香族基を含む)、または複素環式でよく、普通は低級の
アルキレン、特にメチレンである。
本発明の別の一面は、上記のエポキシトリアジンでキャ
ッピングされたポリフェニレンエーテル組成物の製造方
法である。この方法は、反応性の条件下で、塩基性の試
薬を存在させて、少なくとも1種のポリフェニレンエー
テルを、下記式(■)のエポキシクロロトリアジンに接
触させることからなる。
ここで、RIとXはすでに定義した通りである。
式■の典型的なエポキシクロロトリアジン類としては、
2−クロロ−4,6−シグリシドキシ1、 3. 5−
)リアジン(以下rDGccJとする)、2−クロロ−
4−メトキシ−6−ゲリシドキシー1. 3. 5−)
リアジン、2−クロロ−4(n−ブトキシ)−6−ゲリ
シドキシー1,3゜5−トリアジン(以下rB G C
CJとする)、および2−クロロ−4−(2,4,6−
1−リメチルフエノキシ)−6−ゲリシドキシー1. 
3. 5トリアジン(以下rMGCCJとする)がある
これらの化合物はまたシアヌル酸から誘導されているか
のように命名することもでき、それぞれ、クロロシアヌ
ル酸ジグリシジル、クロロシアヌル酸n−ブチルグリシ
ジル、およびクロロシアヌル酸2,4.6−)リメチル
フェニルグリシジルとよぶことができる。これらは、た
とえば、2.4゜6−ドリクロロトリアジン(塩化シア
ヌル)をグリシドールまたはこれとn〜ブタノールもし
くはメジトールとの組合せと反応させることによって製
造できる。塩化シアヌルおよびジクロロシアヌル酸n−
ブチルは両方とも市販されている。
DGCC,BGCCおよびMGCCなどのような中間体
とそれらの製造方法は、1988年1月19日に出願さ
れた米国特許出願第144,901号に開示され、かつ
特許請求されている。これらの製造を以下の実施例で例
示する。
実施例1 塩化シアヌル220.8sr (1,2モル)をクロロ
ホルム1500mlに溶かした溶液を0〜10℃に冷却
し、機械的に攪拌しながら、グリシドール266.4g
 (3,6モル)を−度に加えた。
この混合物に、反応温度を10℃未満、好ましくは0〜
5℃付近に維持しつつ、攪拌しながら水酸化ナトリウム
水溶液(50%溶液、192g)を約3時間に亘って滴
下して加えた。この反応混合物を放置して室温までゆっ
くり暖めた。クロロホルム層を蒸溜水で中性になるまで
洗い、硫酸マグネシウムで乾燥した。この反応生成物は
2−クロロ−4,6−シグリシドキシー1.3.5−ト
リアジン(DGCC)であることが炭素−13核磁気共
鳴によって判明した。液体クロマトグラフィーで分析し
たところ約95%(重ff1)がクロロジグリシドキシ
トリアジンであった。この反応混合物は、少量のトリグ
リシドキシトリアジンとジクロログリシドキシトリアジ
ンも含有していた。
実施例2 ジクロロシアヌル酸n−ブチル250g(1゜125モ
ル)をクロロホルム757m1に溶かした溶液を0〜1
0℃に冷却し、機械的に攪拌しながら、グリシドール2
50g (3,375モル)を−度に加えた。この混合
物に、反応温度を10℃未満、好ましくは0〜5℃付近
に維持しつつ、攪拌しながら水酸化ナトリウム水溶′r
&(50%溶液、90g)を約2時間に亘って滴下して
加えた。この反応混合物を放置して30分かけて室温ま
で暖めた。クロロホルム層を蒸溜水で中性になるまで洗
い、硫酸マグネシウムで乾燥した。プロトン核磁気共鳴
で分析したところ、2−クロロ−4−(n−ブトキシ)
−6−ゲリシドキシーl、3゜5−トリアジン(BGC
C)の収率が95%であった。
実施例3 ジクロロシアヌル酸2,4.6−)リメチルフェニル(
等モル量のメジトールと塩化シアヌルとの反応によって
調製)50g (0,175モル)をメチレンクロライ
ド170m1に溶かした溶液を0〜10℃に冷却し、機
械的に攪拌しながら、グリシドール26.38g (0
,356モル)を−度に加えた。この混合物に、反応温
度をO′cと10℃の間、好ましくは0〜5℃付近に維
持しつつ、攪拌しながら水酸化ナトリウム水溶液(50
%溶液、14.26g)を約25分に亘って滴下して加
えた。さらに30分攪拌した後、この反応混合物を放置
して室温まで暖めた。メチレンクロライド層を蒸溜水で
中性になるまで洗い、硫酸マグネシウムで乾燥した。こ
の反応生成物は2−クロロ4−  (2,4,6−トリ
メチルフエノキシ)6−グリシドキシ−1,3,54リ
アジン(MGCC)であることがプロトン核磁気共鳴に
よって判明した。
本発明のポリフェニレンエーテルとエポキシクロロトリ
アジンとの反応にはいろいろな選択の自由がある。ひと
つの態様では、非極性の有機液体に溶かした溶液中で、
約80〜150℃の範囲の温度、好ましくは約100〜
125℃の温度で反応を実施する。この方法で使用する
塩基性の試薬はこの有機液体に溶けなければならず、通
常は第三級のアミンである。その他の点ではその種類に
臨界的な意味はないが、使用する温度で反応混合物中に
保持される程に非揮発性でなければならない。ピリジン
が好ましいことが多い。
この態様で使用するエポキシクロロトリアジンの量は、
通常、ポリフェニレンエーテルを基準にして約1〜20
重量%の範囲である。塩基性の試薬の量は反応を促進す
るのに有効な量であり、般に、エポキシクロロトリアジ
ン1モルに対して約1,0〜1.1当量が適切である。
上記のプロセスによって溶液中で製造されるエポキシト
リアジンでキャッピングされたポリフェニレンエーテル
は、一般に、化学的に結合した塩素、主として共有結合
した塩素をかなり高い割合(たとえば、少なくとも約0
. 4重量%)で含有する。この共有結合した塩素は、
エポキシ基が塩化水素受容体として有機塩基と競合して
クロロヒドリン残基を形成した結果であると思われる。
その後、このクロロヒドリン残基は別のエポキシ基と縮
合してポリフェニレンエーテル−エポキシトリアジンブ
ロックコポリマーやホモポリマー性のエポキシトリアジ
ンオリゴマーなどのような分子種を生成し得る。
このような分子種を有する生成物から製造されたポリフ
ェニレンエーテルコポリマーを含有する組成物を成形す
ると、延性ではあるが、ある種の条件下では衝撃強さが
望ましい程度よりもいくらか低下した物品が形成される
。これは特にポリエステルとのコポリマーの場合に見ら
れる。
本発明の方法の第二の好ましい態様では、共有結合した
塩素をほとんどまたはまったくもたないエポキシトリア
ジンでキャッピングされたポリフェニレンエーテルが生
成する。この方法では、水とすでに記載したような有機
液体とからなる媒質中の界面で反応を実施する。塩基性
の試薬は水溶性の塩基、通常はアルカリ金属水酸化物、
好ましくは水酸化ナトリウムである。これは、エポキシ
クロロトリアジンとポリフェニレンエーテルとの混合物
に加えてもよいし、あるいは最初にポリフェニレンエー
テルと反応させて塩を形成しておいて後にこれをエポキ
シクロロトリアジンと接触させてもよい。また、相間移
動触媒も使用する。普通の反応条件下で安定で有効な相
間移動触媒はいずれも使用できる。当業者にはどれが適
しているか容易に分かるであろう。特に好ましいのは、
1分子当たり少なくとも2個のアルキル基、通常は2個
か3個のアルキル基が炭素原子を約5〜20個含有する
ような塩化テトラアルキルアンモニウムである。
この態様では約20〜100℃の範囲の反応温度が使用
できる。エポキシクロロトリアジンの量は、前に述べた
方法の場合より少ないことが多く、通常はポリフェニレ
ンエーテルを基準にして約1〜6重量%、好ましくは約
2〜6重量%の範囲である。その理由は、エポキシクロ
ロトリアジンとポリフェニレンエーテルとの反応は、明
らかにこの場合の方が完全に近いからである。塩基の当
量数とエポキシクロロトリアジンのモル数との比は約0
.5〜1.5:1であり、相間移動触媒と塩基の重量比
は約0.01〜5.0:1であることが最も多い。
さらに別の方法では、有機液体と、固体の塩基、通常は
固体のアルカリ金属水酸化物または遊離塩基形態のアニ
オン交換樹脂とを使用する。塩化物塩は、業界で公知の
方法、たとえば、水酸化物を使用した場合には水洗によ
って、アニオン交換樹脂を使用した場合には濾過によっ
て除去できる。
いずれの製法を使用するにしても、エポキシトリアジン
でキャッピングされたポリフェニレンエーテルは、通常
の方法により、典型的には非溶剤で沈澱させることによ
って単離することができる。
使用できる非溶剤の中には、メタノール、1−プロパツ
ール、アセトン、アセトニトリルおよびそれらの混合物
がある。
非溶剤がアルコール類、特にメタノールである場合には
、これと、キャッピングされたポリフェニレンエーテル
上のエポキシトリアジン残基との反応が塩基に促進され
て起こり得、その結果普通はエポキシド基が消失する。
この反応を抑えるには2種の操作のいずれか一方または
両方を使用できる。第一のものは反応混合物をなんらか
の便利な酸性化合物で中和することであり、気体、液体
または固体状の二酸化炭素が好ましいことが多い。
第二のものは、通常の手段により、典型的には後の乾燥
工程などにより、可能な限りすばやくかつ完全にアルコ
ールと生成物との接触を除くことである。
本発明のエポキシトリアジンでキャッピングされたポリ
フェニレンエーテルの製造を例示する以下の実施例でエ
ポキシクロロトリアジンの割合はポリフェニレンエーテ
ルのパーセントとして表わしである。次のポリフェニレ
ンエーテルを使用した。
PPE−25℃のクロロホルム中での固有粘度がQ、4
0dl/gであるポリ(2,6−ジメチル−1.4−フ
ェニレンエーテル)。
vv−約20トルの最大圧力に真空脱気しながら約26
0〜320℃の範囲の温度の二軸式エクストルーダーで
押出したPPEo LN−第一級または第二級のアミンを含有しない触媒を
用いて製造した結果窒素の割合が低く、固有粘度が9.
57dl/gであるポリ(2,6−ジメチル−1.4−
フェニレンエーテル)。
キャッピングされたポリマー中のエポキシトリアジンの
パーセントは、核磁気共鳴スペクトルにおいてエポキシ
部分および芳香族部分中の水素原子に帰属するピークの
相対面積から測定した。塩素のパーセントは定量蛍光X
線分析によって測定した。
実施例4〜14 ポリフェニレンエーテル400グラムをトルエン250
0m1に溶かした溶液に攪拌しながらさまざまな量のピ
リジンを加えた後、さまざまな量のエポキシクロロトリ
アジンを少しずつ加えた。ピリジン(当量)とエポキシ
クロロトリアジン(モル)との比は1.04;1であっ
た。この溶液を還流下でさまざまな時間加熱した後、ブ
レンダー内でメタノールを用いて生成物を沈澱させ、濾
過し、メタノールで洗浄し、真空乾燥した。関連するパ
ラメーターと分析結果を表1に示す。
表   ! ポリフェニレンエーテル400グラムをトルエン250
0m1に溶かした溶液に、さまざまな量のエポキシクロ
ロトリアジンを少量のメチレンクロライドに溶解して加
えた。次いで、市販の塩化メチルトリアルキルアンモニ
ウム(アルキル基は炭素原子を8〜10個含有)の10
%トルエン溶液を48グラム、さらに、10%水酸化ナ
トリウム水溶液をエポキシクロロトリアジン1モルに対
して水酸化ナトリウム1.3当量の量で加えた。この混
合物を25〜40℃でさまざまな時間激しく攪拌した後
、ブレンダー内でメタノールを用いて生成物を沈澱させ
、すばやく濾過し、メタノールで洗浄し、真空乾燥した
結果を表Hに挙げる。塩素の割合は200ppm未満で
あり、定量蛍光X線分析で検出可能な最小量であった。
表   ■ ブン 本発明のエポキシトリアジンでキャッピングされたポリ
フェニレンエーテルは、親核性の基、典型的にはアミン
基、イソシアネ〒ト基、ヒドロキシ基、チオール基、ま
たはカルボキシ基もしくはそれらの官能性誘導体基を含
有する他のポリマーと反応してコポリマーを含有する組
成物を形成する。この組成物は、高い衝撃強さとその他
の優れた物性を有する物品に成形できる。また、それら
は、ポリマーブレンドを相溶化して類似の優れた特性を
有する成形用組成物を形成するのにも有用である。この
エポキシトリアジンでキャッピングされたポリフェニレ
ンエーテルとポリエステルおよびポリアミドとのコポリ
マーからなる組成物は、本出願人名義の2つの米国特許
出願に開示され、かつ特許請求されている。
上記のようなコポリマー組成物を製造するのに適したポ
リエステルは一般に次式の構造単位を含む。
(IX)           4II    I+−
0−R−0−C−A’ −に こで、各R4は、それぞれ独立して、二価の脂肪族、脂
環式もしくは芳香族の炭化水素基またはポリオキシアル
キレン基であり、Alは二価の芳香族基である。これら
にはポリ(アルキレンジカルボキシレート)で代表され
る熱可塑性のポリエステル、エラストマー性のポリエス
テル、ポリアリ−レート、およびコポリエステルカーボ
ネートなどのようなポリエステルコポリマーが包含され
る。キャッピングされたポリフェニレンエーテル中のエ
ポキシ基と反応を起こす主要なものはポリエステルのカ
ルボン酸基であるので、このポリエステルが比較的高い
濃度でカルボン酸末端基を有しているのが極めて好まし
い。約5〜250マイクロ当量/グラムの範囲の濃度が
一般に適しており、10〜100マイクロ当量/グラム
が好ましく、30〜100はさらに好ましく、40〜8
0は特に望ましい。
これらのポリエステルは次式の構造単位を含んでいても
よい。
ここで、R4はすでに定義した通りであり、R5はポリ
オキシアルキレン基であり、A2は三価の芳香族基であ
る。式■中のA1基はp−フェニレンもしくはm−フェ
ニレンまたはこれらの混合物であるのが最も普通であり
、式X中のA2は通常トリメリド酸から誘導されており
、次式の構造を有する。
R4基は、たとえば、Cのアルキレン基、−IO Cの脂環式基、CB−20の芳香族基、またはポリオキ
シアルキレン基(ただし、このアルキレン基は炭素原子
を約2〜6個含有し、4個含有するのが最も普通である
)でよい。すでに指摘したように、この種のポリエステ
ルにはポリ(アルキレンテレフタレート)とポリアリ−
レートが包含される。ポリ(アルキレンテレフタレート
)が好ましいことが多く、ポリ(エチレンテレフタレー
ト)とポリ(ブチレンテレフタレート)が最も好ましい
このポリエステルは、一般に、60%(重量)のフェノ
ールと40%の1. 1. 2. 2−テトラクロロエ
タンの混合物中30℃での固有粘度(■V)によって測
定される数平均分子量が約20゜OOO〜70.000
の範囲である。
本発明のコポリマー組成物の製造には溶液ブレンドまた
は溶融ブレンドのいずれかの手順を使用できる。典型的
な反応温度は約175〜350℃の範囲である。したが
って、溶液反応では0−ジクロロベンゼン、ニトロベン
ゼンまたは1,2゜4−トリクロロベンゼンなどのよう
な比較的沸点の高い溶媒が好ましい。
溶融反応法は、工業用ポリマー加工施設で溶融ブレンド
装置が入手できるので好ましいことが多い。従来のこの
種の装置が適しており、押出装置を使用すると一般に便
利でありしたがって好ましいことが多い。
エポキシトリアジンでキャッピングされたポリフェニレ
ンエーテルとポリエステルとの間で起こる主要な反応に
は、一般に後者のカルボン酸末端基が関与しており、こ
れかエポキシド基を開環してヒドロキシエステル基を形
成する。したがって、本発明の好ましい態様は、下記式
のポリフェニレンエーテル−ポリエステル結合を少なく
とも1個含有する分子からなるポリフェニレンエーテル
ここで、q l 、Q 2およびR1はすでに定義した
通りであり zlはアルキル、シクロアルキルもしくは
芳香族基(低級アルキルまたは芳香族炭化水素が最も普
通である)または であり、Z2がOHでZ3が−o−c−であるか、ある
いはZ2が−o−c−でZ3がOHである。
もうひとつの可能な反応は、ポリエステルのヒドロキシ
末端基とキャッピングされたポリフェニレンエーテルの
エポキシ基との間で起こる。したがって、本発明の組成
物は、式XIの結合を含有する化合物に限定されること
はなく、Z2またはZ3のカルボキシレート残基の代わ
りにエーテル残基を含有する類似の構造の結合を有する
化合物も包含し得る。
ポリフェニレンエーテルと他のポリマーの割合には臨界
的な意味はなく、所望の性質を有する組成物が得られる
ように広い範囲で変えられる。最も普通の場合、各々の
ポリマーを、組成物の約5〜95重量%の範囲、好まし
くは約30〜70重量%の範囲の量で使用する。
このような組成物は、ポリフェニレンエーテル−ポリエ
ステルコポリマーの外に、未反応のポリフェニレンエー
テルも含有する。これには、水素結合した末端基(すな
わち、式■のアミノアルキルで置換された末端基)のみ
を有するポリフェニレンエーテル分子、ならびに不完全
なキャッピングの結果官能化されていないポリフェニレ
ンエーテルや、または官能化されてはいるがポリエステ
ルとは反応しなかったその他のポリフェニレンエーテル
がすべて包含される。この組成物は未反応のポリエステ
ルも含有し得る。いずれにしても、これらの組成物から
製造された成形部品は、一般に延性であり、l’純なポ
リフェニレンエーテルポリエステルブレンドから製造さ
れたものより衝撃強さが高い。これらの単純なブレンド
は不相溶性であり、すでに述べたように脆性や層剥離を
示すことが多い。
実験データの示唆するところでは、他のいくつかのファ
クターが、最大の衝撃強さをもった組成物を製造する際
に重要である。これらのうちのひとつはエポキシトリア
ジンでキャッピングされたポリフェニレンエーテル中の
塩素の割合である。
すでに記載した溶液法で得られた高塩素含量のキャッピ
ングされたポリフェニレンエーテルから製造された本発
明の組成物は、界面法で得られた低塩素材料から製造さ
れたものより衝撃強さが低いことが多い。
もうひとつのファクターは、ポリフェニレンエーテル中
の中和されてないアミノ窒素の割合である。高割合では
、エポキシド環の開環、シアヌレート部分からのエポキ
シド基の転位、およびエステル結合の開裂を始めとする
副反応が生起し得る。
このような副反応は、すでに記載したようにポリフェニ
レンエーテルおよび/または本発明の組成物を真空脱気
することによって最小限に抑えることができる。第三の
ファクターは、使用するキャツピング剤の分子構造(D
GCCと対比したBGCCまたはMGCC)およびその
割合と共に変化し得るコポリマーの分子構造である。
また、「高塩素含量の」キャッピングされたポリフェニ
レンエーテルを合資する組成物は、低割合の中和されて
ないアミノ窒素を含有するポリフェニレンエーテルを使
用すると延性および高い衝撃強さが得られる傾向が高く
、「低塩素の」材料では逆のことがいえるようでもある
。この理由は現在のところ理解されていない。
このコポリマーを含有する組成物は、ポリフェニレンエ
ーテル、他のポリマーおよびコポリマーに加えてその他
の成分を含有していてもよい。その例は、ポリフェニレ
ンエーテルおよび他のポリマーのいずれかまたは双方と
相溶性の衝撃改質剤である。
適切な衝撃改質剤には各種のエラストマー性コポリマー
があり、その例は、官能化されてないものと(たとえば
)スルホネート基やホスホネート基で官能化されたもの
とを含めたエチレン−プロピレン−ジエンポリマー(E
PDM)、カルボキシレート化されたエチレン−プロピ
レンゴム、重合したシクロアルケン、ならびに、スチレ
ンなどのようなアルケニル芳香族化合物とブタジェン、
イソプレン、クロロブレン、エチレン、プロピレンおよ
びブチレンを始めとする重合性のオレフィンまたはジエ
ンとのブロックコポリマーである。
また、相互貫入型網目構造によってポリ(アルキルアク
リレート)コアにポリスチレンシェルを結合したコアー
シェルポリマーも包含される。このようなコアーシェル
ポリマーは米国特許箱4,681.915号に詳細に開
示されている。
好ましい衝撃改質剤は、アルケニル芳香族化合物とジエ
ンのブロック(典型的には、ジブロック、トリブロック
またはラジアルテレブロック)コポリマーである。少な
くとも1個のブロックがスチレンから誘導され、他の少
なくとも1個のブロックがブタジェンとイソプレンの少
なくともどちらかから誘導されていることが最も多い。
特に好ましいのは、ポリスチレン末端ブロックとジエン
がら誘導された中央ブロックとをもつトリブロックコポ
リマーである。存在する脂肪族不飽和を選択的水素化に
よって除去する(これが好ましい)がまたは低下させる
と有利であることが多い。これらの衝撃改質剤の重量平
均分子量は約50.000〜300.000の範囲が典
型的である。このタイプのブロックコポリマーはシェル
・ケミカル社(Shell Chemical Cot
Btany)からクレートン(KRATON)という商
標で市販されており、たとえばクレートン(KRATO
N) D ) 101、G1650、G1651、G1
652およびG1702がある。
ポリカーボネート、コポリエステルカーボネートまたは
ポリアリ−レートなどのようなポリマーが存在すると、
高い成形温度および/または長い成形サイクル時間など
のような苛酷な成形条件下で成形された物品の衝撃強さ
を改良する効果を示すことができる。この同じ目的は、
組成物中に、複数個のエポキシド基を含有する少なくと
も1種の他の化合物(以後、「ポリエポキシド」という
)を、通常は組成物の約0,1〜3,0%、好ましくは
約0.25〜3,0%の量で配合することによって適え
られることが多い。このタイプの代表的な化合物はグリ
シジルアクリレートやグリシジルメタクリレートなどの
ような化合物のホモポリマーならびにそのコポリマーで
あり、その好ましいコモノマーは低級アルキルアクリレ
ート、メチルメタクリレート、アクリロニトリルおよび
スチレンである。また、トリグリシジルイソシアヌレト
などのようなエポキシで置換されたシアヌレートおよび
インシアヌレートも有用である。
このポリエポキシドは、単一の操作で他の成分とブレン
ドすることによって導入すればよい。しかし、その有効
性は、典型的には乾燥状態で混合した後押出すことによ
り、ポリエステルと予備混和することによって最大限に
発揮できる。そのような予備ブレンドによって組成物の
衝撃強さが増大することが多い。このポリエポキシドの
有効な理由は完全には理解されていないが、一部のポリ
エステル分子のカルボン酸末端基との反応によってポリ
エステルの分子量、溶融粘度および分枝化度が高められ
るためと思われる。
最後に、充填材、難燃剤、顔料、染料、安定剤、帯電防
止剤、結晶化助剤、離型剤などのような通常の添加成分
、および上で述べなかった樹脂状成分が存在していても
よい。
ポリフェニレンエーテル−ポリエステルコポリマー組成
物の製造とその性質を例示する以下の実施例で使用した
ポリエステルと衝撃改質剤は次のものである。
PET−いろいろなポリ(エチレンテレフタレート)。
PBT−ゲル透過クロマトグラフィーでρ1定される数
平均分子量が約50.000のポリ(ブチレンテレフタ
レート)。
PATME−テトラメチレングリコール、ヘキサメチレ
ングリコールおよびポリ(テトラメチレンエーテル)グ
リコールの混合物に由来する市販のエラストマー性ポリ
テレフタレート。
PTME (50,000)およびPTME (54゜
000)−テトラメチレングリコールとポリ(テトラメ
チレンエーテル)グリコールの混合物に由来し、括弧内
に表示した数平均分子量を有し、ポリ(テトラメチレン
エーテル)グリフール単位をそれぞれ約20重量%およ
び50重量%含有する市販のエラストマー性ポリテレフ
タレート。
PIE−ジメチルテレフタレートおよびトリメリド酸と
平均分子量が約2000のポリオキシプロピレンジアミ
ンとのジイミドー二酸反応生成物の0.91:1(重量
)混合物と、1.4−ブタンジオールとから製造された
コポリエステル。
5EBS−重量平均分子量が29,000のポリスチレ
ン末端ブロックと、重量平均分子量が116.000の
水素化されたブタジェン中央ブロックとを存する市販の
トリプロ・ソクフポリマー CS−米国特許箱4,684,696号に従って製造さ
れた、75%の架橋ポリ(ブチルアクリレート)コアと
25%の架橋ポリスチレンシェルとを含有するコアーシ
ェル材料。
PO−シス−トランス比が20:80で、重量平均分子
量が約55,000のポリオクテニレン。
記載した樹脂ブレンドは、(特に断わらない限り)乾燥
状態で混合した後400rpmおよび190〜255℃
の二輪式エクストルーダーで押出して製造した。押出し
た材料を水で急冷し、ベレット化し、オーブンで乾燥し
、280℃で成形した。成形した試験片のノツチ付きア
イゾツト衝撃強さおよび引張特性(それぞれ、ASTM
のD256法およびD638法)ならびに0.455M
Paでの熱変形温度(A S TMのD648法)を試
験した。
以下の実施例中で部とパーセントはすべて重量による。
表示した結合したポリフェニレンエーテルの割合は、共
重合しなかったポリフェニレンエーテルをトルエンで抽
出し、残渣中のポリフェニレンエーテルの割合を核磁気
共鳴分析で測定することによって測定した。これは一般
に組成物中のコポリマーの量を示す。
実施例26〜35 実施例4〜14に記載したようにして製造したエポキシ
トリアジンでキャッピングされたポリフェニレンエーテ
ル、各種のポリエステルおよび5EBSをさまざまな割
合で含有する組成物を調製して成形した。関連するパラ
メーターと試験の結果を表■に示す。
実施例36〜47 実施例15〜25のエポキシトリアジンでキャッピング
されたポリフェニレンエーテル、PBTおよび5EBS
から組成物を製造して成形した。
関連するパラメーターと試験結果を表■に示す。
実施例48〜49 PPE18部で等重量のエポキシトリアジンでキャッピ
ングされたポリフェニレンエーテルを置き換えて、実施
例18および24の組成物と類似の組成物を製造して成
形した。関連する試験の結果を表Vに示す。
表■ 実施例50〜57 エポキシトリアジンでキャッピングされたポリフェニレ
ンエーテル、PETおよび(実施例50〜55では)S
EBSを含有する組成物を製造して成形した。いくつか
の例では、カルボン酸末端基の割合を増大させるために
PETをあらかじめ271℃で押出して乾燥した。次の
PETを使用した。
「コダパック(Kodapak)  7352 J−イ
ーストマン・コダック社(Eastman Kodak
 Co、)製。
「バイタツフ(vItur)1001A」−フットイヤ
ー・ケミカル(Goodyear Chea+1cal
)製。
「ローム・アンド6ハース(Roha & tlaas
) 5202AJ。
再生ボトルスクラップ−数平均分子量的40゜000゜ 関連するパラメーターと試験結果を表■に示す。
実施例58〜61 実施例18のエポキシトリアジンでキャッピングされた
ポリフェニレンエーテル、PBT、ボトルスクラップP
ETおよび(実施例58〜60では)SEBSを含有す
る組成物を調製して成形した。関連するパラメーターと
試験結果を表■に示す。
表   ■ 実施例62〜64 実施例18のものに似ているがエポキシトリアジンを0
.75〜0.85%含有するエポキシトリアジンでキャ
ッピングされたポリフェニレンエーテル、PBTおよび
C8またはPOを含有する組成物を調製して成形した。
関連するパラメーターと試験結果を表■に示す。
実施例65〜74 エポキシトリアジンで官能化されたポリフェニレンエー
テル、各種のエラストマー性ポリエステルおよび(実施
例65〜71では)衝撃改質剤として5EBSを含有す
る組成物を調製して成形した。関連するパラメーターと
試験結果を表■に示す。
表   ■ 実施例75〜80 実施例18のエポキシトリアジンでキャッピングされた
ポリフェニレンエーテル、PBTと各種めエラストマー
性ポリエステルとの混合物、および(実施例75〜79
では)衝撃改質剤として5EBSを含有する組成物を調
製して成形した。関連するパラメーターと試験結果を表
Xに示す。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)式 ( I )▲数式、化学式、表等があります▼ 〔式中、各Q^1は、それぞれ独立して、ハロゲン、第
    一級もしくは第二級の低級アルキル、フェニル、ハロア
    ルキル、アミノアルキル、炭化水素オキシ、またはハロ
    炭化水素オキシ(ただし、少なくとも2個の炭素原子が
    ハロゲン原子と酸素原子を隔てている)であり、各Q^
    2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、第一級もし
    くは第二級の低級アルキル、フェニル、ハロアルキル、
    炭化水素オキシ、またはQ^1に対して定義したハロ炭
    化水素オキシであり、Xはアルキル基、シクロアルキル
    基もしくは芳香族基、または (II)▲数式、化学式、表等があります▼ であり、R^1は二価の脂肪族、脂環式、複素環式また
    は置換もしくは非置換の芳香族炭化水素基である]の末
    端基を有するポリマー分子からなる、エポキシトリアジ
    ンでキャッピングされたポリフェニレンエーテル組成物
  2. (2)ポリフェニレンエーテルが、式 (III)▲数式、化学式、表等があります▼ [式中、各Q^1は、それぞれ独立して、ハロゲン、第
    一級もしくは第二級の低級アルキル、フェニル、ハロア
    ルキル、アミノアルキル、炭化水素オキシ、またはハロ
    炭化水素オキシ(ただし、少なくとも2個の炭素原子が
    ハロゲン原子と酸素原子を隔てている)であり、各Q^
    2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、第一級もし
    くは第二級の低級アルキル、フェニル、ハロアルキル、
    炭化水素オキシ、またはQ^1に対して定義したハロ炭
    化水素オキシである]を有する複数個の構造単位からな
    る、請求項1記載の組成物。
  3. (3)Rが低級のアルキレン基である、請求項2記載の
    組成物。
  4. (4)ポリフェニレンエーテルがポリ(2,6−ジメチ
    ル−1,4−フェニレンエーテル)である、請求項3記
    載の組成物。
  5. (5)Rがメチレンである、請求項4記載の組成物。
  6. (6)Xが低級アルキル基または芳香族炭化水素基であ
    る、請求項5記載の組成物。
  7. (7)Xがメチル、n−ブチルまたは2,4,6−トリ
    メチルフェニルである、請求項6記載の組成物。
  8. (8)Xが式IIを有する、請求項5記載の組成物。
  9. (9)反応性条件下、塩基性試薬の存在下で、少なくと
    も1種のポリフェニレンエーテルを、式(IX)▲数式、
    化学式、表等があります▼ [式中、Xはアルキル基、シクロアルキル基、もしくは
    芳香族基、または (II)▲数式、化学式、表等があります▼ であり、R^1は二価の脂肪族、脂環式、複素環式また
    は置換もしくは非置換の芳香族炭化水素基である]のエ
    ポキシクロロトリアジンと接触させることからなる、エ
    ポキシトリアジンでキャッピングされたポリフェニレン
    エーテル組成物の製造方法。
  10. (10)ポリフェニレンエーテルがポリ(2,6−ジメ
    チル−1,4−フェニレンエーテル)である、請求項9
    記載の方法。
  11. (11)非極性の有機液体溶液中約80〜150℃の範
    囲の温度で反応を実施し、塩基性の試薬がこの有機液体
    に可溶である、請求項10記載の方法。
  12. (12)塩基性の試薬がピリジンであり、有機液体がト
    ルエンである、請求項11記載の方法。
  13. (13)エポキシクロロトリアジンの量がポリフェニレ
    ンエーテルを基準にして約1〜20重量%の範囲であり
    、塩基性の試薬の量がエポキシクロロトリアジン1モル
    当たり約1.0〜1.1当量である、請求項12記載の
    方法。
  14. (14)水および非極性の有機液体からなる媒質中約2
    0〜100℃の範囲の温度で反応を界面で生起させ、塩
    基性の試薬が水溶性の塩基であり、相間移動触媒も使用
    する、請求項10記載の方法。
  15. (15)塩基性の試薬が水酸化ナトリウムであり、有機
    液体がトルエンであり、相間移動触媒が塩化テトラアル
    キルアンモニウム(ただし、1分子当たり少なくとも2
    個のアルキル基が約5〜20個の炭素原子を含有する)
    である、請求項14記載の方法。
  16. (16)エポキシクロロトリアジンの量がポリフェニレ
    ンエーテルを基準にして約2〜6重量%の範囲であり、
    塩基の当量数のエポキシクロロトリアジンのモル数に対
    する比が約0.5〜1.5:1であり、相間移動触媒と
    塩基の重量比が約0.01〜5.0である、請求項15
    記載の方法。
  17. (17)次いで、酸性化合物で反応混合物を中和する、
    請求項10記載の方法。
  18. (18)酸性化合物が二酸化炭素である、請求項17記
    載の方法。
  19. (19)請求項9記載の方法によって製造された組成物
  20. (20)請求項11記載の方法によって製造された組成
    物。
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